特許第6382255号(P6382255)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382255
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】二重レンズ保持デバイス
(51)【国際特許分類】
   B05C 13/02 20060101AFI20180820BHJP
   B05C 3/02 20060101ALI20180820BHJP
   G02B 1/10 20150101ALI20180820BHJP
   C03C 23/00 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   B05C13/02
   B05C3/02
   G02B1/10
   C03C23/00 A
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-115533(P2016-115533)
(22)【出願日】2016年6月9日
(62)【分割の表示】特願2013-540425(P2013-540425)の分割
【原出願日】2011年11月22日
(65)【公開番号】特開2016-215201(P2016-215201A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2016年7月8日
(31)【優先権主張番号】1059716
(32)【優先日】2010年11月25日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513131279
【氏名又は名称】エスシーエル・インターナショナル・スペシャル・コーチング・ラボラトリー
【氏名又は名称原語表記】SCL INTERNATIONAL SPECIAL COATING LABORATORY
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ジェーリ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥニ・ジェーリ
【審査官】 平井 裕彰
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公開第02208322(GB,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0275839(US,A1)
【文献】 特開2010−240044(JP,A)
【文献】 実開平05−080496(JP,U)
【文献】 実公平04−046326(JP,Y2)
【文献】 特開2004−196648(JP,A)
【文献】 特開平08−056733(JP,A)
【文献】 特表2014−506181(JP,A)
【文献】 特開2010−020138(JP,A)
【文献】 特表2007−529770(JP,A)
【文献】 実開昭58−019776(JP,U)
【文献】 国際公開第2005/089956(WO,A1)
【文献】 特開2004−268013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 1/00〜21/00
G02B 1/00〜 1/18
C03C15/00〜23/00
B05B 1/00〜17/08
B05D 1/00〜 7/26
A47G25/00〜25/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理マシーンの少なくとも一つのバス中への浸せきによって複数の光学レンズ(10)が処理されるために、前記複数の光学レンズを運ぶためのコンベヤーキャリッジの支持体(101)に引っかけられるように意図されたレンズ保持デバイス(1)であり、前記レンズ保持デバイス(1)は、他の同様のデバイスと一緒に、所定の方向の一群のデバイスの整列を形成するように引っかけられ、
・前記支持体(101)からぶら下がるための吊り手段(3)と、
・前記レンズ保持デバイス(1)の所定の場所に第一の光学レンズ(10)を保持するための、前記第一の光学レンズ(10)のための第一の設置位置を定める支持点(a,b,c)を備えている第一の保持手段(4a)と、
・前記レンズ保持デバイス(1)の所定の場所に前記第一の光学レンズ(10)とは異なる第二の光学レンズ(10)を保持するための、前記第二の光学レンズ(10)のための第二の設置位置を定める支持点(a,b,c)を備えている第二の保持手段(4b)を有し、
