特許第6382042号(P6382042)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382042
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 9/09 20060101AFI20180820BHJP
   G03G 9/08 20060101ALI20180820BHJP
   G03G 9/097 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   G03G9/09
   G03G9/08 391
   G03G9/097 365
【請求項の数】3
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2014-184680(P2014-184680)
(22)【出願日】2014年9月10日
(65)【公開番号】特開2016-57511(P2016-57511A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年4月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 淳一
(72)【発明者】
【氏名】占部 隆
(72)【発明者】
【氏名】高野 太史
(72)【発明者】
【氏名】荒木 聡
(72)【発明者】
【氏名】吉田 麻衣子
【審査官】 高橋 純平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−200522(JP,A)
【文献】 特開2014−157249(JP,A)
【文献】 特開2013−073017(JP,A)
【文献】 特開2014−134636(JP,A)
【文献】 特開2010−217816(JP,A)
【文献】 特開2009−209367(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0295351(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 9/00−9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のトナーが収容された第1の現像器と、第2のトナーが収容された第2の現像器とを備え、
前記第1のトナーは、平板状の着色剤粒子がバインダー樹脂粒子で被覆された粒子の粒子群を含有し、前記着色剤粒子の粒子群の体積平均粒径が6μm以上であり、
前記第2のトナーは、着色剤を含まず、バインダー樹脂と離型剤とを含む粒子の粒子群を含有し、アスペクト比(長径/短径)が3以下であり、前記第2のトナー中の前記離型剤の含有量が4〜24質量%であり、
記録媒体上に、前記第1のトナー100質量部と、前記第2のトナー1〜75質量部とを含有するトナー組成物からなるトナー像が形成される、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1のトナー中の着色剤粒子が、光輝性顔料である、請求項1記載の画像形成装置
【請求項3】
請求項又は記載の画像形成装置を用いて、記録媒体上に、前記第1のトナー100質量部と、前記第2のトナー1〜75質量部とを含有するトナー組成物からなるトナー像を転写し、定着させて画像を形成する、画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、トナー組成物、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者の印刷物に対する要求が多様化している。その中、従来のYMCKのトナー以外に、より高付加価値を与える高機能なトナーが求められている。例えば、金属光沢又はパール光沢を発現する光輝性顔料を着色剤として含有するトナーが提案されている。
光輝性顔料は、一様に粒径が大きい。光輝性顔料としては、例えば、金属酸化物で被覆された雲母、アルミニウム顔料等が挙げられる。これらの光輝性顔料の粒径は、約5〜200μm程度である。
加えて、光輝性顔料は、光が複雑に反射する平板状の反射面を有する。光輝性顔料においては、粒径が大きいほど、前記の反射面が多くなり、金属光沢又はパール光沢が強く発現する。一方、光輝性顔料においては、粒径が小さい場合、金属光沢又はパール光沢が発現しにくい。
また、トナーに光輝性顔料が用いられた場合、前記の平板状の反射面に入射した光の複雑な反射光が視覚で認識されることで、鮮やかな光沢感が印刷物に付与される。このため、光沢感が付与された印刷物(加飾性のある画像)を形成するには、光輝性顔料の平板状の反射面が画像面と平行に配向すること、が重要となる。
【0003】
しかし、光輝性顔料を着色剤として含有するトナーにおいては、光輝性顔料の粒径が大きいため、光輝性顔料が樹脂で充分に被覆されにくい。このようなトナーが用いられた場合、画像面に対する定着性が低く、定着不良を発生する可能性があった。
一方、光輝性顔料表面の露出の少ないトナーを製造しようとすると、トナー粒径が大きくなりやすい。この大きな粒径のトナーが用いられた場合、現像もしくは転写に不都合が生じる、又は、画像面で光輝性顔料の配向性の乱れが生じやすくなる可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−200522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、充分な加飾性を有し、かつ、良好な定着性が得られるトナー組成物、画像形成装置及び画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のトナー組成物は、第1のトナー100質量部と、第2のトナー1〜75質量部とを持つ。前記第1のトナーは、平板状の着色剤粒子がバインダー樹脂粒子で被覆された粒子の粒子群を含有する。前記着色剤粒子の粒子群の体積平均粒径は、6μm以上である。前記第2のトナーは、着色剤を含まず、バインダー樹脂と離型剤とを含む粒子の粒子群を含有する。前記第2のトナーのアスペクト比(長径/短径)は、3以下である。前記第2のトナー中の前記離型剤の含有量は、4〜24質量%である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1のトナーの製造方法の製造フロー図。
図2】第1のトナー及び第2のトナーの製造方法の製造フロー図。
図3】実施形態の画像形成装置を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態のトナー組成物を説明する。
実施形態のトナー組成物は、第1のトナーと第2のトナーとを含有する。
本実施形態におけるトナーは、帯電性を有する樹脂含有微粉末である。前記樹脂含有微粉末には、着色剤を含むもの、及び、着色剤を含まないものがいずれも含まれる。
本実施形態のトナー組成物としては、例えば、同一の現像器に収容されるトナーとしての、第1のトナーと第2のトナーとの混合物である混合トナー組成物が挙げられる。
また、本実施形態のトナー組成物としては、第1のトナーと第2のトナーとが記録媒体上で混合されるもの(画像部分)が挙げられる。これら2種のトナーが記録媒体上で混合されてなる画像部分は、例えば、第1のトナーが収容された第1の現像器と、第2のトナーが収容された第2の現像器とをそれぞれ備えた画像形成装置により形成される。
【0009】
以下、第1のトナーの構成について説明する。
第1のトナーは、平板状の着色剤粒子がバインダー樹脂粒子で被覆された粒子の粒子群(粒子群(t1))を主成分として含有する。
【0010】
第1のトナーにおいて、着色剤には、平板状の着色剤粒子の粒子群が用いられる。着色剤粒子が平板状であることで、画像形成の際、トナーが記録媒体と平行に配向しやすくなり、加飾性が得られやすい。
着色剤粒子の粒子群の体積平均粒径は、6μm以上であり、6〜300μmが好ましい。着色剤粒子の粒子群の体積平均粒径が前記の下限値以上であれば、画像が形成された際、充分な加飾性が得られる。着色剤粒子の粒子群の体積平均粒径が300μmを超えると、電子写真プロセスでの現像や転写等の制御が難しくなりやすい。
平板状の着色剤粒子のアスペクト比(長径/短径)は、3以上が好ましく、10以上がより好ましい。着色剤粒子のアスペクト比が前記の好ましい下限値以上であれば、着色剤粒子の光輝性がより高まる。一方、着色剤粒子のアスペクト比が前記の好ましい上限値以下であれば、着色剤粒子がバインダー樹脂粒子で充分に被覆されやすくなる。
【0011】
本明細書において、粒子群の体積平均粒径は、粒度分布測定装置により測定される。
粒子のアスペクト比(長径/短径)は、以下のようにして求められる。粒子の長径は、粒度分布測定装置により測定され、前記の粒子群の体積平均粒径と同じとされる。粒子の短径は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)によるSEM像から、複数の粒子側面における短径が測定され、これらの平均値とされる。
【0012】
着色剤としては、カーボンブラック、有機又は無機の顔料等が挙げられる。
カーボンブラックとしては、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。
【0013】
有機又は無機の顔料としては、例えば、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、光輝性顔料等が挙げられる。
【0014】
イエロー顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、81、83、93、95、97、98、109、117、120、137、138、139、147、151、154、167、173、180、181、183、185;C.I.バットイエロー1、3、20等が挙げられる。イエロー顔料は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
マゼンタ顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、150、163、184、185、202、206、207、209、238;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。マゼンタ顔料は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
シアン顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45等が挙げられる。シアン顔料は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
【0015】
光輝性顔料としては、光輝性を有する顔料であれば特に制限されず、例えば、アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛などの金属粉末;金属酸化物で被覆された薄片状無機結晶基質;単結晶板状酸化チタン;塩基性炭酸塩;酸オキシ塩化ビスマス;天然グアニン;薄片状ガラス粉;金属蒸着された薄片状ガラス粉等が挙げられる。
前記の薄片状無機結晶基質としては、例えば雲母、硫酸バリウム、層状ケイ酸塩、層状アルミニウムのケイ酸塩等が挙げられる。
前記の薄片状無機結晶基質を被覆する金属酸化物としては、例えば酸化チタン、酸化鉄等が挙げられる。
これらの中でも、光輝性顔料としては、顔料の光輝性がより高いことから、金属酸化物で被覆された薄片状無機結晶基質、金属粉末が好ましく、金属酸化物で被覆された薄片状無機結晶基質がより好ましい。
【0016】
着色剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
着色剤の中でも、加飾性が得られやすいことから、有機又は無機の顔料が好ましく、その中でも光輝性顔料がより好ましい。
第1のトナー中の着色剤の含有量は、特に限定されず、第1のトナーの総量に対して、例えば10〜65質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。着色剤の含有量が前記の好ましい下限値未満では、金属光沢又はパール光沢が得られにくい。一方、着色剤の含有量が前記の好ましい上限値を超えると、定着性又は画像の堅牢性が低下しやすい。
【0017】
第1のトナーに用いられるバインダー樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が挙げられる。
【0018】
ポリエステル系樹脂としては、多価カルボン酸とポリアルコールとの縮合重合物が好ましく、ジカルボン酸成分とジオール成分との縮合重合物がより好ましい。
前記ジカルボン酸成分としては、例えば芳香族ジカルボン酸、脂肪族カルボン酸等が挙げられる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、ピメリン酸、シュウ酸、マロン酸、シトラコン酸、イタコン酸等が挙げられる。
