(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両のインストルメントパネルにおけるフロントガラスとの対向壁に嵌め込まれて当該インストルメントパネル内に配置された画像投影機が前記フロントガラスに画像を投影するための開口の周縁の全部を形成するベゼル部材を有するベゼル体であって、
前記ベゼル部材の内側に設けられ、前記ベゼル部材に向かって光を照射する光源部を備え、
前記ベゼル部材が、前記光源部から照射された光が前記フロントガラスに投影されるように、全体が前記光源部の光を透過するように構成され、かつ、前記開口の周縁の全部を形成するように平面視環状に形成され、
前記光源部が前記ベゼル部材の全体に光を照射するように設けられ、
前記ベゼル部材が、該ベゼル部材の外縁部から内縁部に向かうに従って厚さが徐々に変化するように形成されている
ことを特徴とするベゼル体。
車両のインストルメントパネルにおけるフロントガラスとの対向壁に嵌め込まれて当該インストルメントパネル内に配置された画像投影機が前記フロントガラスに画像を投影するための開口の周縁の一部又は全部を形成するベゼル部材を有するベゼル体であって、
前記ベゼル部材の内側に設けられ、前記ベゼル部材に向かって光を照射する光源部を備え、
前記ベゼル部材が、前記光源部から照射された光が前記フロントガラスに投影されるように、少なくとも一部が前記光源部の光を透過するように構成され、
前記ベゼル体における前記光源部から照射された光を透過させる部分が、前記フロントガラスに所定の情報を示す記号の形状を有している
ことを特徴とするベゼル体。
車両のインストルメントパネル内に配置された画像投影機と、前記インストルメントパネルにおけるフロントガラスとの対向壁に嵌め込まれて前記画像投影機が前記フロントガラスに画像を投影するための開口の周縁の一部又は全部を形成するベゼル部材を有するベゼル体と、を備える車両用表示装置であって、
前記ベゼル体が、請求項1〜3のいずれか1項に記載のベゼル体で構成されている
ことを特徴とする車両用表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像投影機701は、表示源711と、表示源からの画像を反射するための反射部712と、表示源711及び反射部712が収容される筐体713と、を有している。筐体713の上面には開口713aが形成されている。画像投影機701は、表示源711により投影された画像を反射部712で反射して開口713aを通じてフロントガラスFに投影する。これにより、車両の搭乗者がフロントガラスF上に表示された画像として認識する。
図16に示すEPは、この搭乗者のアイポイントを示している。
【0005】
しかしながら、車両用表示装置700によりフロントガラスF上に表示される画像の視認性を向上させたり、搭乗者に対して注意喚起をしたり、車両用表示装置700により表示される画像以外の情報をフロントガラスF上に表示させたりするなど、光を用いて、様々な視覚効果を演出することが求められていた。
【0006】
従って、本発明は、上記のような問題点に着目し、光を用いて、様々な視覚効果を演出することができるベゼル体及びそれを備えた車両用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、車両のインストルメントパネルにおけるフロントガラスとの対向壁に嵌め込まれて当該インストルメントパネル内に配置された画像投影機が前記フロントガラスに画像を投影するための開口の周縁
の全部を形成するベゼル部材を有するベゼル体であって、前記ベゼル部材の内側に設けられ、前記ベゼル部材に向かって光を照射する光源部を備え、前記ベゼル部材が、前記光源部から照射された光が前記フロントガラスに投影されるように、
全体が前記光源部の光を透過するように構成され
、かつ、前記開口の周縁の全部を形成するように平面視環状に形成され、前記光源部が前記ベゼル部材の全体に光を照射するように設けられ、前記ベゼル部材が、該ベゼル部材の外縁部から内縁部に向かうに従って厚さが徐々に変化するように形成されていることを特徴とするベゼル体である。
【0008】
請求項2に記載された発明は、