前記支持体(101)からぶら下がるための前記吊り手段(3)は、前記レンズ保持デバイス(1)をその支持体(101)上に取り外し可能に固定することを可能にするとともに、前記レンズ保持デバイス(1)のその支持体(101)のまわりの自由回転を防止するロック手段を有しているキャッチ(31)を有し、
前記二つの設置位置は、二つの平面内にそれぞれ配されており、各設置位置は、対応する一つの平面に沿って広がっており、これら二つの平面は、30°未満の角度を成して互いに向けて配置され、各平面は、前記一群のレンズ保持デバイス(1)の整列の方向の鉛直面の鉛直方向に対して30°未満の角度を形成する
レンズ保持デバイス(1)。
【請求項2】
前記ロック手段は、前記支持体(101)のノッチ(102)に係合されるブランチ(31a)を備えている、請求項1に記載のレンズ保持デバイス(1)。
【請求項3】
前記ブランチ(31a)は、前記ノッチ(102)の底部と接触する直線面を有している、請求項2に記載のレンズ保持デバイス(1)。
【請求項4】
前記キャッチ(31)は、前記ブランチ(31a)の直線面と前記ノッチ(102)の底部を一致させるように前記支持体(101)に対する前記レンズ保持デバイス(1)の挿入を制限することを可能にするストップ(33)を有している、請求項3に記載のレンズ保持デバイス(1)。
【請求項5】
前記吊り手段(3)は、前記レンズ保持デバイス(1)を前記支持体(101)につるしたり前記支持体(101)から取り外したりするように前記レンズ保持デバイス(1)をつかむことを可能にする、請求項4に記載のレンズ保持デバイス(1)。
【請求項6】
前記吊り手段(3)は、一つの特別のレンズ保持デバイス(1)を素早く識別するマーク手段(35)を有している、請求項1ないし5のいずれかひとつに記載のレンズ保持デバイス(1)。
【請求項7】
二つの平面内にそれぞれ配されている前記二つの設置位置は、20°未満の角度を成し、前記一群のレンズ保持デバイスの整列の方向の鉛直面の鉛直方向に対して、10°よりも小さい角度を成す、請求項1に記載のレンズ保持デバイス(1)。
【請求項8】
前記二つの設置位置の間の空間の外側に配置された本体(2)を有している、請求項1ないし7のいずれかひとつに記載のレンズ保持デバイス(1)。
【請求項9】
前記二つの設置位置の間の空間の中に少なくとも部分的に延びている本体(2)を有している、請求項1ないし7のいずれかひとつに記載のレンズ保持デバイス(1)。
【請求項10】
前記二つの設置位置は、前記整列の方向の鉛直面の鉛直方向に交差する方向に配置され、かつ、前記本体の両側に配置されている、請求項8または9に記載のレンズ保持デバイス(1)。
【請求項11】
前記二つの保持手段(4a,4b)はおのおの、
・前記光学レンズ(10)のための第一の支持点(a)を提供する支持手段(5)と、
・前記光学レンズ(10)のための第二(b)および第三(c)の支持点を提供する弾性復元手段(6)を有している、請求項1ないし10のいずれかひとつに記載のレンズ保持デバイス(1)。
【請求項12】
前記弾性復元手段(6)は、レンズの各設置位置のための独立対(6a,6b)の弾性アーム(61a,61b)を有している、請求項11に記載のレンズ保持デバイス(1)。
【請求項13】
前記光学レンズ(10)のための前記支持手段(5)は、前記本体(2)の両側に対称的に配置された二つのストップ(51a,51b)を備えている、請求項8ないし10のいずれかひとつに従属する請求項11または12に記載のレンズ保持デバイス(1)。
【請求項14】
前記レンズ保持デバイスの浸せきされるように設計されたすべての輪郭は、開放表面だけを定めている、請求項1ないし9のいずれかひとつに記載のレンズ保持デバイス(1)。
【請求項15】
処理マシーンの少なくとも一つのバス中への浸せきによって光学レンズ(10)を処理するようにそれらを運ぶように設計されたコンベヤーキャリッジであり、請求項1ないし14のいずれかひとつに記載のレンズ保持デバイス(1)を有しているコンベヤーキャリッジ。
【請求項16】
