特許第6381936号(P6381936)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6381936脛骨補強部材を有する整形外科用脛骨プロテーゼ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6381936
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】脛骨補強部材を有する整形外科用脛骨プロテーゼ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/38 20060101AFI20180820BHJP
【FI】
   A61F2/38
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-50093(P2014-50093)
(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2014-176686(P2014-176686A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2017年2月1日
(31)【優先権主張番号】13/828,937
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エイ・クック
(72)【発明者】
【氏名】ステファニー・エム・ワインスコット
(72)【発明者】
【氏名】タイラー・エス・ハサウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ジー・ウィース
【審査官】 松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0310361(US,A1)
【文献】 特表2010−515532(JP,A)
【文献】 特開平05−200051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/28−2/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植え込み可能なプロテーゼ脛骨トレイに固定されるように構成された脛骨補強部材であって、
前記脛骨補強部材が前記植え込み可能なプロテーゼ脛骨トレイに固定される際に前記植え込み可能なプロテーゼ脛骨トレイの下面と当接する上側近位面と、
前記上側近位面の反対側の下側遠位面と、
前記上側近位面から前記下側遠位面まで延びる外側側面であって、前記外側側面の最前点から前記外側側面の最後点まで延びる側面部分を有する外側側面と、を有し、前記側面部分が、(i)前記外側側面の前記最前点において前記上側近位面に対する第1の内角と、(ii)前記外側側面の前記最後点において、前記上側近位面に対する、前記第1の内角と異なる第2の内角と、を画定し、
更に、前記上側近位面から前記下側遠位面まで延びる内側側面と、前記脛骨補強部材の前記上側近位面から前記下側遠位面まで、かつ、前記外側側面から前記内側側面まで延び、前記脛骨補強部材の前端に位置する内側終端面と、を更に有し、
前記内側終端面における前記外側側面および前記内側側面間の距離である前記内側終端面の幅は、前記脛骨補強部材の前記下側遠位面における前記内側終端面以外の部分の前記外側側面および前記内側側面間の最短距離に対して小さくなっており、前記内側終端面の幅は、一定であり、少なくとも3mmであり、前記内側終端面に垂直な視線方向で見た際の前記内側終端面の形状は長方形である、脛骨補強部材。
【請求項2】
前記第2の内角が、前記第1の内角よりも小さい、請求項1に記載の脛骨補強部材。
【請求項3】
前記第2の内角が鋭角である、請求項1に記載の脛骨補強部材。
【請求項4】
前記第1の内角が直角である、請求項1に記載の脛骨補強部材。
【請求項5】
前記側面部分が、前記外側側面の前記最前点において前記上側近位面に対して直角を、かつ、前記外側側面の前記最後点において前記上側近位面に対して鋭角の内角を画定する、請求項1に記載の脛骨補強部材。
【請求項6】
前記側面部分が、前記外側側面の前記最前点において前記下側遠位面に対して、前記第1の内角にほぼ等しい第3の内角を画定する、請求項1に記載の脛骨補強部材。
【請求項7】
前記側面部分が、前記外側側面の前記最後点において前記下側遠位面に対して、鈍角である第3の内角を画定する、請求項1に記載の脛骨補強部材。
【請求項8】
前記側面部分が、前記側面部分が前記外側側面の前記最前点から前記外側側面の前記最後点へと延びるにしたがって、前記上側近位面に対して一定でない角度を有する、請求項1に記載の脛骨補強部材。
【請求項9】
前記側面部分が、前記外側側面の前記最前点と前記最後点との間の中間点において前記上側近位面に対して、鋭角である第3の内角を画定する、請求項1に記載の脛骨補強部材。
【請求項10】
前記第3の内角が、前記第1の内角及び前記第2の内角のそれぞれと異なる、請求項9に記載の脛骨補強部材。
