【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
<泡安定性の評価方法>
実施例においては、泡安定性は、以下の方法により評価した。
【0044】
この方法は、所定量の発泡性飲料(サンプル)を所定の時間で所定のメスシリンダーに注ぎ込み、一定時間後にメスシリンダーの壁に付着して残っている泡の量(泡付着面積)を計測することで泡の安定性を定量的に評価する方法である。サンプルおよびサンプルと接触する器具(メスシリンダーやサンプル注入時に使用する漏斗)は予め20℃にしておき、測定は20℃恒温室内で実施した。メスシリンダー(2L)に漏斗を載せ、ロートの壁面
を伝わらせながら均一の条件でサンプル全量(大瓶1本分、約633ml)を平均して注ぎ
こんだ(要する時間は約20秒間になるように)。注ぎ終わったらロートを外して静置した。サンプルを注ぎ始めてから29分後、フラッシュバルブをメスシリンダー内にセットし(液面と泡との境界から200ml程度上の位置)、続いて感光紙を泡の付着している面を覆う
ようにメスシリンダーの外壁に巻きつけ、サンプル注入開始から正確に30分後の写真を撮った。感光紙を現像したものの液面と泡との境界線に線をひき、写し出された泡残存部分を縁取りした。大きな泡の塊はそのまま縁取りした。小さな塊の中で長径が1cmに満たないものは無視した。縁取りした泡付着面積を面積測定器により計測し、泡付量(T−SHV値)として算出した。なお、泡付着の写真撮影および泡部分の面積測定には、CCDカ
メラ撮影および画像解析処理を用いてもよい。計測した泡付着面積が大きいほど泡安定性がよいと判断できる。これまでのビール類での知見から、T−SHV値が150cm
2以上あれば、泡安定性は良好と言え、また、100cm
2未満では明らかに不十分であると言える。そこで実施例においては、T−SHV値が100cm
2未満を×、100cm
2以上〜150cm
2未満を△、150cm
2以上を○とした。
【0045】
<色度の評価>
実施例においては、飲料の色度を以下の方法により評価した。即ち、BCOJビール分析法
8.8 色度 8.8.2 吸光度法 に従って計測した。脱ガスしたサンプルを10mmのセルに入れ、430nmの単色光で吸光度を測定し、その値にファクターを乗じることによりEBC色度を得た。
【0046】
<苦味価の評価>
実施例においては、飲料の苦味価を以下の方法により評価した。即ち、BCOJビール分析法 8.15 苦味価 に従って計測した。脱ガスしたサンプルに酸を加えたのちイソオクタンで抽出し、得られたイソオクタン層の吸光度を純粋なイソオクタンを対照に275nmで計
測し、ファクターを乗じて苦味価(BU)を得た。
【0047】
<エキス分の評価>
実施例においては、飲料中のエキス分の量を以下の方法により評価した。即ち、エキス分はBCOJビール分析法 7.2 エキス に従って計測した。20℃での比重を振動式密度計
を使用して計測し、付属のエキス表によりエキス分を求めた。その中の、麦(麦芽)に由来するエキス分の量は、エキス分の総量から、別途求めた添加物や他の原料のエキス分の量を減じることで求めた。
【0048】
<カロリーの評価>
カロリーは、健康増進法に関連して公表されている「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」に従って算出した。
【0049】
<糖質の評価>
糖質の測定は、栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)による計算式を用いた。
【0050】
<香味の評価>
本明細書において、ビールテイスト飲料の香味を、評点法による官能試験によって評価した。専門パネリスト6名が、ビール様の香味の有無を、4点満点で評価した。「感じる」=4点、「やや感じる」=3点、「わずかに感じる」=2点、「感じない」=1点として、評価点の平均点を算出し、平均点に応じて3段階の評価を設けた。
【0051】
平均点1.0以上〜2.0未満 ×;
平均点2.0以上〜3.0未満 △;
平均点3.0以上〜4.0以下 ○。
【0052】
実施例1
<ノンアルコールビールテイスト飲料の製造>
