特許第6381803号(P6381803)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6381803電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置への入力を実施するための電子スタイラス、方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6381803
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置への入力を実施するための電子スタイラス、方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20180820BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20180820BHJP
   G06F 3/03 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   G06F3/041 560
   G06F3/044 Z
   G06F3/03 400Z
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-527252(P2017-527252)
(86)(22)【出願日】2015年11月20日
(65)【公表番号】特表2017-536626(P2017-536626A)
(43)【公表日】2017年12月7日
(86)【国際出願番号】EP2015077254
(87)【国際公開番号】WO2016079314
(87)【国際公開日】20160526
【審査請求日】2017年7月19日
(31)【優先権主張番号】102014223680.0
(32)【優先日】2014年11月20日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509153928
【氏名又は名称】シュタビロ インターナツィオナール ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】STABILO International GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】カール−ペーター ケンプフ
(72)【発明者】
【氏名】ゲラルト コレンダ
【審査官】 間野 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−79485(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0378457(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0327040(US,A1)
【文献】 特開2011−143557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
G06F 3/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置への入力を実施するための電子スタイラスであって、
前記電子スタイラスは、それぞれ異なる電気容量(114,113)を有する少なくとも2つの状態(101,102)をとるように、かつ、それぞれ異なる前記電気容量(114,113)を有するそれぞれ異なる前記状態(101,102)の間で交互にスイッチングを実施するように構成されている、
電子スタイラスにおいて、
前記電子スタイラスは、第1の電気容量(114)を有する第1の状態(101)の状態持続期間(116)が、第2の電気容量(113)を有する第2の状態(102)の状態持続期間(117)よりも長くなるように、それぞれ異なる電気容量(114,113)を有する前記電スタイラスの各状態(101,102)の間でスイッチング(112)を実施するように構成されており、
前記電子スタイラスは、前記電子スタイラスの前記第1の状態(101)の前記第1の電気容量の値(114)が、前記電子スタイラスの前記第2の状態(102)の前記第2の電気容量の値(113)よりも大きくなるように構成されている、
ことを特徴とする電子スタイラス。
【請求項2】
前記電子スタイラスは、筆圧センサを有し、前記筆圧センサによって測定された筆圧に応じて、第1の電気容量(114)を有する前記電子スタイラスの前記状態(101)の前記状態持続期間(116)を調整するように構成されている、
請求項記載の電子スタイラス。
【請求項3】
前記電子スタイラスは、手動で操作可能なオプションスイッチを有し、
