(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382167
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】打撃工具
(51)【国際特許分類】
B25D 17/24 20060101AFI20180820BHJP
B25D 17/08 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
B25D17/24
B25D17/08
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-170341(P2015-170341)
(22)【出願日】2015年8月31日
(65)【公開番号】特開2017-47482(P2017-47482A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2017年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】591045323
【氏名又は名称】瓜生製作株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】龍野 光司
(72)【発明者】
【氏名】中西 悟
【審査官】
須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭54−177680(JP,U)
【文献】
特開2008−114297(JP,A)
【文献】
実開昭58−102077(JP,U)
【文献】
実開昭61−137483(JP,U)
【文献】
特開2010−274344(JP,A)
【文献】
実公昭62−009021(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25D1/00−17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ部と、該シリンダ部に往復動可能に挿入されるピストンと、該ピストンの先方に配され、シリンダ部と同軸をなすようにシリンダ部に組み込まれるガイドブシュと、加工対象物であるワークに押し当てられる先端工具主体部、該先端工具主体部の基端側に延設されてガイドブシュに差し込まれる差込部及び該差込部がガイドブシュの基端から所定突出量となるまでガイドブシュに差し込まれたときにその差込部のそれ以上の差込方向への移動を止めるようにガイドブシュに当接される当接部を有する先端工具とを備え、先端工具をワークに押し付けるための押付力をシリンダ部からガイドブシュ及び当接部を介して先端工具主体部に伝えながら、先端工具の差込部を往復動させたピストンで打撃してワークに連続的に打撃力を加えるようにした打撃工具において、前記ガイドブシュを、先端工具の当接部に当接して先端工具と共にシリンダ軸線方向に振動可能にシリンダ部の内部に組み込まれる、第1のブシュと、該第1のブシュに対しシリンダ軸線方向に間隔を設けて配され、先端工具の差込部を摺動可能に支持する第2のブシュとにより構成し、第1のブシュと第2のブシュとの間に、振動を吸収するための、第2のブシュの外径より大きな外径を有する第1のブシュと同じ外径を有する円環板状の防振部材を配設し、該防振部材の前面で、第1のブシュの後端面を支持し、防振部材の背面を、第2のブシュの先端面及びシリンダ部の内部に形成した第1の段付面で支持するとともに、第2のブシュの基端面を、シリンダ部の内部に形成した第2の段付面で支持するようにしたことを特徴とする打撃工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、往復動させたピストンでチゼル等の先端工具を打撃して加工対象物であるワークに打撃力を加えるようにした、例えば、エアーハンマー等の打撃工具に関し、特に、ワークに打撃力を加えるに伴い発生する衝撃的な振動を抑える防振機能を有する打撃工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、打撃工具として、例えば、
図3に示されるようエアーハンマー101がある。
このエアーハンマー101は、人の手で握ることができるハンドル102と、ハンドル102に一体的に設けられる筒状の外周壁103と、筒状の外周壁103に嵌合・装着される工具本体104と、工具本体104に着脱可能に装着されるチゼル等の先端工具105とを備えている。
【0003】
工具本体104は、打撃力を発生する打撃力発生部106と、打撃力発生部106を保持する保持ケーシング107とにより構成されている。
打撃力発生部106は、シリンダ軸線(
図3中記号Lで示される一点鎖線)の方向(以下、単に「シリンダ軸線方向」と称する。)に延びるシリンダ部110と、シリンダ部110と同軸をなすようにシリンダ部110の基端部に一体的に組み込まれる弁箱部111とを備え、シリンダ部110にピストン112をシリンダ軸線方向に往復動可能に挿入し、ピストン112の先方位置でシリンダ部110と同軸をなすようにガイドブシュ113をシリンダ部110に圧入にて組み込み、ピストン112の往復運動を切り換えるための主弁114を弁箱部111内に配設してなるものである。