【請求項11】
前記上側近位面が、前記下側遠位面の表面積よりも大きい表面積を有する、請求項1に記載の脛骨補強部材。
【請求項12】
前記脛骨補強部材を貫通して延び、前記上側近位面に画定された第1の開口部と前記下側遠位面に画定された第2の開口部とを有する取り付け穴を画定する内表面を更に有する、請求項1に記載の脛骨補強部材。
【請求項13】
前記下側遠位面が、前記脛骨補強部材が前記脛骨トレイに固定される際に前記脛骨トレイのブラケットを受容するように前記下側遠位面に画定された凹部を含む、請求項1に記載の脛骨補強部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には植え込み可能な整形外科的プロテーゼ、より具体的には、植え込み可能な膝プロテーゼに関する。
【背景技術】
【0002】
患者の一生の間において、例えば疾患又は外傷の結果として患者に関節置換手術を行う必要が生じ得る。関節置換手術ではプロテーゼが使用される場合があり、これを患者の骨の1つ以上に植え込む。一般的な膝プロテーゼは、脛骨コンポーネント、大腿骨コンポーネント、及び脛骨コンポーネントと大腿骨コンポーネントとの間に配置されるインサート又はベアリングコンポーネントを含んでいる。膝置換手術の場合、脛骨トレイが患者の脛骨内に植え込まれる。ベアリングが脛骨トレイに固定される。置換大腿骨コンポーネントの顆表面が、脛骨ベアリングを支える。
【0003】
一般的な脛骨トレイは、遠位方向に延びるステムポストを有するプラットフォーム又はプレートを有している。脛骨トレイのステムポストは、患者の脛骨の外科的準備処置が施された髄管内に受容されるように構成されており、ステムコンポーネント又はブローチが取り付けられる場合もある。骨損失又は劣化の量に応じて、脛骨補強部材を脛骨トレイとともに使用して脛骨トレイの全体の体積を増して特定の領域における骨の損失を補償することができる。更に、このような脛骨補強部材は、患者の脛骨に脛骨トレイを固定するために必要とされる骨セメント又は他の接着剤の量を減らすことにより、患者の脛骨に対する脛骨トレイの固定性を向上させることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様に基づけば、植え込み可能なプロテーゼ脛骨トレイに固定されるように構成された脛骨補強部材は、脛骨補強部材が脛骨トレイに固定される際に脛骨トレイの下面に当接する上側近位面を有してよい。脛骨補強部材は、上側近位面の反対側に下側遠位面を更に有してよい。脛骨補強部材は、上側近位面から下側遠位面まで延びる外側側面を更に有してよい。外側側面は、外側側面の最前点から外側側面の最後点まで延びる側面部分を含み得る。側面部分は、外側側面の最前点において上側近位面に対する第1の内角と、外側側面の最後点において、上側近位面に対する、第1の内角と異なる、第2の内角とを画定することができる。
【0005】
特定の実施形態では、第2の内角は第1の内角よりも小さい。更に、特定の実施形態では、第2の内角は鋭角であってよい。更に、特定の実施形態では、第1の内角は直角であってよい。
【0006】
特定の実施形態では、側面部分は、外側側面の最前点において上側近位面に対して直角を、かつ、外側側面の最後点において上側近位面に対して鋭角の内角を、画定し得る。
【0007】
特定の実施形態では、側面部分は、外側側面の最前点において下側遠位面に対して、第1の内角にほぼ等しい第3の内角を画定し得る。
【0008】
特定の実施形態では、側面部分は、外側側面の最後点において下側遠位面に対して、鈍角である第3の内角を画定し得る。
【0009】
更に、特定の実施形態では、側面部分は、側面部分が外側側面の最前点から外側側面の最後点へと延びるにしたがって、上側近位面に対して一定でない角度を有し得る。
【0010】
特定の実施形態では、側面部分は、外側側面の最前点と最後点との間の中間点において上側近位面に対して、鋭角である第3の内角を画定し得る。
【0011】
第3の内角は、第1の内角及び第2の内角のそれぞれと異なり得る。更に、特定の実施形態では、上側近位面は、下側遠位面の表面積よりも大幅に大きい表面積を有し得る。
【0012】
更に、特定の実施形態では、脛骨補強部材は、脛骨補強部材の上側近位面から下側遠位面まで、かつ、外側側面から内側側面まで延びる内側終端面を有してよく、内側終端面は一定の幅を有してよい。内側終端面の幅は、少なくとも3mmであってよい。
【0013】
特定の実施形態では、脛骨補強部材は、脛骨補強部材を貫通して延び、上側近位面に画定された第1の開口部と下側遠位面に画定された第2の開口部とを有する取り付け穴を画定する内表面を有し得る。更に、特定の実施形態では、脛骨補強部材が脛骨トレイに固定される際に脛骨トレイのブラケットを受容するように下側遠位面に画定された凹部を含む。
【0014】