前記オプションスイッチは、第1の電気容量(114)を有する前記電子スタイラスの前記状態(101)の前記状態持続期間(116)をセットするように構成することができ、
前記オプションスイッチは、スイッチ、ボタン、タッチ感応式の面、または近接センサとして実装することができる、
請求項1または2記載の電子スタイラス。
【請求項4】
電子スタイラスを介して、電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置への入力を実施するための方法において、
第1の電気容量(114)を有する前記電子スタイラスの第1の状態(101)と、第2の電気容量(113)を有する前記電子スタイラスの第2の状態(102)との間で、前記電子スタイラスを交互にスイッチング(112)することを含み、
前記第1の電気容量(114)を有する前記第1の状態(101)の状態持続期間(116)は、前記第2の電気容量(113)を有する前記第2の状態(102)の状態持続期間(117)よりも長く、
前記電子スタイラスの前記第1の状態(101)の前記第1の電気容量の値(114)は、前記電子スタイラスの前記第2の状態(102)の前記第2の電気容量の値(113)よりも大きい、
ことを特徴とする方法。
【請求項5】
前記デジタル入力装置は、スリープモードとアクティブモードとを有し、
前記アクティブモードでは、前記タッチ感応式の入力面における容量変化を測定するための測定周波数が、前記スリープモードにおける前記タッチ感応式の入力面における容量変化を測定するための測定周波数を上回っており、
第1の電気容量(114)を有する前記電子スタイラスの前記第1の状態(101)の前記状態持続期間(116)は、前記スリープモードにおける前記デジタル入力装置の測定サイクルの持続期間よりも長い、
および/または、
前記第2の電気容量(113)を有する前記電子スタイラスの前記第2の状態(102)の前記状態持続期間(117)は、前記アクティブモードにおける前記デジタル入力装置のタッチ測定の持続期間よりも長い、
請求項記載の方法。
【請求項6】
第1の電気容量(114)を有する前記電子スタイラスの前記第1の状態(101)の前記状態持続期間(116)は、40ms乃至100msの間にあり、好ましくは80msであり、
および/または、
第2の電気容量(113)を有する前記電子スタイラスの前記第2の状態(102)の前記状態持続期間(117)は、15ms乃至35msの間にあり、好ましくは30msである、
請求項4または5記載の方法。
【請求項7】
電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置への入力を実施および識別するためのシステムにおいて、
電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置と、
前記デジタル入力装置への入力を実施するための電子スタイラスと、
を有し、
前記電子スタイラスは、それぞれ異なる電気容量(114,113)を有する少なくとも2つの状態(101,102)をとるように、かつ、それぞれ異なる前記電気容量(114,113)を有するそれぞれ異なる前記状態(101,102)の間で交互にスイッチング(112)を実施するように構成されており、
前記電子スタイラスは、第1の電気容量(114)を有する第1の状態(101)の状態持続期間(116)が、第2の電気容量(113)を有する第2の状態(102)の状態持続期間(117)よりも長くなるように、それぞれ異なる前記電気容量(114,113)を有する前記電子スタイラスの各状態(101,102)の間でスイッチング(112)を実施するように構成されており、
前記電子スタイラスは、前記電子スタイラスの前記第1の状態(101)の前記第1の電気容量の値(114)が、前記電子スタイラスの前記第2の状態(102)の前記第2の電気容量の値(113)よりも大きくなるように構成されている、
ことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来技術
本発明は、請求項1のプリアンブル部に記載された形式の装置と、請求項5のプリアンブル部に記載された方法と、請求項9のプリアンブル部に記載されたシステムとに関する。
【背景技術】
【0002】
現代のデジタルコンピュータは、タッチ感応式の入力面を介して制御することができる。特に広く普及しているのは、容量式のシステムである。この場合には例えば、スクリーンのカバープレートの裏側に被着された透明な導体路のグリッドが、交流電圧の印加下に置かれている。
【0003】
ユーザの指がグリッドのノードに接近すると、指と導体路とがコンデンサの2つのプレートを形成し、スクリーンのカバープレートがコンデンサの誘電体を形成する。