車両のインストルメントパネルにおけるフロントガラスとの対向壁に嵌め込まれて当該インストルメントパネル内に配置された画像投影機が前記フロントガラスに画像を投影するための開口の周縁の一部又は全部を形成するベゼル部材を有するベゼル体であって、前記ベゼル部材の内側に設けられ、前記ベゼル部材に向かって光を照射する光源部を備え、前記ベゼル部材が、前記光源部から照射された光が前記フロントガラスに投影されるように、少なくとも一部が前記光源部の光を透過するように構成され、前記ベゼル体における前記光源部から照射された光を透過させる部分が、前記フロントガラスに所定の情報を示す記号の形状を有していることを特徴とするベゼル体である。
【0009】
請求項3に記載された発明は、請求項
1に記載された発明において、
前記光源部が、前記ベゼル部材の外縁部及び内縁部の少なくとも一方に対向して配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載された発明は、
車両のインストルメントパネル内に配置された画像投影機と、前記インストルメントパネルにおけるフロントガラスとの対向壁に嵌め込まれて前記画像投影機が前記フロントガラスに画像を投影するための開口の周縁の一部又は全部を形成するベゼル部材を有するベゼル体と、を備える車両用表示装置であって、前記ベゼル体が、請求項1〜3のいずれか1項に記載のベゼル体で構成されていることを特徴とする車両用表示装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項
1及び2に記載された発明によれば、ベゼル部材の内側に設けられ、ベゼル部材に向かって光を照射する光源部を備え、ベゼル部材が、光源部から照射された光がフロントガラスに投影されるように、少なくとも一部が光源部の光を透過するように構成されている。このことから、画像投影機によりフロントガラスに投影される画像以外に光源部から照射された光を用いて、様々な視覚効果を演出することができる。
【0014】
請求項
1に記載された発明によれば、ベゼル部材の全体が光源部の光を透過するように構成され、かつ、ベゼル部材が開口の周縁の全部を形成するように平面視環状に形成されている。このことから、画像投影機によりフロントガラスに投影された画像の周囲を光源部からの光が囲むように投影され、画像投影機によりフロントガラスに投影された画像の視認性を向上させたり、搭乗者に対して注意喚起をしたりすることができる。
【0015】
請求項3に記載された発明によれば、光源部が、ベゼル部材の外縁部及び内縁部の少なくとも一方に光を照射するように配置されている。このことから、画像投影機によりフロントガラスに投影された画像の周囲を光源部からの光が囲むように投影され、画像投影機によりフロントガラスに投影された画像の視認性を向上させたり、搭乗者に対して注意喚起をしたりすることができる。
【0016】
請求項
1に記載された発明によれば、ベゼル部材が、ベゼル部材の外縁部から内縁部に向かうに従って厚さが徐々に変化するように形成されている。このことから、光源部から照射された光が、画像投影機によりフロントガラスに投影された画像の周囲を囲んで、投影された画像から外方に向かって光の強さが連続的に変化するように投影され、画像投影機がフロントガラスに投影した画像の視認性を向上させたり、搭乗者に対して注意喚起をしたりすることができる。
【0017】
請求項
2に記載された発明によれば、ベゼル体における光源部から照射された光を透過させる部分が、フロントガラスに所定の情報を示す記号の形状を有している。このことから、光源部から照射されてベゼル体の光を透過させる部分を透過した光が、所定の情報を示す記号の形状を有してフロントガラスに投影されることとなり、画像投影機により投影された画像以外にも所定の情報をフロントガラスに示すことができる。
【0018】
請求項
4に記載された発明によれば、請求項
1〜3のいずれか1項に記載のベゼル体を備えることから、画像投影機がフロントガラスに投影する画像以外に光源部から照射された光を用いて、様々な視覚効果を演出することができることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態にかかる車両用表示装置及びベゼル体を
図1〜
図4を参照して説明する。
【0021】
本実施形態の車両用表示装置1は、車両VのインストルメントパネルIに取り付けられ、フロントガラスFに対して投影を行うヘッドアップディスプレイ装置として用いられるものであり、画像投影機10と、ベゼル体20と、を備えている。なお、本実施形態において、上下方向、前後方向及び左右方向は車両Vにおける上下方向、前後方向及び左右方向に対応する。