前記ジオール成分としては、例えば、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族ジオール、エチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物等が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチングリコール、トリメチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール等が挙げられる。脂環族ジオールとしては、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。芳香族ジオールとしては、ビスフェノールA等が挙げられる。エチレンオキシド付加物としては、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物等が挙げられる。プロピレンオキシド付加物としては、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、架橋しているものでもよい。架橋しているポリエステル系樹脂は、例えば、3価以上の多価カルボン酸、又は3価以上の多価アルコール成分が用いられることで合成される。3価以上の多価カルボン酸としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)等が挙げられる。3価以上の多価アルコール成分としては、グリセリン等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、非晶性のものが用いられてもよく、結晶性のものが用いられてもよい。
【0019】
ポリスチレン系樹脂としては、芳香族ビニル成分と(メタ)アクリル酸エステル成分との共重合物が好ましい。前記の(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの少なくとも一方を示す。
前記芳香族ビニル成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−クロロスチレン等が挙げられる。前記(メタ)アクリル酸エステル成分としては、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルメタクリレート等が挙げられる。これらの中ではブチルアクリレートが一般的に用いられる。
芳香族ビニル成分と(メタ)アクリル酸エステル成分との重合方法としては、一般的に乳化重合法が採られる。ポリスチレン系樹脂は、例えば、乳化剤を含んだ水相中で、各成分の単量体がラジカル重合することによって得られる。
【0020】
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、3000〜70000が好ましく、5000〜50000がより好ましく、10000〜30000がさらに好ましい。
バインダー樹脂のMwが前記の好ましい下限値未満では、トナーの耐熱保存性が低下しやすい。バインダー樹脂のMwが大きくなるのに伴って、定着温度が高くなる。バインダー樹脂のMwが前記の好ましい上限値以下であると、定着処理における電力消費量が容易に抑えられる。
本明細書において、樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の値である。
【0021】
バインダー樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
バインダー樹脂の中でも、ガラス転移温度(Tg)が低く、低温定着性に優れている点から、ポリエステル系樹脂が好ましい。
ポリエステル系樹脂の中でも、Tgが、35℃以上のものが好ましく、40〜70℃のものがより好ましく、45〜65℃のものがさらに好ましい。Tgが前記の好ましい下限値以上であると、トナーの保管安定性がより向上する。一方、Tgが前記の好ましい上限値以下であると、低温定着性がより良好となる。
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定により測定される。
ポリエステル系樹脂の中でも、酸価が5〜30のものが好ましく、5〜20のものがより好ましい。
第1のトナー中のバインダー樹脂の含有量は、着色剤の含有量等に応じて適宜設定され、第1のトナーの総量に対して、例えば30〜85質量%が好ましく、40〜70質量%がより好ましい。バインダー樹脂の含有量が前記の好ましい下限値未満では、定着性、画像の堅牢性が確保されにくい。一方、バインダー樹脂の含有量が前記の好ましい上限値を超えると、定着性、光輝性が確保されにくく、また、トナー飛散が生じやすくなる。
【0022】
第1のトナーは、平板状の着色剤粒子及びバインダー樹脂以外に、必要に応じて、その他の成分(任意成分(1))を含有してもよい。前記任意成分(1)としては、例えば、離型剤、界面活性剤、凝集剤、帯電制御剤、pH調整剤、外添剤等が挙げられる。
【0023】
第1のトナーには、離型剤が含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。
第1のトナーに適量の離型剤が含まれる場合、オフセット性能がより向上する。加えて、タンデム式の画像形成装置が用いられる場合、第1のトナーに適量の離型剤が含まれていると、定着部材への第1のトナーの汚染に対する、現像器の配列順序による影響が抑えられる。
第1のトナーに離型剤が含まれていない場合、第1のトナー表面に存在する離型剤に起因する帯電不良が防止される。加えて、現像器への離型剤の汚染が原因で生じる現像不良等が防止される。
【0024】
前記任意成分(1)における離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス又はこれらの変性物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、ライスワックス等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パルミチン酸エステルワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするエステルワックス;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの等の脂肪酸アミド;機能性合成ワックス;シリコーン系ワックス等が挙げられる。
離型剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
離型剤の中でも、オフセットの発生を抑える効果に優れている点から、脂肪族炭化水素系ワックス、脂肪酸エステルを主成分とするエステルワックスが好ましく、これらの中でもパラフィンワックス、パルミチン酸エステルを主成分とするエステルワックスがより好ましい。
第1のトナーが離型剤を含有する場合、第1のトナー中の離型剤の含有量は、第1のトナーの総量に対して、例えば20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、2〜15質量%がさらに好ましい。
離型剤の含有量が前記の好ましい上限値以下であれば、トナーの帯電不良、又は現像不良等がより防止される。一方、離型剤の含有量が前記の好ましい下限値以上では、オフセットの発生が抑えられやすくなる。
【0025】
前記任意成分(1)における界面活性剤は、主に、トナー粒子を製造する際に分散剤として用いられる。界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩、石鹸、カルボン酸塩等のアニオン性界面活性剤;アミン塩、4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;ベタイン等の両性界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物系、又は多価アルコール系等のノニオン性界面活性剤;ポリカルボン酸等の高分子型界面活性剤等が挙げられる。
【0026】
前記任意成分(1)における凝集剤としては、例えば、塩化ナトリウム等の1価金属塩;硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等の多価金属塩;塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等の非金属塩;塩酸、硝酸等の酸;ポリアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(ポリDADMAC)等の強カチオン性凝結剤等が挙げられる。また、前記の界面活性剤は、凝集剤としても用いられる。
これらの中でも、凝集の促進効果が高いことから、非金属塩が好ましく、硫酸アンモニウムがより好ましい。
【0027】
前記任意成分(1)における帯電制御剤としては、例えば、含金属アゾ化合物、含金属サリチル酸誘導体化合物、含金属ポリサッカライド化合物などが挙げられる。
含金属アゾ化合物の中でも、金属が鉄、コバルトもしくはクロムの錯体又は錯塩、あるいはこれらの混合物が好ましい。
含金属サリチル酸誘導体化合物の中でも、金属がジルコニウム、亜鉛、クロムもしくはボロンの錯体又は錯塩、あるいはこれらの混合物が好ましい。
含金属ポリサッカライド化合物の中でも、金属としてアルミニウム及び/又はマグネシウムを含むポリサッカライドが好ましい。
【0028】
前記任意成分(1)におけるpH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン化合物等の塩基;塩酸、硝酸、硫酸等の酸が挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン,イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン等が挙げられる。
【0029】
前記任意成分(1)における外添剤としては、例えば、シリカ粒子、酸化チタンなどの無機酸化物の粒子、又はこれらの粒子が疎水化剤で表面処理されたもの等が挙げられる。外添剤は、トナーへの流動性の付与、又は帯電性の調整等のために添加される。
【0030】
以下、第1のトナーの製造方法について、図面を参照して説明する。
第1のトナーの製造方法は、特に制限はないが、光輝性の発現しやすさの点から、平板状の着色剤粒子が破砕されにくいケミカル製法が粉砕製法に比べて好ましい。
図1は、第1のトナーの製造方法の製造フローを示す図である。
図1に示す実施形態は、着色剤分散液(c)を調製する工程(Act101)と、バインダー樹脂分散液(p)を調製する工程(Act102)と、凝集工程(Act103)と、融着工程(Act104)と、洗浄工程(Act105)と、乾燥工程(Act106)とを有する。
【0031】
以下、着色剤分散液(c)を調製する工程(Act101)について説明する。
着色剤分散液(c)は、平板状の着色剤粒子が分散した液である。
着色剤分散液(c)中の着色剤の含有量は、特に限定されず、着色剤分散液(c)の総量に対して、例えば2〜15質量%が好ましい。
着色剤分散液(c)における分散媒には、例えば水系媒体が用いられる。水系媒体としては、例えば、水、水と有機溶媒との混合溶媒等が挙げられ、中でも水が好ましい。
着色剤分散液(c)は、着色剤及び分散媒以外の成分(任意成分(c))を含んでもよい。前記任意成分(c)としては、例えば界面活性剤、凝集剤等が挙げられる。任意成分(c)における界面活性剤、凝集剤としては、上述の任意成分(1)として例示された界面活性剤、凝集剤と同様のものが挙げられる。
着色剤分散液(c)は、例えば、分散媒と、着色剤粒子の粒子群と、必要に応じて任意成分(c)とが混合されることにより調製される。
【0032】
以下、バインダー樹脂分散液(p)を調製する工程(Act102)について説明する。
バインダー樹脂分散液(p)は、バインダー樹脂粒子が分散した液である。
バインダー樹脂分散液(p)中のバインダー樹脂の含有量は、着色剤の濃度等に応じて適宜設定され、バインダー樹脂分散液(p)の総量に対して、例えば20〜40質量%が好ましい。
バインダー樹脂分散液(p)における分散媒には、例えば水系媒体が用いられる。水系媒体としては、例えば、水、水と有機溶媒との混合溶媒等が挙げられ、中でも水が好ましい。
バインダー樹脂分散液(p)は、バインダー樹脂及び分散媒以外の成分(任意成分(p))を含んでもよい。前記任意成分(p)としては、例えば界面活性剤、pH調整剤等が挙げられる。任意成分(p)における界面活性剤、pH調整剤としては、上述の任意成分(1)として例示された界面活性剤、pH調整剤と同様のものが挙げられる。バインダー樹脂分散液(p)のpHは、好ましくは9〜13程度に調整される。
【0033】
バインダー樹脂分散液(p)は、例えば、分散媒と、バインダー樹脂と、必要に応じて任意成分(p)とが混合されることにより調製される。バインダー樹脂分散液(p)が調製される際、混合液中の分散物に機械的せん断力が付与されることにより、バインダー樹脂の微粒化が図られる。
前記バインダー樹脂粒子の形状は、特に限定されない。前記バインダー樹脂粒子の形状としては、例えば球状、円柱状、板状等が挙げられ、中でも着色剤粒子とより凝集しやすい点から、球状が好ましい。
【0034】
バインダー樹脂分散液(p)中のバインダー樹脂粒子の粒子群の体積平均粒径は、0.03〜0.40μmが好ましく、0.05〜0.30μmがより好ましい。バインダー樹脂粒子の粒子群の体積平均粒径が前記の好ましい下限値以上であれば、バインダー樹脂粒子同士の凝集体(ホモ粒子)が形成されにくくなる。一方、バインダー樹脂粒子の粒子群の体積平均粒径が前記の好ましい上限値以下であれば、着色剤粒子表面がバインダー樹脂粒子で被覆されやすくなる。
前記の着色剤粒子の粒子群の体積平均粒径と、バインダー樹脂粒子の粒子群の体積平均粒径との比率(着色剤粒子/バインダー樹脂粒子)は、20〜1200が好ましく、25〜1000がより好ましい。かかる体積平均粒径の比率が前記の好ましい下限値以上であると、画像が形成された際、加飾性がより得られやすくなる。一方、前記の好ましい上限値以下であると、定着性がより良好となる。
【0035】
以下、凝集工程(Act103)について説明する。
凝集工程(Act103)では、例えば、前記の着色剤分散液(c)にバインダー樹脂分散液(p)が添加される。この際、平板状の着色剤粒子とバインダー樹脂粒子とが凝集する。そして、着色剤粒子表面がバインダー樹脂粒子で被覆された凝集体が分散した凝集体分散液が得られる。
【0036】
