(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
A.実施形態:
A−1.システム構成:
図1は、本発明の一実施形態としての経路案内システム10の概略構成を示す説明図である。詳細には後述するが、本実施形態の経路案内システム10は、例えば、「Xビルの方向に進んで下さい」、「Yタワーを右手に見ながら進んで下さい」といったような、目印(ランドマーク)を利用した経路案内を実現することができる。目印は、経路の最終目的地とは異なり、経路案内時に報知対象となる地物であり、経路案内の各時点で進むべき方向をユーザに認識させる際の目安となる。ただし、経路案内のある時点で、経路の最終目的地が目印となる場合もある。
【0015】
本実施形態の経路案内システム10は、経路案内を受けるユーザが保持する携帯端末装置としての携帯電話機200と、携帯電話機200に対して経路案内のための情報を提供するサーバ100とを含んでいる。なお、
図1に示す例では、経路案内システム10は、携帯電話機200を1台のみ含んでいるが、経路案内システム10が複数台の携帯電話機200を含んでいてもよい。また、経路案内システム10は、携帯電話機200に加えて、あるいは、携帯電話機200に代えて、ノート型パソコン、タブレット端末、携帯情報端末(PDA)、携帯音楽プレーヤ、携帯型ゲーム機、カーナビゲーションシステム、PND(ポータブルナビゲーションデバイス)などの様々な携帯端末装置を含んでいてもよい。
【0016】
携帯電話機200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、無線通信回路205と、操作部206と、通話制御部220と、制御部210とを含んでいる。制御部210は、図示しないCPUとRAMとROMとを含んでおり、CPUがROMに記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することにより、携帯電話機200の動作全般を制御する。
【0017】
GPSユニット201は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)を構成する人工衛星から送信された電波を受信する。制御部210は、GPSユニット201によって受信された電波に基づき、携帯電話機200の現在位置(緯度、経度等)を特定する。表示パネル202は、液晶ディスプレイとこれを駆動する駆動回路とを含んでいる。制御部210は、表示パネル202を制御することで、地図や現在位置、推奨経路等を表示パネル202に表示させる。表示パネル202としては、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなど、種々の表示デバイスを採用できる。
【0018】
無線通信回路205は、基地局BSとの間で無線によるデータ通信もしくは音声通信を行うための回路である。制御部210は、無線通信回路205を制御することにより、基地局BSを介して(より詳細には、送受信アンテナ、基地局BS、交換局を介して)、インターネットINT上の装置(サーバ100等)と通信する。通話制御部220は、音声通話のための着信や呼出、音声信号と電気信号の変換などを行う回路である。
【0019】
操作部206は、例えば、テンキー206aやカーソルキー206bから構成される入力デバイスである。ユーザは、操作部206を介して、経路探索に用いられる出発地や目的地に関する情報等の入力を行う。なお、操作部206として、テンキーやカーソルキーに限らず、タッチパネルといった種々の入力デバイスを採用可能である。
【0020】
サーバ100は、通信部102と、制御部120と、記憶装置110とを含んでいる。通信部102は、インターネットINTを介して、携帯電話機200との間で通信を行う。
【0021】
制御部120は、図示しないCPUとRAMとROMとを含んでおり、CPUがROMに記憶されたプログラムをRAMにロードして実行することにより、サーバ100の動作全般を制御する。また、制御部120は、CPUが所定のアプリケショーンプログラムを実行することにより、経路設定部122および経路案内部124として機能する。経路案内部124は、小領域特定部126と、目印特定部127と、方向特定部128とを含んでいる。これらの各部の機能については、後述の経路探索処理および経路案内処理の説明に合わせて詳述する。
【0022】
記憶装置110は、地図を表す地図データIDを記憶する。地図データIDは、例えば、施設、建物、道路、歩道、線路、公園、広場、ペディストリアンデッキ駅構内のコンコース、施設や建物のフロア、地下街等の地物の形状、施設等の業態、業種、営業時間等の属性を表すデータである。
【0023】
記憶装置110は、また、地図上のネットワークNWを規定するネットワークデータNDを記憶する。
図2は、本実施形態において用いられる地図上のネットワークNWの構成を概略的に示す説明図である。
図2には、ネットワークNWの一部を抜き出して示している。
図2に示すように、ネットワークNWは、ノードNと、リンクLと、ポリゴンノードPNとから構成されている。
【0024】
