【課題を解決するための手段】
【0007】
解決方法
本発明によれば、上記の課題は、請求項1に記載の電子スタイラス、請求項5に記載の方法、および請求項9に記載のシステムによって解決される。有利な実施形態およびさらなる発展形態は、従属請求項の主題である。
【0008】
電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置への入力を実施するための本発明による電子スタイラスは、それぞれ異なる電気容量を有する少なくとも2つの状態をとることができるように、かつ、それぞれ異なる電気容量を有するそれぞれ異なる前記状態の間で交互にスイッチング可能となるように構成することができる。
【0009】
さらには、前記電子スタイラスは、第1の電気容量を有する第1の状態の状態持続期間が、第2の電気容量を有する第2の状態の状態持続期間よりも長くなるように、それぞれ異なる電気容量を有する電子スタイラスの各状態の間でスイッチングを実施するように構成および適合することができる。
【0010】
好ましくは、これにより、電子スタイラスの第1の状態の第1の電気容量の値を、電子スタイラスの第2の状態の第2の電気容量の値よりも大きくすることができる。以下では、簡略化のために、第1の電気容量の値が第2の電気容量の値よりも大きいものと仮定する。
【0011】
このようにして、それぞれ異なる電気容量を有する電子スタイラスの前記2つの状態または前記2つのスイッチング状態の間におけるスイッチングを、非対称に実施することができる。したがって、第1の電気容量を有する電子スタイラスの第1の状態の状態持続期間を比較的長くし、これに後続する、第2の電気容量を有する電子スタイラスの第2の状態の状態持続期間を比較的短くすることができる。
【0012】
以下では、容量という用語は、電気容量を指すものとして厳密に理解されるべきである。
【0013】
このような電気容量の非対称の変調によって、有利には、スタイラスによって引き起こされるデジタル入力装置のタッチ感応式の入力面のタッチ信号と、電気容量の変調を示さない例えばユーザの手または指などの身体部分または他のアイテムまたはオブジェクトによって引き起こされる他のタッチ信号とを、区別することが可能となる。
【0014】
特にこのようなスタイラスは、以下で説明するように、スリープモードとアクティブモードとを有するデジタル入力装置のタッチ感応式の入力面のタッチ信号の検出の待ち時間を改善することを可能にする。
【0015】
例えば、タッチ感応式の入力面の容量または容量測定値の変化に関する測定クエリを、スリープモードおよびアクティブモードの両方において、ただし、それぞれ異なる測定周波数で、実施することができる。
【0016】
例えばスリープモードでは、タッチ感応式の入力面の容量または容量測定値の変化に関する測定クエリを、デジタル入力装置のアクティブモードにおけるタッチ感応式の入力面の容量測定が実施可能な例えば60Hzのアクティブ測定周波数よりも低い、例えば約25Hzのスリープ測定周波数で実施することができる。
【0017】
例えばデジタル入力装置のアクティブモードへの変更を実施可能にするために、例えば第1の電気容量の値が、タッチ信号またはタッチイベント、特にデジタル入力装置のスリープモードにおけるタッチ信号またはタッチイベントをトリガすることができると規定すると、デジタル入力装置のアクティブモードへの変更をより迅速に検出することが可能となる。
【0018】
なぜなら、本実施例の場合にはデジタル入力装置のアクティブモードへの変更を実施しない、第2の電気容量の状態持続期間よりも長い、第1の電気容量の状態持続期間に起因して、第1電気容量を有する電子スタイラスの状態を十分な長さで持続させることができるので、デジタル入力装置のスリープモードにおいても、第1電気容量を有する電子スタイラスの状態が、デジタル入力装置によってより確実かつ迅速に検出されるからである。
【0019】
換言すれば、これにより、デジタル入力装置のスリープモードにおける、識別されないタッチ信号またはタッチイベントの発生を低減させることができる。
【0020】
このようにして有利には、電子スタイラスの使用に対するデジタル入力装置の反応における、ユーザにとって不快でイライラする待ち時間を回避することが可能となり、例えば50ms未満または30ms未満の待ち時間を実現することが可能となる。
