【文献】
MediaTek Inc.,Further Discussion on HeNB Downlink Power Setting in HetNet,3GPP TSG-RAN WG1 #62bis R1-105238,2010年10月 5日
【文献】
3GPP;TSG RAN,TDD Home eNode B(HeNB) Radio Frequency(RF) requirements analysis,TR36.922V9.1.0,2010年 6月,66-71頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に関する理解を助けるために詳細な説明の一部として含まれる添付図面は、本発明に係る実施例を提供し、詳細な説明と共に本発明の技術的思想を説明する。
【0017】
以下の技術は、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access:CDMA)、周波数分割多元接続(Frequency Division Multiple Access:FDMA)、時分割多元接続(Time Division Multiple Access:TDMA)、直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:OFDMA)、シングルキャリア周波数分割多元接続(Single Carrier Frequency Division Multiple Access:SC−FDMA)などのような様々な無線接続システムに利用可能である。CDMAは、ユニバーサル地上無線アクセス(Universal Terrestrial Radio Access:UTRA)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)とすることができる。TDMAは、移動通信用グローバルシステム(Global System for Mobile communications:GSM(登録商標))/汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service:GPRS)/発展型GSM(登録商標)用拡張データレート(Enhanced Data Rates for GSM Evolution:EDGE)のような無線技術とすることができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、発展型UTRA(Evolved UTRA:E−UTRA)などのような無線技術とすることができる。UTRAは、ユニバーサル移動電話システム(Universal Mobile Telecommunications System:UMTS)の一部である。第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP) ロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)は、E−UTRAを用いる発展型UMTS(Evolved UMTS:E−UMTS)の一部であり、ダウンリンクでOFDMAを採用し、かつアップリンクでSC−FDMAを採用する。LTEアドバンスト(LTE-Advanced:LTE−A)は、3GPP LTEの進展したバージョンである。
【0018】
説明を明確にするために、3GPP LTE/LTE−Aを中心に記述するが、本発明の技術的思想がこれに制限されるものではない。また、以下の説明で使用される特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されているもので、それらの特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で別の形態にしてもよい。
【0019】
図1に、無線フレームの構造を例示する。
【0020】
図1を参照すると、無線フレームは、10個のサブフレームを含む。サブフレームは、時間ドメインで2個のスロットを含む。サブフレームを伝送する時間が伝送時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)として定義される。例えば、1サブフレームは1msの長さを有することができ、1スロットは0.5msの長さを有することができる。1スロットは、時間ドメインにおいて、複数の直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)またはシングルキャリア周波数分割多元接続(Single Carrier Frequency Division Multiple Access:SC−FDMA)シンボルを有する。LTEは、ダウンリンクでOFDMAを用い、アップリンクでSC−FDMAを用いるので、OFDMまたはSC−FDMAシンボルは1シンボル期間を表す。リソースブロック(Resource Block:RB)はリソース割当ユニットであり、1スロットで複数の連続した副搬送波を含む。無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの個数、サブフレームに含まれるスロットの個数、スロットに含まれるシンボルの個数は様々な方式で変えてもよい。
【0021】
