(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のパウダー含有定量噴射型エアゾール製品は、パウダーおよびジメチルエーテルを含有するエアゾール組成物が、噴射操作によりエアゾール容器本体内部との連通が遮断されることで噴射量を一定量とする定量室を有するエアゾールバルブ、および、複数の噴射孔を有する噴射部材を備えたエアゾール容器に充填されていることを特徴とする。
【0019】
前記エアゾール組成物は、パウダーおよびジメチルエーテルを含有する。
【0020】
前記パウダーは、有効成分として用いたり、有効成分を表面の細孔に担持させて効果を徐々に発揮させる担体、皮膚などの噴射対象に対する有効成分の付着性を向上させる補助剤、噴射対象をさらさらにして使用感を向上させたりする、などの目的で用いられる。
【0021】
パウダーとしては、例えば、コーンスターチ、コムギデンプン、コメデンプンなどの植物由来のパウダー、クロロヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、フェノールスルホン酸アルミニウムなどの制汗成分、酸化亜鉛、ミョウバンなどの収斂成分、酸化チタンなどの紫外線散乱成分、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタンなどの紫外線吸収剤、銀などの抗菌成分、タルク、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、ゼオライト、マイカ、雲母チタン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ナイロンパウダー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体などが挙げられる。なお、環境への負荷を小さくできる点から植物由来のパウダーを用いることが好ましい。
【0022】
パウダーの含有量は、エアゾール組成物中1〜30質量%であることが好ましく、2〜25質量%であることがより好ましい。パウダーの含有量が1質量%よりも少ない場合はパウダーによる効果が不充分となる傾向がある。また、30質量%よりも多い場合はエアゾールバルブのステム孔や噴射部材の噴射孔で詰まりやすくなる傾向がある。
【0023】
前記ジメチルエーテルは、エアゾール容器内では蒸気圧(20℃の飽和蒸気圧:0.41MPa)を有する液体として主に存在し、パウダーを含有するエアゾール組成物を構成している。また、エアゾールバルブの操作により、その圧力によりエアゾール組成物を噴射する噴射剤として作用する。そして、噴射後の噴射対象面においては気化による気化熱で噴射対象に冷却感を付与する。
【0024】
ジメチルエーテルは、噴射剤として用いられる他の液化ガスに比べて強い冷却力を有しているため噴射対象を過度に冷却してしまう傾向がある。特に噴射対象が人体である場合は凍傷を引き起こす恐れがある。しかし、本発明のパウダー含有定量噴射型エアゾール製品は後述するように、所定の定量室を有する定量噴射式エアゾールバルブ、および、複数の噴射孔を有する噴射部材を備えたエアゾール容器を用いて、噴射物の勢いを抑制しながら噴射範囲を広くすることで、ジメチルエーテルの冷却力を適度に調整し、広範囲の噴射対象に適度な冷却感を付与するものである。
【0025】
ジメチルエーテルとしては、天然ガス由来の一酸化炭素および水素、または石炭を出発原料として製造する化石原料由来のジメチルエーテルを用いることが一般的であるが、環境への負荷を小さくすることができるという点から、例えばパルプを製造するときに発生する植物性廃液(黒液)から製造されたジメチルエーテルなど、植物由来のバイオジメチルエーテルを用いることが好ましい。バイオジメチルエーテルを用いることにより、パルプ製造時の廃液の利活用になるとともに、原料となる木材は成長する過程で光合成により二酸化炭素を吸収しており、ライフサイクル全体で見ると大気中の二酸化炭素を増加させることにはならず、収支はゼロである。
【0026】
ジメチルエーテルの含有量は、エアゾール組成物中50〜97質量%であることが好ましく、55〜95質量%であることがより好ましい。ジメチルエーテルの含有量が50質量%よりも少ない場合は、長時間の静置により堆積したパウダーを再分散させることが困難となり、パウダーを定量的に噴射しにくくなる傾向がある。また、97質量%よりも多い場合は冷却力が強くなり過ぎて噴射対象を過冷却してしまう傾向がある。
【0027】
前記エアゾール組成物には、前記のパウダーおよびジメチルエーテル以外にも、パウダー以外の有効成分、パウダー分散剤、パウダー付着剤(油剤)、溶剤などからなる液体成分を含有することができる。
