(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記分岐位置に基づいてパンツのウエスト位置を特定し、前記ウエスト位置を通りパンツが表された領域における横方向両端に亘って引かれたウエストラインの左右の両端部と、前記ヒップラインの左右の両端部とをそれぞれ結んで得られる左側ヒップライン及び右側ヒップラインが互いに成す角度であるヒップライン角度を取得するヒップライン角度取得手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記ヒップライン角度及び前記脚部形状情報に基づいて前記パンツの形状を特定する、
請求項2または3に記載の形状弁別装置。
前記分岐位置取得手段は、パンツのウエスト部分及び裾部分をそれぞれ上方及び下方に配置したときに、パンツの輪郭における上下方向において横方向の幅が最も大きい位置を、前記分岐位置として取得する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の形状弁別装置。
前記分岐位置取得手段は、パンツの横方向両側の輪郭を表す輪郭線上の任意の3点に基づいて2次曲線を複数算出し、算出した複数の2次曲線のうち、前記輪郭線との一致度が最も高い2次曲線を前記分岐位置の取得に用いる、
請求項8に記載の形状弁別装置。
前記脚部領域抽出手段は、パンツが表された領域が、左右の両脚のそれぞれに対応する左脚部領域及び右脚部領域に分離可能な領域のうちの少なくとも1つの領域を前記脚部領域として抽出する、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の形状弁別装置。
前記脚部領域抽出手段は、パンツが表された領域が前記左脚部領域及び前記右脚部領域に分離可能な領域のうち、縦方向の長さが最も長い領域を前記脚部領域として抽出する、
請求項10に記載の形状弁別装置。
前記脚部領域抽出手段は、パンツが表された領域が前記左脚部領域及び前記右脚部領域に分離可能な領域のうち、上下方向において同じ高さの位置で対応する前記左脚部領域及び前記右脚部領域のそれぞれの領域の横幅の差が所定値以下の領域を、前記脚部領域として抽出する、
請求項10または11に記載の形状弁別装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、画像中において衣服を着ているモデルの姿勢に合わせて衣服が変形している場合等において、テンプレートとの対応付けでは衣服の形状の特定及び弁別が不可能な場合があった。
【0005】
そこで本発明は、テンプレートとの対応付けによらずに、画像に表されたパンツの形状を弁別することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一形態に係る形状弁別装置は、パンツが表された画像である対象画像を取得する画像取得手段と、パンツが両脚部に分岐する位置または分岐する位置とみなすことが可能な位置を分岐位置として取得する分岐位置取得手段と、対象画像におけるパンツが表された領域から脚部領域を抽出する脚部領域抽出手段と、分岐位置及び脚部領域に基づいて、パンツの脚部の横方向の幅の変化に関する脚部形状情報を取得する脚部形状取得手段と、脚部形状情報に基づいてパンツの形状を特定する特定手段と、特定手段により特定されたパンツの形状に関する情報を出力する出力手段と、を備える。
【0007】
本発明の一形態に係る形状弁別方法は、形状弁別装置における形状弁別方法であって、パンツが表された画像である対象画像を取得する画像取得ステップと、パンツが両脚部に分岐する位置または分岐する位置とみなすことが可能な位置を分岐位置として取得する分岐位置取得ステップと、対象画像におけるパンツが表された領域から脚部領域を抽出する脚部領域抽出ステップと、分岐位置及び脚部領域に基づいて、パンツの脚部の横方向の幅の変化に関する脚部形状情報を取得する脚部形状取得ステップと、脚部形状情報に基づいてパンツの形状を特定する特定ステップと、特定ステップにおいて特定されたパンツの形状に関する情報を出力する出力ステップと、を有する。
【0008】
本発明の一形態に係る形状弁別プログラムは、コンピュータを、パンツが表された画像である対象画像を取得する画像取得手段、パンツが両脚部に分岐する位置または分岐する位置とみなすことが可能な位置を分岐位置として取得する分岐位置取得手段、対象画像におけるパンツが表された領域から脚部領域を抽出する脚部領域抽出手段、分岐位置及び脚部領域に基づいて、パンツの脚部の横方向の幅の変化に関する脚部形状情報を取得する脚部形状取得手段、脚部形状情報に基づいてパンツの形状を特定する特定手段、及び、特定手段により特定されたパンツの形状に関する情報を出力する出力手段、として機能させる。
【0009】
上記の形態によれば、分岐位置、及びパンツが表された対象画像から抽出された脚部領域に基づいて、パンツの脚部の横方向の幅の変化に関する脚部形状情報が取得される。脚部形状情報にはパンツの形状の特徴が現れることに鑑みて、脚部形状情報に基づいてパンツの形状が特定されるので、テンプレートとの対比によらず、パンツの形状の適切な特定及び弁別が可能となる。
【0010】
別の形態に係る形状弁別装置では、脚部形状取得手段は、分岐位置を通りパンツが表された領域における横方向両端に亘って引かれたヒップラインの中央部と、脚部領域の下端の内側部とを結ぶ第1の脚部ライン、及び、脚部領域の下端の外側部と、ヒップラインの両端部のうちの該外側部に対応する一端部とを結ぶ第2の脚部ラインを生成する脚部ライン生成手段と、第1の脚部ラインと第2の脚部ラインとが互いに成す角度である脚部ライン角度を取得する脚部ライン角度取得手段と、を有し、特定手段は、脚部ライン角度を脚部形状情報として取得することとしてもよい。
【0011】