【0022】
画像投影機10は、
図1、
図2に示すように、表示源11と、表示源11からの画像を反射する反射部12と、表示源11及び反射部12が収容される筐体13と、が設けられている。筐体13は、合成樹脂を用いた箱状に形成され、上面壁13aと、底壁13bと、周壁13cと、上面壁13aに設けられた開口13dと、を有している。開口13dは、後述するベゼル部材21の開口213と重ねて配置される。また、画像投影機10は、表示源11により投影された画像を反射部12で反射して開口13dを通じてフロントガラスFの領域R1(
図4参照)に投影する。これにより、車両Vの搭乗者がフロントガラスF上に表示された画像として認識する。
【0023】
ベゼル体20は、インストルメントパネルIのフロントガラスFとの対向壁Aに設けられた孔Kに嵌め込まれるベゼル部材21と、ベゼル部材21に向かって光を照射する光源部22と、ベゼル部材に設けられた後述する開口213に取り付けられるカバー23と、を備えている。カバー23が取り付けられていることにより、開口313から埃や水が内部に侵入することを防止することができる。
【0024】
ベゼル部材21は、光透過性の合成樹脂を用いて、平面視環状に形成されている。ベゼル部材21は、外縁部211から内縁部212に向かうに従って徐々に下方に向かうように形成されている。ベゼル部材21には、画像投影機10がフロントガラスFに画像を投影するための開口213が形成されている。すなわち、ベゼル部材21は開口213の周縁の全部を形成している。ベゼル部材21は、光拡散剤を含有する合成樹脂により形成されていてもよい。また、ベゼル部材21と光源部22との間に光を拡散するための光拡散部材(不図示)が配置されていてもよい。
【0025】
ベゼル部材21は、
図2に示すように、対向壁Aに設けられた孔Kに嵌め込まれると、ベゼル部材21の外縁部211が対向壁Aと連なるように配置され、ベゼル部材21の外面(上面)と対向壁Aの外面とがなめらかに連続するように配置される。このとき、ベゼル部材21の開口213と画像投影機10の開口13dとが上下方向に重なって配置される。また、ベゼル部材21は、ベゼル部材21とインストルメントパネルIの対向壁AとのフロントガラスFへの映り込みの差が目立たないようにするために、例えば、対向壁Aと同様の見た目とする色合いの調整や表面加工などが行われている。
【0026】
光源部22は、
図2に示すように、ベゼル部材21の外縁部211の内側(下側)全体と対向するように配置されている。また、光源部22は、LED等の光源を有しており、ベゼル部材21に向かって光を照射することができる。ベゼル部材21に向かって照射された光は、ベゼル部材21を透過してフロントガラスFに投影される。
【0027】
図4は、光源部22から照射された光がフロントガラスFに投影された状態を模式的に示す図である。
図4に示すように、画像投影機10によりフロントガラスFに投影された画像が表示される領域R1は、光源部22から照射された光が投影される領域R2により囲まれている。また、
図2に示すように、光源部22がベゼル部材21の外縁部211の内側(下側)に配置されていることから、光源部22からベゼル部材21を通じてフロントガラスFに投影された光は、領域R2の内周から外周に向かうに従って徐々に明るくなるように変化している。また、光拡散剤を含有する合成樹脂によりベゼル部材21が形成されている場合や、ベゼル部材21と光源部22との間に光を拡散するための光拡散部材が配置されている場合には、ベゼル部材21又は光拡散部材によって光源部22から照射された光が拡散されて、例えば光源部22におけるLED等の光源の配置に起因したフロントガラスFに投影される光のムラを抑制することができる。
【0028】
本実施形態によれば、車両用表示装置1が備えるベゼル体20は、ベゼル部材21の内側に設けられ、ベゼル部材21に向かって光を照射する光源部22を備え、ベゼル部材21が、光源部22から照射された光がフロントガラスFに投影されるように、光源部22の光を透過するように構成されている。このことから、画像投影機10によりフロントガラスFに投影される画像以外に光源部22から照射された光を用いて、様々な視覚効果を演出することができる。
【0029】