【0021】
さらには、本発明による電子スタイラスによって、有利には、スタイラスのタッチ信号の分解能を改善することが可能となる。なぜなら、例えば第1の電気容量を有する電子スタイラスの比較的長く持続する第1の状態は、特にデジタル入力装置のアクティブモードにおいて、デジタル入力装置の複数の測定クエリまたは測定点によって分解することができるからである。
【0022】
電子スタイラスはさらに、筆圧センサを有することができ、前記筆圧センサによって測定された筆圧に応じて、第1の電気容量を有する電子スタイラスの状態の持続期間が調整可能となるように構成することができる。
【0023】
例えば、測定された筆圧が所定の筆圧閾値を下回る場合には、第1の電気容量を有する電子スタイラスの状態の状態持続期間を短縮することが考えられ、これによって例えば、第1の電気容量の状態を、ごく少数の、例えば3つまたは4つの測定点の後にスイッチオフすることができるか、または第2の電気容量を有する電子スタイラスの第2の状態にスイッチングを実施することができる。
【0024】
しかしながら、測定された筆圧が所定の筆圧閾値を上回る場合には、例えば第1の電気容量を有する電子スタイラスの状態の状態持続期間を延長してもよく、これによって前記容量状態を、はるかに多くの測定点を用いて、例えば10乃至20個の測定点を用いて分解することができる。
【0025】
このことは有利には、デジタル入力装置のタッチ感応式の入力面におけるスタイラスのタッチ信号と、他のタッチ信号とをより良好に区別するために役立ち、また、スタイラスのタッチ信号の分解能の改善をもたらすことができ、例えば筆跡の分解能と識別の改善をもたらすことができる。
【0026】
この場合には例えば、第1の電気容量を有する電子スタイラスの状態の状態持続期間の最大長さを、100ms以下の状態持続期間に制限されるように規定することが有利であるとすることができ、これによってスタイラスのタッチ信号と、スタイラスによって引き起こされたのではない、例えばユーザの手によって引き起こされたタッチ信号との区別を、十分に迅速に行うことが可能となり、スタイラスのタッチ信号を検出するための不快な待ち時間がなくなる。
【0027】
このようにして例えば、第1の電気容量の測定点の数と、タッチ信号の起点の検出時間との間の最適な比率を、有利にも実現することが可能となる。
【0028】
例えばデジタル入力装置によって実行される評価ソフトウェアが、第1の電気容量を有する連続的な測定点の数をカウントし、これによってスタイラスの筆圧に関する結論を引き出すことができるようにすることも考えられる。
【0029】
一般的に、例えば190乃至270Hzの交流電圧で動作するデジタル入力装置による電子スタイラスの容量または容量値の測定値は、100乃至400μs(マイクロ秒)の持続期間を有する測定クエリまたは測定パルスから求めることができる。さらには、デジタル入力装置は、数ピコファラッドの範囲の容量変化を検出し、測定することができる。
【0030】
さらには、電子スタイラスは、手動で操作可能なオプションスイッチを有することができ、前記オプションスイッチは、第1の電気容量を有する電子スタイラスの状態の状態持続期間をセットするように構成することができる。
【0031】
このようにして例えば、第1の電気容量を有する電子スタイラスの状態の、予め定められた種々異なる状態持続期間によって、デジタル入力装置と相互作用する電子スタイラスの複数の異なる書式オプション、例えば複数の異なる文字色、または線の太さ、またはその他の文字、または色の効果を有効にすることができる。
【0032】
前記オプションスイッチは、例えばスイッチ、ボタン、タッチ感応式の面、または近接センサとして実装することができる。
【0033】
例えばオプションスイッチが、例えば第1および/または第2の電気容量を有する電子スタイラスの状態の別の1つおよび/または複数の状態持続期間を有し得る新しいスタイラスモードへの変更を、マイクロコントローラに実施させることができるようにすることも考えられる。
【0034】
この場合には例えば、デジタル入力装置は、複数の状態シーケンスまたは状態サイクルにわたる平均化によって状態持続期間を測定し、それに応じてグラフィックディスプレイの制御を調整することができる。
【0035】
