(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382011
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】盤状飛行遊具
(51)【国際特許分類】
A63B 65/10 20060101AFI20180820BHJP
A63H 27/127 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
A63B65/10 B
A63H27/127 L
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-150714(P2014-150714)
(22)【出願日】2014年7月24日
(65)【公開番号】特開2016-22317(P2016-22317A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2017年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000111638
【氏名又は名称】ドギーマンハヤシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】角辻 智也
【審査官】
砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第6682384(US,B2)
【文献】
米国特許第5358440(US,A)
【文献】
米国特許第5411265(US,A)
【文献】
特開2011−56172(JP,A)
【文献】
米国特許第5261846(US,A)
【文献】
特開2006−187388(JP,A)
【文献】
実開昭56−80172(JP,U)
【文献】
実開昭56−146973(JP,U)
【文献】
実開昭57−152179(JP,U)
【文献】
実開昭53−151771(JP,U)
【文献】
特開昭48−41838(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3115016(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3003516(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 65/10
A63H 27/127
A63H 33/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の芯体(3)の内側に多数の網目状の通気孔(6)を有するネット体(5)を張設して盤状の遊具本体(7)が構成されており、
芯体(3)は、鋼材又は合成樹脂により構成した細い帯板状の弾性線材を環状に弾性変形してなり、
ネット体(5)の中央部に、厚み方向の両側に突出したペットが噛むことが可能な軟質突出体(11)が設けられていることを特徴とする盤状飛行遊具。
【請求項2】
環状の芯体(3)の内側に多数の網目状の通気孔(6)を有するネット体(5)を張設して盤状の遊具本体(7)が構成されており、
ネット体(5)の中央部に、厚み方向の両側に突出したペットが噛むことが可能な軟質突出体(11)が設けられていることを特徴とする盤状飛行遊具。
【請求項3】
ネット体(5)は、多数の網目を有する弾性のある布材又は合成樹脂シートで円形に形成され、その外周部に保持筒部(9)が形成されており、この保持筒部(9)に芯体(3)を挿通保持することによりネット体(5)が芯体(3)に張設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の盤状飛行遊具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬等を遊ばせるための盤状飛行遊具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、犬等を遊ばせるための
フライングディスク型の盤状飛行遊具には、飛行遊具本体を硬質の合成樹脂で円盤状に形成したものがある(例えば特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3115016号公報
【特許文献2】特開2004−267725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の場合、遊具本体が硬質の合成樹脂で円盤状に形成されていたので、盤状飛行遊具を投げた際に速い速度で飛行するばかりではなく、遊具本体の内側には通気孔がなくて遊具本体の内側を空気が上下方向に通過することができないため、飛行する際に遊具本体の上下動によって大きな空気抵抗を受け、このため遊具本体が水平状態から簡単に傾斜し、直ぐに大きく傾斜した状態で飛行するようになり、このため、室内でゆっくりと水平状態で飛行させて遊ぶことが困難であり、また、中小型犬や幼犬又は幼児には飛行中の盤状飛行遊具を上手くキャッチすることができなくなり、中小型犬や幼犬又は幼児にとって面白みにかけるという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑み、投げて飛行する際に水平状態のままでゆっくりと飛行させることができ、中小型犬や幼犬又は幼児でも飛行中の盤状飛行遊具を上手くキャッチすることができて、室内でも十分に遊ぶことができる盤状飛行遊具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、環状の芯体3の内側に多数の網目状の通気孔6を有するネット体5を張設して盤状の遊具本体7が構成されており、芯体3は、鋼材又は合成樹脂等により構成した細い帯板状の弾性線材を環状に弾性変形してな
り、ネット体5の中央部に、厚み方向の両側に突出したペットが噛むことが可能な軟質突出体11が設けられている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、
環状の芯体3の内側に多数の網目状の通気孔6を有するネット体5を張設して盤状の遊具本体7が構成されており、ネット体5の中央部に、厚み方向の両側に突出したペットが噛むことが可能な軟質突出体11が設けられている点にある。