【0028】
前記パウダー以外の有効成分としては、例えば、アセロラエキス、アルブチン、エラグ酸などの美白成分、ショウブエキス、チョウジエキス、ティーツリー油、ニンニクエキス、ユーカリエキス、ローズマリーエキス、ヒノキチオールなどの殺菌成分、アシタバエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、オオムギバクガエキス、オレンジ果汁、カリンエキス、ダイズタンパク、トウモロコシエキスなどの保湿成分、アーモンド油、アボガド油、オリーブ油、サフラワー油、ホホバ油、ユーカリ油、ローズヒップ油などのエモリエント成分、イタドリエキス、イラクサ葉エキス、オウバクエキス、クエン酸、チャ葉エキス、ハマメリスエキスなどの収斂成分、オウゴンエキス、甘草エキス、クチナシエキス、シャクヤクエキス、セージエキス、センブリエキス、ヨモギエキスなどの消炎成分、メントール、ハッカ油、カンフルなどの清涼剤、ハーブエキスなどの害虫忌避剤、などの植物由来の有効成分、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、乳酸などの収斂剤、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、コラーゲン、キシリトール、ソルビトール、ヒアルロン酸、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸塩、尿素などの保湿剤、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、3,4,4−トリクロロカルバニリド、トリエチルサイトレート、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、レゾルシン、サリチル酸、ヘキサクロロフェン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、パラクロルメタクレゾールなどの殺菌(抗菌)・防腐剤、アラントイン、グリチルレチン酸、アズレンなどの抗炎症剤、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸リドカインなどの局所麻酔剤、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェミラミンなどの抗ヒスタミン剤、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチルなどの消臭・防臭剤、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ビタミンD2、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチンなどのビタミン類、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチルなどの紫外線吸収剤、N,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、カプリル酸ジエチルアミド、ジメチルフタレートなどの害虫忌避剤や香料、などが挙げられる。特に、環境への負荷を小さくできる点から、植物由来の有効成分を用いることが好ましい。
【0029】
前記パウダー以外の有効成分を含有する場合の含有量は、エアゾール組成物中0.1〜10質量%であることが好ましく、0.3〜8質量%であることがより好ましい。有効成分の含有量が0.1質量%よりも少ない場合は有効成分の効果が得られにくくなる傾向がある。また、10質量%よりも多くなると有効成分濃度が高く、皮膚などに悪影響を及ぼす恐れがある。
【0030】
前記パウダー分散剤は、容器の底部や定量室(貯留部)の底部に沈降・堆積したパウダーが、製品の振盪によりエアゾール組成物の液相中に再分散することを容易にし、均一な組成で噴射することを目的として用いられる。
【0031】
パウダー分散剤としては、例えば、サポニン、カゼイン、デキストリン、ダイズレシチンなどの植物由来の界面活性剤、ソルビタンモノオレエートなどのソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などの非イオン性界面活性剤などが挙げられる。特に、環境への負荷を小さくできる点から、植物由来の界面活性剤を用いることが好ましい。
【0032】