【0004】
先端工具105は、加工対象物であるワークに押し当てられる先端工具主体部121を有し、この先端工具主体部121の基端側に、ガイドブシュ113に差し込まれる差込部122を一体的に延設し、この差込部122と先端工具主体部121との境界部分に、差込部122がガイドブシュ113の基端から所定突出量となるまでガイドブシュ113に差し込まれたときにその差込部122のそれ以上の差込方向への移動を止めるようにガイドブシュ113に当接される当接部123を形成してなるものである。
【0005】
ハンドル102には、外部から供給される圧縮空気を打撃力発生部106へと導く空気供給通路125と、打撃力発生部106からの使用済み圧縮空気を排気するための空気排気通路126とが形成されるとともに、操作ボタン127の操作にて空気供給通路125を開閉する開閉弁128が組み込まれている。
【0006】
エアーハンマー101を使用するに際しては、作業者がハンドル102を握ってエアーハンマー101を持ち上げ、ワークに狙いを定めて先端工具105を押し付ける。このとき、先端工具105をワークに押し付けるための押付力は、工具本体104におけるシリンダ部110からガイドブシュ113及び当接部123を介して先端工具主体部121に伝えられる。
そして、操作ボタン127の操作にて開閉弁128により空気供給通路125が開かれると、圧縮空気が打撃力発生部106へと供給され、主弁114の切換動作にてピストン112が往復運動し、往復運動するピストン112で先端工具105の差込部122におけるガイドブシュ113の基端から突出された部分を打撃することにより、先端工具105を介してワークに連続的に打撃力を加えることができ、例えば、リベットをカシメたり、カッティングしたりすることができる。
【0007】
先端工具105を介してワークに連続的に打撃力を加えるに伴い衝撃的な振動が発生するが、このような衝撃的な振動が直接作業者に伝わらないようにするために、上記のエアーハンマー101においては、保持ケーシング107の外周に振動を吸収するための複数本のOリング129を外嵌して、ハンドル102に一体的に設けられる筒状の外周壁103と工具本体104との間にそれらOリング129を介在させることにより、先端工具105からガイドブシュ113を経て工具本体104から筒状の外周壁103を介してハンドル102に伝わろうとする衝撃的な振動をそれらOリング129で吸収して減衰するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実公昭62−9021号公報
【0009】
しかしながら、上記のエアーハンマー101では、ハンドル102に伝わろうとする衝撃的な振動が複数本のOリング129によってある程度低減されるものの、その低減効果が不十分であるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記従来の衝撃工具の有する問題点に鑑み、加工対象物であるワークに連続的に打撃力を加えるに伴い発生する衝撃的な振動を大幅に低減することができる衝撃工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の打撃工具は、シリンダ部と、該シリンダ部に往復動可能に挿入されるピストンと、該ピストンの先方に配され、シリンダ部と同軸をなすようにシリンダ部に組み込まれるガイドブシュと、加工対象物であるワークに押し当てられる先端工具主体部、該先端工具主体部の基端側に延設されてガイドブシュに差し込まれる差込部及び該差込部がガイドブシュの基端から所定突出量となるまでガイドブシュに差し込まれたときにその差込部のそれ以上の差込方向への移動を止めるようにガイドブシュに当接される当接部を有する先端工具とを備え、先端工具をワークに押し付けるための押付力をシリンダ部からガイドブシュ及び当接部を介して先端工具主体部に伝えながら、先端工具の差込部を往復動させたピストンで打撃してワークに連続的に打撃力を加えるようにした打撃工具において、前記ガイドブシュを、先端工具の当接部に当接して先端工具と共にシリンダ軸線方向に振動可能にシリンダ部
の内部に組み込まれる
、第1のブシュと、該第1のブシュに対しシリンダ軸線方向に間隔を設けて配され、先端工具の差込部を摺動可能に支持する第2のブシュとにより構成し、第1のブシュと第2のブシュとの間に、振動を吸収するための
円環板状の防振部材を配設し
、該防振部材の前面で、第1のブシュの後端面を支持し、防振部材の背面を、第2のブシュの先端面及びシリンダ部の内部に形成した第1の段付面で支持するとともに、第2のブシュの基端面を、シリンダ部の内部に形成した第2の段付面で支持するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の打撃工具によれば、先端工具をガイドするとともに先端工具をワークに押し付けるための押付力を先端工具に伝えるガイドブシュを、先端工具の当接部に当接して先端工具と共にシリンダ軸線方向に振動可能にシリンダ部に組み込まれる第1のブシュと、第1のブシュに対しシリンダ軸線方向に間隔を設けて配され、先端工具の差込部を摺動可能に支持する第2のブシュとにより構成し、これら第1のブシュと第2のブシュとの間に、振動を吸収するための防振部材を配設することによって、往復動させたピストンで先端工具を打撃してワークに打撃力を加えた際に生じる衝撃的な振動が、先端工具から第1のブシュを介して防振部材に伝えられ、該防振部材でその衝撃的な振動が吸収されるので、ワークに打撃力を加えるに伴い発生する衝撃的な振動を大幅に低減することができる。