【0004】
導体路がRC素子の一部であること、すなわち、抵抗とコンデンサとを有する回路の一部であることにより、指の接近による容量変化を測定することが可能となり、ひいては接触点を特定することが可能となる。
【0005】
この場合の欠点は、指、手の一部、またはスタイラス、特に電子スタイラスによるタッチを、センサシステムによって明確に区別することができないことである。このような状況下では、ハンドレストが第2の等価信号として誤解される可能性があるので、手がスクリーン上に載っている間に電子スタイラスを用いてタッチ感応式のスクリーンに適切に書き込むことが不可能になるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
課題
したがって、本発明の課題は、特に、電子スタイラスを用いて実施されるデジタル入力装置への入力の識別の精度、待ち時間、および効率に関して、デジタル入力装置のための電子スタイラスを改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
解決方法
本発明によれば、上記の課題は、請求項1に記載の電子スタイラス、請求項5に記載の方法、および請求項9に記載のシステムによって解決される。有利な実施形態およびさらなる発展形態は、従属請求項の主題である。
【0008】
電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置への入力を実施するための本発明による電子スタイラスは、それぞれ異なる電気容量を有する少なくとも2つの状態をとることができるように、かつ、それぞれ異なる電気容量を有するそれぞれ異なる前記状態の間で交互にスイッチング可能となるように構成することができる。
【0009】
さらには、前記電子スタイラスは、第1の電気容量を有する第1の状態の状態持続期間が、第2の電気容量を有する第2の状態の状態持続期間よりも長くなるように、それぞれ異なる電気容量を有する電子スタイラスの各状態の間でスイッチングを実施するように構成および適合することができる。
【0010】
好ましくは、これにより、電子スタイラスの第1の状態の第1の電気容量の値を、電子スタイラスの第2の状態の第2の電気容量の値よりも大きくすることができる。以下では、簡略化のために、第1の電気容量の値が第2の電気容量の値よりも大きいものと仮定する。
【0011】
このようにして、それぞれ異なる電気容量を有する電子スタイラスの前記2つの状態または前記2つのスイッチング状態の間におけるスイッチングを、非対称に実施することができる。したがって、第1の電気容量を有する電子スタイラスの第1の状態の状態持続期間を比較的長くし、これに後続する、第2の電気容量を有する電子スタイラスの第2の状態の状態持続期間を比較的短くすることができる。
【0012】
以下では、容量という用語は、電気容量を指すものとして厳密に理解されるべきである。
【0013】
このような電気容量の非対称の変調によって、有利には、スタイラスによって引き起こされるデジタル入力装置のタッチ感応式の入力面のタッチ信号と、電気容量の変調を示さない例えばユーザの手または指などの身体部分または他のアイテムまたはオブジェクトによって引き起こされる他のタッチ信号とを、区別することが可能となる。
【0014】
特にこのようなスタイラスは、以下で説明するように、スリープモードとアクティブモードとを有するデジタル入力装置のタッチ感応式の入力面のタッチ信号の検出の待ち時間を改善することを可能にする。
【0015】
例えば、タッチ感応式の入力面の容量または容量測定値の変化に関する測定クエリを、スリープモードおよびアクティブモードの両方において、ただし、それぞれ異なる測定周波数で、実施することができる。
【0016】
例えばスリープモードでは、タッチ感応式の入力面の容量または容量測定値の変化に関する測定クエリを、デジタル入力装置のアクティブモードにおけるタッチ感応式の入力面の容量測定が実施可能な例えば60Hzのアクティブ測定周波数よりも低い、例えば約25Hzのスリープ測定周波数で実施することができる。
【0017】
例えばデジタル入力装置のアクティブモードへの変更を実施可能にするために、例えば第1の電気容量の値が、タッチ信号またはタッチイベント、特にデジタル入力装置のスリープモードにおけるタッチ信号またはタッチイベントをトリガすることができると規定すると、デジタル入力装置のアクティブモードへの変更をより迅速に検出することが可能となる。
【0018】