パウダー分散剤を含有する場合の含有量は、エアゾール組成物中0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましい。パウダー分散剤の含有量が0.01質量%よりも少ない場合はパウダーの沈降が速くなる傾向があり、噴射操作後、定量室内に導入される次回噴射用のエアゾール組成物中にパウダーが所定量含まれず、パウダーを一定量噴射しにくくなる傾向がある。また、10質量%よりも多い場合はベタつくなど、使用感が低下してしまう傾向がある。
【0033】
前記パウダー付着剤は、噴射対象に噴射されたパウダーの飛散や、噴射対象に付着したパウダーの乾燥を抑えて剥がれ落ちを防止し、人体への付着性を向上させることを目的として用いられる。
【0034】
パウダー付着剤としては、たとえば、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガム、ペクチン、マンナンなどの植物由来の多糖類、オリーブ油、ツバキ油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油などの油脂、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油などのロウ、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などの高級脂肪酸などの植物由来の油剤;ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、エチルヘキサン酸ブチルエーテルプロパンジオール、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコールなどのエステルオイル;オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイルなどの油剤が挙げられる。特に、環境への負荷を小さくできる点から植物由来の多糖類や油剤を用いることが好ましい。
【0035】
パウダー付着剤を含有する場合の含有量は、エアゾール組成物中0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜8質量%であることがより好ましい。パウダー付着剤の含有量が0.01質量%よりも少ない場合はパウダーが飛散しやすく噴射対象への付着性が低下する傾向、噴射対象からパウダーが剥がれ落ちやすくなる傾向がある。また、10質量%よりも多い場合はベタつきやすくなるなど、使用感が低下してしまう傾向がある。
【0036】
前記溶剤はパウダーの飛散防止、乾燥性や冷却効果の調整など、使用感を調整することを目的として用いられる。
【0037】
溶剤としては、例えば、精製水やイオン交換水などの水、エタノールやイソプロパノール、イソブチルアルコールなどの低級アルコールなどが挙げられる。なお、環境への負荷を小さくできる点からバイオエタノールなどの植物由来のアルコールを用いることが好ましい。
【0038】
溶剤を含有する場合の含有量は、エアゾール組成物中0.5〜40質量%であることが好ましく、1〜35質量%であることがより好ましい。溶剤の含有量が0.5質量%よりも少ない場合は溶剤の効果が得られにくくなる傾向がある。また、40質量%よりも多い場合は、噴射後のパウダーが乾燥しにくくなり、噴射対象からパウダーが流れ落ちやすくなる傾向がある。
【0039】
前記液体成分は、有効成分やパウダー分散剤をパウダー付着剤や溶剤などに混合することにより調製することができる。液体成分を含有する場合の含有量は、エアゾール組成物中1〜45質量%であることが好ましく、2〜40質量%であることがより好ましい。液体成分の含有量が1質量%よりも少ない場合は液体成分の効果が得られにくくなる傾向がある。また、45質量%よりも多い場合は、噴射後のパウダーが乾燥しにくくなり、噴射対象からパウダーが流れ落ちやすくなる傾向がある。
【0040】
また、噴射物の勢いの調整、燃焼性の調整などを目的として、ジメチルエーテルに加えて、液化石油ガスやハイドロフルオロオレフィンなどの液化ガスを噴射剤として含有してもよい。これらジメチルエーテル以外の液化ガスを含有する場合の含有量は、エアゾール組成物中1〜30質量%であることが好ましく、2〜25質量%であることがより好ましい。ジメチルエーテル以外の液化ガスの含有量が30質量%より多い場合であって、ジメチルエーテル以外の液化ガスとして液化石油ガスを含有する場合は噴射物の燃焼性が高くなってしまう傾向があり、ハイドロフルオロオレフィンを含有する場合は噴射物の燃焼性は低下するが、コストが高くなってしまう傾向がある。また、1質量%よりも少ない場合は、前述の効果が得られにくくなる傾向がある。
【0041】