着色剤分散液(c)にバインダー樹脂分散液(p)が添加される際、着色剤分散液(c)の全量に対して、バインダー樹脂分散液(p)は少量ずつ、時間をかけて添加されることが好ましい。バインダー樹脂分散液(p)は、その所定量が連続添加されてもよく、間欠添加されてもよい。中でも、着色剤粒子表面がバインダー樹脂粒子で密に被覆されやすいことから、着色剤分散液(c)にバインダー樹脂分散液(p)の所定量が連続添加されることが好ましい。着色剤分散液(c)にバインダー樹脂分散液(p)の所定量が連続添加される場合、バインダー樹脂分散液(p)が、着色剤分散液(c)に対して一定の添加速度で添加されることが好ましい。前記添加速度は、配合量等によって適宜決定される。
【0037】
着色剤分散液(c)とバインダー樹脂分散液(p)との配合比率は、バインダー樹脂/着色剤で表される質量比で、1以上が好ましく、1〜3がより好ましい。かかる質量比が前記の好ましい下限値以上であると、着色剤粒子の表面全体がバインダー樹脂粒子で充分に被覆されやすくなる。一方、かかる質量比が前記の好ましい上限値以下であると、定着性、光輝性が確保されやすくなる。
着色剤分散液(c)にバインダー樹脂分散液(p)が添加される際、離型剤、帯電制御剤等の任意成分(1)がさらに添加されてもよい。この際、バインダー樹脂分散液(p)と任意成分(1)とが混合された混合液がさらに添加されてもよい。
着色剤分散液(c)にバインダー樹脂分散液(p)が添加された後、得られた凝集体分散液に、さらにバインダー樹脂分散液(p)が添加されてもよい。これにより、着色剤粒子の表面がバインダー樹脂樹脂粒子で充分に被覆される。
【0038】
以下、融着工程(Act104)について説明する。
融着工程(Act104)では、上述の凝集工程で生成した凝集体が加熱処理される。これにより、前記凝集体を構成する着色剤粒子とバインダー樹脂粒子とが融着して融着粒子が得られる。融着工程の操作は、上述の凝集工程の操作と同時に行われてもよい。
凝集体分散液の加熱温度は、着色剤及びバインダー樹脂の種類、融解温度等を勘案して決定される。凝集体分散液の加熱時間は、2〜10時間程度が好ましい。
【0039】
以下、洗浄工程(Act105)について説明する。
洗浄工程(Act105)では、上述の融着工程後の融着粒子が洗浄される。融着粒子の洗浄方法には、公知の洗浄方法が用いられる。融着粒子の洗浄は、例えば、イオン交換水による洗浄とろ過とが繰り返されることにより行われ、好ましくは、ろ液の導電率が50μS/cm以下になるまで繰り返される。
【0040】
以下、乾燥工程(Act106)について説明する。
乾燥工程(Act106)では、上述の洗浄工程後の融着粒子が乾燥され、第1のトナーが得られる。
融着粒子の乾燥方法には、公知の乾燥方法が用いられる。融着粒子を乾燥する操作は、例えば真空乾燥機により行われ、好ましくは、融着粒子の含水率が1.0質量%以下になるまで行われる。
【0041】
第1のトナーの製造方法においては、乾燥工程(Act106)の後、さらに外添工程が設けられてもよい。前記外添工程では、上述の乾燥工程後のトナー粒子の粒子群と外添剤とが混合される。
【0042】
以下、第1のトナーの特性について説明する。
第1のトナーにおいては、平板状の着色剤粒子がバインダー樹脂粒子で被覆されている。
本明細書において、「着色剤粒子がバインダー樹脂粒子で被覆されている」とは、着色剤粒子の表面積の50%以上がバインダー樹脂粒子バインダー樹脂粒子で被覆されていることをいう。本実施形態における第1のトナーは、好ましくは着色剤粒子の表面積の90%以上、より好ましくは着色剤粒子の表面積の100%がバインダー樹脂粒子で被覆されている。着色剤粒子がバインダー樹脂粒子で被覆されていることは、試料の粒子表面が、SEMにより観察され、画像処理又は表面元素分析等が行われることで確認される。
【0043】
第1のトナー中の前記粒子群(t1)の含有量は、好ましくは90質量%以上、100質量%であってもよい。
【0044】
第1のトナーのアスペクト比(長径/短径)は、3以上が好ましく、10以上がより好ましく、20〜40がさらに好ましい。
第1のトナーのアスペクト比が前記の好ましい下限値以上であれば、画像が形成された際、加飾性が得られやすくなる。第1のトナーのアスペクト比が前記の好ましい下限値未満では、バインダー樹脂量が多くなってトナーが厚くなり過ぎて、画像面でのトナーの配向性の乱れが生じやすくなる。この結果として、加飾性が損なわれやすくなる。
一方、第1のトナーのアスペクト比が前記の好ましい上限値以下であれば、定着性がより良好となる。第1のトナーのアスペクト比が前記の好ましい上限値を超えると、すなわち、トナーが薄くなるに伴って、バインダー樹脂量が不足するため、所望の定着性が得られにくい。
【0045】
前記第1のトナーの体積平均粒径は、好ましくは6〜350μm、より好ましくは6〜300μmである。第1のトナーの体積平均粒径が前記の好ましい下限値以上であれば、画像が形成された際、充分な加飾性が得られやすい。一方、第1のトナーの体積平均粒径が前記の好ましい上限値以下であれば、電子写真プロセスでの現像や転写等の制御が容易である。
【0046】
以下、第2のトナーの構成について説明する。
第2のトナーは、着色剤を含まず、バインダー樹脂と離型剤とを含む粒子の粒子群(粒子群(t2))を主成分として含有する。
【0047】
第2のトナーに用いられるバインダー樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が挙げられる。
第2のトナーにおけるポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂は、第1のトナーにおけるポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂とそれぞれ同様のものが挙げられる。
第2のトナーに用いられるバインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、第1のトナーに用いられるバインダー樹脂のMwと同様である。
バインダー樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
バインダー樹脂の中でも、ガラス転移温度(Tg)が低く、低温定着性に優れている点から、ポリエステル系樹脂が好ましい。かかるポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)、酸価は、第1のトナーにおけるポリエステル系樹脂のTg、酸価とそれぞれ同様である。
第2のトナー中のバインダー樹脂の含有量は、離型剤の含有量等に応じて適宜設定され、第2のトナーの総量に対して、例えば75質量%以上が好ましく、78〜97質量%がより好ましく、80〜95質量%がさらに好ましい。バインダー樹脂の含有量が前記の好ましい下限値未満では、定着性、画像の堅牢性が確保されにくい。一方、バインダー樹脂の含有量が前記の好ましい上限値を超えると、定着性、光輝性が確保されにくく、また、トナー飛散が生じやすくなる。
【0048】
第2のトナーに用いられる離型剤としては、上述の任意成分(1)における離型剤と同様のものが挙げられる。
離型剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上で併用されてもよい。
離型剤の中でも、オフセットの発生を抑える効果に優れている点から、脂肪族炭化水素系ワックス、植物系ワックス、脂肪酸エステルを主成分とするエステルワックスが好ましく、これらの中でもパラフィンワックス、カルナバワックス、パルミチン酸エステルを主成分とするエステルワックスがより好ましい。
第2のトナー中の離型剤の含有量は、第2のトナーの総量に対して、4〜24質量%であり、5〜20質量%が好ましい。
離型剤の含有量が前記の好ましい上限値以下であれば、記録媒体への定着性がより高まる。一方、離型剤の含有量が前記の好ましい下限値以上では、オフセットの発生が抑えられやすくなる。
【0049】
第2のトナーは、着色剤を含まず、バインダー樹脂及び離型剤以外に、必要に応じて、その他の成分(任意成分(2))を含有してもよい。前記任意成分(2)としては、上述の任意成分(1)と同様のものが挙げられる。
【0050】
以下、第2のトナーの特性について説明する。
第2のトナー中の粒子群(t2)の含有量は、好ましくは95質量%以上、より好ましくは98質量%以上であり、100質量%であってもよい。
【0051】
第2のトナーのアスペクト比(長径/短径)は、3以下であり、2以下が好ましく、1.5以下がより好ましい。
第2のトナーのアスペクト比が前記の上限値以下であれば、第2のトナーによる定着補助の効果が得られやすくなる。
【0052】
前記第2のトナーの体積平均粒径は、好ましくは3〜12μm、より好ましくは4〜10μmである。第2のトナーの体積平均粒径が前記の好ましい下限値未満では、トナーの粒径が小さく、第2のトナーによる第1のトナーの定着補助の効果が得られにくくなる。一方、第2のトナーの体積平均粒径が前記の好ましい上限値以下であれば、画像形成の際、第1のトナーが記録媒体と平行に配向しやすくなり、加飾性が得られやすい。
【0053】
以下、第2のトナーの製造方法について説明する。
第2のトナーの製造方法としては、特に制限されず、公知のトナーの製造方法が挙げられる。トナーの製造方法としては、例えば、粉砕製法、ケミカル製法(凝集融着法、乳化重合法、転相乳化法等)が挙げられる。
【0054】
以下、第2のトナーの製造方法の一実施形態について説明する。
第2のトナーを粉砕製法により製造する場合、まず、バインダー樹脂と、離型剤と、必要に応じて任意成分(2)とが混合されてトナー材料混合物が調製される。この後、前記トナー材料混合物が、加熱されて溶融混練される(混合・混練工程)。次いで、冷却の後、粉砕処理が行われる(粉砕工程)。次いで、分級処理が行われ、第2のトナーが得られる(分級工程)。
前記の第2のトナーの製造方法においては、分級工程の後、さらに外添工程が設けられてもよい。
【0055】
以下、第2のトナーの製造方法の他の実施形態について説明する。
図2は、第1のトナー及び第2のトナーの製造方法の製造フローを示す図である。
図2に示す実施形態は、着色剤分散液(c)を調製する工程(Act111)と、バインダー樹脂分散液(p)を調製する工程(Act112)と、離型剤分散液(w)を調製する工程(Act113)と、凝集工程(Act114)と、融着工程(Act115)と、分離工程(Act116)と、洗浄工程(Act117−1)及び乾燥工程(Act118−1)と、洗浄工程(Act117−2)及び乾燥工程(Act118−2)とを有する。
【0056】
着色剤分散液(c)を調製する工程(Act111)は、上述の着色剤分散液(c)を調製する工程(Act101)と同様である。
バインダー樹脂分散液(p)を調製する工程(Act112)は、上述のバインダー樹脂分散液(p)を調製する工程(Act102)と同様である。
【0057】
以下、離型剤分散液(w)を調製する工程(Act113)について説明する。
離型剤分散液(w)は、離型剤粒子が分散した液である。
離型剤分散液(w)中の離型剤の含有量は、着色剤の濃度、又はバインダー樹脂の種類等に応じて適宜設定され、離型剤分散液(w)の総量に対して、例えば30〜50質量%が好ましい。
離型剤分散液(w)における分散媒には、例えば水系媒体が用いられる。水系媒体としては、例えば、水、水と有機溶媒との混合溶媒等が挙げられ、中でも水が好ましい。
離型剤分散液(w)は、離型剤及び分散媒以外の成分(任意成分(w))を含んでもよい。前記任意成分(w)としては、例えば界面活性剤、アミン化合物等が挙げられる。任意成分(w)における界面活性剤、アミン化合物としては、上述の任意成分(1)として例示された界面活性剤、アミン化合物と同様のものが挙げられる。
【0058】
離型剤分散液(w)は、例えば、分散媒と、離型剤と、必要に応じて任意成分(w)とが混合されることにより調製される。離型剤分散液(w)が調製される際、混合液中の分散物に機械的せん断力が付与されることにより、離型剤の微粒化が図られる。
離型剤粒子の形状は、特に限定されない。離型剤粒子の形状としては、例えば球状、円柱状、板状等が挙げられ、中でも着色剤粒子及びバインダー樹脂粒子とそれぞれ凝集しやすい点から、球状が好ましい。
【0059】
離型剤分散液(w)中の離型剤粒子の粒子群の体積平均粒径は、0.025〜0.60μmが好ましく、0.030〜0.55μmがより好ましい。
離型剤粒子の粒子群の体積平均粒径が前記の好ましい下限値以上であれば、離型剤粒子同士の凝集体(ホモ粒子)が形成されにくくなる。一方、離型剤粒子の粒子群の体積平均粒径が前記の好ましい上限値以下であれば、着色剤粒子及びバインダー樹脂粒子とそれぞれ凝集しやすくなる。
前記のバインダー樹脂粒子の粒子群の体積平均粒径と、離型剤粒子の粒子群の体積平均粒径との比率(バインダー樹脂粒子/離型剤粒子)は、1以上が好ましく、1〜2がより好ましい。かかる体積平均粒径の比率が前記の好ましい下限値以上であると、画像が形成された際、加飾性がより得られやすくなる。一方、前記の好ましい上限値以下であると、定着性がより良好となる。
【0060】
以下、凝集工程(Act114)について説明する。
凝集工程(Act114)では、例えば、前記の着色剤分散液(c)にバインダー樹脂分散液(p)と離型剤分散液(w)とが添加される。この際、平板状の着色剤粒子とバインダー樹脂粒子と離型剤粒子とが凝集する。そして、着色剤粒子表面がバインダー樹脂粒子及び離型剤粒子で被覆された凝集体が分散した凝集体分散液が得られる。また、この凝集体分散液には、着色剤粒子が含まれない粒子も分散している。着色剤粒子が含まれない粒子としては、例えば、バインダー樹脂粒子、離型剤粒子、バインダー樹脂粒子と離型剤粒子との凝集体が挙げられる。
【0061】
バインダー樹脂分散液(p)及び離型剤分散液(w)の添加方法は、両者の混合分散液(pw)が添加される方法でもよく、各分散液が別々に添加される方法でもよい。
