特許第6382259号(P6382259)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382259
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】量子ドットおよびホスト
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/14 20060101AFI20180820BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20180820BHJP
   C08G 61/00 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   H05B33/14 Z
   H05B33/22 C
   C08G61/00
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】50
(21)【出願番号】特願2016-130113(P2016-130113)
(22)【出願日】2016年6月30日
(62)【分割の表示】特願2013-520984(P2013-520984)の分割
【原出願日】2011年6月28日
(65)【公開番号】特開2016-197601(P2016-197601A)
(43)【公開日】2016年11月24日
【審査請求日】2016年7月15日
(31)【優先権主張番号】10007743.7
(32)【優先日】2010年7月26日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】597035528
【氏名又は名称】メルク パテント ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨウ・パン
(72)【発明者】
【氏名】ニルス・シュルテ
(72)【発明者】
【氏名】トマス・エベルレ
(72)【発明者】
【氏名】フォルケル・ヒラリウス
【審査官】 岩井 好子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−099545(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0237323(US,A1)
【文献】 特表2007−513478(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0077594(US,A1)
【文献】 国際公開第2005/033174(WO,A1)
【文献】 国際公開第03/099901(WO,A1)
【文献】 特表2009−524710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/14
C08G 61/00
H01L 51/50
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソードと、アノードと、発光層と、前記アノードと前記発光層との間に堆積された正孔注入層または電荷発生層とを含む電子デバイスであって、前記発光層は少なくとも1つの量子ドットと少なくとも1つのコポリマーである有機ホスト材料とを含み、前記有機ホスト材料は、少なくとも1つの以下の式から選択される繰り返し単位を含むコポリマーであることを特徴とする電子デバイス;
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
(式中、R1は、1ないし40個のC原子を有するヒドロカルビル基である)。
【請求項2】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記電荷発生層または正孔注入層は5.6eVより高い仕事関数または電子親和力を有する、および/または前記正孔注入層または電荷発生層は遷移金属酸化物、酸化バナジウム(VOx)、酸化モリブデン(MoOx)、酸化ルテニウム(RuOx)および酸化タングステン(WOx)から選択される少なくとも1つの要素を含むことを特徴とする電子デバイス。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子デバイスであって、前記量子ドットのイオン化ポテンシャルもしくは価電子帯(VB)が前記有機ホストのHOMOより少なくとも0.3eV高い、または前記量子ドットの電子親和力もしくは伝導帯が前記ホスト材料のLUMOより少なくとも0.3eV低いことを特徴とする電子デバイス。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子デバイスであって、前記ホスト材料は、前記量子ドットより大きなバンドギャップを有するホスト材料、少なくとも−5.7eVより低いHOMOを有する有機化合物、および少なくとも−3.0eVより低いLUMOを有する有機化合物から選択される少なくとも1つの要素であることを特徴とする電子デバイス。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電子デバイスであって、前記量子ドットは−5.7eVより高い価電子帯を有することを特徴とする電子デバイス。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電子デバイスであって、前記量子ドットは、II−VI族、III−V族、IV−VI族、IV族半導体、および2以上のこのような半導体の適切な組合せから選択される少なくとも1つの要素を含む、および/またはこれらのコア/シェル、コアマルチシェル層状構造をもつことを特徴とする電子デバイス。
【請求項7】
前記半導体は、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAsまたはGaSbであることを特徴とする請求項6に記載の電子デバイス。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の電子デバイスであって、前記量子ドットの濃度が、前記量子ドットが前記有機ホスト内で正孔トラップまたは電子トラップとして作用するように選択されることを特徴とする電子デバイス。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電子デバイスであって、少なくとも1つのさらなる有機発光体、または前記量子ドットの発光スペクトルと重なる吸収スペクトルをもつ少なくとも1つのさらなる有機発光体を含む電子デバイス。
【請求項10】
少なくとも1つの量子ドットと1つの有機ホストとを含む混合物であって、前記有機ホスト材料が、少なくとも1つの以下の式から選択される繰り返し単位を含むコポリマーであり、前記量子ドットのイオン化ポテンシャルまたは価電子帯が、前記有機ホストのHOMOより少なくとも0.3eV高い混合物;
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
(式中、R1は、1ないし40個のC原子を有するヒドロカルビル基である)。
【請求項11】
請求項10に記載の混合物であって、前記有機ホストは前記量子ドットより大きいバンドギャップを有することを特徴とする混合物。
【請求項12】
請求項10または11に記載の混合物であって、前記量子ドットは−5.7eVより高い価電子帯(VB)を有する、および/または前記量子ドットは、II−VI族、III−V族、IV−VI族、IV族半導体、および2以上のこのような半導体の適切な組合せから選択される少なくとも1つの要素を含む、および/またはこれらのコア/シェル、コアマルチシェルの層状構造をもつことを特徴とする混合物。
【請求項13】
前記半導体は、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAsまたはGaSbであることを特徴とする請求項12に記載の混合物。
【請求項14】
請求項10ないし13のいずれか1項に記載の混合物であって、前記量子ドットの濃度が、前記量子ドットが前記有機ホスト内で正孔トラップとして作用するように、選択されることを特徴とする混合物。
【請求項15】
請求項10ないし14のいずれか1項に記載の混合物であって、少なくとも1つのさらなる発光体、または前記量子ドットの発光スペクトルに重なる吸収スペクトルをもつ少なくとも1つのさらなる発光体を含む、および/または前記少なくとも1つのさらなる発光体は有機化合物または他の量子ドットから選択される混合物。
【請求項16】
請求項10ないし15のいずれか1項に記載の混合物を含む、またはアノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間の機能層とを含み、前記機能層が請求項10ないし15のいずれか1項に記載の混合物を含む電子デバイス。
【請求項17】
請求項10ないし15のいずれか1項に記載の混合物を含む、配合物。
【請求項18】
溶液、分散液、またはエマルジョンである請求項17に記載の配合物。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、量子ドットおよび有機ホストを含む電子デバイスと、量子ドットおよび有機ホストを含む混合物と、量子ドットと、量子ドット(QD)を調製するための方法と、混合物または量子ドットを含む配合物とを対象とする。
【0002】
将来有望な次世代ディスプレー技術としての有機発光ダイオード(OLED)は、OLED材料が合成において多様性があり、色が豊富であり、軽量であり、かつ電力消費が少ないことから、20年以上も前からかなり注目を集めてきた。OLED、特に蒸着小分子をベースにしたものの性能は、色、寿命、および駆動電圧などの優れた性能を示し、OLEDの商業的利用分野への参入が可能になる。
【0003】
OLEDデバイスでは、電子および正孔が逆の電極から注入され、再結合して一重項または三重項のいずれかの励起子を形成する。一重項励起子からの放射減衰は高速である(蛍光)が、三重項励起子からのもの(りん光)は、スピン保存の要件により阻害され、したがって、しばしば非効率的である。量子統計によれば、励起子形成の確率がスピン依存的ではない場合、一重項当たり3個の三重項がOLEDでは形成される。したがって、蛍光材料をベースにしたデバイスに関する一重項励起子形成の確率はわずか25%である。したがって、25%という内部量子効率の基本的限界が、一重項発光体のみをベースにするOLEDに課される。この限界は、通常は重金属を含有する錯体である三重項発光体とも呼ばれるりん光ドーパントを組み込むことによって、克服することができ、これはスピン軌道結合を増大させかつ一重項と三重項の両方の励起子を得ることができるものである。しかし、金属錯体は合成するのが難しく、安定性の問題がある。これまでのところ、安定な(深)青色三重項発光体は、依然として実現しにくい。さらに、有機材料の三重項準位は、典型的には一重項準位より少なくとも0.5eV高いので、大きなバンドギャップ(またはHOMO−LUMOギャップ)をそれ自体が有する青色三重項発光体は、ホスト材料と、隣接する層の電荷輸送材料とに極めて難しい要件を課すことになる。
【0004】
一方、別のクラスの発光材料、以下に説明するいわゆる量子ドットまたは単分散性ナノ結晶も、過去何年かの間にかなり注目を集めてきた。量子ドットの利点は:1)一重項有機発光体の25%に比べ、100%程度に高い理論的内部量子効率;2)一般的な有機溶媒への可溶性;3)発光波長を、コアサイズによって容易に調整できること;4)狭い発光スペクトル;5)無機材料中での本質的な安定性である。
【0005】
本明細書において量子ドットまたはQDとも呼ばれる、半導体材料を含む最初の単分散性ナノ結晶は、CdE(E=S、Se、Te)をベースにし、BawendiによるいわゆるTOPO(トリオクチルホスフィンオキシド)法であって後にKatariらにより修正された方法を使用して生成された。QDの合成に関する再検討は、Murray、Norris、およびBawendi、「Synthesis and characterization of nearly monodisperse CdE (E = sulfur, selen, tellurium) semiconductor nanocrystallites」、J. Am. Chem. Soc. 115[19]、8706ないし8715、1993に示されている。最も報告されている量子ドットのキャップは、電子輸送特性を有すると考えられる、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)またはトリオクチルホスフィン(TOP)をベースにする。
【0006】
CdSe QDをベースにした最初の発光ダイオードは、Alivisatosら、「Light emitting diodes made from cadmium selenide nanocrystals and a semiconducting polymer」、Nature (London) 370[6488]、354ないし357、1994により報告され、QDからなる多層が、PPV(ポリ(p−フェニレン−ビニレン))と電極との間に挟まれて、電圧の印加により赤色の発光をもたらした。Bulovicら、「Electroluminescence from single monolayers of nanocrystals in molecular organic devices」、Nature (London) 420[6917]、800ないし803、2002は、2つの有機層の間に挟まれたCdSe QDの、1つの単層の使用について記述している。
【0007】
しかし、公知のQD LEDの1つの主な問題は、QDと隣接する有機層との間の大きなエネルギー準位オフセットであり、例えばCdSe QDは、−6.6eVのHOMOおよび−4.4eVのLUMOを有し(WO 2003/084292、WO 2007/095173)、一方、機能性有機材料は、通常−3.0eVより大きいLUMOおよび−5.6eVより大きいHOMOを有するものである。大きなエネルギーオフセットは、QDが、エレクトロルミネッセンスデバイスまたはさらなる電子デバイスにおいて効率的に電子的に活性になるのを妨げる。
【0008】
したがって本発明の目的は、改善された電子デバイスを提供することである。
【0009】
これは、本発明の、請求項1に記載の電子デバイス、請求項9に記載の混合物、および請求項15に記載の量子ドットにより実現することができる。本発明はさらに、混合物または量子ドットを含む配合物、混合物または量子ドットの適用、量子ドットを調製するための方法、および混合物または量子ドットを含む電子デバイスに関する。
【0010】
第1の態様によれば、電子デバイスは、カソードと、アノードと、発光層と、前記アノードと前記発光層との間に堆積された正孔注入層または電荷発生層とを含み、前記発光層は少なくとも1つの量子ドットと少なくとも1つの有機ホスト材料とを含む。
【0011】
第1の態様のバリエーションでは、カソードと、アノードと、少なくとも1つの量子ドットおよび1つの有機ホストを含む発光または活性層と、アノードと発光層との間に堆積された電荷発生層とを含む電子デバイスが提供される。
【0012】
好ましくは、電荷発生層は、5.6eVより高い仕事関数または電子親和力を有する。
【0013】
典型的には、上述のように、これまで利用可能なQDは、−6.0eVより低いHOMOを有する。しかし、OLEDまたはQD−LEDで使用される標準的な透明アノードITO(インジウムスズ酸化物)は、約−5.0eVの仕事関数を有し、標準的な機能性有機材料、特に正孔注入材料(HIM)は、−5.6eVより大きいHOMOを有する。エネルギー準位の莫大なオフセットは、アノードからのQDへの正孔注入を非常に難しくする。
【0014】
本発明は、好ましくは5.6eVより高い、非常に好ましくは5.8eVより高い、特に好ましくは6.0eVより高い仕事関数または電子親和力を有する電荷発生層を使用することによって、この問題を解決する。
【0015】