ノードNは、リンクの端部に位置しており交差点を表現したデータである。一方、ポリゴンノードPNは、リンクの端部に位置しており公園や広場、ペディストリアンデッキ、駅構内のコンコース、施設や建物のフロア、地下街といった特定の領域を面で表現したデータである。ポリゴンノードPN内では、ユーザは、予め設定された経路に縛られず、任意の経路を自由に通行することができる。リンクLは、ノードNとノードNとの間、ノードNとポリゴンノードPNとの間、または、ポリゴンノードPNとポリゴンノードPNとの間の道路を表現したデータである。なお、本実施形態では、原則として、ポリゴンノードPNとリンクLとの間の境界には、ノードNが配置されている。そのため、リンクLは、ノードNとノードNとの間を接続する道路である。ただし、必ずしもポリゴンノードPNとリンクLとの間の境界にノードNを配置する必要は無い。
【0025】
このように、本実施形態のネットワークNWは、ノードNと、リンクLと、ポリゴンノードPNとから構成されているため、ネットワークデータNDは、ノードNを特定するノードデータ(座標データ)と、ポリゴンノードPNを特定するポリゴンノードデータ(面の各頂点の座標データ)と、リンクLを特定するリンクデータ(始点のノードおよび終点のノードの座標データ)とを含んでいる。
【0026】
記憶装置110は、さらに、小領域ポリゴンノードDDと目印データLDとを記憶する(
図1)。ポリゴンノードPNには、複数の出口や目的地が設定されている。また、ポリゴンノードPNは分割された複数の小領域ポリゴンノードDDで構成されている。ただし、ポリゴンノードPNが表現する特定の領域が狭小で小領域ポリゴンノードDDに分割できない場合は、ポリゴンノードPNは必ずしも小領域ポリゴンノードDDに分割する必要はない。小領域ポリゴンノードDDのそれぞれは、他の小領域ポリゴンノードとの接続関係を規定する接続関係データが対応づけられている。ただし、ポリゴンノードPN内に小領域ポリゴンノードDDが1つしかない場合は、必ずしも小領域ポリゴンノードDDの接続関係を規定する接続関係データがなくても良い。また、目印データLDは、地物データのうち経路案内時に報知対象となる地物のデータである。目印データLDは、小領域ポリゴンノードDDと対応づけられている。
【0027】
図3ないし
図5は、小領域ポリゴンノードDDおよび目印データLDの一例を示す説明図である。
図3には、小領域ポリゴンノードDDおよび目印データLDの構造の一例を示しており、
図4には、ポリゴンノードPN1の平面図を示しており、
図5には、ポリゴンノードPN1の斜視図を示している。
【0028】
図3ないし
図5に示す例では、ポリゴンノードPN1は、出口E1を有している。また、出口E1に関連付けられた小領域ポリゴンノードとして、ポリゴンノードPN1を3つの小領域(小領域A1,A2,A3)に分割する小領域ポリゴンノードが設定されている。
図3に示すように、小領域ポリゴンノードDDは、出口E1と、ポリゴンノードPN1を3つの小領域A1,A2,A3に分割する小領域ポリゴンノードとを関連付けている。具体的には、小領域ポリゴンノードDDは、各小領域の境界線上の各頂点の座標データを含んでいる。
【0029】
ここで、
図4および
図5に示すように、小領域A1は、出口E1を含む領域であると共に、出口E1を視認できる領域である。そのため、小領域A1内の各位置から出口E1への案内のために、出口E1自身を目印として利用することができる。すなわち、「出口E1の方向に進んで下さい」といった案内を行うことができる。一方、小領域A2は、出口E1を視認することはできないが、タワーT1を視認することはできる領域である。そのため、小領域A2内の各位置から出口E1への案内のために、出口E1を目印として利用することはできないが、タワーT1を目印として利用することはできる。すなわち、「タワーT1の方向に進んで下さい」とか「タワーT1を右手に見ながら進んで下さい」といった案内を行うことができる。また、小領域A3は、出口E1もタワーT1も視認することはできないが、高層ビルB1を視認することはできる領域である。そのため、小領域A3内の各位置から出口E1への案内のために、出口E1やタワーT1を目印として利用することはできないが、高層ビルB1を目印として利用することはできる。すなわち、「高層ビルB1の方向に進んで下さい」とか「高層ビルB1を右手に見ながら進んで下さい」といった案内を行うことができる。
図3に示すように、目印データLDは、出口E1に関連付けられた小領域ポリゴンノードについて、小領域A1,A2,A3のそれぞれと、小領域内の各位置から出口E1への案内のために用いられる目印(出口E1、タワーT1、高層ビルB1)とを関連付けている。
【0030】
このように、本実施形態では、ポリゴンノードPN内の各位置から出口や各目印を視認することができるか否かを基準として、ポリゴンノードPNの小領域ポリゴンノードが予め定められる。なお、本明細書において、何らかの地物を「視認することができる」とは、目印として利用可能な程度に視認することができることを意味しており、反対に、何らかの地物を「視認することができない」とは、目印として利用可能な程度には視認することができないことを意味している。例えば、「小領域A2から出口E1を視認することができない」とは、目印として利用可能な程度には出口E1を視認することができないことを意味し、小領域A2から出口E1のわずかな一部のみが見えるが目印としては利用できない場合や、遙か彼方に出口E1が見えるが目印としては利用できない場合等を含む。
【0031】
図6ないし
