特許第6382007号(P6382007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6382007インクジェットヘッドのメンテナンス方法、液体噴射記録装置、およびメンテナンス装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382007
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】インクジェットヘッドのメンテナンス方法、液体噴射記録装置、およびメンテナンス装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20180820BHJP
   B41J 2/17 20060101ALI20180820BHJP
   B41J 2/175 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   B41J2/165 401
   B41J2/165 205
   B41J2/165 211
   B41J2/165 505
   B41J2/17 101
   B41J2/175 121
   B41J2/175 201
   B41J2/175 501
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-147981(P2014-147981)
(22)【出願日】2014年7月18日
(65)【公開番号】特開2016-22656(P2016-22656A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2017年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】501167725
【氏名又は名称】エスアイアイ・プリンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】秋元 雅翔
(72)【発明者】
【氏名】坂田 明史
【審査官】 牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−221419(JP,A)
【文献】 特開昭62−109648(JP,A)
【文献】 特開平04−028559(JP,A)
【文献】 実開平04−029043(JP,U)
【文献】 特開2006−015637(JP,A)
【文献】 特開2014−097619(JP,A)
【文献】 特開2014−076578(JP,A)
【文献】 特開2013−059953(JP,A)
【文献】 特開2006−126496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクタンクからインク供給流路を介して供給されるインクを、ノズルプレートを介して被記録媒体に噴射させるヘッド本体を備えたインクジェットヘッドのメンテナンス方法において、
前記ヘッド本体内の前記インクを前記インク供給流路側に吸引するとともに、前記ヘッド本体の外部から前記ヘッド本体の内部に、前記ノズルプレートを介して洗浄用流体を吸引する吸引工程と、
前記ヘッド本体の内部に、前記インク供給流路を介して前記インクを圧送する圧送工程と、
を有し、
前記吸引工程と前記圧送工程とを、少なくとも1回ずつ行い、
前記吸引工程では、前記ヘッド本体内の前記インクが前記インクタンクまで達することを特徴とするインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
【請求項2】
前記吸引工程において、前記ノズルプレートを介して吸引された前記洗浄用流体を、前記インクタンクまで送ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
【請求項3】
前記吸引工程の作動時間を、前記圧送工程の作動時間よりも長く設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
【請求項4】
前記吸引工程における前記洗浄用流体を吸引する圧力は、前記圧送工程における前記インクを圧送する圧力よりも高く設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
【請求項5】
前記吸引工程と前記圧送工程とを、それぞれ交互に複数回行うことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
【請求項6】
前記吸引工程の前記インクタンクでは撹拌機が駆動されることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法を用いたインクジェットヘッドを備えることを特徴とする液体噴射記録装置。
【請求項8】
