(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第3の制御可能な部分と第3の細長い制御部材とをさらに備え、前記第3の制御可能な部分は、実質的に不変のままであるように構成されていると同時に、前記第1の制御可能な部分は、少なくとも前記部分的に引っ込められた構成と前記拡張された構成との間を移行するように構成されており、前記第3の制御可能な部分は、前記第1の制御可能な部分よりも近位であり且つこれに隣接している、請求項2に記載の治療デバイス。
前記第1の細長い制御部材は、前記第1の細長い制御部材が近位方向に引く力を受けたときに、前記拡張可能部材を部分的に引っ込めるように構成されており、及び前記第1の細長い制御部材は、前記第1の細長い制御部材が遠位方向に押す力を受けたときに、前記拡張可能部材を拡張させるように構成されている、請求項1に記載の治療デバイス。
前記拡張可能部材は、拡張された構成において、その近位端とその遠位端との間で少なくとも2つの実質的に一様な形状を示すように構成されている、請求項1に記載の治療デバイス。
前記拡張可能部材は、拡張された構成において、その近位端とその遠位端との間で、少なくとも第1の実質的に非対称な形状と、実質的に一様な形状と第2の実質的に非対称な形状とのうちの少なくとも1つと、を示すように構成されている、請求項1に記載の治療デバイス。
前記拡張可能部材の前記遠位端は、周囲値を持つ開口を含み、前記拡張された構成において、前記周囲値は、前記拡張可能部材の周囲長と実質的に等しい、請求項1に記載の治療デバイス。
前記拡張可能部材はワイヤーを含み、前記第1の細長い制御部材は制御ワイヤーを含み、前記制御ワイヤーは、拡張可能部材の前記ワイヤーと結び付けられている、請求項1に記載の治療デバイス。
前記拡張可能部材は、拡張可能な材料の群の少なくとも1つから選択される材料を含み、前記拡張可能な材料の群は、ポリマー材料と、金属と、金属合金と、を含む、請求項1に記載の治療デバイス。
前記拡張可能部材はワイヤーを含み、前記X線不透過性の材料は、前記ワイヤーのコアであり、前記X線不透過性の材料は、体積で前記ワイヤーの約20パーセントから約50パーセントの間である、請求項24に記載の治療デバイス。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実質的に一様な形状を示す開示と合致するデバイスの実施例の透視図である。
【
図2】実質的に一様な形状を示す開示と合致する、さらなる実施例の透視図である。
【
図3】開示と合致する拡張可能部材の非対称な形状を描写する透視図である。
【
図4】実質的に一様な周囲長とワイヤー密度とを示す開示と合致するデバイスの実施例の透視図である。
【
図5】可変の周囲長とワイヤー密度とを示す開示と合致するデバイスの実施例の透視図である。
【
図6】凝血塊の侵入の向上を促すための非対称の遠位端を示す開示と合致する実施例の透視図である。
【
図7】拡張可能部材に編み込まれたか又はそうでなければ組み込まれた細長い制御部材を示す開示と合致する実施例の透視図である。
【
図8A】本開示と合致するコネクタの透視図である。
【
図8B】ワイヤー径に応じて崩れた拡張可能部材の最小限の径を描写する透視図である。
【
図8C】ワイヤー径に応じて崩れた拡張可能部材の最小限の径を描写し、接続点の近くでワイヤーが秩序を有する、透視図である。
【
図8D】接続点におけるコイル状のワイヤー配置の透視図である。
【
図9】8本のフィラメントを利用する開示と合致する実施例を描写し、フィラメントはシャフトの領域においてシャフト軸に平行な、図である。
【
図10A】選択された平面に沿った
図9の実施例の透視図を描写する図である。
【
図10B】選択された平面に沿った
図9の実施例の透視図を描写する図である。
【
図10C】拡張可能部材の近位端の近くの
図9の実施例の詳細を描写する図である。
【
図11】12本のフィラメントを利用する開示と合致する実施例を描写し、フィラメントはシャフトの領域においてシャフト軸の周りに巻きつけられている、図である。
【
図12】12本のフィラメントを利用する開示と合致するさらなる実施例を描写し、フィラメントはシャフトの領域においてシャフト軸の周りに巻きつけられている、図である。
【
図13】シャフト領域から末端部を持たない拡張可能部材の近位端に移行する領域における開示と合致するフィラメントの配置を示す略図である。
【
図14】シャフト領域から末端部を持つ拡張可能部材の近位端に移行する領域における開示と合致するフィラメントの配置を示す略図である。
【
図15】シャフト領域から末端部を持つ拡張可能部材の近位端に移行する領域における開示と合致するフィラメントの別の配置を示す略図である。
【
図16A】選択された平面に沿った6フィラメントのデバイスに関するフィラメント配置を描写する図である。
【
図16B】選択された平面に沿った12フィラメントのデバイスに関するフィラメント配置を描写する図である。
【
図16C】選択された平面に沿った6フィラメントのデバイスに関するフィラメント配置を描写する図である。
【
図16D】選択された平面に沿った12フィラメントのデバイスに関するフィラメント配置を描写する図である。
【
図17】巻かれ及び解かれた状態の中空のトルクケーブルチューブを含むシャフトによる治療のためのデバイスの透視図である。
【
図18】可変のねじれ及び血管径を描写する、脳に至る血管を描写する図である。
【
図19】開示と合致するさらなる実施例の透視図である。
【
図20】開示と合致するさらなる実施例の透視図である。
【
図21】その近位端とその遠位端との間で少なくとも2つの実質的に一様な形状を示す拡張可能部材を含む、開示と合致する別の実施例の透視図である。
【
図23】分岐した血管領域に従うように最適化された、さらなる非対称の洋梨形状の拡張可能部材を描写する図である。
【
図24】血流を動脈瘤から離れた所に逸らせるように構成された開示と合致する実施例の透視図である。
【
図25】血流を動脈瘤から離れた所に逸らせるように構成された開示と合致するさらなる実施例の透視図である。
【
図26A】開示と合致するデバイスを配備する方法の態様を例示する透視図である。
【
図26B】開示と合致するデバイスを配備する方法の態様を例示する透視図である。
【
図26C】開示と合致するデバイスを配備する方法の態様を例示する透視図である。
【
図27】コイルによる頭蓋内動脈瘤の修復をアシストする開示と合致する実施例を描写する透視図である。
【
図28】血栓除去をアシストする開示と合致する実施例を描写する透視図である。