上記の形態によれば、パンツが表された対象画像から抽出されたヒップライン及び脚部領域に基づいて、第1及び第2の脚部ラインが生成される。第1及び第2の脚部ラインが互いに成す角度である脚部ライン角度にはパンツの形状の特徴が現れることに鑑みて、脚部ライン角度に基づいてパンツの形状が特定されるので、テンプレートとの対比によらず、パンツの形状の適切な特定及び弁別が可能となる。
【0012】
さらに別の形態に係る形状弁別装置では、特定部は、脚部ライン角度が所定値以上であり、第1の脚部ライン及び第2の脚部ラインのそれぞれの下端間の距離より上端間の距離の方が大きい場合には、パンツの形状がスキニータイプであることを特定し、脚部ライン角度が所定値以上であり、第1の脚部ライン及び第2の脚部ラインのそれぞれの下端間の距離より上端間の距離の方が小さい場合には、パンツの形状がワイドタイプであることを特定することとしてもよい。
【0013】
上記形態によれば、パンツの形状が、スキニータイプまたはワイドタイプであることを適切に弁別できる。
【0014】
さらに別の形態に係る形状弁別装置では、脚部形状取得手段は、分岐位置を通りパンツが表された領域における横方向両端に亘って引かれたヒップラインの中央部から一方の端部までの長さである太もも幅と、脚部領域のうちの、両脚のうちの一方の脚に対応する領域の下端の幅である裾幅と、を取得し、特定手段は、太もも幅及び裾幅を脚部形状情報として取得することとしてもよい。
【0015】
上記の形態によれば、パンツの形状の特徴が現れる太もも幅及び裾幅に基づいてパンツの形状が特定されるので、パンツの形状の適切な特定及び弁別が可能となる。
【0016】
さらに別の形態に係る形状弁別装置では、分岐位置取得手段は、パンツのウエスト部分及び裾部分をそれぞれ上方及び下方に配置したときに、パンツの輪郭における上下方向において横方向の幅が最も大きい位置を、分岐位置として取得することとしてもよい。
【0017】
パンツの上下方向における、横方向の幅が最も大きい位置は、パンツが両脚部に分岐する位置である蓋然性が高い。上記形態によれば、そのような位置が分岐位置として取得されるので、分岐位置をパンツの形状の弁別に用いることができる。
【0018】
さらに別の形態に係る形状弁別装置では、分岐位置取得手段は、パンツの横方向両側の輪郭のそれぞれを2次曲線で近似し、上下方向において両曲線間の距離が最も大きい位置を分岐位置として取得することとしてもよい。
【0019】
上記形態によれば、パンツが両脚部に分岐する位置であって、ヒップラインの上下方向における高さを示す分岐位置が精度良く取得される。
【0020】
さらに別の形態に係る形状弁別装置では、分岐位置取得手段は、パンツの横方向両側の輪郭を表す輪郭線上の任意の3点に基づいて2次曲線を複数算出し、算出した複数の2次曲線のうち、輪郭線との一致度が最も高い2次曲線を分岐位置の取得に用いることとしてもよい。
【0021】
上記形態によれば、横方向両側の輪郭を表す輪郭線上の3点に基づいて算出された複数の2次曲線のうち、当該輪郭線との一致度が最も高い2次曲線が分岐位置の取得に用いられる。これにより、画像から抽出された輪郭線にノイズが含まれる場合であっても、ノイズを含んで算出された2次曲線は分岐位置の取得に採用されないので、分岐位置を精度良く取得することが可能となる。
【0022】
さらに別の形態に係る形状弁別装置では、脚部領域抽出手段は、パンツが表された領域が、左右の両脚のそれぞれに対応する左脚部領域及び右脚部領域に分離可能な領域のうちの少なくとも1つの領域を脚部領域として抽出することとしてもよい。
【0023】
上記形態によれば、対象画像においてパンツが表された領域のうち、左右の両脚に対応する左脚部領域及び右脚部領域に分離可能な領域が脚部領域の候補とされるので、パンツにおける脚部を表している蓋然性が高い領域を脚部領域として抽出することができる。
【0024】
さらに別の形態に係る形状弁別装置では、脚部領域抽出手段は、パンツが表された領域が左脚部領域及び右脚部領域に分離可能な領域のうち、縦方向の長さが最も長い領域を脚部領域として抽出することとしてもよい。
【0025】
上記形態によれば、左脚部領域及び右脚部領域に分離可能な領域のうち縦方向の長さが最も長い領域が脚部領域として抽出されるので、対象画像に表されたパンツの脚部の形状の特徴をより良く反映している蓋然性が高い領域を脚部領域として抽出することができる。
【0026】
さらに別の形態に係る形状弁別装置では、脚部領域抽出手段は、パンツが表された領域が左脚部領域及び右脚部領域に分離可能な領域のうち、上下方向において同じ高さの位置で対応する左脚部領域及び右脚部領域のそれぞれの領域の横幅の差が所定値以下の領域を、脚部領域として抽出することとしてもよい。
【0027】
対象画像から抽出及び分離された左脚部領域及び右脚部領域のそれぞれの横幅の差が大きい場合には、それらの領域がパンツの脚部の形状を正しく反映していない蓋然性が高い。上記形態によれば、左脚部領域及び右脚部領域のそれぞれの横幅の差が所定値以下の領域が脚部領域として抽出されるので、パンツの脚部の形状をより正しく反映している蓋然性が高い領域を脚部領域として抽出することができる。
【0028】
さらに別の形態に係る形状弁別装置では、脚部領域抽出手段は、上下方向において同じ高さの位置で対応する左脚部領域及び右脚部領域の横幅がより大きい領域を脚部領域として抽出することとしてもよい。
【0029】
対象画像に表されたパンツの脚部の領域において、幅が広い領域は、正対方向により近い方向から撮像された可能性が高い。上記形態によれば上下方向において同じ高さの位置で対応する左脚部領域及び右脚部領域の横幅がより大きい領域が脚部領域として抽出されるので、パンツの脚部の形状をより正確に反映している蓋然性が高い領域を脚部領域として抽出できるので、精度良くパンツの形状の弁別を行うことができる。
【0030】
別の形態に係る形状弁別装置では、分岐位置に基づいてパンツのウエスト位置を特定し、ウエスト位置を通りパンツが表された領域における横方向両端に亘って引かれたウエストラインの左右の両端部と、ヒップラインの左右の両端部とをそれぞれ結んで得られる左側ヒップライン及び右側ヒップラインが互いに成す角度であるヒップライン角度を取得するヒップライン角度取得手段をさらに備え、特定手段は、ヒップライン角度及び脚部形状情報に基づいてパンツの形状を特定することとしてもよい。