本発明の中で論じられるHOMOまたはLUMOなどの軌道エネルギーは、真空準位からの距離に関する。真空準位からの分子軌道エネルギー準位の距離が高い場合、軌道は低いまたは深いと言われる。対照的に、分子軌道エネルギー準位の距離が低い場合、軌道は高いと言われる。
【0016】
軌道エネルギー(HOMO/LUMO)およびバンドギャップは、当技術分野で周知の方法に従い容易に決定することができる。これらの軌道準位は、光電子発光、例えばX線光電子分光法(XPS)および紫外光電子分光法(UPS)によって、または例えば酸化および還元に関してはサイクロボルタンメトリー(cyclovoltammetry)(CV)によって測定してもよい。絶対エネルギー準位が使用される方法に依存する分野では、同じ方法に関する評価方法であっても、例えばCV曲線上の開始点およびピーク点が異なる値になることが十分理解される。したがって、妥当な比較は同じ測定方法の同じ評価方法によって行うべきである。さらに最近では、量子化学的計算、例えば密度関数理論(DFT)が、分子軌道、特に被占分子軌道を計算するのに十分確立された方法になっている。軌道エネルギーおよびバンドギャップを決定するために本明細書で使用される方法を例1で概説する。
【0017】
好ましくは、正孔注入層または電荷発生層は透明であり、例えば取り出し光または入射光に対して透明である。
【0018】
本明細書に記述される態様に適切な正孔注入層または電荷発生層は、例えばUS 7564182およびUS 2006/0240277A1に開示されるように、電荷発生層またはタンデムOLED用の中間コネクタ層から選択することができる。
【0019】
一態様によれば、電子デバイスでは、正孔注入層または電荷発生層は、1以上の遷移金属酸化物から選択される、すなわち含む。他の態様では、正孔注入層は、好ましくは酸化バナジウム(VOx)、酸化モリブデン(MoOx)、酸化ルテニウム(RuOx)、および酸化タングステン(WOx)から選択される、すなわち含む。
【0020】
好ましい態様では、電荷発生層は、有機または無機化合物を含む単一の層である。好ましくは、電荷発生層は発光層をその上部の溶液からコーティングすることを可能にし得る無機層である。適切な無機電荷発生材料は、遷移金属酸化物(TMO)から選択することができる。特に好ましいTMOは、5.6eVまたはそれより高い仕事関数を有するもの、例えば酸化バナジウム(VOx)、酸化モリブデン(MoOx)、酸化ルテニウム(RuOx)、および酸化タングステン(WOx)である。OLEDの正孔注入層としてのVOx、MoOx、RuOxの使用については、Tokitoらにより報告されたJ. Phys. D: Appl. Phys. 29 (1996) 2750を参照することができる。また正孔注入層としての酸化タングステン(WOx)は、例えばHopingらのAppl. Phys. Lett. 92、213306 (2008)により報告された。遷移金属酸化物の仕事関数は、ケルビン−プローブ測定によって測定することができ、例えばWO3は、Appl. Phys. Lett. 91、113506 (2007)に報告されるように仕事関数6.4eVを有し、MoO3は、Appl. Phys. Lett. 95、123301 (2009)に報告されるように6.7eVを有する。
【0021】
無機電荷発生層に好ましいデバイス構造は、下記の層構造:基材/アノード/正孔注入層(HIL)または電荷発生層(CGL)/発光層(EML)/カソードを有する。任意に、また好ましくは、デバイスはさらに、電子輸送層および/または緩衝層をEMLとカソードとの間に含むことができ、これはカソードからの消光を低減し得るものである。
【0022】
さらに好ましい適切な電荷発生材料は、5.6eVまたはそれ以上高い電子親和力を有する有機化合物から選択することができる。適切な有機電荷発生材料は、OLEDのp−ドーピングに使用される有機p−ドーパントから選択することができる。n−およびp−ドーピングの一般原理および関連する材料については、Chem. Rev.、2007、107 (4)、1233ないし1271を参照されたい。適切な有機p−ドーパントは、例えば以下に記述されるp−ドーパントから選択されるが、これらに限定するものではない。
【0023】
有機電荷発生層に好ましいデバイス構造は、下記の層構造:基材/カソード/EML/HILまたはCGL/アノードを有する。任意に、また好ましくは、デバイスは、電子輸送層および/または緩衝層をEMLとカソードとの間にさらに含むことができ、これはカソードからの消光を低減し得るものである。これは、有機p−ドーパントを通常は熱真空蒸着によって堆積することができるからである。
【0024】
さらにさらなる適切な電荷発生層は、感光性、特にIR感受性の電荷発生層にすることができる。
【0025】
本発明の一態様によれば、活性層、特に発光層は、量子ドットおよび有機ホスト材料を含む。量子ドットの高い内部量子効率(理論上の最大値は100%)を可能にするには、励起子を有機ホスト上ではなく量子ドット上に直接形成することが非常に望まれる。これは、前記量子ドットのイオン化ポテンシャル(価電子帯またはVB)が有機ホストのHOMOより少なくとも0.3eV高く、または量子ドットの電子親和力(伝導帯またはCB)が有機ホストのLUMOより少なくとも0.3eV低い、いずれかの活性層または発光層を使用することによって実現することができる。
【0026】
有機ホストは、好ましくは量子ドットより大きなバンドギャップを有する。
【0027】
QDの濃度は、0.5ないし20体積%、好ましくは1ないし15体積%、非常に好ましくは2ないし10体積%、最も好ましくは2ないし5体積%である。最も好ましい態様では、量子ドットの濃度は、有機ホストの正孔トラップまたは電子トラップとして働くように調節される。
【0028】
ある好ましい態様では、量子ドットは、有機ホストのLUMOより少なくとも0.3eV、より好ましくは0.4eV、非常に好ましくは0.5eV低い電子親和力を有する。この態様では、量子ドットは電子トラップまたは深い電子トラップとして働く。
【0029】
前述のように通常は深いHOMOおよび深いLUMOを有する、利用可能な標準的な量子ドットを使用することが望まれる。適切な有機ホストも、深いHOMOもしくは深いLUMOのいずれか、またはその両方を有するべきである。ある好ましい態様では、有機ホストは、−3.0eVより低い、より好ましくは−3.5eVより低い、特に好ましくは−4.0eVより低いLUMOを有する。別の好ましい態様では、有機ホストは、−5.7eVより低い、より好ましくは−6.0eVより低い、特に好ましくは−6.2eVより低いHOMOを有する。
【0030】
深いHOMOまたは深いLUMOの有機ホストは、(1個以上の)強力な電子求引基を含む化合物から選択することができ、好ましくはハロゲン、ニトリル、カルボニル、およびニトロ基から選択することができ、例えば−F、−CN、−CO、および−NO2である。
【0031】
深いHOMOまたは深いLUMOの有機ホストは、小分子、オリゴマー、ポリマー、およびデンドリマー、またはこれらの組合せから選択することができる。
【0032】
本明細書で使用される小分子という用語は、ポリマー、オリゴマー、デンドリマー、またはブレンドではない分子と定義される。特に、繰り返し構造が小分子にはない。小分子の分子量は、典型的には繰り返し単位の数が少ないポリマー、オリゴマー、またはそれ以下の範囲にある。
【0033】
小分子の分子量は、好ましくは4000g/molより低く、特に好ましくは3000g/molより低く、特に非常に好ましくは2000g/molより低い。
【0034】
本発明のポリマーは、好ましくは10ないし10000、特に好ましくは20ないし5000、特に非常に好ましくは50ないし2000の繰り返し単位を有する。本発明によるオリゴマーは、好ましくは2ないし9の繰り返し単位を有する。ポリマーおよびオリゴマーの分枝指数は、0(分枝のない線状ポリマー)ないし1(完全に分枝したデンドリマー)である。本明細書で使用されるデンドリマーという用語は、M. FischerらのAngew. Chem., Int. Ed. 1999、38、885)により定義される。
【0035】
本発明のポリマーの分子量(MW)は、好ましくは10000ないし2000000g/molの範囲、特に好ましくは100000ないし1500000g/molの範囲、特に非常に好ましくは200000ないし1000000g/molの範囲にある。MWの決定は、例えば内部標準がポリスチレンであるゲル透過クロマトグラフィ(GPC)を用いることによる、当業者に公知の標準的な方法により行うことができる。
【0036】
ブレンドは、少なくとも1つのポリマー、デンドリマー、またはオリゴマー成分を含む混合物である。
【0037】
本発明においては、1ないし40個のC原子を有するアルキル基であって、さらに個々のH原子またはCH2基が−R2C=CR2−、−C≡C−、Si(R22、Ge(R22、Sn(R22、C=O、C=S、C=Se、C=NR2、−O−、−S−、−COO−、または−CONR2−により置換されていてもよいアルキル基は、好ましくは、基、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、ネオヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、シクロヘプチル、n−オクチル、シクロオクチル、2−エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、および2,2,2−トリフルオロエチルを意味すると解釈される。本発明においては、アルケニル基は特に、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、およびシクロオクテニルを意味すると解釈される。本発明において、アルキニル基は特に、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、またはオクチニルを意味すると解釈される。C1−ないしC40−アルコキシ基は、好ましくは、メトキシ、トリ−フルオロメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、または2−メチルブトキシを意味すると解釈される。
【0038】
本発明においては、芳香族環構造は、6ないし60個のC原子、好ましくは6ないし40個のC原子、より好ましくは6ないし24個のC原子を、環構造内に含有する。本発明においては、ヘテロ芳香族環構造は、1ないし79個のC原子および少なくとも1個のヘテロ原子を環構造内に含有し、より好ましくは2ないし40個のC原子および少なくとも1個のヘテロ原子、最も好ましくは2ないし24個のC原子および少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、但しC原子およびヘテロ原子の合計が少なくとも5であることを条件とする。ヘテロ原子は、好ましくは、N、O、および/またはSから選択される。本発明においては、芳香族またはヘテロ芳香族環構造はさらに、必ずしもアリールまたはヘテロアリール基のみを含有するとは限らない構造であって、代わりに複数のアリールまたはヘテロアリール基が非芳香族単位(好ましくはH以外の原子が10%未満)、例えばC、N、またはO原子により接続されていてもよい構造を意味すると解釈されるものとする。したがって、例えば、9,9’−スピロビフルオレン、9,9−ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテル、スチルベンなどの構造も、本発明における芳香族環構造であると解釈されるものとし、2個以上のアリール基が例えば直鎖状もしくは環状アルキル基によってまたはシリル基によって、また同様にビアリールもしくはオリゴアリール基によって接続される構造も、同様である。
【0039】
5ないし60個の環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香族環構造であって、それぞれの場合に上述の基Rにより置換されていてもよく、かつ芳香族またはヘテロ芳香族環構造に任意の所望の位置を介して結合されていてもよい環構造は、特に、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ベンズアントラセン、ペリレン、フルオランテン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、テルフェニル、テルフェニレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、シス−またはトランス−インデノフルオレン、トルキセン、イソトルキセン、スピロトルキセン、スピロイソトルキセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、シス−またはトランス−インデノカルバゾール、シス−またはトランス−インドロカルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナンスロイミダゾール、ピリジミダゾール、ピラジニミダゾール、キノキサリニミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロキサゾール、イソオキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5−ジアザアントラセン、2,7−ジアザピレン、2,3−ジアザピレン、1,6−ジアザピレン、1,8−ジアザピレン、4,5−ジアザピレン、4,5,9,10−テトラアザペリレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン、およびベンゾチアジアゾール、またはこれらの基の組合せから誘導された基を意味すると解釈される。
【0040】
好ましい態様では、有機ホストはコポリマーであり、より好ましくは共役コポリマーであって、深いHOMOまたは深いLUMO、またはその両方を有する少なくとも1つの繰り返し単位を含むものである。
【0041】
コポリマーに好ましい繰り返し単位は、例えばWO 2005/033174 A1に開示されるような、式(1)および(2)のものである
【化1】
【0042】
(式中、Ar8およびAr9は、互いに独立して、3価の芳香族炭化水素基または3価のヘテロ環基を示し、X3およびX4は、互いに独立して、O、S、C(=O)、S(=O)、SO2、C(R1)(R2)、Si(R1)(R2)、N(R1)、B(R1)、P(R1)、またはP(=O)(R1)を示し、X5およびX6は、互いに独立して、N、B、P、C(R1)、またはSi(R1)を示し、R1およびR2は、互いに独立して、H、ハロゲン、−CN、−NC、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)NR000、−C(=O)X、−C(=O)R0、−NH2、−NR000、−SH、−SR0、−SO3H、−SO20、−OH、−NO2、−CF3、−SF5、任意に置換されていてもよいシリル、または1ないし40個のC原子を有するカルビルもしくはヒドロカルビル(これらは、任意に置換されていてもよく、任意に1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい)から選択される同一のまたは異なる基であり、任意に基R1およびR2はこれらが結合するフルオレン部分を有するスピロ基を形成していてもよく、Xはハロゲンであり、R0およびR00は、互いに独立して、H、または任意に1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい、任意に置換されていてもよいカルビルもしくはヒドロカルビル基であり、さらに式中、X3およびAr9は、Ar9の芳香族環内で隣接する炭素原子に結合され、X4およびAr8は、Ar9の芳香族環内で隣接する炭素原子に結合され、X5およびAr9は、Ar8の芳香族環内で隣接する原子に結合され、X6およびAr8は、Ar9の芳香族環内で隣接する原子に結合されている)。