図2には、ダウンリンクスロットのリソースグリッドを例示する。
【0022】
図2を参照すると、ダウンリンクスロットは、時間ドメインにおいて複数のOFDMシンボルを含む。1ダウンリンクスロットは、7(6)個のOFDMシンボルを含み、リソースブロックは、周波数ドメインにおいて12個の副搬送波を含むことができる。リソースグリッド上の各要素(element)は、リソース要素(Resource Element:RE)と呼ばれる。1RBは、12×7(6)個のREを含む。ダウンリンクスロットに含まれるRBの個数N
RBは、ダウンリンク伝送帯域に依存する。アップリンクスロットの構造は、OFDMシンボルがSC−FDMAシンボルに置き替えられる以外は、ダウンリンクスロットの構造と同様である。
【0023】
図3には、ダウンリンクサブフレームの構造を例示する。
【0024】
図3を参照すると、サブフレームの1番目のスロットにおいて、先頭に位置している最大3(4)個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に相当する。残りのOFDMシンボルは、物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared CHancel:PDSCH)が割り当てられるデータ領域に相当する。LTEで用いられるダウンリンク制御チャネルの例としては、物理制御フォーマット指示チャネル(Physical Control Format Indicator CHannel:PCFICH)、物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control CHannel:PDCCH)、物理ハイブリッドARQ指示チャネル(Physical hybrid ARQ indicator CHannel:PHICH)などを含む。PCFICHは、サブフレームの1番目のOFDMシンボルで伝送され、かつサブフレーム内で制御チャネルの伝送に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を運ぶ。PHICHは、アップリンク伝送に対する応答としてハイブリッド自動再送要求確認応答/否定応答(Hybrid Automatic Repeat reQuest ACKnowledgment/Negative-ACKnowledgment:HARQ ACK/NACK)信号を運ぶ。
【0025】
PDCCHを通じて伝送される制御情報をダウンリンク制御情報(Downlink Control Information:DCI)と呼ぶ。DCIは、端末または端末グループのためのリソース割当情報及び他の制御情報を含む。例えば、DCIは、アップリンク/ダウンリンクスケジューリング情報、アップリンク伝送(Tx)パワー制御命令などを含む。
【0026】
PDCCHは、ダウンリンク共有チャネル(DownLink Shared CHannel:DL−SCH)の伝送フォーマット及びリソース割当情報、アップリンク共有チャネル(UpLink Shared CHannel:UL−SCH)の伝送フォーマット及びリソース割当情報、ページングチャネル(Paging CHannel:PCH)上のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で伝送されるランダムアクセス応答のような上位層制御メッセージのリソース割当情報、端末グループ内の個別端末に対するTxパワー制御命令セット、Txパワー制御命令、ボイスオーバIP(Voice over IP:VoIP)の活性化指示情報などを運ぶ。複数のPDCCHが制御領域内で伝送され、端末は、複数のPDCCHをモニタリングすることができる。PDCCHは、一つまたは複数の連続した制御チャネル要素(Control Channel Element:CCE)の集合(aggregation)上で伝送される。CCEは、PDCCHに無線チャネル状態に基づくコーディングレートを提供するのに用いられる論理的割当ユニットである。CCEは、複数のリソース要素グループ(Resource Element Group:REG)に対応する。PDCCHのフォーマット及びPDCCHビットの個数は、CCEの個数によって決定される。基地局は、端末に伝送されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check:CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者または使用目的に応じて識別子(例えば、無線ネットワーク一時識別子(Radio Network Temporary Identifier:RNTI))でマスキングされる。例えば、PDCCHが特定端末のためのものであれば、当該端末の識別子(例えば、セルRNTI(Cell-RNTI:C−RNTI))がCRCにマスキングされる。PDCCHがページングメッセージのためのものであれば、ページング識別子(例えば、ページングRNTI(Paging-RNTI:P−RNTI))がCRCにマスキングされてもよい。PDCCHがシステム情報(より具体的には、システム情報ブロック(System Information Block:SIC))のためのものであれば、システム情報RNTI(System Information RNTI:SI−RNTI)がCRCにマスキングされてもよい。PDCCHがランダムアクセス応答のためのものであれば、ランダムアクセスRNTI(Random Access-RNTI:RA−RNTI)がCRCにマスキングされてもよい。