別の態様に基づけば、植え込み可能な整形外科用膝プロテーゼは、脛骨トレイと、プラットフォームの下面の内側に固定された内側脛骨補強部材と、プラットフォームの下面の外側に固定された外側脛骨補強部材と、を有し得る。脛骨トレイは、プラットフォームと、プラットフォームの下面から下方に延びるステムとを有してよく、プラットフォームは、下面と反対側に脛骨ベアリングを受容するように上面を有する。内側脛骨補強部材は、プラットフォームの下面と当接する第1の上面と、第1の上面の反対側の第1の下面と、第1の上面から第1の下面まで延びる第1の外側側面と、第1の上面から第1の下面まで延びる第1の内側側面と、脛骨補強部材の第1の上面から第1の下面まで、かつ、第1の外側側面から第1の内側側面まで延びる第1の内側終端面と、を有し得る。第1の内側終端面は、一定の幅を有し得る。外側脛骨補強部材は、プラットフォームの下面と当接する第2の上面と、第2の上面の反対側の第2の下面と、第2の上面から第2の下面まで延びる第2の外側側面と、第2の上面から第2の下面まで延びる第2の内側側面と、脛骨補強部材の第2の上面から第2の下面まで、かつ、第2の外側側面から第2の内側側面まで延びる第2の内側終端面と、を有し得る。第2の内側終端面は、一定の幅を有し得る。更に、第1の内側終端面と第2の内側終端面とは、プラットフォームの前側に向かって互いに対向してよく、かつ、互いから離間していてよい。
【0015】
特定の実施形態では、第1の内側終端面と第2の内側終端面とは、少なくとも2mm離間している。例えば、特定の実施形態では、第1の内側終端面と第2の内側終端面とは、少なくとも5mm離間している。
【0016】
更に、特定の実施形態では、内側脛骨補強部材の第1の上面は、内側脛骨補強部材の第1の下面の表面積よりも大きい表面積を有してよく、外側脛骨補強部材の第2の上面は、外側脛骨補強部材の第2の下面の表面積よりも大きい表面積を有してよい。
【0017】
別の態様に基づけば、植え込み可能なプロテーゼ脛骨トレイに固定されるように構成された脛骨補強部材は、脛骨補強部材が脛骨トレイプロテーゼに固定される際に脛骨トレイの下面と当接する上側近位面と、上側近位面の反対側の下側遠位面と、脛骨補強部材を貫通して延び、上側近位面に画定された第1の開口部と下側遠位面に画定された第2の開口部とを有する取り付け穴を画定する内表面と、を有してよい。上側近位面は、下側遠位面の表面積よりも大幅に大きい表面積を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
発明を実施するための形態においては特に以下の図面を参照する。
図1】脛骨トレイ及び1対の脛骨補強部材を含む脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリの斜視図である。
図2図1の脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリの脛骨トレイの底面図である。
図3】脛骨補強部材が脛骨トレイに固定された図1の脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリの正面図である。
図4図1の脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリの脛骨補強部材の平面図である。
図5図4の脛骨補強部材の底面図である。
図6図4の脛骨補強部材の前面図である。
図7図4の脛骨補強部材の後面図である。
図8図4の脛骨補強部材の外部側面図である。
図9図4の脛骨補強部材の内部側面図である。
図10】基準矢印の方向で見た、図4の10−10線に沿った断面図である。
図11】基準矢印の方向で見た、図4の11−11線に沿った断面図である。
図12】基準矢印の方向で見た、図4の12−12線に沿った断面図である。
図13図1の脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリの別の実施形態の斜視図である。
図14図13の脛骨補強部材の正面図である。
図15】脛骨補強部材の内側終端面間の間隔が異なる、異なるサイズの脛骨補強部材を示した図3の脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリの底面図である。
図16】脛骨補強部材の内側終端面間の間隔が異なる、異なるサイズの脛骨補強部材を示した図3の脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリの底面図である。
図17】脛骨補強部材の内側終端面間の間隔が異なる、異なるサイズの脛骨補強部材を示した図3の脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の概念には様々な改変及び代替的形態が考えられるが、その特定の代表的な実施形態を図面に例として示し、本明細書において詳細に述べる。ただし、本開示の概念を、開示される特定の形態に限定することは意図するところではなく、その逆に、本発明の趣旨並びに範囲に包含されるすべての改変物、均等物、及び代替物を網羅することが意図するところである点は理解されるべきである。
【0020】