【0043】
式(1)の繰り返し単位は、好ましくは下記の部分式を有する。
【化2】
【0044】
コポリマーに関する別の好ましい繰り返し単位は、例えばWO2003/099901A1に開示されるような式(3)のものである
【化3】
【0045】
(式中、Ar’およびAr”は、芳香族炭化水素基またはヘテロ環基を示し;X7およびX8の一方は、C(=O)またはC(R1)(R2)を示し、他方は、O、S、C(=O)、S(=O)、SO2、C(R1)(R2)、Si(R1)(R2)、N(R1)、B(R1)、P(R1)、またはP(=O)(R1)を示し、Qは、X9、X9−X10、またはX11=X12であり、X9およびX10は、互いに独立して、O、S、C(=O)、S(=O)、SO2、C(R1)(R2)、Si(R1)(R2)、N(R1)、B(R1)、P(R1)、またはP(=O)(R1)を示し、X11およびX12は、互いに独立して、N、B、P、C(R1)、またはSi(R1)を示し、Zは、−CR1=CR2−または−C≡C−を示し、zは0または1であり、R1は、上記にて定義された通りであり、R2は、上記にて定義された通りである)。
【0046】
式(3)の繰り返し単位は、好ましくは下記の部分式から選択される。
【化4】
【0047】
コポリマーに関する好ましい繰り返し単位は、例えばDE 102006003710.3に開示されるような、式(4)のものである
【化5】
【0048】
(式中、M0は、複数出現する場合、互いに独立して、2ないし40個のC原子を有する芳香族、ヘテロ芳香族、または非芳香族環構造であり(これらは、置換されておらず、または1個以上の同一のもしくは異なる基R1で置換されている)、K1、2およびYは、複数出現する場合、互いに独立して、Mと共に環構造を形成する架橋基であり(これらは、B(R1)、C(R12、Si(R12、C=O、C=S、C=Se、C=Te、C=NR1、C=C(R12、O、S、S=O、SO2、S(R12、N(R1)、P(R1)、P(=O)R1、P(=S)R1、C≡C、またはこれらの基の1、2、3、もしくは4個の組合せから選択される)、Jは、ポリマーへの結合基であり、置換されたまたは置換されていないC−C二重または三重結合、置換された芳香族またはヘテロ芳香族または非芳香族環の環構造であって2ないし40個のC原子を有するもの(これらは、置換されておらず、または1個以上の同一のもしくは異なる基R1で置換される)であってもよく、R1は、式1で定義された通りであり、x、y、pは、複数出現する場合、互いに独立して0または1であり、但し、xおよびyの少なくとも一方は1であることを条件とし、qは、整数≧1である)。
【0049】
式(4)の繰り返し単位は、好ましくは、下記の部分式から選択される
【化6】
【0050】
(式中、R1は、上記にて定義される)。
【0051】
一般に、量子ドットは、その励起子が3つの空間次元全てにおいて閉じ込められた半導体である。その結果、これらはバルク状の半導体と個々の分子との間の性質を有する。
【0052】
量子ドット構造を作製するいくつかの方法があり、例えば化学的方法もしくはイオン注入により、またはナノデバイスは、最新技術のリソグラフィ法により作製される。
【0053】
本発明の量子ドット(QD)は、化学的方法により生成された、コロイド状量子ドットまたはナノドットまたはナノ結晶としても知られるコロイド状半導体ナノ結晶を指す。
【0054】
当業者に公知の任意の方法を使用してQDを生成することができるが、好ましくは、無機QDの制御された成長を行うための溶液相コロイド法が使用される。コロイド法は、例えば、Alivisatos, A. P.、「Semiconductor clusters, nanocrystals, and quantum dots」、Science 271:933 (1996); X. Peng、M. Schlamp、A. Kadavanich、A. P. Alivisatos、「Epitaxial growth of highly luminescent CdSe/CdS Core/Shell nanocrystals with photostability and electronic accessibility」、J. Am. Chem. Soc. 30:7019ないし7029 (1997);およびC. B. Murray、D. J. Norris、M. G. Bawendi、「Synthesis and characterization of nearly monodisperse CdE (E=sulfur, selenium, tellurium) semiconductor nanocrystallites」、J. Am. Chem. Soc. 115:8706 (1993)を参照することができる。これらの方法は、クリーンルームおよび高価な製造設備を必要とすることなく、低コストで処理可能になる。これらの方法では、高温で熱分解を受ける金属前駆体を、有機界面活性剤分子の高温溶液中に速やかに注入する。これらの前駆体は高温でばらばらになり、ナノ結晶が核になるように反応する。この初期核生成段階の後、成長している結晶にモノマーを添加することにより成長段階を開始する。その結果、結晶質ナノ粒子が、その表面をコーティングする有機界面活性剤分子を有する溶液中に得られる。
【0055】
これらの方法において、合成は、数秒間にわたって生じる初期核生成事象およびその後に行われる数分間の高温での結晶成長として引き起こされる。パラメータ、例えば温度、存在する界面活性剤のタイプ、前駆体材料、界面活性剤とモノマーとの比は、反応の性質および進行が変化するように修正することができる。温度は、核生成事象の構造的段階、前駆体の分解速度、および成長速度を制御する。有機界面活性剤分子は、溶解度とナノ結晶形状の制御の両方を媒介する。界面活性剤とモノマー、界面活性剤同士、モノマー同士の比、およびモノマーの個々の濃度は、成長動態に強力な影響を及ぼす。
【0056】
QDに組み込むことができる適切な半導体材料は、II−VI族の元素、例えばCdSe、CdS、CdTe、ZnSe、ZnO、ZnS、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、およびこれらの合金、例えばCdZnSe;III−V族、例えばInAs、InP、GaAs、GaP、InN、GaN、InSb、GaSb、AlP、AlAs、AlSb、および合金、例えばInAsP、CdSeTe、ZnCdSe、InGaAs;IV−VI族、例えばPbSe、PbTe、およびPbS、およびこれらの合金;III−VI族、例えばInSe、InTe、InS、GaSe、および合金、例えばInGaSe、InSeS;IV族半導体、例えばこれらのSiおよびGe合金、およびこれらの組合せが複合構造に含まれるものから選択される。
【0057】
さらなる適切な半導体材料には、米国特許出願第10/796,832号に開示されたものが含まれ、II−VI族、III−V族、IV−VI族、およびIV族半導体を含めた任意のタイプの半導体が含まれる。適切な半導体材料には、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイヤモンドを含む)、P、BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlS、AlSb、BaS、BaSe、BaTe、CaS、CaSe、CaTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、BeS、BeSe、BeTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、Si34、Ge34、Al23、(Al,Ga,In)2(S,Se,Te)3、Al2CO、およびそのような半導体の2以上の適切な組合せが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0058】
いくつかの態様では、QDは:p型ドーパントまたはn型ドーパントからなる群からのドーパントを含んでいてもよい。ドーパントQDの性質および合成については、「n-type colloidal semi-conductor nanocrystals」、Moonsub Shim & Philippe Guyot-Sionnest、Nature vol407 (2000) p981、および「Doped Nanocrystals」、Norrisら、Science、319 (2008)、p1776を参照することができる。本発明によるQDは、II−VIまたはIII−V半導体も含むことができる。II−VIまたはIII−V半導体ナノ結晶の例には、周期表のII族の元素、例えばZn、Cd、およびHgと、VI族の任意の元素、例えばS、Se、Te、Poとの任意の組合せ;周期表のIII族の元素、例えばB、Al、Ga、In、およびTlと、V族の任意の元素、例えばN、P、As、Sb、およびBiとの任意の組合せが含まれる。
【0059】
量子ドットでは、フォトルミネッセンスおよびエレクトロルミネッセンスは、ナノ結晶のバンド端状態から生ずる。ナノ結晶からの放射バンド端発光は、X. Pengら、J. Am. Chem. Soc. Vol119:7019ないし7029 (1997)に報告されたように、表面電子状態から生じる非放射減衰チャネルと競合する。したがってダングリングボンドなどの表面欠陥の存在により、非放射再結合中心およびより低い発光効率がもたらされる。表面トラップ状態を不動態化し除去するのに効率的な方法は、X. Pengら、J. Am. Chem. Soc. Vol119:7019ないし7029 (1997)に開示されるように、無機シェル材料をナノ結晶の表面にエピタキシャル成長させることである。シェル材料は、電子準位がコア材料に対してI型になるように選択することができる(例えば、電子および正孔をコアに局在化させる電位ステップが提供されるような、より大きなバンドギャップを有する)。その結果、非放射再結合の確率を低下させることができる。
【0060】
コア−シェル構造は、シェル材料を含有する有機金属前駆体を、コアナノ結晶を含有する反応混合物に添加することによって得られる。この場合、核生成事象の後に続けて成長するというより、コアは核として働き、シェルはその表面から成長する。反応の温度は、シェル材料のナノ結晶の独立した核生成を防止しながら、コア表面へのシェル材料モノマーの添加が優先されるように、低く保たれる。反応混合物中の界面活性剤は、シェル材料の制御された成長を誘導しかつ溶解度を確保するために存在する。均一なエピタキシャル成長によるシェルは、2つの材料の間に小さい格子不整合がある場合に得られる。さらに球形は、大きい曲率半径からの界面歪みエネルギーを最小限に抑えるように作用し、それによって、ナノ結晶系の光学的性質を低下させる可能性のある転位の形成が防止される。
【0061】
好ましい態様では、ZnSは、公知の合成プロセスを使用して、シェル材料として使用することができる。
【0062】
特に好ましい態様では、本発明のQDは、II−VI族半導体から選択される半導体材料、その合金、およびそれから作製されたコア/シェル構造を含む。他の態様では、II−VI族半導体は、CdSe、CdS、CdTe、ZnSe、ZnS、ZnTe、これらの合金、その組合せ、およびそのコア/シェル、コアマルチシェル層状構造である。
【0063】
いくつかの態様では、本発明のQDは、その表面に接合し、協働し、関連付けられ、または取着された配位子をさらに含む。適切な配位子は、米国特許出願第10/656,910号および米国仮特許出願第60/578,236号に開示されたものも含め、当業者に公知の任意の基を含む。そのような配位子の使用は、ポリマーを含めた様々な溶媒およびマトリックス材料中にQDを組み込むという能力を高めることができる。さらに好ましい配位子は、US2007/0034833A1に開示されるような「ヘッド−ボディ−テール(head-body-tail)」構造を有するようなものであり、さらに好ましくは、「ボディ」は、US20050109989A1に開示されるように電子または正孔輸送機能を有する。
【0064】
量子ドット(QD)という用語は、サイズが実質的に単分散性であるナノ結晶を指す。QDは、少なくとも1つの領域または特徴的寸法を有し、その寸法は約500nm未満であり、約1nm未満程度にまで至る。単分散性という用語は、サイズ分布が示した値の±10%以内であることを意味し、例えば直径が100nmの単分散性ナノ結晶は、90nmまたはそれより大きく、110nmまたはそれより小さいサイズの範囲を包含する。
【0065】
QD、特にコア−シェルQDの有限サイズにより、これらはバルク状にある同様のものに比べて固有の光学的性質を示す。発光スペクトルは、バンド端ルミネッセンスから生じる単一のガウスピークによって定められる。発光ピークの位置は、量子閉じ込め効果の直接的な結果として、コア粒度により決定される。電子的および光学的性質は、Al. L. EfrosおよびM. Rosen、Annu. Rev. Mater. Sci. 2000. 30:475ないし521により論じられている。
【0066】
浅いHOMOを有するOLEDに適切でありおよび/または利用可能な有機ホストを使用することも、非常に望まれる。
【0067】
別の好ましい態様では、量子ドットは、有機ホストのHOMOより少なくとも0.3eV、より好ましくは0.4eV、非常に好ましくは0.5eV高い、イオン化ポテンシャルを有する。
【0068】
この好ましい態様では、量子ドットは、−5.7eVより高く、より好ましくは−5.5eVより高く、非常に好ましくは−5.3eVより高い、本明細書ではVBとも呼ばれる価電子帯またはHOMOを有するものから好ましくは選択される。以下、浅いVB量子ドットとも呼ばれるこの態様に適切な量子ドットは、2つの異なる方法で得てもよい。
【0069】
別の好ましい態様では、浅いVB量子ドットは、−5.7eVより高い(真空準位に対して)価電子帯を有する(1以上の)半導体元素を含む。図3は、いくつかの一般的な無機半導体の価電子帯端および伝導帯端を示す。したがって適切な半導体は、Si、Ge、GaP、GaInP、GaAs、InGaAs、AlAs、AlSb、InAs、GaSb、InSb、ZnTe、CdTe、およびこれらの合金から選択することができる。さらに好ましくは、前記浅いVB量子ドットはコア−シェル構造を有し、シェルが、−5.7eVより高い(真空準位に対して)価電子帯を有する(1以上の)半導体元素を含む。
【0070】
さらに別の好ましい態様では、浅いVB量子ドットは、−5.7eVより高い、より好ましくは−5.5eVより高い、非常に好ましくは−5.3eVより高いHOMOを有する有機配位子を含む。
【0071】
量子ドットのHOMOは、酸化還元活性分子を用いた表面官能化によって変えることができ、例えば、Denis Dorokhinら、Nanotechnology (10)、21、p285703により報告されたようなフェロセンでコーティングされたCd/ZnSコア−シェル量子ドット、およびQuernerら、Phys. Chem. Chem. Phys. (05)、7、p3204により報告されたようなテトラアニリンでコーティングされたCdSe量子ドットがある。
【0072】
この態様に適切な配位子は、一般式(5)により選択することができる:D−B−A 式(5)(式中、Aは、QD表面に固定されるアンカー基、例えばチオール基であり;Bは、好ましくはアルキル、アルコキシ基から選択されるスペーサであり;Dは、−5.7eVより高い、より好ましくは−5.5eVより高い、非常に好ましくは−5.3eVより高いHOMOを有する有機官能基である)。
【0073】
好ましくは、適切なDは、以下に記述されるホストおよび/またはマトリックス化合物から選択することができる。
【0074】
非常に好ましくは、適切なDは、正孔輸送材料(HTM)から選択される。
【0075】
