(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1(a)に示すように、航空機10は、胴体11と、胴体11の左右に設けられる主翼12,12と、垂直尾翼13および水平尾翼14とを備える。主翼12,12の各々に、エンジン15,15が支持される。
【0019】
本明細書において、「前」は、航空機10の機首側を意味し、「後」は、航空機10の尾翼側を意味するものとする。
また、「上」は、航空機10の機体の上側を意味し、「下」は、航空機10の機体の下側を意味するものとする。
【0020】
飛行試験にあたり、航空機10の機体には、
図1(b)に示すように、計測装置20が取り付けられる。計測装置20は、機体の着氷状況を把握するために機外に設置されるもので、機体の右の側壁にある窓16から機外へと延びたアーム30に固定されている。
機体(特に主翼12)への着氷による空力性能の低下を避けるため、着氷状況をモニタリングし、氷を融解させるなどの装置の性能を確認する必要がある。
【0021】
窓16は、キャビン18(客室)における前側に位置する。
計測装置20を設置するため、窓16は、アクリル樹脂等から形成された既設の樹脂パネルを窓代替部材である窓上部8Aおよび窓下部8B(
図5)に置き換えて構成される。キャビン18に設けられた他の窓17には、樹脂パネルが設置されている。
窓16のより具体的な構成については後述する。
【0022】
計測装置20は、大気中に含まれる水滴の直径および大気中の単位体積あたりの水の質量を計測する。計測装置20の前端には、レーザービームを用いて大気中の水滴の直径を計測する計測部が設けられている。また、大気中の単位体積あたりの水の質量、大気の圧力を計測するそれぞれの計測部も計測装置20の前端に設けられている。
計測装置20による計測値は、計測装置20に設けられた図示しない電線を介して機内の制御装置へと送信される。機体の複数の箇所には、着氷量を計測する装置や気圧を計測する装置が設けられている。
制御装置は、計測装置20から送信された水滴の直径および単位体積あたりの水滴の質量、他の計測装置から送信された着氷量および気圧などを適宜に用いることにより、着氷の有無や氷の成長状況を含む着氷状況を継続的にモニタリングする。制御装置は、着氷状況に基づいて、機体に付着した氷を熱で融解させる装置の性能を確認する。
【0023】
着氷状況を正確に把握するため、一方向に向きが揃った一様流またはそれに近い状態の気流が形成される位置に計測装置20を設置することが望まれる。そのため、境界層が形成される機体表面からは所定の距離だけ離すとともに、胴体11が一定の径で連続する範囲内に計測装置20を設置することが好ましい。また、主翼12の後方を避けて、気流が安定している主翼12よりも前方側に計測装置20を設置することが好ましい。キャビン18における前側は、一様流に近い位置に該当する。
加えて、計測装置20を機体に取り付けることによって航空機10の全体の空力特性に影響を及ぼすことのないように、さらに、計測装置20と他の装置とが空力的に干渉しないように、計測装置20の適切な設置位置を選定する。
【0024】
アーム30は、窓16を介して機体を内と外とに貫通しており、
図2に示すように、計測装置20が固定される先端30Aと、機内に設けられた支持装置50に結合される基端30Bとを有する。アーム30は、胴体11に対して略垂直に機外へと突出している。
【0025】
アーム30は、軽量で剛性が高い構造とするために主翼12と同様のボックス構造とされている。また、アーム30は、空気抵抗を減らし、アーム30により気流を乱すこと(バフェット)を防ぐために、横断面が薄い翼形に形成されている。
【0026】
アーム30は、
図3(a)(b)に示すように、上下に配置されるスキン31,32と、スキン31,32を前側および後側でそれぞれ連結する前桁33および後桁34と、スキン31,32を内側から支持する複数のリブ35〜37と、アーム30の前後に位置する前縁38および後縁39とを備える。アーム30の構成部品は、アルミニウム合金等の金属材料から形成することができる。炭素繊維等の強化繊維を含む繊維強化樹脂から形成することも可能である。
【0027】
アーム30の先端30Aに位置するエンドリブ37(
図3(b))は、計測装置20が固定されるフランジ371を有する。計測装置20はフランジ371にファスナで着脱可能に固定される。
計測装置20に設けられた電線は、エンドリブ37に形成された開口370からアーム30の内部に引き込まれ、下側のスキン32に沿って配線される。リブ35,36には、それぞれ、電線を通す開口350,360が形成されている。
下側のスキン32は、基端30B側で2つのパネル32A,32Bに分割されている。大きい方のパネル32Bを取り外して、電線を敷設することができる。
【0028】
前桁33の機内側の端部には、窓16の内側で支持装置50に結合される結合部43が設けられている。
後桁34の機内側の端部にも、窓16の内側で支持装置50に結合される結合部44が設けられている。
これらの一対の結合部43,44は、スキン31,32の機内端部311,321(
図3(b))に対してより機内側へと突出している(
図3(a))。
【0029】