麦由来のエキス分の総量が所望の範囲内にある、本発明のビールテイスト飲料(飲料1〜7)、及び麦由来のエキス分の総量が所望の範囲外であるビールテイスト飲料(比較例1〜3)を、以下の方法により製造した。飲料1〜4については、麦芽20kg(全麦芽のうち色麦芽であるカラメル麦芽の占める割合が60重量%)を用い、また、飲料5〜7、及び比較例1〜4については、麦芽20kg(全麦芽のうち色麦芽であるカラメル麦芽の占める割合が50重量%)を用いた。
【0053】
麦芽を適当な粒度に粉砕したものを仕込槽に入れ、これに120Lの温水を加え、約50℃のマッシュを作った。50℃で30分保持後、徐々に昇温して65℃〜72℃で60分間、糖化を行った。糖化が完了したマッシュを77℃まで昇温後、麦汁濾過槽に移し濾過を行い、濾液を得た。
【0054】
得られた濾液の一部をとり、温水を加え、その際、濾液と温水の混合割合は、煮沸完了時のエキス分の量が目標とする値になるよう調節した。製造スケールを100Lとし、ホッ
プを約100g添加し、100℃で80分間煮沸をした。煮沸後の液からオリを分離し、約2℃に冷却後、酸化防止剤、香料、酸味料(pHが4未満となる量を添加)、甘味料、必要によりカラメル色素を各々適量加えて約24時間貯蔵した。その間、炭酸ガスを適量添加した。その後、濾過・瓶詰め・殺菌(65℃以上で10分間加熱)の工程を経て、本発明のビールテイスト飲料1〜7を得た。このうち、飲料3及び4、或いは飲料5及び6は、同じ方法により得られた異なるバッチである。また、比較例1〜3の三つの飲料は、同じ方法により得られた異なるバッチである。
【0055】
<品質評価>
飲料1〜7及び比較例1〜3の評価結果を、以下の表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
表1から明らかな通り、麦や麦芽由来エキス分の量が低い場合に、泡安定性の指標となるT−SHVが有意に高かった(飲料1〜7)。この中で比較すると、当該エキス分の量
が低い飲料1では、泡安定性が若干低下した。尚、飲料1〜7及び比較例1〜3を容器に注ぎ、目視により泡品質を評価したところ、その結果は、表1における泡の安定性の結果と同傾向であった。
【0058】
飲料2〜7および比較例1〜3のいずれの飲料も、良好な味を示した。一方で、当該エキス分の量が低い飲料1においては、ビール様の香味という観点ではややもの足りない傾向であった。
【0059】
実施例2 製造例(ノンアルコールビールテイスト飲料)
麦芽(全麦芽のうちカラメル麦芽の占める割合が20重量%)を用い、実施例1と同様の方法により、麦芽由来エキス分の量が1.3重量%である(麦由来のエキス分の総量も1.3重量%である)本発明のビールテイスト飲料を製造した。この飲料における麦以外の原料に由来するエキス分を含めた全てのエキス分の総量は1.4重量%であった。この飲料のアルコール度は0.00%で、カロリーは5kcal/100ml、糖質は1.3g/100mlあった。この飲料の味及び泡安定性を含めた泡品質も優れており、また、飲料2〜7と比較して遜色なかった。
【0060】
実施例3 製造例(ノンアルコールビールテイスト飲料)
麦芽(全麦芽のうちカラメル麦芽の占める割合が60重量%)を用い、実施例1と同様の方法により、麦芽由来エキス分の量が0.35重量%である(麦由来のエキス分の総量も0.35重量%である)本発明のビールテイスト飲料を製造した。この飲料における麦以外の原料に由来するエキス分を含めた全てのエキス分の総量は0.45重量%であった。この飲料のアルコール度は0.00%で、カロリーは2kcal/100ml、糖質は0.4g/100mlであった。この飲料の味及び泡安定性を含めた泡品質も優れており、また、飲料2〜7と比較して遜色なかった。
【0061】
実施例4 製造例(ノンアルコールビールテイスト飲料)
麦芽(全麦芽のうちカラメル麦芽の占める割合が80重量%)を用い、実施例1と同様の方法により、麦芽由来エキス分の量が0.25重量%である(麦由来のエキス分の総量も0.25重量%である)本発明のビールテイスト飲料を製造した。この飲料における麦以外の原料に由来するエキス分を含めた全てのエキス分の総量は0.35重量%であった。この飲料
のアルコール度は0.00%で、カロリーは1.4kcal/100ml、糖質は0.3g/100mlであった。この飲料の味及び泡安定性を含めた泡品質も優れており、また、飲料2〜7と比較して遜色なかった。
