(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受け部が前記支持板における傾斜して上下方向で高低差を有する左右両側に形成され、前記支持板の上下両側に、前記太陽電池パネル裏側への通気を可能とする通気空間を備えた
請求項1または請求項2に記載の太陽電池電源装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1は、太陽電池電源装置11を用いた照明装置71の側面図である。この照明装置71は街路灯や誘導灯などとして使用される。
【0012】
太陽電池電源装置11は、太陽電池パネル21で発電した電力を二次電池31に充電する(
図2参照)とともに二次電池31にためた電力を使用するものである。つまり二次電池に充填された電力は照明に用いられる。
【0013】
照明装置71は、地面や路面に立設された支持体72と、支持体72の上部に固定された照明器具73と、支持体72における照明器具73より上である上端部に固定された太陽電池電源装置11を備えている。
【0014】
支持体72は柱状で、鉛直上向きにのびている。支持体72の長さや太さ、形状は、用途や設置場所等に応じて適宜設定される。図示例の支持体72は中空の円柱状である。
【0015】
照明器具73は、適宜のものを使用できるが、消費電力を抑え十分な明るさを得る観点から、LED(発光ダイオード)を用いた器具を使用するのが好ましい。照明器具73は、支持体72の外周面に固定金具74による締め付けで固定される。
【0016】
太陽電池電源装置11は、
図2に示したように、発電のための太陽電池パネル21と、充電のための二次電池31と、これらを固定する支持板41を有する。太陽電池パネル21は支持板51の表面に固定され、二次電池31は支持板51の表面であって太陽電池パネル21の裏側に固定される。
【0017】
太陽電池パネル21は、公知の構造であり、表面から強化ガラス(図示せず)、太陽電池セル(図示せず)、バックシート(図示せず)などを備えた方形板状の太陽電池モジュール22を方形枠状のアルミフレーム23で保持して構成されている。アルミフレーム23の背面側には、
図2の破線と、太陽電池電源装置11を左右方向で切断した断面図である
図3に示したように、太陽電池モジュール22を浮かせる脚片24と、脚片24の下端から内周側に張り出す張り出し片25を有している。脚片24はアルミフレーム23の全周にわたって同一幅に形成されている。同様に張り出し片25も、太陽電池電源装置11の背面図である
図4に示したように、アルミフレーム23の全周にわたって同一幅に形成されている。
【0018】
支持板51は薄い金属板で形成されており、支持体72の上に傾斜姿勢で支えられる。傾斜姿勢とは、水平方向に対しても垂直方向に対しても傾斜した姿勢であり、換言すれば、水平にした板の一方側を下げた、又は上げた姿勢である。図示例の支持板51は、前述のような方形板状の太陽電池パネル21を支持するため
図5に示したように平面視方形状に形成されている。つまり、この支持板51の四辺のうちの一辺(下辺)を、これに相対向する辺(上辺)よりも下方に下げ、左右の両辺が平行に傾斜する姿勢となるように支持体72に対して固定される。この固定は、不動状態での固定のほか、回転や傾動が可能な固定であってもよい。
【0019】
傾斜姿勢での支持を可能にするため、支持板51の裏面には、
図2、
図4に示したように、支持体72の上端部に連結するための金属製の連結管52を、支持板51の裏面に対して斜めに備えている。連結管52の固定角度、つまり支持板51の傾斜角度は適宜設定される。
【0020】
連結管52の形成位置は、
図3に示したように、支持板51の裏面における左右方向の中間位置である。連結管52は円筒状であり、連結管52の下端には、連結管52の長手方向を鉛直方向に向けたときに水平になる開口52aを備えている。連結管52の下部の外周面には周方向に沿って複数の貫通穴52bが形成され、この貫通穴52bにナット52cが固定されている。
【0021】
支持板51は方形状の底板53を有し、この底板53における太陽電池パネル21や二次電池31を固定する側である表面に、
図3に示したように、二次電池31を固定する二次電池固定部54と、二次電池固定部54に固定される二次電池31よりも表面側に太陽電池パネル21を固定する受け部55を備えている。