混合分散液(pw)中の、バインダー樹脂と離型剤との比率(質量比)は、バインダー樹脂/離型剤=2〜25が好ましく、3〜20がより好ましく、4〜16がさらに好ましい。
【0062】
バインダー樹脂分散液(p)と離型剤分散液(w)とが着色剤分散液(c)に添加される際、着色剤分散液(c)の全量に対して、各分散液又は混合分散液(pw)は少量ずつ、時間をかけて添加されることが好ましい。
各分散液又は混合分散液(pw)は、その所定量が連続添加されてもよく、間欠添加されてもよい。中でも、着色剤粒子表面がバインダー樹脂粒子及び離型剤粒子で密に被覆されやすいことから、各分散液又は混合分散液(pw)の所定量が着色剤分散液(c)に連続添加されることが好ましい。各分散液又は混合分散液(pw)の所定量が着色剤分散液(c)に連続添加される場合、各分散液又は混合分散液(pw)が、着色剤分散液(c)に対して一定の添加速度で添加されることが好ましい。前記添加速度は、配合量等によって適宜決定される。
【0063】
着色剤分散液(c)とバインダー樹脂分散液(p)との配合比率は、バインダー樹脂/着色剤で表される質量比で、1以上が好ましく、1〜2がより好ましい。
着色剤分散液(c)と離型剤分散液(w)との配合比率は、離型剤/着色剤で表される質量比で、0.05〜0.80が好ましく、0.10〜0.60がより好ましい。
これらの質量比が前記の好ましい下限値以上であると、着色剤粒子の表面全体がバインダー樹脂粒子及び離型剤粒子でそれぞれ被覆されやすくなる。一方、かかる質量比が前記の好ましい上限値以下であると、定着性、光輝性が確保されやすくなる。
【0064】
各分散液又は混合分散液(pw)が着色剤分散液(c)に添加される際、離型剤、帯電制御剤等がさらに添加されてもよい。
各分散液又は混合分散液(pw)が着色剤分散液(c)に添加された後、得られた凝集体分散液に、さらにバインダー樹脂分散液(p)又は離型剤分散液(w)が添加されてもよい。これにより、着色剤粒子の表面がバインダー樹脂粒子又は離型剤粒子で充分に被覆される。
【0065】
以下、融着工程(Act115)について説明する。
融着工程(Act115)では、上述の凝集工程(Act114)で生成した凝集体等が加熱処理される。これにより、例えば、前記凝集体を構成する着色剤粒子とバインダー樹脂粒子と離型剤粒子とが融着して融着粒子が得られる。融着工程(Act115)の操作は、上述の凝集工程(Act114)の操作と同時に行われてもよい。
凝集体分散液の加熱温度は、着色剤、バインダー樹脂及び離型剤の種類、融解温度等を勘案して決定される。凝集体分散液の加熱時間は、2〜10時間程度が好ましい。
【0066】
以下、分離工程(Act116)について説明する。
分離工程(Act116)では、上述の融着工程後の凝集体分散液に存在する、着色剤を含む粒子と、着色剤を含まない粒子とが分離される。かかる分離の操作としては、例えば沈降分離が挙げられる。沈降分離により、着色剤を含む粒子が分散液中を沈降し、着色剤を含まない粒子が分散液中を浮上する。
沈降分離の方法としては、例えば、重力により分離する方法、遠心力により分離する方法、粒子表面の荷電によるクーロン力を利用して分離する方法が挙げられる。
この後、分散液から、着色剤を含む粒子と、着色剤を含まない粒子とが選択的に分離される。
【0067】
以下、洗浄工程(Act117−1)及び乾燥工程(Act118−1)について説明する。
洗浄工程(Act117−1)では、上述の分離工程(Act116)で分離された着色剤を含む粒子が洗浄される。着色剤を含む粒子の洗浄方法は、上述の洗浄工程(Act105)と同様である。
乾燥工程(Act118−1)では、上述の洗浄工程(Act117−1)後の着色剤を含む粒子が乾燥され、第1のトナーが得られる。粒子を乾燥する操作は、上述の乾燥工程(Act106)と同様である。
【0068】
以下、洗浄工程(Act117−2)及び乾燥工程(Act118−2)について説明する。
洗浄工程(Act117−2)では、上述の分離工程(Act116)で分離された着色剤を含まない粒子が洗浄される。着色剤を含まない粒子の洗浄方法は、上述の洗浄工程(Act105)と同様である。
乾燥工程(Act118−2)では、上述の洗浄工程(Act117−2)後の着色剤を含まない粒子が乾燥され、第2のトナーが得られる。粒子を乾燥する操作は、上述の乾燥工程(Act106)と同様である。
【0069】
図2に示す実施形態の製造方法によれば、第1のトナーと共に第2のトナーも製造される。本実施形態の製造方法によって製造される第2のトナー量は、第1のトナーと第2のトナーとの合計量(100質量%)に対して、好ましくは1〜30質量%程度、より好ましくは1〜18質量%程度である。
【0070】
図2に示す実施形態においては、乾燥工程(Act118−1)の後、さらに外添工程が設けられてもよい。乾燥工程(Act118−2)の後、さらに外添工程が設けられてもよい。
【0071】
前記第1のトナーの体積平均粒径と、前記第2のトナーの体積平均粒径との比率(第1のトナー/第2のトナー)は、1超が好ましく、10〜50がより好ましく、20〜40がさらに好ましい。
体積平均粒径の比率(着色剤粒子/樹脂粒子)が前記の好ましい下限値以上であると、加飾性がより得られやすくなる。一方、前記の好ましい上限値以下であると、定着性がより良好となる。
【0072】
実施形態のトナー組成物において、第1のトナーの短径(P)と、第2のトナーの体積平均粒径(Q)とは、下式(I)の関係を満たしていることが好ましい。
0.4Q≦P≦2.0Q ・・・(I)
式(I)における左辺の関係を満たしていることで、第2のトナーによる第1のトナーの定着補助の効果がより得られやすくなる。一方、式(I)における右辺の関係を満たしていることで、画像形成の際、第1のトナーが記録媒体と平行に配向しやすくなり、加飾性がより得られやすくなる。
【0073】
実施形態のトナー組成物において、第1のトナーと第2のトナーとの比率(トナー比率)は、第1のトナー100質量部に対して、第2のトナーが1〜75質量部である。好ましくは、第1のトナー100質量部に対して、第2のトナーが10〜65質量部である。
第2のトナーの割合が前記の下限値以上であれば、定着性が高まり、オフセットの発生も抑えられる。一方、第2のトナーの割合が前記の上限値以下であれば、第1のトナーが記録媒体と平行に配向しやすくなり、加飾性がより得られやすくなる。
前記トナー比率は、例えば、記録媒体上に転写された未定着画像部分のトナーが採取され、そのトナーの粒度分布が測定されることにより求められる。
尚、トナー組成物が混合トナー組成物(第1のトナーと第2のトナーとの混合物)である場合、前記トナー比率は、混合トナー組成物中の第1のトナーと第2のトナーとの混合比とされる。
【0074】
以上説明した実施形態のトナー組成物は、平板状の着色剤粒子を含む第1のトナーと、着色剤を含まない第2のトナーとを含有する。画像形成の際、前記第1のトナーが用いられることで、鮮やかな光沢感が発現する。加えて、記録媒体への第1のトナーの定着が、第2のトナーにより補助される。このため、記録媒体上への画像形成の際、良好な定着性が得られる。また、記録媒体上に形成される画像においては、着色剤粒子の平板状の反射面が画像面と平行に配向しやすい。以上により、実施形態のトナー組成物によれば、光沢感が付与された印刷物(加飾性のある画像)が形成される。
【0075】
実施形態のトナー組成物が混合トナー組成物(第1のトナーと第2のトナーとの混合物)である場合、前記混合トナー組成物は、例えばMFP(Multi Function Peripheral)等の画像形成装置に備えられた現像器に収容されて、電子写真方式の記録媒体への画像形成に用いられる。
また、前記混合トナー組成物は、現像剤に好適に用いられる。現像剤としては、非磁性の一成分系現像剤、又は二成分系現像剤が挙げられる。例えば、二成分系現像剤は、前記混合トナー組成物とキャリアとを含有する。キャリアは、特に限定されず、目的に応じて選択される。
【0076】
以下、実施形態の画像形成装置を、図面を参照して説明する。
図3は、実施形態の画像形成装置の概略構造を示す模式図である。
画像形成装置20は、中間転写ベルト7と、中間転写ベルト7上に順に設けられた第1の画像形成ユニット17Aと、第2の画像形成ユニット17Bと、その下流に設けられた定着装置21とを備えた装置本体を有する。中間転写ベルト7の移動方向に沿って、すなわち、画像形成プロセスの進行方向に沿って、第1の画像形成ユニット17Aは、第2の画像形成ユニット17Bの下流に設けられている。定着装置21は、第1の画像形成ユニット17Aの下流に設けられている。
第1の画像形成ユニット17Aは、感光体ドラム1aと、感光体ドラム1a上に順に設けられた、クリーニング装置16a、帯電装置2a、露光装置3a、第1の現像器4a、及び中間転写ベルト7を介して感光体ドラム1aと対面するように設けられた一次転写ローラ8aとを有する。
第2の画像形成ユニット17Bは、感光体ドラム1bと、感光体ドラム1b上に順に設けられた、クリーニング装置16b、帯電装置2b、露光装置3b、第2の現像器4b、及び中間転写ベルト7を介して感光体ドラム1bと対面するように設けられた一次転写ローラ8bとを有する。
第1の現像器4a、及び第2の現像器4bの少なくとも一方には、トナーを含有する現像剤(一成分系現像剤、又は二成分系現像剤)が収容されている。このトナーは、図示されないトナーカートリッジから供給される形態であってもよい。
一次転写ローラ8aには、一次転写電源14aが接続されている。一次転写ローラ8bには、一次転写電源14bが接続されている。
第1の画像形成ユニット17Aの下流には、二次転写ローラ9とバックアップローラ10とが中間転写ベルト7を介して対向するように配置されている。二次転写ローラ9には、二次転写電源15が接続されている。
定着装置21は、互いに対向するように配置されたヒートローラ11とプレスローラ12とを有する。
【0077】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の画像形成装置は、画像形成装置20における第1の現像器4aに、混合トナー組成物が収容されたものである。前記混合トナー組成物は、上述の第1のトナー100質量部と、上述の第2のトナー1〜75質量部との混合物である。
【0078】
以下、第1の実施形態の画像形成装置による画像形成方法を説明する。
第1の実施形態の画像形成装置20が用いられて、例えば以下のようにして画像形成が行われる。
まず、帯電装置2aにより、感光体ドラム1aが一様に帯電される。次に、露光装置3aにより、露光が行われ、静電潜像が形成される。次に、第1の現像器4aから供給される混合トナー組成物にて現像が行われ、第1のトナー像が得られる。
次に、第1のトナー像が、一次転写ローラ8aによって中間転写ベルト7上に転写される。次に、中間転写ベルト7上に、第1のトナー像が、二次転写ローラ9とバックアップローラ10とを介して、図示されない記録媒体上に二次転写される。これにより、記録媒体上に、第1のトナー100質量部と第2のトナー1〜75質量部とを含有するトナー組成物からなる第1のトナー像が形成される。
次に、前記の第1のトナー像が形成された記録媒体が、ヒートローラ11とプレスローラ12との間を加熱加圧されつつ通過する。これにより、記録媒体に第1のトナー像が定着し、画像が形成される。
【0079】
第1の実施形態の画像形成装置による画像形成方法によれば、定着性が良好であり、加飾性の高い画像が形成される。
第1の実施形態においては、第1の現像器4aに、混合トナー組成物が用いられた現像剤が収容されてもよい。
上記実施形態の画像形成装置では、第1の現像器4aが用いられているものとしたが、第2の現像器4bが用いられるものとしてもよい。また、前記混合トナー組成物が収容された第1の現像器4a、及び前記混合トナー組成物が収容された第2の現像器4bの両方が用いられるものとしてもよい。
【0080】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の画像形成装置は、画像形成装置20における第1の現像器4aに上述の第1のトナーが収容され、第2の現像器4bに上述の第2のトナーが収容され、記録媒体上に、前記第1のトナー100質量部と、前記第2のトナー1〜75質量部とを含有するトナー組成物からなるトナー像が形成されるものである。
【0081】
以下、第2の実施形態の画像形成装置による画像形成方法を説明する。
第2の実施形態の画像形成装置20が用いられて、例えば以下のようにして画像形成が行われる。
まず、帯電装置2bにより、感光体ドラム1bが一様に帯電される。次に、露光装置3bにより、露光が行われ、静電潜像が形成される。次に、第2の現像器4bから供給される第2のトナーにて現像が行われ、第2のトナー像が得られる。
続いて、帯電装置2aにより、感光体ドラム1aが一様に帯電される。次に、露光装置3aにより、第1の画像情報(第2のトナー像)に基づいて露光が行われ、静電潜像が形成される。次に、第1の現像器4aから供給される第1のトナーにて現像が行われ、第1のトナー像が得られる。
次に、第2のトナー像、第1のトナー像がこの順に、一次転写ローラ8b、8aによって中間転写ベルト7上にそれぞれ転写される。次に、中間転写ベルト7上に第2のトナー像、第1のトナー像の順に積層されたトナー像が、二次転写ローラ9とバックアップローラ10とを介して、図示されない記録媒体上に二次転写される。これにより、記録媒体上に、第1のトナー100質量部の像と、第2のトナー1〜75質量部の像と、の順に積層されたトナー像が形成される。
次に、前記のトナー像が形成された記録媒体が、ヒートローラ11とプレスローラ12との間を加熱加圧されつつ通過する。これにより、記録媒体にトナー像が定着し、画像が形成される。
【0082】
第2の実施形態の画像形成装置による画像形成方法によれば、定着性が良好であり、加飾性の高い画像が形成される。加えて、画像のオフセットの防止、光輝性の保持などの効果が得られやすい。