【0031】
上記形態によれば、対象画像から抽出されたヒップライン及びウエストラインに基づいてヒップライン角度が取得される。パンツのウエストライン部からヒップライン部に至る輪郭にはパンツの形状の特徴が現れているので、ヒップライン角度には、パンツの形状が反映される。そして、ヒップライン角度及び脚部形状情報に基づいてパンツの形状が特定されるので、テンプレートとの対比によらず、パンツの形状の詳細な特定及び弁別が可能となる。
【0032】
さらに別の形態に係る形状弁別装置では、特定部は、脚部ライン角度が所定値未満であり、ヒップライン角度が所定値以上である場合には、パンツの形状がワイドタイプであることを特定し、脚部ライン角度が所定値未満であり、ヒップライン角度が所定値未満である場合には、パンツの形状がストレートタイプであることを特定することとしてもよい。
【0033】
上記形態によれば、パンツの形状が、ワイドタイプまたはストレートタイプであることを適切に弁別できる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の一側面によれば、テンプレートとの対応付けによらずに、画像に表されたパンツの形状を弁別することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0037】
図1は、本実施形態に係る形状弁別装置1の機能的構成を示すブロック図である。形状弁別装置1は、画像に表された衣服の一種であるパンツの形状を弁別する装置である。
図1に示すように、形状弁別装置1は、画像記憶部3にアクセス可能である。なお、画像記憶部3は、形状弁別装置1内に構成されてもよい。
【0038】
形状弁別装置1は、例えば、ネットワークを介して販売する商品のユーザからの注文を受け付ける電子商取引サイトの一部として構成される装置であってもよく、販売される商品であるパンツの形状を弁別する。
【0039】
図1に示すように、形状弁別装置1は、機能的には、画像取得部11(画像取得手段)、分岐位置取得部12(分岐位置取得手段)、脚部領域抽出部13(脚部領域抽出手段)、脚部形状取得部14(脚部形状取得手段)、ヒップライン角度取得部16(ヒップライン角度取得手段)、特定部17(特定手段)及び出力部18(出力手段)を備える。また、脚部形状取得部14は、脚部ライン生成部14A(脚部ライン生成手段)及び脚部ライン角度取得部14B(脚部ライン角度取得手段)を含んでもよい。
【0040】
図2は、形状弁別装置1のハードウェア構成図である。形状弁別装置1は、物理的には、
図2に示すように、CPU101、RAM及びROMといったメモリにより構成される主記憶装置102、ハードディスク等で構成される補助記憶装置103、ネットワークカード等で構成される通信制御装置104などを含むコンピュータシステムとして構成されている。形状弁別装置1は、入力デバイスであるキーボード、マウス等の入力装置105及びディスプレイ等の出力装置106をさらに含むこととしてもよい。
【0041】
図1に示した各機能は、
図2に示すCPU101、主記憶装置102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信制御装置104等を動作させるとともに、主記憶装置102や補助記憶装置103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶装置102や補助記憶装置103内に格納される。
【0042】
再び
図2を参照して、形状弁別装置1の各機能部の説明に先だって、画像記憶部3を説明する。本実施形態では、弁別の対象は画像に表されたパンツの形状であるので、画像記憶部3は、パンツが表された画像である対象画像を複数記憶している。
【0043】
再び
図2を参照して、形状弁別装置1の各機能部について説明する。画像取得部11は、対象画像を取得する。
図3は、対象画像の例を示す図である。
図3に示すように、対象画像TPには、パンツが表されている。
【0044】
分岐位置取得部12は、パンツが両脚部に分岐する位置または分岐する位置とみなすことが可能な位置を分岐位置として取得する。
【0045】
具体的には、例えば、分岐位置取得部12は、対象画像から単一色により構成される単一色領域を取得する。この単一色領域には、パンツが表されている可能性が高い。そして、分岐位置取得部12は、パンツが両脚部に分岐する位置の形状を有するテンプレートを用いて、単一色領域から分岐位置を取得する。
【0046】
また、分岐位置取得部12は、単一色領域のエッジを検出することにより単一色領域の輪郭を取得し、輪郭の向きが所定角度以上変化するコーナー部を取得する。そして、分岐位置取得部12は、取得されたコーナー部のうち、その周囲を所定角度(例えば180度)以上に亘って単一色領域により囲われているコーナー部の位置を、分岐位置として取得してもよい。
【0047】
また、分岐位置取得部12は、パンツのウエスト部分及び裾部分をそれぞれ上方及び下方に配置したときに、パンツの輪郭における上下方向において横方向の幅が最も大きい位置を分岐位置として特定する。即ち、この場合における分岐位置は、対象画像TPにおいてにおける一点を特定する概念ではなく、対象画像TPにおいてウエスト部分及び裾部分をそれぞれ上方及び下方に配置されたパンツの上下方向における位置を特定する概念である。
【0048】
本実施形態では、分岐位置に基づいて脚部形状情報の取得及びパンツの形状の特定が行われる例を説明する。
図3を参照して、分岐位置の特定について説明する。分岐位置取得部12は、対象画像TPから、パンツが表された領域を抽出する。分岐位置取得部12は、例えば、対象画像を構成する画素の画素値に基づいて、パンツが表された領域を前景領域として認識して、認識した前景領域を対象画像TPから抽出する。パンツのような所定のオブジェクトが表された領域の抽出は、当業者に知られた種々の技術により可能であって、例えばGrabcutという技術を用いてもよい。