また、ベゼル部材21が、光透過性の合成樹脂を用いて形成され、開口213の周縁の全部を形成するように平面視環状に形成されている。このことから、画像投影機10によりフロントガラスFに投影された画像の周囲を光源部22からの光が囲むように投影され、画像投影機10によりフロントガラスFに投影された画像の視認性を向上させたり、搭乗者に対して注意喚起をしたりすることができる。
【0030】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形例等も本発明に含まれる。
【0031】
本実施形態においては、光源部22がベゼル部材21の外縁部211の内側(下側)全体と対向するように配置されていたが、本発明のベゼル部材においては、光源部22がベゼル部材21の外縁部211及び内縁部212の少なくとも一方に光を照射するように配置されていればよく、
図3に示す車両用表示装置1Aのように、光源部22がベゼル部材21の内縁部212の内側(下側)全体と対向するように配置されていてもよい。この場合、
図5に示すように、光源部22からベゼル部材21を通じてフロントガラスFに投影された光は、領域R2の内周から外周に向かうに従って徐々に暗くなるように変化している。
【0032】
また、光源部22がベゼル部材21の外縁部211及び内縁部212の内側(下側)全体と対向するように配置されていてもよい。この場合、光源部22からベゼル部材21を通じてフロントガラスFに投影された光は、領域R2の内周及び外周から中間部分に向かうに従って徐々に暗くなるように変化する。
【0033】
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態にかかる車両用表示装置を
図4〜
図11を参照して説明する。なお、本実施形態において、前述した第一実施形態と同一構成部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0034】
本実施形態の車両用表示装置は、車両VのインストルメントパネルIに取り付けられ、フロントガラスFに対して投影を行うヘッドアップディスプレイ装置として用いられるものであり、画像投影機10(
図1、
図2参照)と、ベゼル体30と、を備えている。
【0035】
ベゼル体30は、
図6に示すように、インストルメントパネルIのフロントガラスFとの対向壁Aに設けられた孔Kに嵌め込まれるベゼル部材31と、ベゼル部材31に向かって光を照射する光源部22と、ベゼル部材31に設けられた後述する開口313に取り付けられるカバー23と、を備えている。
【0036】
ベゼル部材31は、第一実施形態のベゼル部材21と形状が異なるベゼル部材である。
図6に示すように、ベゼル部材31は、外縁部311から内縁部312に向かうに従って徐々に下方に向かうとともに、厚さが徐々に厚くなるように形成されている。ベゼル部材31には、画像投影機10がフロントガラスFに画像を投影するための開口313が形成されている。すなわち、ベゼル部材31は開口313の周縁の全部を形成している。
【0037】
光源部22は、例えば、LEDアレイや有機EL照明モジュール等を用いて、ベゼル部材31と略同一の平面視環状に面発光するように構成されている。ベゼル部材31の外縁部311から内縁部312に亘ってベゼル部材31の内側(下側)と対向するように配置されている。これにより、光源部22から照射された光は、ベゼル部材31全体に向かって照射される。
【0038】
図4は、光源部22から照射された光がフロントガラスFに投影された状態を模式的に示す図である。
図6に示すように、ベゼル部材31が、外縁部311から内縁部312に向かうに従って厚さが徐々に厚くなるように形成されていることから、厚く形成された内縁部312部分においては、光源部22からの光が透過されにくくなる。このことから、光源部22からベゼル部材31を通じてフロントガラスFに投影された光は、領域R2の内周から外周に向かうに従って徐々に明るくなるように変化している。
【0039】
本実施形態によれば、ベゼル部材31が、ベゼル部材31の外縁部311から内縁部312に向かうに従って厚さが徐々に厚くなるように形成されている。このことから、光源部22から照射された光が、画像投影機10によりフロントガラスFの領域R1に投影された画像の周囲を囲んで、投影された画像から外方に向かって光の強さが連続的に明るくなるように投影され、画像投影機10がフロントガラスFに投影した画像の視認性を向上させたり、搭乗者に対して注意喚起をしたりすることができる。
【0040】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形例等も本発明に含まれる。