第2の実施形態においては、第1の現像器4aに、第1のトナーが用いられた現像剤が収容されてもよい。第2の現像器4bに、第2のトナーが用いられた現像剤が収容されてもよい。
【0083】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の画像形成装置は、画像形成装置20における第1の現像器4aに上述の第2のトナーが収容され、第2の現像器4bに上述の第1のトナーが収容され、記録媒体上に、前記第1のトナー100質量部と、前記第2のトナー1〜75質量部とを含有するトナー組成物からなるトナー像が形成されるものである。
【0084】
以下、第3の実施形態の画像形成装置による画像形成方法を説明する。
第3の実施形態の画像形成装置20が用いられて、例えば以下のようにして画像形成が行われる。
まず、帯電装置2bにより、感光体ドラム1bが一様に帯電される。次に、露光装置3bにより、露光が行われ、静電潜像が形成される。次に、第2の現像器4bから供給される第1のトナーにて現像が行われ、第1のトナー像が得られる。
続いて、帯電装置2aにより、感光体ドラム1aが一様に帯電される。次に、露光装置3aにより、第1の画像情報(第1のトナー像)に基づいて露光が行われ、静電潜像が形成される。次に、第1の現像器4aから供給される第2のトナーにて現像が行われ、第2のトナー像が得られる。
次に、第1のトナー像、第2のトナー像がこの順に、一次転写ローラ8b、8aによって中間転写ベルト7上にそれぞれ転写される。次に、中間転写ベルト7上に第1のトナー像、第2のトナー像の順に積層されたトナー像が、二次転写ローラ9とバックアップローラ10とを介して、図示されない記録媒体上に二次転写される。これにより、記録媒体上に、第2のトナー1〜75質量部の像と、第1のトナー100質量部の像と、の順に積層されたトナー像が形成される。
次に、前記のトナー像が形成された記録媒体が、ヒートローラ11とプレスローラ12との間を加熱加圧されつつ通過する。これにより、記録媒体にトナー像が定着し、画像が形成される。
【0085】
第3の実施形態の画像形成装置による画像形成方法によれば、定着性が良好であり、加飾性の高い画像が形成される。加えて、画像のオフセットの防止、定着装置21への第1のトナー汚染の抑制などの効果が得られやすい。
第3の実施形態においては、第1の現像器4aに、第2のトナーが用いられた現像剤が収容されてもよい。第2の現像器4bに、第1のトナーが用いられた二成分系現像剤が収容されてもよい。
【0086】
上記各実施形態の画像形成装置では、2つの現像器を有するものとしたが、用いられるトナーの種類により3つ以上の現像器を有するものであってもよい。
【0087】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、第1のトナー100質量部と、第2のトナー1〜75質量部とを持つことにより、形成される画像は充分な加飾性を有し、かつ、画像形成の際に良好な定着性が得られる。
【実施例】
【0088】
以下の実施例は、本実施形態の一例を説明したものである。しかし、本実施形態は、本実施例に限定して解釈されない。
【0089】
以下、粒子群の体積平均粒径の測定方法について説明する。
粒子群の体積平均粒径は、粒度分布測定装置Multisizer3(ベックマン・コールター社製)にて測定された。
【0090】
以下、トナーのアスペクト比(長径/短径)の測定方法について説明する。
トナーの長径には、Multisizer3(ベックマン・コールター社製)にて測定された体積平均粒径の値が用いられた。
トナーの短径は、以下のようにして求められた。すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)(Carl Zeiss社製;倍率1000倍)によるSEM像から、粒子100個についてそれぞれ粒子側面における短径が測定され、これらの平均値がトナーの短径とされた。
そして、長径/短径が算出され、トナーのアスペクト比とされた。
【0091】
以下、「第1のトナー100質量部に対する第2のトナーの割合(質量部)」の求め方について説明する。
後述の画像形成方法によって、紙面上にトナー像が転写され、定着前の未定着画像部分のトナーが採取された。次いで、そのトナーの粒度分布(体積基準)が粒度分布測定装置Multisizer3(ベックマン・コールター社製)にて測定された。そして、採取されたトナー中に存在する第1のトナー及び第2のトナーのそれぞれの量が求められ、第1のトナー100質量部に対する第2のトナーの割合(質量部)が算出された。
【0092】
以下、画像形成方法について説明する。
各例のトナーと、シリコーン樹脂で被覆されたフェライトキャリアとを混合して現像剤を調製した。その際、現像剤中のフェライトキャリア濃度を、トナー比濃度が8質量%となるように設定した。
次いで、図3に示す実施形態の画像形成装置と同一の電子写真複合機MFP(東芝テック株式会社製、e−studio 4520c)が用いられ、画像形成が行われた。画像形成は、下記3通りの画像形成方法X〜Zにてそれぞれ行われた。
画像形成方法X:
第2の現像器に、第1のトナーを含有する現像剤が収容され、第1の現像器に、第2のトナーを含有する現像剤が収容された画像形成装置を使用。
画像形成方法Y:
第2の現像器に、第2のトナーを含有する現像剤が収容され、第1の現像器に、第1のトナーを含有する現像剤が収容された画像形成装置を使用。
画像形成方法Z:
第1の現像器のみに、第1のトナーと第2のトナーとの混合物を含有する現像剤が収容された画像形成装置を使用。
【0093】
以下、着色剤を含む第1のトナー、及び、着色剤を含まない第2のトナーの製造方法について説明する。
【0094】
(実施例1)
以下、バインダー樹脂分散液(p1)を調製する工程について説明する。
バインダー樹脂として、テレフタル酸とエチレングリコールとが縮合重合したポリエステル樹脂(酸価10mgKOH/g,Mw15000,Tg58℃)を用いた。
前記ポリエステル樹脂30質量部と、アニオン性界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王株式会社製、ネオペレックスG15)1質量部と、イオン交換水69質量部とが混合され、水酸化カリウムにてpHが12に調整された分散液(p0)が得られた。
前記分散液(p0)が高圧式ホモジナイザーNANO3000(株式会社美粒製)に投入され、150℃、150MPaでの処理が施されて、バインダー樹脂分散液(p1)が得られた。
前記バインダー樹脂分散液(p1)について、SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径の測定が行われた。この結果、バインダー樹脂分散液(p1)中の樹脂粒子の粒子群は、体積平均粒径0.23μm、標準偏差0.15のシャープな粒度分布を有するものであった。
【0095】
以下、離型剤分散液(w1)を調製する工程について説明する。
離型剤として、パルミチン酸を主成分とするエステルワックスを用いた。
前記エステルワックス40質量部と、アニオン性界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王株式会社製、ネオペレックスG15)4質量部と、アミン化合物としてトリエチルアミン1質量部と、イオン交換水55質量部とがクレアミックス(エム・テクニック社製)により混合されて、混合液が調製された。前記クレアミックス内で、前記混合液が80℃まで加温された。その後、前記クレアミックスの回転数6000rpmで30分間機械的せん断が行われた。前記の機械的せん断の終了後、混合液が常温まで冷却されて、離型剤分散液(w1)が調製された。
前記離型剤分散液(w1)について、SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径の測定が行われた結果、離型剤粒子の粒子群の体積平均粒径は0.20μmであった。
【0096】
以下、混合分散液(pw1)の調製について説明する。
前記バインダー樹脂分散液(p1)61質量部と、前記離型剤分散液(w1)3質量部と、イオン交換水51質量部とが撹拌されることにより、混合分散液(pw1)が調製された。
【0097】
以下、着色剤分散液(c1)を調製する工程について説明する。
光輝性顔料(商品名Iriodin153、体積平均粒径60.1μm)13質量部と、イオン交換水175質量部とが撹拌されながら、0.5質量%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド溶液20質量部が添加された後、45℃に昇温されて、混合液(c’1)が得られた。次に、前記混合液(c’1)に、30質量%硫酸アンモニウム溶液31質量部が添加され、1時間保持されて、着色剤分散液(c1)が調製された。
【0098】
凝集工程:
前記着色剤分散液(c1)に、前記混合分散液(pw1)が10時間かけて徐々に添加されて、凝集体分散液(a1)が得られた。
融着工程:
前記凝集体分散液(a1)に、界面活性剤としてポリカルボン酸系界面活性剤(花王株式会社製、ポイズ520)6質量部が添加され、次いで65℃に加熱された。この後、静置されて、融着粒子が分散した分散液が得られた。
【0099】
分離工程:
前記融着工程で得られた分散液が1時間静置された(沈降分離、重力による分離)。これにより、分散液中の粒子群が、光輝性顔料を含む粒子が分散した分散液と、光輝性顔料を含まない粒子が分散した分散液とに分けられた。
【0100】
洗浄工程:
各分散液中の粒子群に対し、ろ過及びイオン交換水による洗浄操作が繰り返された。前記の洗浄操作は、ろ液の導電率が2μS/cm以下になるまで繰り返された。
乾燥工程:
最後のろ過により分離された各粒子群が、真空乾燥機により含水率1.0質量%以下になるまで乾燥された。そして、光輝性顔料を含む第1のトナー(1)、及び、光輝性顔料を含まない第2のトナー(1)がそれぞれ得られた。
【0101】
SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径(50%D)の測定が行われた結果、第1のトナー(1)の粒子群の体積平均粒径は70.1μm、第2のトナー(1)の粒子群の体積平均粒径は6.0μmであった。
得られた第1のトナー(1)、及び、第2のトナー(1)が用いられ、上述の画像形成方法Zによって、画像が形成された。
【0102】
(実施例2)
以下、混合分散液(pw2)の調製について説明する。
前記バインダー樹脂分散液(p1)61質量部と、前記離型剤分散液(w1)5質量部と、イオン交換水51質量部とが撹拌されることにより、混合分散液(pw2)が調製された。
【0103】
以下、着色剤分散液(c2)を調製する工程について説明する。
光輝性顔料(商品名Iriodin163、体積平均粒径120.5μm)12質量部と、イオン交換水179質量部とが撹拌されながら、0.5質量%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド溶液15質量部が添加された後、45℃に昇温されて、混合液(c’2)が得られた。次に、前記混合液(c’2)に、30質量%硫酸アンモニウム溶液31質量部が添加され、1時間保持されて、着色剤分散液(c2)が調製された。
【0104】
凝集工程:
前記着色剤分散液(c2)に、前記混合分散液(pw2)が10時間かけて徐々に添加されて、凝集体分散液(a2)が得られた。
融着工程:
前記凝集体分散液(a2)に、界面活性剤としてポリカルボン酸系界面活性剤(花王株式会社製、ポイズ520)5質量部が添加され、次いで65℃に加熱された。この後、静置されて、融着粒子が分散した分散液が得られた。
【0105】
分離工程:
前記融着工程で得られた分散液が1時間静置された(沈降分離)。これにより、分散液中の粒子群が、光輝性顔料を含む粒子が分散した分散液と、光輝性顔料を含まない粒子が分散した分散液とに分けられた。
【0106】
洗浄工程:
各分散液中の粒子群に対し、ろ過及びイオン交換水による洗浄操作が繰り返された。前記の洗浄操作は、ろ液の導電率が2μS/cm以下になるまで繰り返された。
乾燥工程:
最後のろ過により分離された各粒子群が、真空乾燥機により含水率1.0質量%以下になるまで乾燥された。そして、光輝性顔料を含む第1のトナー(2)、及び、光輝性顔料を含まない第2のトナー(2)がそれぞれ得られた。
SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径(50%D)の測定が行われた結果、第1のトナー(2)の粒子群の体積平均粒径は131.2μm、第2のトナー(2)の粒子群の体積平均粒径は5.5μmであった。
得られた第1のトナー(2)、及び、第2のトナー(2)が用いられ、上述の画像形成方法Zによって、画像が形成された。
【0107】
(実施例3)
以下、混合分散液(pw3)の調製について説明する。
前記バインダー樹脂分散液(p1)60質量部と、前記離型剤分散液(w1)5質量部と、イオン交換水51質量部とが撹拌されることにより、混合分散液(pw3)が調製された。
【0108】
以下、着色剤分散液(c3)を調製する工程について説明する。
光輝性顔料(商品名Iriodin383、体積平均粒径250.7μm)7質量部と、イオン交換水184質量部とが撹拌されながら、0.5質量%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド溶液11質量部が添加された後、45℃に昇温されて、混合液(c’3)が得られた。次に、前記混合液(c’3)に、30質量%硫酸アンモニウム溶液31質量部が添加され、1時間保持されて、着色剤分散液(c3)が調製された。
【0109】
以下、着色剤を含む第1のトナー(3)の製造方法について説明する。
凝集工程:
前記着色剤分散液(c3)に、前記混合分散液(pw3)が10時間かけて徐々に添加されて、凝集体分散液(a3)が得られた。
融着工程:
前記凝集体分散液(a3)に、界面活性剤としてポリカルボン酸系界面活性剤(花王株式会社製、ポイズ520)5質量部が添加され、次いで65℃に加熱された。この後、静置されて、融着粒子が分散した分散液が得られた。
洗浄工程:
前記融着工程で得られた分散液中の粒子群に対し、ろ過及びイオン交換水による洗浄操作が繰り返された。前記の洗浄操作は、ろ液の導電率が2μS/cm以下になるまで繰り返された。
乾燥工程:
最後のろ過により分離された粒子群が、真空乾燥機により含水率1.0質量%以下になるまで乾燥された。そして、光輝性顔料を含む第1のトナー(3)が得られた。
SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径(50%D)の測定が行われた結果、第1のトナー(3)の粒子群の体積平均粒径は273.7μmであった。
【0110】
以下、着色剤を含まない第2のトナー(3)の製造方法について説明する。
バインダー樹脂として、テレフタル酸とビスフェノールAとが縮合重合したポリエステル樹脂が用いられた。
離型剤として、カルナバワックスが用いられた。
帯電制御剤として、アルミニウムとマグネシウムとを含むポリサッカライド化合物が用いられた。
混合・混練工程:
前記ポリエステル樹脂82質量部と、前記エステルワックス12質量部と、前記帯電制御剤1質量部とがヘンシェルミキサーにより混合されて、原料混合物(m3)が調製された。この後、前記原料混合物(m3)が、120℃に温度設定された2軸混練機により溶融混練されて、混練物(m3a)が得られた。
粉砕工程:
前記混練物(m3a)がフェザーミルにより粗粉砕され、粗粉砕物(m3b)が得られた。この後、前記粗粉砕物(m3b)がジェットミルにより粉砕された。
分級工程:
次いで、ローター型分級機により分級され、粒子群の体積平均粒子径が7.2μmの第2のトナー(3)が得られた。
【0111】
得られた第1のトナー(3)、及び、第2のトナー(3)が用いられ、上述の画像形成方法Yによって、画像が形成された。
【0112】
(実施例4)
以下、混合分散液(pw4)の調製について説明する。
前記バインダー樹脂分散液(p1)60質量部と、前記離型剤分散液(w1)8質量部と、イオン交換水50質量部とが撹拌されることにより、混合分散液(pw4)が調製された。
【0113】
以下、着色剤分散液(c4)を調製する工程について説明する。
光輝性顔料(商品名Iriodin211、体積平均粒径10.1μm)18質量部と、イオン交換水186質量部とが撹拌されながら、0.5質量%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド溶液7質量部が添加された後、45℃に昇温されて、混合液(c’4)が得られた。次に、前記混合液(c’4)に、30質量%硫酸アンモニウム溶液30質量部が添加され、1時間保持されて、着色剤分散液(c4)が調製された。
【0114】
以下、着色剤を含む第1のトナー(4)の製造方法について説明する。
凝集工程:
前記着色剤分散液(c4)に、前記混合分散液(pw4)が10時間かけて徐々に添加されて、凝集体分散液(a4)が得られた。
融着工程:
前記凝集体分散液(a4)に、界面活性剤としてポリカルボン酸系界面活性剤(花王株式会社製、ポイズ520)5質量部が添加され、次いで65℃に加熱された。この後、静置されて、融着粒子が分散した分散液が得られた。
洗浄工程:
前記融着工程で得られた分散液中の粒子群に対し、ろ過及びイオン交換水による洗浄操作が繰り返された。前記の洗浄操作は、ろ液の導電率が2μS/cm以下になるまで繰り返された。
乾燥工程:
最後のろ過により分離された粒子群が、真空乾燥機により含水率1.0質量%以下になるまで乾燥された。そして、光輝性顔料を含む第1のトナー(4)が得られた。
SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径(50%D)の測定が行われた結果、第1のトナー(4)の粒子群の体積平均粒径は11.9μmであった。
【0115】
以下、着色剤を含まない第2のトナー(4)の製造方法について説明する。
第2のトナー(3)の製造方法で用いられたバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤と同じバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤がそれぞれ用いられた。
混合・混練工程:
前記ポリエステル樹脂84質量部と、前記エステルワックス8質量部と、前記帯電制御剤1質量部とがヘンシェルミキサーにより混合されて、原料混合物(m4)が調製された。この後、前記原料混合物(m4)が、120℃に温度設定された2軸混練機により溶融混練されて、混練物(m4a)が得られた。
粉砕工程:
前記混練物(m4a)がフェザーミルにより粗粉砕され、粗粉砕物(m4b)が得られた。この後、前記粗粉砕物(m4b)がジェットミルにより粉砕された。
分級工程:
次いで、ローター型分級機により分級され、粒子群の体積平均粒子径が5.0μmの第2のトナー(4)が得られた。
【0116】
得られた第1のトナー(4)、及び、第2のトナー(4)が用いられ、上述の画像形成方法Xによって、画像が形成された。
【0117】
(実施例5)
以下、混合分散液(pw5)の調製について説明する。
前記バインダー樹脂分散液(p1)60質量部と、前記離型剤分散液(w1)10質量部と、イオン交換水50質量部とが撹拌されることにより、混合分散液(pw5)が調製された。
【0118】
以下、着色剤分散液(c5)を調製する工程について説明する。
光輝性顔料(商品名Iriodin383、体積平均粒径200.3μm)9質量部と、イオン交換水79質量部とが撹拌されながら、0.5質量%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド溶液8質量部が添加された後、45℃に昇温されて、混合液(c’5)が得られた。次に、前記混合液(c’5)に、30質量%硫酸アンモニウム溶液30質量部が添加され、1時間保持されて、着色剤分散液(c5)が調製された。
【0119】
以下、着色剤を含む第1のトナー(5)の製造方法について説明する。
凝集工程:
前記着色剤分散液(c5)に、前記混合分散液(pw5)が10時間かけて徐々に添加されて、凝集体分散液(a5)が得られた。
融着工程:
前記凝集体分散液(a5)に、界面活性剤としてポリカルボン酸系界面活性剤(花王株式会社製、ポイズ520)5質量部が添加され、次いで65℃に加熱された。この後、静置されて、融着粒子が分散した分散液が得られた。
洗浄工程:
前記融着工程で得られた分散液中の粒子群に対し、ろ過及びイオン交換水による洗浄操作が繰り返された。前記の洗浄操作は、ろ液の導電率が2μS/cm以下になるまで繰り返された。
乾燥工程:
最後のろ過により分離された粒子群が、真空乾燥機により含水率1.0質量%以下になるまで乾燥された。そして、光輝性顔料を含む第1のトナー(5)が得られた。
SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径(50%D)の測定が行われた結果、第1のトナー(5)の粒子群の体積平均粒径は226.4μmであった。
【0120】
以下、着色剤を含まない第2のトナー(5)の製造方法について説明する。
第2のトナー(3)の製造方法で用いられたバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤と同じバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤がそれぞれ用いられた。
混合・混練工程:
前記ポリエステル樹脂85質量部と、前記エステルワックス7質量部と、前記帯電制御剤1質量部とがヘンシェルミキサーにより混合されて、原料混合物(m5)が調製された。この後、前記原料混合物(m5)が、120℃に温度設定された2軸混練機により溶融混練されて、混練物(m5a)が得られた。
粉砕工程:
前記混練物(m5a)がフェザーミルにより粗粉砕され、粗粉砕物(m5b)が得られた。この後、前記粗粉砕物(m5b)がジェットミルにより粉砕された。
分級工程:
次いで、ローター型分級機により分級され、粒子群の体積平均粒子径が6.8μmの第2のトナー(5)が得られた。
【0121】
得られた第1のトナー(5)、及び、第2のトナー(5)が用いられ、上述の画像形成方法Yによって、画像が形成された。
【0122】
(実施例6)
以下、混合分散液(pw6)の調製について説明する。
前記バインダー樹脂分散液(p1)60質量部と、前記離型剤分散液(w1)10質量部と、イオン交換水50質量部とが撹拌されることにより、混合分散液(pw6)が調製された。
【0123】
以下、着色剤分散液(c6)を調製する工程について説明する。
光輝性顔料(商品名Iriodin201、体積平均粒径7.0μm)12質量部と、イオン交換水186質量部とが撹拌されながら、0.5質量%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド溶液7質量部が添加された後、45℃に昇温されて、混合液(c’6)が得られた。次に、前記混合液(c’6)に、30質量%硫酸アンモニウム溶液30質量部が添加され、1時間保持されて、着色剤分散液(c6)が調製された。
【0124】
以下、着色剤を含む第1のトナー(6)の製造方法について説明する。
凝集工程:
前記着色剤分散液(c6)に、前記混合分散液(pw6)が10時間かけて徐々に添加されて、凝集体分散液(a6)が得られた。
融着工程:
前記凝集体分散液(a6)に、界面活性剤としてポリカルボン酸系界面活性剤(花王株式会社製、ポイズ520)5質量部が添加され、次いで65℃に加熱された。この後、静置されて、融着粒子が分散した分散液が得られた。
洗浄工程:
前記融着工程で得られた分散液中の粒子群に対し、ろ過及びイオン交換水による洗浄操作が繰り返された。前記の洗浄操作は、ろ液の導電率が2μS/cm以下になるまで繰り返された。
乾燥工程:
最後のろ過により分離された粒子群が、真空乾燥機により含水率1.0質量%以下になるまで乾燥された。そして、光輝性顔料を含む第1のトナー(6)が得られた。
SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径(50%D)の測定が行われた結果、第1のトナー(6)の粒子群の体積平均粒径は9.5μmであった。
【0125】
以下、着色剤を含まない第2のトナー(6)の製造方法について説明する。
第2のトナー(3)の製造方法で用いられたバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤と同じバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤がそれぞれ用いられた。
混合・混練工程:
前記ポリエステル樹脂82質量部と、前記エステルワックス5質量部と、前記帯電制御剤1質量部とがヘンシェルミキサーにより混合されて、原料混合物(m6)が調製された。この後、前記原料混合物(m6)が、120℃に温度設定された2軸混練機により溶融混練されて、混練物(m6a)が得られた。
粉砕工程:
前記混練物(m6a)がフェザーミルにより粗粉砕され、粗粉砕物(m6b)が得られた。この後、前記粗粉砕物(m6b)がジェットミルにより粉砕された。
分級工程:
次いで、ローター型分級機により分級され、粒子群の体積平均粒子径が5.2μmの第2のトナー(6)が得られた。
【0126】
得られた第1のトナー(6)、及び、第2のトナー(6)が用いられ、上述の画像形成方法Yによって、画像が形成された。
【0127】
(実施例7)
以下、混合分散液(pw7)の調製について説明する。
前記バインダー樹脂分散液(p1)60質量部と、前記離型剤分散液(w1)8質量部と、イオン交換水50質量部とが撹拌されることにより、混合分散液(pw7)が調製された。
【0128】
以下、着色剤分散液(c7)を調製する工程について説明する。
光輝性顔料(商品名Iriodin259、体積平均粒径40.3μm)12質量部と、イオン交換水193質量部とが撹拌されながら、0.5質量%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド溶液7質量部が添加された後、45℃に昇温されて、混合液(c’7)が得られた。次に、前記混合液(c’7)に、30質量%硫酸アンモニウム溶液30質量部が添加され、1時間保持されて、着色剤分散液(c7)が調製された。
【0129】
以下、着色剤を含む第1のトナー(7)の製造方法について説明する。
凝集工程:
前記着色剤分散液(c7)に、前記混合分散液(pw7)が10時間かけて徐々に添加されて、凝集体分散液(a7)が得られた。
融着工程:
前記凝集体分散液(a7)に、界面活性剤としてポリカルボン酸系界面活性剤(花王株式会社製、ポイズ520)5質量部が添加され、次いで65℃に加熱された。この後、静置されて、融着粒子が分散した分散液が得られた。
洗浄工程:
前記融着工程で得られた分散液中の粒子群に対し、ろ過及びイオン交換水による洗浄操作が繰り返された。前記の洗浄操作は、ろ液の導電率が50μS/cm以下になるまで繰り返された。
乾燥工程:
最後のろ過により分離された粒子群が、真空乾燥機により含水率1.0質量%以下になるまで乾燥された。そして、光輝性顔料を含む第1のトナー(7)が得られた。
SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径(50%D)の測定が行われた結果、第1のトナー(7)の粒子群の体積平均粒径は45.1μmであった。
【0130】
以下、着色剤を含まない第2のトナー(7)の製造方法について説明する。