結合部43には、前後方向に貫通する2つの孔431,432が形成されている。孔431,432は、上下方向に並んでいる。
結合部44にも、上記の孔431,432と同様の2つの孔441,442が形成されている。
結合部43,44は、各々に形成された上記の2つの孔にそれぞれ挿通されるピン57,58(
図2)で、支持装置50に設けられる一対の結合部と結合される。アーム30および支持装置50の結合部同士が2つのピン57,58で結合されることにより、アーム30が支持装置50に固定される。
【0030】
アーム30の基端30B側では、窓16との間の気密を確保することで機内の与圧を維持する必要がある。アーム30の基端30B側の外周には、後述する気密保持部70が固定されるシール固定部45(
図3(a))が設けられている。
シール固定部45は、
図3(b)に示すように、上下に配置される一対の部品45U,45Dから構成される。
【0031】
シール固定部45は、全体として矩形状に形成され、アーム30の軸方向D0に対して直交するように配置される。アーム30の軸方向D0は、アーム30が機体を貫通する貫通方向に相当する。部品45U,45Dにより囲まれた空間を介して前桁33および後桁34がシール固定部45を貫通する。前桁33の結合部43および後桁34の結合部44は、シール固定部45よりも機内側に位置する。
【0032】
結合部43と結合部44との間には、アーム30の内部から電線が引き出される電線引出部46が設けられる。電線引出部46に付く別のフィッティング461(
図3(b))により結合部43と結合部44との間の空間が塞がれる。
電線引出部46に形成された開口460を介して機内へと電線が引き出され、制御装置に接続される。開口460の周縁部と電線との間の隙間はフィッティング461及び図示しないシールにより封止される。
【0033】
前縁38および後縁39は、スキン31,32の長さよりも短く形成されており、前縁38および後縁39の機内端部381,391(
図3(b))がスキン31,32の機内端部311,321に対して機外側に向けてオフセットされている(
図3(a)参照)。それにより、前縁38の機内端部381とシール固定部45との間、および後縁39の機内端部391とシール固定部45との間に、窓16の一部を収容する収容空間47(
図3(a))が形成される。
アーム30および計測装置20への被雷に備え、アーム30は、図示しないボンディングジャンパにより胴体11のフレームに接地されている。
【0034】
アーム30は、
図2に示すように窓16から機外に向けて突出している。アーム30および計測装置20は、飛行時に空気抵抗を生ずる。
さらに、飛行時にアーム30に揚力が働く。アーム30は断面翼形に形成されているので、揚力が大である。
【0035】
支持装置50は、空気抵抗や揚力によりアーム30および計測装置20に加えられる大きな空力荷重を受け持つことのできる剛性を備え、空力荷重が入力されても変形せずにアーム30を確実に支持する必要がある。
【0036】
支持装置50は、
図2に示すように、キャビン18内の図示しない座席を支持する2つのシートレール51,52(シートトラックとも呼ばれる)と、シートレール51,52に設けられる架台60とを備える。
シートレール51,52は、キャビン18内で前後方向に平行に延びており、キャビン18の床に設置されている。
シートレール51,52には、図示しない固定具により座席が固定される。シートレール51,52の各々には、その固定具を係合することが可能な多数の係合部53(孔)が長さ方向において所定間隔で形成されている。適宜な係合部53を選択することにより、座席位置の調整が可能である。
【0037】
シートレール51,52は、座席および座席に座る乗客を支持しており、機体の急な旋回や速度変化を伴う非常時に大荷重が印加される。これらのシートレール51,52は、非常時の大荷重を受け持つために必要な剛性を備えているので、アーム30および計測装置20に加えられる空力荷重をシートレール51,52により負荷することが十分に可能である。そこで、シートレール51,52に、計測装置20およびアーム30の空力荷重を受け持たせる。
【0038】
キャビン18の床に設置されたシートレール51,52と、キャビン18の壁に設置された窓16を貫通するアーム30との間には架台60が介在する。
架台60は、アーム30から入力される空力荷重をシートレール51,52へと伝達する。その全空力荷重は、十分な剛性を有するシートレール51,52によって負荷されることとなる。
【0039】
架台60は、
図2および
図4に示すように、シートレール51,52に設置される跳び箱形状の骨組600に薄い4枚の側板66が設けられたものである。
骨組600を構成する2本の第1支柱61,61は、窓16の直下の一方のシートレール51から窓16の正面に向けて立ち上がっている。同じく骨組600を構成する2本の第2支柱62,62は、他方のシートレール52から窓16の正面に向けて傾斜して立ち上がっている。アーム30から入力された空力荷重は、主として、これらの第1支柱61,61、第2支柱62,62および上端部60Aに位置する天板55を介してシートレール51,52へと伝達される。