解剖学的基準を表す前側、後側、内側、外側、上側、下側などの用語が、本開示の全体を通じて、本明細書に述べられる整形外科用インプラント及び患者の天然の解剖学的構造の両方に関して使用され得る。これらの用語は、解剖学的構造の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても広く理解された意味を有するものである。本明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的基準用語の使用は、特に断らない限り、それらの広く理解された意味に一致するものとする。
【0021】
ここで図1を参照すると、例示的な脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリ100は、脛骨トレイ102及び1つ以上の脛骨補強部材104を有している。例えば、例示的な実施形態では、脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリ100は、外側脛骨補強部材106及び内側脛骨補強部材108を有している。脛骨補強部材104の上記の「外側」及び「内側」という呼び名は、図1の脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリ100が患者の右膝に植え込まれるか又は右膝への植え込み用に構成されているものと仮定している。言うまでもなく、脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリ100が患者の左膝に植え込まれる場合には、この呼び名は逆となる。このように、脛骨補強部材104は以下で「外側」及び/又は「内側」脛骨補強部材として参照する場合があるが、このような呼び名は、行われる特定の整形外科手術に応じて切り換えられ得ることは認識されるべきである。
【0022】
脛骨トレイ102は、患者の近位脛骨(図に示されていない)の外科的準備処置が施された端部内に植え込まれるように構成されている。脛骨トレイ102は、上面112及び下面114を有するプラットフォーム110を有している。下面114は、外側130及び内側132を有している。この場合もやはり、脛骨トレイ102の「外側」及び「内側」という呼び名は、図1の脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリ100が患者の右膝に植え込まれるか又は右膝への植え込み用に構成されているものと仮定している。しかしながら、このような呼び名は、行われる特定の整形外科手術に応じて切り換えられ得る(例えば脛骨トレイ102が患者の左膝に植え込まれる場合)。
【0023】
脛骨トレイ102は、プラットフォーム110の下面114から下方に延びる長尺状ステムポスト116、及び、プラットフォーム110の下面114と、ステムポスト116とに固定された1対の支持ブラケット118を更に有している。支持ブラケット118は、プラットフォーム110のステムポスト116を固く固定して支持する機能を有する。例示的な脛骨トレイ102は2個の支持ブラケット118を有しているが、他の実施形態では脛骨トレイ102は更なる支持ブラケットを有してもよい。更に、例示的な実施形態では、プラットフォーム110、ステムポスト116、及び支持ブラケット118は互いに一体形成されてモノリシック構造を形成している。しかしながら他の実施形態では、ステムポスト116及び/又は支持ブラケット118はプラットフォーム110と別体とし、プラットフォーム110に固定することもできる。
【0024】
使用時には、脛骨ベアリング(図に示されていない)を、脛骨トレイ102のプラットフォーム110の上面112に連結することができる。脛骨ベアリングは、患者の大腿骨の天然の、又は外科的準備処置が施された遠位端(図に示されていない)と関節する。
【0025】
脛骨補強部材104のそれぞれは、上側近位面120、下側遠位面122、内側側面123、及び外側側面124を有している。上側近位面120は、脛骨補強部材104が脛骨トレイ102に固定される際に脛骨トレイ102の下面114と当接するように構成されている。より詳細には、外側脛骨補強部材106の上側近位面120は下面114の外側130と当接するように構成され、内側脛骨補強部材108の上側近位面120は下面114の内側132と当接するように構成されている。本明細書に述べられる例示的な実施形態では、各脛骨補強部材104の下側遠位面122は、上側近位面120と平行である。
【0026】
脛骨補強部材104のそれぞれには、1つ以上のねじ付き取り付け穴126が貫通して画定されている。各取り付け穴126は、対応する脛骨補強部材104を貫通して延び、対応する脛骨補強部材104の上側近位面120及び下側遠位面122に画定された開口部を有している。実例として、各取り付け穴126はねじが付けられており、ねじなどの対応する固定装置128を受容するように構成されている。例示的な実施形態では、各脛骨補強部材104は、各脛骨補強部材104に2個のねじ付き穴126を有している。しかしながら、他の実施形態では、各脛骨補強部材104は、これよりも多いか又はこれよりも少ない取り付け穴126を有し得る。更に、他の実施形態では、取り付け穴126はねじが付けられていなくともよい。