【0041】
本実施形態においては、ベゼル部材31が、外縁部311から内縁部312に向かうに従って厚さが徐々に厚くなるように形成されていたが、本発明のベゼル部材は、ベゼル部材の外縁部から内縁部に向かうに従って厚さが徐々に変化するように形成されていればよく、
図7に示すベゼル体30Aのように、ベゼル部材31Aの外縁部311Aから内縁部312Aに向かうに従って厚さが徐々に薄くなるように形成されていてもよい。この場合、
図5に示すように、光源部22からベゼル部材31Aを通じてフロントガラスFに投影された光は、領域R2の内周から外周に向かうに従って徐々に明るくなるように変化している。
【0042】
また、ベゼル部材は、外縁部から内縁部に向かうに従って一様に厚さが変化するように形成されていなくてもよく、例えば、
図8に示すベゼル体30Bのように、ベゼル部材31Bの外縁部311Bから内縁部312Bに向かうに従って厚さが徐々に厚くなるように形成され、所定の箇所から内縁部312Bに向かうに従って徐々に薄くなるように形成されていてもよい。この場合、
図10に示すように、光源部22からベゼル部材31Bを通じてフロントガラスFに投影された光は、領域R2の内周及び外周が暗く、内周及び外周から中間部に向かうに従って徐々に明るくなるように変化している。
【0043】
また、ベゼル部材は、
図9に示すベゼル体30Cのように、ベゼル部材31Cの外縁部311Cから内縁部312Cに向かうに従って厚さが徐々に薄くなるように形成され、所定の箇所から内縁部312Cに向かうに従って徐々に厚くなるように形成されていてもよい。この場合、
図11に示すように、光源部22からベゼル部材31Cを通じてフロントガラスFに投影された光は、領域R2の内周及び外周が明るく、内周及び外周から中間部に向かうに従って徐々に暗くなるように変化している。
【0044】
また、本発明のベゼル部材は上記の形状に限られず、ベゼル部材の外縁部及び内縁部に向かうに従って、厚さが徐々に厚くなるように形成された部分と、徐々に薄くなるように形成された部分と、が複数回繰り返されて形成されていてもよい。
【0045】
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態にかかる車両用表示装置3を
図12〜
図15を参照して説明する。なお、本実施形態において、前述した第一実施形態と同一構成部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
本実施形態の車両用表示装置3は、車両VのインストルメントパネルIに取り付けられ、フロントガラスFに対して投影を行うヘッドアップディスプレイ装置として用いられるものであり、画像投影機10(
図1、
図2参照)と、ベゼル体40と、を備えている。
【0047】
ベゼル体40は、インストルメントパネルIのフロントガラスFとの対向壁Aに設けられた孔Kに嵌め込まれるベゼル部材41と、ベゼル部材41に向かって光を照射する光源部22と、ベゼル部材41に設けられた後述する開口413に取り付けられるカバー23と、を備えている(
図1、
図2参照)。本実施形態において、光源部22は、ベゼル部材21の後述する光透過部分414の内側(下側)と対向するように配置されている。
【0048】
図12は、ベゼル部材41を裏側(インストルメントパネルIに嵌め込まれたときの下方側)から見た平面図である。なお、
図12の上方側が車両Vの後方側に対応し、下方側が車両Vの前方側に対応する。ベゼル部材41は、平面視環状で、外縁部411から内縁部412に向かうに従って徐々に下方に向かうように形成されている。すなわち、ベゼル部材21は開口213の周縁の全部を形成している。また、ベゼル部材41の開口413よりも車両後方側(
図12における上方側)には、光源部22からの光を透過する光透過部分414(請求項における「光源部から照射された光を透過させる部分」)が設けられている。光透過部分414は、三角形とその内側に配置された感嘆符との形状を有して形成されている。光透過部分414に形成されたこの形状は、車両Vの搭乗者に対する注意喚起の意味を示している。
【0049】