【
図29A】血栓除去をアシストする開示と合致する実施例の透視図である。
【
図29B】血栓除去をアシストする開示と合致する実施例の透視図である。
【
図29C】血栓除去をアシストする開示と合致する実施例の透視図である。
【
図29D】血栓除去をアシストする開示と合致する実施例の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
典型的な実施例の説明
本開示の実施例は、医学的治療をアシストする(例えば、及び非限定的に、動脈瘤の血管内治療及び胆道治療をアシストする)ためのデバイス及び方法を提供する。加えて、説明されるデバイスの実施例は、また、凝血塊を血管から除去し血管の閉塞されたセクションを横断するために、外科手術の間の血管保護のための一時的な足場として使用され得る。説明されるデバイスのさらなる実施例は、また、血管の血管けいれんを治療するため及び他の血管内のデバイスを拡張させるために使用され得る。
【0010】
本開示と合致するデバイス100は、
図1に描写される。デバイス100は、シャフト3に取り付けられるか又はそうでなければ結合されることができる拡張可能部材110を含み得る。本明細書で使用される際に、拡張可能部材は、任意の知られている機械的に拡張可能なデバイスであることができ、及びメッシュ、バルーン又は任意の他の機械的構造を含み得る。その上に、拡張可能部材は、拡張及び収縮を可能にする任意の材料製であることができ、且つ、加えられた力に応じて選択的で可変の拡張、収縮及び密度が可能な任意の構造であり得る。例えば、拡張可能部材110の一部に1つの方向に力が及ぼされたときに(例えば、拡張可能部材110に接続された遠位端ピース112−2への力など)、拡張可能部材110は拡張するように構成され得る。
図1及び
図2に描写されるように、拡張可能部材110は、それが拡張したときに、実質的に一様な形状を示すように構成され得る。
【0011】
或いはまた、
図3に描写されるように、拡張可能部材310(デバイス300の一部として)は、また、それが拡張したときに、実質的に非対称な形状を示すように構成され得る。開示と合致して、非対称な形状は、血管の解剖学的構造に適合する実施例の能力を向上させ得る。
【0012】
拡張可能部材の一部に別の方向に力が及ぼされたとき(例えば、拡張可能部材110の遠位接続点112に対する、拡張可能部材の拡張をもたらすように構成された方向とは反対の方向の、力)、拡張可能部材は、収縮するように構成され得る。デバイスの別の実施例によると、拡張可能部材は、デバイスの拡張可能部材の部分の内部でより高いフィラメント密度を達成するように構成され得る。
図1に示される実施例において、例えば、拡張可能部材110はフィラメントメッシュ102を含むことができ、メッシュ中のフィラメント材料はワイヤーであり得る。
【0013】
図1に示される実施例において、拡張可能部材110の遠位端ピース112−2は、シャフト3の近位端から延び得る細長い制御部材4の遠位端1に接続され得る。本明細書で使用される際に、用語「接続」は、任意のタイプの機械的接続による連接、取り込み及び/又は連結を意味する。
【0014】
別の態様によると、例えば、
図4に例示されるように、デバイス400は、拡張可能部材406を有することができ、拡張可能部材406の遠位端405は開放端であり得る。すなわち、拡張可能部材406の遠位端405は開口(遠位端406において、拡張可能部材406の内部の実質的に遮るもののないチャンネルを示す)を含むことができ、開口は、拡張された構成において、拡張可能部材406の周囲長と実質的に等しい周囲値を有する。
図4におけるデバイス400は、シャフト407に取り付けられており、シャフト407の延長であり、又はさもなければシャフト407に結合されている、折り畳み式の、完全に回収可能な、制御可能な細いワイヤーの構造物(すなわち、拡張可能部材405)で構成され得る。デバイス400の周囲長及びフィラメント密度は、制御可能に変化し得る。1つ又は複数の細長い制御可能な部材408(例えば、2本の制御フィラメント、3本の制御フィラメント、4本の制御フィラメント、等)は、デバイス400からシャフト407の近位端まで延び得る。
図4に例示される実例において、細長い制御部材408は、3本の制御フィラメントを含み、それぞれは、異なる接続点位置402’、402’’、及び402’’’において、拡張可能部材406の一部と接続され、織り交ぜられ、ループ状にされ、及び/又はその周りに結び付けられている。デバイス400の遠位端405は、血管に対して非侵襲性であるように設計され得る。いくつかの実施例によると、デバイスは、また、挿入道具、トルカ及びルアーのような生体外要素を含み得る。いくつかの実施例によると、1本又は複数本の制御フィラメントは、ワイヤーであることができ、及び/又は、ポリウレタン、シリコーン等のようなポリマー製であり得る。本明細書で使用される際に、「実質的に遮るもののない」チャンネルは、本明細書に記載されるように拡張可能部材の接続点位置に織り交ぜられ、ループ状にされ、結び付けられ、及び/又はそうでなければ接続されている制御フィラメントを収容する開放チャンネルを含むことができ、遠位開放チャンネルの周縁で拡張可能部材に織り交ぜられ、ループ状にされ、結び付けられ、及び/又はそうでなければ接続されている(1本又は複数本の)制御フィラメントを収容する拡張可能部材の遠位開放チャンネルを含み得る。
【0015】
いくつかの実施例において、遠位端(例えば及び非限定的に、
図1の遠位端1及び
図4の遠位端405)は、血管に対して非侵襲性に設計され得る。例えば、
図1に例示されるように、遠位端1は、細長い、X線不透過性の、柔らかいワイヤー(例えば、ガイドワイヤー先端など)に接続され得る。
図4に例示される別の実施例において、遠位端405は、非侵襲性の方法でループ状に戻るフィラメント(例えば、ワイヤーなど)で構成され得る。例えば及び非限定的に、フィラメントは、遠位端405に閉フィラメントループを含んで構成され得る。その上に、拡張された構成において、拡張可能部材の遠位端のフィラメントのループは、非円形及び非対称の形態に(例えば、
