特許第6381845号(P6381845)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6381845フッ素窒素化学物質の蛍光体材料及びこの蛍光体材料を含む発光装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6381845
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】フッ素窒素化学物質の蛍光体材料及びこの蛍光体材料を含む発光装置
(51)【国際特許分類】
   C09K 11/66 20060101AFI20180820BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20180820BHJP
【FI】
   C09K11/66
   H01L33/50
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-85845(P2018-85845)
(22)【出願日】2018年4月26日
【審査請求日】2018年6月14日
(31)【優先権主張番号】201810247119.7
(32)【優先日】2018年3月23日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518079611
【氏名又は名称】旭宇光電(深▲せん▼)股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】717007675
【氏名又は名称】許 麗穎
(72)【発明者】
【氏名】林金填
(72)【発明者】
【氏名】陳磊
(72)【発明者】
【氏名】蔡金蘭
(72)【発明者】
【氏名】李超
【審査官】 安孫子 由美
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第105018080(CN,A)
【文献】 特開2005−336253(JP,A)
【文献】 特表2016−527163(JP,A)
【文献】 特表2016−535800(JP,A)
【文献】 特表2012−512307(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第106753325(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103351863(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K11
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素窒素化学物質の蛍光体材料であって、化学式Rx(My,Euz)Ala(Sib,Gec,Mnf)NdFeで表され、但しRがLi,Na,Kの中からKを選択し、MがCa,Sr,Mg,Baの中からCaとSrを選択し、x,y,z,a,b,c,dが各組成の化学元素の物質の量であり、但し0<x≦0.2の中からx=0.1を選択し、0.9≦y≦1.0の中からy=0.93を選択し、0.001≦z≦0.1の中からz=0.05を選択し、0.9≦a≦0.99の中からa=0.9を選択し、0.8≦b≦1.0の中からb=0.99を選択し、0≦c≦0.1の中からc=0.06を選択し、2.5≦d≦3.0の中からd=2.94を選択し、0.01≦e≦1.2の中からe=0.3を選択し、0.01≦f≦0.1の中からf=0.03を選択し、M元素のストロンチウムとカルシウムの割合(Sr/Ca)が5と15の間の中から8.3を選択することを特徴とするフッ素窒素化学物質の蛍光体材料。
【請求項2】
発光装置であって、励起光源と発光体を含み、前記発光体は請求項1に記載のフッ素窒素化学物質の蛍光体材料を含み、前記発光装置は前記励起光源が紫外線或いはブルーライト放射源であることを特徴とする発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無機発光材料分野に関し、特に主に無機合成物で組み合わせる蛍光体材料とその応用に関し、具体的にはフッ素窒素化学物質とこの蛍光体材料を含む発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