【0049】
分岐位置取得部12は、パンツが表された領域の輪郭を抽出する。そして、分岐位置取得部12は、パンツの横方向両側の輪郭のそれぞれを2次曲線で近似する。この近似には、種々の技術を適用可能であるが、例えば、RANSACという技術を採用してもよい。RANSACでは、具体的には、分岐位置取得部12は、パンツの横方向両側の輪郭のうちの一方の輪郭を表す輪郭線上の任意の3点の座標を取得する。続いて、分岐位置取得部12は、取得した3点の座標に基づいて、最小二乗法により2次曲線を算出する。分岐位置取得部12は、算出した2次曲線について、当該2次曲線と輪郭線との一致度を示すコンセンサスを算出する。コンセンサスは、輪郭線を構成する全ての点のうち、2次曲線上に存在する点の割合である。
【0050】
分岐位置取得部12は、輪郭線上の任意の3点の抽出、及び、2次曲線及びコンセンサスの算出を繰り返し実施し、算出した2次曲線のうち最もコンセンサスが高い2次曲線を、パンツの横方向両側の輪郭のうちの一方の輪郭を近似する2次曲線とする。分岐位置取得部12は、パンツの横方向両側の輪郭のうちの他方の輪郭を近似する2次曲線を同様に算出する。
図3に示す例では、分岐位置取得部12は、パンツの横方向両側の輪郭を近似する2次曲線CL,CRを算出する。
【0051】
続いて、
図3に示すように、分岐位置取得部12は、ウエスト部分及び裾部分をそれぞれ上方及び下方に配置されたパンツの上下方向において、左右両側の輪郭のそれぞれに対応する2次曲線CL,CR間の距離が最も大きい位置を分岐位置DPとして取得する。
【0052】
分岐位置DPが特定されると、分岐位置取得部12は、分岐位置DPを通りパンツが表された領域における横方向両端に亘って引かれたヒップラインHLを特定できる。なお、分岐位置DPまたはヒップラインHLに基づくウエスト位置及びウエストラインWLの特定については後述する。
【0053】
脚部領域抽出部13は、対象画像TPにおけるパンツが表された領域から脚部領域を抽出する。
図4〜
図8を参照して、脚部領域の抽出について具体的に説明する。
【0054】
図4は、脚部領域の抽出のための前処理の例を説明する図である。
図4には、対象画像TP11が示されている。対象画像TP11では、ウエスト部分及び裾部分をそれぞれ上方及び下方にしてパンツが配置されている。脚部領域抽出部13は、対象画像TP11からパンツの縦方向に走る輪郭を抽出して、輪郭画像TP12を生成する。
【0055】
輪郭画像TP12の生成の例について具体的に説明する。まず、脚部領域抽出部13は、対象画像TP11をグレースケールで表した画像に対して輪郭抽出処理を施すことにより、第1の輪郭画像を生成する。輪郭抽出処理には、例えば、Sobelフィルタという周知の輪郭検出のためのフィルタを用いてもよい。Sobelフィルタは、処理対象の画像の空間1次微分を計算することにより輪郭を検出するフィルタである。Sobelフィルタでは、検出したい輪郭の方向により、微分の方向をパラメータにより設定することが可能であって、本実施形態では、縦方向に走る輪郭を強調して認識するようなパラメータを設定することが好ましい。
【0056】
また、脚部領域抽出部13は、対象画像TP11を構成する画素のうち、明るさの成分により表した画像に対して輪郭抽出処理を施すことにより、第2の輪郭画像を生成する。対象画像TP11がHSV色空間における画素値で表されている場合には、V成分のみで表した画像に対して輪郭抽出処理が実施される。
【0057】
また、脚部領域抽出部13は、対象画像TP11を二値化処理した画像に対して輪郭抽出処理を施すことにより、第3の輪郭画像を生成する。そして、脚部領域抽出部13は、第1〜第3の輪郭画像を合成して、輪郭画像TP12を生成する。
図4に示すように、輪郭画像TP12は、パンツの縦方向の輪郭が強調されている。
【0058】
図5は、輪郭画像TP12における輪郭をさらに強調するためのロバスト処理を説明する図である。
図5における輪郭画像TP21は、
図4を参照して説明した輪郭抽出処理により得られた輪郭画像TP12である。脚部領域抽出部13は、輪郭画像TP21に対して、周知のモフォロジカルフィルタ(Morphological Filter)による処理を行うことにより、輪郭画像TP22,TP23を生成する。
【0059】
具体的には、脚部領域抽出部13は、輪郭画像TP21に対して、エロージョン(erosion)処理を行うことにより輪郭画像TP22を生成する。エロージョン処理では、輪郭画像TP21に表されている輪郭を構成する画素群の領域が収縮されるので、輪郭を構成する領域のうち一定の大きさに満たない微小領域が消失する。これにより、輪郭画像TP21におけるノイズが消去される。
【0060】
続いて、脚部領域抽出部13は、輪郭画像TP22に対して、ダイレージョン(dilasion)処理を行うことにより輪郭画像TP23を生成する。ダイレージョン処理では、輪郭を構成する画素群が膨張されるので、パンツの輪郭が太く強調された画像が得られる。そして、脚部領域抽出部13は、輪郭画像TP23に対して二値化処理を行うことにより輪郭画像TP24を生成する。従って、輪郭画像TP24では、パンツの輪郭を表す領域が白色で表されている。
【0061】
図6は、輪郭画像TP24に基づく水平分割画像HCの生成を説明する図である。脚部領域抽出部13は、輪郭画像TP24を図示横方向に分割して、例えば縦方向に10ピクセル分の長さを有する水平分割画像HC1〜HCNを生成する。
【0062】
図7は、水平分割画像に基づいて、脚部が表されている可能性があるセルの領域を抽出するための処理を示す図である。脚部領域抽出部13は、
図7に示すように、水平分割画像HC1〜HCNのうちの1つの水平分割画像HCSを取得する。脚部領域抽出部13は、水平分割画像HCSを、色の変化(白色または黒色)を検出しながら、左端から右方向に向かってトレースする。
【0063】