原則として、OLEDの当業者に公知の任意のHTMは、本明細書に記述される態様による配位子に用いることができる。本明細書の他の箇所で述べているHTMに加え、HTMは、アミン、トリアリールアミン、チオフェン、カルバゾール、フタロシアニン、ポルフィリン、これらの異性体および誘導体から選択してもよい。HTMは、アミン、トリアリールアミン、チオフェン、カルバゾール、フタロシアニン、ポルフィリンから特に選択してもよい。
【0076】
正孔輸送層に適切な材料は、フェニレンジアミン誘導体(US 3615404)、アリールアミン誘導体(US 3567450)、アミノ置換カルコン誘導体(US 3526501)、スチリルアントラセン誘導体(JP A 56−46234)、多環式芳香族化合物(EP 1009041)、ポリアリールアルカン誘導体(US 3615402)、フルオレノン誘導体(JP A 54−110837)、ヒドラゾン誘導体(US 3717462)、スチルベン誘導体(JP A 61−210363)、シラザン誘導体(US 4950950)、ポリシラン(JP A 2−204996)、アニリンコポリマー(JP A 2−282263)、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン、PVK、ポリピロール、ポリアニリンおよびさらなるコポリマー、ポルフィリン化合物(JP A 63−2956965)、芳香族ジメチリデン型化合物、カルバゾール化合物、例えばCDBP、CBP、mCP、芳香族第3級アミンおよびスチリルアミン化合物(US 4127412)、およびモノマートリアリールアミン(US 3180730)である。さらになおトリアリールアミノ基を分子中に存在させてもよい。
【0077】
少なくとも2つの第3級アミン単位を含有する芳香族第3級アミン(US 4720432およびUS 5061569)、例えば4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPD)(US 5061569)またはMTDATA(JP A 4−308688)、N,N,N’,N’−テトラ(4−ビフェニル)−ジアミノビフェニレン(TBDB)、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン(TAPC)、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−3−フェニルプロパン(TAPPP)、1,4−ビス[2−[4−[N,N−ジ(p−トリル)アミノ]フェニル]ビニル]ベンゼン(BDTAPVB)、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル(TTB)、TPD、N,N,N’,N’−テトラ−フェニル−4,4’’’−ジアミノ−1,1’:4’,1’’:4’’,1’’’−クアテルフェニル、同様に、カルバゾール単位を含有する第3級アミン、例えば4(9H−カルバゾール−9−イル)−N,N−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ベンゼンアミン(TCTA)が好ましいであろう。US 2007/0092755 A1によるヘキサアザトリフェニレン化合物も同様に好ましいであろう。
【0078】
式(6)ないし(11)の、以下のトリアリールアミン化合物も特に好ましいと考えられ、これらは置換されていてもよく、EP 1162193 A1、EP 650955
A1、Synth. Metals 1997, 91(1ないし3), 209、DE 19646119 A1、WO 2006/122630 A1、EP 1860097 A1、EP 1834945 A1、JP 08053397 A、US 6251531 B1、およびWO 2009/041635に開示されたものである。
【化7】
【0079】
式(1)による少なくとも1つの配位子を含む浅いVB量子ドットは、例えばDenis Dorokhinら、Nanotechnology (2010)、21、p285703により報告されたような配位子交換によって合成することができる。類似する例は、以下のように示すことができる。式(12)を有するトリアリールアミンが特に非常に好ましいであろう。
【化8】
【0080】
配位子交換は、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)でコーティングされたコア−シェルCdSe/ZnS QDのトルエン溶液と、配位子1のトルエン溶液とを、例えば40℃での加熱の支援を受けて窒素流中で混合することにより、実現することが可能である。反応時間を制御することによって、種々の程度の配位子交換を得ることができる。
【0081】
本明細書に記述されるこのおよびさらなる態様に適切な有機ホストは、上述の(ポリマー)ホスト材料、および当業者に公知のOLED用の任意のホストまたはマトリックス材料から選択することができる。
【0082】
ホスト材料は、特にOLEDのりん光発光体と組み合わせて使用されるホストを意味する場合、マトリックスまたはマトリックス材料とも呼ばれる。発光体単位を含むコポリマーの場合、ポリマー主鎖は、ホストと同じ機能を有していてもよく、ホストについて言及する場合を意味してもよい。
【0083】
好ましくは、本発明に適切なホスト材料は、蛍光発光体用のホスト材料から選択される。
【0084】
蛍光発光体に好ましいホスト材料は、アントラセン、ベンズアントラセン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、デヒドロフェナントレン、チオフェン、トリアジン、イミダゾール、およびこれらの誘導体から選択してもよい。
【0085】
蛍光発光体に特に好ましいホスト材料は、オリゴアリーレンのクラス(例えば、EP 676461による2,2’,7,7’−テトラフェニル−スピロビフルオレン、またはジナフチルアントラセン)、特に縮合芳香族基を含有するオリゴアリーレン、例えばフェナントレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレン、スピロフルオレン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、デカシクレン、ルブレン、オリゴアリーレンビニレン(例えば、EP 676461による4,4’−ビス(2,2−ジフェニルエテニル)−1,1’−ビフェニル(DPVBi)または4,4−ビス−2,2−ジフェニルビニル−1,1−スピロビフェニル(スピロ−DPVBi))、ポリポダル金属錯体(例えば、WO 2004/081017による)、特に8ヒドロキシキノリンの金属錯体、例えばアルミニウム(III)トリス(8−ヒドロキシキノリン)(アルミニウムキノレートAlq3)またはビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−(フェニルフェノリノラト)アルミニウムであって、イミダゾールキレートも有するもの(US 2007/0092753 A1)、およびキノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、正孔伝導化合物(例えば、WO 2004/058911による)、電子伝導化合物、特にケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシドなど(例えば、WO 2005/084081およびWO 2005/084082による)、アトロプ異性体(例えば、WO 2006/048268による)、ボロン酸誘導体(例えばWO 2006/117052による)またはベンズアントラセン(例えば、DE 102007024850)から選択してもよい。特に好ましいホスト材料は、ナフタレン、アントラセン、ベンズアントラセン、および/またはピレンを含有するオリゴアリーレン、またはこれらの化合物のアトロプ異性体、ケトン、ホスフィンオキシド、およびスルホキシドのクラスから選択してもよい。特に非常に好ましいホスト材料は、アントラセン、ベンズアントラセン、および/またはピレンを含有するオリゴアリーレン、またはこれらの化合物のアトロプ異性体のクラスから選択してもよい。本発明において、オリゴアリーレンは、少なくとも3個のアリールまたはアリーレン基が互いに結合されている化合物を、任意に意味してもよいと解釈されるものとする。
【0086】
蛍光発光体にさらに好ましいホスト材料は、特に式(13)の化合物から選択してもよい:
Ar4−(Ar5p−Ar6 式(13)(式中、Ar4、Ar5、Ar6は、出現する毎に、同一のまたは異なった、1個以上の基により置換されていてもよい5ないし30個の芳香族環原子を有するアリールまたはヘテロアリール基であり、pは、1、2、または3であり、Ar4、Ar5、およびAr6中のπ電子の合計は、p=1の場合に少なくとも30であり、p=2の場合は少なくとも36であり、p=3の場合は少なくとも42である)。
【0087】
式(13)のホスト材料では、基Ar5は、1個以上の基R1により置換されていてもよいアントラセンを表し、基Ar4およびAr6は、9および10位で結合されていることが特に好ましいであろう。特に非常に好ましくは、基Ar4および/またはAr6の少なくとも一方は、1−もしくは2−ナフチル、2−、3−、もしくは9−フェナントレニル、または2−、3−、4−、5−、6−、もしくは7−ベンズアントラキセニルであって、そのそれぞれが1個以上の基R1により置換されていてもよいものから選択される縮合アリール基であってもよい。アントラセンをベースにした化合物は、US 2007/0092753 A1およびUS 2007/0252517 A1に記載されており、例えば2−(4−メチルフェニル)−9,10−ジ−(2−ナフチル)アントラセン、9−(2−ナフチル)−10−(1,1’−ビフェニル)アントラセン、および9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルエテニル)フェニル]アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、および1,4−ビス(9’−エチニルアントラセニル)ベンゼンである。2個のアントラセン単位を含有するホスト材料(US 2008/0193796 A1)、例えば10,10’−ビス[1,1’,4’,1’’]テルフェニル−2−イル−9,9’−ビスアントラセニルも好ましいであろう。
【0088】
さらに好ましいホスト材料は、アリールアミン、スチリルアミン、フルオレセイン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、シクロペンタジエン、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾオキサゾリン、オキサゾン、ピリジン、ピラジン、イミン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンズイミダゾール(US 2007/0092753 A1)の誘導体、例えば2,2’,2’’−(1,3,5−フェニレン)トリス[1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール]、アルダジン、スチルベン、スチリルアリーレン誘導体、例えば9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルエテニル)フェニル]アントラセン、およびジスチリルアリーレン誘導体(US 5121029)、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ジケトピロロピロール、ポリメチン、メロシアニン、アクリドン、キナクリドン、ケイ皮酸エステル、および蛍光色素であってもよい。
【0089】
アリールアミンおよびスチリルアミンの誘導体、例えば4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−(2−ナフチル)−アミノ]ビフェニル(TNB)が特に好ましいであろう。
【0090】
蛍光発光体用のホストとしてオリゴアリーレンを有する好ましい化合物は、例えばUS
2003/0027016 A1、US 7326371 B2、US 2006/043858 A、US 7326371 B2、US 2003/0027016 A1、WO 2007/114358、WO 2008/145239、JP 3148176 B2、EP 1009044、US 2004/018383、WO 2005/061656 A1、EP 0681019B1、WO 2004/013073A1、US 5077142、WO 2007/065678、およびUS 2007/0205412 A1に開示されたような化合物であってもよい。特に好ましいオリゴアリーレンをベースにした化合物は、式(14)ないし(20)を有する化合物であってもよい。
【化9】
【0091】
蛍光発光体用のさらなるホスト材料は、スピロビフルオレンおよびその誘導体、例えばEP 0676461に開示されたスピロDPVBiおよびUS 6562485に開示されたインデノフルオレンから選択することができる。
【0092】
本発明に関する別の好ましいホスト材料は、りん光発光体用のホスト材料、即ちケトン、カルバゾール、トリアリールアミン、インデノフルオレン、フルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、デヒドロフェナントレン、チオフェン、トリアジン、イミダゾール、およびこれらの誘導体から選択してもよいマトリックス材料から選択される。
【0093】
好ましいマトリックス材料は、N,N−ビスカルバゾリルビフェニル(CBP)、カルバゾール誘導体(例えば、WO 2005/039246、US 2005/0069729、JP 2004/288381、EP 1205527、またはDE 102007002714による)、アザカルバゾール(例えば、EP 1617710、EP 1617711、EP 1731584、JP 2005/347160による)、ケトン(例えば、WO 2004/093207による)、ホスフィンオキシド、スルホキシド、およびスルホン(例えば、WO 2005/003253による)、オリゴフェニレン、芳香族アミン(例えば、US 2005/0069729による)、双極性マトリックス材料(例えば、WO 2007/137725による)、シラン(例えば、WO 2005/111172による)、9,9−ジアリールフルオレン誘導体(例えば、DE 102008017591による)、アザボロールまたはボロン酸エステル(例えば、WO
2006/117052による)、トリアゾール誘導体、オキサゾールおよびオキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、フェニレンジアミン誘導体、第3級芳香族アミン、スチリルアミン、インドール、アントロン誘導体、フルオレノン誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体、芳香族ジメチリデン化合物、ポルフィリン化合物、カルボジイミド誘導体、ジフェニルキノン誘導体、フタロシアニン誘導体、8ヒドロキシキノリン誘導体の金属錯体、例えばAlq3であってもよく、8ヒドロキシキノリン錯体は、トリアリールアミノフェノール配位子を含有していてもよく(US 2007/0134514 A1)、配位子として金属フタロシアニン、ベンゾオキサゾール、またはベンゾチアゾールを有する様々な金属錯体−ポリシラン化合物、正孔伝導ポリマー、例えばポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)、アニリンコポリマー、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体であってもよい。
【0094】
さらなる特に好ましいマトリックス材料は、例えばDE 102009023155.2、EP 0906947B1、EP 0908787B1、EP 906948B1、WO 2008/056746A1、WO 2007/063754A1、WO 2008/146839A1、およびWO 2008/149691A1に開示されたようなインドロカルバゾールおよびその誘導体(例えば、式(21)ないし(27))を含む化合物から選択してもよい。