図6のデバイス600に例示されるように)配置され得る。これらの構成は、血管内でのデバイスの前進を容易にすることができ、及び/又は血栓又は閉鎖血管への侵入を促進し得る。別の実施例において、遠位端ピースは、デバイスの拡張可能部材の内部に存在し、それによって、細長い制御部材4が拡張可能部材を通って完全に延びる必要性を排除し得る。そのような実施例において、デバイスの遠位端は、リンゴの枝の接続点に類似し得る。1つ又は複数の細長い制御部材は、拡張可能部材の末端部112−2(及び/又は、適切に、接続点位置402’、402’’及び402’’’)に力を及ぼすことのできる任意の細長い構造であり得る。いくつかの実施例によると、細長い制御部材は、デバイスの拡張可能部材の一部に接続されることができ、及び、押す力及び引く力を受けている間に一部への接続を維持し得る。或いはまた、1つ又は複数の細長い制御部材は、(例えば、
図7のデバイス700に例示されるように、非限定的に)デバイスの拡張可能部材の一部に織り交ぜられ、結び付けられ、及び/又はループ状に巻かれ得る。加えて、1つ又は複数の細長い制御部材は、遠位端では拡張可能部材の一部であるが、接続点位置では拡張可能部材から解かれ又はそうでなければ織られておらず、及びシャフトの近位端に延びる、フィラメント(例えば、ワイヤーなど)であり得る。いくつかの実施例によると、細長い制御部材は、デバイス(例えば、拡張可能部材の近位及び/又は中央部分)のいたる所で、及び/又は拡張可能部材の遠位部分(遠位接続点を含む)で、終了し得る(又はそうでなければ接続点に接続され得る)。或いはまた、細長い制御部材は、遠位端ピース112−2を越えて延び得る。
【0016】
1つ又は複数の細長い制御部材は、全体的又は部分的に、柔軟であり、中空であり及び/又は非中空であることができ、したがって、細長い制御部材は、シャフト、ワイヤー又はロッドのような任意のフィラメントを含み得るが、それらに限定されない。開示に合致する実施例において、及び例えば
図1及び
図4に描写されるように、細長い制御部材は、ワイヤーの形態であり得る。
【0017】
各細長い制御部材は、1つ又は複数の他の制御部材と協調して力を加えるように、及び/又は独立して力を加えるように、構成され得る。細長い制御部材に加えて、治療デバイスは、また、挿入道具、トルク装置、ルアー、及び1つ又は複数の制御ハンドルのような、生体外要素を含み得る。
【0018】
図に描写されるように、細長い制御部材は、シャフト内に存在するように構成され得る。例えば、
図1において、拡張可能部材110に接続される近位端ピース112−1は、シャフト3の遠位端に接続され又はそうでなければ結合され得る。加えて、1つ又は複数の細長い制御部材4は、拡張可能部材に沿った異なる接続点位置(例えば、
図4における接続点位置402’、402’’及び402’’’)に接続されることができ、及び拡張可能部材110の中心及びシャフト3の近位内側を通って延びることができる。さらなるデバイス「本開示と合致するデバイス200」は、
図2に描写される。デバイス200は、
図1に関連して上述したように、シャフト3に取り付けられ又はそうでなければ結合され得る拡張可能部材110を含み得る。また、現行の開示と合致するように、デバイス200内の1つ又は複数の細長い制御部材4は、シャフト3内よりはむしろシャフト3に平行に構成され得る。すなわち、デバイス200内で、1つ又は複数の細長い制御部材4は、シャフト3の外側でシャフト3の長軸に平行である方向に延び得る。
【0019】
前述の議論は、主に
図1及び
図2に描写される実施例に言及したが、これは、本明細書に記載される他のデバイスと同様に、(非限定的に)
図3から
図7のデバイス300、400、500、600及び700のような他の実施例に適用できることは理解されよう。
【0020】
1つ又は複数の細長い制御部材は、標的血管での治療デバイスの拡張を制御するように構成され得る。いくつかの実施例によると、細長い制御部材は別個に制御されることができ、或いはまた、細長い制御部材は協調して制御されることができる。1つ又は複数の細長い制御部材がシャフトに対して近位方向の引く力を受けるとき、拡張可能部材の径は、拡張可能部材の近位端と遠位端との間で実質的に一様な形状(又は非対称な形状)を示すように拡大され得る。これは、血管コンプライアンス及び血管壁への付着を促進し得る。細長い制御部材が押す力を受けるとき、拡張可能部材の外径は縮小されることができ、及び拡張可能部材はたやすく治療部位に送達され又は治療部位から回収され得る。この、治療部位での拡張可能部材の径の制御は、デバイス100(又は図に例示される任意の他のデバイス)の操作者が穏やかな再配置手順を実施することを可能にし、及び/又は、セルの1つに係合された場合に操作者がコイル末端を取り除くことを可能にし得る。
【0021】
図5は、デバイス500の別の実施例を例示し、細長い制御部材508は、標的血管で拡張可能部材の制御可能な部分504の周囲長を制御し及び/又は拡張可能部材の制御可能な部分504のフィラメント密度(例えば、ワイヤー密度など)を制御するように構成され得る。この実施例と合致して、細長い制御部材508と関連する制御フィラメントは、拡張可能部材と関連するフィラメントと、織り交ぜられ、ループ状にされ、及び/又は結び付けられ得る。
図5のデバイス500として例示される実施例の態様によると、細長い制御部材508の制御フィラメントがシャフト507に対して近位方向の引く力を受けた場合に、拡張可能部材の制御可能な部分503(又は制御可能な部分504)の周囲長は、可変の周囲長を示すように、拡大(又は縮小)され得る。このタイプの制御は、血管コンプライアンス及び血管壁への付着を促進させるために使用され得る。
図5に例示されるように、拡張可能部材の制御可能な部分503(すなわち、実質的に遮るもののないチャンネルを示す開放端から、細長い制御部材508と関連する制御フィラメントが例えば接続点位置502’又は接続点位置502’’で拡張可能部材にループ状に入る領域までの、拡張可能部材の制御可能な部分)は、周囲長及びフィラメント密度によって特徴付けられ得る。その上に、拡張可能部材の制御可能な部分504(すなわち、細長い制御部材502が拡張可能部材にループ状に入る領域から、シャフト507の遠位端までの、拡張可能部材の制御可能な部分)は、細長い制御部材508と関連するそれぞれの制御フィラメントに対する引く力に起因して異なる周囲長及び異なるフィラメント密度で特徴付けられ得る。細長い制御部材508と関連する制御フィラメントが、押す力(すなわち、拡張可能部材の開放端の方向の力)を受けるとき、拡張可能部材の制御可能な部分503(すなわち、細長い制御部材508と関連する制御フィラメントが例えば接続点位置502’又は接続点位置502’’で拡張可能部材にループ状に入る領域から、拡張可能部材の開放端までの、拡張可能部材の制御可能な部分)の周囲長は、可変的に縮小され得る。いくつかの実施例において、引く力を単に解放するために、細長い制御部材に押す力を加えることは必要ではない。例えば、拡張可能部材は、引く力の不存在下で、収縮するように(又は拡張するように)あらかじめバイアスされ、又はさもなければ自己収縮(又は自己拡張)するように構成され得る。この開示と合致する他の実施例において、(1本又は複数本の)付加的な制御フィラメントは、付加的な制御のために、拡張可能部材の他の領域に接続され、織り交ぜられ、ループ状にされ、周りに結ばれ、及び/又はさもなければ接続され得る。例えば、付加的な細長い制御部材は、拡張可能部材全体に制御を提供するように、及び/又は、拡張可能部材の制御可能な部分503の個別的な制御を提供するように、デバイス500の遠位の開放端に接続され(又は上述のように又は