白色光LEDは高い発光効率、低いエネルギー消費、長い耐用期間、汚染がないなどの特徴を持ち、照明と表示分野に広く応用される。高い品質の照明と表示の高速な発展につれて、LEDが演色評価数を求める同時に、発光効率に対する要求もどんどん高くなっている。白色光LEDを実現する過程に、蛍光体材料が非常に重要な役割を果たして、それが白色光LEDの発光効率、色温度と演色評価数などの性能指標を決めている。
【0003】
窒化物蛍光体材料は物理化学の安定性がよく、励起範囲が広く、放射スペクトルが純粋で調整できるなどのいろいろな長所を持つため、重点的に研究されている。窒化物蛍光体材料の調製条件が厳しく、輝度向上技術にまだ大きい空間が存在している。Intematix会社はMAlSiN3:Eu2+(M=Ca,Sr,Ba) 窒化物蛍光体材料を研究開発する時にハロゲン族元素を引き入れて、蛍光体材料の輝度がある程度向上した(US 8274215)。博瑞光電は(Ca,Sr)AlSiN3:Eu2+の基礎である量のアルカリ金属元素を引き入れて、微量の酸素を使って電荷を平衡化して、発光効率を高める(CN 201310285749.0)。これは適当にある量のアルカリ金属とハロゲン族元素を引き入れると有効的に窒化物蛍光体材料の発光効率を高めることを説明する。Mn4+で活性化されるK2TiF6,K2SiF6の赤い蛍光体は輝度が高く、半値幅が狭いなどの長所を持って、この材料の発光効率は窒化物蛍光体材料より高く、しかし安定性がより良くない。もし有効的に窒化物蛍光体材料の良い安定性とフッ化物蛍光体材料の高い輝度の特徴を結合すれば、LEDの発光効率を高めることに非常に重要な意義がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第103351863号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の問題を解決するため、本発明の目的は、高い輝度と良い安定性のフッ素窒素化物の赤い蛍光体材料及びこの蛍光体材料を含む発光装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術方案はフッ素窒素化物蛍光体材料とこの蛍光体材料を含む発光装置を提供する。
【0007】
フッ素窒素化物蛍光体材料の化学式はRx(My,Euz)Ala(Sib,Gec,Mnf)NdFeで、但しRがLi,Na,Kの中の少なくとも一つの化学元素から選んで、MがCa,Sr,Mg,Baの中の少なくとも一つの化学元素から選んで、x,y,z,a,b,c,dが各構造化学元素の物質の量で、但し0<x≦0.2,0.9≦y≦1.0,0.001≦z≦0.1,0.9≦a≦0.99,0.8≦b≦1.0,0≦c≦0.1,2.5≦d≦3.0,0.01≦e≦1.2,0.01≦f≦0.1で、この物質構造がCaAlSiN3と同じである。
【0008】
好ましくは0.05≦x≦0.1,0.9≦y≦0.95, 0.003≦z≦0.05,0.9≦a≦0.95,0.9≦b≦1.0,0.05≦c≦0.1,2.7≦d≦3.0,0.15≦e≦0.3, 0.05≦f≦0.1である。
【0009】
好ましくは前記R元素はK,M元素で、ただCa、Srの二種の元素を含む。
【0010】
好ましくは1.0≦x+y≦1.1, 且9≦y/x≦20である。
【0011】
好ましくは1.05≦b/a≦1, 12≦b/c≦18である。
【0012】
好ましくは4.5≦d/e≦9.5である。
【0013】
好ましくはM元素のストロンチウムとカルシウムの割合(Sr/Ca)が5と15の間にある。
【0014】
発光装置は励起光源と発光体を含み、この発光体は上記の前記蛍光体材料を含む。
【0015】
好ましくは前記励起光源は紫外線或いはブルーライト放射源である。
【0016】
本発明の技術方案は上記の前記蛍光体材料の調製方法を開示した。それは高温固相法と水熱法を使って調製し、その調製ステップは、化学式成分によって相応の単体また化合物を秤取し、均一に研磨し混合した後、1600℃〜1800℃で4〜10時間を焼結し中間物を得て、得た中間物を粉砕処理を行い、水熱法の前駆体にして、前駆体を原料として、いくつかの相応元素を含む試剤を添加し、一定の温度で十分に撹拌し1〜5時間を反応し、最後にキルン乾燥したら製品を得る。
【0017】
本発明に係る技術方案は以下の有益な効果を含む。
【0018】
本発明の蛍光体材料はアルカリ金属、フッ素とマンガンを同時に引き入れて、発光効率が高く、合成製造技術が簡単で、その構造がCaAlSiN3と同一であり、単独にまたその他の蛍光体材料と組み合わせて高性能の発光装置を製造する。