【化10】
【0095】
好ましいカルバゾール誘導体の例は、1,3−N,N−ジカルバゾールベンゼン(=9,9’−(1,3−フェニレン)ビス−9H−カルバゾール)(mCP)、9,9’−(2,2’−ジメチル[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジイル)ビス−9H−カルバゾール(CDBP)、1,3−ビス(N,N’−ジカルバゾール)ベンゼン(=1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン)、PVK(ポリビニルカルバゾール)、3,5−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル、および式(28)ないし(32)の化合物である。
【化11】
【0096】
好ましいSiテトラアリール化合物は、例えば(US 2004/0209115、US 2004/0209116、US 2007/0087219 A1、US 2007/0087219 A1)、式(33)ないし(38)の化合物である。
【化12】
【0097】
りん光ドーパントに特に好ましいマトリックスは、式(39)の化合物(EP 652273 B1)であってもよい。
【化13】
【0098】
りん光ドーパントに関するさらなる特に好ましいマトリックス材料は、一般式(40)(EP 1923448A1)の化合物から選択してもよい:
[M(L)2n 式(40)(式中、M、L、およびnは、参考文献のように定義される)。好ましくは、MはZnであり、Lはキノリネートであり、nは2、3、または4である。[Znq22、[Znq23、および[Znq24が、特に非常に好ましい。
【0099】
金属オキシノイド錯体から選択される共ホストが好ましいと考えられ、リチウムキノレート(Liq)またはAlq3が特に好ましいであろう。
【0100】
好ましい態様では、マトリックス材料が小分子(SM)である。
【0101】
別の好ましい態様では、マトリックス材料は、以下に記述されるように、繰り返し単位として発光基を任意に含んでいてもよい共役ポリマーである。
【0102】
さらに別の好ましい態様では、マトリックス材料は、以下に記述されるように、繰り返し単位として発光基を任意に含んでいてもよい非共役ポリマーである。
【0103】
本明細書に記述される任意の態様による電子デバイスでは、QDは、II−VI族、III−V族、IV−VI族、およびIV族半導体、好ましくはZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、および2以上のそのような半導体の適切な組合せ、および/またはそのコア/シェル、コアマルチシェル層状構造を有するものから選択される少なくとも1つの要素を含んでいてもよい。本明細書に記述される態様による電子デバイスでは、QDの濃度は、QDが有機ホスト内で正孔トラップまたは電子トラップとして働くように選択してもよく、好ましくは0.5ないし20体積%、非常に好ましくは1ないし15体積%、最も好ましくは2ないし10体積%である。
【0104】
一態様では、電子デバイスは、少なくとも1つのさらなる有機発光体を含み、この発光体は、好ましくは、量子ドットの発光スペクトルと重なる吸収スペクトルを有していてもよい。
【0105】
他の好ましい態様では、活性層は、少なくとも1つの有機発光体および/または少なくとも1つの色素をさらに含んでいてもよい。
【0106】
好ましくは、量子ドットの発光スペクトルは、他の有機発光体または色素の吸収に重なる。それによって、フェルスターエネルギー転移を実現させることができる。
【0107】
適切な有機発光体は、蛍光またはりん光発光体から選択することができる。蛍光発光体が好ましい。
【0108】
本明細書で用いられるドーパントという用語は、発光体または発光体材料という用語に関しても使用される。
【0109】
本明細書に記述される態様に適切な有機蛍光発光体は、好ましくは、スチリルアミン誘導体、インデノフルオレン誘導体、ポリ芳香族化合物、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、キサンテン誘導体、ペリレン誘導体、フェニレン誘導体、フルオレン誘導体、アリールピレン誘導体、アリーレンビニレン誘導体、ルブレン誘導体、クマリン誘導体、ローダミン誘導体、キナクリドン誘導体、ジシアノメチレンピラン誘導体、チオピラン、ポリメチン誘導体、ピリリウムおよびチアピリリウム塩、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、ビス(アジニル)イミン−ホウ素化合物、ビス(アジニル)メテン化合物、カルボスチリル化合物、モノスチリルアミン、ジスチリルアミン、トリスチリルアミン、テトラスチリルアミン、スチリルホスフィン、スチリルエーテル、アリールアミン、インデノフルオレン−アミンおよびインデノフルオレン−ジアミン、ベンゾインデノフルオレン−アミン、ベンゾインデノフルオレン−ジアミン、ジベンゾインデノフルオレン−アミン、ジベンゾインデノフルオレン−ジアミン、置換または無置換トリスチルベン−アミン、ジスチリルベンゼンおよびジスチリルビフェニル誘導体、トリアリールアミン、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、フルオレン誘導体、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、フェナントレン誘導体、ペリレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、デカシクレン誘導体、コロネン誘導体、テトラフェニルシクロペンタジエン誘導体、ペンタフェニルシクロペンタジエン誘導体、フルオレン誘導体、スピロフルオレン誘導体、ピラン誘導体、オキサゾン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ピラジン誘導体、ケイ皮酸エステル、ジケトピロロピロール誘導体、およびアクリドン誘導体から選択される。
【0110】
青色蛍光発光体は、好ましくは、ポリ芳香族化合物、例えば9,10−ジ(2−ナフチルアントラセン)およびさらなるアントラセン誘導体、テトラセン、キサンテン、ペリレンの誘導体、例えば2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン、フェニレン、例えば4,4’−(ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニル、フルオレン、アリールピレン(US 2006/0222886)、アリーレンビニレン(US 5121029、US 5130603)、ルブレン、クマリン、ローダミン、キナクリドンの誘導体、例えばN,N’−ジメチルキナクリドン(DMQA)、ジシアノメチレンピラン、例えば4(ジシアノエチレン)−6−(4−ジメチルアミノスチリル−2−メチル)−4H−ピラン(DCM)、チオピラン、ポリメチン、ピリリウム、およびチアピリリウム塩、ペリフランテン、インデノペリレン、ビス(アジニル)イミン−ホウ素化合物(US 2007/0092753 A1)、ビス(アジニル)メテン化合物、およびカルボスチリル化合物であってもよい。
【0111】
他の好ましい青色蛍光発光体は、C.H. Chenら:「Recent developments in organic electroluminescent materials」Macromol. Symp. 125、(1997)、1ないし48、および「Recent progress of molecular organic electroluminescent materials and devices」Mat. Sci.and Eng. R、39 (2002)、143ないし222に記載される発光体であってもよい。
【0112】
態様による好ましい蛍光ドーパントは、モノスチリルアミン、ジスチリルアミン、トリスチリルアミン、テトラスチリルアミン、スチリルホスフィン、スチリルエーテル、およびアリールアミンのクラスから選択してもよい。
【0113】
モノスチリルアミンは、1個の置換または無置換スチリル基と、少なくとも1つの、好ましくは芳香族のアミンとを含有する化合物を意味すると解釈される。ジスチリルアミンは、2個の置換または無置換スチリル基と、少なくとも1つの、好ましくは芳香族のアミンとを含有する化合物を意味すると解釈される。トリスチリルアミンは、3個の置換または無置換スチリル基と、少なくとも1つの、好ましくは芳香族のアミンとを含有する化合物を意味すると解釈される。テトラスチリルアミンは、4個の置換または無置換スチリル基と、少なくとも1つの、好ましくは芳香族のアミンとを含有する化合物を意味すると解釈される。スチリル基は、特に好ましくは、さらに置換されていてもよいスチルベンであってもよい。対応するホスフィンおよびエーテルは、アミンと同様に定義される。本発明において、アリールアミンまたは芳香族アミンは、窒素に直接結合された3個の置換または無置換芳香族またはヘテロ芳香族環構造を含有する化合物を、任意に意味してもよいと解釈される。これらの芳香族またはヘテロ芳香族環構造の少なくとも1つは、好ましくは少なくとも14個の芳香族環原子を有する、好ましくは縮合環構造であってもよい。その好ましい例は、芳香族アントラセン−アミン、芳香族アントラセン−ジアミン、芳香族ピレン−アミン、芳香族ピレン−ジアミン、芳香族クリセン−アミン、および芳香族クリセン−ジアミンである。芳香族アントラセン−アミンは、1個のジアリールアミノ基が、好ましくは9位でアントラセン基に直接結合された化合物を意味すると解釈してもよい。芳香族アントラセン−ジアミンは、2個のジアリールアミノ基が、好ましくは9,10−位でアントラセン基に直接結合された化合物を意味すると解釈してもよい。芳香族ピレン−アミン、ピレン−ジアミン、クリセン−アミン、およびクリセン−ジアミンは、それらと同様に定義され、ピレン上のジアリールアミノ基が、好ましくは1位または1,6−位で結合されている。
【0114】
さらなる好ましい蛍光ドーパントは、例えばWO 2006/122630によるインデノフルオレン−アミンおよびインデノフルオレン−ジアミンと、例えばWO 2008/006449によるベンゾインデノフルオレン−アミンおよびベンゾインデノフルオレン−ジアミンと、例えばWO 2007/140847によるジベンゾインデノフルオレン−アミンおよびジベンゾインデノフルオレン−ジアミンとから選択してもよい。
【0115】
スチリルアミンのクラスからのドーパントの例は、置換または無置換トリスチルベン−アミン、またはWO 2006/000388、WO 2006/058737、WO 2006/000389、WO 2007/065549、およびWO 2007/115610に記載されるドーパントである。ジスチリルベンゼンおよびジスチリルビフェニル誘導体は、US 5121029に記載されている。他のスチリルアミンは、US 2007/0122656 A1に見出される。
【0116】
特に好ましいスチリルアミンドーパントおよびトリアリールアミンドーパントは、式(41)ないし(46)の化合物であり、US 7250532 B2、DE 102005058557 A1、CN 1583691 A、JP 08053397 A、US
6251531 B1、およびUS 2006/210830 Aに開示される。
【化14】
【0117】
他の好ましい蛍光ドーパントは、EP 1957606 A1およびUS 2008/0113101 A1に開示されたトリアリールアミンの群から選択してもよい。
【0118】
他の好ましい蛍光ドーパントは、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、フルオレン、ペリフランテン、インデノペリレン、フェナントレン、ペリレン(US 2007/0252517 A1)、ピレン、クリセン、デカシクレン、コロネン、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、フルオレン、スピロフルオレン、ルブレン、クマリン(US 4769292、US 6020078、US 2007/0252517 A1)、ピラン、オキサゾン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、ピラジン、ケイ皮酸エステル、ジケトピロロピロール、アクリドン、およびキナクリドン(US 2007/0252517 A1)の誘導体から選択してもよい。
【0119】
アントラセン化合物の中で、9,10−置換アントラセン、例えば9,10−ジフェニルアントラセンおよび9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセンが特に好ましいであろう。1,4−ビス(9’−エチニルアントラセニル)ベンゼンも好ましいドーパントであろう。
【0120】
りん光発光体の例は、出願WO 00/70655、WO 01/41512、WO 02/02714、WO 02/15645、EP 1191613、EP 1191612、EP 1191614、およびWO 2005/033244により明らかにされる。一般に、りん光OLEDの従来技術により使用され、有機エレクトロルミネッセンスの分野の当業者に公知である、全てのりん光錯体が適切である。
【0121】
本発明において、りん光は、比較的高いスピン多重度、即ちスピン状態>1の励起状態、特に励起三重項状態からのルミネッセンスを意味すると解釈される。本出願において、全てのルミネッセンス遷移金属錯体およびルミネッセンスランタニド錯体、特に全てのイリジウム、白金、および銅錯体は、りん光化合物と見なされることになる。りん光発光体は、好ましくは式M(L)z(式中、Mは金属原子であり、Lは、出現する毎に、互いに独立して、1カ所、2カ所、またはそれ以上の位置を介してMに結合されまたは配位した有機配位子であり、zは整数≧1であり、好ましくは1、2、3、4、5、または6であり、任意にこれらの基は、1カ所以上、好ましくは1、2、または3カ所の位置を介して、好ましくは配位子Lを介してポリマーに結合されていてもよい)を有する金属錯体であってもよい。
【0122】
Mは特に、遷移金属から選択される、好ましくはVIII族の遷移金属、またはランタノイド、またはアクチニドから選択される、特に好ましくはRh、Os、Ir、Pt、Pd、Au、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Re、Cu、Zn、W、Mo、Pd、Ag、またはRuから選択される、特に非常に好ましくはOs、Ir、Ru、Rh、Re、Pd、またはPtから選択される金属原子であってもよい。MはZnであってもよい。
【0123】
好ましい配位子Lは、2フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2(2−チエニル)ピリジン誘導体、2(1−ナフチル)ピリジン誘導体、または2フェニルキノリン誘導体であってもよい。これらの化合物全ては、例えば青色の場合はフルオロ−またはトリフルオロメチル置換基により置換されていてもよい。補助配位子は、好ましくはアセチルアセトネートまたはピクリン酸である。
【0124】