【0027】
図1及び2に示され、下記に更に詳細に述べるように、脛骨補強部材104は、脛骨補強部材104のねじ付き取り付け穴126を通じ、脛骨トレイ102の対応するねじ付き孔200内に固定装置128を挿入して締結することにより脛骨トレイ102に取り付けることができる。他の実施形態では、脛骨補強部材104は、他の、又は更なる構造及び/又は機構により脛骨トレイ102に固定することができる。
【0028】
1つ以上の脛骨補強部材104の使用により、患者の脛骨に対する脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリ100の固定性を高めることができる点は認識されるはずである。例えば、特定の膝置換手術においては、患者の脛骨の骨解剖学的構造が顕著に劣化していることが明らかとなる場合がある。このような劣化の結果、患者の脛骨に対するプロテーゼの取り付けは、このような骨損失のために困難となる場合があり、骨内部形成及びプロテーゼへの固定が望み通りに起きない可能性がある。脛骨補強部材104は、脛骨トレイ102のサイズを増大させてこうした骨損失を補償することによって、このような困難を軽減する助けとなる。更に、補強された脛骨トレイ102は、患者の骨解剖学的構造のより大きな体積を充填することから、こうした骨損失によって生じる隙間を埋めるために特定の整形外科手術で必要とされる骨セメントを少なくすることができる。
【0029】
脛骨トレイ102及び脛骨補強部材104は、インプラント等級の生体適合性金属で形成することができるが他の材料を使用することもできる。こうした金属の例としては、コバルトクロム合金などのコバルト合金を含むコバルト、Ti6Al4V合金などのチタン合金を含むチタン、及びステンレス鋼などが挙げられる。脛骨トレイ102及び脛骨補強部材104は、ポリマー材料で構成することもできる。こうした高分子材料の1つに、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリエチレンがある。更に、脛骨トレイ102及び脛骨補強部材104は、生体適合性を向上させるためにヒドロキシアパタイトのような表面処理でコーティングすることができる。更に、天然骨と係合する脛骨トレイ102及び脛骨補強部材104の表面は、患者の骨に対するこれらの表面の固定を促すために非平滑化加工することができる。こうした表面は、多孔質コーティングすることによって永久固定のために骨内部形成を促進することもできる。
【0030】
図2に示されるように、脛骨トレイ102のプラットフォーム110の下面114は、複数のねじ付き盲孔200を有している。ねじ付き盲孔200は、上記に述べたように脛骨補強部材104を脛骨トレイ102に取り付けるために使用される固定装置128を受容するように構成されている。本明細書に述べられる例示的な実施形態では、下面114はセメントポケット202を更に有しており、セメントポケット202をセメントで充填されることによって脛骨補強部材104を脛骨トレイ102の下面114に更に固定することができる。他の実施形態では、下面114は、脛骨補強部材104を脛骨トレイ102と接着するのに適した接着剤などの他の接着物質で充填することができる他の様々な種類の空洞又はポケットを有し得る。1対の脛骨補強部材104が固定された整形外科用プロテーゼアセンブリ100が図3に示されている。
【0031】
次に図4及び5を参照すると、本明細書に述べられる例示的な実施形態の各脛骨補強部材104は、その上側近位面120に画定された凹部400を更に有している。図5に示されるように、凹部400は脛骨補強部材104を通じて延び、脛骨補強部材104の下面122に画定された開口部を有し得る。凹部400は、図12に断面でも示されているが、脛骨トレイ102のブラケット118の対応する1つを、対応する脛骨補強部材104の上側近位面120が脛骨トレイ102のプラットフォーム110の下面114とほぼ面一となるように受容するようなサイズ及び形状となっている。
【0032】
更に、図5に示されているように、各脛骨補強部材104の下側遠位面122は、セメントポケット500を有している。使用時には、セメントポケット500は、患者の脛骨に対する脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリ100の固定を助けるためにセメントで充填することができる。無論、他の実施形態では、脛骨補強部材104の下側遠位面122は、脛骨補強部材104を患者の脛骨と接着するのに適した接着剤などの他の接着物質で充填することができる他の様々な種類の空洞又はポケットを有してもよい。
【0033】