図6及び
図7に描写されるように織り交ぜられ)得る。またさらに及び非限定的に、さらなる細長い制御部材は、接続点位置502’(及び/又は接続点位置502’’)とシャフト507との間である制御可能な部分504の領域に、制御可能な部分50内の付加的な制御可能な部分を可能にするように、接続されることができ、付加的な制御可能な部分は、シャフト507の近位にある。
【0022】
上述のように、細長い制御部材は、また、拡張可能部材の少なくとも1つの制御可能な部分の他の性質を制御するように構成され得る。例えば、細長い制御部材は、標的血管において治療デバイスのフィラメント密度(例えば、ワイヤー密度など)を制御するように構成され得る。1つ又は複数の細長い制御部材がシャフトに対して近位方向の引く力を受けた場合に、拡張可能部材のフィラメント密度は、より高くされ得る(例えば、
図5における制御可能な部分504)。1本よりも多い制御フィラメントが使用され得るので、拡張可能部材は、可変のフィラメント密度を達成し得る。可変のフィラメント密度の使用は、隣接する動脈瘤への血流をブロックすることをアシストすることができ、並びに、血管コンプライアンス及び血管壁への付着をアシストし得る。例えば、細長い制御部材508が押す力を受けるとき、拡張可能部材の制御可能な部分504のフィラメント密度は低減されることができ、及び、拡張可能部材は、容易に治療部位に送達され又は治療部位から回収され得る。治療部位で拡張可能部材の径を制御することは、デバイスの操作者が穏やかな再配置手順を実施することを可能にし、及び/又はセルの1つに係合された場合に操作者がコイル末端を取り除くことを可能にし得る。
【0023】
細長い制御部材は、また、標的血管でデバイス(例えば、
図4に例示されるデバイス400)を回転させるように構成され得る。細長い制御部材と関連する制御フィラメントがシャフトに対して近位方向の引く力を受け、同時に、細長い制御部材と関連する別の制御フィラメントが、引っ張られないか又はより弱い力を用いて引っ張られた場合に、その結果、拡張可能部材は屈曲し得る。これは、デバイスが遠位に前進させられる場合に、デバイスを進ませるために使用され得る。その上に、細長い制御部材と関連する制御フィラメントのうちの1本がシャフトに対して遠位方向の押す力を受け、同時に、細長い制御部材と関連する制御フィラメントのうちの別のものが押されず又はより弱い力を用いて押された場合に、その結果、拡張可能部材は、また、屈曲し得る。
【0024】
図8Aに、開示に合致する末端部812が描写される。拡張可能部材(不図示)のメッシュを構成するフィラメントを収容し得る開口部811は、円筒形の配置に示されている。
【0025】
実施例のいずれかによるデバイスは、ヒトの神経血管系において使用され、それは、柔軟であり及び小さいフォームファクタを有することができる。一般に、神経血管デバイスは、約0.5mmの小さな内径を有するしなやかなマイクロカテーテルを通って送達されるように構成され得る。結果として、本開示の典型的なデバイスは、送達の間に崩れたときに最小の外径を有するように構成され得る。
【0026】
例えば、実施例のいずれかによる拡張可能部材は、最小限のプロファイルを有するように構成され得る。開示に合致して、拡張可能部材のフィラメントメッシュの中間領域を横断するフィラメントが有り得る。すなわち、開示と合致する実施例において、4本のフィラメントの径は、デバイスが被覆されたときの拡張可能部材の最小限の外径を決定するのに考慮され得る。より具体的には、
図8Bに描写される実施例において、拡張可能部材の1つの部分のフィラメント(例えば、
図1におけるフィラメントメッシュ102など)の2本のフィラメントの第1の交差点808−1は、第1の交差点808−1で交差する2本のフィラメントの径よりも小さくなり得ない。最小限の構成において、及び拡張可能部材の対称性に起因して、直径方向において第1の交差点808−1と反対側の第2の交差点808−2が存在し得、同一の最小厚さの対象となる。したがって、崩れたときの拡張可能部材のフィラメントメッシュの最小限の厚さは、4本のフィラメントの径の厚さによって決定されることが予期され得る(
図8Bに描写される構成815)。これは、拡張可能部材の中間領域(すなわち、近位端ピースの近くの拡張可能部材の近位領域と、遠位端ピースの近くの拡張可能部材の遠位領域と、の間の領域)において起こり得る。
【0027】
それにもかかわらず、近位端ピース(及びいくつかの実施例では、遠位端ピース)の近くで、フィラメントメッシュを構成するフィラメントは、拡張可能部材の最小外径が(4本よりはむしろ)2本のフィラメントのみによって決定されるように、秩序を持って側面が重ねられ得る。フィラメントメッシュが崩れたときのこの秩序配置は、同様の第1の交差点818−1及び同様の第2の交差点818−2を描写する
図8Cに描写されている。
図8Cに描写される構成817の結果として、フィラメントメッシュの全体の径は、崩れたとき、最小になり得る。
【0028】
或いはまた、フィラメントメッシュを構成するフィラメントは、同様の効果を達成するために、
図8Dに描写される構成819におけるように、拡張可能部材の近位端及び/又は遠位端でコイル状にされ得る。フィラメントがフィラメントメッシュ領域の反対側でコイル状にされたとき、複数のフィラメントをデバイスのシャフト領域から拡張可能部材の近位領域に移行させるのに、エンドピースは必要とされない可能性がある。
【0029】
開示に合致する実施例において、
図9に描写されるようなフィラメント配置900が使用され得る。
図9に開示される実施例は、シャフト領域903からフィラメントメッシュ902に移行する8本のフィラメントを描写する。シャフト領域903において、8本のフィラメントは、シャフト軸に平行に配向するように描写されている。
【0030】
図10Aは、フィラメント配置900の断面に沿った図を描写し、及び最小径からフィラメントメッシュ902を形成する8本のフィラメントを描写する。