なぜなら、本実施例の場合にはデジタル入力装置のアクティブモードへの変更を実施しない、第2の電気容量の状態持続期間よりも長い、第1の電気容量の状態持続期間に起因して、第1電気容量を有する電子スタイラスの状態を十分な長さで持続させることができるので、デジタル入力装置のスリープモードにおいても、第1電気容量を有する電子スタイラスの状態が、デジタル入力装置によってより確実かつ迅速に検出されるからである。
【0019】
換言すれば、これにより、デジタル入力装置のスリープモードにおける、識別されないタッチ信号またはタッチイベントの発生を低減させることができる。
【0020】
このようにして有利には、電子スタイラスの使用に対するデジタル入力装置の反応における、ユーザにとって不快でイライラする待ち時間を回避することが可能となり、例えば50ms未満または30ms未満の待ち時間を実現することが可能となる。
【0021】
さらには、本発明による電子スタイラスによって、有利には、スタイラスのタッチ信号の分解能を改善することが可能となる。なぜなら、例えば第1の電気容量を有する電子スタイラスの比較的長く持続する第1の状態は、特にデジタル入力装置のアクティブモードにおいて、デジタル入力装置の複数の測定クエリまたは測定点によって分解することができるからである。
【0022】
電子スタイラスはさらに、筆圧センサを有することができ、前記筆圧センサによって測定された筆圧に応じて、第1の電気容量を有する電子スタイラスの状態の持続期間が調整可能となるように構成することができる。
【0023】
例えば、測定された筆圧が所定の筆圧閾値を下回る場合には、第1の電気容量を有する電子スタイラスの状態の状態持続期間を短縮することが考えられ、これによって例えば、第1の電気容量の状態を、ごく少数の、例えば3つまたは4つの測定点の後にスイッチオフすることができるか、または第2の電気容量を有する電子スタイラスの第2の状態にスイッチングを実施することができる。
【0024】
しかしながら、測定された筆圧が所定の筆圧閾値を上回る場合には、例えば第1の電気容量を有する電子スタイラスの状態の状態持続期間を延長してもよく、これによって前記容量状態を、はるかに多くの測定点を用いて、例えば10乃至20個の測定点を用いて分解することができる。
【0025】
このことは有利には、デジタル入力装置のタッチ感応式の入力面におけるスタイラスのタッチ信号と、他のタッチ信号とをより良好に区別するために役立ち、また、スタイラスのタッチ信号の分解能の改善をもたらすことができ、例えば筆跡の分解能と識別の改善をもたらすことができる。
【0026】
この場合には例えば、第1の電気容量を有する電子スタイラスの状態の状態持続期間の最大長さを、100ms以下の状態持続期間に制限されるように規定することが有利であるとすることができ、これによってスタイラスのタッチ信号と、スタイラスによって引き起こされたのではない、例えばユーザの手によって引き起こされたタッチ信号との区別を、十分に迅速に行うことが可能となり、スタイラスのタッチ信号を検出するための不快な待ち時間がなくなる。
【0027】
このようにして例えば、第1の電気容量の測定点の数と、タッチ信号の起点の検出時間との間の最適な比率を、有利にも実現することが可能となる。
【0028】
例えばデジタル入力装置によって実行される評価ソフトウェアが、第1の電気容量を有する連続的な測定点の数をカウントし、これによってスタイラスの筆圧に関する結論を引き出すことができるようにすることも考えられる。
【0029】
一般的に、例えば190乃至270Hzの交流電圧で動作するデジタル入力装置による電子スタイラスの容量または容量値の測定値は、100乃至400μs(マイクロ秒)の持続期間を有する測定クエリまたは測定パルスから求めることができる。さらには、デジタル入力装置は、数ピコファラッドの範囲の容量変化を検出し、測定することができる。
【0030】
さらには、電子スタイラスは、手動で操作可能なオプションスイッチを有することができ、前記オプションスイッチは、第1の電気容量を有する電子スタイラスの状態の状態持続期間をセットするように構成することができる。
【0031】
このようにして例えば、第1の電気容量を有する電子スタイラスの状態の、予め定められた種々異なる状態持続期間によって、デジタル入力装置と相互作用する電子スタイラスの複数の異なる書式オプション、例えば複数の異なる文字色、または線の太さ、またはその他の文字、または色の効果を有効にすることができる。
【0032】
前記オプションスイッチは、例えばスイッチ、ボタン、タッチ感応式の面、または近接センサとして実装することができる。
【0033】
例えばオプションスイッチが、例えば第1および/または第2の電気容量を有する電子スタイラスの状態の別の1つおよび/または複数の状態持続期間を有し得る新しいスタイラスモードへの変更を、マイクロコントローラに実施させることができるようにすることも考えられる。