インクタンクからインク供給流路を介して供給されるインクを、ノズルプレートを介して被記録媒体に噴射させるヘッド本体を備えたインクジェットヘッドをメンテナンスするためのメンテナンス装置において、
前記ノズルプレートを外側から封止するキャップと、
前記ヘッド本体内の前記インクを前記インク供給流路側に吸引するとともに、前記キャップに洗浄用流体を圧送し、前記インクタンクに、前記キャップ、前記ノズルプレート、および前記インク供給流路を介して前記洗浄用流体を圧送する流体圧送手段と、
前記キャップにより前記ノズルプレートが外側から封止された前記ヘッド本体の内部に、前記インク供給流路を介して前記インクを圧送するインク圧送手段と、
を備え
前記流体圧送手段は、前記ヘッド本体内の前記インクを前記インクタンクまで到達させることを特徴とするメンテナンス装置。
【請求項9】
前記洗浄用流体は前記インクと異なることを特徴とする請求項8に記載のメンテナンス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インクジェットヘッドのメンテナンス方法、液体噴射記録装置、およびメンテナンス装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、液体噴射記録装置、例えば各種印刷を行うインクジェットプリンタは、被記録媒体を搬送する搬送装置と、インクジェットヘッドと、を備えている。ここで用いられるインクジェットヘッドは、インクタンクからインク供給管を介してインクジェットヘッドにインクを供給する。インクジェットヘッドは、ノズル孔が形成されたノズルプレートを有するヘッドチップを備えており、ノズル孔からインクを被記録媒体に吐出することで記録を行っている。
【0003】
ところで、ヘッドチップ内部に、インクに混入した異物が侵入したり、ヘッドチップ内部のインクが凝固したりすると、ノズル孔が詰まる等してインクの吐出不良が生じてしまう。このため、例えば、インクジェットヘッドのインクタンク側(インク流路の上流側)やヘッドチップよりもインクタンク側のインク流路の途中に、ステンレス等により形成されたフィルタを設け、ヘッドチップ内に異物が侵入してしまうのを防止している。また、インクジェットヘッドに対して定期的にメンテナンスを行うことにより、ヘッドチップ内の異物や凝固物による詰まりを防止している。
【0004】
インクジェットヘッドに対するメンテナンス方法については、さまざまな技術が提案されている。例えば、ノズルプレートを外側からキャップにより封止し、ヘッドチップから吸い出したインクをキャップの封止空間部に貯留し、この貯留状態で加圧動作と減圧動作を交互に繰り返すことで、ノズルプレートを挟んでヘッドチップと封止空間部との間でインクを移動させる技術が提案されている。このようにメンテナンスを行うことにより、ヘッドチップ内の異物や凝固物の分散、再溶解を促進させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−221419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、ヘッドチップ内の異物や凝固物の分散、再溶解はできるものの、フィルタに付着した異物や凝固物の除去、分散、再溶解は困難である。つまり、フィルタは、ヘッドチップのインクタンク側やヘッドチップよりもインクタンク側のインク流路の途中に設けられるので、ノズルプレートを挟んでヘッドチップと封止空間部との間でインクを移動させただけでは、フィルタに付着した異物や凝固物の除去、分散、再溶解が困難である。このため、フィルタの詰まりによってインクジェットヘッドの吐出不良が生じるおそれがあるという課題がある。
【0007】
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、確実に吐出不良を防止できるインクジェットヘッドのメンテナンス方法、液体噴射記録装置、およびメンテナンス装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明に係るインクジェットヘッドのメンテナンス方法は、インクタンクからインク供給流路を介して供給されるインクを、ノズルプレートを介して被記録媒体に噴射させるヘッド本体を備えたインクジェットヘッドのメンテナンス方法において、前記ヘッド本体内の前記インクを前記インク供給流路側に吸引するとともに、前記ヘッド本体の外部から前記ヘッド本体の内部に、前記ノズルプレートを介して洗浄用流体を吸引する吸引工程と、前記ヘッド本体の内部に、前記インク供給流路を介して前記インクを圧送する圧送工程と、有し、前記吸引工程と前記圧送工程とを、少なくとも1回ずつ行い、前記吸引工程では、前記ヘッド本体内の前記インクが前記インクタンクまで達することを特徴とする。
【0009】
このような方法とすることで、例えば、インクタンクからヘッド本体に至る間にフィルタを設けた場合であっても、フィルタに付着した異物や凝固物を引き剥がすことができる。また、吸引工程と圧送工程を少なくとも1回ずつ行うことで、インクが撹拌され、凝固物の分散、再溶解が可能になる。このため、インクジェットヘッドの吐出不良を確実に防止できる。