骨組600は、第1支柱61,61および第2支柱62,62の他に、複数の縦補強材64と、複数の横補強材65と、支柱61,61,62,62をシートレール51,52に固定するテンション部材63と、アーム30の基端30Bの結合部43,44に結合される一対の結合部材67,68とを備えている。
4枚の側板66は、架台60の四方の側壁を形成しており、支柱61,61,62,62の隣り合うもの同士を連結している。天板55は、架台60の上壁を形成しており、支柱61,61,62,62を連結している。これらの側板66および天板55は、架台60の壁の面内せん断力を受け持ち、骨組600を補強する。架台60は、アーム30から入力される荷重に対して変形せずに形状を留める。
【0040】
架台60は、第1支柱61,61および第2支柱62,62の下端に固定された枠体69に固定されるテンション部材63により、シートレール51,52上の適切な係合部53に固定される。
テンション部材63は、第1支柱61,61および第2支柱62,62の各々の下端に固定される部品63Aからなる。テンション部材63は、シートレール51,52上の適切な係合部53に着脱可能に固定される。
テンション部材63は、アーム30から支柱61,61,62,62を介して伝わる引張荷重・圧縮荷重に対して、各部品63Aに荷重を分担しながら抵抗し、支柱61,61,62,62をシートレール51,52に確実に固定する。そうすることで、空力荷重を支柱61,61,62,62を介してシートレール51,52へと十分に伝達することが担保される。
【0041】
結合受部603,604は、第1支柱61,61および第2支柱62,62の上端が集まる架台60の上端部60Aに設けられている。
結合部材68は、天板55から窓16に向けて突出する結合受部604を有する。その結合受部604に上下方向に並ぶ2つの孔にそれぞれ挿通されるピン57,58(
図2)により、結合受部604と結合部44(
図3(a))とが結合される。ピン57,58は、いずれも前後方向に沿って配置され、結合受部604および結合部44に対して着脱可能に設けられる。
結合部材67は、結合受部604と同様の結合受部603を有する。その結合受部603に上下方向に並ぶ2つの孔にそれぞれ挿通されるピン57,58(
図2)により、結合受部603と結合部43(
図3(a))とが結合される。
アーム30および計測装置20に加えられる空力荷重は、結合部43,44および結合受部603,604を介して架台60に入力される。
【0042】
本実施形態では、計測装置20を航空機10の機体に取り付けるために、窓16を介してアーム30を機体に貫通させるとともに、アーム30および計測装置20に加えられる空力荷重をシートレール51,52に受け持たせる。そのため、例えば機体の一部を損壊することでアーム30を貫通させる開口を設け、その開口の周囲で空力荷重を受け持つことができるように機体の構造部材を補強するといった大規模な改修が必要ない。したがって、機体を改修することなく、窓16の樹脂パネルを窓代替部材(窓上部8Aおよび窓下部8B)に置き換え、架台60やアーム30を設置することにより、機体に計測装置20を容易に取り付けることができる。
そして、架台60、シートレール51,52、アーム30、および窓代替部材が、相互にファスナで着脱可能に結合されており、しかも、窓のパネル交換と同様に、クリップを用いて窓代替部材を本来の樹脂パネルに置き換えることができるので、機体を元の状態に容易に回復させることができる。
上述のように、計測装置20の取り付けにあたり機体を改修しないので、改修に伴う復元作業は発生しない。
以上より、計測装置20の設置のために要していた大規模な改修、および改修に伴う復元の作業を撤廃し、労力、コスト、作業時間を大幅に削減することができる。
【0043】
次に、窓16の構成を説明した後、アーム30が窓16を貫通する箇所の気密を保持する気密保持部70について説明する。
窓16は、
図4、
図5および
図6に示すように、金属パネル85と、金属パネル85の機内側の面に設けられた図示しない補強材と、金属パネル85の機内側の面から立ち上がる上サポート81および下サポート82とを備える。
金属パネル85は、図示しない複数のクリップ(
図11のクリップ804参照)を用いて、胴体11のスキンに形成された窓枠88(
図4)に機内側から固定される。金属パネル85の外周と、窓枠88の内周との間は、ゴム製のガスケット87(
図2)により封止される。これらのクリップおよびガスケット87は、窓17に設けられるものと同様である。
【0044】
本実施形態の窓16は、
図5に示すように、上下に二分割されており、窓上部8Aと、窓下部8Bとを備える。これら窓上部8Aおよび窓下部8Bによってアーム30を上下から挟み込むことにより、アーム30と窓16とを組み付けることができる。
【0045】
窓上部8Aの機内側には、上サポート81が設けられている。窓下部8Bの機内側には、下サポート82が設けられている。これらの上サポート81および下サポート82は、アーム30の外周を包囲する箱形の構造を形成する。上サポート81および下サポート82は、アーム30の収容空間47に収容される。
【0046】
上サポート81と下サポート82とは、窓16の正面視左右に形成された固定部811と固定部821とによって固定される。