特に、US 2007/0087219 A1に開示されたようなPtまたはPdと式(47)の四座配位子との錯体(式中、R1ないしR14およびZ1ないしZ5は参考文献で定義された通りである)、拡張環構造を有するPtポルフィリン錯体(US 2009/0061681 A1)、およびIr錯体が適切であり、例えば、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン−Pt(II)、テトラフェニル−Pt(II)−テトラベンゾポルフィリン(US 2009/0061681 A1)、シス−ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)Pt(II)、シス−ビス(2−(2’−チエニル)ピリジナト−N,C3’)Pt(II)、シス−ビス(2−(2’−チエニル)キノリナト−N,C5’)Pt(II)、(2−(4,6−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’)Pt(II)アセチルアセトネート、またはトリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)Ir(III)(Ir(ppy)3、緑)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2)Ir(III)アセチルアセトネート(Ir(ppy)2アセチルアセトネート、緑、US 2001/0053462 A1、Baldo, Thompsonら、Nature 403、(2000)、750ないし753)、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)、ビス(2−(2’−ベンゾチエニル)ピリジナト−N,C3’)イリジウム(III)アセチルアセトネート、ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)ピッコリネート(Firpic、青)、ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’)Ir(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボレート、トリス(2−(ビフェニル−3−イル)−4−tert−ブチルピリジン)イリジウム(III)、(ppz)2Ir(5phdpym)(US 2009/0061681 A1)、(45ooppz)2Ir(5phdpym)(US 2009/0061681 A1)、2フェニルピリジン−Ir錯体の誘導体、例えばイリジウム(I
II)ビス(2−フェニルキノリル−N,C2’)アセチルアセトネート(PQIr)、トリス(2−フェニルイソキノリナト−N,C)Ir(III)(赤)、ビス(2−(2’−ベンゾ[4,5−a]チエニル)ピリジナト−N,C3)Irアセチルアセトネート([Btp2Ir(acac)]、赤、Adachi ら、Appl. Phys. Lett. 78 (2001)、1622ないし1624)がある。
【化15】
【0125】
3価のランタニド、例えばTb3+およびEu3+の錯体(J. Kidoら、Appl. Phys. Lett. 65 (1994)、2124、Kidoら、Chem. Lett. 657、1990、US 2007/0252517
A1)、またはPt(II)、Ir(I)、Rh(I)とマレオニトリルジチオレートとのりん光錯体(Johnsonら、JACS 105、1983、1795)、Re(I)トリカルボニルジイミン錯体(とりわけWrighton、JACS 96、1974、998)、シアノ配位子およびビピリジルまたはフェナントロリン配位子とのOs(II)錯体(Maら、Synth. Metals 94、1998、245)、またはホストのないAlq3も適切である。
【0126】
三座配位子を有するさらなるりん光発光体は、US 6824895およびUS 7029766に記載されている。赤色発光りん光錯体は、US 6835469およびUS
6830828で言及されている。
【0127】
特に好ましいりん光ドーパントは、式(48)を有する化合物、および例えばUS 2001/0053462 A1に開示されたさらなる化合物であってもよい。
【0128】
特に好ましいりん光ドーパントは、式(49)を有する化合物、および例えばWO 2007/095118 A1に開示されたさらなる化合物であってもよい。
【化16】
【0129】
さらなる誘導体は、US 7378162 B2、US 6835469 B2、およびJP 2003/253145 Aに記載されている。
【0130】
本明細書のさらなる個所で言及される金属錯体に加え、態様による適切な金属錯体は、遷移金属、希土類元素、ランタニド、およびアクチニドから選択することができ、本明細書に記述される態様の対象でもあってもよい。好ましくは、金属は、Ir、Ru、Os、Eu、Au、Pt、Cu、Zn、Mo、W、Rh、Pd、またはAgから選択してもよい。
【0131】
原則として、有機太陽電池または有機色素増感太陽電池に適切な任意の色素を、本発明で使用することができる。
【0132】
本明細書のさらなる個所で言及される色素に加え、態様により、色素は、ペリレン、ルテニウム色素、フタロシアニン、アゾ色素、ペリレン−ジイミド、ポルフィリン、スクアライン、これらの異性体および誘導体から選択することができる。
【0133】
好ましくは、色素は、ペリレン、ルテニウム色素、フタロシアニン、アゾ色素、ペリレン-ジイミド、ポルフィリン、およびスクアラインから選択してもよい。また、好ましい色素は、Yu Baiら、Nature Materials、Vol7、626 (2008)およびB. O'Reganら、Nature 353、737 (1991)により開示されたルテニウム錯体と、Bessho ら、Chem. Commun. 3717 (2008)により開示されたCuをベースにした錯体から選択してもよい。
【0134】
さらに、態様で使用される色素は、アクリジン、アントラキノン、アリールメタン、ジアリールメタン、トリアリールメタン、アゾをベースにした色素、シアニン、ジアゾニウムをベースにした色素、ニトロをベースにした色素、ニトロソをベースにした色素、キノン−イミン、アジンをベースにした色素、ユーロジン(eurhodine)、サフラニン、インジュリン、インダミン、インドフェノール、オキサジン、オキサゾン、チアジン、チアゾール、キサンテン、フルオレン、ピロニン、フルオロン、およびローダミンから選択してもよい。
【0135】
本明細書に記述される態様で使用される色素に加え、電子写真デバイスに使用される電荷発生材料も、色素と同じ機能を有することができる。したがってPaul M.Borsenberger;およびDavid S.Weiss、Organic Photorecptors for Xerography; Marcel Dekker, Inc.、1998、Chapter 6、およびK. Y. Law、Chem. Rev. Vol93、449ないし486 (1993)により要約されたような電子写真デバイスに使用される電荷発生材料も、本明細書では適切な色素と見なされる。
【0136】
他の適切な色素は、縮合環構造を含有する有機化合物、例えばアントラセン、ナフタレン、ペンタセン、およびテトラセン誘導体から選択してもよい。
【0137】
本発明による電子デバイスは、発光ダイオード、光起電力デバイス、光ダイオードおよびセンサから選択することができる。
【0138】
好ましい態様では、本発明の電子デバイスは、以下に記述される一連のものを含む:− 任意に、第1の基材、− アノード層、− 電荷発生層または正孔注入層、− 任意に、電子および/または励起子遮断層、− 上記および下記の量子ドットおよび有機ホストを含む活性層、− 任意に、正孔および/または励起子遮断層、− 任意に、電子輸送層、− 任意に、電子注入層または緩衝層、− カソード層、− 任意に、第2の基材。
【0139】
ある好ましい態様では、電子デバイスは発光ダイオードである。発光ダイオードの典型的なデバイス構造は、本発明の中で他の個所に記述される。非常に好ましい態様では、発光デバイスはさらに、電子輸送層および/または電子注入層を含む。このためには、発光デバイスは、電子輸送材料および/または電子注入材料を含んでいてもよい。
【0140】
原則として、当業者に公知の任意の電子注入材料(EIM)を、態様により用いることができる。本明細書のさらなる個所で言及されるEIMに加え、8−ヒドロキシキノリン、ヘテロ環式有機化合物、フルオレノン、フルオレニリデンメタン、ペリレンテトラカルボン酸、アントラキノンジメタン、ジフェノキノン、アントロン、アントラキノンジエチレン−ジアミン、これらの異性体および誘導体の金属錯体から選択される少なくとも1つの有機化合物を含むEIMを、態様により使用することができる。
【0141】
8ヒドロキシキノリンの金属錯体、例えばAlq3およびGaq3は、電子注入層のEIMとして使用することができる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属、例えばLi、Cs、Ca、またはMgによる、カソードへの界面での還元ドーピングが有利である。Csを含む組合せ、例えばCsとNa、CsとK、CsとRb、またはCs、NaとKが好ましいであろう。
【0142】
ヘテロ環式有機化合物、例えば1,10−フェナントロリン誘導体、ベンズイミダゾール、チオピランジオキシド、オキサゾール、トリアゾール、イミダゾール、またはオキサジアゾールが同様に適切である。窒素を含有する適切な5員環の例は、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、およびUS 2008/0102311 A1に開示される化合物である。
【0143】
好ましいEIMは、置換されていてもいなくてもよい式(50)ないし(52)を有する化合物から選択してもよい。
【化17】
【0144】
有機化合物、例えばフルオレノン、フルオレニリデンメタン、ペリレンテトラカルボン酸、アントラキノンジメタン、ジフェノキノン、アントロン、およびアントラキノンジエチレンジアミンを用いることもでき、例えば下記の通りである。
【化18】
【0145】
原則として、当業者に公知の任意の電子輸送材料(ETM)を、本明細書に記述される態様により用いることができる。本明細書のさらなる個所で言及されるETMに加え、適切なETMは、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン、アントラセン、ベンズアントラセン、ピレン、ペリレン、ベンズイミダゾール、トリアジン、ケトン、ホスフィノキシド、フェナジン、フェナントロリン、トリアリールボラン、これらの異性体および誘導体からなる群から選択してもよい。
【0146】
電子輸送層に適切なETMは、8ヒドロキシキノリンの金属キレート(例えば、Liq、Alq3、Gaq3、Mgq2、Znq2、Inq3、Zrq4)、Balq、4アザフェナントレン−5−オール/Be錯体(US 5529853 A;例えば式(55))、ブタジエン誘導体(US 4356429)、ヘテロ環式蛍光増白剤(US 4539507)、ベンザゾール、例えば1,3,5−トリス(2−N−フェニルベンズイミダゾリル)ベンゼン(TPBI)(US 5766779、式(56))、1,3,5−トリアジン、ピレン、アントラセン、テトラセン、フルオレン、スピロビフルオレン、デンドリマー、テトラセン、例えばルブレン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体(JP 2003/115387、JP 2004/311184、JP 2001/267080、WO 2002/043449)、シルアシル(silacyl)−シクロペンタジエン誘導体(EP 1480280、EP 1478032、EP 1469533)、ピリジン誘導体、(JP 2004/200162 Kodak)、フェナントロリン、例えばBCPおよびBphen、またいくつかの、ビフェニルまたはさらなる芳香族基を介して結合されたフェナントロリン(US 2007/0252517 A1)またはアントラセンに結合されたフェナントロリン(US 2007/0122656 A1、例えば式(57)および(58))、1,3,4−オキサジアゾール、例えば式(59)、トリアゾール、例えば式(60)、トリアリールボラン、例えばSiも有するもの、ベンズイミダゾール誘導体、およびさらなるNヘテロ環式化合物(US 2007/0273272 A1参照)、シラシクロペンタジエン誘導体、ボラン誘導体、Gaオキシノイド錯体である。
【0147】
2,9,10−置換アントラセン(1−または2−ナフチルおよび4−または3−ビフェニルを有する)、または2個のアントラセン単位を含有する分子(US 2008/0193796 A1)が好ましいであろう。
【化19】
【0148】
アントラセン−ベンズイミダゾール誘導体、例えば式(61)ないし(63)の化合物、および例えばUS 6878469 B2、US 2006/147747 A、およびEP 1551206 A1に開示された化合物も、同様に好ましいであろう。
【化20】
【0149】
別の好ましい態様では、本発明の電子デバイスは光起電力電池であり、活性層が、上記および下記の少なくとも1つの量子ドット、少なくとも1つの有機ホスト、および少なくとも1つの色素を含む。
【0150】
本発明はさらに、本明細書に記述される態様で使用されまた態様による混合物であって、少なくとも1つの量子ドットおよび少なくとも1つの有機ホストを含み、量子ドットのイオン化ポテンシャルまたはVBが、有機ホストのHOMOより少なくとも0.3eV、好ましくは0.4eV、非常に好ましくは0.5eV高い混合物に関する。
【0151】
混合物は、有機ホストが量子ドットより大きなバンドギャップを有すると特徴付けてもよい。
【0152】
本明細書に記述された任意の態様による混合物では、量子ドットは、−5.7eV、好ましくは−5.5eV、非常に好ましくは−5.3eVより高いHOMOを有していてもよい。
【0153】
本発明はさらになお、量子ドットおよび有機ホストを含む、本明細書に記述される態様で使用されまた態様による混合物であって、有機ホストが、−6.0eVより少なくとも低いHOMOを有する有機化合物から選択される(以下、深いHOMOホストと呼ぶ)ことを特徴とする混合物に関する。
【0154】
前記深いHOMO有機ホストは、好ましくはハロゲン、ニトリル、カルボニル、およびニトロ基、例えば−F、−CN、−CO、および−NO2から選択することができる、(1個以上の)強力な電子求引基を含む化合物から選択することができる。
【0155】
前記深いHOMO有機ホストは、小分子、オリゴマー、ポリマー、およびデンドリマー、またはこれらの組合せから選択することができる。
【0156】
好ましい態様では、深いHOMO有機ホストはコポリマーであり、より好ましくは共役コポリマーであって、深いHOMOを有する少なくとも1個の繰り返し単位を含むものである。
【0157】
非常に好ましい態様では、前記深いHOMOホストは、式(1)ないし(4)から選択される少なくとも1個の繰り返し単位を含むポリマーである。
【0158】
本明細書に記述される任意の態様による混合物では、QDは、II−VI族、III−V族、IV−VI族、およびIV族半導体から選択される少なくとも1つの元素、好ましくはZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、および2以上のそのような半導体の適切な組合せ、および/またはそのコア/シェル、コアマルチシェル層状構造を有するものを含んでいてもよい。
【0159】
本明細書に記述される任意の態様による混合物では、有機ホストは、小分子および/またはポリマーから選択してもよい。
【0160】
本明細書に記述される任意の態様による混合物は、QDの濃度が、有機ホスト中で正孔トラップとして働くように選択されると特徴付けてもよく、好ましくは0.5ないし30重量%、非常に好ましくは1ないし20重量%、最も好ましくは5ないし15重量%である。
【0161】
本明細書に記述される任意の態様による混合物は、少なくとも1つのさらなる発光体を含んでいてもよい。本明細書に記述される任意の態様による混合物では、量子ドットの発光スペクトルが他の発光体の吸収と重なっていてもよい。それによってフェルスターエネルギー転移を実現することができる。本明細書に記述される任意の態様による混合物では、他の発光体を、有機化合物またはさらなる量子ドットから選択することができる。
【0162】
一態様では、本明細書に記述される態様のいずれかによる量子ドットを調製するための方法は、配位子交換によって量子ドットを形成することを含む。
【0163】