【0010】
本発明に係るインクジェットヘッドのメンテナンス方法は、前記吸引工程において、前記ノズルプレートを介して吸引された前記洗浄用流体を、前記インクタンクまで送ることを特徴とする。
【0011】
このような方法とすることで、インク内の異物や凝固物を、インクタンクまで戻すことができる。つまり、インクタンクからヘッド本体までのインク流路において、インク内の異物や凝固物を確実に除去できる。
【0012】
本発明に係るインクジェットヘッドのメンテナンス方法は、前記吸引工程の作動時間を、前記圧送工程の作動時間よりも長く設定したことを特徴とする。
また、本発明に係るインクジェットヘッドのメンテナンス方法では、前記吸引工程における前記洗浄用流体を吸引する圧力は、前記圧送工程における前記インクを圧送する圧力よりも高く設定されていてもよい。
【0013】
このような方法とすることで、例えば、インクタンクからヘッド本体に至る間にフィルタを設けた場合であっても、フィルタに付着した異物や凝固物を、より確実に引き剥がすことができる。
【0014】
本発明に係るインクジェットヘッドのメンテナンス方法は、前記吸引工程と前記圧送工程とを、それぞれ交互に複数回行うことを特徴とする。
【0015】
このような方法とすることで、インクの撹拌が促進され、インク内の異物の除去、凝固物の分散、再溶解がより確実にできる。このため、インクジェットヘッドの吐出不良を、より確実に防止できる。
【0016】
本発明に係る液体噴射記録装置は、上記に記載のインクジェットヘッドのメンテナンス方法を用いたインクジェットヘッドを備えることを特徴とする。
【0017】
このような構成とすることで、確実に吐出不良を防止できる液体噴射記録装置を提供できる。
【0018】
本発明に係るメンテナンス装置は、インクタンクからインク供給流路を介して供給されるインクを、ノズルプレートを介して被記録媒体に噴射させるヘッド本体を備えたインクジェットヘッドをメンテナンスするためのインクジェットヘッドメンテナンス装置において、前記ノズルプレートを外側から封止するキャップと、前記ヘッド本体内の前記インクを前記インク供給流路側に吸引するとともに前記キャップに洗浄用流体を圧送し、前記インクタンクに、前記キャップ、前記ノズルプレート、および前記インク供給流路を介して前記洗浄用流体を圧送する流体圧送手段と、前記キャップにより前記ノズルプレートが外側から封止された前記ヘッド本体の内部に、前記インク供給流路を介して前記インクを圧送するインク圧送手段と、を備え、前記流体圧送手段は、前記ヘッド本体内の前記インクを前記インクタンクまで到達させることを特徴とする。
【0019】
このような構成とすることで、インクジェットヘッドのメンテナンスにおいて、インクタンクからヘッド本体に至る間のインク流路内における異物や凝固物の除去、分散、再溶解を確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、例えば、インクタンクからヘッド本体に至る間にフィルタを設けた場合であっても、フィルタに付着した異物や凝固物を引き剥がすことができる。また、吸引工程と圧送工程を少なくとも1回ずつ行うことで、インクが撹拌され、凝固物の分散、再溶解が可能になる。このため、インクジェットヘッドの吐出不良を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態における液体噴射記録装置およびメンテナンス装置の概略構成図である。
図2】本発明の第2実施形態における液体噴射記録装置およびメンテナンス装置の概略構成図である。
図3】本発明の第3実施形態における液体噴射記録装置およびメンテナンス装置の概略構成図である。
図4】本発明の第4実施形態における液体噴射記録装置およびメンテナンス装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(第1実施形態)
(液体噴射記録装置およびメンテナンス装置)
図1は、液体噴射記録装置1およびメンテナンス装置2の概略構成図である。
同図に示すように、液体噴射記録装置1は、不図示の被記録媒体(例えば、紙面)にインクを噴射するインクジェットヘッド3と、このインクジェットヘッド3にインクIを供給するインク供給手段4と、を主構成とし、メンテナンス装置2は、インクジェットヘッド3の後述のノズルプレート17を外側から封止するキャップ5を備えている。
【0024】
インク供給手段4は、インクIが貯留されるメインタンク6と、メインタンク6に第1供給路7を介して接続されておりインクIが貯留されるサブタンク8と、を備えている。
第1供給路7には、メインタンク6からサブタンク8へとインクIを供給するための第1ポンプ9が設けられている。
【0025】