すると、
図6に示すように、金属パネル85にはパネル開口84が形成され、上サポート81および下サポート82の内側にはサポート開口83が形成される。アーム30は、これらのパネル開口84およびサポート開口83を介して窓16を貫通している。
【0047】
パネル開口84は、収容空間47(
図3(a))におけるアーム30の外形に対して少し大きい。このパネル開口84内において、アーム30と金属パネル85との間に所定の寸法の間隙S1が全周に亘り設定されている。
【0048】
サポート開口83は、アーム30のシール固定部45の外形に対して少し大きい。
上サポート81および下サポート82の各々の機内側には、
図5及び
図6に示すように、サポート開口83の外側に拡がるフランジ81F,82Fが形成されている。サポート開口83内において、フランジ81F,82Fの内周と、シール固定部45の外周との間に、所定の寸法の間隙S2(
図6)が全周に亘り設定されている。これらのフランジ81F,82Fは、シール固定部45の機内側の面と、間隙S2を挟んで面一に配置されている。
フランジ81F,82Fは、シール固定部45と共に、シール71を受けるシール受け部として機能する。上述のように上サポート81および下サポート82を箱形に設けることにより、アーム30の軸方向に直交する方向に沿ってシール71を受けるシール受け部を上サポート81および下サポート82のフランジ81F,82Fとして窓16の部材に容易に設けることができる。そして、後述するように、これらのフランジ81F,82Fに沿ってシール71をスライドさせることで、アーム30から窓16へと荷重が入力されないようにすることができる。
【0049】
本実施形態におけるシール受け部であるフランジ81F,82Fおよびシール固定部45のいずれも、
図7(a)に示すように、間隙S2を挟んで、間隙S2の一方側と他方側とを結ぶ方向D1に沿って配置されている。間隙S2は、シール固定部45とフランジ81F,82Fとが対向することで形成されており、間隙S2を形成する一方の部材であるシール固定部45と、間隙S2を形成する他方の部材であるフランジ81F,82Fとを結ぶ方向が、間隙S2の一方側と他方側とを結ぶ方向D1に相当する。そして、本実施形態では、間隙S2の一方側と他方側とを結ぶ方向D1は、アーム30の軸方向D0に直交または略直交する方向に相当する。したがって、シール固定部45およびフランジ81F,82Fは、アーム30の軸方向D0に直交または略直交する方向に沿って配置されている。
【0050】
次に、気密保持部70について説明する。
気密保持部70は、
図4および
図6に示すように、間隙S2を封止するシール71と、シール71を押さえるリテーナ72とを備える。シール71およびリテーナ72は、間隙S2を挟んで配置されたシール固定部45とフランジ81F,82Fとに沿って延在している。
【0051】
シール71は、額縁状に形成されており、窓16のフランジ81F,82Fと、アーム30のシール固定部45との間の間隙S2を封止する。
シール71には、適宜なゴム系材料を用いることができる。本実施形態のシール71は、難燃性を有するクロロプレンゴムから形成されている。
【0052】
リテーナ72は、複数の部品721〜724からなる。部品721〜724は、それぞれ板バネであり、額縁状に組み付けられる。リテーナ72は、シール71と同様の寸法に形成されており、シール71の全周をフランジ81F,82Fおよびシール固定部45に向けて機内側から押圧する。リテーナ72は、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの金属材料から形成することができる。リテーナ72は、シール71に用いられる材料よりも弾性率が大きい。ここでいう弾性率は、ヤング率(縦弾性係数)であるものとする。
【0053】
シール71およびリテーナ72は、それらを厚み方向に貫通するファスナ73(
図4、
図6)により、シール固定部45に締結される。シール固定部45の全周に亘り、所定の間隔をおいて複数のファスナ73が配置される。フランジ81F,82Fには、シール71およびリテーナ72がファスナで固定されていない。
【0054】
ファスナ73を締めると、シール71がリテーナ72とシール固定部45との間で圧縮され、間隙S2が封止される。
リテーナ72のフランジ81F,82Fに重ねられる部分は、
図7(a)、(b)に示すように、シール固定部45に重ねられる部分に対し、機外側に向けて少し傾斜しており、シール71をフランジ81F,82Fへと確実に押し付ける。
【0055】
ところで、間隙S2を封止するシール71には、機内の与圧と機外の外気圧との圧力差が作用する。機内の与圧を保持するため、シール71により間隙S2が隙間なく封止されている必要がある。
ところが、特にフライト開始直後など、飛行高度の上昇により機外の気圧が急激に下がると、シール71がずれて、シール71とシール固定部45およびフランジ81F,82Fとの間に隙間が生じやすい。それを未然に防いで機内の与圧を保持するために、シール71をリテーナ72によりシール固定部45およびフランジ81F,82Fに押さえている。