図9は、小領域ポリゴンノードDDおよび目印データLDの他の一例を示す説明図である。
図6には、小領域ポリゴンノードDDおよび目印データLDの構造の一例を示しており、
図7には、ポリゴンノードPN1の斜視図を示しており、
図8には、出口E1に関連付けられた小領域ポリゴンノードで分割されたポリゴンノードPN1の平面図を示しており、
図9には、出口E2に関連付けられた小領域ポリゴンノードで分割されたポリゴンノードPN1の平面図を示している。
【0032】
図6ないし
図9に示す例では、ポリゴンノードPN1は、出口E1および出口E2を有している。また、出口E1に関連付けられた小領域ポリゴンノードとして、ポリゴンノードPN1を3つの小領域(小領域A11,A12,A13)に分割する小領域ポリゴンノードが設定され、他の出口E2に関連付けられた小領域ポリゴンノードとして、ポリゴンノードPN1を3つの小領域(小領域A21,A22,A23)に分割する小領域ポリゴンノードが設定されている。
図6に示すように、小領域ポリゴンノードDDは、出口E1とポリゴンノードPN1を3つの小領域A11,A12,A13に分割する小領域ポリゴンノードとを関連付けると共に、出口E2とポリゴンノードPN1を3つの小領域A21,A22,A23に分割する小領域ポリゴンノードとを関連付けている。
【0033】
ここで、
図8に示すように、小領域A11は、出口E1を含む領域であると共に、出口E1を視認できる領域である。そのため、小領域A11内の各位置から出口E1への案内のために、出口E1自身を目印として利用することができる。一方、小領域A12は、出口E1を視認することはできないが、ビルB2を視認することはできる領域である。そのため、小領域A12内の各位置から出口E1への案内のために、出口E1を目印として利用することはできないが、ビルB2を目印として利用することはできる。また、小領域A13は、出口E1もビルB2も視認することはできないが、ビルB1を視認することはできる領域である。そのため、小領域A13内の各位置から出口E1への案内のために、出口E1やビルB2を目印として利用することはできないが、ビルB1を目印として利用することはできる。
図6に示すように、目印データLDは、出口E1に関連付けられた小領域ポリゴンノードについて、小領域A11,A12,A13のそれぞれと、小領域内の各位置から出口E1への案内のために用いられる目印(出口E1、ビルB2、ビルB1)とを関連付けている。
【0034】
また、
図9に示すように、小領域A21は、出口E2を含む領域であると共に、出口E2を視認できる領域である。そのため、小領域A21内の各位置から出口E2への案内のために、出口E2自身を目印として利用することができる。一方、小領域A22は、出口E2を視認することはできないが、ビルB3を視認することはできる領域である。そのため、小領域A22内の各位置から出口E2への案内のために、出口E2を目印として利用することはできないが、ビルB3を目印として利用することはできる。また、小領域A23は、出口E2もビルB3も視認することはできないが、ビルB4を視認することはできる領域である。そのため、小領域A23内の各位置から出口E2への案内のために、出口E2やビルB3を目印として利用することはできないが、ビルB4を目印として利用することはできる。
図6に示すように、目印データLDは、出口E2に関連付けられた小領域ポリゴンノードについて、小領域A21,A22,A23のそれぞれと、小領域内の各位置から出口E2への案内のために用いられる目印(出口E2、ビルB3、ビルB4)とを関連付けている。
【0035】
このように、
図6ないし
図9に示す例では、出口E1に関連付けられた小領域ポリゴンノードと出口E2に関連付けられた小領域ポリゴンノードとは、互いに異なる。そのため、この例では、出口毎に、最も適切な小領域ポリゴンノードを設定することができ、適切な目印を用いた案内を行うことができる。
【0036】
また、小領域ポリゴンノードDDによってポリゴンノードPNの2つの出口に関連付けられた小領域ポリゴンノードが互いに同一であってもよい。
図10ないし
図13は、小領域ポリゴンノードDDおよび目印データLDの他の一例を示す説明図である。
図10には、小領域ポリゴンノードDDおよび目印データLDの構造の一例を示しており、
図11には、ポリゴンノードPN1の斜視図を示しており、
図12には、出口E3に関連付けられた小領域ポリゴンノードで分割されたポリゴンノードPN1の平面図を示しており、
図13には、出口E4に関連付けられた小領域ポリゴンノードで分割されたポリゴンノードPN1の平面図を示している。
【0037】
図10ないし
図13に示す例では、ポリゴンノードPN1は、出口E3および出口E4を有している。また、出口E3に関連付けられた小領域ポリゴンノードとして、ポリゴンノードPN1を3つの小領域(小領域A31,A32,A33)に分割する小領域ポリゴンノードが設定されており、他の出口E4に関連付けられた小領域ポリゴンノードとして、ポリゴンノードPN1を3つの小領域(小領域A41,A42,A43)に分割する小領域ポリゴンノードが設定されている。ただし、小領域A41,A42,A43は、それぞれ、小領域A31,A32,A33と同一である。すなわち、出口E4に関連付けられたポリゴンノードPN1の小領域ポリゴンノードは、出口E3に関連付けられたポリゴンノードPN1の小領域ポリゴンノードと同一である。このような小領域ポリゴンノードの設定は、例えば、2つの出口間の距離が小さい場合に可能である。