図10Bは、
図10Aの図と平行であるが、シャフト領域903から移行領域により近い図を描写する。
図10Cは、シャフト領域903からフィラメントメッシュ902に移行する8本のフィラメントのさらなる詳細を描写する。
図9及び
図10Aから
図10Cに描写された実施例において、エンドピース(例えば、
図8Aのエンドピース812など)は示されていない。とりわけ、フィラメントメッシュを構成するフィラメントが、シャフト領域でのシャフト軸に平行である配向からフィラメントメッシュに移行する場合、エンドピースの使用は、フィラメントの配置を維持することができ、細長い制御部材がそれを通って存在してもよい中空中心領域を依然として維持しながら、エンドピースの近くに最小限の断面が提示されることを保証する。
【0031】
開示と合致する別の実施例において、
図11に描写されるようなフィラメント配置1100が利用され得る。
図11に開示される実施例は、シャフト領域1102−3からフィラメントメッシュ1102に移行する12本のフィラメントを描写する。シャフト領域1102−3において、12本のフィラメントは、シャフト軸の周りにコイル状である。
図11に示される実施例に関して、エンドピースの使用は任意選択的であり得る。
【0032】
開示と合致する別の実施例において、
図12に描写されるようなフィラメント配置1200が利用され得る。
図12に開示される実施例は、コイル状のシャフト領域1202−3から編み組まれたフィラメントメッシュ1202に移行する12本のフィラメントを描写する。コイル状のシャフト領域1202−3において、12本のフィラメントは、シャフト軸の周りにコイル状であり得る。この場合もやはり、
図12に示される実施例に関して、エンドピースの使用は任意選択的であり得る。
【0033】
図13から
図15は、シャフト領域から拡張可能部材の近位端に移行する領域における、開示と合致するフィラメントの配置を示す略図を提供する。単に明確化の目的のために、
図13から
図15のフィラメントメッシュを構成する交互のフィラメントは、実線又は点線のいずれかとして示される。
図13に描写される配置は、
図11及び
図12に示されるものと同様であり、一連のコイル状のフィラメント(シャフト領域1302−3内)からフィラメントメッシュ1302へ移行を示す。
図13において、末端部は描写されていない。
【0034】
図14に描写される配置は、
図13に描写されるものと同様であり、一連のコイル状のフィラメント(シャフト領域1402−3内)からフィラメントメッシュ1402への移行を示す。
図14において、末端部1412が描写されており、これは、細長い制御部材(不図示)の制御下でフィラメントメッシュ1402内のメッシュが拡張又は収縮する間に、シャフト領域1402−3内のコイルを維持するために使用され得る。
【0035】
図15に描写される配置は、
図9及び
図10Aから
図10Cに描写されるものと同様であり、一連の平行なフィラメント(シャフト領域1502−3内)からフィラメントメッシュ1502への移行を示す。
図15において、また、末端部1512が描写されており、これは、細長い制御部材(不図示)の制御下でフィラメントメッシュ1502内のメッシュが拡張又は収縮する間に、シャフト領域1502−3内のフィラメントの配置を維持するために使用され得る。
【0036】
図13から
図15は、また、平面「A」(シャフト領域内にある)を示す線、及び平面「B」(フィラメントメッシュ領域内にある)を示す線を含む。平面「B」は、フィラメントが交差する点でフィラメントメッシュ領域を通過するように選択される。
【0037】
開示と合致して、
図16Aから
図16Dは、6フィラメント配置(
図16A及び
図16C)及び12フィラメント配置(
図16B及び16D)に関する平面「A」及び平面「B」に沿った典型的な「スライス」を描写する。
【0038】
図16A及び
図16Bは、軸周りの一列縦隊の連続体の形態であるフィラメント1602の配置を描写する。すなわち、本明細書で使用される際に、軸周りのフィラメントの一列縦隊の連続体は、フィラメントの断面が軸に対して実質的に積み重ねられた構成に置かれることなしに、フィラメントの断面が軸周りのループに相次いで置かれるように配置されたフィラメントを意味する。その上に、「ループ」は、円、長円形、正方形、長方形、三角形等のような、任意の単純な閉曲線又はそれ自身に接続する直線及び曲線の組合せを意味する。対照的に、
図16B及び
図16Dは、軸周りの一列縦隊の連続体の形態ではなく、フィラメントの交差点及びその近くで実質的に積み重ねられた配置の形態である、フィラメント1602の配置を描写する。
【0039】
その上に、
図8Aに示される末端部812は、フィラメントと一対一の関係の開口部を描写するが、当業者は、この開示と合致する末端部は、末端部812の開口部の構成よりはむしろ、1つ又は複数のチャンネルを含み得る(その各チャンネルは、一列縦隊の連続体の構成内に数本のフィラメントを収容し得る)ことを理解するであろう。
【0040】
またさらに、
図17に描写されるように(及び
図11から
図13の実施例と同様に)、この開示と合致するデバイスは、巻かれた部分1713と巻かれていない部分1714とを含み得る中空のトルクケーブル1700を含むことによって、最小のプロファイルを提供するように構成され得る。単に一例として、
図1及び
図2のシャフト3(及び
図3から
図7の対応するシャフト要素)は、中空のトルクケーブル1700の巻かれた部分1713を含むことができ、拡張可能部材は、巻かれていない部分1714における中空のトルクケーブル1700のフィラメント(例えば、ワイヤーなど)から構成され得る。そのような構成は、付加的な接続媒介物(例えば、
図8Aに描写される末端部812)が必要とされないので、最適なプロファイルを示し得る。ここで議論される実施例のいずれにおいても、しかしながら、(非限定的に、
図9から
図17に描写された実施例の全てを含む)シャフト及び拡張可能部材は、また、開示と合致して、溶接され又ははんだ付けされることができ、及び最小のプロファイルを達成し得る。シャフトは、末端部を使用して又は使用せずに拡張可能部材に溶接され又ははんだ付けされ得る。またさらに、シャフト及び拡張可能部材は、フィラメントを接合させるための加熱されたポリマー又は接着剤を使用して接続され得る。このように、デバイス全体のシャフトの一部に沿って固い領域(好ましくは制御のために必要とされ得るような、及び/又はトルクケーブルとデバイス全体のシャフトの一部との間の付加的な接続領域)が必要とされる場合であっても、固い領域は、デバイスのより柔軟な遠位の領域から離れていることができ、及びより大きなより近位の血管に位置し得る。例えば、頭蓋内動脈瘤の場合、(制御点として有用であり及び/又はトルクケーブルとさらなるシャフトとの間の接続を確立する可能性があるような)固い領域は、総頸動脈内に位置し得る。そのような状況は、