ここで、シール固定部45とフランジ81F,82Fとの両方にシール71およびリテーナ72を固定していると、空力荷重によりアーム30が変形した際にアーム30から窓16へと荷重が入力されてしまう。それによってシール71が間隙S2からずれたり、過度に変形してシール固定部45やフランジ81F,82Fから浮いたり、窓上部8Aおよび窓下部8Bや窓枠88が破損したりすることで気密が失われることを未然に防ぐために、シール固定部45のみにシール71を固定している。つまり、シール71は、一端側でシール固定部45に固定され、他端側ではフランジ81F,82Fにより単純支持されている。
以上をまとめると、機外の気圧降下時にシール71による気密を確保する必要があるとともに、空力荷重によりアーム30が変形した際に、アーム30から窓16に荷重を伝達しないで、アーム30と窓16との間の気密を確保する必要がある。そのため、窓16とアーム30との間に上述の間隙S1,S2を設定し、間隙S2を封止するシール71をリテーナ72で窓16とアーム30とに押圧するとともに、シール71を片側で固定している。
【0056】
上述のように、シール71がリテーナ72で押さえられており、かつシール71がアーム30のシール固定部45に片側で固定されているので、空力荷重により変形したアーム30のシール固定部45の変位に伴って、シール71が窓16のフランジ81F,82Fとの摩擦力に抗してスライドする。
例えば、
図7(a)および(b)は、シール71の上端および下端を示しており、シール71がシール固定部45の変位に追従するように、フランジ81F,82Fに沿って下方に向けてスライドする様子を示している(破線の矢印参照)。
このようにシール71をフランジ81F,82Fに沿ってスライド変位させることで、アーム30から窓16に直接的に荷重が入るのを避けることができる。
【0057】
なお、シール71がフランジ81F,82F側に固定されており、シール固定部45より単純支持されるように構成することもできる。その場合も、シール71がシール固定部45に沿ってスライド変位することで、アーム30から窓16に直接的に荷重が入るのを避けることができる。
【0058】
以上によれば、アーム30と窓16との間の気密を保持するシール71をリテーナ72により押さえる構造において、アーム30および窓16の一方にのみシール71が固定され、他方によりスライド可能に支持される構成により、アーム30と窓16との間の荷重伝達を避ける機構を実現することができる。この機構によれば、空力荷重によりアーム30が変形することで封止対象(アーム30および窓16)が相対変位するため気密保持が難しい箇所の気密を、シール71により確実に保持することができる。
【0059】
本実施形態では、機体の右側に計測装置20を設置しているが、機体の左側や、機体の上側、下側等の任意の箇所に、機外に臨むアーム30を介して計測装置20を設置することができる。
また、計測装置20は、アーム30の下側や上側に設けることもできる。
計測装置20を機体の表面から離す必要がなければ、アーム30が窓16から長く突出している必要はなく、窓16の機外側の表面の近くでアーム30に計測装置20を設けることも許容される。
【0060】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、
図8〜
図13を参照して説明する。
図8(a)に示す本実施形態の航空機10には、飛行試験にあたり、ピトー装置120が設けられる。ピトー装置120は、キャビン18の窓16から機外へと突出している。
ピトー装置120は、垂直尾翼の上端から後方に曳かれる図示しないトレーリングコーン装置と共に、飛行試験において航空機10の正確な対気速度を求めるために設けられており、その役目を終えたならば、機体から取り外される。
ピトー装置120およびトレーリングコーン装置は、図示しないエアデータシステムの演算装置に接続されている。
航空機10の機体には、飛行試験に限らず、航空機10の飛行時に常時用いられる図示しないピトー装置が設けられている。そのピトー装置は、航空機10の標準設備として機体に常設されている。
【0061】
ピトー装置120は、
図8(b)に示すように、前方に向けて開口したピトー管121と、ピトー管121により得られる総圧(全圧とも)を検知する圧力検知部122と、ピトー装置120を機体に取り付けるための固定部123とを備える。
ピトー装置120は、被雷に備えて、図示しないボンディングジャンパにより胴体11のフレームに接地されている。
また、ピトー装置120は、ピトー管121への氷の付着を防ぐヒーターを内蔵している。
【0062】
ピトー管121は、気流に正対する開口121Aを有している。ピトー管121は、周囲の気流に対して平行に配置されることが好ましい。
ピトー管121の内部には、開口121Aから圧力検知部122へと通じる経路が形成されている。
【0063】
飛行時に開口121Aから押し込まれる空気の圧力は、総圧を示す。
一方、上述したトレーリングコーン装置は、静圧を測定する。
上述したエアデータシステムの演算装置は、ピトー装置120により測定される総圧と、トレーリングコーン装置により測定される静圧とに基づいて、動圧および対気速度を算出する。
すなわち、総圧と静圧との圧力差は、ベルヌーイの式(1)より、動圧P