図10に示すように、小領域ポリゴンノードDDは、出口E3とポリゴンノードPN1を3つの小領域A31,A32,A33に分割する小領域ポリゴンノードとを関連付けると共に、出口E4とポリゴンノードPN1を3つの小領域A41,A42,A43に分割する小領域ポリゴンノードとを関連付けている。
【0038】
ここで、
図12および
図13に示すように、小領域A31(=小領域A41)は、出口E3および出口E4を含む領域であると共に、出口E3および出口E4を視認できる領域である。そのため、小領域A31内の各位置から出口E3への案内のために、出口E3自身を目印として利用することができ、小領域A41内の各位置から出口E4への案内のために、出口E4自身を目印として利用することができる。一方、小領域A32(=小領域A42)は、出口E3および出口E4を視認することはできないが、ビルB1を視認することはできる領域である。そのため、小領域A32(=小領域A42)内の各位置から出口E3または出口E4への案内のために、出口E3,出口E4を目印として利用することはできないが、ビルB1を目印として利用することはできる。また、小領域A33(=小領域A43)は、出口E3および出口E4もビルB1も視認することはできないが、ビルB2を視認することはできる領域である。そのため、小領域A33(=小領域A43)内の各位置から出口E3または出口E4への案内のために、出口E3,出口E4やビルB1を目印として利用することはできないが、ビルB2を目印として利用することはできる。
図10に示すように、目印データLDは、出口E3および出口E4に関連付けられた小領域ポリゴンノードについて、小領域A31(=小領域A41),小領域A32(=小領域A42),小領域A33(=小領域A43)のそれぞれと、小領域内の各位置から出口E3または出口E4への案内のために用いられる目印とを関連付けている。
【0039】
このように、
図10ないし
図13に示す例では、出口E3に関連付けられた小領域ポリゴンノードと出口E4に関連付けられた小領域ポリゴンノードとが同一である。そのため、この例では、小領域ポリゴンノードDDのデータサイズを小さくすることができる。
【0040】
上述したように、小領域ポリゴンノードDDは、ポリゴンノードPNにおける複数の出口のそれぞれに、ポリゴンノードPNの小領域ポリゴンノードを関連付けるデータであるが、ポリゴンノードPNに関連付けられるのは出口に限られない。
図14ないし
図16は、小領域ポリゴンノードDDおよび目印データLDの他の一例を示す説明図である。
図14には、小領域ポリゴンノードDDおよび目印データLDの構造の一例を示しており、
図15には、ポリゴンノードPN1の斜視図を示しており、
図16には、目的地D1に関連付けられた小領域ポリゴンノードで分割されたポリゴンノードPN1の平面図を示している。
【0041】
図14ないし
図16に示す例では、ポリゴンノードPN1は、出口E1、出口E2に加えて、目的地D1を有している。出口E1および出口E2についての小領域ポリゴンノードおよび目印の関連付けは、
図6等に示したものと同一であるので、説明を省略する。この例では、目的地D1に関連付けられた小領域ポリゴンノードとして、ポリゴンノードPN1を5つの小領域(小領域A51,A52,A53,A54,A55)に分割する小領域ポリゴンノードが設定されている。
図14に示すように、小領域ポリゴンノードDDは、目的地D1と、ポリゴンノードPN1を5つの小領域A51,A52,A53,A54,A55に分割する小領域ポリゴンノードとを関連付けている。
【0042】
ここで、小領域A51は、目的地D1を含む領域であると共に、目的地D1を視認できる領域である。そのため、小領域A51内の各位置から目的地D1への案内のために、目的地D1自身を目印として利用することができる。一方、小領域A52は、目的地D1を視認することはできないが、ビルB3を視認することはできる領域である。そのため、小領域A52内の各位置から目的地D1への案内のために、目的地D1を目印として利用することはできないが、ビルB3を目印として利用することはできる。また、小領域A53は、目的地D1を視認することはできないが、ビルB2を視認することはできる領域である。そのため、小領域A53内の各位置から目的地D1への案内のために、目的地D1を目印として利用することはできないが、ビルB2を目印として利用することはできる。また、小領域A54は、目的地D1もビルB3も視認することはできないが、ビルB4を視認することはできる領域である。そのため、小領域A54内の各位置から目的地D1への案内のために、目的地D1やビルB3を目印として利用することはできないが、ビルB4を目印として利用することはできる。また、小領域A55は、目的地D1もビルB2も視認することはできないが、ビルB1を視認することはできる領域である。そのため、小領域A55内の各位置から目的地D1への案内のために、目的地D1やビルB2を目印として利用することはできないが、ビルB1を目印として利用することはできる。
図14に示すように、目印データLDは、目的地D1に関連付けられた小領域ポリゴンノードについて、小領域A51,A52,A53,A54,A55のそれぞれと、小領域内の各位置から目的地D1への案内のために用いられる目印とを関連付けている。