請求項15に記載のコンベヤーキャリッジを有している光学レンズ(10)処理デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズの分析のための特に設計されたレンズ保持デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ保持デバイスは、光学レンズ処理マシーンのコンベヤーキャリッジの支持体に一般に引っかけられ得、前記コンベヤーキャリッジは、前記処理マシーンのいくつかの連続バス中への浸せきを通して光学レンズを処理するようにそれらを運ぶように設計されている。
【0003】
これらの処理は、化学強化、熱強化、または耐摩耗性を提供する処理、反スクラッチ処理、非反射処理、反汚れ処理、紫外線処理、または染色処理など、さまざまなタイプであってよい。
【0004】
支持体を有しているレンズ保持デバイスがあるは、文献EP1428585B1から知られており、前記レンズ保持デバイスは、他の同様のデバイスのセットと共に、決められた方向のデバイスの整列を形成するように引っかけられ、前記レンズ保持デバイスは、支持体からぶら下がるための吊り手段と、光学レンズを所定の場所に保持するための手段を有している。
【0005】
さらに、保持手段は、光学レンズを支持するための手段を備えており、前記支持手段は、少なくとも一つの固定ストップを有している。
【0006】
保持手段はまた、光学レンズをレンズ保持デバイス上に配置および除去することを可能にする弾性復元手段を備えており、前記弾性復元手段は、レンズ保持デバイスの本体に固定されたリベットのまわりに装着された複数対の弾性アームを有している。
【0007】
このレンズ保持デバイスは、光学レンズの二つの主要面またはオプティクスのどんな部分も少しも覆うことなく、光学レンズの良い保持を確実にする点では満足がいく。
【0008】
しかしながら、コンベヤーキャリッジによって運ばれる光学レンズのセットは、一連の処理バスに浸されるように設計されている。
【0009】
これらのバスのおのおのは専用の容器に入れられており、前記容器の容積は処理マシーンの容積を低減するようにできる限り低減されるべきである。
【0010】
平行して、生産を最適化するため、最多数の光学レンズが同時に浸せきされるべきである。
【0011】
したがって、本発明は、処理バス中へのレンズの浸せきによる配置の品質を悪化させることなく、最先端技術のそれと少なくとも等価なコンベヤーキャリッジの光学レンズ負荷能力を有しながら、容器の容積を低減することを目指す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】EP1428585B1
【発明の概要】
【0013】
本発明は、処理マシーンの少なくとも一つのバス中への浸せきによって光学レンズが処理されるために前記レンズを運ぶためのコンベヤーキャリッジの支持体に引っかけられるように意図されたレンズ保持デバイスに関し、前記レンズ保持デバイスは、一群の他の同様のデバイスと一緒の所定の方向へのデバイスの整列を形成するような方法で引っかけられ、前記支持体からぶら下がるための吊り手段と、前記レンズ保持デバイスの所定の場所に第一の光学レンズを保持するための、前記第一のレンズのための第一の設置位置を定める支持点を備えている第一の手段と、前記レンズ保持デバイスの所定の場所に第二の光学レンズを保持するための、前記第二のレンズのための第二の設置位置を定める支持点を備えている第二の手段を有し、前記二つの設置位置は、30°未満の角度距離によって分離され、前記一群のレンズ保持デバイスの整列によって定められた方向に対して30°未満の角度を形成する二つの平面内にそれぞれ配されている。
【0014】
このアレンジメントは、レンズの処理品質を保ちながら、前記支持体の両側の前記容器の幅を低減することを可能にする。
【0015】
一つの実施形態によれば、二つの平面内にそれぞれ配されている前記二つの設置位置は、20°未満の角度分離と、10°よりも小さい前記一群のレンズ保持デバイスの整列によって決められた方向に対する角度分離を有している。
【0016】
このアレンジメントは、一方では、一方の設置位置を他方に対して、他方では、一群のレンズ保持デバイスの整列によって決められた方向に対して二つの設置位置を、実質平行に配置することを可能にする。一つの実施形態によれば、前記レンズ保持デバイスは、前記二つの設置位置の間に定められたボリュームの外側に配置された本体を有している。
【0017】
このアレンジメントは、前記レンズ保持デバイスの前記本体によって邪魔されることなく、前記レンズの光学測定をおこなうことを可能にする。
【0018】
一つの実施形態によれば、前記レンズ保持デバイスは、前記二つの設置位置の間に定められたボリュームの中に少なくとも部分的に延びている本体を有している。