【0034】
この場合には例えば、デジタル入力装置は、複数の状態シーケンスまたは状態サイクルにわたる平均化によって状態持続期間を測定し、それに応じてグラフィックディスプレイの制御を調整することができる。
【0035】
電子スタイラスを介して、電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置への入力を実施するための本発明による方法は、特に以下のステップを含むことができる。
【0036】
すなわち、第1の電気容量を有する電子スタイラスの第1の状態と、第2の電気容量を有する電子スタイラスの第2の状態との間で、電子スタイラスを交互にスイッチングすることを含み、第1の電気容量を有する第1の状態の状態持続期間は、第2の電気容量を有する第2の状態の状態持続期間よりも長くすることができる。
【0037】
この場合には、電子スタイラスの第1の状態の第1の電気容量の値を、電子スタイラスの第2の状態の第2の電気容量の値よりも大きくすることができる。
【0038】
前述したように、デジタル入力装置は、例えばスリープモードとアクティブモードとを有することができ、アクティブモードでは、タッチ感応式の入力面における容量変化を測定するための測定周波数、すなわち、アクティブ測定周波数が、スリープモードにおけるタッチ感応式の入力面における容量変化を測定するための測定周波数、すなわち、スリープ測定周波数を上回ることができる。
【0039】
さらには、第1の電気容量を有する電子スタイラスの第1の状態の状態持続期間は、スリープモードにおけるデジタル入力装置の測定サイクルの持続期間よりも長くすることができ、および/または、第2の電気容量を有する電子スタイラスの第2の状態の状態持続期間は、アクティブモードにおけるデジタル入力装置のタッチ測定の持続期間よりも長くすることができる。
【0040】
例えば、第1の電気容量を有する電子スタイラスの第1の状態の状態持続期間は、40ms乃至100msの間にあることができ、好ましくは80msとすることができ、および/または、第2の電気容量を有する電子スタイラスの第2の状態の状態持続期間は、15ms乃至35msの間にあることができ、好ましくは30msとすることができる。
【0041】
電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置への入力を実施および識別するための本発明によるシステムは、特に、電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置と、前記デジタル入力装置への入力を実施するための電子スタイラスとを有することができる。
【0042】
この場合には、電子スタイラスは、それぞれ異なる電気容量を有する少なくとも2つの状態をとることができるように、かつ、それぞれ異なる電気容量を有するそれぞれ異なる前記状態の間で交互にスイッチング可能となるように構成することができる。
【0043】
さらには、電子スタイラスは、第1の電気容量を有する第1の状態の状態持続期間が、第2の電気容量を有する第2の状態の状態持続期間よりも長くなるように、それぞれ異なる電気容量を有する電子スタイラスの各状態の間でスイッチングを実施するように構成することができる。
【0044】
さらには、本発明による前記システムの前記電子スタイラスは、当該電子スタイラスの第1の状態の第1の電気容量の値が、当該電子スタイラスの第2の状態の第2の電気容量の値よりも大きくなるように構成することができる。
【0045】
特定の状況下では、電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置への入力を実施するための本発明による電子スタイラス、または本発明によるシステム、または本発明による方法は、スタイラスによるタッチ感応式の入力面の第1のタッチを、例えば指による第1のタッチとして知覚する可能性がある。
【0046】
おそらく、例えばデジタル入力装置のアクティブモードへの変更中における、測定周波数の増加すなわちクロックアップによってのみ、スタイラスからのタッチ信号と、指からのタッチ信号と区別することが可能であろう。
【0047】
シャノン(Shannon)およびナイキスト(Nyquist)のサンプリング定理に即した十分に高い測定周波数またはアクティブな測定周波数は、例えば60Hz以上であり得る。
【0048】
