【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、独立請求項の発明によって達成される。本発明のさらなる改良は、従属請求項に列挙されている。
【0011】
本教示の一態様では、手持式動力工具及びバッテリ(パック)の各々が、パスコードを有する。それぞれのパスコードは、適切なタイミングにおいて、直接的に比較される。適切なタイミングとは、例えば、バッテリ(パック)が、動力工具に取り付けられたとき、及び/又は、他の方法で電気的に接続されたときである。動力工具とバッテリパックとのパスコードが一致しない、あるいは、予め定められた態様で対応しないとき、バッテリ(パック)が動力工具に取り付けられても、動力工具及び/又はバッテリ(パック)は使用することができない(即ち、動力工具を動作させることができない)。
【0012】
加えて、又は代えて、バッテリ(パック)用の充電器が、パスコードを有してもよい。バッテリ(パック)及び充電器のパスコードは、適切なタイミングにおいて、直接的に比較される。適切なタイミングとは、例えば、バッテリ(パック)が、充電のために充電器に取り付けられたとき、及び/又は、他の方法で電気的に接続されたときである。バッテリパックと充電器とのパスコードが一致しない、あるいは、予め定められた態様で対応しないとき、バッテリパックが充電器に取り付けられても、バッテリパックの充電は禁止又は妨害される。
【0013】
好ましい実施形態では、バッテリ(パック)のメモリに格納された一又は複数のパスコードが、動力工具のメモリに格納された一又は複数のパスコードと、又は充電器のメモリに格納された一又は複数のパスコードと、直接的に比較される。好ましくは、バッテリ(パック)が、パスコードの比較処理を実行し、有効信号(パスコードが一致する場合)と、無効信号(パスコードが一致しない場合)とのいずれかを生成する、少なくとも一つのコントローラを有してもよい。但し、比較処理の一部又は全部は、動力工具、充電器、又は動力工具システム用のアダプタに位置するコントローラによって実行されてもよい。
【0014】
本明細書で利用する「パスコード」という用語は、「アクセスコード」、「パスワード」、「PIN(個人識別番号)」など、関連する用語と同義であるように意図されている。パスコードは、手持式動力工具、バッテリ(パック)、充電器及び/又はアダプタが識別されるのを可能にする、字(character)、文字(letter)、数字、記号等の任意の組み合わせを含むことが意図されているが、各装置に一意である必要はない。
【0015】
本教示の別の態様では、手持式動力工具、バッテリ(パック)及び/又は充電器を電子的にロックする技法又は方法も開示される。この態様の一実施形態では、ユーザは、所定の操作を行うことによって、バッテリパックを電子的にロック及びアンロックすることができる。バッテリパック及び/又は動力工具が電気的にロックされると、バッテリパックが動力工具に取り付けられても、バッテリパックは動力工具に電力を供給することができない。同様に、バッテリパック及び/又は充電器が電気的にロックされると、バッテリパックが充電器に取り付けられても、充電器はバッテリパックを充電することができない。
【0016】
本教示の別の態様では、バッテリパック、動力工具及び/又は充電器に格納された一つ又は複数のパスコードを、設定又は変更する技法又は方法が開示される。その一実施形態では、バッテリパックが、動力工具と充電器との一方に電気的に結合されたときに、一つ又は複数のパスコードを格納し、その後、動力工具と充電器との他方に電気的に結合されたときに、パスコードを当該他方の装置のメモリにダウンロードするような、メッセンジャーとして機能する構成とすることができる。
【0017】
以下は、本明細書に開示される付加的な実施形態の非限定的な要約である。
【0018】
第1実施形態は、動力工具システムであって、工具を駆動するモータ又はソレノイド、及び少なくとも一つのパスコードを格納するように適合又は構成された第1メモリを有する手持式動力工具と、動力工具に着脱可能に取り付けられ、電力を供給するように適合又は構成されたバッテリパックであって、少なくとも一つのパスコードを格納するように適合又は構成された第2メモリを備えるバッテリパックと、動力工具及びバッテリパックのうちの一方に設けられた第1遮断スイッチであって、オフされたときにバッテリパックからモータ又はソレノイドへの電流供給を遮断するように適合又は構成された第1遮断スイッチと、動力工具及びバッテリパックのうちの少なくとも一方に設けられた第1コントローラであって、バッテリパックが動力工具に取り付けられたときに、第1メモリ及び第2メモリからパスコードを読み出し、第1メモリ及び第2メモリのパスコードが一致しない、又はその他の所定の態様で対応しないときに、第1遮断スイッチをオフにするように適合又は構成された第1コントローラとを備える。
【0019】
第1の実施形態によれば、動力工具及び/又はバッテリパックが盗まれた場合、盗まれた動力工具又はバッテリパックは、一致又は対応するパスコードを有さない他のバッテリパック又は動力工具と組み合わせても、使用することができない。したがって、動力工具又はバッテリパックの盗難が防止又は少なくとも抑制される。