前記エアゾール組成物は、耐圧性のエアゾール容器本体にパウダーや噴射剤などを充填し、エアゾール容器本体にエアゾールバルブを固着することで調製することができる。なお、パウダー、液体成分、噴射剤を複数成分使用する場合は、容器本体に充填する前にそれぞれ混合しておくことが好ましい。また、パウダーは液体成分の少なくとも一部に分散させてスラリー化したものを充填しても良い。さらに、噴射剤は容器本体にエアゾールバルブを固着する前にアンダーカップ充填してもよく、エアゾールバルブを固着した後でステムから充填しても良い。
【0042】
前記エアゾール組成物は、植物由来成分を80質量%以上含有することが好ましく、85〜100質量%含有することがより好ましい。植物由来成分を80質量%以上含有することにより、噴射により大気中に放出されて分解し二酸化炭素になっても、植物由来成分が発生する二酸化炭素については、原料の植物は成長する過程で光合成により二酸化炭素を吸収しており、ライフサイクル全体で見ると大気中の二酸化炭素の増加させることにならず、収支はゼロであるから、大気中の二酸化炭素の増加を抑制することができる。
【0043】
本発明のパウダー含有定量噴射型エアゾール製品は、前記エアゾール組成物が、噴射量を一定量とする定量室を有するエアゾールバルブ、および、複数の噴射孔を有する噴射部材を備えたエアゾール容器に充填されていることを特徴とする。
【0044】
前記エアゾール容器について
図1および
図2を示して説明するが、これらの態様にのみ限定されるものではない。
【0045】
本発明のエアゾール製品に用いられるエアゾール容器は、エアゾール組成物Aが充填されるエアゾール容器本体10と、エアゾール容器本体10の開口部に取り付けられエアゾール容器本体10の内部と外部とを連通/遮断するエアゾールバルブ20と、エアゾール組成物を噴射するための複数の噴射孔31を有する噴射部材30を備えている。なお、A1はエアゾール容器本体10の底部に沈降したパウダーを示す。
【0046】
前記エアゾール容器本体10としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されないが、例えば、アルミニウムやブリキなどの金属製のもの、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂製のものであって、耐圧性を有し、上端に開口部を有する有底筒状に成型したものを用いることができる。なお、飲料用として使用後のポリエチレンテレフタレート製ボトルを、未使用のポリエチレンテレフタレートに添加するなどにより再利用して成型した容器本体を用いても良い。
図1はエアゾール容器本体10としてアルミニウム製のエアゾール容器本体を、
図2はエアゾール容器本体10としてポリエチレンテレフタレート製のエアゾール容器本体を用いた実施形態を示す。
【0047】
ここで、前記エアゾール組成物がパウダーとしてクロロヒドロキシアルミニウムを含有し、さらに溶媒として水を含有する場合、エアゾール容器本体中に水に溶解したクロロヒドロキシアルミニウムが充填されることとなる。水に溶解したクロロヒドロキシアルミニウムは、アルミニウムなどの金属製の容器本体を腐食させやすいため、
図2に示すようなポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂製の容器本体を用いることが好ましい。なお、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂製の容器本体はジメチルエーテルにより劣化されやすいため、容器本体の内面に炭素やシリカ、アルミナなどを蒸着させた蒸着膜を設けることが好ましい。
【0048】
前記エアゾールバルブ20は、マウンティングカップ21、ハウジング22、ステム23、スプリング24およびステムラバー25、カバーキャップ29を有する。
【0049】
マウンティングカップ21は、カップ状であり、容器本体の開口部に挿入される筒部と、筒部の上端の外側に設けられたフランジ部と、筒部の上端の内側に設けられた蓋部を有する。筒部は外周に容器本体の開口部との間をシールする第1シール材211を備えており、内周にハウジング22を保持する嵌合突起を備えている。フランジ部の下部には容器本体の開口部の上端との間をシールする第2シール材212を備えている。蓋部はハウジングの上部およびステムラバーを覆い、カバーキャップ29の内面を保護することができる。
【0050】
ハウジング22は、筒状であり、上部開口部および下部開口部を有し、さらに内部空間を上部開口部側と下部開口部側とに分割する底壁221を有し、底壁221の中央部分に上部開口部側の内部空間と下部開口部側の内部空間とを連通し、ステム23の下部を貫通させる開口部を有する。
図1および
図2のエアゾール容器においては、底壁221の開口部内周側に上方に伸びる内側筒状部分222を有し、この内側筒状部分222、ハウジング22の内周面および底壁221により後述のパウダーを貯留する貯留部41を構成する。