図18に描写されており、これは頸動脈1805を示し、及びこれは標的位置1810がし得るよりも、より剛性のシャフトの領域を収容し得る。したがって、トルクケーブルとシャフトとの間の固い接続領域は、拡張可能部材(及びデバイス全体のより柔軟な部分)が位置付けられ及び手操作されることが目的とされる場所である標的位置1810から離れて位置することができる。
【0041】
図17に戻り、
図17は、中空のトルクケーブル1700の巻かれた部分1713から巻かれていない部分1714への移行を描写する。いくつかの実施例によると、フィラメント(又はワイヤー)の寸法及び構造は、また、上述の神経血管のマイクロカテーテルの寸法によって決定され得る。上述のいくつかのフィラメントの径は、50μmから120μmの間(例えば、75μm)であり得る。細長い制御部材の寸法は、50μm未満(例えば、25μm又は10μm)であり得る。
【0042】
またさらに、拡張可能部材の近位位置又は遠位位置のみに(
図9から
図17に描写されるような)特定のフィラメント配置を持つデバイスは、また、この開示と合致する。単に一例として、デバイスは、開放遠位端を持つ拡張可能部材を有し得る。拡張可能部材のフィラメントは、近位端でシャフトに上述のように接続されることができるが、閉じられたり又は再び接続されたりすることなく、遠位端でループ状に戻り得る。さらに別の例では、遠位端のフィラメントは、本明細書に記載される低プロファイルにそれらを配置することなく、一緒に接続され得る。
【0043】
拡張可能部材は、当業者に知られている任意の適当な柔軟な材料製であり得る。適当な拡張可能な材料は、ポリマーと、金属と、金属合金と、それらの組合せと、を含み得るがこれに限定されない。実施例において、例えば、拡張可能部材は、最小の外径を持つニチノールのような超弾性金属から構成され得る。血管造影法による画像化を用いて拡張可能部材を視覚化するために、拡張可能部材は、さらに、X線不透過性のマーカー及び/又は材料を含み得る。例えば、実施例において、拡張可能部材は、タンタル金属又は白金金属製のコアを持つ複数のニチノールワイヤーを含み得る。X線不透過性のコアは、体積で20%から50%(例えば、30%又は40%)であり得る。付加的な実施例において、拡張可能部材のワイヤーは、白金のようなX線不透過性の金属の薄層の堆積によって、X線不透過性に製造され得る。
【0044】
医学的状態(例えば、動脈瘤又は胆道)を治療するための図の実施例のいずれかによるデバイスは、さらに、親血管内へのコイルヘルニア形成のリスクを低減するように構成され得る。例えば、実施例において、血管壁に位置合わせされるセル(すなわち、拡張可能部材のフィラメントメッシュ内部の空間)のサイズは、最小であり得る。他方、
図19に例示されるように、デバイス1900において、外科手術の間の持続的な血流を可能にするために、近位セル7及び遠位セル6は比較的に大きいことができる。したがって、フィラメントメッシュ102は、異なるセルサイズ及び形状を示すように構成され得る。例えば、血管壁に位置合わせされる円筒形状のエリアの密度は、3から12交差毎センチメートルであることができ、一方で、移行エリア及び円錐形状のエリア(近位及び遠位部分)の密度は、1から5交差毎センチメートルであり得る。上述のように、細長い制御部材は、拡張された部材の言及されたセルサイズ及び密度を制御し得る。細長い制御部材を使用して、可変のセルサイズは達成され得る。さらなる実施例と合致して、フィラメントメッシュ102は、動脈瘤頸部に面するデバイスの部分において比較的高濃度のフィラメントを示すように構成され得る。さらに別の実施例において、動脈瘤に面する部分(円筒形状)は、巻かれたフィラメントで構成され得る。1つの実施例において、巻かれたワイヤーの巻きの間の間隔は、細長い制御された部材と関連する1本又は複数本の制御フィラメントを用いて制御され得る。これらの制御フィラメントは、また、拡張可能部材(
図7に例示される)のフィラメントで部分的に巻かれ得る。
【0045】
さらに別の実施例と合致して、及び
図19においてデバイス1900として描写されて、拡張可能部材110のセル構造の本体5は、動脈瘤頸部の完全なブロックを達成するために完全に又は部分的に覆われ得る。拡張可能部材のセル構造の被覆は、ポリウレタン、シリコーン等のような様々な医療グレードのポリマーを使用することにより達成され得る。拡張可能部材のセル構造の被覆は、また、心膜のような器質的組織を用いて達成され得る。この選択肢は、医師が動脈瘤を、それに塞栓が生じるまでブロックし得るので、破裂性の動脈瘤の場合のアシストを提供し得る。描写されていないが、
図3における拡張可能部材310のセル構造の本体は、また、動脈瘤頸部の完全なブロックを達成するために完全に又は部分的に覆われ得る。開示と合致するさらなる実施例において、破裂性の動脈瘤をブロックする方法は、動脈瘤内への血流を実質的に防止するように、フィラメントメッシュ102が十分に小さいセルを示すまで、1つ又は複数の細長い制御部材4に引く力を提供することを含む。加えて、フィラメントメッシュ102のフィラメント、本体5を覆う覆い、又は両方は、デバイス1900の使用の間、薬剤溶出性であるように構成され得る。その上に、フィラメントメッシュ102のフィラメントは、液体(例えば、ヒドロゲル)との相互作用の際に拡張する材料で覆われ得る。その上に、フィラメントメッシュ102は、2層以上の編み組まれたフィラメント(例えば、2層以上の編み組まれたワイヤー)製であり得る。
【0046】
図20は、
図19を参照して開示されるデバイスとある意味で同様であり及び細長い制御部材と関連する数本の制御フィラメントを有するデバイス2000を例示する。細長い制御部材と関連する制御フィラメントのそれぞれは、フィラメントメッシュ102と接続され、ループ状にされ、及び/又は結び付けられていることができる。
図20において、明確性のために2つの制御フィラメントが示されているが、しかしながら、この開示に合致して、より多くの、細長い制御部材と関連する制御フィラメントが使用され得る。細長い制御部材と関連する制御フィラメントは、拡張可能部材の本体に沿った異なる接続点位置2002’及び2002’’で、フィラメントメッシュ102に接続され得る。