サブタンク8には、このサブタンク8に貯留されているインクIを撹拌するための攪拌機10が設けられている。また、サブタンク8には、サブタンク8内の空間と外部との圧力差を解消するための第1大気開放バルブ11が設けられている。この第1大気開放バルブ11を開放することにより、サブタンク8の内外が連通され、サブタンク8内の空間と外部との圧力差が解消できるようになっている。
【0026】
また、サブタンク8は、第2供給路12を介してインクジェットヘッド3に接続されている。第2供給路12には、第2ポンプ13が設けられている。この第2ポンプ13は、正逆回転可能に構成され、サブタンク8からインクジェットヘッド3にインクIを圧送したり、インクジェットヘッド3内に滞留するインクIを吸引したりすることが可能である。
【0027】
なお、メインタンク6の容積は、サブタンク8の容積と比較して格段に大きく設定されているが、図1では、説明の都合上、ほぼ同じような容積で図示している。
また、第1供給路7や第2供給路12は、例えば可撓性を有するフレキシブルホース等により構成されている。これは、インクジェットヘッド3の動作(移動)に追従可能とするためである。
【0028】
インクジェットヘッド3は、このインクジェットヘッド3を走査させる不図示のキャリッジユニットに取り付けられており、ヘッド本体14を有している。ヘッド本体14は、第2供給路12を介して供給されたインクIが導入される圧力緩衝器15と、圧力緩衝器15を介して導入されるインクIを吐出するヘッドチップ16と、ヘッドチップ16のインク吐出面(図1における下端面)に設けられたノズルプレート17と、ヘッドチップ16の圧力緩衝器15側に設けられたフィルタ18と、を備えている。
【0029】
圧力緩衝器15は、第2供給路12の脈動等により生じるインクIの圧力変動を吸収するものである。圧力緩衝器15は、第2供給路12を介して供給されたインクIを一旦貯留した後、所定量のインクIをヘッドチップ16に供給するようになっている。
ヘッドチップ16は、駆動電圧を印加することにより変形する圧電基板(例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)セラミックス基板)であり、複数のチャネル(不図示)が形成されている。これらチャネルに、圧力緩衝器15を介して供給されたインクIが充填される。
【0030】
ヘッドチップ16のインク吐出面(図1における下端面)に設けられたノズルプレート17には、ヘッドチップ16のチャネルに連通する複数のノズル孔(不図示)が形成されている。
また、ヘッドチップ16の圧力緩衝器15側に設けられたフィルタ18は、ステンレス等により形成されている。フィルタ18を設けることによって、インクI内に混入する異物がヘッドチップ16に供給されてしまうことを防止できる。
【0031】
このような構成のもと、ヘッドチップ16に駆動電圧が印加されるとチャネルの容積が変化し、これにより、ノズルプレート17のノズル孔を介してインク滴が被記録媒体に向かって吐出される。このとき、不図示のキャリッジユニットによってインクジェットヘッド3が走査されると共に、被記録媒体が搬送されるので、被記録媒体の所定の範囲全体に亘って記録を行うことができる。
【0032】
一方、メンテナンス装置2のキャップ5は、被記録媒体が搬送される位置から外れてインクジェットヘッド3が待機する位置(以下、ホームポジションという)で、かつインクジェットヘッド3のノズルプレート17と対向する位置に設けられている。キャップ5は、インクジェットヘッド3側が開口された略箱状に形成されている。そして、キャップ5は、インクジェットヘッド3がホームポジションに位置している際、ノズルプレート17を外側から封止できるように構成されている。
【0033】
また、キャップ5には、第2大気開放バルブ19が取り付けられている。第2大気開放バルブ19の大気開放側には、エアフィルタ20が設けられている。このエアフィルタ20は、例えば不織布等で形成されている。エアフィルタ20を設けることにより、第2大気開放バルブ19を開放した際、外部からキャップ5内に異物が侵入しないようになっている。
さらに、キャップ5は、リターン路21を介してメインタンク6に接続されている。リターン路21には、キャップ5側から順にインクバルブ22、第3ポンプ23が設けられている。リターン路21は、キャップ5に滞留する余剰インクをメインタンク6に戻すためのものである。
【0034】
(インクジェットヘッドのメンテナンス方法)
次に、インクジェットヘッド3のメンテナンス方法について説明する。
ここで、上述した通り、液体噴射記録装置1の使用期間中は、第2ポンプ13を駆動させてサブタンク8からインクジェットヘッド3にインクIが供給される。このとき、インクI内に混入する異物等は、インクジェットヘッド3に設けられたフィルタ18によって行く手を阻まれ、このフィルタ18のインク上流側の面(フィルタ18における第2供給路12側の面)に付着する。また、長時間の使用によって生成されるインクの凝固物も、フィルタ18によって行く手を阻まれ、このフィルタ18のインク上流側の面に付着する。