【0019】
このアレンジメントは、前記レンズ保持デバイスの生産を容易にする。
【0020】
一つの実施形態によれば、所定の場所に保持するための前記手段はおのおの、前記レンズのための第一の支持点を提供する支持手段と、前記レンズのための第二および第三の支持点を提供する弾性復元手段を有している。
【0021】
一つの実施形態によれば、前記弾性復元手段は、複数対の弾性アームを有している。
【0022】
一つの実施形態によれば、前記複数対の弾性アームは、前記レンズ保持デバイスの前記本体に保持されている。
【0023】
一つの実施形態によれば、前記設置位置は、前記整列の方向に交差する方向に関して、前記本体の両側に配置される。
【0024】
このアレンジメントは、前記光学レンズの大部分を最適化することを可能にする。
【0025】
一つの実施形態によれば、二対のアームは前記本体に対して対称的である。
【0026】
このアレンジメントは、レンズ保持デバイスの生産を容易にすることを可能にし、したがって、一つの同じタイプの対のアームを必要とするだけである。
【0027】
一つの実施形態によれば、各対のアームは、単一ピースに作られている。
【0028】
このアレンジメントは、所定の事前ストレスをもつ一つのピースを有していることを可能にする。
【0029】
一つの実施形態によれば、前記支持手段は前記本体に固定されている。
【0030】
一つの実施形態によれば、前記光学レンズのための前記支持手段は、前記本体の両側に対称的に配置された二つのストップを備えている。
【0031】
一つの実施形態によれば、前記二つのストップは、単一ピースに形成されている。
【0032】
このアレンジメントは、前記レンズ保持デバイスの生産を容易にする。
【0033】
一つの実施形態によれば、前記二つのストップは、前記本体の下側端に位置している。
【0034】
このアレンジメントは、前記本体の大きさを最適化する。
【0035】
一つの実施形態によれば、前記支持体からぶら下がるための前記吊り手段は、前記レンズ保持デバイスをその支持体に取り外し可能に固定することを可能にするとともに、前記レンズ保持デバイスのその支持体のまわりの自由回転を防止するロック手段を有しているキャッチを有している。
【0036】
このアレンジメントは、コンベヤーキャリッジの方向の変更のあいだに作り出され得る側方振動運動を除去することを可能にする。
【0037】
一つの実施形態によれば、前記レンズ保持デバイスの前記本体の前記吊り手段は、単一ピースに形成されている。
【0038】
このアレンジメントは、生産に必要な部分の数を減少させることにより、前記レンズ保持デバイスの生産を容易にすることを可能にする。
【0039】
一つの実施形態によれば、前記ロック手段は、前記支持体に引っかけるための部分に相補的な形状をもつ部分を有している。
【0040】
このアレンジメントは、前記支持体のまわりの前記レンズ保持デバイスの側方振動の問題を解決することを可能にする。
【0041】
一つの実施形態によれば、浸せきされるように設計されたすべての輪郭は、開放表面だけを定めている。
【0042】
このアレンジメントは、前記光学レンズが浸せきされるバスからの液体の成膜が形成されるのを防止し、その膜は、破裂し得て、したがって、前記光学レンズに達し、その表面に非均質に堆積された堆積物を作ることがある。
【0043】
本発明はまた、処理マシーンの少なくとも一つのバス中への浸せきによって光学レンズを処理するようにそれらを運ぶように設計されたコンベヤーキャリッジであり、前に説明されたレンズ保持デバイスを有しているコンベヤーキャリッジに関する。
【0044】
本発明はまた、そのようなコンベヤーキャリッジを有している光学レンズ処理デバイスに関する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
いずれにせよ、本発明は、非限定的な例として、本発明によるレンズ保持デバイスを示している添付の図表に関連して、続く説明を使用してよく理解されるであろう。
図1図1は、本発明によるレンズ保持デバイスの一つの実施形態の全体の斜視図を示している。
図2図2は、図1のデバイスの第一の部分の詳細図を示している。
図3図3は、図1のデバイスの第二の部分の詳細図を示している。
図4図4は、図1のデバイスの第三の部分の詳細図を示している。
