【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前述したような従来技術における課題および目的を達成するために発明されたものであって、
本発明の軌道工事用継手ユニットは、
鉄道軌道の軌道構造物相互間の空隙部内を充填材入りの袋体で埋める軌道工事において、前記袋体と、前記袋体に前記充填材を供給する供給管と、を接続するための軌道工事用継手ユニットであって、
前記軌道工事用継手ユニットは、
少なくとも一端部の外表面に周状凸部が所定間隔毎に複数設けられた略直管状の継手本体部と、
前記袋体の注入口内に前記継手本体部の一端部を挿通させた状態で、前記袋体の注入口と前記継手本体部の一端部とを締結するための袋体側締結具と、
前記供給管内に前記継手本体部の他端部を挿通させた状態で、前記供給管と前記継手本体部の他端部とを締結するための供給管側締結具と、
を備え、
前記継手本体部の一端部の外表面に設けられた前記周状凸部と周状凸部との間には、周状平面部が設けられ、前記周状平面部内に前記袋体側締結具が配設されるよう構成されて
おり、
前記供給管側締結具が、ロッキングプライヤーであることを特徴とする。
【0014】
このように構成されていれば、袋体の注入口と継手本体部の一端部とを強固に締結させることができるため、充填材を例えば電動ポンプで注入する際に、高い圧力が生じたとしても、袋体の注入口と継手本体部の一端部とが外れてしまうことがなく、確実に袋体内への充填材の注入を行うことができる。
【0015】
特に袋体の注入口の口径サイズは、継手本体部の一端部の外径サイズよりも広く、通常であれば両者の接続は非常に煩雑であるが、本発明の軌道工事用継手ユニットでは、継手本体部の一端部の外表面に設けられた周状凸部と周状凸部との間に周状平面部が設けられ、この周状平面部内に袋体側締結具が配設される構造であるため、袋体の注入口と継手本体部の一端部とを強固に接続して固定することができる。
【0016】
したがって、袋体の注入口と継手本体部の一端部とを作業者が押さえておく必要もなく、さらに高い圧力で充填材を注入することができるため、注入時間を早めることができ、作業を効率的に行うことができる。
また供給管側締結具が、ロッキングプライヤーであれば、着脱を素早く行うことができ、入手も容易であるため、短時間により多くの箇所へ充填材を注入することが求められる軌道工事において好適である。
【0017】
また、本発明の軌道工事用継手ユニットは、
前記継手本体部の一端部に設けられた周状凸部のそれぞれの断面形状が、
前記一端部から他端部に向かって漸時拡開する略三角形状であることを特徴とする。
このように構成されていれば、この略三角形状の部分が抜け止めの役目をなし、袋体の注入口と継手本体部の一端部とを強固に接続して固定することができる。
【0018】
また、本発明の軌道工事用継手ユニットは、
前記袋体側締結具が、結束バンドであることを特徴とする。
【0019】
このように結束バンドであれば、幅や長さも豊富であるとともに入手も容易であるため、継手本体部の一端部の外表面に設けられた周状凸部と周状凸部との間に設けられた周状平面部内に配設されるのに好適である。
【0020】
また、本発明の軌道工事用継手ユニットは、
前記継手本体部の他端部の外表面には、
所定間隔毎に複数の周状凸部が設けられていることを特徴とする。
【0021】
このように構成されていれば、継手本体部の他端部と供給管との接続の際に、供給管から継手本体部の他端部が抜け難くすることができるため、袋体内への充填材の供給を効率的に行うことができる。
【0022】
また、本発明の軌道工事用継手ユニットは、
前記継手本体部の他端部の外表面に設けられた前記周状凸部と周状凸部との間には、周状平面部が設けられ、前記周状平面部内に前記供給管側締結具が配設されるよう構成されていることを特徴とする。
【0023】
このように構成されていれば、充填材の供給管と継手本体部の他端部とを強固に締結させることができるため、例えば充填材を電動ポンプで注入する際に、高い圧力が生じたとしても、供給管と継手本体部の他端部とが外れてしまうことがなく、確実でしかも短時間に袋体内への充填材の注入を行うことができる。
【0024】
また本発明の軌道工事用継手ユニットでは、継手本体部の他端部の外表面に設けられた周状凸部と周状凸部との間に周状平面部が設けられ、この周状平面部内に供給管側締結具が配設される構造であるため、供給管と継手本体部の他端部とを強固に接続して固定することができる。
【0025】
また、本発明の軌道工事用継手ユニットは、
前記継手本体部の他端部に設けられた周状凸部のそれぞれの断面形状が、
前記他端部から一端部に向かって漸時拡開する略三角形状であることを特徴とする。
このように構成されていれば、この略三角形状の部分が抜け止めの役目をなし、充填材の供給管と継手本体部の他端部とを強固に接続して固定することができる。
【0027】
また、本発明の軌道工事方法は、
鉄道軌道の軌道構造物相互間の空隙部内を充填材入りの袋体で埋める軌道工事方法であって、
前記袋体を前記軌道構造物相互間の空隙部内に装填する工程と、
前記空隙部に装填された前記袋体の注入口内に
上述した軌道工事用継手ユニットの継手本体部の一端部を挿通させ、前記袋体の注入口と前記継手本体部の一端部とを袋体側締結具で締結する工程と、
前記継手本体部の他端部を、前記充填材を供給する供給管内に挿通させ、前記供給管と前記継手本体部の他端部とを供給管側締結具で締結する工程と、
前記供給管を介して袋体内に前記充填材を注入する工程と、
前記袋体内に注入した前記充填材を硬化させる工程と、
を少なくとも有することを特徴とする。
【0028】
このような軌道工事方法であれば、上記した軌道工事用継手ユニットを用いて行われるため、充填材の注入時に圧力が高まっても袋体の注入口と供給管との間が抜けてしまうようなおそれもなく、またこの部位に作業者を配置する必要もなく、効率的に軌道工事を進めることができる。
【0029】
また、本発明の軌道工事方法は、
前記供給管を介して袋体内に前記充填材を注入する工程において、
前記充填材が袋体から漏れ出すまで圧力を加えて注入がなされることを特徴とする。
【0030】
このように袋体から充填材が漏れ出すように圧力を加えて注入を行えば、空隙部を区画する周囲の面に充填材入りの袋体が接着されることとなり、確実に空隙内に袋体を留めることができる。