(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施例について図面を用いて説明する。尚、下記はあくまでも実施の例に過ぎず、発明の内容が下記具体的態様に限定されるものではない。本発明は、下記態様を含めて種々の態様に変形することが無論可能である。なお、各実施例において同一符合は同一部品を示すので、再度の説明は省略する。
【実施例1】
【0011】
実施例1について
図1及び
図2を用いて説明する。図に示すように、実施例1のガス断路器はセラミック絶縁筒7、固定端板9、可動端板10、ベローズ2から構成され消弧室内部に、固定電極3、固定電極に設けられるバネコンタクト23、可動電極5を配備し、かつ、その内部にポート14aを経由しSF6ガスを封入して構成されるガスバルブ28とブッシング導体12A、12B、電界緩和シールド8をエポキシ樹脂などの固体絶縁物21でモールドしている。固体絶縁物21の外表面は必要に応じて導電性塗料を塗布するなどして接地電位にしてもよい。また、該可動電極5は絶縁操作ロッド20、レバー31を介して、2位置電磁操作器29によって該固定電極3に対して接離自在に駆動される。絶縁操作ロッド20は固体絶縁物21と機構ケース13で構成される密閉空間内に配備され、該密閉空間にはポート14bを通じて乾燥空気が封入される。また、SF6ガスを封入しても構わない。このとき例えば消弧室内ガス圧を0.15MPa、機構ケース内ガス圧を0.12PMaに設定し、ベローズに作用する圧力差を低減して長寿命化を図る。また、ブッシング導体12A、12Bは低電流器ではアルミ、大電流器では銅を用いる。
【0012】
この構成において該ガスバルブは、セラミック絶縁筒7、固定端板9、可動端板10、ベローズ2を互いにろう付けして構成され、さらに周囲をエポキシ樹脂などの固体絶縁物によってモールドされているため、Oリングによる封止構造と比較して、内部に封入されたSF6ガスの漏洩が低減され、環境適合性が高い。また、電流開閉性能や耐電圧性能が要求される固定電極3と可動電極5の周囲のみ覆う小形の消弧室内部にのみSF6ガスを封入すればよいため、SF6ガスの使用量を低減できるという効果がある。
【0013】
図2に実施例1の底横断面図を示す。機構ケース13を貫通するシャフト90は図示しないOリングなどで気密を保ちながら機構ケース13に対して自在に回転可能に配置されていて、そのシャフト90にリンク91a、91bが取り付けられることによってレバー31が構成されている。
【0014】
この構成において、シャフト90は図示しないOリングなどで気密を保ちながら機構ケース13に対して自在に回転することによって機構ケース13の外部から内部に駆動力を伝達できる。よって、直線シールに比べて、高い信頼性で気密を保持することができるという効果がある。
【実施例2】
【0015】
次に、実施例2について
図3を用いて説明する。実施例2のガス断路器はエポキシ樹脂などからなる固体絶縁筒22、固定端板9、可動端板10、ベローズ2から構成され消弧室内部に、固定電極3、可動電極5を配備し、かつ、その内部にポート14aを経由しSF6ガスを封入して構成されるガスバルブ28とブッシング導体12A、12Bをエポキシ樹脂などの固体絶縁物21でモールドしている。固体絶縁物21の外表面は必要に応じて導電性塗料を塗布するなどして接地電位にしてもよい。そのほかは実施例1と同様に構成する。
【0016】
この構成において該ガスバルブ28は、エポキシ樹脂などからなる固体絶縁筒22、固定端板9、可動端板10を互いに注型して構成され、さらに周囲をエポキシ樹脂などの固体絶縁物によってモールドされているため、実施例1と同様に、Oリングによる封止構造と比較して、内部に封入されたSF6ガスの漏洩が低減され、環境適合性が高い。また、電流開閉性能や耐電圧性能が要求される固定電極3と可動電極5の周囲のみ覆う小形の消弧室内部にのみSF6ガスを封入すればよいため、SF6ガスの使用量を低減できるという効果がある。
【実施例3】
【0017】
次に、実施例3について
図4を用いて説明する。実施例3では、実施例1の構成に加えて、図に示すように、ガスバルブ28内に固体絶縁筒22、ピストン24を備え、さらに可動電極5の中心軸からピストン24の背面に貫通するようにオリフィス25を設けてある。固定電極3の表面には耐弧メタル26が設けられている。
【0018】