【0062】
実施例5 製造例 (ノンアルコールビールテイスト飲料)
麦芽を用いずに大麦分解物を用いて本発明のビールテイスト飲料を製造した。すなわち、製造スケールを100Lとし、大麦分解物130gに、煮沸完了時のエキス分が約1.0
%になるよう温水を加えてエキスを調節し、更にホップを約100g添加し、100℃で80分間
煮沸をした。煮沸後の液からオリを分離し、約2℃に冷却後、酸化防止剤、香料、酸味料
(pHが4未満となる量を添加)、甘味料、カラメル色素を各々適量加えて約24時間貯蔵した。その間、炭酸ガスを適量添加した。その後、濾過・瓶詰め・殺菌(65℃以上で10分間加熱)の工程を経て、本発明のビールテイスト飲料を得た。この飲料のアルコール度は0.00%であり、エネルギーは4kcal/100ml、糖質は1.0g/100mlであった。この飲料の麦由来エキス分の量は1.0重量%、麦以外の原料に由来するエキス分を含めた全てのエキス分の総
量は1.1重量%であった。この飲料の味及び泡安定性を含めた泡品質も優れており、また
、飲料2〜7と比較して遜色なかった。
【0063】
実施例6
<低アルコールビールテイスト飲料の製造>
カラメル麦芽の占める割合が50重量%の麦芽を用いて、実施例1と同様の方法(使用する糖化後の濾液の量は調節した)にて、麦芽由来エキス分の量が0.1、0.2、0.3、1.0、2.0または3.9重量%である(麦由来のエキス分の総量も0.1、0.2、0.3、1.0、2.0または3.9重量%である)ビールテイスト飲料を製造した。これらにエタノール濃度が0.95v/
v%となるようエタノール水溶液を添加し、アルコールが1v/v%未満のビールテイスト
飲料8〜12(それぞれ、麦芽由来エキス分の総量及び麦由来エキス分の総量の両方が、0.1、0.2、0.3、1.0、2.0重量%である)、及び比較例4(麦芽由来エキス分の総量及び
麦由来エキス分の総量の両方が、3.9重量%である)を製造した。
【0064】
<品質評価>
飲料8〜12及び比較例4の評価結果を、以下の表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
表2から明らかなとおり、麦や麦芽由来エキス分の量が低い場合に、泡安定性の指標となるT−SHVが有意に高かった(飲料8〜12)。この中で比較すると、当該エキス分の量がやや低い飲料8では、泡安定性が若干低下した。尚、飲料8〜12及び比較例4を容器に注ぎ、目視により泡品質を評価したところ、その結果は、表2における泡の安定性の結果と同傾向であった。
【0067】
飲料9〜12、および比較例4のいずれの飲料も、良好な味を示した。一方で、当該エキス分の量が低い飲料8においては、ビール様の香味という観点ではややもの足りない傾向であった。
【0068】
実施例7 製造例(低アルコールビールテイスト飲料)
麦芽を適当な粒度に粉砕したものを仕込槽に入れ、これに120Lの温水を加え、約50℃のマッシュを作った。50℃で30分保持後、徐々に昇温して65℃〜72℃で60分間、糖化を行った。糖化が完了したマッシュを77℃まで昇温後、麦汁濾過槽に移し濾過を行い、濾液を得た。得られた濾液の一部をとり、温水を加え、その際、濾液と温水の混合割合は、煮沸完了時のエキス分が2.0重量%(麦由来のエキス分の総量も2.0重量%である)となるよう調整した。製造スケールを100Lとし、その液にホップ(ホップエキスも含む)を約100g添
加し、100℃で80分間煮沸をした。煮沸後の液からオリを分離し、約15℃に冷却後、ビー
ル酵母を適量添加し発酵を行い、約24hr後に液温を0℃に急冷し発酵を停止させた。この
液に、酸化防止剤、香料、酸味料(pHが4未満となる量を添加)、甘味料、カラメル色素を各々適量加え、濾過・瓶詰め・殺菌(65℃以上で10分間加熱)の工程を経て、本発明の低アルコールビールテイスト飲料得た。この飲料のアルコール度は約0.30%であり、エネ
ルギーは7.5kcal/100ml、糖質は1.5g/100mlであった。この飲料の麦芽由来エキス分の量
は、発酵により酵母に資化された分だけ減少し、約1.5重量%であった(麦由来のエキス
分の総量も1.5重量%であった)。この飲料の香味及び泡安定性を含めた泡品質も優れて
おり、飲料2〜7と比較して遜色なかった。