まず、脚部領域抽出部13は、水平分割画像HCSの左端から引き続く黒色の領域を背景領域BGLとして検出する。次に、脚部領域抽出部13は、黒色から白色に変化した位置から、次に白色から黒色に変化する位置までの白色領域を内部境界B1として検出する。続いて、脚部領域抽出部13は、白色から黒色に変化した位置から、次に黒色から白色に変化する位置までの黒色領域を実体領域IB1として検出する。
【0064】
同様に、脚部領域抽出部13は、色の変化があるたびに、白色領域及び黒色領域を、内部境界B2〜B4及び実体領域IB3として検出する。また、脚部領域抽出部13は、水平分割画像HCSの右端に至る黒色領域を背景領域BGRとして検出する。
【0065】
そして、脚部領域抽出部13は、全ての水平分割画像HC1〜HCNまたは分岐位置より下方に位置する水平分割画像に対して、実体領域IB及び内部境界Bの抽出を行い、各水平分割画像HCにおける実体領域IBを、脚部が表されている可能性があるセルとして取得する。
【0066】
図8は、対象画像にセルを重畳して表した例を示す図である。
図8において、セルは、実線または破線の長方形により示されている。脚部領域抽出部13は、対象画像においてパンツが表された領域が、左右の両脚のそれぞれに対応する左脚部領域及び右脚部領域に分離可能な領域のうちの少なくとも1つの領域を脚部領域として抽出する。
【0067】
具体的には、脚部領域抽出部13は、1つの水平分割画像からセルが2つまたは3つ検出された領域を安定セル領域SCとして抽出する。即ち、対象画像に表されたパンツの同じ高さにおいて、セルが2つ検出された場合には、2つのセルのそれぞれが左脚及び右脚に対応し、セルが3つ検出された場合には、両端のセルのそれぞれが左脚及び右脚に対応する蓋然性が高いので、安定セル領域SCは、パンツが表された領域が、左右の両脚のそれぞれに対応する左脚部領域及び右脚部領域に分離可能な領域として検出されたものと捉えることができる。そして、脚部領域抽出部13は、安定セル領域SCのうちの左脚及び右脚のいずれかに対応するセルにより構成される領域の少なくとも1つの領域を脚部領域として抽出する。
【0068】
即ち、対象画像においてパンツが表された領域のうち、左右の両脚に対応する左脚部領域及び右脚部領域に分離可能な領域が脚部領域の候補とされるので、パンツにおける脚部を表している蓋然性が高い領域を脚部領域として抽出することができる。
【0069】
なお、脚部領域抽出部13は、パンツが表された領域が左脚部領域及び右脚部領域に分離可能な領域のうち、上下方向において同じ高さの位置で対応する左脚部領域及び右脚部領域のそれぞれの領域の横幅の差が所定値以下の領域を、脚部領域として抽出してもよい。即ち、脚部領域抽出部13は、対象画像に表されたパンツの同じ高さにおいて検出された2つまたは3つのセルのうち、左脚及び右脚に対応するセルの幅の差が所定値以下である場合に、そのようなセルにより構成される領域を安定セル領域SCとして検出することとしてもよい。セルの幅に差に関する所定値は、例えば予め設定されており、左脚に対応するセルと右脚に対応するセルとが略同程度の幅であると認識されるような値に設定される。
【0070】
対象画像から抽出及び分離された左脚部領域及び右脚部領域のそれぞれの横幅の差が大きい場合には、それらの領域がパンツの脚部の形状を正しく反映していない蓋然性が高い。上記のように、左脚部領域及び右脚部領域のそれぞれの横幅の差が所定値以下の領域が脚部領域として抽出されるので、パンツの脚部の形状をより正しく反映している蓋然性が高い領域を脚部領域として抽出することができる。
【0071】
一方、脚部領域抽出部13は、水平方向にみてセルが1つまたは4つ以上検出された領域を非安定セル領域UCとして抽出し、非安定セル領域UCを脚部領域の検出に用いない。
【0072】
図9は、脚部領域の抽出及び脚部ラインの生成の例を示す図である。脚部領域抽出部13は、安定セル領域SC(
図8)に含まれる複数のセルのうち、左脚に対応するセルにより構成される領域及び右脚に対応するセルにより構成される領域のうちの少なくとも一方の領域を脚部領域として抽出する。
図9に示す例では、脚部領域抽出部13は、左脚に対応するセルにより構成される領域を脚部領域として抽出する。
【0073】
脚部形状取得部14は、分岐位置及び脚部領域に基づいて、パンツの脚部の横方向の幅の変化に関する脚部形状情報を取得する。本実施形態の脚部形状取得部14は、脚部ライン生成部14A及び脚部ライン角度取得部14Bを有する。
【0074】
脚部ライン生成部14Aは、脚部領域及びヒップラインに基づいて、第1及び第2の脚部ラインを生成する。具体的には、
図9に示すように、脚部ライン生成部14Aは、分岐位置DPを通りパンツが表された領域における横方向両端に亘って引かれたヒップラインHL0を特定する。そして、脚部ライン生成部14Aは、ヒップラインHL0の中央部である分岐位置DPと、脚部領域の下端内側部LP01とを結ぶ第1の脚部ラインLL01を生成する。また、脚部ライン生成部14Aは、脚部領域の下端外側部LP02と、ヒップラインHL0の両端部HP1,HP2のうちの下端外側部LP02に対応する端部HP1とを結ぶ第2の脚部ラインLL02を生成する。
【0075】
脚部ライン角度取得部14Bは、第1の脚部ラインと第2の脚部ラインとが互いに成す角度である脚部ライン角度を取得する。
図9に示す例においては、脚部ライン角度取得部14Bは、第1の脚部ラインLL01と第2の脚部ラインLL02とが互いに成す角度を脚部ライン角度として取得する。具体的には、脚部ライン角度取得部14Bは、2本の直線である第1の脚部ラインLL01及び第2の脚部ラインLL02が相対的になす角度として得られる2つの角度のうち、小さい方の角度を脚部ライン角度として取得する。
【0076】
また、脚部形状取得部14は、脚部ラインの生成及び脚部ライン角度の取得に代えて、分岐位置を通りパンツが表された領域における横方向両端に亘って引かれたヒップラインの中央部から一方の端部までの長さである太もも幅と、脚部領域のうちの、両脚のうちの一方の脚に対応する領域の下端の幅である裾幅と、を、脚部形状情報として取得してもよい。
