(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382012
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】泡沫状ローション剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20180820BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20180820BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/37
A61Q19/00
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-153914(P2014-153914)
(22)【出願日】2014年7月29日
(65)【公開番号】特開2016-30737(P2016-30737A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2017年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
(72)【発明者】
【氏名】丹田 一利
【審査官】
駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−273415(JP,A)
【文献】
特開2011−093878(JP,A)
【文献】
特開2007−146029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非エアゾールタイプの泡吐出容器に充填されてなるローション剤であって、起泡剤としてテトラグリセリルラウリルエーテル、デカグリセリルラウリルエーテルから選択される1種又は2種を含有するローション剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡沫状ローション剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ローション剤は、肌にみずみずしさを与え、後から塗布する乳液やクリームの肌なじみを良くするアイテムとして、広く使用されている。
また、泡吐出機構を備えた容器に充てんされた皮膚化粧料として、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群から選択される1種または2種以上を含むノニオン性界面活性剤を配合した皮膚化粧料(特許文献1)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−101333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたノニオン界面活性剤は、エステル結合を有する界面活性剤であり、経時で加水分解されやすく、安定性に問題があった。そのため、起泡性が良好で安定性、安全性の高い、泡吐出機構を備えた容器に充填されたローション剤が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、非エアゾールタイプの泡吐出容器に充填されてなるローション剤であって、起泡剤として親水性ポリグリセリンアルキルエーテルを含有するローション剤を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の泡吐出容器に充填されてなる皮膚外用剤は、起泡性が良好で安定性、安全性が良好であるという効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、非エアゾールタイプの泡吐出容器に充填されてなるローション剤であって、起泡剤として親水性ポリグリセリンアルキルエーテルを含有するローション剤に関する。
【0008】
本発明の親水性ポリグリセリンアルキルエーテルは、HLB値が8以上の親水性の高い化合物を用いる。親水性ポリグリセリンアルキルエーテルのアルキル部分は、直鎖若しくは分岐鎖を有する、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基を用いることができ、炭素数が8〜24、好ましくは8〜18、より好ましくは8〜14のものを用いる。またnの数は2〜14、好ましくは2〜12のものを用いる。炭素数とグリセリンの重合度により、親水性、親油性ののバランスを調整する。なお、親水性ポリグリセリンアルキルエーテルとしては、親水性ポリグリセリンモノアルキルエーテルが好ましい。
【0009】
本発明においては、アルキル基の炭素数が12、nが4若しくは10のポリグリセリンモノアルキルエーテルを用いることが最も好ましい。
【0010】
本発明の親水性ポリグリセリンアルキルエーテルのローション剤への配合量は、ローション剤の用途によって異なるが、0.01〜20質量%が好ましい。0.01質量%未満の配合では、良好な泡が吐出できない場合がある。20質量%を超えて配合しても、起法制にこれ以上の改善が認められず、逆にべたつきの原因となる場合がある。
【0011】
本発明のローション剤は、水溶性高分子を併用することにより、泡のキメと肌上でのべたつきを改善することができる。かかる水溶性高分子としては、ローション剤に配合し得るものであれば特に限定されない。具体的には、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]基を有するヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム−10)、(ビニルピロリドン-ジメチルアミノメチルエチルメタクリレート共重合体ジエチル硫酸塩(ポリクオタニウム−11)、塩化メチルビニルイミダゾリウム・ビニルピロリドン共重合体、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、キサンタンガム、ポリスチレンスルホネート、寒天、ガッチガム、カラヤガム、ペクチン、アルギネート塩、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ポリ(アクリル酸)又はアクリル酸又はメタクリル酸のアルカリ金属及びアンモニウム塩などのアクリル酸又はメタクリル酸誘導体、ヒアルロン酸又はそのアルカリ金属塩、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロール、ヒドロキシエチルセルロース、プロピレングリコールアルギネート、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルグアーガム、ローカストビーンガム、アミロース、ヒドロキシエチルアミロース、澱粉及び澱粉誘導体及びこれらの混合物、平均分子量1000以上のポリエチレングリコール、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、ポリクオタニウム−47、ポリクオタニウム−43などが挙げられる。
【0012】