この構成では、可動電極5が投入位置から遮断位置に駆動される過程で、固体絶縁筒22とピストン24、可動側端板10で囲まれた空間の体積が縮小されるにしたがって該空間内のガスの圧力が上昇し、オリフィス25を通して可動電極5の先端部から排出される。このガスは可動電極5と固定電極3の間に点弧しているアークに吹き付けられることによって電流遮断性能が向上し、大きな負荷電流を遮断することができる効果がある。
【実施例4】
【0019】
次に、実施例4について
図5を用いて説明する。実施例4では、実施例1の構成における可動側のブッシング導体12Bの代わりに接地端子53を備えることによって接地開閉器を構成している。
【0020】
この構成では、接地回路の構成が簡単で小形になる効果がある。
【実施例5】
【0021】
次に、実施例5について
図6を用いて説明する。実施例5では、固定電極3と可動電極5の間に点弧するアークに対して直交する磁場を発生するために、実施例1の構成における固定電極3と可動電極5の各接点部をスパイラル形状にしている。
【0022】
この構成では、固定電極3と可動電極5の間に点弧するアークが該電極外周部に沿って磁気駆動されることによってアークの冷却作用が強化され、電流遮断性能が向上して、大きな負荷電流を遮断できる効果がある。
【実施例6】
【0023】
次に、実施例6について
図7を用いて説明する。実施例6では、ヒューズ27とブッシング導体12A、12B、電界緩和シールド8をエポキシ樹脂などの固体絶縁物21で一括モールドしている。
【0024】
この構成では、高圧ヒューズの内部には、銀のヒューズエレメントと消弧剤となるけい砂が充填され、キャップと磁器筐体の間は接着剤やシリコンゴムでシールされ、ヒューズ溶断時の圧力を閉じ込めるようになっている。ヒューズを丸ごとエポキシ樹脂でモールドしてしまえばヒューズの交換はできなくなるが、周囲環境からヒューズ内部に水分などが侵入できなくなり、性能劣化を回避できる。すなわち、ヒューズの磁器筐体とキャップ接合部がエポキシ樹脂で覆われるため、周囲環境からヒューズ内部に水分などが侵入しにくくなり、ヒューズの性能劣化を回避できるという効果がある。
【0025】
なお、実施例2のようにエポキシ樹脂などからなる固体絶縁筒と固定端版と可動端板を組み合わせ、一方が開口するようにあらかじめ組み立てられた絶縁物容器と、ブッシング導体12A、12B、電界緩和シールド8を組み合わせてさらにエポキシ樹脂などの固体絶縁物21でモールドして構成されるユニットに、後からヒューズ27を組み込んで、気密を保つためのキャップを装着し、構成した気密空間の内部にSF6ガスを充填すれば、少ないSF6ガス量でヒューズ外沿面の絶縁信頼性を向上できる効果がある。
【実施例7】
【0026】
実施例7について
図8から
図11を用いて説明する。
図8は実施例7の投入と遮断の両方の状態を示す縦断面図で、固定端板9、セラミック絶縁筒7a、中間電極4、セラミック絶縁筒7b、可動端板10、ベローズ2から構成される消弧室内部に、固定電極3、可動電極5を配備し、かつ、その内部にポート14aを経由しSF6ガスを封入して構成されるガスバルブ28とブッシング導体12A、12B、電界緩和シールド8をエポキシ樹脂などの固体絶縁物21でモールドしている。固体絶縁物21の外表面は必要に応じて導電性塗料を塗布するなどして接地電位にする。可動電極5、絶縁操作ロッド20、ベローズ2については紙面左半分に遮断状態、紙面右半分に投入状態を示している。固定側ブッシング導体12Aには電源回路が、可動側ブッシング導体12Bには負荷回路が、接地端子53には接地回路が接続される。
【0027】
図9は実施例7の投入状態を示す。図には3位置電磁操作器30が示され、レバー31を介して絶縁操作ロッド20が駆動される。3位置電磁操作器30の出力軸が下位置にあるとき、可動電極5は上位置に駆動され、固定側ブッシング導体12Aと可動側ブッシング導体12Bは可動電極5によって電気的に導通され、電源回路と負荷回路が接続されている。
【0028】
図10は実施例7の断路状態を示す。3位置電磁操作器30の出力軸が中間位置にあるとき、可動電極5は中間位置に駆動され、固定側ブッシング導体12Aと可動電極5、可動電極5と接地端子53はお互いに解離して電気的に導通しておらず、電源回路と負荷回路、負荷回路と接地回路が電気的に絶縁されている。
【0029】
図11は実施例7の接地状態を示す。3位置電磁操作器30の出力軸が上位置にあるとき、可動電極5は下位置に駆動され、可動側ブッシング導体12Bと接地端子53は可動電極5によって電気的に導通され、負荷回路と接地回路が接続されている。