上記に述べたように、各脛骨補強部材は外側側面124を有している。図4に示されるように、外側側面124は、外側側面124の最前点406から外側側面124の最後点408に延びる側面部分404を含んでいる。図6〜8に最も分かりやすく示されるように、側面部分404は、外側側面124に沿った各点において、脛骨補強部材104の上側近位面120に対する内角600を画定している。本明細書に述べられる例示的な実施形態では、内角600は、外側側面124に沿った異なる点で異なっている。例えば、図の実施形態では、外側側面124の最前点406において側面部分404と上側近位面120とによって画定される内角600(例えば図9及び10を参照)は、外側側面124の最後点408において側面部分404と上側近位面120とによって画定される内角600(例えば図6及び11を参照)よりも大きい。
【0034】
本明細書に述べられる例示的な実施形態では、外側側面124の最前点406では側面部分404と上側近位面120とよって90°の直角が画定されている。例示的な実施形態では、脛骨補強部材104の下側遠位面122は上側近位面120と平行であるため、外側側面124の最前点406では側面部分404と下側遠位面122ともやはり90°の直角をなしている。例えば本明細書に述べられる例示的な実施形態では、側面部分404は、外側側面124の最前点406において、脛骨補強部材の上側近位面120及び/又は下側遠位面122から直角に延びている(すなわち垂直となっている)。
【0035】
図6〜8、並びに図3、5、9及び15〜17に更に示されるように、側面部分404は、外側側面124の最前点406以外の領域において、90°よりも小さい角度を上側近位面120に対して画定しうる(鋭角をなす)。詳細には、図8及び9、並びに図5及び図15〜17に示されるように、側面部分404はその最後点408において、脛骨補強部材104の上側近位面120に対して鋭角を画定する。本明細書に述べられる例示的な一実施形態では、下側遠位面122は上側近位面120と平行であるため、側面部分404は、下側遠位面122と90°よりも大きい角度(鈍角)も画定している。
【0036】
上記に触れた図に示されるように、本明細書に述べられる例示的な実施形態では、最後点408と最前点406との間の外側側面124に沿った異なる点において、側面部分404と上側近位面120とは異なる鋭角をなしている。別の言い方をすれば、側面部分404は、側面部分404が外側側面124の最前点406から最後点408へと延びるにしたがって、上側近位面120に対して一定でない角度をなす。本明細書に述べられる例示的な実施形態では、側面部分404と上側近位面120とがなす内角600は、側面部分404が外側側面124の最前点406に近づく方向に延びるにしたがって徐々に90°に近づく。上記に述べたように、側面部分404と上側近位面120とは鋭角を画定しているため、上側近位面120の全表面積は下側遠位面122の全表面積よりも大きくなっている。無論、他の実施形態では、外側側面124は、外側側面124に沿った1つ以上の点において上側近位面120と鈍角を画定してもよい。
【0037】
再び図4及び5を参照すると、各脛骨補強部材104は、内側終端面402を更に有している。内側終端面402は脛骨補強部材104の前端に位置し、脛骨補強部材の上側近位面120から下側遠位面122まで、また、外側側面124から内側側面123まで延びている。本明細書に述べられる例示的な実施形態では、内側終端面402は、近位端から遠位端にまで延びるにしたがって一定の幅を有する(図10を参照)。本明細書に述べられる例示的な実施形態では、内側終端面402は少なくとも3mmの幅を有しているが、他の実施形態では、例えば、脛骨補強部材104の特定のサイズ及び/又は脛骨トレイ102のサイズに応じてより狭い内側終端面402の幅としてもよい。
【0038】
図3及び15〜17に示されるように、両方の脛骨補強部材104が脛骨トレイ102に固定されると、脛骨補強部材104の対向する内側終端面402の間に隙間1500が形成される。隙間1500の幅は、下記に更に説明するように、各実施形態間で異なり得る。
【0039】
内側終端面402の幅は、脛骨補強部材104の他の部分の幅(すなわち、内側側面123と外側側面124との間の距離)に対して狭くなっている点は認識されるはずである。外側側面124がその最前点406において上側近位面124に対して鋭角をなすように角度付けされていたとすれば、最前点406の近くの下側遠位面122の幅、及び内側終端面402の遠位部分の幅は更に狭くなっていたであろう。この領域がより狭くなるほど、脛骨補強部材のこのような狭い形成部分が外科手術のリスクとなる可能性が増大する点は認識されるはずである。例えば、このような狭い領域は、植え込み領域の軟組織を損傷するに充分に鋭利になり得るものであり、又は植え込み時若しくは手術後に折れてしまう可能性がある。これに対して、側面部分404が最前点406において外側側面124の上側近位面120及び下側遠位面122とほぼ直角をなし、内側終端面402が少なくとも3mmの一定の幅を有する、本明細書に述べられる例示的な実施形態によれば、過剰に狭い前面によって生じるこうした問題が防止され、製造がより容易となり得る。