【0020】
第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の動力工具システムを変更したものであって、第1メモリと第2メモリとの少なくとも一方が、複数のパスコードを格納し得るように適合又は構成され、第1コントローラが、第1メモリに格納された少なくとも一つのパスコードと、第2メモリに格納された少なくとも一つのパスコードとの間で、一致するものが存在しないときに、第1遮断スイッチをオフにするように適合又は構成されている。
【0021】
上記した第2の実施形態によれば、異なるパスコードを有する複数の動力工具において、一つのバッテリパックを共通して使用することができる。例えば、二人が、そのようなパスコードを有する動力工具を使用して、一緒に作業することができる。各人は、相手方のパスコードを、付加的なパスコードとして、自己の動力工具又はバッテリパックに(例えば一時的に)格納することができる。それにより、二人は、相手方の充電器及び/又は動力工具とともに、二人が有する二つ以上のバッテリパックを共通して使用することができる。
【0022】
第3の実施形態は、第2の実施形態と同様の動力工具システムを変更したものであって、複数のパスコードが主(一次)パスコードと少なくとも一つの副(二次)パスコードとを含み、第1メモリ及び/又は第2メモリにおいて、少なくとも一つの副パスコードが格納、削除、及び/又は書き換えられるときに、主パスコードが必要とされる。
【0023】
上記した第3の実施形態(二人が自己の二つ以上のバッテリパックを共通して使用する)において、各人は、自己の主パスコードを秘密にしておくために、主パスコードを相手方に知らせるべきではない。従って、各人は、副サブコードを設定し、その副サブコードを相手方に知らせるとよい。そして、共同作業が終了した後は、副パスコードを早急に削除するとよい。
【0024】
上述した動力工具システムは、副パスコードによって、バッテリパックが同じ副パスコードを含む任意の充電器及び/又は動力工具によって使用されることを許可する一方で、他の充電器及び/又は動力工具の動作パラメータ又はロックパラメータについては、副パスコードではいかなる変更(例えば主パスコードを再設定する)も許可できないように、構成又は適合されてもよい。
【0025】
第4の実施形態は、上記した任意の実施形態と同様の動力工具システムがさらに、バッテリパックに着脱可能に取り付けられ、バッテリパックを充電するように適合又は構成された充電器であって、少なくとも一つのパスコードを格納するように適合又は構成された第3メモリを備える充電器と、バッテリパックと充電器との一方に設けられた第2遮断スイッチであって、オフされたときに充電器からバッテリパックへの電流供給を遮断するように適合又は構成された第2遮断スイッチと、バッテリパックと充電器との少なくとも一方に設けられた第2コントローラであって、バッテリパックが充電器に取り付けられたときに第2メモリ及び第3メモリからパスコードを読み出し、第2メモリ及び第3メモリのパスコードが一致しない、又はその他の所定の態様で対応しないときに、第2遮断スイッチをオフにするように適合又は構成された第2コントローラと、を備えるものである。
【0026】
上記した第4の実施形態によれば、充電器もパスコードを有する。その結果、動力工具及びバッテリパックがともに盗まれたときに、盗まれた動力工具及びバッテリパックは、他の充電器で充電することができないことから、そのバッテリパックに蓄積された電力が使い尽くされるか、又は消失すると、もはや使用することができない。即ち、バッテリパックは、適切なパスコードが格納されている充電器でしか充電することができない。
【0027】
第5の実施形態は、第4の実施形態と同様の動力工具システムを変更したものであり、第2メモリと第3メモリとの少なくとも一方が、複数のパスコードを格納し得るように適合又は構成され、第2コントローラが、第2メモリと第3メモリとの一方に格納された少なくとも一つのパスコードと、第2メモリと第3メモリとの他方に格納された複数のパスコードとが一致しないときに、第2遮断スイッチをオフにするように適合又は構成されている。
【0028】
上記した第5の実施形態によれば、上述した第2実施形態と同様に、異なるパスコードを有する複数のバッテリパックで、一つの充電器を共通して使用することができる。
【0029】
第6の実施形態は、第5の実施形態と同様の動力工具システムを変更したものであり、複数のパスコードが、主(一次)パスコード及び少なくとも一つの副(二次)パスコードを含み、第2メモリ及び/又は第3メモリにおいて、少なくとも一つの副パスコードが格納、削除又は書き換えられるときに、主パスコードが必要とされる。
【0030】
第6の実施形態は、上述した第3の実施形態と本質的に同じ利点及び特徴を提供する。
【0031】
第7の実施形態は、上記した任意の実施形態と同様の動力工具システムがさらに、動力工具とバッテリパックとの少なくとも一方に設けられた第3コントローラをさらに備えるものであって、第3コントローラは、所定の条件が満たされると、第1遮断スイッチをオフにするように適合又は構成されている。