【0014】
また、前記防振部材の背面を、第2のブシュの先端面及びシリンダ部に形成した第1の段付面で支持するとともに、第2のブシュの基端面をシリンダ部に形成した第2の段付面で支持するようにすることにより、防振部材が受ける衝撃的な振動を、第2のブシュの先端面及びシリンダ部に形成した第1の段付面で分散して吸収されるので、ワークに打撃力を加えるに伴い発生する衝撃的な振動をより確実に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る打撃工具(エアーハンマー)の縦断面図である。
【
図3】従来の打撃工具(エアーハンマー)の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の打撃工具の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、打撃工具の一種であるエアーハンマーに本発明が適用された例であるが、これに限定されるものではない。
【0017】
<エアーハンマーの概略構成の説明>
図1に示されるエアーハンマー1は、人の手で握ることができるハンドル2と、ハンドル2に一体的に設けられる筒状の外周壁3と、筒状の外周壁3に嵌合・装着される工具本体4と、工具本体4に着脱可能に装着されるチゼル等の先端工具5とを備えている。
【0018】
<工具本体の説明>
工具本体4は、打撃力を発生する打撃力発生部6と、打撃力発生部6の基部を保持する保持ケーシング7とにより構成されている。
打撃力発生部6は、シリンダ軸線(
図1中記号Lで示される一点鎖線)の方向(以下、単に「シリンダ軸線方向」と称する。)に延びるシリンダ部10と、シリンダ部10と同軸をなすようにシリンダ部10の基端部に一体的に組み込まれる弁箱部11とを備え、シリンダ部10にピストン12をシリンダ軸線方向に往復動可能に挿入し、ピストン12の先方位置でシリンダ部10と同軸をなすようにガイドブシュ13をシリンダ部10に組み込み、ピストン12の往復運動を切り換えるための主弁14を弁箱部11内に配設してなるものである。
【0019】
<ハンドルの説明>
ハンドル2には、外部から供給される圧縮空気を打撃力発生部6へと導く空気供給通路15と、打撃力発生部6からの使用済み圧縮空気を排気するための空気排気通路16とが形成されるとともに、操作ボタン17の操作にて空気供給通路15を開閉する開閉弁18が組み込まれている。
【0020】
なお、従来と同様に、ハンドル2に一体的に設けられる筒状の外周壁3と工具本体4との間には、保持ケーシング7の外周に外嵌された複数本のOリング19が介在されており、先端工具5からガイドブシュ13を経て工具本体4から筒状の外周壁3を介してハンドル2に伝わろうとする衝撃的な振動をそれらOリング19で吸収して減衰するようにしている。
【0021】
図2に示されるように、打撃力発生部6におけるシリンダ部10には、ガイドブシュ13や後述する防振部材40を組み込むための組込孔20が設けられている。
組込孔20は、比較的大きい内径の大径孔部21と、大径孔部21よりも小さい内径の小径孔部22とを有し、大径孔部21及び小径孔部22をシリンダ部10の先端から基端側に向けて順に連続するようにシリンダ部10にそれぞれ形成するとともに、大径孔部21と小径孔部22との境界位置に第1の段付面23を、小径孔部22の基端位置に第2の段付面24をそれぞれ形成してなるものである。
【0022】
<ガイドブシュの説明>
ガイドブシュ13は、第1のブシュ31と第2のブシュ32とにより構成されている。
【0023】
<第1のブシュの説明>
第1のブシュ31は、従来のガイドブシュ113(
図3参照)の外径よりも大きい外径とされる一方で同ガイドブシュ113よりも軸方向に短い形状寸法に設定され、組込孔20の第1の段付面23からシリンダ軸線方向に所定距離を隔てた位置に当該第1のブシュ31の基端面が位置するように配され、シリンダ軸線方向に摺動可能に大径孔部21に組み込まれている。
第1のブシュ31の先端部内周には、外方に向けて拡径する雌テーパ面33が形成されている。
第1のブシュ31の外周面には、所定深さの長穴34が設けられ、長穴34には、シリンダ部10に抜け止め状態で嵌入される抜止ピン35が差し込まれている。
長穴34と抜止ピン35との間には、シリンダ軸線方向に所定の隙間が設けられており、第1のブシュ31がシリンダ軸線方向にある範囲内の振幅で振動するのを許容する一方で、第1のブシュ31がシリンダ部10から抜け落ちようとしたときに、長穴34に抜止ピン35が引っ掛かってシリンダ部10から第1のブシュ31が抜け落ちるのを防止するようにしている。
【0024】
<第2のブシュの説明>
第2のブシュ32は、従来のガイドブシュ113(
図3参照)の外径と同等の外径で同ガイドブシュ113よりも軸方向に短い形状寸法に設定され、組込孔20の第1の段付面23と当該第2のブシュ32の先端面とが面一になるとともに、当該第2のブシュ32の基端面を組込孔20の第2の段付面24に突き合わせ、支持するようにして、小径孔部22に圧入にて組み込まれている。