【0040】
次に図13及び14を参照すると、脛骨補強部材104の代替的な一実施形態が示されている。図13及び14に示される実施形態では、上記に述べた例示的な実施形態と比較して、脛骨補強部材104は、その上側近位面120からその下側遠位面122までが大幅に薄くなっている。脛骨補強部材104が比較的薄い図13及び14に示されるような実施形態では、外側側面124の長さ全体にわたって側面部分404が上側近位面120に対して直角をなしてよい。したがって、図13及び14は、上側近位面120及び下側遠位面122の両方から直角に延びる外側側面124の全体を示している。
【0041】
次に図15〜17を参照すると、異なるサイズの脛骨補強部材104を有する脛骨整形外科用プロテーゼアセンブリ100が示されている。ある外科手術で使用される脛骨補強部材104のサイズは、患者の脛骨の骨解剖学的構造及び/又は整形外科手術で使用される脛骨トレイ102のサイズによって決めることができる。脛骨補強部材104は、多くの異なるサイズの脛骨の骨解剖学的構造を有する患者での使用に適合させることを目的としたものである点は認識されるべきである。そのため、脛骨補強部材104には様々なサイズのものがある。同様に、脛骨トレイ102は、ある患者の解剖学的構造の必要性に適合するような様々なサイズで提供することができる。
【0042】
図15〜17はまた、脛骨トレイ102に固定された際の脛骨補強部材104の内側終端面402間の隙間1500の幅の異なる例を示している。特定の実施形態では、図17に示されるように、望ましい厚さの内側終端面402を維持するためには内側終端面402間により大きな隙間1500を残すことが好ましい。例えば、脛骨補強部材104のサイズに応じて、対向する内側終端面402間に少なくとも2mmの隙間を維持することができる。また、異なるサイズの脛骨補強部材104を使用する他の実施形態では、対向する内側終端面402間に少なくとも5mmの隙間を維持することができる。隙間1500を特定の幅に維持することで、内側終端面402の幅が狭くなりすぎることがなくなる。上記に述べたように、過剰に狭い内側終端面402は、脛骨補強部材104が折れたり、患者の脛骨に対する固定性が低下したり、かつ/又は製造上の困難を生じたりするリスクを高める恐れがある。例えば、図17に示される脛骨補強部材104の前部が、更に内側に延びていたとすれば、内側終端面402並びに内側終端面402の近くの上側近位面120及び下側遠位面122は過剰に狭くなっていたであろう。
【0043】
本明細書に述べられる代表的な実施形態では、内側終端面402の厚さは少なくとも3mmである。しかしながら、特定の実施形態では、より狭い終端面402を有する脛骨補強部材104の使用も考えられる。脛骨補強部材104の前部の幅に関する問題以外に、隙間1500の変化は、患者の特定の解剖学的構造に適合させるうえでも適当であり得る。
【0044】
以上、図面及び上記の説明文において本開示内容を詳細に図示、説明したが、こうした図示、説明はその性質上、例示的なものとみなすべきであって、限定的なものとみなすべきではなく、あくまで例示的実施形態を示し、説明したものに過ぎず、本開示の趣旨の範囲に含まれる変更及び改変はすべて保護されることが望ましい点は理解されるであろう。
【0045】
本開示には、ここに述べた装置、システム、及び方法の様々な特徴に基づく複数の利点がある。本開示の装置、システム、及び方法の代替的な実施形態は、本明細書に述べた特徴のすべてを含むわけではないが、こうした特徴の利点の少なくとも一部から利益を享受するものである点に留意されたい。当業者であれば、本発明の1つ以上の特徴を取り入れた、本開示の趣旨及び範囲に含まれる装置、システム、及び方法の独自の実現形態を容易に考案することが可能である。
【0046】
〔実施の態様〕
(1) 植え込み可能なプロテーゼ脛骨トレイに固定されるように構成された脛骨補強部材であって、
前記脛骨補強部材が前記脛骨トレイに固定される際に前記脛骨トレイの下面と当接する上側近位面と、
前記上側近位面の反対側の下側遠位面と、
前記上側近位面から前記下側遠位面まで延びる外側側面であって、前記外側側面の最前点から前記外側側面の最後点まで延びる側面部分を有する外側側面と、を有し、前記側面部分が、(i)前記外側側面の前記最前点において前記上側近位面に対する第1の内角と、(ii)前記外側側面の前記最後点において、前記上側近位面に対する、前記第1の内角と異なる第2の内角と、を画定する、脛骨補強部材。
(2) 前記第2の内角が、前記第1の内角よりも小さい、実施態様1に記載の脛骨補強部材。
(3) 前記第2の内角が鋭角である、実施態様1に記載の脛骨補強部材。
(4) 前記第1の内角が直角である、実施態様1に記載の脛骨補強部材。
(5) 前記側面部分が、前記外側側面の前記最前点において前記上側近位面に対して直角を、かつ、前記外側側面の前記最後点において前記上側近位面に対して鋭角の内角を画定する、実施態様1に記載の脛骨補強部材。
【0047】