【0022】
底板53は、表面側で垂直に突出する起立壁56を周縁部、つまり上下両縁(下辺および上辺)と左右両側縁の全周に有する皿状である。起立壁56のうち左右両側縁の左右起立壁(左側起立壁56aと右側起立壁56b)は、上下両側の上下起立壁(上側起立壁56cと下側起立壁56d)よりも突出長さが長く、先端に受け部55を有している。
【0023】
受け部55を支持板51における傾斜して上下方向で高低差を有する左右両側に形成し、支持板51の上下両側に、太陽電池パネル21の裏側への通気を可能とする通気空間57を備えている(
図2参照)。
【0024】
受け部55は、左側起立壁56aと右側起立壁56bの先端を左右方向外側に向けて屈曲して形成した形状で、左側起立壁56aや右側起立壁56bと同じ長さの細幅板状である。受け部55の幅は、太陽電池パネル21を固定するのに必要な適宜の幅であり、太陽電池パネル21を固定したときに
図4に示したように受け部55が太陽電池パネル21のアルミフレーム23の張り出し片25に重なり、左右方向外側から突き出さない位置に受け部55が形成されている。太陽電池パネル21を固定するため、受け部55は、適宜位置に複数個の貫通穴58を有する。
【0025】
左側起立壁56aと右側起立壁56bの突出長さ(高さ)は、
図3に示したように、二次電池固定部54に固定される二次電池31の厚さよりも長く設定される。これにより、二次電池31と太陽電池パネル21との間に隙間59が形成される。つまり、受け部55の高さは、二次電池固定部54に固定された二次電池31と太陽電池パネル21との間に隙間59をつくる高さである。
【0026】
一方、上側起立壁56aと下側起立壁56bの突出長さ(高さ)は、左側起立壁56aと右側起立壁56bの高さよりも短く、支持板53の強度を得るのに必要な適宜の長さに設定されている。これにより、強度を得ながらも、上側起立壁56aと下側起立壁56bの上に、二次電池31と太陽電池パネル21との間の隙間59を外部と連通するための、前述の通気空間57が広く形成される(
図2参照)。
【0027】
また、支持板51の上下方向の長さ(上側起立壁56cと下側起立壁56dをつなぐ長さ)は、これに対応する太陽電池パネル21の上下方向の長さよりも短い。逆に言えば、支持板51に固定する太陽電池パネル21の上下方向の長さが支持板51の上下方向の長さよりも長く形成されている。
【0028】
支持板51の底板53の表面における左右方向中間位置、すなわち底板53裏面の連結管52に対応する位置に、
図3、
図5に示したように、上下起立壁の間(上側起立壁56cと下側起立壁56dとの間)を接続して上下方向に延びる補強部60が形成されている。補強部60は、金属製のアングル材を溶接等により固定して形成される。アングル材の固定では、直角をなす両片の先端を底板53の表面に接合させる。
【0029】
底板53の表面における補強部60によって区分される左右の2箇所の部分が二次電池固定部54である。二次電池固定部54の四隅部分には、二次電池を固定するための貫通穴61が形成されている。
【0030】
底板53における二次電池固定部54を含む部分には、厚さ方向に貫通する切欠き62が複数形成されている。切欠き62は適宜大の円形の貫通穴である。これら切欠き62は、通気のほか、軽量化に資する。切欠き62の形状は円形以外の適宜の形状であってもよい。
【0031】
二次電池31は、
図6に示したような方形板状のリチウムイオン電池32で構成され、リチウムイオン電池32は複数枚重ねられて収納ケース41に収納され、収納ケース41が支持板51の二次電池固定部54に固定される。収納するリチウムイオン電池32の枚数は必要とする能力に応じて決定する。そしてリチウムイオン電池32の必要枚数に応じて、支持板51の起立壁56の高さが設定される。
【0032】
方形板状のリチウムイオン電池32は、公知の構造で、板状の正極(図示せず)および負極(図示せず)と、これらの間のセパレータ(図示せず)と、各電極の一端部に接続されたタブ33,34と、電解液(図示せず)と、タブ33,34の一部を露出した状態で被覆するラミネートフィルム35で構成されている。
【0033】
このリチウムイオン電池32には、薄くて軽量で、エネルギー密度が高く、耐久性のよい、アロイ工業株式会社製の「リチウムイオン二次蓄電池」が好適に使用できる。
【0034】