【0051】
ハウジング22の下部開口部には、筒状のブッシュ26とディップチューブ27とが順次装着されている。底壁221の下面とブッシュ26との間には、リップ先端がステム23の下部の外周面に摺接する漏斗状の弁28が保持されている。
【0052】
ステム23は、上部開口部を有し、噴射部材30を装着するステム上部と、ステム23押し下げた際、弁28に密接し、シールするステム下部とからなり、ステム下部がハウジング22の底壁221の開口部を通過するようにハウジング22に挿入されている。ステム23の上部開口部側がハウジング22から上部外方へ突き出し、噴射部材30に連通する。ステム23は、噴射通路231を形成する内部空間および側壁に噴射通路231に連通する横孔の連通孔232を有する。ステム23は、たとえば、ステンレスなどの金属材料、または、ナイロン、ジュラコンなどの合成樹脂材料などにより作製されており、ステムラバー25と摺動できるように、平滑な表面にされている。
【0053】
ステム23の外周と摺動するように嵌装されたステムラバー25は、通常の状態では、スプリング24の付勢力により上方に押し上げられているステム23の連通孔232を、内径面によって閉鎖し、エアゾール容器の気密を保つ。噴射時には噴射部材30を押し下げてステムラバー25によるシールを開放することによって、エアゾール組成物を噴射孔31より外部へ噴射することができる。
【0054】
本発明で使用するエアゾールバルブは、ハウジング内に噴射操作によりエアゾール容器本体内部との連通が遮断されることで噴射量を一定量とする定量室を有する定量噴射式エアゾールバルブであることを特徴とする。
図1および
図2のエアゾール容器においては、ハウジング22の内周面および底壁221ならびにステムラバー25により閉鎖している連通孔232までの空間が定量室40を形成し、噴射操作により、ステム23の下部が弁28に密接し、容器本体10内部と定量室40とを遮断する。
【0055】
定量室40は、通常時はエアゾール容器本体内部と連通しており、ディップチューブ27を通じてエアゾール組成物が密に充填されている。噴射時には、噴射部材30を軸方向に押し下げると、ステム23がステムラバー25に摺動し、まずステム23下部が弁28内に挿入され、容器本体10内部と定量室40を遮断する。さらに押し下げると連通孔232が開く。これにより、定量室40に充填されているエアゾール組成物のみが噴射剤の圧力により連通孔232を通って噴射通路231に導入され、噴射孔31から外部へ噴射される。噴射操作をやめ、連通孔232が閉鎖され、容器本体10内部と定量室40が再度連通されると、容器本体10内部のエアゾール組成物がディップチューブ27を通じて定量室40内に充填される。
【0056】
本発明で使用するエアゾール容器は、定量噴射式エアゾールバルブを備えることにより、エアゾールバルブを作動させると容器本体10内部と定量室40の間は遮断されるので、定量室40内以外に存在するエアゾール組成物の供給はなく、エアゾール容器本体内の噴射剤による加圧がないので、勢いが抑制された噴射となり、噴射対象へのパウダー付着性を向上させることができる。また、一度の操作により噴射できる量を限定することができるので、連続噴射による過冷却を防ぐことができる。
【0057】
さらに、前記定量室は
図1および
図2に示すように、ハウジング22内の底壁221の開口部内周側に上方に伸びる内側筒状部分222を有し、この内側筒状部分222、ハウジング22の内周面および底壁221により構成されるパウダーを貯留する貯留部41を有することが好ましい。貯留部41を有することで、長時間静置してもパウダーは貯留部41に堆積するので定量室内にパウダーを一定量保持することができる。
【0058】
前記貯留部41は、その内部に堆積したパウダーの攪拌を容易にするための攪拌部材42を有することが好ましい。攪拌部材42としては、スプリング、ボールなどが挙げられる。攪拌部材42は、エアゾール組成物を噴射する前に行う振盪操作により上下動して貯留部41内を攪拌する構造とすることにより、貯留部内で凝集したパウダーを効率よく攪拌することができる。
【0059】
本発明で使用する噴射部材は、複数の噴射孔を有することを特徴とする。複数の噴射孔の形状としては、特に限定されず、噴射物が噴射対象の一点に集中することを防ぐものであればよい。複数の噴射孔を有する噴射部材とすることにより、1つの噴射孔から噴射される噴射物の勢いの抑制、噴射物が噴射対象の一点に集中することの抑制、および、噴射範囲を広くすることができ、噴射対象へのパウダーの付着性の向上、噴射剤としてジメチルエーテルを用いるにもかかわらず過冷却を抑制することができる。また、噴射孔31を噴射通路32の軸線と一致しないように設けることで、噴射通路を出た噴射物がノズルの壁に衝突して噴射の勢いを抑制することができる。