【0077】
ヒップライン角度取得部16は、ウエストラインの左右の両端部とヒップラインの左右の両端部とをそれぞれ結んで得られる左側ヒップライン及び右側ヒップラインが互いに成す角度であるヒップライン角度を取得する。
【0078】
具体的には、ヒップライン角度取得部16は、分岐位置DPに基づいてパンツのウエスト位置を特定する。ウエスト位置は、例えば、分岐位置DPから所定長PLだけ上方の位置として特定してもよい。所定長PLは、ヒップラインHL0の長さに所定の係数を乗じて得られることとしてもよい。そして、ヒップライン角度取得部16は、ウエスト位置を通りパンツが表された領域における横方向両端に亘って引かれたウエストラインWL0を特定できる。
【0079】
ヒップライン角度取得部16は、ヒップラインHL0及びウエストラインWL0に基づいて、左側ヒップラインHA01及び右側ヒップラインHA02を特定する。具体的には、ヒップライン角度取得部16は、ヒップラインHL0の左端部HP1とウエストラインWL0の左端部WP1とを結んで、左側ヒップラインHA01を取得する。また、ヒップライン角度取得部16は、ヒップラインHL0の右端部HP2とウエストラインWL0の右端部WP2とを結んで、右側ヒップラインHA02を取得する。そして、ヒップライン角度取得部16は、左側ヒップラインHA01と右側ヒップラインHA02とが互いに成す角度を、ヒップライン角度として取得する。なお、ヒップライン角度取得部16は、2本の直線である左側ヒップラインHA01及び右側ヒップラインHA02が相対的になす角度として得られる2つの角度のうち、小さい方の角度をヒップライン角度として取得する。
【0080】
図10は、脚部領域の抽出及び脚部ラインの生成の例を示す図である。
図10に示す例では、脚部領域抽出部13は、取得されたセルに基づいて、安定セル領域SC11、及び非安定セル領域UC11,UC12,UC13,UC14を抽出する。安定セル領域SC11では、対象画像に表されたパンツの同じ高さにおいて2つのセルが検出され、且つ2つのセルの横幅の差が所定値以下であるので、脚部領域抽出部13は、これらのセルにより構成される領域を安定セル領域として検出する。
【0081】
非安定セル領域UC11,UC12,UC14では、パンツを着用したモデルが脚を交差させているために、対象画像に表されたパンツの同じ高さにおいてセルが1つのみ検出されているので、脚部領域抽出部13は、これらのセルにより構成される領域を非安定セル領域として検出する。非安定セル領域UC13では、対象画像に表されたパンツの同じ高さにおいて2つのセルが検出されているが、2つのセルの横幅の差が所定値を超えているので、脚部領域抽出部13は、これらのセルにより構成される領域を非安定セル領域として検出する。
【0082】
脚部領域抽出部13は、安定セル領域SC11における、左脚及び右脚に対応するセルの横幅を比較する。そして、右脚に対応するセルの横幅が左脚に対応するセルの横幅よりも大きいので、脚部領域抽出部13は、安定セル領域SC11における右脚に対応するセルにより構成される領域を脚部領域として抽出する。そして、脚部ライン生成部14Aは、抽出された脚部領域及びヒップラインHL1に基づいて、第1の脚部ラインLL11及び第2の脚部ラインLL12を生成する。
【0083】
図11は、脚部領域の抽出及び脚部ラインの生成の例を示す図である。
図11に示す例では、脚部領域抽出部13は、取得されたセルに基づいて、安定セル領域SC21,SC22、及び非安定セル領域UC21,UC22,UC23を抽出する。安定セル領域SC21,SC22では、対象画像に表されたパンツの同じ高さにおいて2つのセルが検出され、且つ2つのセルの横幅の差が所定値以下であるので、脚部領域抽出部13は、これらのセルにより構成される領域を安定セル領域として検出する。
【0084】
非安定セル領域UC21,UC22,UC23では、パンツの脚部の配置及び画像の陰影等に起因して、対象画像に表されたパンツの同じ高さにおいてセルが1つのみ検出されたり、4つ以上検出されたりしている。また、セルが2つまたは3つ検出されている場合であっても、左脚及び右脚のそれぞれに対応するセルの横幅の差が所定値を超えている。従って、脚部領域抽出部13は、これらのセルにより構成される領域を非安定セル領域として検出する。非安定セル領域UC13では、対象画像に表されたパンツの同じ高さにおいて2つのセルが検出されているが、2つのセルの横幅の差が所定値を超えているので、脚部領域抽出部13は、これらのセルにより構成される領域を非安定セル領域として検出する。
【0085】
脚部領域抽出部13は、安定セル領域SC21,SC22のように、パンツが表された領域が左脚部領域及び右脚部領域に分離可能な領域のうち、縦方向の長さが最も長い領域を脚部領域として抽出する。具体的には、脚部領域抽出部13は、安定セル領域SC21及びSC22のうち、縦方向の長さがより長い安定セル領域SC21のセルにより構成される領域を脚部領域の候補として抽出する。これにより、対象画像に表されたパンツの脚部の形状の特徴をより良く反映している蓋然性が高い領域を脚部領域として抽出することができる。
【0086】
さらに、脚部領域抽出部13は、安定セル領域SC21における、左脚及び右脚に対応するセルの横幅を比較する。そして、右脚に対応するセルの横幅が左脚に対応するセルの横幅よりも大きいので、脚部領域抽出部13は、安定セル領域SC21における右脚に対応するセルにより構成される領域を脚部領域として抽出する。
【0087】
対象画像に表されたパンツの脚部の領域において、幅が広い領域は、正対方向により近い方向から撮像された可能性が高い。上記のように、上下方向において同じ高さの位置で対応する左脚部領域及び右脚部領域の横幅がより大きい領域が脚部領域として抽出されることにより、パンツの脚部の形状をより正確に反映している蓋然性が高い領域を脚部領域として抽出できるので、精度良くパンツの形状の弁別を行うことができる。