dを示す。
【数1】
ここで、vは流速であり、P
dは動圧であり、ρは流体密度である。動圧P
dと、空気の密度ρとから求められる流速vが、気流に対する航空機10の速度である対気速度に相当する。
【0064】
ピトー装置120により正確な動圧を得るために、境界層が形成される機体の表面からピトー管121を所定の距離だけ離すことが好ましい。
圧力検知部122は、ピトー管121の基端側と、固定部123とを結ぶ。圧力検知部122は、固定部123から、窓16の面外方向かつ前方に向けて延び、ピトー管121の基端側に連続する。
【0065】
固定部123は、
図11および
図12に示す支持構造150に結合されるピトーブラケット124と一体化される。固定部123およびピトーブラケット124は、窓16に設置された窓代替部材8の円形の開口802を介して機体を貫通し、機内に設けられた支持構造150へと結合される。
できるだけ気流の乱れが少ないところにピトー管121が配置されるように、窓代替部材8上の適宜な位置に固定部123が配置される。
【0066】
円盤状に形成された固定部123の機内側には、
図9に示すように、防氷用のヒーターの電線を機内に引き出すための電線引出部123A、総圧計測用配管123Bが突設されている。引き出された電線は、それぞれ機内の装置へと接続される。
【0067】
窓代替部材8は、窓16に元々設けられていた樹脂パネルに代えて窓枠88に設けられたものである。窓代替部材8は、
図11に示すように、金属材料から形成されたパネル801と、パネル801の機内側に設けられた図示しない補強材とを有する。パネル801に形成されたパネル開口802の周縁には、機内側に向けて立ち上がる周壁803が形成されている。
窓代替部材8は、複数のクリップ804を用いて、窓枠88に機内側から固定される。クリップ804は、スキン153に固定された図示しないブラケットに固定される。窓代替部材8と窓枠88との間は、ゴム製のガスケット87により封止される。
【0068】
ピトーブラケット124は、
図12および
図10に示すように、窓代替部材8のパネル開口802に通される略円筒状のブラケット本体125と、ブラケット本体125の機内側の端部から径方向に拡がる結合フランジ126とを備えている。
【0069】
ブラケット本体125の機外側に位置する底部125A(
図9)に、
図10に示すようにピトー装置120の固定部123がファスナ123Cで締結される。
図13に示すように、固定部123の周縁と、底部125Aに環状に突設された凸部125Eとの間は、環状のシーリング125Fにより封止されている。
底部125Aには、電線引出部123Aおよび総圧計測用配管123Bが通される挿通孔125Dが厚み方向に貫通して形成されている。シーリング125Fにより、挿通孔125Dと外気とが隔てられているので、電線および配管の貫通する箇所における気密が保持されている。
ブラケット本体125の環状の側壁は、
図13に示すように、窓代替部材8のパネル開口802の周壁803の内側に配置される機外側側壁125Bと、機外側側壁125Bにおける外径に対して周壁803の先端を超えた位置で拡径された機内側側壁125Cとに区分されている(
図13)。
機外側側壁125Bの外周部と、周壁803の内周部との間には、所定の寸法の間隙S3が設定されている。
機内側側壁125Cの外周部と、周壁803の外周部とは、周壁803の先端と機内側側壁125Cの端部との間に位置する間隙S4を挟んで略面一に配置されている。
【0070】
周壁803の外周部および機内側側壁125Cの外周部は、後述するシール91を受けるシール受け部として機能する。
本実施形態におけるシール受け部である周壁803の外周部および機内側側壁125Cの外周部のいずれも、
図13に示すように、間隙S4を挟んで、間隙S4の一方側と他方側とを結ぶ方向(白抜き矢印参照)に沿って配置されている。間隙S4は、周壁803の先端と機内側側壁125Cの端部とが対向することで形成されている。間隙S4を形成する一方の部材である周壁803と、間隙S4を形成する他方の部材である機内側側壁125Cとを結ぶ方向が、間隙S4の一方側と他方側とを結ぶ方向であり、ピトー装置120が窓代替部材8を貫通する貫通方向に相当する。したがって、周壁803の外周部および機内側側壁125Cの外周部は、ピトー装置120の貫通方向に沿って配置されている。
【0071】
結合フランジ126は、荷重伝達部材160(後述)のベース開口161Aの周囲の面材164にファスナ126A(
図10)で締結される。これによってピトー装置120と支持構造150とが結合される。
結合フランジ126と面材164との間には、必要に応じてシム127(
図12)を介装するとよい。
【0072】
機外に設置されるピトー装置120は、飛行時に空気抵抗を生ずる。ピトー装置120を支持する支持構造150は、空気抵抗などによりピトー装置120に加えられる空力荷重を受け持つことのできる剛性を有する。
【0073】
支持構造150は、
図9および
図11に示すように、胴体11の構造部材であるフレーム151およびストリンガ152と、ピトー装置120からピトーブラケット124を介して入力される空力荷重をフレーム151およびストリンガ152へと伝達する荷重伝達部材160とを備えている。