リチウムイオン電池32には、ラミネートフィルム35の形態を保持するため、樹脂製の縁部材36が取り付けられる。すなわち、縁部材36はリチウムイオン電池32のタブ33,34を除く外周縁に取り付けられるもので、
図7に示したように、リチウムイオン電池32の長辺を被覆する長辺部37と、この長辺部37の両端から直角にのびてリチウムイオン電池32の短辺の一部を被覆する短辺部38を有する正面視コ字状に形成されている。縁部材36は内側縁から内部に入る差し込み溝39を全体にわたって有している。
図8は縁部材36の差し込み溝39側から見た状態を示しており、差し込み溝39は、内側縁において閉じ、内奥に行くほど肉厚方向に広い形状である。
【0035】
縁部材36は、柔軟で軽く、耐久性のよい材料を用いるよく、例えば耐熱ウレタンで形成することができる。この縁部材36は省略してもよい。
【0036】
このようなリチウムイオン電池32を収納する収納ケース41は、
図6に示したように本体42と蓋体43を有する。これら本体42と蓋体43は軽く耐候性、耐熱性の良い合成樹脂で形成される。
【0037】
本体42は、重ね合わせる複数枚のリチウムイオン電池32を収納可能な厚さの有底箱状で、上端に開口部44を有し、この開口部44に蓋体43が嵌合される。本体42の底部42aは、胴体部42bよりも肉厚が厚く形成され、リチウムイオン電池32のタブ33,34を避ける左右両側に適宜間隔をあけて2枚ずつ、タブ33,34を受け入れ可能とする高さ(少なくともタブ33,34の突出長さよりも高い)のリブ45が形成されている。リブは、
図9に示したように本体42の内周面を厚さ方向でつなぐ。
【0038】
リブ45のうち左右方向の端のリブ45よりも左右方向外側であって、リブ45の高さの範囲内に収まる部位には、本体42の厚さ方向に貫通する固定穴46を有している。
【0039】
蓋体43は、本体42の開口部44に入り込んで嵌合する嵌合部47を有した有底箱状で、嵌合部47と反対側の底部43aには、本体42に形成したのと同じリブ45と固定穴46を有している。ただし、リブ45は左右に1枚ずつ形成される。
【0040】
本体42と蓋体43の固定穴46の形成位置は、前述のリブ45との関係を満たすほか、本体42に蓋体43を嵌合したときに、それぞれの固定穴46が支持板51の二次電池固定部54に形成した貫通穴61に対応するように設定されている。
【0041】
前述の収納ケース41は、縦長の有底箱状の本体42と、この本体42の開口部44に嵌合する蓋体43を有する、深型形状の収納ケース41であるが、
図10に示したように、横長皿状の有底箱状の本体42と、この本体42の開口部44に嵌合する嵌合部47を有した蓋体43で構成してもよい。このように構成すると、方形板状のリチウムイオン電池32を収納しやすい。なお、前述の構成と同等の部位については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0042】
太陽電池電源装置11は、前述の部材のほか、公知の充放電制御装置(図示せず)を備える。充放電制御装置は、太陽電池パネル21で発電された電力の二次電池31に対する充電や、二次電池31から照明器具73に対する放電をあらかじめ定められた状態で適切に制御する。充放電制御装置では充電と放電の切り替えを、太陽電池パネル21の電圧によって判定する。つまり明るい日中に太陽電池パネル21の電圧が上昇すると充電を行い、夜間などに太陽電池パネル21の電圧が降下すると放電をして照明器具73を点灯する。
【0043】
充放電制御装置とそのほかの必要な部材は、支持板51や支持体72、その他の部位に用途などに応じて備えられる。
【0044】
以上のような部材からなる太陽電池電源装置11は、
図6に示したように所定枚数のリチウムイオン電池32を互いに接続して重ねた状態で収納ケース41に収納し、収納ケース41の蓋体43を閉じたあと、その収納ケース41を支持板51の二次電池固定部54に固定する。固定は
図11に示したようにボルト65ナット66を用いて行うとよい。収納ケース41の本体42の底部42aと蓋体43の底部43aは他の部位よりも肉厚が厚いうえにリブ45を有するので、強度が高く、ボルト65ナット66で締め付けて強固に固定してもリチウムイオン電池32を保護できる。
【0045】