【0032】
第7の実施形態は、所定の条件が満たされたときに、動力工具及び/又はバッテリパックを使用不能とする電子ロック機能を提供する。例えば、ユーザは、動力工具を使用していないときに、所定動作を行う(例えばパスコードを入力する)ことによって、動力工具を電気的にロックすることができる。この場合、動力工具又はバッテリパックが盗まれたとしても、盗まれた動力工具又はバッテリパックの使用が禁止/妨害されるので、動力工具及び/又はバッテリパックの盗難を防止又は妨げることができる。
【0033】
第8の実施形態は、第7の実施形態と同様の動力工具システムを変更したものであり、上記した所定条件が、ユーザによる所定操作の実行、動力工具の最後の起動から所定時間が経過したとき、動力工具が所定回数まで起動されたとき、及び/又は、バッテリパックが所定回数まで充電されたとき、である。
【0034】
上記した第8の実施形態によれば、所定条件を定義するために、様々な可能性が存在する。この実施形態において、所定操作は、例えば、動力工具のトリガ又はオンオフスイッチを所定回数(例えば5回)操作すること、パスコードを入力すること、又は、他の任意の適切な操作とすることができる。
【0035】
第9の実施形態は、上記した任意の実施形態と同様の動力工具システムがさらに、バッテリパックが着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)充電器であって、ユーザによって入力されたパスコードを受け取るように適合又は構成されたユーザインタフェースを有する充電器と、バッテリパックに少なくとも部分的に設けられた第4コントローラであって、バッテリパックが充電器に取り付けられたときに、ユーザインタフェースに結合され、ユーザインタフェースを介して入力された第1パスコード及び第2パスコードを受け取り、第1パスコードが第2メモリの現在のパスコードと一致したときに、第2メモリに格納されている現在のパスコードを第2パスコードに書き換えるように適合又は構成された第4コントローラと、を備えるものである。
【0036】
上記した第9の実施形態は、パスコードを設定及び/又は変更する技法及び/又は装置に関する。例えば数字キーパッド及び/又はディスプレイ(例えばタッチスクリーン)といったユーザインタフェースは、パスコードを設定又は変更するために、有利に利用される。手持式動力工具及び/又はバッテリパックのサイズを最小限にするためには、充電器上又は内部に、ユーザインタフェースを設けることが好ましい。
【0037】
第10の実施形態は、上記した任意の実施形態と同様の動力工具システムがさらに、バッテリパックが着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)充電器であって、ユーザによって入力されたパスコードを受け取るように適合又は構成されたユーザインタフェースを有する充電器と、バッテリパックに少なくとも部分的に設けられた第5コントローラであって、バッテリパックが充電器に取り付けられたときにユーザインタフェースに結合され、バッテリパックが充電器に取り付けられている間に、ユーザインタフェースを介して入力された第3パスコード及び第4パスコードを受け取って格納し、バッテリパックが動力工具に取り付けられたときに第1メモリに結合され、第3パスコードが工具の第1メモリの現在のパスコードと一致するときに、第1メモリに格納されている現在のパスコードを第4パスコードに書き換えるように適合又は構成された第5コントローラと、を備えるものである。
【0038】
第10の実施形態によれば、充電器は、バッテリパックにのみ取り付けられ、動力工具には取り付けられない。従って、動力工具のパスコードを、充電器のユーザインタフェースを介して直接的に変更することはできない。この構成を考慮し、この実施形態では、バッテリパックを、動力コードのパスコードを変更するためのメッセンジャー又は伝達ルートのように使用する。即ち、バッテリパックが充電器に取り付けられている間に、動力工具用の現在のパスコード及び新たなパスコードが、先ずはバッテリパックに格納される。そして、バッテリパックが動力工具に取り付けられたときに、バッテリパックが動力工具のパスコードを書き換える。
【0039】
第11の実施形態は、第10の実施形態と同様の動力工具システムを変更したものであり、第5コントローラがさらに、バッテリパックが充電器に取り付けられている間にユーザインタフェースを介して入力された第1パスコードを受け取り、入力された第1パスコードがバッテリパックの第2メモリに格納されたパスコードと一致する場合にのみ、第3パスコード及び第4パスコードを受け取って格納する動作を実行するように適合又は構成されている。
【0040】
上記した第11の実施形態では、バッテリパックのパスコード、例えば主パスコードを知っているユーザのみが、バッテリパックをメッセンジャーとして使用することができる。
【0041】