また、ベゼル部材41は、光透過部分414以外の部分が光を透過しないように形成されている。例えば、ベゼル部材41が透明な材料により形成され、光透過部分414以外の部分が遮光塗料等を用いて塗装されることにより、光透過部分414以外の部分が光を透過しないように形成されている。なお、光透過部分414の縁の周囲にマスキングを施したり、光透過部分414の縁の周囲を光透過部分414よりも肉厚に形成したりすることにより光を透過しないようにされていてもよい。また、例えば、ベゼル部材41が、光を透過しない材料を用いて形成されるとともに光透過部分414の形状に形成された孔を有し、当該孔に光透過部分414の形状を有する透明な部材を嵌め込むことにより光透過部分414を形成してもよい。
【0050】
また、光透過部分414は、光透過部分414に形成された形状がフロントガラスFに投影された際に歪みなく正常に表示されるように、表示させたい形状に比べて歪んだ形状に形成されていてもよい。すなわち、光透過部分414が有する形状には、いわゆるワーピングが施されていてもよい。
【0051】
図13は、光源部22から照射された光がフロントガラスFに投影された状態を模式的に示す図である。
図13に示すように、光源部22から照射された光は、光透過部分414を通じて、画像投影機10がフロントガラスFに投影した画像(
図13に示すS1部分)の上方に、三角形の内部に感嘆符の形状を有する記号(
図13に示すS2部分)として投影される。
【0052】
また、光源部22は、例えば
図13に示すように、ECU(不図示)が前方車両の接近や車線の逸脱等を検出して画像投影機10が警告表示(搭乗者に対してブレーキをかけることを促す「ブレーキ!」の表示)をフロントガラスFに投影したときに、ベゼル部材41に向かって光を照射するように制御されている。これにより、
図4のS2に示すように、光源部22から光透過部分414に向かって照射された光が三角形の内部に感嘆符の形状を有する記号としてフロントガラスFに投影され、搭乗者に対して注意喚起をすることができる。
【0053】
本実施形態によれば、ベゼル部材41の光透過部分414がフロントガラスFに搭乗者に対する注意喚起の意味を示す記号の形状を有している。このことから、光源部22から照射されて光透過部分414を透過した光が、注意喚起の情報を示す記号の形状を有してフロントガラスに投影されることとなり、画像投影機10により投影された画像S1以外にもフロントガラスに注意喚起の情報を表示することができる。
【0054】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形例等も本発明に含まれる。
【0055】
例えば、本実施形態においては、ベゼル部材41は開口413の周縁の全部を形成する平面視環状に形成されていたが、光透過部分414が設けられる一部のみを有して形成されていてもよい。例えば、ベゼル部材41においては、車両後方側に配置される部分のみを有して形成されていてもよい。
【0056】
本実施形態においては、光透過部分414は、搭乗者に対する注意喚起の意味を示す三角形の内側に感嘆符の形状を有して形成されていたが、光透過部分がフロントガラスFに所定の情報を示す記号の形状を有していればよく、他の形状を有していてもよい。例えば、
図14、
図15に示すベゼル体40Aが有するベゼル部材41Aにおける光透過部分414Aのように、左右それぞれの方向を示す矢印記号の形状を有していてもよい。
【0057】
図15は、光源部22から照射された光がフロントガラスFに投影された状態を模式的に示す図である。
図15に示すように、光源部22から照射された光は、光透過部分414Aを通じて、画像投影機10がフロントガラスFに投影した画像(
図15に示すS1A部分)の上方に、左方向を示す矢印及び右方向を示す矢印の形状を有する記号(
図15に示すS2A部分)として投影される。例えば、交差点に接近したときに曲がる方向を示すなど、カーナビゲーションシステム等の表示に合わせて光源部22を点灯させることにより、矢印記号がフロントガラスFに投影され、搭乗者に対して交差点において曲がる方向を分かりやすく示すことができる。
【0058】
また、前記各実施形態においては、画像投影機10とベゼル体とが組み合わされて車両用表示装置として車両Vに取り付けられていたが、画像投影機10とベゼル体とが別体とされており、それぞれが別々に車両Vに取り付けられていてもよい。
【0059】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【0060】
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。