【0027】
図4には、LTEで用いられるアップリンクサブフレームの構造を例示する。
【0028】
図4を参照すると、アップリンクサブフレームは、複数(例えば、2個)のスロットを含む。スロットは、CP長によって異なる数のSC−FDMAシンボルを含むことができる。アップリンクサブフレームは周波数領域においてデータ領域と制御領域とに区別される。データ領域は、PUSCHを含み、音声などのデータ信号を伝送するのに用いられる。制御領域は、PUCCHを含み、アップリンク制御情報(Uplink Control Information:UCI)を伝送するのに用いられる。PUCCHは、周波数軸においてデータ領域の両端部に位置しているRB対(RB pair)を含み、スロットを境界にホッピングする。
【0029】
PUCCHは、下記の制御情報を伝送するのに用いることができる。
【0030】
− スケジュール要求(Scheduling Request:SR):UL−SCHリソースを要求するのに用いられる情報である。オンオフ変調(On-Off Keying:OOK)方式により伝送される。
【0031】
− HARQ ACK/NACK:PDSCH上のダウンリンクデータパケットに対する応答信号である。ダウンリンクデータパケットの受信に成功したか否かを示す。単一のダウンリンクコードワードに対する応答としてACK/NACK 1ビットが伝送され、2個のダウンリンクコードワードに対する応答としてACK/NACK 2ビットが伝送される。
【0032】
− チャネル品質指示子(Channel Quality Indicator:CQI):ダウンリンクチャネルに対するフィードバック情報である。多入力多出力(Multiple Input Multiple Output:MIMO)関連フィードバック情報は、ランク指示子(Rank Indicator:RI)、プリコーディング行列指示子(Precoding Matrix Indicator:PMI)、プリコーディングタイプ指示子(Precoding Type Indicator:PTI)などを含む。サブフレーム当たり20ビットが用いられる。
【0033】
端末がサブフレームで伝送できる制御情報(UCI)の量は、制御情報伝送に使用可能なSC−FDMAの個数に依存する。制御情報伝送に使用可能なSC−FDMAは、サブフレームにおいて参照信号伝送のためのSC−FDMAシンボルを除外して残ったSC−FDMAシンボルを意味し、サウンディングリファレンス信号(Sounding Reference Signal:SRS)が設定されたサブフレームでは、サブフレームの最後のSC−FDMAシンボルも除外される。参照信号はPUCCHのコヒーレント検出に用いられる。PUCCHは、伝送される情報によって7個のフォーマットを支援する。
【0034】
表1は、LTEにおけるPUCCHフォーマットとUCIとのマッピング関係を示すものである。
【0036】
図5は、マクロセル及びマイクロセルを含む異種ネットワークを例示する。3GPP LTE−Aをはじめとする次世代通信標準では、既存のマクロセルカバレッジ内に、低電力送信パワーを有するマイクロセルが重なって存在する異種ネットワークが論議されている。
【0037】
図5を参照すると、マクロセルは、一つ以上のマイクロセルと重なることがある。マクロセルのサービスは、マクロ基地局(Macro eNodeB:MeNB)により提供される。本明細書でマクロセルとマクロ基地局は混用される。マクロセルに接続した端末をマクロ端末(Macro UE)と呼ぶ。マクロ端末は、マクロ基地局からダウンリンク信号を受信し、マクロ基地局にアップリンク信号を伝送する。
【0038】
マイクロセルをフェムトセル、ピコセルと呼ぶこともできる。マイクロセルへのサービスは、ピコ基地局(Pico eNodeB)、ホーム基地局(Home eNodeB:HeNB)、リレーノード(Relay Node:RN)などにより提供される。便宜上、ピコ基地局(Pico eNodeB)、ホーム基地局(Home eNodeB:HeNB)、リレーノード(Relay Node:RN)を、ホーム基地局(HeNB)と総称する。本明細書で、マイクロセルとホーム基地局を混用することができる。マイクロセルに接続した端末は、マイクロ端末、あるいはホーム端末(Home−UE)と呼ぶこともできる。ホーム端末は、ホーム基地局からダウンリンク信号を受信し、ホーム基地局にアップリンク信号を伝送する。
【0039】
マイクロセルは、アクセス性によって、オープンアクセス(Open Access:OA)セルとクローズドサブスクライバグループ(Closed Subscriber Group:CSG)セルとに分類することができる。OAセルは、端末が別途のアクセス制限無しで必要時にはいつでもサービスを受けることができるマイクロセルを意味する。一方、CSGセルは、許可された特定端末のみがサービスを受けることができるマイクロセルを意味する。
【0040】
異種ネットワークではマクロセルとマイクロセルとが重なるから、セル間干渉がより問題となる。