他の態様によれば、電子デバイスは、本明細書に記述される任意の態様による混合物、または本明細書に記述される任意の態様による浅いVB量子ドットを含む。電子デバイスは、少なくとも1つのアノードと、1つのカソードと、アノードとカソードとの間にある機能層とを含んでいてもよく、機能層は混合物または量子ドットを含むものである。電子デバイスは、デバイスが、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、有機発光電気化学電池、有機電界効果トランジスタ(OFET)、薄膜トランジスタ(TFT)、有機太陽電池(O−SC)、有機レーザダイオード(O−laser)、有機集積回路(O−IC)、無線認証(RFID)タグ、光検出器、センサ、論理回路、メモリ素子、キャパシタ、電荷注入層、ショットキーダイオード、平坦化層、帯電防止膜、伝導性基材またはパターン、光導電体、電子写真用素子、有機発光トランジスタ(OLET)、有機スピントロニックデバイス、および有機プラズモン発光デバイス(OPED)から選択される、発光、光変換、集光、または光センサデバイスであり、好ましくは有機発光ダイオードから選択されると特徴付けてもよい。
【0164】
本発明の別の態様は、本明細書に記述される任意の態様による混合物または浅いVB量子ドットと、1以上の有機溶媒とを含む配合物、好ましくは溶液に関する;
適切で好ましい有機溶媒の例には、ジクロロメタン、トリクロロメタン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、アニソール、モルホリン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1,4−ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラリン、デカリン、インダン、および/またはこれらの混合物が含まれるが、これらに限定するものではない。溶液中の混合物の濃度は、好ましくは0.1ないし10重量%、より好ましくは0.5ないし5重量%である。任意で溶液は、WO 2005/055248 A1に記載されるように、レオロジー特性を調節するために1以上の結合剤も含む。
【0165】
適切な混合およびエージングの後、溶液を、以下のカテゴリー:完全な溶液、境界線上の溶液、または不溶性の1つとして評価する。等高線を、溶解性パラメータ−溶解性と不溶性とに分ける水素結合限界の概略が示されるように描く。溶解性領域内に包含される「完全な」溶媒は、「Crowley, J.D.、Teague, G.S. Jr、およびLowe, J.W. Jr.、Journal of Paint Technology、38、No 496、296 (1966)」に公表されるような文献値から選択することができる。溶媒ブレンドは、「Solvents、W.H.Ellis、Federation of Societies for Coatings Technology、p9ないし10、1986」に記載されるように使用してもよく、同定することができる。そのような手順は、混合物を溶解することになる「非」溶媒のブレンドをもたらしてもよいが、少なくとも1つの真の溶媒をブレンド中に有することが望ましい。
【0166】
本発明による配合物の、別の好ましい形はエマルジョンであり、非常に好ましくはミニエマルジョンであり、これらは特に配合された不均質相系であって、1つの相の安定なナノ液滴が第2の連続相に分散されている。本発明は、混合物の異なる成分が同じ相または異なる相のいずれかに位置付けられたミニエマルジョンに関する。好ましい分布は、下記の通りである:1)QDの大部分または全てがナノ液滴(不連続層)に、かつ有機発光体およびさらなる機能性化合物の大部分または全てが連続相に;2)QD、有機発光体、およびホスト材料の大部分または全てがナノ液滴に、かつさらなる機能性化合物、例えば共ホスト材料またはETMまたはHTMの大部分または全てが連続相にある。
【0167】
連続相が極性相であるミニエマルジョンと、連続相が無極性相である逆ミニエマルジョンの両方を、本発明で使用することができると考えられる。好ましい形はミニエマルジョンである。エマルジョンの動態安定性を増大させるには、(1以上の)界面活性剤を添加することができると考えられる。2つの相および界面活性剤のための溶媒の選択と、安定なミニエマルジョンを作製する処理は、当業者に周知であり、または様々な刊行物、例えばLandfesterら、Annu.Rev.Mater.Res. (06)、36、231が参照される。
【0168】
電子または光電子デバイスでの薄層として使用するために、本発明の混合物またはそれらの配合物を、任意の適切な方法により堆積してもよい。デバイス、例えば発光デバイスの液体コーティングが、真空蒸着法より望ましい。溶液堆積法が特に好ましい。好ましい堆積法には、浸漬コーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、ドクターブレードコーティング、ローラ印刷、リバースローラ印刷、オフセットリソグラフィ印刷、フレキソ印刷、ウェブ印刷、スプレーコーティング、ブラシコーティングまたはパッド印刷、スロットダイコーティングが含まれるが、これらに限定するものではない。インクジェット印刷は、高解像度ディスプレーが作製可能であるので特に好ましい。
【0169】
本発明の選択される溶液は、インクジェット印刷または微量定量吐出によって、事前に調製されたデバイス基材に付着させてもよい。好ましくは、工業用圧電プリントヘッド、例えばAprion、日立工機(Hitachi−Koki)、InkJet Technology、On Target Technology、Picojet、Spectra、Trident、Xaarにより供給されたものであるがこれらに限定されないものを使用して、有機半導体層を基材に付着させてもよい。さらに半工業的ヘッド、例えばブラザー(Brother)、エプソン(Epson)、コニカ(Konica)、セイコーインスツルメンツ(Seiko Instruments)、東芝テック(Toshiba TEC)により製造されたもの、またはシングルノズルマイクロディスペンサ、例えばMicrodropおよびMicrofabにより生産されたものを使用してもよい。
【0170】
インクジェット印刷または微量定量吐出により付着させるため、本発明の混合物は、最初に適切な溶媒に溶解されるべきである。溶媒は、上述の要件を満たさなければならず、かつ選択されるプリントヘッドにいかなる悪影響も及ぼしてはならない。さらに溶媒は、プリントヘッドの内側で完全に乾燥する溶液により引き起こされた操作性の問題を予防するために、100℃より高い沸点、好ましくは140℃より高い、より好ましくは150℃より高い沸点を有するべきである。上述の溶媒とは別に、適切な溶媒には、置換および無置換キシレン誘導体、ジ−C1ないし2−アルキルホルムアミド、置換および無置換アニソールおよびさらなるフェノール−エーテル誘導体、置換ヘテロ環、例えば置換ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピロリジノン、置換および無置換N,N−ジ−C1ないし2−アルキルアニリン、およびさらなるフッ素化または塩素化芳香族が含まれる。
【0171】
インクジェット印刷により本発明の混合物を堆積するのに好ましい溶媒は、1個以上の置換基で置換されたベンゼン環を有するベンゼン誘導体を含み、1個以上の置換基の中の炭素原子の総数は、少なくとも3である。例えばベンゼン誘導体は、プロピル基または3個のメチル基で置換されていてもよく、いずれの場合も合計で少なくとも3個の炭素原子があるものである。そのような溶媒により、ポリマーと共に溶媒を含むインクジェット流体を形成することが可能になり、スプレー中の噴流の詰まりおよび成分の分離が低減しまたは防止される。(1以上の)溶媒は、例の下記のリスト:ドデシルベンゼン、1−メチル−4−tert−ブチルベンゼン、テルピネオールリモネン、イソジュレン、テルピノレン、シメン、ジエチルベンゼンから選択されるものを含んでいてもよい。溶媒は、2以上の溶媒の組合せである溶媒混合物であってもよく、各溶媒は好ましくは、100℃より高い沸点、より好ましくは140℃より高い沸点を有する。そのような(1以上の)溶媒も、堆積された層としての被膜形成を向上させかつ層の欠陥を低減させる。
【0172】
インクジェット流体(溶媒、結合剤、および前述の混合物の混合物である)は、好ましくは20℃で1ないし100mPa・s、より好ましくは1ないし50mPa・s、最も好ましくは1ないし30mPa・sの粘度を有する。
【0173】
本発明によるそれらの混合物または配合物はさらに、1つ以上のさらなる成分、例えば表面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水剤、接着剤、流動性向上剤、消泡剤、脱気剤、希釈剤であって反応性があってもなくてもよいもの、助剤、着色剤、染料または顔料、増感剤、安定化剤、または阻害剤を含むことができる。
【0174】
別の態様では、本明細書に記述される任意のさらなる態様の配合物を、光電子デバイス、好ましくはエレクトロルミネッセンスデバイスの製造に使用することができる。
【0175】
本発明による量子ドット、デバイス、および混合物は、疾患および/または審美的な状態の治療、予防、および/または診断に使用することができる。
【0176】
治療および/または予防には、任意の種類の光線療法、光線力学療法と、光療法および光を使用しない薬物療法などの療法の任意の組合せ、一般に本明細書では光療法または光治療と呼ばれるものが含まれる。光治療は、治療がなされる対象の外面、例えば皮膚、創傷、粘膜、眼、髪、爪、爪床、および歯肉、および舌などを対象としてもよいが、光治療は、例えば肺、血管、心臓、胸、および対象のさらなる器官を治療するために、対象の内側に施用することもできる。
【0177】
これらの疾患および/または状態には、例えば、皮膚疾患および皮膚関連の状態であって、皮膚の老化、およびセルライト、拡張した毛穴、脂性肌、毛包炎、前癌性日光角化症、皮膚障害、皺がより日光のダメージを受けた皮膚、目尻の皺、皮膚潰瘍(糖尿病性、圧迫性、静脈うっ血性)、酒さ性アクネ病変、セルライトを含めたもの;皮脂腺およびその周囲組織のフォトモジュレーション;皺、にきび瘢痕およびアクネ菌、炎症、疼痛、創傷の低減、心理学的および神経学的に関連した疾患および状態、浮腫、ページェット病、原発性および転移性腫瘍、結合組織疾患、哺乳類組織におけるコラーゲン、線維芽細胞、および線維芽細胞由来の細胞のレベルのマニピュレーション、網膜、新生物、新生血管、および肥厚性疾患の照射、炎症およびアレルギー反応、エクリン(汗)またはアポクリン腺からの蒸散、発汗、および多汗症、黄疸、白斑、眼性新生血管疾患、神経性過食症、ヘルペス、季節性情動障害、気分、睡眠障害、皮膚癌、クリグラーナジャー、アトピー性皮膚炎、糖尿病性皮膚潰瘍、圧迫潰瘍、膀胱感染症、筋肉痛、疼痛、関節の硬直の緩和、細菌の低減、殺菌、液体の殺菌、水などの飲料の殺菌、栄養物の殺菌、歯肉炎、歯のホワイトニング、歯および口内組織の治療、創傷治癒が含まれる。
【0178】
本発明の前述の態様には、本発明の範囲内に依然として包含される状態で変更を加えることができることが理解されよう。本明細書に開示される各特徴は、他に言及しない限り、同じ、均等な、または類似の目的に役立つ代替の特徴に置きかえてもよい。このように他に言及しない限り、開示される各特徴は、一般的な一連の均等なまたは類似の特徴の単なる一例である。
【0179】
本明細書に開示される特徴の全ては、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせてもよい。特に本発明の好ましい特徴は、本発明の全ての態様に適用可能であり、任意の組合せで使用してもよい。同様に非本質的な組合せで記述された特徴を(組合せではなく)個別に使用してもよい。
【0180】
上述の特徴、特に態様の多くは、それら自体進歩性があり、本発明の態様の単なる一部ではないことが理解されよう。独立した保護が、ここで特許請求の範囲に記載される任意の発明に加えまたはその代わりとして、これらの特徴に関して求めることができる。
【0181】
本明細書に開示された教示は、抽出することができかつ開示されるさらなる例と組み合わせることができる。
【0182】
本発明のさらなる特徴は、本発明を例示するために示されかつ本発明を限定しようとするものではない例示的な態様の以下の記述の中で、明らかにされよう。上述の態様のいくつかについて、添付の下記の図面を参照しながら、以下の実施例でより詳細に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0183】
図1図1は、実施例によるポリマーのHOMOおよびLUMOを示す。
図2図2は、図1の実施例によるポリマーの一重項および三重項準位を示す。
図3図3は、2つの有機半導体(P3HTおよびC60)と比較した、一般的な無機半導体の価電子帯端および伝導帯端を示す図。
【0184】
[実施例]
例1
材料
以下の材料を、例として本発明で使用する。
【0185】
ホスト材料ポリマー1(ホモポリマー):
【化21】
【0186】
ポリマーに関するさらなる情報については、WO2007085377A2を参照されたい。ポリマー1の詳細な合成については、Tetrahedron Letters 47 (2006) 8689ないし8692を参照されたい。
【0187】
量子ドット1(QD1)は、Plasmachem GmbH、Berlin、Germany製のコア−シェル型量子ドットであり、エピタキシャルZnSシェルでキャップされたCdSe球状コアを有している。QD1は、主にトリオクチルホスフィンオキシドを含む表面疎水性層を有する。QD1のフォトルミネッセンス量子効率(PLQE)を、参照としてローダミン6Gを使用して測定し、約30%であることがわかっている。
【0188】
Chenら(J. materials Chemistry、2009、19、8112ないし8118)により開示されたTMMは、広いバンドギャップを有する三重項マトリックス材料であり、例えば上述のように時間依存性DFT法によれば、HOMOが−6.47eVでありLUMOが−2.8eVである。
【化22】
【0189】
ここではTMMを、電子輸送材料、またはEMLとカソードとの間の緩衝層として使用することになる。
【0190】
例2
本発明で使用される材料および本発明によるQD−LEDに適切ないくつかのさらなる材料のエネルギー準位。
【0191】
光電子デバイスで使用される材料を設計するために、エネルギー準位、特にHOMOおよびLUMO準位の予測は必要不可欠である。
【0192】
エネルギー準位、特に問題となっている分子のHOMOおよびLUMOを、Gaussian,Inc.のGaussian 03Wで時間依存性DFTによりシミュレートし:最初にAM1を使用して分子幾何形状を最適化し、補正関数B3PW9および基底系6−31G(d)によるTD−DFT(時間依存密度汎関数法)を使用して、HOMO/LUMO準位と、三重項および一重項励起状態に関するエネルギーとを含むエネルギーの計算を行った。最初の三重項および最初の一重項励起状態は最も重要であり、以下、T1およびS1準位と呼ぶことにする。HOMOおよびLUMO準位を、サイクロボルタンメトリー(CV)により下記の通り補正する:ひと組の材料をCVにより測定し、やはりGaussian 03Wにより同じ方法で、例えばB3PW91および同じ基底系6−31G(d)を使用して計算する。次いで計算値を、測定値により較正する。そのような較正係数は、さらなる計算のために使用する。ポリマーの場合、ポリマーのトライマーを計算した。例えばM2−M3−M2は、下記の構造ブロックを意味し;重合可能な基は除去している。
【化23】
【0193】
シミュレーションを、下記の3つの異なる繰り返し単位をベースにしたポリマーに関して行う:
【化24】
【0194】