支持構造150を構成するフレーム151,151は、窓16を間に挟んで前後に配置されている。また、同じく支持構造150を構成し、フレーム151,151に直交するストリンガ152,152も、窓16を間に挟んで上下に配置されている。なお、ストリンガ152,152の間に配置されるストリンガ152´は、窓16の位置で分断されている。
フレーム151,151およびストリンガ152,152は、窓16を四方から取り囲むように配置されている。
【0074】
荷重伝達部材160は、窓16の正面に配置されるベース161と、ベース161をフレーム151またはストリンガ152に固定する複数の固定部材162とを備えている。
ベース161は、窓16に沿って配置される面材164と、面材164の機内側の面と、機外側の面とにそれぞれ設けられる複数のサポート165とを有する。
ピトー装置120からピトーブラケット124を介して荷重伝達部材160に入力された空力荷重は、荷重伝達部材160によりフレーム151およびストリンガ152へと伝達され、フレーム151およびストリンガ152により負荷される。
【0075】
面材164には、円形のベース開口161Aが形成されている。
複数のサポート165は、それぞれ断面逆T字状に形成され、横方向(前後方向)に延びる横サポート165Aと、概ね縦方向(上下方向)に延びる縦サポート165Bとからなる。
【0076】
ピトーブラケット124を介してベース161へと入力された空力荷重は、面材164と、サポート165とを通じてベース161の周縁に向けて流れ、固定部材162を介してフレーム151およびストリンガ152へと伝達される。
ピトー装置120には、ピトー管121および圧力検知部122の空気抵抗により、後方かつ機内側へと向かう荷重が加えられる。また、ピトー管121および圧力検知部122に少なからず働く揚力と抗力により、上下方向に荷重も加えられる。
そういった荷重が合成された空力荷重に耐える剛性を確保するとともに、ベース161を固定することのできるフレーム151またはストリンガ152の位置にまで荷重が十分に伝達されるように、各サポート165の向きが定められている。
ベース161には、後述するリテーナ92を取り付ける作業を行うための孔161Bが形成されている。
また、ベース161は、窓代替部材8の取付の調整が必要な場合に、窓代替部材8に設けられるクリップ804(
図9)を固定しているファスナを調整できるように、クリップ804の位置を切り欠いた形状に形成されている。
【0077】
固定部材162は、面材164の端縁部をフレーム151,151にそれぞれ固定する縦固定部材166,166と、面材164の端縁部をストリンガ152,152にそれぞれ固定する横固定部材167,167とを有する。
縦固定部材166は、面材164の機外側に配置され、面材164とフレーム151とに図示しないファスナで締結されている。フレーム151への応力集中を避けるため、縦固定部材166は、面材164からフレーム151に向けて広がった形状をしている。
前方に位置する縦固定部材166は、図示しない配管との干渉を避けるため、複数に分割されている。
【0078】
横固定部材167も、縦固定部材166と同様に、面材164の機外側に配置され、面材164とストリンガ152とに図示しないファスナで締結されている。
【0079】
本実施形態では、ピトー装置120を航空機10の機体に取り付けるために、窓16を介してピトー装置120およびピトーブラケット124を機体に貫通させる。そのため、第1実施形態と同様に、機体を改修することなく、窓16の樹脂パネルを窓代替部材8に置き換え、機体の構造部材に設置した荷重伝達部材160とピトーブラケット124とを結合することにより、ピトー装置120を機体に容易に取り付けることができる。
また、ピトーブラケット124、荷重伝達部材160、およびフレーム151・ストリンガ152が、相互にファスナで着脱可能に結合されており、しかも、窓のパネル交換と同様に、クリップを用いて窓代替部材8を本来の樹脂パネルに置き換えることができるので、機体を元の状態に容易に回復させることができる。
【0080】
次に、ピトー装置120およびピトーブラケット124が窓代替部材8を貫通する箇所の気密を保持する気密保持部90について説明する。
【0081】
気密保持部90は、
図12および
図13に示すように、窓代替部材8の周壁803の先端とピトーブラケット124の機内側側壁125Cの端部との間の間隙S4を封止するシール91と、シール91を押さえるリテーナ92とを備える。シール91およびリテーナ92は、間隙S4を挟んで配置された周壁803の外周部と機内側側壁125Cの外周部とに沿って延在している。
シール91は、帯板状に形成されており、窓代替部材8の周壁803の外周部と、ピトーブラケット124の機内側側壁125Cの外周部とに、全周に亘り巻かれている。
シール91には、適宜なゴム系材料を用いることができる。本実施形態のシール71は、難燃性を有するクロロプレンゴムから形成されている。
【0082】