図5に示すように、マクロ端末がマクロセルとマイクロセルとの境界にある場合に、ホーム基地局のダウンリンク信号はマクロ端末に干渉として作用する。同様に、マクロ基地局のダウンリンク信号は、マイクロセル内のホーム端末に干渉として作用することがある。また、マクロ端末のアップリンク信号はホーム基地局に干渉として作用することがある。同様に、ホーム端末のアップリンク信号はマクロ基地局に干渉として作用することがある。
【0041】
したがって、異種ネットワークが構成された場合に、従来のホーム基地局は、隣接したマクロ端末の性能を保障すると同時に自体のカバレッジを維持するために、マクロ基地局のDL信号強度を活用して自体のDL電力を制御してきた。マクロ基地局のDL信号強度は、ホーム基地局のDL受信機を用いて直接測定したり、端末、好ましくは、ホーム端末の測定報告(measurement report)から類推したりすることができる。
【0042】
式1は、従来のホーム基地局のDL電力制御方法の一例を示す図である。下記の式では、それぞれのパラメータをDL物理チャネル別に与えることができる。DL物理チャネルとしては、例えば、物理制御フォーマット指示チャネル(Physical Control Format Indicator CHannel:PCFICH)、物理ハイブリッドARQ指示チャネル(Physical Hybrid ARQ Indicator CHannel:PHICH)、物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control CHannel:PDCCH)、物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Control CHannel:PDSCH)を含む。
【0044】
ここで、P_txは、ホーム基地局のDL伝送電力またはその上限を表す。そのため、ホーム基地局の実際のDL伝送電力は、P_tx以下の値を有する。
【0045】
P_maxは、ホーム基地局の最大伝送電力を表す。P_minは、ホーム基地局の最小伝送電力を表す。P_max及びP_minは、無線周波(Radio Frequency:RF)モジュールの物理的性能に基づいて与えられたり、ネットワークにより任意に設定されたりする。
【0046】
P_Mは、マクロ基地局のDL信号の強度/電力またはそれと関連した値を表す。例えば、P_Mは、信号対ノイズ比(Signal to Noise Ratio:SNR)、信号対干渉及びノイズ比(Signal to Interference and Noise Ratio:SINR)、搬送波対干渉比(Carrier to Interference Ratio:CIR)、搬送波対干渉及びノイズ比(Carrier to Interference and Noise Ratio:CINR)、参照信号の受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)、参照信号の受信品質(Reference Signal Received Quality:RSRQ)またはそれと関連した値を表すことができる。マクロ基地局の参照信号を測定してP_Mを得ることができる。また、リソース要素単位にP_Mを測定/定義することができる。
【0047】
αは、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)である。βは、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)である。
【0048】
MEDIAN(A,B,C)は、A、B及びCのうち、中央値を表す。MEDIAN(A,B,C)を等価の他の式で表現することもできる。例えば、MEDIAN(A,B,C)=MAX(A,MIN(B,C))=MIN(A,MAX(B,C))。ここで、MAX(A,B)は、A及びBのうち、大きい値を表す。MIN(A,B)は、A及びBのうち、小さい値を表す。
【0049】
図6は、式1による電力制御方法を例示する。式1は、ホーム基地局のDL伝送電力の上限(P_tx)を、一定範囲内でP_Mと正比例するように設定する。マクロ基地局に対する経路損失+シャドウイング(path loss + shadowing)値はP_Mと関連する。経路損失+シャドウイング値が大きくなるとP_Mは減少し、経路損失+シャドウイング値が小さくなるとP_Mは増加する。
【0050】
図6を参照すると、P_Mが大きくなるにつれてホーム基地局のP_txが高く設定される。そのため、ホーム基地局がマクロ基地局に隣接した場合に、マクロ基地局の強い干渉からホーム基地局のカバレッジを保護することができる。一方、P_Mが小さくなるにつれてホーム基地局のP_txが低く設定される。そのため、ホーム基地局がマクロ基地局から遠く離れた場合に、ホーム基地局から強い干渉を受けるマクロ端末の性能を保障することができる。
【0051】