(6) 前記側面部分が、前記外側側面の前記最前点において前記下側遠位面に対して、前記第1の内角にほぼ等しい第3の内角を画定する、実施態様1に記載の脛骨補強部材。
(7) 前記側面部分が、前記外側側面の前記最後点において前記下側遠位面に対して、鈍角である第3の内角を画定する、実施態様1に記載の脛骨補強部材。
(8) 前記側面部分が、前記側面部分が前記外側側面の前記最前点から前記外側側面の前記最後点へと延びるにしたがって、前記上側近位面に対して一定でない角度(non-constant angulation)を有する、実施態様1に記載の脛骨補強部材。
(9) 前記側面部分が、前記外側側面の前記最前点と前記最後点との間の中間点において前記上側近位面に対して、鋭角である第3の内角を画定する、実施態様1に記載の脛骨補強部材。
(10) 前記第3の内角が、前記第1の内角及び前記第2の内角のそれぞれと異なる、実施態様9に記載の脛骨補強部材。
【0048】
(11) 前記上側近位面が、前記下側遠位面の表面積よりも大幅に大きい表面積を有する、実施態様1に記載の脛骨補強部材。
(12) 前記脛骨補強部材の前記上側近位面から前記下側遠位面まで、かつ、前記外側側面から内側側面まで延びる、一定の幅を有する内側終端面を更に有する、実施態様1に記載の脛骨補強部材。
(13) 前記内側終端面の幅が少なくとも3mmである、実施態様12に記載の脛骨補強部材。
(14) 前記脛骨補強部材を貫通して延び、前記上側近位面に画定された第1の開口部と前記下側遠位面に画定された第2の開口部とを有する取り付け穴を画定する内表面を更に有する、実施態様1に記載の脛骨補強部材。
(15) 前記下側遠位面が、前記脛骨補強部材が前記脛骨トレイに固定される際に前記脛骨トレイのブラケットを受容するように前記下側遠位面に画定された凹部を含む、実施態様1に記載の脛骨補強部材。
【0049】
(16) 植え込み可能な整形外科用膝プロテーゼであって、
プラットフォームと、前記プラットフォームの下面から下方に延びるステムとを有し、前記プラットフォームが前記下面と反対側に脛骨ベアリングを受容するための上面を有する、脛骨トレイと、
前記プラットフォームの前記下面の内側に固定される内側脛骨補強部材であって、(i)前記プラットフォームの前記下面と当接する第1の上面と、(ii)前記第1の上面の反対側の第1の下面と、(iii)前記第1の上面から前記第1の下面まで延びる第1の外側側面と、(iv)前記第1の上面から前記第1の下面まで延びる第1の内側側面と、(v)前記脛骨補強部材の前記第1の上面から前記第1の下面まで、かつ、前記第1の外側側面から前記第1の内側側面まで延びる、一定の幅を有する第1の内側終端面と、を有する内側脛骨補強部材と、
前記プラットフォームの前記下面の外側に固定される外側脛骨補強部材であって、(i)前記プラットフォームの前記下面と当接する第2の上面と、(ii)前記第2の上面の反対側の第2の下面と、(iii)前記第2の上面から前記第2の下面まで延びる第2の外側側面と、(iv)前記第2の上面から前記第2の下面まで延びる第2の内側側面と、(v)前記脛骨補強部材の前記第2の上面から前記第2の下面まで、かつ、前記第2の外側側面から前記第2の内側側面まで延びる、一定の幅を有する第2の内側終端面と、を有する外側脛骨補強部材と、
を有し、前記第1の内側終端面と前記第2の内側終端面とが、前記プラットフォームの前側に向かって互いに対向し、かつ、互いから離間している、植え込み可能な整形外科用膝プロテーゼ。
(17) 前記第1の内側終端面と前記第2の内側終端面とが、少なくとも2mm離間している、実施態様16に記載の植え込み可能な整形外科用膝プロテーゼ。
(18) 前記第1の内側終端面と前記第2の内側終端面とが、少なくとも5mm離間している、実施態様17に記載の植え込み可能な整形外科用膝プロテーゼ。
(19) 前記内側脛骨補強部材の前記第1の上面が、前記内側脛骨補強部材の前記第1の下面の表面積よりも大きい表面積を有し、
前記外側脛骨補強部材の前記第2の上面が、前記外側脛骨補強部材の前記第2の下面の表面積よりも大きい表面積を有する、実施態様16に記載の植え込み可能な整形外科用膝プロテーゼ。
(20) 植え込み可能なプロテーゼ脛骨トレイに固定されるように構成された脛骨補強部材であって、
前記脛骨補強部材が前記脛骨トレイプロテーゼに固定される際に前記脛骨トレイの下面と当接する上側近位面と、
前記上側近位面の反対側の下側遠位面と、
前記脛骨補強部材を貫通して延び、前記上側近位面に画定された第1の開口部と前記下側遠位面に画定された第2の開口部とを有する取り付け穴を画定する内表面と、
を有し、前記上側近位面が、前記下側遠位面の表面積よりも大幅に大きい表面積を有する、脛骨補強部材。
図1
図2
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図8
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図10
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