第2のトナー(3)の製造方法で用いられたバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤と同じバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤がそれぞれ用いられた。
混合・混練工程:
前記ポリエステル樹脂78質量部と、前記エステルワックス15質量部と、前記帯電制御剤1質量部とがヘンシェルミキサーにより混合されて、原料混合物(m7)が調製された。この後、前記原料混合物(m7)が、120℃に温度設定された2軸混練機により溶融混練されて、混練物(m7a)が得られた。
粉砕工程:
前記混練物(m7a)がフェザーミルにより粗粉砕され、粗粉砕物(m7b)が得られた。この後、前記粗粉砕物(m7b)がジェットミルにより粉砕された。
分級工程:
次いで、ローター型分級機により分級され、粒子群の体積平均粒子径が8.8μmの第2のトナー(7)が得られた。
【0131】
得られた第1のトナー(7)、及び、第2のトナー(7)が用いられ、上述の画像形成方法Xによって、画像が形成された。
【0132】
(実施例8)
以下、着色剤分散液(c8)を調製する工程について説明する。
光輝性顔料(商品名Iriodin289、体積平均粒径50.3μm)12質量部と、イオン交換水193質量部とが撹拌されながら、0.5質量%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド溶液7質量部が添加された後、45℃に昇温されて、混合液(c’8)が得られた。次に、前記混合液(c’8)に、30質量%硫酸アンモニウム溶液30質量部が添加され、1時間保持されて、着色剤分散液(c8)が調製された。
【0133】
以下、着色剤を含む第1のトナー(8)の製造方法について説明する。
前記着色剤分散液(c8)に、前記バインダー樹脂分散液(p1)60質量部とイオン交換水50質量部との混合液(p1’) が10時間かけて徐々に添加されて、凝集体分散液(a8)が得られた。
融着工程:
前記凝集体分散液(a8)に、界面活性剤としてポリカルボン酸系界面活性剤(花王株式会社製、ポイズ520)5質量部が添加され、次いで65℃に加熱された。この後、静置されて、融着粒子が分散した分散液が得られた。
洗浄工程:
前記融着工程で得られた分散液中の粒子群に対し、ろ過及びイオン交換水による洗浄操作が繰り返された。前記の洗浄操作は、ろ液の導電率が2μS/cm以下になるまで繰り返された。
乾燥工程:
最後のろ過により分離された粒子群が、真空乾燥機により含水率1.0質量%以下になるまで乾燥された。そして、光輝性顔料を含む第1のトナー(8)が得られた。
SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径(50%D)の測定が行われた結果、第1のトナー(8)の粒子群の体積平均粒径は53.8μmであった。
【0134】
以下、着色剤を含まない第2のトナー(8)の製造方法について説明する。
第2のトナー(3)の製造方法で用いられたバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤と同じバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤がそれぞれ用いられた。
混合・混練工程:
前記ポリエステル樹脂78質量部と、前記エステルワックス15質量部と、前記帯電制御剤1質量部とがヘンシェルミキサーにより混合されて、原料混合物(m8)が調製された。この後、前記原料混合物(m8)が、120℃に温度設定された2軸混練機により溶融混練されて、混練物(m8a)が得られた。
粉砕工程:
前記混練物(m8a)がフェザーミルにより粗粉砕され、粗粉砕物(m8b)が得られた。この後、前記粗粉砕物(m8b)がジェットミルにより粉砕された。
分級工程:
次いで、ローター型分級機により分級され、粒子群の体積平均粒子径が6.6μmの第2のトナー(8)が得られた。
【0135】
得られた第1のトナー(8)、及び、第2のトナー(8)が用いられ、上述の画像形成方法Xによって、画像が形成された。
【0136】
(比較例1)
以下、混合分散液(pw9)の調製について説明する。
前記バインダー樹脂分散液(p1)60質量部と、前記離型剤分散液(w1)6質量部と、イオン交換水48質量部とが撹拌されることにより、混合分散液(pw9)が調製された。
【0137】
以下、着色剤分散液(c9)を調製する工程について説明する。
光輝性顔料(商品名Iriodin111、体積平均粒径1.5μm)12質量部と、イオン交換水173質量部とが撹拌されながら、0.5質量%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド溶液8質量部が添加された後、45℃に昇温されて、混合液(c’9)が得られた。次に、前記混合液(c’9)に、30質量%硫酸アンモニウム溶液29質量部が添加され、1時間保持されて、着色剤分散液(c9)が調製された。
【0138】
以下、着色剤を含む第1のトナー(9)の製造方法について説明する。
凝集工程:
前記着色剤分散液(c9)に、前記混合分散液(pw9)が10時間かけて徐々に添加されて、凝集体分散液(a9)が得られた。
融着工程:
前記凝集体分散液(a9)に、界面活性剤としてポリカルボン酸系界面活性剤(花王株式会社製、ポイズ520)5質量部が添加され、次いで65℃に加熱された。この後、静置されて、融着粒子が分散した分散液が得られた。
洗浄工程:
前記融着工程で得られた分散液中の粒子群に対し、ろ過及びイオン交換水による洗浄操作が繰り返された。前記の洗浄操作は、ろ液の導電率が50μS/cm以下になるまで繰り返された。
乾燥工程:
最後のろ過により分離された粒子群が、真空乾燥機により含水率1.0質量%以下になるまで乾燥された。そして、光輝性顔料を含む第1のトナー(9)が得られた。
SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径(50%D)の測定が行われた結果、第1のトナー(9)の粒子群の体積平均粒径は6.2μmであった。
【0139】
以下、着色剤を含まない第2のトナー(9)の製造方法について説明する。
第2のトナー(3)の製造方法で用いられたバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤と同じバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤がそれぞれ用いられた。
混合・混練工程:
前記ポリエステル樹脂78質量部と、前記エステルワックス15質量部と、前記帯電制御剤1質量部とがヘンシェルミキサーにより混合されて、原料混合物(m9)が調製された。この後、前記原料混合物(m9)が、120℃に温度設定された2軸混練機により溶融混練されて、混練物(m9a)が得られた。
粉砕工程:
前記混練物(m9a)がフェザーミルにより粗粉砕され、粗粉砕物(m9b)が得られた。この後、前記粗粉砕物(m9b)がジェットミルにより粉砕された。
分級工程:
次いで、ローター型分級機により分級され、粒子群の体積平均粒子径が6.0μmの第2のトナー(9)が得られた。
【0140】
得られた第1のトナー(9)、及び、第2のトナー(9)が用いられ、上述の画像形成方法Xによって、画像が形成された。
【0141】
(比較例2)
以下、混合分散液(pw10)の調製について説明する。
前記バインダー樹脂分散液(p1)60質量部と、前記離型剤分散液(w1)6質量部と、イオン交換水53質量部とが撹拌されることにより、混合分散液(pw10)が調製された。
【0142】
以下、着色剤分散液(c10)を調製する工程について説明する。
光輝性顔料(商品名Iriodin119、体積平均粒径3.5μm)12質量部と、イオン交換水181質量部とが撹拌されながら、0.5質量%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド溶液8質量部が添加された後、45℃に昇温されて、混合液(c’10)が得られた。次に、前記混合液(c’10)に、30質量%硫酸アンモニウム溶液32質量部が添加され、1時間保持されて、着色剤分散液(c10)が調製された。
【0143】
以下、着色剤を含む第1のトナー(10)の製造方法について説明する。
凝集工程:
前記着色剤分散液(c10)に、前記混合分散液(pw10)が10時間かけて徐々に添加されて、凝集体分散液(a10)が得られた。
融着工程:
前記凝集体分散液(a10)に、界面活性剤としてポリカルボン酸系界面活性剤(花王株式会社製、ポイズ520)5質量部が添加され、次いで65℃に加熱された。この後、静置されて、融着粒子が分散した分散液が得られた。
洗浄工程:
前記融着工程で得られた分散液中の粒子群に対し、ろ過及びイオン交換水による洗浄操作が繰り返された。前記の洗浄操作は、ろ液の導電率が50μS/cm以下になるまで繰り返された。
乾燥工程:
最後のろ過により分離された粒子群が、真空乾燥機により含水率1.0質量%以下になるまで乾燥された。そして、光輝性顔料を含む第1のトナー(10)が得られた。
SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径(50%D)の測定が行われた結果、第1のトナー(10)の粒子群の体積平均粒径は4.0μmであった。
【0144】
以下、着色剤を含まない第2のトナー(10)の製造方法について説明する。
第2のトナー(3)の製造方法で用いられたバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤と同じバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤がそれぞれ用いられた。
混合・混練工程:
前記ポリエステル樹脂85質量部と、前記エステルワックス8質量部と、前記帯電制御剤1質量部とがヘンシェルミキサーにより混合されて、原料混合物(m10)が調製された。この後、前記原料混合物(m10)が、120℃に温度設定された2軸混練機により溶融混練されて、混練物(m10a)が得られた。
粉砕工程:
前記混練物(m10a)がフェザーミルにより粗粉砕され、粗粉砕物(m10b)が得られた。この後、前記粗粉砕物(m10b)がジェットミルにより粉砕された。
分級工程:
次いで、ローター型分級機により分級され、粒子群の体積平均粒子径が4.5μmの第2のトナー(10)が得られた。
【0145】
得られた第1のトナー(10)、及び、第2のトナー(10)が用いられ、上述の画像形成方法Xによって、画像が形成された。
【0146】
(比較例3)
以下、混合分散液(pw11)の調製について説明する。
前記バインダー樹脂分散液(p1)61質量部と、前記離型剤分散液(w1)6質量部と、イオン交換水51質量部とが撹拌されることにより、混合分散液(pw11)が調製された。
【0147】
以下、着色剤分散液(c11)を調製する工程について説明する。
光輝性顔料(商品名Iriodin183、体積平均粒径400.2μm)10質量部と、イオン交換水170質量部とが撹拌されながら、0.5質量%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド溶液21質量部が添加された後、45℃に昇温されて、混合液(c’11)が得られた。次に、前記混合液(c’11)に、30質量%硫酸アンモニウム溶液33質量部が添加され、1時間保持されて、着色剤分散液(c11)が調製された。
【0148】
凝集工程:
前記着色剤分散液(c11)に、前記混合分散液(pw11)が10時間かけて徐々に添加されて、凝集体分散液(a11)が得られた。
融着工程:
前記凝集体分散液(a11)に、界面活性剤としてポリカルボン酸系界面活性剤(花王株式会社製、ポイズ520)6質量部が添加され、次いで65℃に加熱された。この後、静置されて、融着粒子が分散した分散液が得られた。
【0149】
分離工程:
前記融着工程で得られた分散液が1時間静置された(沈降分離)。これにより、分散液中の粒子群が、光輝性顔料を含む粒子が分散した分散液と、光輝性顔料を含まない粒子が分散した分散液とに分けられた。
【0150】
洗浄工程:
各分散液中の粒子群に対し、ろ過及びイオン交換水による洗浄操作が繰り返された。前記の洗浄操作は、ろ液の導電率が2μS/cm以下になるまで繰り返された。
乾燥工程:
最後のろ過により分離された各粒子群が、真空乾燥機により含水率1.0質量%以下になるまで乾燥された。そして、光輝性顔料を含む第1のトナー(11)、及び、光輝性顔料を含まない第2のトナー(11)がそれぞれ得られた。
SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径(50%D)の測定が行われた結果、第1のトナー(11)の粒子群の体積平均粒径は430.6μm、第2のトナー(11)の粒子群の体積平均粒径は7.5μmであった。
【0151】
得られた第1のトナー(11)、及び、第2のトナー(11)が用いられ、上述の画像形成方法Zによって、画像が形成された。
【0152】
(比較例4)
以下、混合分散液(pw12)の調製について説明する。
前記バインダー樹脂分散液(p1)60質量部と、前記離型剤分散液(w1)6質量部と、イオン交換水54質量部とが撹拌されることにより、混合分散液(pw12)が調製された。
【0153】
以下、着色剤分散液(c12)を調製する工程について説明する。
光輝性顔料(商品名Iriodin383、体積平均粒径250.7μm)9質量部と、イオン交換水182質量部とが撹拌されながら、0.5質量%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド溶液8質量部が添加された後、45℃に昇温されて、混合液(c’12)が得られた。次に、前記混合液(c’12)に、30質量%硫酸アンモニウム溶液32質量部が添加され、1時間保持されて、着色剤分散液(c12)が調製された。