【0043】
図17は、目印データLDに含まれる目印を特定する情報の一例を示す説明図である。目印データLDは、目印を特定する情報として、目印の位置を特定する情報(座標情報)に加えて、目印の名称(正式名称や通称、現地名称、略称等)、目印に関する色(壁の色や屋根の色、構造物の色等)、目印に関する形状(直方体形や円柱形等)、目印に関する材質(金属製、木製、コンクリート製等)、目印に関する数値(高さ、長さ、幅、重さ等)、目印に関する地物の種別である地物分類(小学校、市役所、図書館、消防署)の一部または全部を特定する情報を含んでいてもよい。目印データLDがこのような情報を含むことにより、目印を利用した経路案内の際に、ユーザに容易に目印を認識させることができる。
【0044】
また、小領域ポリゴンノードDDおよび目印データLDは、上述したデータに加えて、付加的データADを有していてもよい。
図18は、付加的データADの一例を示す説明図である。付加的データAD1ないしAD3は、小領域ポリゴンノードDDに含まれ得るデータであり、付加的データAD4ないしAD6は、目印データLDに含まれ得るデータである。ここで、付加的データAD1ないしAD3は、小領域ポリゴンノードの探索コストに関するコストデータの一例を示す。探索コストとは、ユーザが小領域ポリゴンノードを移動する際の負荷の程度を示す指標である。探索コストは経路探索時に最短経路を探索するために用いることができる。
【0045】
第1の付加的データAD1は、小領域ポリゴンノードDDによって特定された各小領域における段差の有無を示す段差情報である。第1の付加的データAD1は、例えば、段差を越えるのが困難である移動体(車椅子やベビーカー等)の経路探索・案内の際に、段差の存在する小領域(あるいは、そのような小領域を含むポリゴンノードPN全体)をできるだけ通過しないような経路を選択するために利用される。
【0046】
第2の付加的データAD2は、小領域ポリゴンノードDDによって特定された各小領域における路面の種類(コンクリート、タイル、砂利、芝生等)を示す路面情報である。第2の付加的データAD2は、例えば、雨天時の経路探索・案内の際に、砂利や芝生のような雨天時にぬかるんで通過が困難となりやすい路面の小領域(あるいは、そのような小領域を含むポリゴンノードPN全体)をできるだけ通過しないような経路を選択するために利用される。
【0047】
第3の付加的データAD3は、小領域ポリゴンノードDDによって特定された各小領域における街灯の多寡を特定する街灯情報である。第3の付加的データAD3は、例えば、夜間の経路探索・案内の際に、街灯の無いまたは少ない小領域(あるいは、そのような小領域を含むポリゴンノードPN全体)をできるだけ通過しないような経路を選択するために利用される。なお、
図18の例では、探索コスト(負荷の程度を示す指標)に関するコストデータとして、以上で説明したように、「段差の有無」、「路面の種類」、「街頭の多寡」の情報を採用している。しかし、探索コストに関するコストデータとして、ユーザが当該少領域ポリゴンノードを移動する際の所要時間を採用することもできる。
【0048】
第4の付加的データAD4は、季節(春夏秋冬等)毎に目印を特定する季節別目印情報である。第4の付加的データAD4は、季節に応じて最も視認しやすい目印を選択するために利用される。例えば、第4の付加的データAD4は、落葉樹が多い小領域において、定められた目印が視認できない(あるいは視認が困難となる)季節に経路探索・案内を行う際に、代替の目印を採用するために利用される。
【0049】
第5の付加的データAD5は、時間帯(朝、昼、夕方、夜等)毎に目印を特定する時間帯別目印情報である。第5の付加的データAD5は、時間帯に応じて最も視認しやすい目印を選択するために利用される。例えば、第5の付加的データAD5は、夕方の時間帯に経路探索・案内を行う際に、夕方でも見えやすい代替の目印を採用するために利用される。
【0050】
第6の付加的データAD6は、気象条件(晴天、曇天、雨天等)毎に目印を特定する気象条件別目印情報である。第6の付加的データAD6は、気象条件に応じて最も視認しやすい目印を選択するために利用される。例えば、第6の付加的データAD6は、雨天時に経路探索・案内を行う際に、雨天時でも見えやすい代替の目印を採用するために利用される。
【0051】
A−2.経路探索処理:
図19は、本実施形態の経路案内システム10による経路探索処理の流れを示すフローチャートである。はじめに、サーバ100と携帯電話機200との間で、経路探索要求の送受信が行われる(ステップS110)。具体的には、携帯電話機200の操作部206が、ユーザによる経路探索のための所定の操作を受け付けると、携帯電話機200の制御部210は、操作内容に応じた経路探索要求を無線通信回路205を介してサーバ100に送信する。この経路探索要求には、現在地(出発地)、目的地、経由地など、ユーザから指定された種々の経路探索条件が含まれ得る。サーバ100の制御部120は、携帯電話機200から送信された経路探索要求を通信部102を介して受信する。
【0052】
次に、サーバ100の経路設定部122が、経路探索要求により指定された現在地から目的地に至る1つまたは複数の推奨経路を探索する(ステップS120)。経路探索は、ダイクストラ法やエースター(A