図4及び
図5に関連する前述の議論に合致して、及び非限定的に、デバイス2000は、細長い制御部材の制御下で可変の周囲長及びフィラメント密度を示す、制御可能な部分を含むように構成され得る。
【0047】
さらなる実施例において、この開示と合致するデバイスは、動脈瘤コイリング手術の臨床的必要性に対処するように構成されていてもよい。動脈瘤は大抵、動脈の分岐及び枝で生じるので、デバイスの形状は、これらの解剖学的構造で、改善された血管コンプライアンスを達成するように構成され得る。例えば、
図21に描写されるデバイス2100は、拡張された構成における拡張可能部材の近位端と遠位端との間に、少なくとも2つの実質的に一様な形状を示すように構成され得る。開示に合致する実施例において、少なくとも2つの実質的に一様な形状があり、またさらに、
図3に描写されるデバイス300は、拡張可能部材310の近位端と遠位端との間に少なくとも2つの非対称な形状を、又は別の一様な形状と共に少なくとも1つの非対称な形状を示すように構成され得る。例えば、形状の組合せは、血管内の動脈瘤を治療するために使用され得る洋梨形状を含み得る。
【0048】
図22に描写される実施例において、洋梨形状の構成のデバイス2100は、脳底動脈の先端に位置する動脈瘤2210を治療するために使用され得る。使用中、デバイス2100は、1つの分岐した血管2220から親血管2200に延びる分岐を横断して配備され得る。その上に、代替的な実施例において、現行の開示と合致する血管内の動脈瘤を治療するためのデバイスは、洋梨形状の構成で示されたのと同様の効果を達成するために、任意の適当な可変の外径を含み得る。加えて、洋梨形状の構成の特徴の全て又は一部は、本明細書に記載されるデバイスのいずれかと関連して以前に上述された特徴の全て又は一部と共に利用され得る。その上に、さらに代替的な実施例において、現行の開示と合致する血管内の動脈瘤の治療のためのデバイスは、洋梨形状の構成を用いて示されたのと同一の効果を達成するために、1つ又は複数の細長い制御部材によって制御されて、可変の外径を達成し得る。単に一例として及び非限定的に、
図23は、
図22に描写される分岐を横断して配備された、洋梨形状の拡張可能部材2300を描写する。
【0049】
開示と合致するさらなる実施例において、本明細書中に開示されるデバイスのいずれも、拡張可能部材をシャフトから取り外し及び血管で永続的な足場として残るように構成された取り外し機構を含み得る。取り外し機構は、医師が動脈瘤の内側の長期の塞栓について懸念している状況において有用であり得る。加えて、取り外し機構は、手術の間に生じ及び制御フィラメント(例えば、1つ又は複数の細長い制御部材など)で解決できないコイルヘルニア形成を軽減する安全機能として働き得る。取り外し機構は、電気的、機械的、又は化学的であることができ、及び医師がまず拡張可能部材の最終寸法を決定し(制御フィラメント、又は1つ又は複数の細長い制御部材を用いる)、及び次いで拡張可能部材をその所望の構成で取り外すことを可能にするように、構成され得る。例えば、開示に合致する実施例において、電気のヒューズは、拡張可能部材の近位端とシャフトの遠位端との間の取り外し接続点に位置し得る。電気のヒューズは、1つ又は複数の細長い制御部材を拡張可能部材に接続し、それによって、拡張可能部材をシャフトに取り付けるように構成されることができ、及びさらに、拡張可能部材をシャフトから取り外すように構成され得る。
【0050】
その上に、この開示に合致して及び
図24及び
図25に描写されて、デバイス2400(又はデバイス500)は、一時的な血流ダイバータとして構成され得る。動脈瘤嚢2410から親血管2420内に血流を逸らせることは、動脈瘤の内部での血液凝固を促進させることができるので、血管内の動脈瘤治療の間に有益であり得る。実施例において、血流を逸らせることは、細長い制御部材のうちの少なくとも1つに動脈瘤嚢2410の近位にある拡張可能部材のセルのサイズを低減させ得るやり方で引く力を提供することによって成し遂げられる。いくつかの実施例によると、細長い制御フィラメントは、動脈瘤頸部の周辺でより高い密度を示し及びそうでなければより低い密度を示すように、手操作され得る。結果として、デバイスは、血液が動脈瘤に流れることをブロックすることができ、又、血液が親血管から血管分岐に流れ続け又は貫通し続けることを可能にする。この開示と合致する実施例は、
図25に例示されており、制御可能な部分503は、あるフィラメント密度によって特徴付けられており、且つ、制御可能な部分504は、細長い制御部材と関連する制御フィラメントの使用に起因して、異なるフィラメント密度を示し得る。加えて、拡張可能部材のフィラメントは、局所的な血栓形成を防止し、及びさらに抗凝固薬の使用を軽減するために、コーティングされ得る。
【0051】
現行の開示と合致して、デバイス2600は、また、動脈瘤嚢2610の内部に配備されるように構成されることができ、1本又は複数本の制御フィラメントは、嚢の内部の抵抗を最適化するために利用され得る。このことは、
図26Aから
図26Cに描写されている。例えば、取り外し可能なバルーンが配備され得る方法と同様の方法で、デバイス2600は、動脈瘤2610で被覆から出されることができ、及び次いで、動脈瘤頸部2630が完全に閉塞されるまで拡張され、及び次いで、デバイス2600は(例えば、マイクロカテーテル2620から)取り外され得る。この設計は、非凝固療法を必要とせず(それどころか、それは成功するために凝固に依存する)、及び1つのサイズのデバイス2600は、動脈瘤2610の多くの寸法に適合するように構成されることができ、医師がインサイチュでの任意の最終的な調整を行うことを可能にする。
【0052】
本明細書に記載されるデバイスのいずれかの実施例は、様々な血管内の手術の間に使用され得る。これらの手術の間、使用者は、拡張可能部材の使用可能な長さ、その外径、そのセルサイズ、及びそのフィラメント密度を制御し得る。その上に、1本を超える制御フィラメントが使用され得るので、使用者は、拡張可能なデバイスの様々な部分における上述の特性を変動させ得る。またさらに、拡張可能部材はマイクロカテーテル(例えば
図6A及び
図6Bに描写されるようなマイクロカテーテル2620)を通って標的血管に送達され得るので、その実際の長さは、部分的に被覆することによって制御され得る。外径及びセルサイズは、また、1つ又は複数の細長い制御部材によって制御され得る。
【0053】
本明細書における開示と合致して、