図5図5は、コンベヤーキャリッジの支持体上に二つの光学レンズと共に配置された図1のレンズ保持デバイスを示している。
図6図6は、容器上に配置された図1のレンズ保持デバイスの整列を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1に図示されるように、本発明の一つの実施形態によるレンズ保持デバイス1は、シャフトとも呼ばれる、長い(longilineal)中央本体2を有しており、それには、特にコンベヤーキャリッジの直線シャーシ棒101によって具体化された支持体101、レンズ保持デバイス1の吊り手段3が連結されており、また、光学レンズ10を所定の場所に保持するための手段4を有している。
【0047】
したがって、レンズ保持デバイス1は、図6にいっそう特に図示された決められた方向Dのレンズ保持デバイス1の整列を形成するように一群の他の同様のデバイス1と一緒にコンベヤーキャリッジのシャーシ棒101に引っかけられる。
【0048】
図1ないし5に図示された一つの実施形態では、レンズ保持デバイス1のおのおのは、第一の光学レンズ10をレンズ保持デバイス1の所定の場所に保持するための第一の手段4aを備えており、それは、レンズ保持デバイス1の本体2の第一の側に位置し、第一のレンズ10のための第一の設置位置を一方において定めており、また第二の光学レンズ10をレンズ保持デバイス1の所定の場所に保持するための第二の手段4bを備えており、それは、レンズ保持デバイス1の本体2の第二の側に位置し、第二のレンズ10のための第二の設置位置を他方において定めている。
【0049】
二つの設置位置は、支持点a,b,cによって定められ、光学レンズ10の各位置がそれぞれ異なる平面上に配され、二つの平面は、一方では、30°よりも小さい分離をもって互いに実質的に平行であり、他方では、30°よりも小さい分離をもって一群のレンズ保持デバイス1の整列によって決められた方向Dに実質的に平行である。
【0050】
この実施形態では、レンズ保持デバイス1の本体2は、二つの設置位置の間に定められるボリュームの中に部分的に延びている。
【0051】
光学レンズは、二つの主要面12またはオプティクスと、周囲エッジ11を備えている。
【0052】
二つの設置位置の間に定められるボリュームは、二つの光学レンズ10がそれぞれの設置位置に位置するときにそれらの間に位置し、二つの光学レンズ10の主要面12またはオプティクスを通過する直線の組によって定められる空間の領域であると解釈されなければならない。
【0053】
レンズ保持デバイス1の吊り手段3は、本体2の第一の端に連結されており、二つのブランチ31a,31bと開口32を有している逆U字の形をしているキャッチ31を形成している。
【0054】
キャッチ31のブランチ31a,31bの間に作り出された開口32は、ブランチ31a,31bの部分の間につかまれるコンベヤーキャリッジのシャーシ棒101を受けるように設計されており、それらの一つ31aは、ノッチ102に係合される直線輪郭を有しており、その底部もまた直線であり、形状一致による遮断が、それぞれ、ブランチ31aの二つの直線面とノッチ102の底部の間の接触によってなされ、特に処理チェーンのあいだのコンベヤーキャリッジの運動の際に、本体2が棒101の周りに自由に回転して落下することを防止することをもたらす。
【0055】
さらに、キャッチ31は、ブランチ31a、31bの二つの直線面とノッチ102の底部を一致させるようにシャーシ棒101に対するレンズ保持デバイス1の挿入を制限することを可能にするストップ33を有している。
【0056】
これらの吊り手段3は、本体2と単一ピースに作られるが、ノッチ102と同じ方位をもつ平面内に、特に実施形態では本体2の全体平面に対して実質的に縦に方位づけられた平面内に、吊り手段3をほぼ配置するねじれ領域36によってそれから分離されている。
【0057】
吊り手段3はまた、逆U字の形をしている、ストップ33によって定められたつかみ手段34を備えており、シャーシ棒101にレンズ保持デバイス1をつるす、またはそれからそれを取り外すようにそれをつかむことを可能にする。
【0058】
最後に、吊り手段3は、一つの特別のレンズ保持デバイス1を素早く識別するためにリングなどのマーク手段35を有している。
【0059】
したがって、レンズ保持デバイス1は、ノッチ102へのキャッチ31の簡単なスナップによってシャーシ棒101から容易に組み立ておよび取り外されることができ、それから、対応するレンズ保持デバイス1をシャーシ棒101から取り外すことによって、それに直接に指で触れることなく、光学レンズ10の検証をおこなうことが可能である。