【0030】
この構成では、実施例1と同様にSF6ガスの漏洩や、使用量が低減できる効果があり、また、接地断路機能をコンパクトかつ高信頼性を保ちながら実現できる効果がある。
【実施例8】
【0031】
実施例8について
図12から
図14を用いて説明する。
図12は実施例8の単相接続図を示す。実施例8は接地断路部73、遮断部74を直列に接続することによって、電源回路70、接地回路71、負荷回路72に対して投入、遮断、断路、接地機能を提供する。
【0032】
図13は実施例8の構成の側方縦断面図を示す。
図8から
図11に示した実施例7と
図6に示した実施例5を、固体絶縁母線61で接続することで、
図12に示す回路を構成することができる。
【0033】
図14は実施例8の正面図を示す。接地断路部73A、73B、73Cと遮断部74A、74B、74Cを固体絶縁母線60A、60B、60Cで接続することによって、ケーブル42A、42B、42Cに接続された負荷を、電源に接続または遮断したり、接地回路に接続したりする。
【0034】
この構成では、実施例1と同様にSF6ガスの漏洩や、使用量が低減できる効果がある。
【実施例9】
【0035】
実施例9について
図15を用いて説明する。実施例9は実施例8における電流遮断部を実施例6に示したガス封入ヒューズに置き換えた例である。
【0036】
本構成では多回路切り替え用開閉器を安価に構成できる。また、SF6ガスの漏洩や、使用量が低減できる効果は他の実施例と同様に発揮される。
【実施例10】
【0037】
実施例10について
図16を用いて説明する。実施例10は固体絶縁筒22a、22b、ブッシング導体12A、12B、接地端子53を接着剤などで接合することにより構成した消弧室に、Oリングなどのシール部材で気密を保ちながら機構ケース13をボルトで締結することによって密閉容器を構成し、機構ケース13に設けたポート14bを経由しSF6ガスを封入して構成されるガスバルブの周囲を改めてエポキシ樹脂などの固体絶縁物21でモールドしている。接触子80a、80bの周囲には、ばね81a、81bが設けられ、接触子を介して可動電極5とブッシング導体との電気的な接続を行えるようにしている。
【0038】
この構成では、消弧室を部分組み立てでき、機構ケース13とボルトで締結できるため組み立て作業がやりやすく、また、SF6ガスを封入した後ではポート14bやシール部材を覆うように固体絶縁物21でモールドするため、実施例1と同様にOリングによる封止構造と比較して、内部に封入されたSF6ガスの漏洩が低減され、環境適合性が高い。
【実施例11】
【0039】
実施例11について
図17を用いて説明する。実施例11はセラミック絶縁筒7a、7b、固定端板9、可動端板10、ベローズ2から構成される消弧室内部に、固定電極3、可動電極5、その周囲にアークシールド6を配備し、かつ、その内部にSF6ガスを封入して構成されるガスバルブ28とブッシング導体12A、12B、接地端子53をエポキシ樹脂などの固体絶縁物21でモールドしたユニットの両側から、絶縁操作ロッド20aやレバー31aを内蔵する機構ケース13aと可動電極5b、レバー31bを内蔵する機構ケース13bを、Oリングなどの封止部材を挟み込んでボルトで締結することにより、接地負荷電流開閉器を構成している。
【0040】
本実施例では、ガスバルブ28と接地回路を独立に開閉できる。また、固体絶縁物21でモールドしたユニットと機構ケース13a、13bをボルトで締結できるため組み立て作業がやりやすい。
【実施例12】
【0041】
実施例12について
図18を用いて説明する。実施例12はセラミック絶縁筒7a、7b、中間電極4、可動端板10a、10b、ベローズ2a、2bから構成される消弧室内部に、ばねコンタクト23b、23cを備えた固定電極3、可動電極5a、5bを配備し、かつ、その内部にポート14a、14bを経由してSF6ガスを封入して構成されるガスバルブ28とブッシング導体12A、12B、12Cをエポキシ樹脂などの固体絶縁物21でモールドしたユニットの両側から、絶縁操作ロッド20aやレバー31aを内蔵する機構ケース13aと絶縁操作ロッド20bやレバー31bを内蔵する機構ケース13bを、Oリングなどの封止部材を挟み込んでボルトで締結することにより、接地負荷電流開閉器を構成している。2位置電磁操作器29a、29bにより、絶縁操作ロッド20a、20bを介して可動電極5a、5bの位置を制御する。
【0042】