図27に描写されるデバイス2700は、また、コイルによる頭蓋内動脈瘤の修復を支持するように構成され得る。デバイス操作者は、2つのマイクロカテーテルを標的血管に送達することができ、1つのマイクロカテーテル2720は、1つのコイル2730(又は複数のコイル)を動脈瘤2710の内側に送達するためのものであり、及び第2のマイクロカテーテル2725は、デバイス2700を送達するためのものである。コイリングマイクロカテーテル2720は、通常は、動脈瘤2710の内側に置かれることができ、及びデバイス2700は、送達されて、コイリングマイクロカテーテル2720に平行に拡張され得る。このことは、コイリングマイクロカテーテル2720が動脈瘤2710の内側で「拘束される」ことを引き起こすことができ、及び、したがって、臨床医に、手術の間のさらなる制御を提供し得る。手術の終わりに、拡張可能部材は、マイクロカテーテル2725の内部に再被覆され及び次いで回収され得る。デバイス2700は、また、液体を使用するような付加的な塞栓技術の間に使用され得る。動脈瘤頸部に隣接するセルサイズは、1本又は2本の制御フィラメントを用いて制御され得るため、セルは、これらの代替的な技術に適当であるサイズに調節され得る。
図25に実例説明されるデバイスは、また、同様の目的のために利用され得る。
【0054】
開示と合致した治療デバイスの実施例は、また、血管けいれんの血管内治療のために使用され得る。血管けいれんに罹っている血管で拡張されるバルーンと同様に、細長い制御部材は(単独に又は一緒にのいずれかで)、有効な半径方向の力を血管壁に提供するために、引っ張られ得る(すなわち、細長い制御部材は、必要とされる半径方向の力を血管に及ぼすために、手操作され得る。)。1つ又は複数の細長い制御部材(例えば、制御フィラメント)によるデバイスの拡張の間、デバイス操作者は、触覚性フィードバック、及びデバイスがX線不透過性である場合は、視覚性フィードバックを得ることができるので、デバイス操作者は、手術の間に適用する力の量を決定し得る。
【0055】
その上に、開示と合致した治療デバイスの実施例は、血栓除去のために使用され得る。この実施例は、
図28に描写される。この場合、血管におけるデバイス2800の実寸法に関する視覚性フィードバックと組み合わせて手術の間に及ぼす力の量を制御することは、有益であり得る。デバイス2800は、凝血塊に隣接して又は凝血塊の遠位に配備され(「ステントリーバー(Stentriever、商標)」と同様)、及び次いで必要に応じて拡張され得る。配備の後、デバイス2800は、その拡張された状態で回収され得る。医師は、凝血塊がより大径の血管内に引っ張られる場合に、回収の間、デバイス2800をさらにもっと拡張させることを決定し得る。
【0056】
その上に、開示と合致したデバイスの実施例は、閉鎖された血管をさらなる方法で横断するために使用され得る。この実施例による典型的な手術は、
図29Aから
図29Dに描写される。この場合では、デバイス500は、遠位端に1つ又は複数の細長い制御部材508を有し、及び拡張可能部材の部分は、実質的に遮るもののないチャンネルを示すように拡張され及び次いで血栓2990を越えて推し進められ得る。この手操作は、拡張可能部材によって血栓2990が部分的に又は完全に覆われるまで繰り返され得る。
図29Aには、制御部材がシャフトに対して近位方向の引く力を受ける前のデバイス500が示されており、それ故、拡張可能部材のフィラメント密度及び周囲長は、制御可能な部分503において制御可能な部分504と実質的に同一である。
図29Aから
図29Dに描写されるように、制御可能な部分503は、開放端から、細長い制御部材が拡張可能部材のフィラメントに接続し、織り混ざり、結ばれ、及び/又はループ状にされる領域までの、拡張可能部材の一部であり、及び制御可能な部分504は、細長い制御部材が拡張可能部材のフィラメントに接続し、織り混ざり、結ばれ、及び/又はループ状にされる領域から、シャフト507の遠位端までの、拡張可能部材の一部である。
図29Bにおいて、細長い制御部材508がシャフト507に対して近位方向の引く力を受けた後デバイス500が示される。したがって、制御可能な部分504におけるフィラメント密度は増大している。細長い制御部材508が引く力を受けた後、デバイス500は、血栓2990に近づけられ得る。
図29Cには、押す力を受けた後のデバイスが示される(いくつかの実施例において、制御部材に押す力を加えることは必要ではなく、単に、引く力を解放する)。図に示されるように、以前に、実質的に遮るもののないチャンネルを示した制御可能な部分503の一部は、血栓2990を覆っている。
図29Dは、血栓が覆われ、及びデバイスがその拡張された状態で回収された後のデバイス500を示す。デバイスは、血栓又はブロッケージと近位側から遠位側まで相互作用するので、これは、ブロッケージが回収前に横断されない場合に、有益であり得る。加えて、拡張可能部材は、血管が過剰に拡張されないように構成され得るので、デバイスは、回収の間に、血管壁に最小の力を及ぼすように手操作され得る。本明細書に記載される使用のいくつかの実施例によると、デバイスは、細長い1つ又は複数の制御部材のいくつか又は全てに対するシャフトに対するモーター又は振動源の取り付けによって、さらに利用され得る。別の実施例によると、1つを超えるモーター(例えば、2つのモーター又はそれ以上)は、拡張可能部材のより複雑な手操作を作り出すために、1つ又は複数の制御フィラメント又はシャフトに接続され得る。拡張可能部材を繰り返し振動させ又は手操作することは、議論されたデバイスによる凝血塊の取り込みを促進させ得る。
図5と関連して前に議論されたように、さらなる制御を提供するために、付加的な細長い制御フィラメントが使用され得る。
【0057】
またさらに、開示と合致したデバイスは、他の血管内デバイス(例えば、ステントなど)を拡張させるために使用され得る。それは、バルーンが使用されるのと同様の方法で利用されることができ、必要なときにそれを拡張させて手術の終わりに回収するために、制御フィラメント(例えば、1つ又は複数の細長い制御部材など)を用いる。
【0058】
開示の範囲から逸脱することなく、開示されたデバイス及び方法に様々な修正及び変形を加えることができることは、当業者にとって明らかであろう。すなわち、本明細書の検討及び本明細書中に開示される実施例の実践から、当業者にとって他の実施例は明らかであろう。明細書及び実施例は、典型的にのみ考慮され、本発明の本当の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって示されていることが意図されている。