*)アルゴリズムといった周知の経路探索アルゴリズムを用いて実行される。なお、本実施形態では、距離とコスト(条件)とを参照して推奨経路が探索される。ここで、ポリゴンノードPN内については、出入口間の距離、あるいは、出入口と目的地との間の距離が動的に算出され、小領域ポリゴンノードと他の小領域ポリゴンノードとの接続関係を規定する接続関係データを用いて小領域ポリゴンノード間の接続関係が、動的に算出される。また、経路探索に参照されるコストとしては、リンクや領域の狭小の程度や、雨天時に濡れるか濡れないかの別、あるいは、
図18に示したように、段差の有無、路面の種類、街灯の多寡等が挙げられる。
【0053】
図20および
図21は、経路探索の一例を示す説明図である。
図20に示すように、出発地から目的地に至る経路の内、ノードN1からノードN2に至る部分の経路としては、リンクL1ないしL3を通る経路と、ポリゴンノードPN1内を通る経路とがある。
図20には、各リンクの距離、および、ポリゴンノードPN1の各出入口(出入口A,B,C)間の距離を、単位無しの数字によって示している。ネットワークデータNDによって、リンクL2は狭小なリンクであると特定されている。また、
図21に示すように、小領域ポリゴンノードDDによって、各出入口に対して、ポリゴンノードPN1を複数の小領域に分割する小領域ポリゴンノードが関連付けられている。そして出入口Aに関連付けられた3つの小領域ポリゴンノード、出入口Bに関連付けられた2つの小領域ポリゴンノード、出入口Cに関連付けられた3つの小領域ポリゴンノード間の接続関係が関連付けられている。また、付加的データADによって、出入口A付近は街灯が少なく、出入口B付近は街灯が多くて見通しが良く、出入口C付近は段差が多いことが特定されている。この場合には、一例として、狭小であるリンクL2を通る経路のコストや、付近に街灯が少ない出入口Aを通る経路のコストが大きな値に設定され、ノードN1から出入口C、出入口B、ノードN3を経てノードN2に至る経路R1が、推奨経路として選択される。また、携帯電話機200に記憶されたユーザの個人属性や個人情報に基づき、経路(ルート)を変更しても良い。一例として、車椅子を利用するユーザが携帯電話機200に車椅子を記憶させた場合、段差のある出入口C付近を経由するルートを推奨しないものとすることができる。
【0054】
経路探索が完了すると、サーバ100と携帯電話機200との間で、経路を特定する経路情報の送受信が行われる(ステップS130)。具体的には、サーバ100の経路設定部122が、経路情報を、通信部102を介して携帯電話機200に送信する。携帯電話機200の制御部210は、サーバ100から送信された経路情報を、無線通信回路205を介して受信する。経路情報を受信した携帯電話機200の制御部210は、経路情報により特定される経路を表示パネル202に表示させる。その後、携帯電話機200の操作部206が、経路案内開始のための所定の操作を受け付けると、以下に述べる経路案内処理が開始される。
【0055】
A−3.経路案内処理:
図22および
図23は、本実施形態の経路案内システム10による経路案内処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、本実施形態の経路案内システム10は、目印を利用した経路案内を行うことができる。また、
図24ないし
図26は、経路案内の具体例を示す説明図である。
図24に示すように、上述した経路探索処理により、出発地S1から目的地D1に至る経路R1が設定されているものとする。この経路R1は、ポリゴンノードPN1内を通る部分(破線で示す)を含んでいる。
【0056】
図22に示すように、経路案内処理が開始されると、サーバ100の経路案内部124は、携帯電話機200の現在位置を特定する(ステップS210)。携帯電話機200の現在位置の特定は、携帯電話機200からサーバ100に送信される、携帯電話機200の現在位置を特定する情報を用いて実行される。経路案内部124は、携帯電話機200の現在位置がポリゴンノードPN内か否かを判定し(ステップS220)、ポリゴンノードPN内ではないと判定した場合には(ステップS220:NO)、通常の経路案内処理を実行する(ステップS230)。通常の経路案内処理では、経路案内部124は、携帯電話機200に対して、現在地や経路を示した地図情報を提供したり、(ノードNに目印の情報が関連付けられている場合には)現在地と目印の位置とから算出された目印を基準とした進行方向の情報(例えば、「Xビルの方向に進んで下さい」というような経路案内を行うための情報)を提供したりする。経路案内部124は、携帯電話機200が目的地に到着したか否かを判定し(ステップS250)、まだ目的地に到着していないと判定した場合には(ステップS250:NO)、ステップS210に戻って上述の処理を繰り返す。経路案内部124は、携帯電話機200が目的地に到着したと判定した場合には(ステップS250:YES)、経路案内処理を終了する。
【0057】
また、経路案内部124は、経路案内中に、携帯電話機200の現在位置がポリゴンノードPN内であると判定した場合には(ステップS220:YES)、ポリゴンノード用の経路案内処理を実行する(ステップS240)。