第12の実施形態は、上記した任意の実施形態と同様の動力工具システムがさらに、バッテリパックに着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)充電器であって、少なくとも一つのパスコードを格納するように適合又は構成された第3メモリ、及びユーザによって入力されたパスコードを受け取るように構成されたユーザインタフェースを有する充電器と、バッテリパックに少なくとも部分的に設けられた第6コントローラであって、バッテリパックが充電器に取り付けられたときにユーザインタフェース及び充電器の第3メモリにそれぞれ結合され、バッテリパックが充電器に取り付けられている間にユーザインタフェースを介して入力された第5パスコード及び第6パスコードを受け取って格納し、第5パスコードが充電器の第3メモリの現在のパスコードと一致するときに第3メモリに格納されている現在のパスコードを第6パスコードに書き換えるように適合又は構成された第6コントローラと、を備えるものである。
【0042】
第13の実施形態は、第12の実施形態と同様の動力工具システムを変更したものであり、第6コントローラがさらに、バッテリパックが充電器に取り付けられている間にユーザインタフェースを介して入力された第1パスコードを受け取り、入力された第1パスコードがバッテリパックの第2メモリに格納されたパスコードと一致する場合にのみ、第5パスコード及び第6パスコードを受け取って格納する動作を実行するように適合又は構成されている。
【0043】
後述するように、この実施形態では、パスコードを設定又は変更するために、ユーザインタフェースを有するアダプタを採用することができる。こうした実施形態では、ユーザインタフェースが、英数字キーパッド及び/又はディスプレイ(例えばタッチスクリーン)等のデータ入力デバイスであってよい。又は、ユーザインタフェースは、英数字キーパッド及び/又はディスプレイ(例えばタッチスクリーン)等のデータ入力デバイスを備える外部装置と、無線通信するように適合又は構成された無線送受信器でもよい。無線通信の方式(プロトコル)は特に限定されないが、電波(例えばBluetooth(登録商標))及び赤外線に基づく技術が好ましい。
【0044】
こうしたアダプタは、(i)後述する第14の実施形態から第18の実施形態による充電器、(ii)後述する第19の実施形態から第23の実施形態による動力工具、及び/又は、(iii)後述する第24の実施形態から第28の実施形態によるバッテリパックのうちの少なくとも一つに取り付けられるように、適合又は構成されてもよい。
【0045】
代表的な一実施形態では、アダプタが、動力工具に取り付けられた無線通信アダプタ(例えばキーボードのような手入力デバイスを含まない場合もある)を備えることができる。外部装置は、アダプタと無線通信する携帯端末機器(例えばスマートフォン)であり得る。バッテリパックはまた、アダプタを利用する実施形態においても、メッセンジャーとしての役割を果たすことも可能である。
【0046】
第14の実施形態は、上記した任意の実施形態と同様の動力工具システムがさらに、バッテリパックに着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)充電器と、充電器に着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)アダプタであって、ユーザによって入力されたパスコードを受け取るように適合又は構成されたユーザインタフェースを有するアダプタと、バッテリパックに少なくとも部分的に設けられた第4コントローラであって、バッテリパック及びアダプタが充電器に取り付けられたときにユーザインタフェースに結合され、ユーザインタフェースを介して入力された第1パスコード及び第2パスコードを受け取り、第1パスコードがバッテリパックの第2メモリの現在のパスコードと一致すると、第2メモリに格納されている現在のパスコードを第2パスコードに書き換えるように適合又は構成された第4コントローラと、備えるものである。
【0047】
第15の実施形態は、上記した任意の実施形態の動力工具システムがさらに、バッテリパックに着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)充電器と、充電器に着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)アダプタであって、ユーザによって入力されたパスコードを受け取るように適合又は構成されたユーザインタフェースを有するアダプタと、バッテリパックに少なくとも部分的に設けられた第5コントローラであって、バッテリバック及びアダプタが充電器に取り付けられたときにユーザインタフェースに結合され、バッテリパックが充電器に取り付けられている間にユーザインタフェースを介して入力された第3パスコード及び第4パスコードを受け取って格納し、バッテリパックが動力工具に取り付けられたときに第1メモリに結合され、第3パスコードが工具の第1メモリの現在のパスコードと一致すると、第1メモリに格納されている現在のパスコードを第4パスコードに書き換えるように適合又は構成された第5コントローラと、を備えるものである。
【0048】