続いて、支持板51の受け部55に太陽電池パネル21を固定する。太陽電池パネル21の上下方向の長さは支持板51の上下方向の長さよりも長いので、支持板51は太陽電池パネル21の上下方向のいずれにも固定できるが、上下方向の中間位置に固定する。このように固定して、支持板51の上側起立壁56cと下側起立壁56dを太陽電池パネル21の裏面における上下方向の内側に収める。この固定も、
図11に示したようにボルト65ナット66を用いて行える。
【0046】
このようにして組み立てた太陽電池電源装置11は、支持板51の裏面の連結管52を支持体72の上端に固定して、照明装置71を構成する。
【0047】
以上のように構成された照明装置71は、太陽電池電源装置11が日中の太陽光を利用して太陽電池パネル21で発電を行い、その電力を充放電制御装置が二次電池31に充電する。そして夜間など暗くて発電ができないときには、充放電制御装置が二次電池31の電力を放電して照明器具73に供給し、照明器具73を点灯させる。
【0048】
このように照明装置71は、自ら発電した電力を用いて照明器具73の点灯を行うという動作を、明暗を繰り返す自然の中で継続して行うので、商用電源のない所での使用に有効である。また商用電源を用いないので省エネも実現できる。
【0049】
そして、太陽電池電源装置11は、支持板51の二次電池固定部54に二次電池31を固定した状態で、支持板51の受け部55に太陽電池パネル21を固定して組み立てる構成であるので、各部材の構成が簡素であるとともに、組み立てのための構成も簡素であって、見立てが容易に行える。
【0050】
また、二次電池31である方形板状のリチウムイオン電池32は薄く軽量であり、支持板51の裏面から太陽電池パネル21の表面までの厚さを薄く抑えることができる。このため厚さの薄いコンパクトな形状であって、軽量である。リチウムイオン電池32を収納する収納ケース41が樹脂製であることも軽量化に貢献する。この結果、風雨にさらされても耐久性の高いものとすることができる。
【0051】
そのうえ、二次電池31は収納ケース41に収納して支持板51の表面の二次電池固定部54に固定する構造であるので、収納ケース41が支持板51を補強する機能も果たし、支持板51の強度を高めることができる。しかもその支持板51は、周縁部に起立壁56を有する皿状であるので、この点からも高い強度が得られる。支持板51の表面における左右方向の中間位置に上側起立壁56cと下側起立壁56dをつないだ状態で補強部60を備えているので、支持板51の強度はさらに高まり、補強部の60の裏側に支持板51を支持するための連結管52を備えているので、支持状態も強固である。
【0052】
その一方で、支持板51には切欠き62を形成して軽量化を図っているので、重量の増大を抑制できる。またその切欠き62は円形であるので、強度を不当に損なう事態を回避できる。
【0053】
前述のように軽く薄い構造である上に、太陽電池パネル21と二次電池31との間に隙間59を有し、さらにこの隙間59が外部と連通するように、支持板51の上側起立壁56cと下側起立壁56dの上に通気空間57を備えている。そのうえ、この通気空間57を太陽電池パネル21の上下方向の内側に収めたので、太陽電池パネル21の裏面が通気空間57に対する風の誘導機能を果たすことになる。この結果、より良好な通気性が得られる。このため、二次電池31と太陽電池パネル21との間の隙間59に対する空気の流通がより活発に行われるようになって過熱防止等を図れるとともに、風による抵抗を低減できる。また水が入っても抜けやすい構造であり、この点からも耐久性を高めることができる。
【0054】
この発明の構成と、前述の構成との対応において、
この発明の連結部は、前述の連結管52に対応するも、
この発明は前述の構成のみに限定されるものではなく、その他の構成を採用することができる。
【0055】
たとえば、連結部は、太陽電池電源装置の取り付け対象に応じて形成されるものであり、前述のような管状のほか、棒状、そのほか適宜形状に膨出形成したものであってもよい。
【0056】
また、太陽電池電源装置は、前述のような照明のほか、または照明と共に、例えば家庭で使用する電源として使用してもよい。この場合にはインバータを用いて交流電力を生成する。
【0057】
前述の例では、二次電池を収納する収納ケースを2個固定した例を示したが、その他の個数、例えば4個とするなど、固定する収納ケースの個数は必要に応じて適宜設定できる。