図23は、ポリゴンノード用経路案内処理の流れを示す説明図である。ポリゴンノード用経路案内処理では、はじめに、サーバ100の経路案内部124が、経路情報に基づき、ポリゴンノードPNの出口を特定する(ステップS310)。ポリゴンノードPNの出口とは、出発地S1から目的地D1までの経路の内のポリゴンノードPN1内の部分における目的地D1に最も近い点(
図24の例では出入口E5)である。すなわち、ポリゴンノードPNの出口とは、設定された経路に沿ってポリゴンノードPNから出る際の出口である。
【0058】
次に、経路案内部124の小領域特定部126が、小領域ポリゴンノードDDを参照して、ステップS310において特定された出口に関連付けられたポリゴンノードPNの小領域ポリゴンノードを特定する(ステップS320)。
図25の例では、出入口E5に関連付けられた小領域ポリゴンノードは、ポリゴンノードPN1を6つの小領域(小領域A1,A2,A3,A4,A5,A6)に分割するものである。また、
図25に示すように、目印データLDによって、6つの小領域のそれぞれと、小領域内の各位置から出入口E5への案内のために用いられる目印とが関連付けられている。具体的には、小領域A1,A5,A6には目印1(図書館)が関連付けられ、小領域A2には目印2(小倉タワー)が関連付けられ、小領域A3には目印3(小倉城)が関連付けられ、小領域A4には目印4(出入口E5)が関連付けられている。そして、小領域A1と小領域A2、小領域A2と小領域A3、小領域A2と小領域A4、小領域A2と小領域A6、小領域A3と小領域A4、小領域A3と小領域A5、小領域A4と小領域A5の小領域ポリゴンノード間の接続関係が関連付けられている。
【0059】
次に、経路案内部124は、携帯電話機200の現在位置を特定し(ステップS330)、携帯電話機200の現在位置と小領域とをマッチングする(ステップS340)。経路案内部124の目印特定部127は、目印データLDを参照して、マッチング先の小領域に関連付けられた目印が出入口E5であるか否かを判定する(ステップS350)。小領域に関連付けられた目印が出入口E5ではない場合には(ステップS350:NO)、目印特定部127が、小領域に関連付けられた目印を特定すると共に、方向特定部128が、携帯電話機200の現在位置から見た目印の方向を特定し(ステップS360)、経路案内部124が、特定された目印およびその方向を用いて案内を実行する(ステップS370)。例えば、
図26の例において、携帯電話機200の現在位置が小領域A1にマッチングされた場合、小領域A1に関連付けられた目印1(図書館)が用いられて、例えば、「図書館の方向に進んで下さい」というような経路案内が行われる。
【0060】
その後、ステップS330からS370までの処理が繰り返し実行される。例えば、
図26の例において、携帯電話機200のユーザが、小領域A1から小領域A2へと移動すると、ステップS340において、携帯電話機200の現在位置が小領域A2にマッチングされ、小領域A2に関連付けられた目印2(小倉タワー)が用いられて、例えば、「小倉タワーの方向に進んで下さい」というような経路案内が行われる。同様に、携帯電話機200のユーザが、小領域A2から小領域A3へと移動すると、ステップS340において、携帯電話機200の現在位置が小領域A3にマッチングされ、小領域A3に関連付けられた目印3(小倉城)が用いられて、例えば、「小倉城の方向に進んで下さい」というような経路案内が行われる。携帯電話機200のユーザが、小領域A5や小領域A6に移動した場合にも、それらの小領域に関連付けられた目印を用いた同様の経路案内が実行される。
【0061】
なお、本実施形態では、目印およびその方向を用いて案内を実行する。しかし、経路案内部124は、小領域ポリゴンノード間の接続関係を用いて案内を実行しても良い。例えば、
図26の例において、携帯電話機200の現在位置が小領域A1にマッチングされた場合、小領域A1と小領域A2との接続関係が用いられて、例えば、「小領域A2の方向に進んで下さい」というような経路案内が行われる。次に携帯電話機200の現在位置が小領域A2にマッチングされた場合、小領域A2と小領域A3の接続関係が用いられて、例えば「小領域A3の方向に進んで下さい」というような経路案内が行われる。
【0062】
さらに、経路案内部124は、小領域ポリゴンノード間の接続関係と特定された目印およびその方向を用いて案内を実行しても良い。例えば、
図26の例において、携帯電話機200の現在位置が小領域A1にマッチングされた場合、小領域A1と小領域A2との接続関係と特定された目印およびその方向を用いて、例えば、「図書館のある小領域A2の方向に進んで下さい」というような経路案内が行われる。次に携帯電話機200の現在位置が小領域A2にマッチングされた場合、小領域A2と小領域A3の接続関係が用いられて、例えば「小倉タワーのある小領域A3の方向に進んで下さい」というような経路案内が行われる。このように、小領域ポリゴンノード間の接続関係と特定された目印およびその方向を用いて案内を実行することにより、携帯電話機200のユーザを小領域ポリゴンノード内の特定の範囲内に案内することもできる。
【0063】
本実施形態の