【0088】
そして、脚部ライン生成部14Aは、抽出された脚部領域及びヒップラインHL2に基づいて、第1の脚部ラインLL21及び第2の脚部ラインLL22を生成する。
【0089】
特定部17は、脚部形状取得部14により取得された脚部形状情報に基づいて、パンツの形状を特定する。なお、本実施形態では、特定部17が、脚部ライン角度取得部14Bにより取得された脚部ライン角度を脚部形状情報として取得した場合の例について詳述する。また、特定部17は、ヒップライン角度取得部16により取得されたヒップライン角度及び脚部形状情報に基づいてパンツの形状を特定してもよい。パンツの形状の特定の具体的な例は、
図12及び
図13のフローチャートの説明において詳述する。
【0090】
出力部18は、特定部17により特定されたパンツの形状に関する情報を出力する。具体的には、出力部18は、対象画像に表されたパンツの形状に関する情報を、当該画像の属性として、画像に対応付けて所定の記憶手段(例えば画像記憶部3)に記憶させてもよい。また、出力部18は、対象画像に表されたパンツの形状に関する情報を、当該対象画像に対応付けてディスプレイに表示させるように制御してもよい。また、出力部18は、画像記憶部3に記憶された複数の画像を、対象画像に表されたパンツの形状に関する情報に基づいて分類する処理を実施してもよい。
【0091】
次に、
図12を参照して、本実施形態の形状弁別装置1の動作について説明する。
図12は、形状弁別装置1において実施される形状弁別方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0092】
まず、画像取得部11は、パンツが表された対象画像を取得する(S1)。具体的には、画像取得部11は、例えば、パンツが表された対象画像を画像記憶部3から取得する。次に、分岐位置取得部12は、対象画像に表されたパンツにおける両脚部に分岐する位置である分岐位置を取得する(S2)。具体的には、分岐位置取得部12は、パンツのウエスト部分及び裾部分をそれぞれ上方及び下方に配置したときに、パンツの輪郭における上下方向において横方向の幅が最も大きい位置を分岐位置として特定する。
【0093】
続いて、脚部領域抽出部13は、対象画像TPにおけるパンツが表された領域から脚部領域を抽出する(S3)。具体的には、脚部領域抽出部13は、対象画像においてパンツが表された領域が、左右の両脚のそれぞれに対応する左脚部領域及び右脚部領域に分離可能な領域のうちの少なくとも1つの領域を脚部領域として抽出する。
【0094】
次に、脚部形状取得部14の脚部ライン生成部14Aは、脚部領域及びヒップラインに基づいて、第1及び第2の脚部ラインを生成する(S4)。具体的には、脚部ライン生成部14Aは、分岐位置を通りパンツが表された領域における横方向両端に亘って引かれたヒップラインの中央部と、脚部領域の下端の内側部とを結ぶラインを第1の脚部ラインとして生成し、脚部領域の下端の外側部と、ヒップラインの両端部のうちの当該外側部に対応する一端部とを結ぶラインを第2の脚部ラインとして生成する。そして、脚部形状取得部14の脚部ライン角度取得部14Bは、第1の脚部ラインと第2の脚部ラインとが互いに成す角度である脚部ライン角度を取得する(S5)。
【0095】
また、ヒップライン角度取得部16は、ウエストラインの左右の両端部とヒップラインの左右の両端部とをそれぞれ結んで得られる左側ヒップライン及び右側ヒップラインが互いに成す角度であるヒップライン角度を取得する(S6)。
【0096】
そして、特定部17は、ステップS5において脚部ライン角度取得部14Bにより取得された脚部ライン角度に基づいてパンツの形状を特定する特定処理を実施する(S7)。また、特定部17は、ステップS6においてヒップライン角度取得部16により取得されたヒップライン角度をさらに用いて特定処理を実施してもよい。
【0097】
図13は、
図12のフローチャートのステップS7における特定処理の内容を示すフローチャートである。特定処理において、特定部17は、脚部ライン角度が所定値以上であるか否かを判定する(S21)。脚部ライン角度の判定のための所定値は、例えば、予め設定されている。脚部ライン角度が所定値以上であると判定された場合には、処理はステップS22に進められる。一方、脚部ライン角度が所定値以上であると判定されなかった場合には、処理はステップS23に進められる。
【0098】
ステップS22において、特定部17は、2本の脚部ラインの上方及び下方のどちらが開いているかを判定する(S22)。即ち、特定部17は、2本の脚部ラインのそれぞれの下端間の距離より上端間の距離の方が大きい場合には、2本の脚部ラインの上方が開いていると判定する。一方、特定部17は、2本の脚部ラインのそれぞれの下端間の距離より上端間の距離の方が小さい場合には、2本の脚部ラインの下方が開いていると判定する。
【0099】
2本の脚部ラインの上方が開いていると判定された場合には、特定部17は、対象画像に表されたパンツの形状をスキニータイプであると判定する。一方、2本の脚部ラインの下方が開いていると判定された場合には、特定部17は、対象画像に表されたパンツの形状をワイドタイプであると判定する。
【0100】
ステップS23において、特定部17は、ヒップライン角度が所定値以上であるか否かを判定する(S23)。即ち、ヒップライン角度が所定値以上である場合には、パンツのウエストラインWLの長さに比べてヒップラインHLの長さが長くなっているので、特定部17は、対象画像に表されたパンツの形状をワイドタイプであると判定する。
【0101】
一方、ヒップライン角度が所定値以上でない場合には、パンツのウエストラインWLの長さとヒップラインHLの長さとの差が小さいので、特定部17は、対象画像に表されたパンツの形状をストレートタイプであると判定する。なお、ヒップライン角度の判定のための所定値は、例えば、予め設定されている。
【0102】