【0007】
また、本発明の他の技術的手段は、ネット体5は、多数の網目を有する弾性のある布材や合成樹脂シートで円形に形成され、その外周部に保持筒部9が形成されており、この保持筒部9に芯体3を挿通保持することによりネット体5が芯体3に張設されている点にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、芯体によってネット体乃至遊具本体を盤状に保形することができて、盤状飛行遊具を簡単な構成で軽量に構成することができるので、投げることにより比較的遅い速度で飛行させることが可能になるし、遊具本体の内側には多数の網目状の通気孔を有するため、遊具本体の内側を空気が上下方向に通過することができ、飛行する際に遊具本体の上下動によって大きな空気抵抗を受けずに済み、このため遊具本体が水平状態から傾斜することが少なくなり、水平状態のままでゆっくりした速度で飛行させることができる。
【0009】
従って、中小型犬や幼犬又は幼児でも飛行中の盤状飛行遊具を上手くキャッチすることができるようになり、中小型犬や幼犬又は幼児にとっても楽しく遊ぶことができるし、室内でも十分に遊ぶことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態を示す盤状飛行遊具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び
図2は本発明の一実施形態を示している。
図1及び
図2において、盤状飛行遊具1は、環状の芯体3の内側にネット体5を張設してなる円盤状の遊具本体7を備えている。
遊具本体7の直径Rは、例えば大きいサイズのもので180mm程度に設定され、小さいサイズのもので120mm程度に設定されている。遊具本体7の厚みDは例えば2.75mm程度に設定されている。
【0012】
芯体3は、鋼材又は合成樹脂等により構成した細い帯板状の弾性線材を環状に弾性変形してなる。
ネット体5は、多数の網目を有する弾性のある布材や塩化ビニル等の合成樹脂シートで円形に形成されており、多数の網目状の通気孔6を有している。ネット体5の外周部に保持筒部9が全周に亘って形成されている。
【0013】
保持筒部9は帯状の布材を折り返してその折り返し端部間でネット体5の外周部を挟んで縫着8してなり、この保持筒部9に芯体3を挿通保持することにより、ネット体5が芯体3の内側に張設されている。保持筒部9の幅Wは例えば10mm程度に設定されている。
ネット体5の中央部に、厚み方向の両側に突出したペットが噛むことが可能な軟質突出体11が設けられている。軟質突出体11は、ネット体5の厚み方向の両側にそれぞれあって、柔軟で可撓性を有する布材等により構成されており、ネット体5の外面に沿う一対の取付部13と一対の取付部13間にあってネット体5から突出した環状突部14とを有し、一対の取付部13がその内端縁同士が近接又は当接した状態でネット体5に縫着又は接着剤による接着により固着され、環状突部14がネット体5の厚み方向に外方突出されている。
【0014】
上記実施形態によれば、盤状飛行遊具1で遊ぶ場合、例えば遊具本体7の外周部を手で持って水平方向に回転を効かせながら投げることにより、盤状飛行遊具1を飛行させることができる。
この際に、芯体3によってネット体5乃至遊具本体7を円盤状に確実に保形することができて、盤状飛行遊具1を簡単な構成で軽量に構成することができるので、投げることにより比較的遅い速度で飛行させることが可能になるし、遊具本体7の内側には多数の網目状の通気孔6を有するため、遊具本体7の内側を空気が上下方向に通過することができ、飛行する際に遊具本体7の上下動によって大きな空気抵抗を受けなくなり、このため遊具本体7が水平状態から傾斜することが少なくなり、水平状態のままでゆっくりした速度で飛行することができる。
【0015】
従って、中小型犬や幼犬又は幼児でも飛行中の盤状飛行遊具1を上手くキャッチすることができるようになり、中小型犬や幼犬又は幼児にとっても楽しく遊ぶことができるし、室内でも十分に遊ぶことが可能になる。しかも、盤状飛行遊具1を簡単な構造になすことができて、製造容易でかつ安価に製造することができるようになる。
また、ネット体5の中央部に軟質突出体11があるので、中小型犬や幼犬等のペットが軟質突出体11を咥えて運んだり遊んだりすることができて、中小型犬や幼犬等でも非常に興味を持って遊ぶことができる。
【0016】
また、芯体3は、鋼材又は合成樹脂等により構成した細い帯板状の弾性線材を環状に弾性変形してなるので、環状の芯体3を弾性線材によって簡単かつ頑丈に構成することが可能になり、しかも、環状の芯体3は弾力性を有し、室内の壁や家具等に衝当しても、盤状飛行戯具が損傷したり、室内の壁や家具等を損傷したりするおそれもない。
また、ネット体5の外周部に保持筒部9が形成されており、この保持筒部9に芯体3を挿通保持することによりネット体5が芯体3に張設されているので、簡単な構成でネット体5を環状の芯体3の内側に張設することができ、この点からも遊具本体7を頑丈でかつ軽量に構成することができる。
【0017】
なお、前記実施形態では、芯体3は、鋼材又は合成樹脂等により構成した細い帯板状の弾性線材を環状に弾性変形してなるが、これに代え、芯体3を針金や竹材等で環状に形成してもよい。
また、前記実施形態では、ネット体5は、多数の網目を有する弾性のある布材や合成樹脂シートで円形に形成されているが、これに代え、ネット体5を糸や紐やピアノ線等をネット状に編んで構成してもよい。
【0018】
また、前記実施形態では、保持筒部9は帯状の布材を折り返してその折り返し端部間でネット体5の外周部を挟んで縫着8してなるが、これに代え、ネット体5の外周部を折り返してその折り返し端部を縫着して保持筒部9を形成するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、盤状飛行遊具1の遊具本体7は円盤状に形成されているが、これに代え、芯体3を四角形状又は三角形状の環状に形成して、盤状飛行遊具1の遊具本体7を四角盤状又は三角盤状その他の盤状に形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0019】
1 盤状飛行遊具
3 芯体
5 ネット体
6 通気孔
7 遊具本体
9 保持筒部
11 軟質突出体