第16の実施形態は、第15の実施形態と同様の動力工具システムを変更したものであり、第5コントローラがさらに、バッテリパック及びアダプタが充電器に取り付けられている間にユーザインタフェースに入力された第1パスコードを受け取り、入力された第1パスコードがバッテリパックの第2メモリに格納されたパスコードと一致する場合にのみ、第3パスコード及び第4パスコードを受け取って格納する動作を実行するように適合又は構成されている。
【0049】
第17の実施形態は、上記した任意の実施形態と同様の動力工具システムがさらに、バッテリパックに着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)充電器であって、少なくとも一つのパスコードを格納するように適合又は構成された第3メモリを有する充電器と、充電器に着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)アダプタであって、ユーザによって入力されたパスコードを受け取るように適合又は構成されたユーザインタフェースを有するアダプタと、バッテリパックに少なくとも部分的に設けられた第6コントローラであって、バッテリパック及びアダプタが充電器に取り付けられたときにユーザインタフェース及び充電器の第3メモリにそれぞれ結合され、バッテリパック及びアダプタが充電器に取り付けられている間にユーザインタフェースを介して入力された第5パスコード及び第6パスコードを受け取って格納し、第5パスコードが充電器の第3メモリの現在のパスコードと一致する場合、第3メモリに格納されている現在のパスコードを第6コードに書き換えるように適合又は構成された第6コントローラと、を備えるものである。
【0050】
第18の実施形態は、第17の実施形態と同様の動力工具システムを変更したものであり、第6コントローラがさらに、バッテリパック及びアダプタが充電器に取り付けられている間にユーザインタフェースに入力された第1パスコードを受け取り、入力された第1パスコードがバッテリパックの第2メモリに格納されたパスコードと一致する場合にのみ、第5パスコード及び第6パスコードを受取って格納する動作を実行するように適合又は構成されている。
【0051】
前述したように、後述する第19の実施形態から第23の実施形態では、アダプタが、動力工具に取り付けられるように適合又は構成される。
【0052】
第19の実施形態では、上記した任意の実施形態と同様の動力工具システムがさらに、動力工具に着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)アダプタであって、ユーザによって入力されたパスコードを受け取るように適合又は構成されたユーザインタフェースを有するアダプタと、バッテリパックに少なくとも部分的に設けられた第4コントローラであって、バッテリパック及びアダプタが工具に取り付けられたときにユーザインタフェースに結合され、ユーザインタフェースを介して入力された第1パスコード及び第2パスコードを受け取り、第1パスコードがバッテリパックの第2メモリの現在のパスコードと一致すると、第2メモリに格納されている現在のパスコードを第2パスコードに書き換えるように適合又は構成されている第4コントローラと、を備えるものである。
【0053】
第20の実施形態は、上記した任意の実施形態と同様の動力工具システムがさらに、動力工具に着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)アダプタであって、ユーザによって入力されたパスコードを受け取るように適合又は構成されたユーザインタフェースを有するアダプタと、バッテリパックに少なくとも部分的に設けられた第5コントローラであって、バッテリバック及びアダプタが工具に取り付けられたときにユーザインタフェースに結合され、ユーザインタフェースを介して入力された第3パスコード及び第4パスコードを受け取って格納し、バッテリパックが動力工具に取り付けられたときに第1メモリに結合され、第3パスコードが工具の第1メモリの現在のパスコードと一致すると、第1メモリに格納されている現在のパスコードを第4パスコードに書き換えるように適合又は構成された第5コントローラと、を備えるものである。
【0054】
第21の実施形態は、第20の実施形態と同様の動力工具システムを変更したものであり、第5コントローラがさらに、バッテリパック及びアダプタが工具に取り付けられている間にユーザインタフェースに入力された第1パスコードを受け取り、入力された第1パスコードがバッテリパックの第2メモリに格納されたパスコードと一致する場合にのみ、第3パスコード及び第4パスコードを受け取って格納する動作を実行するように適合又は構成されている。
【0055】