【0060】
また、前記噴射部材は、その内部の噴射通路の一部に膨張室を有することが好ましい。
図1には、噴射通路32の一部に、噴射通路32の内径より広い内径を有する膨張室33を有する噴射部材30を示すが、この態様に限定されるものではない。この膨張室33を設けることで、噴射通路231を経て噴射部材30内の噴射通路32に移動してきたエアゾール組成物が膨張室33内で膨張し、その後、噴射孔31から噴射されることで、噴射物の勢いを一層、抑制することができる。
【0061】
本発明のパウダー含有定量噴射型エアゾール製品の噴射形態によれば、ジメチルエーテルを含有するエアゾール組成物を、所定の定量室を有するエアゾールバルブ、および、複数の噴射孔を有する噴射部材を備えたエアゾール容器から噴射することで、噴射物を広範囲に適度な勢いで噴射し、かつ皮膚などの噴射対象面上でのパウダーの飛散を防止して広範囲にパウダーを効率よく付着させることができる。このような噴射形態のエアゾール製品であって、エアゾール組成物中の噴射剤が主に液化石油ガスである場合は、噴射対象に対する冷却力が不充分となり、適度な冷却感を付与することが困難となる。さらに、圧力の低い液化石油ガス(特にブタン)を用いる場合は、逆火現象の恐れが高く火気に対する安全性に問題がある。しかし、本発明のパウダー含有定量噴射型エアゾール製品は、噴射剤として冷却力の強いジメチルエーテルを含有するので、前記噴射形態のエアゾール製品であり、噴射量が少ないにもかかわらず、噴射対象に適度な冷却感を付与することができる。また、ジメチルエーテルは強い圧力を有するため、前記噴射形態であっても逆火現象を防止することもできる。さらに、1回の噴射操作で噴射される量を抑制し、かつ、パウダーの付着量(率)が多くなるため、1回の使用量が少なくなり、従来品と同じ使用回数で設計すると従来品よりも内容量を少なくすることができる。その結果、容器サイズを小さくして製品1本あたりの原料および材料の使用量を少なくでき、原料段階、製造段階、消費段階、廃棄段階といった製品ライフサイクル全体において、省資源のほか、省エネルギー、二酸化炭素排出量の軽減等により環境への負荷を小さくすることができる。
【0062】
本発明のパウダー含有定量噴射型エアゾール製品は、噴射範囲が広いにもかかわらず、パウダーの付着性に優れ、適度な冷却感の付与が可能であり、さらに噴射物が引火した場合も逆火現象が起こりにくく火気に対する安全性にも優れているため、制汗剤、収斂剤、コロン、やけど治療薬、消炎鎮痛剤、鎮痒剤、皮膚保護剤、抗真菌剤、ほてり止め、冷却剤など、皮膚を噴射対象とする人体用エアゾール製品として好適に用いることができる。
【実施例】
【0063】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0064】
実施例1
表1に示す処方1を、
図1に示すアルミニウム製エアゾール容器本体および定量噴射式エアゾールバルブからなるエアゾール容器に充填し、噴射部材を取り付けて試験用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。なお、用いた噴射部材は直径0.5mmの噴射孔を3個有する。
【0065】
実施例2
表1に示す処方2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。
【0066】
実施例3
表1に示す処方3を、
図2に示すポリエチレンテレフタレート製エアゾール容器本体(容器内面にシリカを蒸着)および定量噴射式エアゾールバルブからなるエアゾール容器に充填し、噴射部材を取り付けて試験用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。なお、用いた噴射部材は直径0.5mmの噴射孔を3個有する。
【0067】
比較例1
直径が0.5mmの噴射孔を1個備えた噴射部材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。
【0068】
比較例2
定量噴射式エアゾールバルブの代わりに連続的に噴射する連続噴射式エアゾールバルブを用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。
【0069】
比較例3
定量噴射式エアゾールバルブの代わりに連続的に噴射する連続噴射式エアゾールバルブを用い、直径が0.5mmの噴射孔を1個備えた噴射部材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。