【0035】
メンテナンスは、上記のように、主な目的としてフィルタ18に付着した異物や凝固物を除去、分散、再溶解するために行う。メンテナンスの作業頻度としては、液体噴射記録装置1の使用頻度にもよるが、例えば、1時間に1回行う。以下、1回のメンテナンス作業で行う方法を詳述する。
【0036】
まず、インクジェットヘッド3をホームポジションに戻し、インクジェットヘッド3のノズルプレート17を、外部からキャップ5によって封止する。
次に、第2大気開放バルブ19を開放すると共に、インクバルブ22を閉塞する。
次に、第2ポンプ13を駆動させてインクジェットヘッド3内のインクIをサブタンク8側に吸引する(吸引工程)。
【0037】
このとき、第2大気開放バルブ19が開放されているので、エアフィルタ20、キャップ5、ノズルプレート17を介し、空気(洗浄用流体)がヘッド本体14内に吸引される。その空気は、ヘッド本体14の内部に蓄えられたインクIと共にフィルタ18に達し、フィルタの下流側から上流側へ通過する。すると、フィルタ18に付着した異物や凝固物が、フィルタ18から引き剥がされ、第2供給路12側に吸引される。
【0038】
ここで、吸引工程による第2ポンプ13の駆動時間は、エアフィルタ20、キャップ5、ノズルプレート17を介してヘッド本体14内に吸引された空気が、サブタンク8まで到達する時間に設定されている。これにより、フィルタ18に付着した異物や凝固物を、サブタンク8まで到達させることができる。
サブタンク8では、攪拌機10が駆動されており、サブタンク8内に到達した凝固物が撹拌されることにより、分散、最溶解される。また、サブタンク8内に到達した異物もサブタンク8内に分散される。
【0039】
次に、第2ポンプ13を逆転駆動させ、再びサブタンク8からインクジェットヘッド3にインクIを供給する(圧送工程)。
このとき、第2大気開放バルブ19が開放されているので、インクIの供給に伴って、インクジェットヘッド3内の空気が第2大気開放バルブ19を介して大気に放出される。このため、キャップ5内の空気圧が高まるのを防止できる。また、インクIがフィルタ18を通過する際の衝撃で、吸引工程によって引き剥がしきれなかった異物や凝固物が、引きはがれやすい状態にすることができる。
【0040】
ここで、メンテナンス作業においては、圧送工程による第2ポンプ13の駆動時間は、インクIがフィルタ18を通過してヘッドチップ16まで到達する程度の時間でよい。つまり、吸引工程による第2ポンプ13の駆動時間を、圧送工程による第2ポンプ13の駆動時間よりも長く設定することが望ましい。圧送工程において、第2ポンプ13を長時間駆動すると、ノズルプレート17を介してキャップ5内にインクIが漏れ出てしまうからである。
また、圧送工程によるインクIへの圧力よりも、吸引工程によるインクI(空気)への圧力を、高く設定することが望ましい。このように設定することで、フィルタ18に付着した異物や凝固物の引き剥がし力を高めることができる。
なお、吸引工程時の圧力、および圧送工程時の圧力は、例えば、約10kpa前後の範囲で設定される。
【0041】
また、第2大気開放バルブ19は、圧送工程において、インクIがキャップ5まで到達する時間に閉塞する。このようにすることで、第2大気開放バルブ19を介して大気にインクIが漏れ出てしまうことを防止できる。
【0042】
圧送工程が終了した後、再び吸引工程を行う。圧送工程後の吸引工程では、前回の吸引工程でフィルタ18から引き剥がれなかった異物や凝固物を引き剥がし、再びサブタンク8へと戻す。
そして、上記吸引工程と上記圧送工程を交互に複数回(例えば、10回程度)繰り返す。これにより、1回のメンテナンス作業が完了する。
【0043】
なお、キャップ5に漏れ出たインクIは、インクバルブ22を開放し、第3ポンプ23を駆動することによって、メインタンク6に戻される。
その後、再び、ヘッドチップ16へのインクIの充填作業を行う。この際、ノズルプレート17のノズル孔(不図示)に、適正なメニスカス(液体表面形状)を形成するようにする。このようにすることで、インク充填後におけるインクジェットヘッド3の吐出を安定させることができる。
【0044】
したがって、上述の第1実施形態によれば、上記吸引工程と、上記圧送工程を交互に繰り返すことにより、フィルタ18に付着した異物や凝固物を引き剥がすことができる。
また、吸引工程において、異物や凝固物をサブタンク8に戻すことで、これら異物や凝固物の分散、再溶解が可能になる。このため、インクジェットヘッド3の吐出不良を確実に防止できる。
【0045】
また、吸引工程による第2ポンプ13の駆動時間を、圧送工程による第2ポンプ13の駆動時間よりも長く設定することにより、フィルタ18に付着した異物や凝固物を、確実にサブタンク8まで戻すことができる。さらに、圧送工程によるインクIへの圧送圧力よりも、吸引工程によるインクI(空気)への吸引圧力を、高く設定することにより、フィルタ18に付着した異物や凝固物の引き剥がし力を高めることができる。