第22の実施形態は、上記した任意の実施形態と同様の動力工具システムがさらに、バッテリパックに着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)充電器であって、少なくとも一つのパスコードを格納するように適合又は構成された第3メモリを有する充電器と、動力工具に着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)アダプタであって、ユーザによって入力されたパスコードを受け取るように適合又は構成されたユーザインタフェースを有するアダプタと、バッテリパックに少なくとも部分的に設けられた第6コントローラであって、バッテリパック及びアダプタが工具に取り付けられたときにユーザインタフェース及び充電器の第3メモリにそれぞれ結合され、バッテリパック及びアダプタが工具に取り付けられている間にユーザインタフェースを介して入力された第5パスコード及び第6パスコードを受け取って格納し、バッテリパックが充電器に取り付けられたときに充電器の第3メモリに結合され、第5パスコードが充電器の第3メモリの現在のパスコードと一致する場合、第3メモリに格納された現在のパスコードを第6パスコードに書き換えるように適合又は構成された第6コントローラと、を備えるものである。
【0056】
第23の実施形態では、第22の実施形態と同様の動力工具システムを変更したものであり、第6コントローラがさらに、バッテリパック及びが工具に取り付けられている間にユーザインタフェースに入力された第1パスコードを受け取り、入力された第1パスコードがバッテリパックの第2メモリに格納されたパスコードと一致する場合にのみ、第5パスコード及び第6パスコードを受け取って格納する動作を実行するように適合又は構成されている。
【0057】
上述したように、後述する第24の実施形態から第28の実施形態では、アダプタが、バッテリパックに取り付けられるように適合又は構成されている。
【0058】
第24の実施形態は、上記した任意の実施形態と同様の動力工具システムがさらに、バッテリパックに着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)アダプタであって、ユーザによって入力されたパスコードを受け取るように適合又は構成されたユーザインタフェースを有するアダプタと、バッテリパックに少なくとも部分的に設けられた第4コントローラであって、アダプタがバッテリパックに取り付けられたときにユーザインタフェースに結合され、ユーザインタフェースを介して入力された第1パスコード及び第2パスコードを受け取り、第1パスコードがバッテリパックの第2メモリの現パスコードと一致すると、第2メモリに格納されている現在のパスコードを第2パスコードに書き換えるように適合又は構成された第4コントローラと、を備えるものである。
【0059】
第25の実施形態は、上記した任意の実施形態と同様の動力工具システムがさらに、バッテリパックに着脱可能に取り付けられるように適合又は構成されたアダプタであって、ユーザによって入力されたパスコードを受け取るように適合又は構成されたユーザインタフェースを有するアダプタと、バッテリパックに少なくとも部分的に設けられた第5コントローラであって、アダプタがバッテリパックに取り付けられたときにユーザインタフェースに結合され、ユーザインタフェースを介して入力された第3パスコード及び第4パスコードを受け取って格納し、バッテリパックが工具に取り付けられたときに工具の第1メモリに結合され、第3パスコードが工具の第1メモリの現在のパスコードと一致すると、第1メモリに格納された現在のパスコードを第4パスコードに書き換えるように適合又は構成された第5コントローラと、を備えるものである。
【0060】
第26の実施形態は、第25の実施形態と同様の動力工具システムを変更したものであり、第5コントローラがさらに、アダプタがバッテリパックに取り付けられている間にユーザインタフェースに入力された第1パスコードを受け取り、入力された第1パスコードがバッテリパックの第2メモリに格納されているパスコードと一致する場合にのみ、第3パスコード及び第4パスコードを受け取って格納する動作を実行するように適合又は構成されている。
【0061】
第27の実施形態は、上記した任意の実施形態と同様の動力工具システムがさらに、バッテリパックに着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)充電器であって、少なくとも一つのパスコードを格納するように適合又は構成された第3メモリを有する充電器と、バッテリパックに着脱可能に取り付けられるように適合又は構成された(上記)アダプタであって、ユーザによって入力されたパスコードを受け取るように適合又は構成されたユーザインタフェースを有するアダプタと、バッテリパックに少なくとも部分的に設けられた第6コントローラであって、アダプタがバッテリパックに取り付けられたときにユーザインタフェースに結合され、アダプタがバッテリパックに取り付けられている間にユーザインタフェースを介して入力された第5パスコード及び第6パスコードを受け取って格納し、バッテリパックが充電器に取り付けられたときに充電器の第3メモリに結合され、第5パスコードが充電器の第3メモリの現在のパスコードと一致する場合、第3メモリに格納されている現在のパスコードを第6コードに書き換えるように適合又は構成された第6コントローラと、を備えるものである。
【0062】
第28の実施形態は、第27の実施形態と同様の動力工具システムを変更したものであり、第6コントローラがさらに、アダプタがバッテリパックに取り付けられている間にユーザインタフェースを介して入力された第1パスコードを受け取り、入力された第1パスコードがバッテリパックの第2メモリに格納されたパスコードと一致する場合にのみ、第5パスコード及び第6パスコードを受け取って格納する動作を実行するように適合又は構成されている。