【0070】
比較例4
表1に示す処方4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。
【0071】
比較例5
表1に示す処方4を用い、直径が0.5mmの噴射孔を1個備えた噴射部材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。
【0072】
比較例6
表1に示す処方4を用い、定量噴射式エアゾールバルブの代わりに連続噴射式エアゾールバルブを用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。
【0073】
比較例7
表1に示す処方4を用い、定量噴射式エアゾールバルブの代わりに連続的に噴射する連続噴射式エアゾールバルブを用い、直径が0.5mmの噴射孔を1個備えた噴射部材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。
【0074】
比較例8
表1に示す処方5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。
【0075】
比較例9
表1に示す処方5を用い、直径が0.5mmの噴射孔を1個備えた噴射部材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。
【0076】
比較例10
表1に示す処方5を用い、定量噴射式エアゾールバルブの代わりに連続噴射式エアゾールバルブを用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。
【0077】
比較例11
表1に示す処方5を用い、定量噴射式エアゾールバルブの代わりに連続的に噴射する連続噴射式エアゾールバルブを用い、直径が0.5mmの噴射孔を1個備えた噴射部材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。
【0078】
比較例12
定量噴射式エアゾールバルブの代わりに連続噴射式エアゾールバルブを用いたこと以外は、実施例3と同様にして試験用エアゾール製品(制汗剤)を製造した。
【0079】
【表1】
*1:アルミニウムヒドロキシクロライド(商品名)、株式会社マツモト交商製
*2:クラウンタルクJS(商品名)、松村産業株式会社製
*3:Micro Zinc Oxide MZ-500HP(商品名)、テイカ株式会社製
*4:NIKKOL TS-10V(商品名)、日光ケミカルズ株式会社製
*5:クロピュアOL(商品名)、クローダジャパン株式会社製
*6:クロピュア ホホバ-LQ(商品名)、クローダジャパン株式会社製
*7:1,3−ブチレングリコール(UK)(商品名)、ダイセル化学工業株式会社製
*8:バイオマス由来のバイオエタノール
*9:バイオマス由来のバイオジメチルエーテル
*10:20℃での蒸気圧が0.15MPa、ノルマルブタンとイソブタンの混合物
*11:20℃での蒸気圧が0.40MPa、ノルマルブタン、イソブタンおよびプロパンの混合物
【0080】
上記の各試験用エアゾール製品を25℃の恒温水槽中に30分間浸漬し、下記の評価項目について評価した。評価結果を表2および表3に示す。表2および表3には各実施例および比較例において用いた処方、噴射孔の数、エアゾールバルブが定量噴射式(定量)か連続噴射式(連続)かを示す。なお、パウダーの付着量を合せるために、定量噴射式の場合は1回噴射とし、連続噴射式の場合は1秒間噴射し評価を行なった。
【0081】
1.噴射状態
噴射孔から10cm離れた位置にある腕に向けて噴射し、噴射状態を観察し、次の基準で評価した。
○:跳ね返りや飛散が少なく、むせなかった。
×:跳ね返りや飛散が多く、吸引してむせた。
【0082】
2.付着性
噴射孔から10cm離れた位置にある腕に向けて噴射し、噴射箇所のパウダーの付着状態を観察し、次の基準で評価した。
○:ほぼ均一な濃度で付着した。
×:噴射の中心に集中して付着した。
【0083】
3.冷却効果
噴射孔から10cm離れた位置にある腕に向けて噴射し、噴射箇所の中心部の温度変化および当該中心部周辺の熱分布図をサーモメーター(CPA−0306、株式会社チノー製)を用いて測定した。そして、噴射から1秒後の中心部の低下温度(噴射前の温度と1秒後の温度との差)および熱分布図について次の基準で評価した。噴射から1秒後の中心部の低下温度も表2および表3に示す。
○:噴射物が付着した箇所全体が均一に冷却され、噴射箇所の中心部の温度が10〜25℃低下し、好ましい冷却感が得られた。
△:冷却効果が低く、噴射箇所の温度が10℃未満しか低下せず、充分な冷却感が感じられなかった。