これらの水溶性高分子は、1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。本発明のローション剤においては、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、高重合エチレングリコール、アルギン酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上を用いることが好ましい。
【0013】
水溶性高分子の配合量は、配合する水溶性高分子の種類により異なるが、ローション剤全量に対し概ね0.0001〜1質量%である。0.0001質量%未満の配合では泡質改善効果が認められない場合がある。1質量%を超えて配合すると、べたつきや、吐出不良の原因となる場合がある。
【0014】
本発明のローション剤には、保湿剤を配合することができる。保湿剤を配合することにより、良好な使用感を得ることができる。かかる保湿剤としては、ローション剤に配合し得るものであれば特に限定されないが、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキシレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体等のポリオール類及びその重合体;ジエチレングリコールモノエチルエーテル(エトキシジグリコール)、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のグリコールアルキルエーテル類;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール等の糖アルコール類;グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、トレオース、キシロース、アラビノース、フコース、リボース、デオキシリボース、マルトース、トレハロース、スクロース、ラクトース、ラフィノース、グルコン酸、グルクロン酸、シクロデキストリン類(α−、β−、γ−シクロデキストリン、及び、マルトシル化、ヒドロキシアルキル化等の修飾シクロデキストリン)、β−グルカン、キチン、キトサン、ヘパリン及び誘導体、ペクチン、アラビノガラクタン、デキストリン、デキストラン、グリコーゲン、エチルグルコシド、メタクリル酸グルコシルエチル重合物若しくは共重合物等の糖類及びその誘導体類;ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム;コンドロイチン硫酸ナトリウム;ムコイチン硫酸、カロニン硫酸、ケラト硫酸、デルマタン硫酸;シロキクラゲ抽出物、シロキクラゲ多糖体;フコイダン;チューベロース多糖体、天然由来多糖体;クエン酸、酒石酸、乳酸等の有機酸及びその塩;尿素;2−ピロリドン−5−カルボン酸及びそのナトリウム等の塩;ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、トリプトファン、ヒスチジン、タウリン等のアミノ酸類及びその塩;コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド等の蛋白ペプチド類及びその誘導体;パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等のアシル化ペプチド類;シリル化ペプチド類;乳酸菌培養液、酵母抽出液、卵殻膜タンパク、牛顎下腺ムチン、ヒポタウリン、ゴマリグナン配糖体、グルタチオン、アルブミン、乳清;塩化コリン、ホスホリルコリン;胎盤抽出液、エラスチン、アロエ抽出物、ハマメリス水、ヘチマ水、カモミラエキス、カンゾウエキス、コンフリーエキス、シルクエキス、イザヨイバラエキス、セイヨウノコギリソウエキス、ユーカリエキス、メリロートエキス等の動物・植物抽出成分、天然型セラミド(タイプ1、2、3、4、5、6)、ヒドロキシセラミド、疑似セラミド、スフィンゴ糖脂質、セラミド及び糖セラミド含有エキス等のセラミド類が挙げられる。これらの保湿剤の中でも、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上を用いることが特に好ましい。
【0015】
これらの保湿剤は、単独又は2種以上を組み合わせて、ローション剤全量に対して0.1〜40質量%、好ましくは5〜35質量%の割合で配合することができる。配合量が0.1質量%を下回ると、保湿効果が認められない場合がある。配合量が40質量%を越えると、使用時のヌルツキが多くなったり、泡立ち、泡質に影響を及ぼす場合がある。
【0016】
本発明のローション剤には、通常ローション剤に配合される任意の有効成分、基材成分を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0017】
本発明の泡沫状ローション剤は、本発明のローション剤が泡吐出機構を備えた容器に充填されたものである。本発明のローション剤は、特に泡吐出機構を備えた容器に充填して吐出すると、使用時のとびちりが防止できる泡状であり、起泡性が良好で安定性、安全性が良好であるという効果を発揮する。
【0018】
泡吐出機構による泡吐出方法としては、握力により汲み上げられた容器内の液体を特定吐出口から容器外に吐出させ、その際に空気と混合することによって起泡する泡吐出方法が好ましい。
【0019】
泡吐出機構としては、多孔質膜体、好ましくはメッシュサイズ100〜300/インチの多孔質膜体を1又は2枚有するポンプフォーマーを具備する容器が好ましい。
【実施例】
【0020】
以下に本発明を実施例を用いて説明するが、本発明の技術的範囲はこれによってなんら限定されるものではない。
【0021】
表1、3に示した処方にて、化粧水を定法により調製し、評価を行った。
【0022】
各種試験の評価方法は下記のとおりである。
【0023】
[外観]
調製直後の化粧水の外観を観察し、白濁、おりの発生の有無を確認した。
[起泡性、泡の状態]
化粧水を吐出口側200メッシュ、吸い口側100メッシュの多孔質膜体を備えた泡吐出容器に充填し、吐出した泡の量並びに泡の状態を確認し、◎、○、△、×の4段階で評価した。
[安定性]
マヨネーズビンに充填密閉した状態で、40℃恒温槽を用いて6ヶ月間保管後の状態を観察し、pHの変化の有無、外観の変化の有無を確認し、○、△、×の3段階で評価した。
[使用感]
使用後のべたつきの有無を4段階で評価した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
表2に示した通り、ポリグリセリルアルキルエーテル以外の界面活性剤を用いた化粧水は外観、起泡性、泡の状態、安定性ともに良好な結果は得られなかった。これに対し、本願発明の実施例1は、すべての項目において良好な評価結果であった。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
表3に示した通り、本発明の実施例は外観、起泡性、泡の状態、安定性に優れたものであった。また、水溶性高分子を添加することにより、少量の界面活性剤の添加でも泡の状態が良好で、使用感に優れた化粧水を得ることができた。
【0030】
本発明の実施例1〜10に関し、24時間閉塞貼付皮膚パッチテスト並びに皮膚刺激性試験を行った。その結果、特に問題は認められず、本発明の実施例1〜10は安全性に優れるものであった。