本実施例では、2点切りガスバルブを部分組み立てできる。また、ブッシング導体12Bとブッシング導体12A、ブッシング導体12Cを独立に電気的に導通、遮断することで電源回路や負荷回路を切替える多回路切替え開閉器を実現することができる。
【実施例13】
【0043】
実施例13について
図19を用いて説明する。実施例13は実施例12のブッシング導体12Cを接地端子53として使用することにより、絶縁操作ロッド20bを省略している。
【0044】
本実施例では、実施例12と同様に2点切りガスバルブを部分組み立てできる。また、絶縁操作ロッド20bを省略することで低コスト化が実現できる。
【実施例14】
【0045】
実施例14について
図20を用いて説明する。実施例14はセラミック絶縁筒7a、可動端板10a、固定端版9a、ベローズ2aから構成される消弧室内部に固定電極3a、可動電極5aを配備し、かつ、その内部にSF6ガスを封入して構成される第一のガスバルブ28Aとブッシング導体12A、可動側導体82aをエポキシ樹脂などの固体絶縁物21aでモールドした第一のユニットと、セラミック絶縁筒7b、可動端板10b、固定端版9b、ベローズ2bから構成される消弧室内部に固定電極3b、可動電極5bを配備し、かつ、その内部にSF6ガスを封入して構成される第二のガスバルブ28Bとブッシング導体12C、可動側導体82bをエポキシ樹脂などの固体絶縁物21bでモールドした第二のユニットを、絶縁操作ロッド20a、20b、レバー31を内蔵する機構ケース13でOリングなどの封止部材を挟み込んで機械的に接続し、さらに可動導体82aと82bを固体絶縁母線61で電気的に接続することにより、回路切り替え開閉器を構成している。また、2位置電磁操作器29とレバー31を備えている。
【0046】
本実施例では、2位置電磁操作器29によって、ガスバルブ28Aと28Bを排他的に投入、遮断できるため、信頼性が高い回路選択用開閉器を実現することができる。
【実施例15】
【0047】
実施例15について
図21を用いて説明する。実施例15は実施例14における絶縁操作ロッド20a、20bを一体に成形している。
【0048】
本実施例では、絶縁操作ロッドを1本に集約することにより調整箇所の低減、組み立て工数の低減、部品数低減により低コスト化を実現できる。
【実施例16】
【0049】
実施例16について
図22を用いて説明する。実施例16は実施例13における機構ケース13b、レバー31b、2位置電磁操作器29b、ブッシング導体12B、接地端子53を紙面左右方向に反転配置し、ブッシング導体12Aは、紙面縦方向に3つの位置に変位配置している。
【0050】
本実施例では、ブッシング導体12Bに負荷を、ブッシング導体12Aa、12Ab、12Acに三相交流電源母線を接続することによって、現地据付作業性を向上することができる。
【実施例17】
【0051】
実施例17について
図23を用いて説明する。実施例17は実施例13におけるブッシング導体12Bを固体絶縁母線接続電極に変更し、固体絶縁母線接続電極と実施例6のガス封入ヒューズを固体絶縁母線61で接続している。
【0052】
本実施例では、
図15に示した実施例9と同じ機能を2つの2位置電磁操作器29a、29bを用いて実現できる。
【実施例18】
【0053】
実施例18について
図24を用いて説明する。実施例18は実施例12における2点切りガスバルブを2個の1点切りガスバルブ28a、28bに置き換えて構成している。
【0054】
本実施例では、各ガスバルブの構造を簡単にできるため、部分組み立ての作業性が向上する。
【実施例19】
【0055】
実施例19について
図25を用いて説明する。実施例19は実施例18における一方のガスバルブ28bをガス断路部に置き換えて構成している。
【0056】
本実施例では、実施例18と同様に各ガスバルブの構造を簡単にできるため、部分組み立ての作業性が向上し、ガスバルブ28bをガス断路器に置き換えることで低コスト化が実現できる。
【実施例20】
【0057】
実施例20について
図26を用いて説明する。実施例20はセラミック絶縁筒7、可動端板10、固定端版9、ベローズ2から構成される消弧室内部に固定電極3A、可動電極5Aを配備し、かつ、その内部にSF6ガスを封入して構成されるガスバルブとブッシング導体12A、12B、埋め込みシールド99をエポキシ樹脂などの固体絶縁物21でモールドしたユニットに、絶縁操作ロッド20a、20b、可動電極5B、中間電極4を内蔵させ、蓋82を取り付けることによって密封空間を構成し、さらに内部に乾燥空気またはSF6ガスなどを封入して構成している。埋め込みシールド99は中間電極4や可動電極5Aよりも紙面下方に張出させることにより、等電位面を紙面下方に引き伸ばして、中間電極4や可動電極5Aの表面の電界を緩和し、耐電圧性能を向上させている。