パンツのウエストライン部からヒップライン部に至る輪郭にはパンツの形状の特徴が現れているので、ヒップライン角度には、パンツの形状が反映される。そして、ヒップライン角度に基づいてパンツの形状が特定されるので、テンプレートとの対比によらず、パンツの形状の詳細な特定及び弁別が可能となる。
【0103】
例えば、
図9に示される対象画像が取得された場合には、特定部17は、ステップS21において、第1の脚部ラインLL01及び第2の脚部ラインLL02が互いに成す角度である脚部ライン角度が所定値以上であると判定する。そして、ステップS22において、第1の脚部ラインLL01及び第2の脚部ライン角度LL02の上方が開いているので、特定部17は、
図9の対象画像に示されるパンツの形状をスキニータイプであると判定する。
【0104】
例えば、
図14に示される対象画像が取得された場合には、特定部17は、ステップS21において、第1の脚部ラインLL31及び第2の脚部ライン角度LL32が互いに成す角度である脚部ライン角度が所定値以上であると判定する。そして、ステップS22において、第1の脚部ラインLL31及び第2の脚部ライン角度LL32の下方が開いているので、特定部17は、
図14の対象画像に示されるパンツの形状をワイドタイプであると判定する。
【0105】
例えば、
図15に示される対象画像が取得された場合には、特定部17は、ステップS21において、第1の脚部ラインLL41及び第2の脚部ライン角度LL42が互いに成す角度である脚部ライン角度が所定値以上でないと判定する。そして、ステップS23において、ウエストラインWL4の左右の両端部とヒップラインHL4の左右の両端部とをそれぞれ結んで得られる左側ヒップラインHA41及び右側ヒップラインHA42が互いに成す角度であるヒップライン角度が所定値以上であるので、特定部17は、
図15の対象画像に示されるパンツの形状をワイドタイプであると判定する。
【0106】
例えば、
図16に示される対象画像が取得された場合には、特定部17は、ステップS21において、第1の脚部ラインLL51及び第2の脚部ライン角度LL52が互いに成す角度である脚部ライン角度が所定値以上でないと判定する。そして、ステップS23において、ウエストラインWL5の左右の両端部とヒップラインHL5の左右の両端部とをそれぞれ結んで得られる左側ヒップラインHA51及び右側ヒップラインHA52が互いに成す角度であるヒップライン角度が所定値以上でないので、特定部17は、
図16の対象画像に示されるパンツの形状をストレートタイプであると判定する。
【0107】
なお、脚部形状取得部14が太もも幅及び裾幅を脚部形状情報として取得した場合には、ステップS21において、特定部17は、太もも幅と裾幅との差が所定値以上であるか否かを判定する。太もも幅と裾幅との差が所定値以上であると判定された場合に、処理はステップS22に進められる。一方、太もも幅と裾幅との差が所定値以上であると判定されなかった場合に、処理はステップS23に進められる。なお、太もも幅と裾幅との差の判定に関する所定値は予め設定されているが、太もも幅の特定に係るヒップラインと、裾幅の特定に係る脚部領域の下端との距離に応じて可変であることとしてもよい。即ち、ヒップラインと脚部領域の下端との距離が大きくなるに応じて、太もも幅と裾幅との差の判定のための所定値を大きくしてもよい。
【0108】
脚部形状取得部14が太もも幅及び裾幅を脚部形状情報として取得した場合には、ステップS22において、特定部17は、太もも幅及び裾幅のどちらの方が大きいかを判定する。裾幅より太もも幅の方が大きいと判定された場合には、特定部17は、対象画像に表されたパンツの形状をスキニータイプであると判定する。一方、太もも幅より裾幅の方が大きいと判定された場合には、特定部17は、対象画像に表されたパンツの形状をワイドタイプであると判定する。
【0109】
再び
図12を参照して、ステップS8において、出力部18は、ステップS7において特定されたパンツの形状に関する情報を出力する(S8)。
【0110】
次に、
図17を参照して、コンピュータを形状弁別装置1として機能させるための形状弁別プログラムを説明する。形状弁別プログラムp1は、メインモジュールm10、画像取得モジュールm11、分岐位置取得モジュールm12、脚部領域抽出モジュールm13、脚部形状取得モジュールm14、ヒップライン角度取得モジュールm16、特定モジュールm17及び出力モジュールm18を備える。
【0111】
メインモジュールm10は、形状弁別処理を統括的に制御する部分である。画像取得モジュールm11、分岐位置取得モジュールm12、脚部領域抽出モジュールm13、脚部形状取得モジュールm14、ヒップライン角度取得モジュールm16、特定モジュールm17及び出力モジュールm18を実行することにより実現される機能はそれぞれ、
図1に示される形状弁別装置1の画像取得部11、分岐位置取得部12、脚部領域抽出部13、脚部形状取得部14、ヒップライン角度取得部16、特定部17及び出力部18の機能と同様である。
【0112】
形状弁別プログラムp1は、例えば、磁気ディスクや光ディスクまたは半導体メモリ等の記憶媒体d1によって提供される。また、形状弁別プログラムp1は、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0113】
以上説明した本実施形態の形状弁別装置1、形状弁別方法及び形状弁別プログラムp1によれば、パンツが両脚部に分岐する位置または分岐する位置とみなすことが可能な位置である分岐位置、及び、パンツが表された対象画像から抽出された脚部領域に基づいて、パンツの脚部の横方向の幅の変化に関する脚部形状情報が取得される。脚部形状情報にはパンツの形状の特徴が現れることに鑑みて、脚部形状情報に基づいてパンツの形状が特定されるので、テンプレートとの対比によらず、パンツの形状の適切な特定及び弁別が可能となる。
【0114】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。