図23の処理において、携帯電話機200のユーザが小領域A4へと移動すると、ステップS340において、携帯電話機200の現在位置が小領域A4にマッチングされる。小領域A4に関連付けられた目印は、出入口E5であるため、ステップS350の条件を満たす。この場合には、経路案内部124は、例えば、「出入口E5の方向に進んで下さい」というように、出入口E5に向けた経路案内を行う(ステップS380)。その後、経路案内部124は、携帯電話機200の現在位置がポリゴンノードPN外となったか否かを判定し(ステップS390)、まだポリゴンノードPN内であると判定された場合には(ステップS390:NO)、ステップS330に戻って上述の処理を繰り返し実行する。一方、携帯電話機200のユーザが、出入口E5からポリゴンノードPN1の外に出ると(ステップS390:YES)、処理は
図22のステップS250に戻る。その後は、目的地D1に到着するまで、通常の経路案内処理(
図22のステップS230)が実行される。
【0064】
以上説明したように、本実施形態の経路案内システム10では、経路案内に、道路を表現したリンクLに関するリンクデータ及び交差点を表現するノードNに関するノードデータ及び特定の領域を面で表現したポリゴンノードPNを含むデータが用いられる。そのため、これらのデータを用いれば、ユーザが特定の領域を通行する場合にポリゴンノードPNを用いた経路案内をすることができる。すなわち、本実施形態は特定の位置(点)ではなく、ポリゴンノードPNを用いているため、ユーザが自由に通行できるポリゴンノード内のどの位置に移動したとしても、経路案内を実現することができる。また、特定の位置(点)ではないため、ユーザは特定の位置(点)を経由する不自然な案内をされることなく、ユーザは領域を自由に通行するように適切な経路案内を実現することができる。
【0065】
また、本実施形態では、ポリゴンノードPNは、分割された複数の小領域ポリゴンノードで構成されている。そのため、ポリゴンノードPNが表現する領域が広い場合においても小領域ポリゴンノード単位での経路案内を実現することができる。
【0066】
また、本実施形態では、小領域ポリゴンノードには、他の小領域ポリゴンノードとの接続関係が対応付ける。そのため、ユーザがポリゴンノードPN内の小領域間ポリゴンノードを通行するときに、小領域ポリゴンノード間の接続関係を用いた経路案内を実現することができる。
【0067】
また、本実施形態では、小領域ポリゴンノードには、経路案内時に報知対象となる地物に関する目印データが対応付けられる。そのため、小領域ポリゴンノードと目印データを用いれば、ポリゴンノードPN内の小領域ポリゴンノードには少なくとも1つの目印が関連付けられているため、その目印を用いた経路案内を行うことができる。すなわち、本実施形態では、点ではなく小領域に対して目印が関連付けられているため、目印の切り替えは、ある特定の位置(点)に到達した時に実行されるのではなく、小領域間の境界線上に到達した時に実行される。従って、本実施形態では、ユーザが自由に通行できる領域(ポリゴンノードPN)を含むネットワークNWにおいても、ユーザが位置する小領域に関連付けられた目印を用いることにより、適切な目印を用いた経路案内を実現することができる。また、ポリゴンノードPN内を通過する経路を案内する場合であっても、ポリゴンノードPN内の目的地に至る経路を案内する場合であっても、適切な目印を用いた経路案内を実現することができる。
【0068】
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0069】
上記実施形態の経路探索処理および経路案内処理において、サーバ100により実行されている処理の一部または全部は、サーバ100ではなく携帯電話機200により実行されるとしてもよい。上記実施形態においてサーバ100により実行されている処理の全部が携帯電話機200により実行される場合には、携帯電話機200は、経路案内装置として機能する。
【0070】
上記実施形態では、目印データLDによって、各小領域が1つの目印に関連付けられているが、少なくとも1つの小領域が複数の目印に関連付けられていてもよい。このようにすれば、例えば、「Yタワーを右手に見ながら、Xビルの方向に進んで下さい」というように、複数の目印を用いた案内を行うことができる。また、小領域ポリゴンノードDDと目印データLDとは、互いに分離されたデータであってもよいし、一体のデータであってもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、ポリゴンノードPN内については、出入口間の距離、あるいは、出入口と目的地との間の距離が動的に算出され、小領域ポリゴンノードと他の小領域ポリゴンノードとの接続関係を規定する接続関係データを用いて小領域ポリゴンノード間の接続関係が、動的に算出されるとしているが、これらの距離が予め算出されて記憶装置110に記憶されていてもよい。
【0072】
また、上記実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータープログラム)は、コンピューター読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピューター内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピューターに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【0073】
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。