【0058】
本実施例では、ガスバルブ28と接地断路部73を並行配置することにより、小形化できる。
【実施例21】
【0059】
実施例21について
図27を用いて説明する。実施例21は実施例20の構成において、固体絶縁物21や蓋82の内面にコーティング92を施している。コーティング92としてはフッ素樹脂コーティングのような撥水性のある材料が選ばれる。
【0060】
本実施例では、固体絶縁物21内部に吸蔵された水分がコーティングによってガス空間に放出されにくくなるため、絶縁信頼性を向上できる。
【実施例22】
【0061】
実施例22について
図28を用いて説明する。実施例22は金属溶接チャンバー93にエポキシブッシング94a、94b、94c、94dを図示しないOリングで気密を保ちながら取り付けて構成した開閉装置用ガス容器を示し、金属溶接チャンバー93とエポキシブッシング94a、94b、94c、94dの接合部を包含するように固体絶縁物21を注型している。
【0062】
本実施例では、リークしやすい金属溶接チャンバー93とエポキシブッシング94a、94b、94c、94dの接合部が固体絶縁物で覆われるため、金属溶接チャンバー93とエポキシブッシング94a、94b、94c、94dの接合部からガスがリークしても固体絶縁物21で食い止められる。よって、金属溶接チャンバー93にエポキシブッシング94a、94b、94c、94dを図示しないOリングで気密を保ちながら取り付けて構成した開閉装置用ガス容器にくらべて気密信頼性を向上できる。
【実施例23】
【0063】
実施例23について
図29を用いて説明する。実施例23は電界緩和シールド8を重ねて配置している。また、ベローズ2をガスバルブ28から突き出すように外側にむけて配置している。
【0064】
本実施例では、電界緩和シールド8を重ねて配置することにより、実施例7に比べてより高い電界緩和効果を得られる。また、実施例7に比べて、可動端板10と気中絶縁操作ロッド20の軸方向長さを縮小できるため、低コスト化できる。
【実施例24】
【0065】
実施例24について
図30を用いて説明する。実施例24は実施例23の可動電極5を互いに内接または外接する同軸円筒状抵抗体95、絶縁体96、導電体97の組み合わせで構成している。
【0066】
本実施例では、投入動作時にまず固定電極3と抵抗体95が接触し、その後固定電極3と絶縁体95が、最終的に固定電極3と導電体97が接触する。この動作によって、変圧器負荷を投入する際に、励磁突入電流を抑制することができる。
【実施例25】
【0067】
実施例25について
図31を用いて説明する。実施例25は実施例4において、機構ケース13にSF6ガスリークセンサー98を備えている。
【0068】
本実施例では、ガスバルブ28のベローズ2が損傷してガスバルブ28内に封入されたSF6ガスが機構ケース13内にリークした際に、SF6ガスリークセンサー98で精度よく検出することができ、信頼性を向上することができる。
【実施例26】
【0069】
実施例26について
図1、5、6、17、26、27を用いて説明する。実施例26ではガスバルブ28内にSF6ガスを充填する代わりに、高真空に排気した。
【0070】
本実施例では、
図1、5、6においては高真空に排気したガスバルブ28とSF6ガス絶縁操作ロッド、
図17、26、27においては高真空に排気したガスバルブ28とSF6ガス絶縁操作ロッドとガス絶縁接地開閉器または接地断路部を組み合わせることにより高い電流遮断性能とコンパクトな全体構成を実現することができる。
【実施例27】
【0071】
実施例27について
図13、20、21、24、25を用いて説明する。実施例27では、複数のガスバルブのうちの一つにおいてSF6ガスを充填する代わりに高真空に排気した。
【0072】
本実施例では、
図13においては高真空に排気した紙面下側のガスバルブの高い電流遮断性能と、紙面上側のガス絶縁接地断路器を組み合わせることにより、高い電流遮断性能と優れた絶縁性能を両立することができる。
図20、21、24、25においては、回路ごとに高真空に排気したガスバルブかSF6ガスを充填したガスバルブのいずれかを適用することにより、回路に接続される機器に最適な開閉部を提供することができる。