【0025】
<防振部材の説明>
第1のブシュ31と第2のブシュ32との間には、振動を吸収するための防振部材40が配設されている。
防振部材40としては、先端工具5の差込部52(後述する)が挿通可能な中心孔41と、第1のブシュ31の基端面と接触する一側板面(先端面)42と、第2のブシュ32の先端面及び組込孔20の第1の段付面23の両方に同時に接触し、支持される他側板面(背面)43と、大径孔部21の内周面に接触する外周面44とを有し、シリンダ軸線方向に圧縮されたときに弾性変形する所定厚み寸法の円環板状の、例えば、防振ゴムなどが好適に用いられる。
【0026】
<先端工具の説明>
先端工具5は、加工対象物であるワーク(例えば、リベット等)に押し当てられる先端工具主体部51を有し、この先端工具主体部51の基端側に、第1のブシュ31を経て第2のブシュ32を貫通するように差し込まれる差込部52が一体的に延設されている。
先端工具主体部51と差込部52との境界部分には、フランジ53が形成されている。
フランジ53は、先端工具主体部51寄りの部位が先端工具主体部51の外径よりも大きく外向きに張り出すとともに、差込部52に向かって進む従って次第に外径が小さくなるような略截頭円錐形状とされ、第1のブシュ31の雌テーパ面33と係合可能な雄テーパ面54を含む当接部55を有している。
当接部55は、先端工具5の差込部52が第1のブシュ31を通して第2のブシュ32へと差し込まれ、第2のブシュ32の基端から所定突出量となるまで第2のブシュ32に差し込まれたときに当該当接部55の雄テーパ面54が第1のブシュ31の雌テーパ面33に係合接触して、その差込部52のそれ以上の差込方向への移動を止める役目をする。
【0027】
以上に述べたように構成されるエアーハンマー1を使用するに際しては、作業者がハンドル2を握ってエアーハンマー1を持ち上げ、ワークに狙いを定めて先端工具5を押し付ける。このとき、先端工具5をワークに押し付けるための押付力は、シリンダ部10から防振部材40、第1のブシュ31及び当接部55を介して先端工具主体部51に伝えられるとともに、シリンダ部10から第2のブシュ32、防振部材40、第1のブシュ31及び当接部55を介して先端工具主体部51に伝えられる。
そして、操作ボタン17の操作にて開閉弁18により空気供給通路15が開かれると、圧縮空気が打撃力発生部6へと供給され、主弁14の切換動作にてピストン12が往復運動し、往復運動するピストン12で先端工具5の差込部52における第2のブシュ32の基端から突出された部分を打撃することにより、先端工具5を介してワークに連続的に打撃力を加えることができ、例えば、リベットをカシメたり、カッティングしたりすることができる。
【0028】
上記のようにして、先端工具5を介してワークに連続的に打撃力を加えると、これに伴い衝撃的な振動が発生する。
この衝撃的な振動は、先端工具主体部51から当接部55、第1のブシュ31を経て工具本体4から筒状の外周壁3を介してハンドル2に伝わろうとするが、このとき、先端工具5の当接部55に当接している第1のブシュ31が先端工具5と共にシリンダ軸線方向に振動され、該振動が防振部材40に伝えられ、該防振部材40でその振動が吸収されるので、ワークに打撃力を加えるに伴い発生する衝撃的な振動を大幅に低減することができる。
なお、第1のブシュ31と共に先端工具5がシリンダ軸線方向に振動する振動運動は、先端工具5の差込部52を第2のブシュ32が摺動可能に支持することによって安定的に行われるので、上記の防振部材40による振動の吸収がスムーズに行われる。
【0029】
本実施形態のエアーハンマー1においては、防振部材40における一側板面42を第1のブシュ31の基端面に接触、支持させ、他側板面43を第2のブシュ32の先端面及び組込孔20の第1の段付面23の両方に同時に接触、支持させる構成が採用されているので、防振部材40の他側板面43が第1の段付面23及び第2のブシュ32の先端面の両方でしっかりと支えられた状態で第1のブシュ31の振動を防振部材40の一側板面42の全体で確実に受け止めることができ、ワークに打撃力を加えるに伴い発生する衝撃的な振動を確実に吸収することができる。
【0030】
以上、本発明の打撃工具について、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の打撃工具は、加工対象物であるワークに連続的に打撃力を加えるに伴い発生する衝撃的な振動を大幅に低減することができるという特性を有していることから、圧縮空気を駆動源として往復動させたピストンでチゼル等の先端工具を打撃してワークに打撃力を加えるようにしたエアーハンマー等に適用可能で、産業上の利用可能性が大である。
【符号の説明】
【0032】
1 エアーハンマー(打撃工具)
2 ハンドル
3 外周壁
4 工具本体
5 先端工具
6 打撃力発生部
7 保持ケーシング
10 シリンダ部
12 ピストン
13 ガイドブシュ
20 組込孔
21 大径孔部
22 小径孔部
23 第1の段付面
24 第2の段付面
31 第1のブシュ
32 第2のブシュ
40 防振部材
51 先端工具主体部
52 差込部
55 当接部