このため、フィルタ18の詰まりを確実に防止でき、インクジェットヘッド3の吐出不良を確実に防止できる。
【0046】
(第2実施形態)
(液体噴射記録装置およびメンテナンス装置)
次に、図2に基づいて、この発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する(以下の実施形態についても同様)。
図2は、第2実施形態における液体噴射記録装置1およびメンテナンス装置2の概略構成図である。
同図に示すように、第2実施形態では、インクジェットヘッド3のメンテナンス時の吸引工程において、インクジェットヘッド3から吸引したインクIを、サブタンク8に戻さず、メインタンク6に戻す構成となっている。この点、前述の第1実施形態と相違する。
【0047】
より具体的に説明する。
第2実施形態における液体噴射記録装置1には、サブタンク8とインクジェットヘッド3とを接続する第2供給路12から分岐され、第2供給路12とメインタンク6とを接続するメンテナンス路31が設けられている。そして、メンテナンス路31とメインタンク6との分岐部には、三方切換バルブ32が設けられている。
【0048】
また、サブタンク8に、このサブタンク8からインクジェットヘッド3にインクIを供給するための圧送用ポンプ33が設けられている一方、メンテナンス路31に、インクジェットヘッド3のメンテナンス用のメンテナンスポンプ34が設けられている。
そして、第2実施形態の第2供給路12には、前述の第1実施形態のように、第2ポンプ13が設けられていない。さらに、前述の第1実施形態でサブタンク8に設けられていた第1大気開放バルブ11および攪拌機10は、第2実施形態では、それぞれメインタンク6に設けられている。
【0049】
(液体噴射記録装置の使用方法、およびインクジェットヘッドのメンテナンス方法)
このような構成のもと、通常、液体噴射記録装置1を使用する際は、三方切換バルブ32により、サブタンク8からインクジェットヘッド3に至る流路(第2供給路12)を開放(連通)する。一方、メンテナンス路31への流路を閉塞する。そして、圧送用ポンプ33を駆動し、空気をサブタンク8内に圧送する。すると、サブタンク8内の空気圧が高まり、サブタンク8からインクジェットヘッド3へとインクIが圧送される。これにより、インクジェットヘッド3にインクIが供給され、インクジェットヘッド3から不図示の被記録媒体にインク滴が吐出される。
【0050】
次に、インクジェットヘッド3のメンテナンスを行う場合について説明する。
まず、吸引工程について説明する。
吸引工程を行う場合、三方切換バルブ32により、メンテナンス路31から第2供給路12の下流側を経てインクジェットヘッド3に至る流路を開放(連通)する。一方、第2供給路12の上流側(サブタンク8側)への流路を閉塞する。また、第2大気開放バルブ19を開放すると共に、インクバルブ22を閉塞する。そして、この状態でメンテナンスポンプ34を駆動させてインクジェットヘッド3内のインクIをメインタンク6側に吸引する。このとき、三方切換バルブ32により、インクジェットヘッド3内のインクIと、ノズルプレート17を介して吸引された空気とがサブタンク8側に送られることがなく、メインタンク6側に送られる。
【0051】
ここで、第2実施形態では、吸引工程によるメンテナンスポンプ34の駆動時間は、エアフィルタ20、キャップ5、ノズルプレート17を介してヘッド本体14内に吸引された空気が、メインタンク6まで到達する時間に設定されている。これにより、フィルタ18に付着した異物や凝固物を、メインタンク6まで到達させることができる。
メインタンク6では、攪拌機10が駆動されており、メインタンク6内に到達した凝固物が撹拌されることにより、分散、最溶解される。また、メインタンク6内に到達した異物もメインタンク6内に分散される。
【0052】
続いて、圧送工程について説明する。
圧送工程を行う場合、液体噴射記録装置1を使用する場合と同様に、三方切換バルブ32により、サブタンク8からインクジェットヘッド3に至る流路(第2供給路12)を開放(連通)する。一方、メンテナンス路31への流路を閉塞する。そして、圧送用ポンプ33を駆動し、サブタンク8からインクジェットヘッド3へとインクIを供給する。そして、これら吸引工程と圧送工程とを交互に繰り返し行うことにより、インクジェットヘッド3のメンテナンスが終了する。
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0053】
なお、上述の第2実施形態では、インクジェットヘッド3のメンテナンス作業において、吸引工程を行う場合と圧送工程を行う場合とで三方切換バルブ32を切換えることにより、メンテナンスポンプ34をインクIの吸引用としてのみ使用する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、インクジェットヘッド3のメンテナンス作業において、メンテナンスポンプ34をインクIの圧送、吸引の何れにも使用するように構成してもよい。