電子スタイラスを介して、電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置への入力を実施するための本発明による方法は、特に以下のステップを含むことができる。
【0036】
すなわち、第1の電気容量を有する電子スタイラスの第1の状態と、第2の電気容量を有する電子スタイラスの第2の状態との間で、電子スタイラスを交互にスイッチングすることを含み、第1の電気容量を有する第1の状態の状態持続期間は、第2の電気容量を有する第2の状態の状態持続期間よりも長くすることができる。
【0037】
この場合には、電子スタイラスの第1の状態の第1の電気容量の値を、電子スタイラスの第2の状態の第2の電気容量の値よりも大きくすることができる。
【0038】
前述したように、デジタル入力装置は、例えばスリープモードとアクティブモードとを有することができ、アクティブモードでは、タッチ感応式の入力面における容量変化を測定するための測定周波数、すなわち、アクティブ測定周波数が、スリープモードにおけるタッチ感応式の入力面における容量変化を測定するための測定周波数、すなわち、スリープ測定周波数を上回ることができる。
【0039】
さらには、第1の電気容量を有する電子スタイラスの第1の状態の状態持続期間は、スリープモードにおけるデジタル入力装置の測定サイクルの持続期間よりも長くすることができ、および/または、第2の電気容量を有する電子スタイラスの第2の状態の状態持続期間は、アクティブモードにおけるデジタル入力装置のタッチ測定の持続期間よりも長くすることができる。
【0040】
例えば、第1の電気容量を有する電子スタイラスの第1の状態の状態持続期間は、40ms乃至100msの間にあることができ、好ましくは80msとすることができ、および/または、第2の電気容量を有する電子スタイラスの第2の状態の状態持続期間は、15ms乃至35msの間にあることができ、好ましくは30msとすることができる。
【0041】
電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置への入力を実施および識別するための本発明によるシステムは、特に、電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置と、前記デジタル入力装置への入力を実施するための電子スタイラスとを有することができる。
【0042】
この場合には、電子スタイラスは、それぞれ異なる電気容量を有する少なくとも2つの状態をとることができるように、かつ、それぞれ異なる電気容量を有するそれぞれ異なる前記状態の間で交互にスイッチング可能となるように構成することができる。
【0043】
さらには、電子スタイラスは、第1の電気容量を有する第1の状態の状態持続期間が、第2の電気容量を有する第2の状態の状態持続期間よりも長くなるように、それぞれ異なる電気容量を有する電子スタイラスの各状態の間でスイッチングを実施するように構成することができる。
【0044】
さらには、本発明による前記システムの前記電子スタイラスは、当該電子スタイラスの第1の状態の第1の電気容量の値が、当該電子スタイラスの第2の状態の第2の電気容量の値よりも大きくなるように構成することができる。
【0045】
特定の状況下では、電気容量式に作用するタッチ感応式の入力面を有するデジタル入力装置への入力を実施するための本発明による電子スタイラス、または本発明によるシステム、または本発明による方法は、スタイラスによるタッチ感応式の入力面の第1のタッチを、例えば指による第1のタッチとして知覚する可能性がある。
【0046】
おそらく、例えばデジタル入力装置のアクティブモードへの変更中における、測定周波数の増加すなわちクロックアップによってのみ、スタイラスからのタッチ信号と、指からのタッチ信号と区別することが可能であろう。
【0047】
シャノン(Shannon)およびナイキスト(Nyquist)のサンプリング定理に即した十分に高い測定周波数またはアクティブな測定周波数は、例えば60Hz以上であり得る。
【0048】
したがって、タッチ感応式の入力面の容量または容量測定値の変化に関する測定クエリの測定周波数のクロックアップと、合理的な待機期間との後に、ある1つの/特定のタッチイベントの起点に関する決定を下すことが可能となるまで、タッチイベントの複数の解釈を並行して許可および追跡するように、デジタル入力装置の評価ロジックを構成することができる。