ホモポリマー、WO2007085377A2によるポリマー1(100%M1)およびWO 03/099901によるポリマー2(100%M2)と、50%M1−50%M3および50%M2−50%M3のコポリマーを、トライマー構成でシミュレートした。図1は、ポリマーのHOMOおよびLUMOを示す(「Corr.」という記述は、補正値を意味する)。全ては、−3.0eVより低いLUMOと、−6.0eVより低いHOMOを有し、したがって本発明によるQD−LEDで使用することが適切であるべきである。図2は、4つのポリマーの一重項および三重項準位を示す。全てのポリマーは、十分高いS1準位を有し(>2.85eV)、したがって全てのRGB発光を支援することができる。
【0195】
例3
溶液からのQD−LEDの調製
図1に示される構造を備えたQD−LEDを、下記の手順に従い調製する:1)1×10-7mbarのベース圧力で、真空システム内での熱蒸着により、ITOでコーティングされたガラス基板上のHILとして10nmのWO3を堆積する。
【0196】
2)ポリマー1およびQD1のトルエン溶液からEMLを堆積するが、このときQD1の濃度は約10重量%であり、厚さはドクターブレード法を使用して80nmである(ここで浸漬コーティングを使用してもよい);3)デバイスを加熱して、残留溶媒を180℃で10分間除去する。;4)1×10-7mbarのベース圧力で、真空システム内での熱蒸着により、ETL(または緩衝層)として30nmのTMMを堆積する。
【0197】
5)厚さ1nm/150nmのカソードLiF/Alを、発光層上への真空熱蒸着により堆積する。
【0198】
6)デバイスを封止する。
【0199】
例4
測定および結果の比較
QD−LEDを社内で特性評価し、以下の性質を記録した:VIL特性、ELスペクトル、および色座標、効率、駆動電圧。
【0200】
QD−LEDの性能を表1にまとめるが、ここでUonはターンオン電圧を表し、U(100)は100ニトでの電圧を表し、EQEは外部量子効率を表す。
【表1】
【0201】
CIE座標(0.67,0.33)の濃赤色を実現した。1%より高い最大EQEが、適切なポリマーホストとデバイス構成との組合せにより達成された。QD−LEDは、OLEDに比べて依然として不十分であるが、その性能は既に、量子ドット発光ダイオードに関してこれまで報告された最良のものの中にあり、EMLの組成と本発明によるデバイス構造とが、高効率QD−LEDへの将来性あるアプローチであることを示している。
【0202】
さらなる改善は、1)濃度の最適化;2)厚さの最適化;3)より高いフォトルミネッセンス(PL)効率を有するQDの使用によって有望であると考えられる。
【0203】
例5
9−フェニル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−9H−カルバゾールの調製
【化25】
【0204】
150g(0.41mol)の3−ヨード−9−フェニル−9H−カルバゾール、123.8g(0.49mol)の4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル]、および131g(1.34mol)の酢酸カリウムをジオキサンに溶解する。次いで3.3gの1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロ−Pd(II)(Pd(dppf))錯体を反応混合物に添加し、溶液を16時間還流する。混合物を室温まで冷却し、250mlの水および250mlのトルエンを添加し、次いで層を分離させる。水相をトルエンで3回抽出し、次いで有機層を水で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去する。残留物をアセトニトリルから再結晶させることにより、純度96%の薄茶色の固体91g(0.25mmol)(61%)が得られる。
【0205】
例6
3−(4−ヨード−フェニル)−9−フェニル−9H−カルバゾールの調製
【化26】
【0206】
90g(244mmol)の9−フェニル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−9H−カルバゾール、および69g(244mmol)の1−ヨード−4−ブロムベンゼン[589−87−7]を500mlのトルエンに溶解し、炭酸ナトリウムの2M溶液200mlで処理する。反応混合物を入念に脱気し、200mgのテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを添加する。反応物を20時間加熱還流する。次いで溶液を室温まで冷却し、層を分離させる。水相をトルエンで3回抽出し、次いで有機層を水で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去する。残留物をDMFから再結晶させることにより、純度98.7%の白色粉末100g(225mmol)(92%)が得られる。
【0207】
例7
(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−フェニル]−アミンの調製
【化27】
【0208】
50g(112mmol)の3−(4−ヨード−フェニル)−9−フェニル−9H−カルバゾールおよび23.5g(112mmol)の9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イルアミンを500mlのトルエンに溶解し、21.5gのナトリウム−tert−ブチラトを添加する。反応混合物を入念に脱気し、80mgのビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロ−Pd(II)(Pd(dppf))錯体を添加する。溶液を6時間還流する。次いで反応混合物を室温まで冷却し、250mlの水を添加する。層を分離する。水相をトルエンで3回抽出し、次いで有機層を水で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去する。残留物をブタノールから再結晶させることにより、純度99.5%の白色固体57g(108mmol)(96%)が得られる。
【0209】
例8
(4’−ブロモ−ビフェニル−4−イル)−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−フェニル]−アミンの調製
【化28】
【0210】
30g(57mmol)の(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−フェニル]−アミン、および20g(57mmol)の4−ブロモ−4’−ヨード−ビフェニル[105946−82−5]を200mlのトルエンに溶解し、炭酸ナトリウムの2M溶液100mlで処理する。反応混合物を入念に脱気し、200mgのテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを添加し、20時間還流する。次いで反応混合物を室温まで冷却し、250mlの水を添加する。層を分離させる。次いで水相をトルエンで3回抽出する。次いで有機層を水で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、次いで溶媒を真空中で除去する。残留物をブタノール/トルエンから再結晶させることにより、純度99.3%の白色固体29g(38mmol)(67%)が得られる。
【0211】
例9
10−(4’−{(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−フェニル]−アミノ}−ビフェニル−4−イル)−デカン−1−チオールの調製
【化29】
【0212】
5.2g(30mmol)のデカ−9−エン−1−チオール[178561−30−3]、および3.7g(15mmol)の9−BBN−ダイマー[21205−91−4]を室温の窒素中で100mlのトルエンに懸濁し、20時間撹拌する。反応中に、9−BBNの懸濁液はゆっくり消失する。次いで23g(30mmol)の(4’−ブロモ−ビフェニル−4−イル)−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−フェニル]−アミン、および1Mの水酸化ナトリウム溶液50mlを添加する。次いで反応混合物を入念に脱気し、200mgのテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムを添加し、20時間還流する。反応混合物を室温まで冷却し、250mlの水を添加する。層を分離させる。水相をトルエンで3回抽出し、次いで有機層を水で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去する。残留物をエタノール/トルエン3:1から再結晶させることにより、純度99.99%の白色固体24g(28mmol)(93%)が得られる。
以下に出願当初の請求項を実施の態様として付記する。
[1] カソードと、アノードと、発光層と、前記アノードと前記発光層との間に堆積された正孔注入層または電荷発生層とを含む電子デバイスであって、前記発光層は少なくとも1つの量子ドットと少なくとも1つの有機ホスト材料とを含むことを特徴とする電子デバイス。
[2] [1]に記載の電子デバイスであって、前記電荷発生層または正孔注入層は5.6eVより高い、好ましくは6.0eVより高い仕事関数または電子親和力を有する、および/または前記正孔注入層または電荷発生層は遷移金属酸化物、酸化バナジウム(VOx)、酸化モリブデン(MoOx)、酸化ルテニウム(RuOx)および酸化タングステン(WOx)から選択される少なくとも1つの要素を含むことを特徴とする電子デバイス。
[3] [1]または[2]に記載の電子デバイスであって、前記量子ドットのイオン化ポテンシャルもしくは価電子帯(VB)が前記有機ホストのHOMOより少なくとも0.3eV、好ましくは0.4eV、特に好ましくは0.5eV高い、または前記量子ドットの電子親和力もしくは伝導帯が前記ホスト材料のLUMOより少なくとも0.3eV、好ましくは0.4eV、特に好ましくは0.5eV低いことを特徴とする電子デバイス。
[4] [1]ないし[3]のいずれか1項に記載の電子デバイスであって、前記ホスト材料は、前記量子ドットより大きなバンドギャップを有するホスト材料、少なくとも−5.7eVより低いHOMOを有する有機化合物、および少なくとも−3.0eVより低いLUMOを有する有機化合物から選択される少なくとも1つの要素であることを特徴とする電子デバイス。
[5] [1]ないし[4]のいずれか1項に記載の電子デバイスであって、前記量子ドットは−5.7eVより高い、好ましくは−5.5eVより高い、非常に好ましくは−5.3eVより高い価電子帯を有することを特徴とする電子デバイス。
[6] [1]ないし[5]のいずれか1項に記載の電子デバイスであって、前記量子ドットは、II−VI族、III−V族、IV−VI族、およびIV族半導体、好ましくはZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、および2以上のこのような半導体の適切な組合せから選択される少なくとも1つの要素を含む、および/またはこれらのコア/シェル、コアマルチシェル層状構造をもつことを特徴とする電子デバイス。
[7] [1]ないし[6]のいずれか1項に記載の電子デバイスであって、前記量子ドットの濃度が、前記量子ドットが前記有機ホスト内で正孔トラップまたは電子トラップとして作用するように、好ましくは0.5ないし20体積%、非常に好ましくは1ないし15体積%、最も好ましくは2ないし10体積%に選択されることを特徴とする電子デバイス。
[8] [1]ないし[7]のいずれか1項に記載の電子デバイスであって、少なくとも1つのさらなる有機発光体、または前記量子ドットの発光スペクトルと重なる吸収スペクトルをもつ少なくとも1つのさらなる有機発光体を含む電子デバイス。
[9] 少なくとも1つの量子ドットと1つの有機ホストとを含む混合物であって、前記量子ドットのイオン化ポテンシャルまたは価電子帯が、前記有機ホストのHOMOより少なくとも0.3eV、好ましくは0.4eV、非常に好ましくは0.5eV高い混合物。
[10] [9]に記載の混合物であって、前記有機ホストは前記量子ドットより大きいバンドギャップを有することを特徴とする混合物。
[11] [9]または[10]に記載の混合物であって、前記量子ドットは−5.7eVより高い、好ましくは−5.5eVより高い、非常に好ましくは−5.3eVより高い価電子帯(VB)を有する、および/または前記量子ドットは、II−VI族、III−V族、IV−VI族、およびIV族半導体、好ましくはZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、および2以上のこのような半導体の適切な組合せから選択される少なくとも1つの要素を含む、および/またはこれらのコア/シェル、コアマルチシェルの層状構造をもつことを特徴とする混合部。
[12] [9]ないし[11]のいずれか1項に記載の混合物であって、前記有機ホストは、少なくとも−6.0eVより低いHOMOを有する有機化合物、小分子および/またはポリマーから選択される少なくとも1つの要素であることを特徴とする混合物。
[13] [9]ないし[12]のいずれか1項に記載の混合物であって、前記量子ドットの濃度が、前記量子ドットが前記有機ホスト内で正孔トラップとして作用するように、好ましくは0.5ないし30重量%、非常に好ましくは1ないし20重量%、最も好ましくは5ないし15重量%に選択されることを特徴とする混合物。
[14] [9]ないし[13]のいずれか1項に記載の混合物であって、少なくとも1つのさらなる発光体、または前記量子ドットの発光スペクトルに重なる吸収スペクトルをもつ少なくとも1つのさらなる発光体を含む、および/または前記少なくとも1つのさらなる発光体は有機化合物または他の量子ドットから選択される混合物。
[15] 好ましくは−5.7eVより高い、非常に好ましくは−5.5eVより高い、最も好ましくは−5.3eVより高いHOMOを有する正孔輸送単位を有するキャップを含む量子ドット。
[16] [15]に記載の量子ドットであって、前記正孔輸送単位は、小分子正孔輸送材料、アミン、トリアリールアミン、チオフェン、カルバゾール、フタロシアニン、ポルフィリン、これらの異性体および誘導体から選択される少なくとも1つの基を含むことを特徴とする量子ドット。
[17] [15]または[16]に記載の量子ドットを調製するための方法であって、前記量子ドットを配位子交換によって形成することを特徴とする方法。
[18] [9]ないし[14]のいずれか1項に記載の混合物、または[15]または[16]に記載の量子ドットを含む、またはアノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間の機能層とを含み、前記機能層が[9]ないし[14]のいずれか1項に記載の混合物、または[15]もしくは[16]に記載の量子ドットを含む電子デバイス。
[19] [1]ないし[8]または[18]のいずれか1項に記載の電子デバイスであって、前記デバイスが発光デバイス、光変換デバイス、集光デバイス、光起電力デバイス、フォトダイオード、光センサデバイス、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、有機発光電気化学セル、有機電界効果トランジスタ(OFET)、薄膜トランジスタ(TFT)、有機太陽電池(O−SC)、有機レーザダイオード(O−laser)、有機集積回路(O−IC)、無線認証(RFID)タグ、光検出器、センサ、論理回路、メモリ素子、キャパシタ、電荷注入層、ショットキーダイオード、平坦化層、帯電防止膜、伝導性基材またはパターン、光導電体、電子写真用素子、有機発光トランジスタ(OLET)、有機スピントロニックデバイス、および有機プラズモン発光デバイス(OPED)から選択され、好ましくは有機発光ダイオードから選択されることを特徴とする電子デバイス。
[20] [9]ないし[14]のいずれか1項に記載の混合物、または[15]もしくは[16]に記載の量子ドットを含む、配合物、特に溶液、分散液、またはエマルジョン。
図1
図2
図3