【0054】
この場合、インクジェットヘッド3のメンテナンスを行う間、三方切換バルブ32により、メンテナンス路31を開放し続けると共に、第2供給路12の上流側(サブタンク8側)への流路を閉塞し続ける。そして、メンテナンスポンプ34を駆動し、吸引工程と圧送工程とを交互に繰り返し行う。このようなメンテナンス方法であっても、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0055】
(第3実施形態)
(液体噴射記録装置およびメンテナンス装置)
次に、図3に基づいて、この発明の第3実施形態について説明する。
図3は、第3実施形態における液体噴射記録装置1およびメンテナンス装置2の概略構成図である。
同図に示すように、前述の第1実施形態と第3実施形態との相違点は、前述の第1実施形態では、第2供給路12に第2ポンプ13を設け、この第2ポンプ13によりサブタンク8からインクジェットヘッド3にインクIを圧送したり、インクジェットヘッド3内に滞留するインクIを吸引したりしたが、第3実施形態では、サブタンク8からインクジェットヘッド3にインクIを圧送するポンプと、インクジェットヘッド3内に滞留するインクIをサブタンク8に圧送して戻すポンプとが別々に設けられている点にある。
【0056】
より具体的に説明する。
すなわち、第3実施形態の第2供給路12には、前述の第1実施形態のように、第2ポンプ13が設けられていない。そして、サブタンク8に、このサブタンク8からインクジェットヘッド3にインクIを供給するための第1圧送用ポンプ43が設けられている。
一方、メンテナンス装置2の第2大気開放バルブ19とエアフィルタ20との間には、インクジェットヘッド3のヘッド本体14に空気(洗浄用流体)を圧送するための第2圧送用ポンプ44が設けられている。
【0057】
(インクジェットヘッドのメンテナンス方法)
次に、インクジェットヘッド3のメンテナンス方法について説明する。
なお、第3実施形態における液体噴射記録装置1の通常の使用方法については、前述の第2実施形態の方法と実質同様であるので、詳細な説明を省略する。すなわち、前述の第2実施形態では、圧送用ポンプ33を用いてインクジェットヘッド3にインクIを供給していたが、第3実施形態では、圧送用ポンプ33に代えて第1圧送用ポンプ43が用いられている。
【0058】
まず、吸引工程について説明する。
吸引工程を行う場合、第2大気開放バルブ19を開放すると共に、インクバルブ22を閉塞する。そして、この状態で第2圧送用ポンプ44を駆動し、エアフィルタ20を介して第2圧送用ポンプ44に取り込まれた空気を、第2大気開放バルブ19、キャップ5、ノズルプレート17を介してヘッド本体14内に圧送する。すると、ヘッド本体14内のインクIが、空気に押圧されてサブタンク8に戻る。
【0059】
次に、圧送工程について説明する。
圧送工程を行う場合、液体噴射記録装置1を使用する場合と同様に、圧送用ポンプ43を駆動し、サブタンク8からインクジェットヘッド3へとインクIを供給する。
そして、これら吸引工程と圧送工程とを交互に繰り返し行うことにより、インクジェットヘッド3のメンテナンスが終了する。
【0060】
したがって、上述の第3実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。これに加え、ヘッド本体14内のフィルタ18に、このフィルタ18から異物や凝固物を引き剥がす方向に向かって作用する空気圧を高めることができるので、フィルタ18に付着した異物や凝固物を、引き剥がしやすくすることができる。
【0061】
(第4実施形態)
次に、図4に基づいて、この発明の第4実施形態について説明する。
図4は、第4実施形態における液体噴射記録装置1およびメンテナンス装置2の概略構成図である。
同図に示すように、前述の第2実施形態と第4実施形態との相違点は、前述の第2実施形態では、メンテナンス路31にメンテナンスポンプ34を設け、このメンテナンスポンプ34により吸引工程を行ったが、第4実施形態では、吸引工程用のポンプをメンテナンス路31とは別に設ける点にある。
【0062】
より具体的に説明する。
すなわち、第4実施形態のメンテナンス路31には、前述の第2実施形態のように、メンテナンスポンプ34が設けられていない。
一方、メンテナンス装置2の第2大気開放バルブ19とエアフィルタ20との間には、インクジェットヘッド3のヘッド本体14に空気(洗浄用流体)を圧送するためのメンテナンスポンプ51が設けられている。
【0063】
(インクジェットヘッドのメンテナンス方法)
次に、インクジェットヘッド3のメンテナンス方法について説明する。
なお、第4実施形態における液体噴射記録装置1の通常の使用方法、およびインクジェットヘッド3のメンテナンス時における圧送工程については、前述の第2実施形態の方法と同様であるので、説明を省略する。