【0060】
所定の場所に保持するための手段4a,4bは、それぞれ、レンズ10のための第一の支持点aを定める支持手段5a,5bと、レンズ10のための第二のbおよび第三のc支持点をそれぞれ定める弾性復元手段6a,6bを備えている。
【0061】
支持手段5a,5bは、本体2に対して静止しており、吊り手段3が配置されている本体2の第一の端の向かいにある本体2の第二の端に配置されている。
【0062】
各保持手段4a,4aの支持手段5a,5bは、それぞれ、別のストップ51a,51bと単一ピースに作られたストップ51a,51bを有している。
【0063】
これらのストップ51a,51bのおのおのはほぼ、シャーシ棒101に引っかけられた一群のレンズ保持デバイス1の整列方向Dに交差する方向に延びており、それは、図示された実施形態では、吊り手段3のキャッチ31の逆U字形が広がっているのと同じ平面内に配されている方向と一致している。
【0064】
本体2に対する支持手段5a,5bの締結は、ほぞ穴機能をおこなう本体2の端に機械加工された本体2の方向に関する長いスリット内への、ほぞとして働く支持手段5a,5bの調整された挿入を通して、ほぞ・ほぞ穴タイプのアッセンブリーを形成することによってなされる。
【0065】
本体2の端に対する支持手段5a,5bの不動化は、それから、締め付けによっておこなわれ、それは、支持手段5a,5bに対する本体2の端の塑性変形を生じさせる。
【0066】
二つのストップ51a,51bのおのおのは、さまざまな厚さの光学レンズ10を留めておくことを可能にする、段々の側方エッジをもつカップ状の上側輪郭を有している。
【0067】
弾性復元手段6a,6bは、おのおのが二本のアーム61a’,61a”および61b’,61b”をそれぞれ形成するように中間で折り曲げられた二本の細い金属ロッド61a,61bによって形成されている。
【0068】
ロッド61aのおのおの61a,61bは、レンズ保持デバイス1の本体2の両側に位置しており、シャーシ棒101上の一群のレンズ保持デバイス1の整列方向Dに平行な平面内に、特に図示された実施形態では、吊り手段3が配されている平面に交差する平面内に実質的に延びている。
【0069】
ロッド61a,61bのおのおのは、吊り手段3の本体2の範囲を定めている本体2のねじれ領域36のすぐ近くに配置されている本体2のより広い部分64にあるその折り曲げ部において本体2に固定されているリベット63によって具体化された軸のまわりにはめ込まれている。
【0070】
ロッド61a,61bのおのおのによってそれぞれ形成された二本のアーム61a’,61a”または61b’,61b”は互いの方に弾力的に戻され、それは、光学レンズを同じロッド61a,61bの二つの自由端65a’,65a”または65b’,65b”の間に、前記自由端65a’,65a”または65b’,65b”のおのおのに溶接された接触ピース66によってつかむことを可能にする。
【0071】
シャーシ棒101上のデバイス1のセットの整列によって形成された方向Dに実質的に平行であり、各ストップ51a,51bの中心を実質的に通る平面に光学レンズ10の二つの設置位置を戻すために、ロッド61a,61bは、わずかにそれらの自由端65a’,65a”または65b’,65b”のおのおのの近くでバッフルの形に曲げられており、各接触ピース66は、ロッド61a,61bの端65a’,65a”または65b’,65b”の、他方のロッド61a,61bの反対側の側方エッジに溶接されている。
【0072】
接触ピース66は、光学レンズ10と接触するように設計されたその端に、不定の厚さの光学レンズ10を保持することを可能にする湾曲切り欠き67を有している湾曲ブレードの形をしている金属ピースである。
【0073】
湾曲切り欠き67はおのおの、光学レンズ10の周囲エッジ11をチップ68と接触させて配置することによって、非常に厚い光学レンズ10を保持することを可能にする二つのチップを表し、それは、特に、光沢または他の液を塗布した後に、低減した接触表面のおかげで後者が変化しないことをもたらす。
【0074】
薄い光学レンズ10は、各切り欠き67の二つのチップ68の間に周囲エッジ11を配置することによって支えられる。
【0075】