【0063】
本明細書で用いる「第1コントローラ」、「第2コントローラ」、「第3コントローラ」等の用語は、各コントローラが個別で独特のコントローラである実施形態だけでなく、「第1」、「第2」「第3」等の二つ以上のコントローラの機能が、単一のコントローラデバイスで実現された実施形態も含むものと理解される。即ち、後者の実施形態では、数値的な識別子である「第1の」、「第2の」、「第3の」等は、単に、それに関連する特定の機能又は機能の組み合わせに対応するようにのみ意図されたものであり、こうした機能が複数のコントローラを用いて実施されるべきことを示唆するように意図されたものではない。
【0064】
本教示の別の態様では、上述したアダプタはいずれも、下記する回路又は機能のいずれかに加えて、又は代えて、外部装置、例えばスマートフォンのような、データ入力デバイス、コントローラ(コンピューティング手段、マイクロプロセッサ等)及び/又はディスプレイを備える外部装置と無線通信する手段を備えることが好ましい。こうしたアダプタは、盗難防止機能又はその鍵を提供するように適合又は構成される。
【0065】
例えば、動力工具とバッテリパックとバッテリ充電器との一つ又は複数は、電子ロックを備えることができる。電子ロックとは、例えばパスコード又はパスワード(例えば暗号化されたパスワード)といった「鍵」を受け取らなければ、動力工具及び/又はバッテリパック及び/又は充電器の動作を防止又は抑制するデバイスである。アダプタは、動力工具及び/又はバッテリパックの使用を可能及び/又は不能にするために、電子ロックに必要な鍵を通信する通信手段を備えることができる。
【0066】
例えば、製造工場又は建設現場に位置する、無線アクセスポイント(例えば無線ルータ)に接続されたコンピュータ又はサーバであり得る外部装置が、作業現場の付近に鍵を無線で配信してもよい。アダプタは、鍵を受け取ると、その鍵を動力工具及び/又はバッテリパックに通信し、その使用を可能にする。動力工具及び/又はバッテリパックは、鍵を受け取った後から、例えば1時間や1日といった一定の時間の間だけ動作し、動力工具及び/又はバッテリパックが中断なく動作を継続するためには、前記一定の時間内に鍵が再入力されることを要求するように構成してもよい。鍵を適切なタイミングで受け取れない場合、アダプタ、バッテリパック又は動力工具が外部装置と再び通信しない限り、電子ロックは、無効にできない方式によって、動力工具及び/又はバッテリパックの動作を内部的に遮断することができる。こうした実施形態は、動力工具及び/又はバッテリパックの使用を、鍵が配信されている作業現場に制限するという点で、盗難抑止に貢献するものである。
【0067】
本教示による「外部装置」は、アダプタと例えば無線で通信する手段を備える限り、特に限定されない。外部装置は、概して、アダプタから外部装置に送信される情報を分析及び/又は表示し、及び/又はバッテリパックもしくは動力工具によって使用されるように外部装置からアダプタに情報を送信するように適合又は構成された回路を備えることができる。外部装置は、基本的に、通信手段及びディスプレイのみを備え、それにより外部装置は単に、アダプタによって計算されるか又は生成された情報を表示するという点で、「ダム(データ処理能力のない端末)」であってもよい。又は、外部装置は、通信手段及び少なくとも一つのコントローラ、例えば一つ又は複数のマイクロプロセッサ及び一つ又は複数のメモリ及び/又は記憶装置を備え、それにより外部装置は、アダプタから受け取られるデータを処理及び/又は分析することができるとともに、アダプタを介してバッテリパック及び/又は動力工具に送信されるデータ及び/又は命令を生成することができるという点で、「スマート(データ処理能力のある端末)」であってもよい。外部装置は、例えばディスプレイを介して、ユーザに情報を直接的に通信することができてもよく、又は、ユーザとの(別の)インタフェースとしての役割を果たす別の外部装置に情報をさらに通信するものであってもよい。
【0068】
例えば、外部装置は、携帯電話(例えば「スマートフォン」)、携帯情報端末(PDA)、タブレットコンピュータ、ポータブル(ラップトップ)コンピュータ、専用携帯電子機器といった手持式機器もしくは携帯式機器であってもよく、パーソナル(デスクトップ)コンピュータ、サーバもしくはメインフレームといった、一定の位置に固定されることを意図された装置であってもよい。
【0069】
あるいは、外部装置は、専用ディスプレイ/入力デバイス又は電話といった、それ自体ではアダプタ、バッテリパック又は動力工具を動作させるプログラムを実行することができない、「ダム(データ処理能力のない端末)」であってもよい。例えば、アダプタは、電話にテキスト(SMS)メッセージ又は電子メールメッセージを送信するように構成することができる。又は、アダプタは、専用ディスプレイ/入力デバイスに表示する情報を送信し、専用ディスプレイ/入力デバイスにおいて入力された情報/命令を受け取るように構成することができる。
【0070】