【0064】
吸引工程を行う場合、第2大気開放バルブ19を開放すると共に、インクバルブ22を閉塞する。また、三方切換バルブ32により、メンテナンス路31から第2供給路12の下流側を経てインクジェットヘッド3に至る流路を開放(連通)する。一方、第2供給路12の上流側(サブタンク8側)への流路を閉塞する。そして、この状態でメンテナンスポンプ51を駆動し、エアフィルタ20を介してメンテナンスポンプ51に取り込まれた空気を、第2大気開放バルブ19、キャップ5、ノズルプレート17を介してヘッド本体14内に圧送する。すると、ヘッド本体14内のインクIが、空気に押圧され、メンテナンス路31を介してメインタンク6に戻る。
【0065】
また、このとき、三方切換バルブ32により、インクジェットヘッド3内のインクIと、ノズルプレート17を介して吸引された空気とがサブタンク8側に送られることがなく、メインタンク6側に送られる。
したがって、上述の第4実施形態によれば、前述の第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0066】
なお、上述の第4実施形態では、インクジェットヘッド3のメンテナンス作業において、吸引工程を行う場合と圧送工程を行う場合とで三方切換バルブ32を切換えることにより、メンテナンスポンプ51を、メインタンク6にインクIを押し戻すためにのみ(吸引工程のみ)に使用する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、インクジェットヘッド3のメンテナンス作業において、メンテナンスポンプ51を圧送工程と吸引工程の何れにも使用するように構成してもよい。
【0067】
この場合、インクジェットヘッド3のメンテナンスを行う間、三方切換バルブ32により、メンテナンス路31を開放し続けると共に、第2供給路12の上流側(サブタンク8側)への流路を閉塞し続ける。そして、メンテナンスポンプ51を駆動し、吸引工程と圧送工程とを交互に繰り返し行う。このようなメンテナンス方法であっても、前述の第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0068】
また、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、ヘッドチップ16の圧力緩衝器15側に、フィルタ18を設けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではない。
すなわち、第1、第3実施形態においては、サブタンク8からインクジェットヘッド3に至る間のインク流路の途中であれば、何れの箇所にフィルタ18を設けてもよい。また、第2、第4実施形態においては、三方切換バルブ32からインクジェットヘッド3に至る間のインク流路の途中でれば、何れの箇所にフィルタ18を設けてもよい。
【0069】
また、上述の実施形態では、インクジェットヘッド3の1回のメンテナンス作業で、吸引工程と圧送工程とを、交互に10回ずつ行う場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、吸引工程と圧送工程とを、少なくとも1回ずつ行えばよい。
さらに、上述の実施形態では、インクジェットヘッド3のメンテナンス時における吸引工程において、インクIの吸引時間を、サブタンク8、またはメインタンク6に空気が戻るまでの時間に設定した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、吸引工程において、サブタンク8、またはメインタンク6まで空気を戻さなくてもよい。このような場合でも、吸引工程と圧送工程とを交互に繰り返し行うことにより、インク供給路内で異物や凝固物が撹拌され、分解、再溶解される。
【0070】
また、上述の実施形態では、インクジェットヘッド3のメンテナンス時における吸引工程において、外部から空気を取り込みながらインクIを吸引する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、インクIと混合することのない、洗浄用の液体を、空気に代わって取り込みながら吸引工程を行うことも可能である。但し、この場合、吸引工程において、サブタンク8やメインタンク6に、その洗浄用の液体が混入しないように注意する必要がある。
【符号の説明】
【0071】
1…液体噴射記録装置 2…メンテナンス装置(インクジェットヘッドメンテナンス装置) 3…インクジェットヘッド 5…キャップ 6…メインタンク(インクタンク) 8…サブタンク(インクタンク) 12…第2供給路(インク供給流路) 14…ヘッド本体 17…ノズルプレート 31…メンテナンス路(インク供給流路) 44…第2圧送用ポンプ(流体圧送手段) 51…メンテナンスポンプ(流体圧送手段) I…インク
図1
図2
図3
図4