したがって、タッチ感応式の入力面の容量または容量測定値の変化に関する測定クエリの測定周波数のクロックアップと、合理的な待機期間との後に、ある1つの/特定のタッチイベントの起点に関する決定を下すことが可能となるまで、タッチイベントの複数の解釈を並行して許可および追跡するように、デジタル入力装置の評価ロジックを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1a】スリープモードにおけるデジタル入力装置を用いた電子スタイラスの例示的な容量状態シーケンスを示す図である。
図1b】アクティブモードにおけるデジタル入力装置を用いた電子スタイラスの例示的な容量状態シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1aは、スリープモードにおけるデジタル入力装置との相互作用における、本発明による電子スタイラスの容量状態シーケンスまたはスイッチング状態シーケンス100の一例を示す。
【0051】
したがって、縦座標119は、電子スタイラスの可能な容量値の例を表しており、その一方で横座標118は、時間軸を表している。
【0052】
破線は、本発明による電子スタイラスの電気容量の可能な容量状態シーケンス100の一例を表している。
【0053】
前記容量状態シーケンス100では、例示値114を有する比較的高いまたは比較的大きい第1の容量を有する状態101,103,105,107,109,111と、例示値113を有する比較的低いまたは比較的小さい第2の容量を有する状態102,104,106,108,110とが交互に現れる。
【0054】
比較的高い第1の容量を有する状態の状態持続期間は、参照番号116によって例示的に示されている。したがって、比較的高い第1の容量を有する状態は全て、同じ状態持続期間116を有することができる。
【0055】
比較的低い第2の容量を有する状態の状態持続期間は、参照番号117によって例示的に示されている。したがって、比較的低い第2の容量を有する状態は全て、同じ状態持続期間117を有することができる。
【0056】
しかしながら、第1の容量を有する容量状態の状態持続期間は、第2の容量を有する容量状態の状態持続期間とは異なっていてもよい。
【0057】
本実施例の場合には、電子スタイラスの比較的高い容量114を有する第1の容量状態の容量状態の状態持続期間は、電子スタイラスの比較的低い容量113を有する第2の容量状態の状態持続期間よりも長い。
【0058】
垂直方向の線は、例示的な測定クエリまたは測定パルスまたは測定点115を図示しており、これらの測定クエリまたは測定パルスまたは測定点115によって、デジタル入力装置は、自身のタッチ感応式の入力面の容量または容量変化を照会または測定することができる。本実施例の場合には例えば、各測定クエリを、デジタル入力装置のスリープモードの測定周波数で作成することができる。
【0059】
参照番号が付された例は、測定パルス115であり、これらの測定パルス115は、電子スタイラスの容量状態またはスイッチング状態101を検出して分析する。
【0060】
この結果、有利には、第1の容量状態にある電子スタイラスの状態101,103,105,107,109,111を、デジタル入力装置のスリープモードにおいても確実に検出し、十分な精度で測定し、分析することが可能となる。
【0061】
容量状態またはスイッチング状態、例えば比較的高い第1の容量114を有する容量状態を確実に識別することにより、有利には、デジタル入力装置を最小限の待ち時間でアクティブモードに変更させることが可能となる。
【0062】
本実施例の場合には、比較的高い第1の容量114を有する全ての容量状態101,103,105,107,109,111を、スリープモードにおけるデジタル入力装置の測定パルス115によって検出することが可能である。
【0063】
第1の容量を有する容量状態と第2の容量を有する容量状態との間におけるスイッチング112は、ほぼ瞬間的に、例えば5または1msよりも短い期間内に発生させることができる。
【0064】
このような例示的な非対称の容量状態シーケンスまたはスイッチング状態シーケンス100の利点は、スリープモードにおけるデジタル入力装置の測定パルス115によって、比較的低い第2の容量113を有する容量状態102,104,106,108,110のうちの大多数までもが、例えばこの場合には容量状態104,106,および110までもが検出されることにもある。
【0065】
図1bは、アクティブモードにおけるデジタル入力装置との相互作用における、本発明による電子スタイラスの容量状態シーケンスまたはスイッチング状態シーケンス200の一例を示す。
【0066】
図1aと同様にして、縦座標219は、電子スタイラスの可能な容量値の例を表しており、その一方で横座標218は、時間軸を表している。
【0067】