当然ながら、アダプタを介して動力工具及び/又はバッテリパックに鍵を通信する手段は、有線接続といった、他の手段であってもよい。こうした実施形態では、アダプタが、アダプタの使用を可能にしかつ/又はアダプタに鍵を通信するために外部装置に直接接続することができる。この場合、アダプタは、外部装置又は外部装置の少なくともインタフェースに物理的に近接して配置されることで、必要な鍵を取得することができる。
【0071】
アダプタと外部装置との間の通信用の無線通信手段(プロトコル)は、本教示において特に限定されず、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)デバイス、例えばWiFiネットワークインタフェースコントローラもしくはアクセスポイント(即ち、IEEE802.11によって指定される無線通信プロトコルに従って動作する)、Bluetooth(登録商標)通信デバイス、コードレス電話もしくはセルラ(モバイル)ネットワークデバイス、無線(RF)通信デバイス又は任意のタイプの既知もしくは将来開発される無線通信技術のうちの一つ又は複数であってよい。
【0072】
本教示の別の態様では、アダプタは、動力工具にのみ着脱可能に接続する手段と、少なくとも一つのマイクロプロセッサ等のコントローラと、コントローラと通信する少なくとも一つのメモリ又は記憶装置と、動力工具に位置するコントローラ(少なくとも一つのマイクロプロセッサ等)と電気的に通信するように構成された少なくとも一つの通信ポートとを備えることができる。
【0073】
この態様では、コントローラ(少なくとも一つのマイクロプロセッサ等)を備えるバッテリパックが動力工具に接続されると、バッテリパックのコントローラが動力工具のコントローラを介してアダプタのコントローラと通信するように通信経路が形成される。
【0074】
本教示の別の態様では、アダプタは、バッテリパックのみに着脱可能に接続する手段と、少なくともマイクロプロセッサ等のコントローラと、コントローラと通信する少なくとも一つのメモリ又は記憶装置と、バッテリパックに位置するコントローラ(少なくとも一つのマイクロプロセッサ等)と電気的に通信するように構成された少なくとも一つの通信ポートとを備えることができる。
【0075】
この態様では、バッテリパックがコントローラ(少なくとも一つのマイクロプロセッサ等)を備える動力工具に接続されると、動力工具のコントローラがバッテリパックのコントローラを介してアダプタのコントローラと通信するように、通信経路が形成される。
【0076】
こうした構成によると、アダプタは、バッテリパックと動力工具との間で電流を通電する配線を含む必要がなく、それにより、スペース及び製造に対する要件を低減することができる。加えて、又は代えて、アダプタは、従来のアダプタよりも、動力工具に対してしっかりと固定して取り付けられるように適合又は構成されることができ、それにより、アダプタは、動作中に動力工具から容易に外れることがない。
【0077】
本教示のこの態様の好ましい実施形態では、バッテリパック、動力工具及びアダプタの各々は、少なくとも一つのマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラといった、少なくとも一つのコントローラを備えることが好ましい。この場合、アダプタのコントローラは、動力工具のコントローラを介してバッテリパックのコントローラと通信する、即ち、アダプタのコントローラは、バッテリパックのコントローラと間接的に通信することになる。
【0078】
本教示の別の態様では、アダプタは、バッテリパックに着脱可能に接続する第1手段と、動力工具に着脱可能に接続する第2手段と、少なくとも一つのマイクロプロセッサ等のコントローラと、コントローラと通信する少なくとも一つのメモリ又は記憶装置と、バッテリパックに位置するコントローラ(少なくとも一つのマイクロプロセッサ等)と電気的に通信するように構成された少なくとも一つの通信ポートと、動力工具に位置するコントローラ(少なくとも一つのマイクロプロセッサ等)と電気的に通信するように構成された少なくとも一つの第2通信ポートと、を備えることができる。
【0079】
この態様では、アダプタがバッテリパック及び動力工具に接続されると、バッテリパックのコントローラがアダプタのコントローラと通信し、アダプタのコントローラが動力工具のコントローラと通信するように、通信経路が形成される。
【0080】
本教示のこの態様の別の好ましい実施形態では、上記した任意の実施形態又は態様によるアダプタを、動力工具及び/又はバッテリパックなしに提供することができる。
【0081】
本教示の別の態様では、動力工具及び/又はバッテリパックは、上述したような無線通信手段の一つ又は複数を備えてもよい。この場合、アダプタは必ずしも必要とされず、外部装置はバッテリパック及び/又は動力工具と直接的に通信することができる。
【0082】
電子ロックは、電子作動ロックと同義に表現することもできる。
【0083】
本発明のさらなる目的、利点、特徴、実施形態及び詳細は、当業者が、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明及び特許請求の範囲を読むことによって、容易に理解されよう。