【0019】
本発明のその他の方面と長所は下記の説明部分で説明し、それを明らかにして、また本発明の実践を通じて理解できる。理解すべきなのは、以上の一般的な説明と後の細部な説明はただ例示性と解釈性で、本発明を制限しない。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る技術方案は以下の有益な効果を含む。
【0021】
本発明の蛍光体材料はアルカリ金属、フッ素とマンガンを同時に引き入れて、発光効率が高く、合成製造技術が簡単で、その構造がCaAlSiN3と同一であり、単独にまたその他の蛍光体材料と組み合わせて高性能の発光装置を製造する。
【0022】
本発明のその他の方面と長所は下記の説明部分で説明し、それを明らかにして、また本発明の実践を通じて理解できる。理解すべきなのは、以上の一般的な説明と後の細部な説明はただ例示性と解釈性で、本発明を制限しない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図面を使って本発明を更に説明し、しかし図面の例示が本発明を制限せず、本分野の普通の技術者にとって、創造的な労働を支払わない前提で、以下の図面によってその他の図面を得ることができる。
【0024】
図1図1は実施例1の励起と発射スペクトログラムである。
図2図2は実施例1のXRDクロマトグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
下記に更に実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。理解すべきなのは、下記の実施例はただ本発明を更に説明し、本発明の保護範囲を制限しない。本分野の技術者は本発明の上記の内容によって行う非本質的な改善と調整は本発明の保護範囲に属する。下記の例の具体的な工芸仕様もただ適切な範囲の一つの例で、つまり本分野の技術者は本文の説明を通じて適切な範囲を選択でき、下記の例の具体的な数値を限定しない。
【0026】
実施例1は化学構成通式K0.1Ca0.886Eu0.004Al0.9Si0.95Mn0.01N2.7F0.3の中から、化学量によって金属カルシウムの化合物、金属アルミニウムの窒化物、金属シリコンの窒化物、金属ユウロピウムの化合物を秤取し、均一に混合した後、1600℃で8時間を焼結し中間物を得て、得た中間物を粉砕処理を行い、水熱法の前駆体にして、80℃で金属カリウムのフッ化物、金属シリコンの化合物と金属マンガンの化合物試薬を添加し、水熱で4時間を撹拌し、90度でキルン乾燥した後、表面をキルン乾燥して製品を得る。得た製品の蛍光発光特性は表1を参照されたい。放射スペクトルは図1を参照されたい。
【0027】
化学構成のRx(My,Euz)Ala(Sib,Gec,Mnf)NdFeの中にRがLi,Na,Kの中の少なくとも一つの化学元素から選んで、MがCa,Sr,Mg,Baの中の少なくとも一つの化学元素から選んで、x,y,z,a,b,c,dが各構造化学元素の物質の量で、異なる化学構成によって相応元素の化合物を秤取し、調製過程は実施例1同一であり、調製した蛍光体材料の発光特性は表1を参照されたい。
【0028】
【表1】
【0029】
以上に述べたのはただ本発明のより良い方式で、本発明を制限することに使われなく、本発明の意義と原則のもとで行ういかゆる修正、同等取替、改善などは本発明の保護範囲に属する。
【要約】
【課題】本発明はフッ素窒素化学物質の蛍光体材料とこの蛍光体材料を含む発光装置を提供する。
【解決手段】
この蛍光体材料の化学式はRx(My,Euz)Ala(Sib,Gec,Mnf)NdFeで、但しRがLi,Na,Kの中の少なくとも一つの化学元素から選んで、MがCa,Sr,Mg,Baの中の少なくとも一つの化学元素から選んで、x,y,z,a,b,c,dが各構造化学元素の物質の量で、但し0<x≦0.2,0.9≦y≦1.0,0.001≦z≦0.1,0.9≦a≦0.99,0.8≦b≦1.0,0≦c≦0.1,2.5≦d≦3.0,0.01≦e≦1.2,0.01≦f≦0.1である。本発明の蛍光体材料はアルカリ金属、フッ素とマンガンを同時に引き入れて、発光効率が高く、合成製造技術が簡単で、その構造がCaAlSiN3と同一であり、単独にまたその他の蛍光体材料と組み合わせて高性能の発光装置を製造する。
【選択図】図1
図1
図2