リテーナ92は、金属板をC字状に形成したバネであり、シール91の外周に巻き付けられると径方向に弾性力を発揮する。リテーナ92は、シール91と同様の寸法に形成されており、シール91の全周を周壁803の外周部および機内側側壁125Cの外周部に向けて押圧する。リテーナ92は、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの金属材料から形成することができる。リテーナ92は、シール91に用いられる材料よりも弾性率が大きい。ここでいう弾性率は、ヤング率(縦弾性係数)であるものとする。
【0083】
シール91およびリテーナ92は、それらを厚み方向に貫通するファスナ93により、ピトーブラケット124の機内側側壁125Cに締結される。ピトーブラケット124の周方向に所定の間隔をおいて複数のファスナ93が配置される。窓代替部材8の周壁803には、シール91およびリテーナ92がファスナで固定されていない。
【0084】
ファスナ93を締めると、シール91がリテーナ92と周壁803および機内側側壁125Cとの間で圧縮され、間隙S4が封止される。
ところで、間隙S4を封止するシール91には、機内の与圧と機外の外気圧との圧力差が作用する。機内の与圧を保持するため、シール91により間隙S4が隙間なく封止されている必要がある。
ところが、特にフライト開始直後など、飛行高度の上昇により機外の気圧が急激に下がると、シール91がずれて、シール91と周壁803や機内側側壁125Cとの間に隙間が生じやすい。それを未然に防いで機内の与圧を保持するために、シール91をリテーナ92により周壁803および機内側側壁125Cに押さえている。
ここで、周壁803と機内側側壁125Cとの両方にシール91およびリテーナ92を固定していると、空力荷重がピトー装置120に負荷された際に窓16へと荷重が入力されてしまう。それによってシール91が間隙S4からずれたり、過度に変形して周壁803や機内側側壁125Cから浮いたり、窓代替部材8や窓枠88が破損したりすることで気密が失われることを未然に防ぐために、機内側側壁125Cのみにシール91を固定している。つまり、シール91は、一端側で機内側側壁125Cに固定され、他端側では周壁803により単純支持されている。
以上をまとめると、機外の気圧降下時にシール91による気密を確保する必要があるとともに、空力荷重によりピトー装置120が変形した際に、ピトー装置120から窓16に荷重を伝達しないで、ピトー装置120と窓16との間の気密を確保する必要がある。そのため、窓16とピトー装置120との間に上述の間隙S3,S4を設定し、間隙S4を封止するシール91をリテーナ92で窓16とピトー装置120とに押圧するとともに、シール91を片側で固定している。
【0085】
上述のように、シール91がリテーナ92で押さえられており、かつシール91がピトー装置120の周壁803に片側で固定されているので、空力荷重が負荷されたピトー装置120により機内側側壁125Cが変位するのに伴って、シール91が窓16の周壁803との摩擦力に抗してスライドする。
このようにシール91を周壁803に沿ってスライド変位させることで、ピトー装置120から窓16に直接的に荷重が入るのを避けることができる。
【0086】
なお、シール91が周壁803側に固定されており、機内側側壁125Cより単純支持されるように構成することもできる。その場合も、シール91が機内側側壁125Cに沿ってスライド変位することで、ピトー装置120から窓16に直接的に荷重が入るのを避けることができる。
【0087】
以上によれば、ピトー装置120と窓16との間の気密を保持するシール91をリテーナ92により押さえる構造において、ピトー装置120および窓16の一方にのみシール91が固定され、他方によりスライド可能に支持される構成により、ピトー装置120と窓16との間の荷重伝達を避ける機構を実現することができる。この機構によれば、空力荷重によりピトー装置120からの荷重によって125が変形することで封止対象(ピトー装置120および窓16)が相対変位するため気密保持が難しい箇所の気密を、シール91により確実に保持することができる。
【0088】
本実施形態では、ピトー装置120と、ピトー装置120に一体化されるピトーブラケット124とにより機体を貫通する貫通部材が構成されているが、ピトー装置120と窓代替部材8との形態によっては、必ずしもピトーブラケット124を必要としない。したがって、ピトー装置120の一部が機体を貫通するように構成することもできる。
【0089】
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
第1実施形態のアーム30や第2実施形態のピトーブラケット124のサイズに適合する大きさの窓や扉が存在する場合は、窓や扉の開口そのものにアーム30やピトーブラケット124を通すことができる。その場合、窓や扉の代替部材を用いる必要はない。そして、窓や扉の開口の周縁部とアーム30やピトーブラケット124の外周部との間をシールで封止し、リテーナによりシールを押圧するとよい。
窓や扉の代替部材を用いなくても、スキンに予め形成された開口である窓や扉を利用することにより、スキンの内側で縦横に走っている構造部材を欠損させることがないので、貫通部材を機体に容易に取り付けることができ、また、貫通部材を取り外した後の機体の復元も容易である。