【0154】
以下、着色剤を含む第1のトナー(12)の製造方法について説明する。
凝集工程:
前記着色剤分散液(c12)に、前記混合分散液(pw12)が10時間かけて徐々に添加されて、凝集体分散液(a12)が得られた。
融着工程:
前記凝集体分散液(a12)に、界面活性剤としてポリカルボン酸系界面活性剤(花王株式会社製、ポイズ520)5質量部が添加され、次いで65℃に加熱された。この後、静置されて、融着粒子が分散した分散液が得られた。
洗浄工程:
前記融着工程で得られた分散液中の粒子群に対し、ろ過及びイオン交換水による洗浄操作が繰り返された。前記の洗浄操作は、ろ液の導電率が50μS/cm以下になるまで繰り返された。
乾燥工程:
最後のろ過により分離された粒子群が、真空乾燥機により含水率1.0質量%以下になるまで乾燥された。そして、光輝性顔料を含む第1のトナー(12)が得られた。
SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径(50%D)の測定が行われた結果、第1のトナー(12)の粒子群の体積平均粒径は274.3μmであった。
【0155】
以下、着色剤を含まない第2のトナー(12)の製造方法について説明する。
第2のトナー(3)の製造方法で用いられたバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤と同じバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤がそれぞれ用いられた。
混合・混練工程:
前記ポリエステル樹脂95質量部と、前記エステルワックス3質量部と、前記帯電制御剤1質量部とがヘンシェルミキサーにより混合されて、原料混合物(m12)が調製された。この後、前記原料混合物(m12)が、120℃に温度設定された2軸混練機により溶融混練されて、混練物(m12a)が得られた。
粉砕工程:
前記混練物(m12a)がフェザーミルにより粗粉砕され、粗粉砕物(m12b)が得られた。この後、前記粗粉砕物(m12b)がジェットミルにより粉砕された。
分級工程:
次いで、ローター型分級機により分級され、粒子群の体積平均粒子径が5.0μmの第2のトナー(12)が得られた。
【0156】
得られた第1のトナー(12)、及び、第2のトナー(12)が用いられ、上述の画像形成方法Yによって、画像が形成された。
【0157】
(比較例5)
以下、混合分散液(pw13)の調製について説明する。
前記バインダー樹脂分散液(p1)60質量部と、前記離型剤分散液(w1)8質量部と、イオン交換水59質量部とが撹拌されることにより、混合分散液(pw13)が調製された。
【0158】
以下、着色剤分散液(c13)を調製する工程について説明する。
光輝性顔料(商品名Iriodin163、体積平均粒径55.3μm)9質量部と、イオン交換水189質量部とが撹拌されながら、0.5質量%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド溶液6質量部が添加された後、45℃に昇温されて、混合液(c’13)が得られた。次に、前記混合液(c’13)に、30質量%硫酸アンモニウム溶液30質量部が添加され、1時間保持されて、着色剤分散液(c13)が調製された。
【0159】
以下、着色剤を含む第1のトナー(13)の製造方法について説明する。
凝集工程:
前記着色剤分散液(c13)に、前記混合分散液(pw13)が10時間かけて徐々に添加されて、凝集体分散液(a13)が得られた。
融着工程:
前記凝集体分散液(a13)に、界面活性剤としてポリカルボン酸系界面活性剤(花王株式会社製、ポイズ520)5質量部が添加され、次いで65℃に加熱された。この後、静置されて、融着粒子が分散した分散液が得られた。
洗浄工程:
前記融着工程で得られた分散液中の粒子群に対し、ろ過及びイオン交換水による洗浄操作が繰り返された。前記の洗浄操作は、ろ液の導電率が50μS/cm以下になるまで繰り返された。
乾燥工程:
最後のろ過により分離された粒子群が、真空乾燥機により含水率1.0質量%以下になるまで乾燥された。そして、光輝性顔料を含む第1のトナー(13)が得られた。
SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径(50%D)の測定が行われた結果、第1のトナー(13)の粒子群の体積平均粒径は60.2μmであった。
【0160】
以下、着色剤を含まない第2のトナー(13)の製造方法について説明する。
第2のトナー(3)の製造方法で用いられたバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤と同じバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤がそれぞれ用いられた。
混合・混練工程:
前記ポリエステル樹脂85質量部と、前記エステルワックス11質量部と、前記帯電制御剤1質量部とがヘンシェルミキサーにより混合されて、原料混合物(m13)が調製された。この後、前記原料混合物(m13)が、120℃に温度設定された2軸混練機により溶融混練されて、混練物(m13a)が得られた。
粉砕工程:
前記混練物(m13a)がフェザーミルにより粗粉砕され、粗粉砕物(m13b)が得られた。この後、前記粗粉砕物(m13b)がジェットミルにより粉砕された。
分級工程:
次いで、ローター型分級機により分級され、粒子群の体積平均粒子径が10.5μmの第2のトナー(13)が得られた。
【0161】
得られた第1のトナー(13)、及び、第2のトナー(13)が用いられ、上述の画像形成方法Yによって、画像が形成された。
【0162】
(比較例6)
以下、混合分散液(pw14)の調製について説明する。
前記バインダー樹脂分散液(p1)60質量部と、前記離型剤分散液(w1)8質量部と、イオン交換水59質量部とが撹拌されることにより、混合分散液(pw14)が調製された。
【0163】
以下、着色剤分散液(c14)を調製する工程について説明する。
光輝性顔料(商品名Iriodin249、体積平均粒径35.5μm)11質量部と、イオン交換水177質量部とが撹拌されながら、0.5質量%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド溶液6質量部が添加された後、45℃に昇温されて、混合液(c’14)が得られた。次に、前記混合液(c’14)に、30質量%硫酸アンモニウム溶液34質量部が添加され、1時間保持されて、着色剤分散液(c14)が調製された。
【0164】
以下、着色剤を含む第1のトナー(14)の製造方法について説明する。
凝集工程:
前記着色剤分散液(c14)に、前記混合分散液(pw14)が10時間かけて徐々に添加されて、凝集体分散液(a14)が得られた。
融着工程:
前記凝集体分散液(a14)に、界面活性剤としてポリカルボン酸系界面活性剤(花王株式会社製、ポイズ520)5質量部が添加され、次いで65℃に加熱された。この後、静置されて、融着粒子が分散した分散液が得られた。
洗浄工程:
前記融着工程で得られた分散液中の粒子群に対し、ろ過及びイオン交換水による洗浄操作が繰り返された。前記の洗浄操作は、ろ液の導電率が50μS/cm以下になるまで繰り返された。
乾燥工程:
最後のろ過により分離された粒子群が、真空乾燥機により含水率1.0質量%以下になるまで乾燥された。そして、光輝性顔料を含む第1のトナー(14)が得られた。
SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径(50%D)の測定が行われた結果、第1のトナー(14)の粒子群の体積平均粒径は36.8μmであった。
【0165】
以下、着色剤を含まない第2のトナー(14)の製造方法について説明する。
第2のトナー(3)の製造方法で用いられたバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤と同じバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤がそれぞれ用いられた。
混合・混練工程:
前記ポリエステル樹脂84質量部と、前記エステルワックス11質量部と、前記帯電制御剤1質量部とがヘンシェルミキサーにより混合されて、原料混合物(m14)が調製された。この後、前記原料混合物(m14)が、120℃に温度設定された2軸混練機により溶融混練されて、混練物(m14a)が得られた。
粉砕工程:
前記混練物(m14a)がフェザーミルにより粗粉砕され、粗粉砕物(m14b)が得られた。この後、前記粗粉砕物(m14b)がジェットミルにより粉砕された。
分級工程:
次いで、ローター型分級機により分級され、粒子群の体積平均粒子径が5.5μmの第2のトナー(14)が得られた。
【0166】
得られた第1のトナー(14)、及び、第2のトナー(14)が用いられ、上述の画像形成方法Zによって、画像が形成された。
【0167】
(比較例7)
以下、混合分散液(pw15)の調製について説明する。
前記バインダー樹脂分散液(p1)60質量部と、前記離型剤分散液(w1)5質量部と、イオン交換水60質量部とが撹拌されることにより、混合分散液(pw15)が調製された。
【0168】
以下、着色剤分散液(c15)を調製する工程について説明する。
光輝性顔料(商品名Iriodin259、体積平均粒径40.1μm)13質量部と、イオン交換水189質量部とが撹拌されながら、0.5質量%ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド溶液6質量部が添加された後、45℃に昇温されて、混合液(c’15)が得られた。次に、前記混合液(c’15)に、30質量%硫酸アンモニウム溶液34質量部が添加され、1時間保持されて、着色剤分散液(c15)が調製された。
【0169】
以下、着色剤を含む第1のトナー(15)の製造方法について説明する。
凝集工程:
前記着色剤分散液(c15)に、前記混合分散液(pw15)が10時間かけて徐々に添加されて、凝集体分散液(a15)が得られた。
融着工程:
前記凝集体分散液(a15)に、界面活性剤としてポリカルボン酸系界面活性剤(花王株式会社製、ポイズ520)5質量部が添加され、次いで65℃に加熱された。この後、静置されて、融着粒子が分散した分散液が得られた。
洗浄工程:
前記融着工程で得られた分散液中の粒子群に対し、ろ過及びイオン交換水による洗浄操作が繰り返された。前記の洗浄操作は、ろ液の導電率が50μS/cm以下になるまで繰り返された。
乾燥工程:
最後のろ過により分離された粒子群が、真空乾燥機により含水率1.0質量%以下になるまで乾燥された。そして、光輝性顔料を含む第1のトナー(15)が得られた。
SALD−7000(株式会社島津製作所製)により体積平均粒径(50%D)の測定が行われた結果、第1のトナー(15)の粒子群の体積平均粒径は43.8μmであった。
【0170】
以下、着色剤を含まない第2のトナー(14)の製造方法について説明する。
第2のトナー(3)の製造方法で用いられたバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤と同じバインダー樹脂、離型剤及び帯電制御剤がそれぞれ用いられた。
混合・混練工程:
前記ポリエステル樹脂83質量部と、前記エステルワックス11質量部と、前記帯電制御剤1質量部とがヘンシェルミキサーにより混合されて、原料混合物(m15)が調製された。この後、前記原料混合物(m15)が、120℃に温度設定された2軸混練機により溶融混練されて、混練物(m15a)が得られた。
粉砕工程:
前記混練物(m15a)がフェザーミルにより粗粉砕され、粗粉砕物(m15b)が得られた。この後、前記粗粉砕物(m15b)がジェットミルにより粉砕された。
分級工程:
次いで、ローター型分級機により分級され、粒子群の体積平均粒子径が6.5μmの第2のトナー(15)が得られた。
【0171】
得られた第1のトナー(15)、及び、第2のトナー(15)が用いられ、上述の画像形成方法Xによって、画像が形成された。
【0172】
表1は、各例で製造された第1のトナー及び第2のトナーの組成を示す。
【0173】
【表1】
【0174】
以下、加飾性及び定着性の評価について説明する。
上述の画像形成方法X〜Zにおいて、定着温度140℃で、紙面上にトナーが定着して画像が形成された。
この後、目視にて、画像の加飾性、及びトナーの定着性をそれぞれ評価した。
【0175】
加飾性の評価基準は、下記のとおりである。
加飾性の評価基準
◎:定着後の画像は、ムラが無く、光輝感がある。
○:定着後の画像は、多少のムラはあるものの、光輝感がある。
×:定着後の画像は、ムラがあり、光輝感がない。
【0176】
定着性の評価基準は、下記のとおりである。
定着性の評価基準
○:オフセットや未定着による画像剥がれが発生していない。
×:オフセットや未定着による画像剥がれが発生している。
【0177】
表2は、各例で製造されたトナーについての加飾性及び定着性の評価結果を示す。
【0178】
【表2】
【0179】
本実施形態を適用した実施例1〜8においては、加飾性及び定着性の評価がいずれも良好な結果であった。
一方、比較例1〜7においては、加飾性及び定着性の評価の少なくとも一方が不良な結果であった。
【0180】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0181】
1a…感光体ドラム、2a…帯電装置、3a…露光装置、4a…第1の現像器、7…中間転写ベルト、8a…一次転写ローラ、9…二次転写ローラ、10…バックアップローラ、11…ヒートローラ、12…プレスローラ、14a…一次転写電源、15…二次転写電源、16a…クリーニング装置、17A…第1の画像形成ユニット、20…画像形成装置、21…定着装置。
図1
図2
図3