破線は、本発明による電子スタイラスの電気容量の可能な状態シーケンス200を再び例示的に表しており、例えば図1aの状態シーケンス100と類似または同一とすることができる。
【0068】
前記容量状態シーケンス200では、例示値214を有する比較的高いまたは比較的大きい第1の容量を有する状態201,203,205,207,209,211と、例示値213を有する比較的低いまたは比較的小さい第2の容量を有する状態202,204,206,208,210とが交互に現れる。
【0069】
第1の容量を有する容量状態と、第2の容量を有する容量状態との間におけるスイッチング212は、前述したようにほぼ瞬間的に、またはユーザによって知覚されることなく発生させることができる。
【0070】
比較的高い第1の容量を有する状態の状態持続期間は、参照番号216によって例示的に示されている。したがって、比較的高い第1の容量を有する状態は全て、同じ状態持続期間216を有することができる。
【0071】
比較的低い第2の容量を有する状態の状態持続期間は、参照番号217によって例示的に示されている。したがって、比較的低い第2の容量を有する状態は全て、同じ状態持続期間217を有することができる。
【0072】
しかしながら、第1の容量を有する容量状態の状態持続期間は、第2の容量を有する容量状態の状態持続期間とは異なっていてもよい。
【0073】
本実施例の場合には、電子スタイラスの比較的高い容量214を有する第1の容量状態の容量状態の状態持続期間は、電子スタイラスの比較的低い容量213を有する第2の容量状態の状態持続期間よりも長い。
【0074】
ここでも再び、垂直方向の線は、例示的な測定クエリまたは測定パルスまたは測定点215を図示しており、これらの測定クエリまたは測定パルスまたは測定点215によって、デジタル入力装置は、自身のタッチ感応式の入力面の容量または容量変化を照会または測定することができる。
【0075】
しかしながら、図1aの例示的なシナリオとは対照的に、デジタル入力装置は今、アクティブモードにあり、スリープモードの測定周波数に比べてより高い測定周波数で、電子スタイラスの容量状態を照会する。
【0076】
アクティブモードにおける測定周波数によって、それぞれのスイッチング状態または容量状態201,202,203,204,205,206,207,208,209,210,211に対して、少なくとも1つの測定または測定クエリ215を実施することが可能となる。
【0077】
換言すれば、デジタル入力装置のアクティブモードでは、有利には、デジタル入力装置のタッチ感応式の入力面における、本発明による電子スタイラスの全てのまたはほぼ全てのタッチ信号を検出して、分析することが可能となる。
【0078】
以下には、2つの図面を備えた1枚の紙が後続する。参照番号は、以下の構成要素を識別するものである。
【符号の説明】
【0079】
100 本発明による電子スタイラスの容量状態シーケンスまたはスイッチング状態シーケンス
101,103,105,107,109,111 比較的高いまたは比較的大きい第1の容量を有する電子スタイラスの容量状態またはスイッチング状態
102,104,106,108,110 比較的低いまたは比較的小さい第2の容量を有する電子スタイラスの容量状態またはスイッチング状態
112 第1の容量を有する容量状態と、第2の容量を有する容量状態との間におけるスイッチング
113 容量または容量値
114 容量または容量値
115 1つ/複数の測定クエリ、または1つ/複数の測定パルス
116 例えば比較的高い第1の容量を有する本発明による電子スタイラスの状態の状態持続期間
117 例えば比較的低い第2の容量を有する本発明による電子スタイラスの状態の状態持続期間
118 横座標、例えば時間軸
119 縦座標、例えば容量軸
200 本発明による電子スタイラスの容量状態シーケンスまたはスイッチング状態シーケンス
201,203,205,207,209,211 比較的高いまたは比較的大きい第1の容量を有する電子スタイラスの容量状態またはスイッチング状態
202,204,206,208,210 比較的低いまたは比較的小さい第2の容量を有する電子スタイラスの容量状態またはスイッチング状態
212 第1の容量を有する容量状態と、第2の容量を有する容量状態との間におけるスイッチング
213 容量または容量値
214 容量または容量値
215 1つ/複数の測定クエリ、または1つ/複数の測定パルス
216 例えば比較的高い第1の容量を有する本発明による電子スタイラスの状態の状態持続期間
217 例えば比較的低い第2の容量を有する本発明による電子スタイラスの状態の状態持続期間
218 横座標、例えば時間軸
219 縦座標、例えば容量軸
図1a
図1b