×:噴射箇所の中心部のみが集中して冷却され、噴射箇所の中心部の温度が26℃以上低下し、痛みを感じた。
【0084】
4.火炎長
噴射孔から15cm離れた位置にある高さ5cmの炎に向けて噴射したときの火炎の伸びおよび逆火長を測定し、次の基準で評価した。測定された火炎の伸び(前方炎)および逆火長も表2および表3に示す。
○ :火炎の伸びは45cm未満、逆火は無かった。
×1:火炎の伸びが45cm以上であった。
×2:逆火が5cm以上であった。
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】
処方例1 制汗剤
下記のエアゾール組成物100gをアルミニウム製のエアゾール容器に充填し、定量噴射式のエアゾールバルブを取り付け、噴射孔を3つ備えた噴射部材をエアゾールバルブに取り付けエアゾール製品を製造した。
【0088】
<エアゾール組成物>
クロロヒドロキシアルミニウム(*1) 5.0
ケイ酸マグネシウム 3.5
ミョウバン 1.0
サポニン(*12) 0.5
オリーブ油(*5) 1.0
ホホバ油(*6) 1.0
ハッカ油(*13) 0.5
ジメチルエーテル(*9) 87.5
合計(質量部) 100.0
*12:サポニンAZ-B(商品名)、株式会社J-オイルミルズ製
*13:ハッカ油(商品名)、小林桂株式会社製
【0089】
処方例2 やけど治療薬
下記のエアゾール組成物100gをアルミニウム製のエアゾール容器に充填し、定量噴射式のエアゾールバルブを取り付け、噴射孔を2つ備えた噴射部材をエアゾールバルブに取り付けエアゾール製品を製造した。
【0090】
<エアゾール組成物>
タルク(*2) 2.0
塩酸リドカイン 0.5
酸化亜鉛(*3) 1.5
レシチン(*14) 0.5
ユーカリエキス 0.5
エタノール(*8) 10.0
水 5.0
ジメチルエーテル(*9) 80.0
合計(質量部) 100.0
*14:ベイシスLP-20(商品名)、日清オイリオグループ株式会社製
【0091】
処方例3 水虫薬
下記のエアゾール組成物40gを内面に炭素を蒸着したポリエチレンテレフタレート製のエアゾール容器に充填し、定量噴射式のエアゾールバルブを取り付け、噴射孔を3つ備えた噴射部材をエアゾールバルブに取り付けエアゾール製品を製造した。
【0092】
<エアゾール組成物>
タルク(*2) 2.0
コーンスターチ(*15) 2.0
塩酸ブテナフィン 1.0
ハッカ油(*13) 0.5
サポニン(*12) 0.5
エタノール(*8) 10.0
ジメチルエーテル(*9) 84.0
合計(質量部) 100.0
*15:コーンスターチ(商品名)日本食品化工株式会社製
【0093】
処方例4 忌避剤
下記のエアゾール組成物100gをアルミニウム製のエアゾール容器に充填し、定量噴射式のエアゾールバルブを取り付け、噴射孔を4つ備えた噴射部材をエアゾールバルブに取り付けエアゾール製品を製造した。
【0094】
<エアゾール組成物>
シリカ(*16) 3.0
ハーブエキス 1.0
l−メントール 0.2
モノオレイン酸デカグリセリル(*17) 0.3
エタノール(*8) 32.0
香料 0.1
ジメチルエーテル(*9) 63.4
合計(質量部) 100.0
*16:サイリシア740LS(商品名)富士シリシア化学株式会社製
*17:Decaglyn 1-OV(商品名)日光ケミカルズ株式会社製
【0095】
処方例5 冷却剤
下記のエアゾール組成物100gをアルミニウム製のエアゾール容器に充填し、定量噴射式のエアゾールバルブを取り付け、噴射孔を3つ備えた噴射部材をエアゾールバルブに取り付けエアゾール製品を製造した。
【0096】
<エアゾール組成物>
タルク(*2) 7.0
l−メントール 0.8
ハッカ油(*13) 0.5
セスキオレイン酸ソルビタン(*18) 0.5
エタノール(*8) 10.0
ジメチルエーテル(*9) 81.2
合計(質量部) 100.0
*18:NIKKOL SO-15V(商品名)日光ケミカルズ株式会社製
【0097】
処方例6 冷却剤
下記のエアゾール組成物100gをアルミニウム製のエアゾール容器に充填し、定量噴射式のエアゾールバルブを取り付け、噴射孔を3つ備えた噴射部材をエアゾールバルブに取り付けエアゾール製品を製造した。
【0098】
<エアゾール組成物>
コーンスターチ(*15) 5.0
サポニン(*12) 0.5
オリーブ油(*5) 1.0
ハッカ油(*13) 0.5
ジメチルエーテル(*9) 93.0
合計(質量部) 100.0
【0099】
得られた処方例1〜6のエアゾール製品について、実施例および比較例と同様に上記の評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0100】
【表4】