したがって、得られたレンズ保持デバイス1は、低減された大きさの一群の同様なレンズ保持デバイス1を形成することを可能にし、さまざまなバスのための容器の寸法を低減するとともに、バスに浸すことによって同時に処理される光学レンズの数を増大させることを可能にする。
【0076】
本発明は、特定の実例実施形態に関連して説明されたが、それに制限されるものではまったくなく、反対に、説明された手段のすべての技術的な相当物およびそれらの任意の組み合わせを包含している。
【0077】
したがって、前述の角度分離は、絶対値であると理解されるべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 処理マシーンの少なくとも一つのバス中への浸せきによって複数の光学レンズ(10)が処理されるために前記レンズを運ぶためのコンベヤーキャリッジの支持体(101)に引っかけられるように意図されたレンズ保持デバイス(1)であり、前記レンズ保持デバイス(1)は、一群の他の同様のデバイスと一緒の所定の方向へのデバイスの整列を形成するような方法で引っかけられ、
・前記支持体(101)からぶら下がるための吊り手段(3)と、
・前記レンズ保持デバイス(1)の所定の場所に第一の光学レンズ(10)を保持するための、前記第一のレンズ(10)のための第一の設置位置を定める支持点(a,b,c)を備えている第一の手段(4a)と、
・前記レンズ保持デバイス(1)の所定の場所に第二の光学レンズ(10)を保持するための、前記第二のレンズ(10)のための第二の設置位置を定める支持点(a,b,c)を備えている第二の手段(4b)を有し、
前記二つの設置位置は、30°未満の角度距離によって分離され、前記一群のレンズ保持デバイス(1)の整列によって定められた方向に対して30°未満の角度を形成する二つの平面内にそれぞれ配されている、レンズ保持デバイス(1)。
[2] 二つの平面内にそれぞれ配されている前記二つの設置位置は、20°未満の角度分離と、10°よりも小さい前記一群のレンズ保持デバイスの整列によって決められた方向に対する角度分離を有している、[1]に記載のレンズ保持デバイス(1)。
[3] 前記二つの設置位置の間に定められたボリュームの外側に配置された本体(2)を有している、[1]ないし[2]のひとつに記載のレンズ保持デバイス(1)。
[4] 前記二つの設置位置の間に定められたボリュームの中に少なくとも部分的に延びている本体(2)を有している、[1]ないし[2]のひとつに記載のレンズ保持デバイス(1)。
[5] 前記設置位置は、前記整列の方向に交差する方向に関して、前記本体の両側に配置されている、[1]ないし[4]のひとつに記載のレンズ保持デバイス(1)。
[6] 前記保持手段(4a,4b)はおのおの、
・前記レンズ(10)のための第一の支持点(a)を提供する支持手段(5)と、
・前記レンズ(10)のための第二(b)および第三(c)の支持点を提供する弾性復元手段(6)を有している、[1]ないし[5]のひとつに記載のレンズ保持デバイス(1)。
[7] 前記弾性復元手段(6)は、レンズの各位置設置位置のための独立対(61,62)の弾性アーム(61a,61b,62a,62b)を有している、[6]に記載のレンズ保持デバイス(1)。
[8] 前記光学レンズ(10)のための前記支持手段(5)は、前記本体(2)の両側に対称的に配置された二つのストップ(51,52)を備えている、[6]ないし[7]のひとつに記載のレンズ保持デバイス(1)。
[9] 前記支持体(101)からぶら下がるための前記吊り手段(3)は、前記レンズ保持デバイス(1)をその支持体(101)上に取り外し可能に固定することを可能にするとともに、前記レンズ保持デバイス(1)のその支持体(101)のまわりの自由回転を防止するロック手段(31a)を有しているキャッチ(31)を有している、[1]ないし[8]のひとつに記載のレンズ保持デバイス(1)。
[10] 浸せきされるように設計されたすべての輪郭は、開いた表面だけを定めている、[1]ないし[9]のひとつに記載のレンズ保持デバイス(1)。
[11] 処理マシーンの少なくとも一つのバス中への浸せきによって光学レンズ(10)を処理するようにそれらを運ぶように設計されたコンベヤーキャリッジであり、[1]ないし[10]のひとつに記載のレンズ保持デバイス(1)を有しているコンベヤーキャリッジ。
[12] [11]に記載のコンベヤーキャリッジを有している光学レンズ(10)処理デバイス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6