しかし、主に室内に設置されるホーム基地局の特性上、ホーム基地局の近くで測定されるマクロ基地局のDL信号は、建物の内外の壁を通過しながら極めて弱くなる可能性が高い。そのため、ホーム基地局によって得られるP_Mが非常に小さいことがある。この場合、式1の方法を適用すると、マクロ基地局の実際のDL信号強度が大きいにもかかわらず、ホーム基地局のDL伝送電力は最小伝送電力(P_min)により制限されることがある。そのため、ホーム基地局のDL性能が悪化することがある。また、マクロ基地局とホーム基地局との距離が、相互干渉を与えない程度に十分に遠く離れている場合がある。この場合、式1の方法を適用すると、セル間干渉を及ぼす可能性が少ないにもかかわらず、P_Mが小さいため、ホーム基地局のDL伝送電力が最小伝送電力(P_min)により制限されることがある。そのため、ホーム基地局のDL性能が悪化することがある。
【0052】
上述の問題点を解消するために、本発明は、異種ネットワークにおいてセル間干渉を最小化するようにホーム基地局のDL電力制御(または、電力セッティング)を効率的に行う方法を提案する。
【0053】
本発明に係るホーム基地局のDL電力制御は、異種基地局(すなわち、それらのチャネル)が共存することを前提とする。したがって、本発明に係るホーム基地局のDL電力制御は、異種基地局のチャネルが共存する場合にのみ適用されるようにすることができる。そのために、本提案によるホーム基地局のDL電力制御は、少なくとも異種基地局(例えば、マクロ基地局)のDL信号の強度/電力(P_M)またはそれに関連した値が所定の閾値以上の値を有する場合にのみ適用されるように制限することができる。すなわち、P_Mまたはそれに関連した値が所定の閾値以上の場合に、ホーム基地局とマクロ基地局のチャネルが共存するから、ホーム基地局は、本発明で提案する電力制御方法を用いることができる。一方、P_Mまたはそれに関連した値が所定の閾値よりも小さい場合に、ホーム基地局とマクロ基地局のチャネルが共存する状態でないから(すなわち、ホーム基地局がマクロ基地局から孤立された状態であるから)、ホーム基地局は、マクロ基地局を考慮した電力制御をする必要がない。
【0054】
実施例1
本例によれば、ホーム基地局がマクロ基地局の信号から孤立(isolated)された領域に設置されている場合に、マクロ基地局のDL信号がかなり小さくても、ホーム基地局のP_txをP_minよりも大きい値を有するように設定することができる。ホーム基地局が孤立されたか否かは、ネックワーク事業者によりあらかじめ設定されていてもよい。また、ホーム基地局が孤立されたか否かは、マクロ基地局のDL信号を測定することによって間接的に類推されてもよい。例えば、ホーム基地局に所定の閾値が設定されている場合に、ホーム基地局は、P_M、その他のDL信号測定値、またはそれらに関連した値の大きさが閾値よりも小さい場合を孤立状況と判断することができる。
【0055】
P_Mは、マクロ基地局のDL信号強度またはそれに関連した値を表す。例えば、P_Mは、SNR、SINR、CIR、CINR、RSRP、RSRQまたはそれに関連した値を表すことができる。したがって、P_Mは、マクロ基地局からホーム基地局(あるいは、ホーム端末)までの経路損失及びシャドウイングの大きさと関連することができる。P_Mは、ホーム基地局のDL受信機を通じて直接測定されたり、端末、好ましくは、ホーム端末の測定報告を通じて類推されたりする。
【0056】
本例によれば、P_Mの大きさが閾値よりも小さくなると、例えば、マクロ基地局からホーム基地局までの経路損失及びシャドウイングの大きさが閾値を越えると、ホーム基地局のP_txをP_minよりも高く設定することができる。一例として、ホーム基地局は、P_Mの大きさが閾値よりも小さくなると、P_txをP_minよりも大きい一定値に維持することができる。他の例として、ホーム基地局は、P_Mの大きさが閾値よりも小さくなると、P_Mの大きさを考慮してP_txを適応的に増加させることもできる。本実施例で、閾値は、固定値として与えられたり、周辺状況によって変動する値として与えられたりする。例えば、閾値は、受信されたDL信号(または電力)の総計の強度、またはそれに関連した値として与えられる。ここで、受信されたDL信号(または電力)の総計からホーム基地局自体の信号(または電力)を除外することができる。
【0057】
式2〜5は、本実施例による電力制御方法を例示するものである。
【0059】
ここで、P_tx、P_max、P_min、P_M、α、β及びMEDIAN(A,B,C)は、式1で定義した通りである。γは、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す(γ>P_min)。
【0061】
ここで、P_tx、P_max、P_min、P_M、α、β及びMEDIAN(A,B,C)は、式1で定義した通りである。γ
1,γ
2,…,γ
nは、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す(P_min<γ
1<γ
2<…<γ
n)。
【0063】
ここで、P_tx、P_max、P_min、P_M、α、β及びMEDIAN(A,B,C)は、式1で定義した通りである。α´、β´及びκ´はそれぞれ、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す。Aは、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す。
【0065】
ここで、P_tx、P_max、P_min、P_M、α、β及びMEDIAN(A,B,C)は、式1で定義した通りである。α´及びβ´はそれぞれ、定数または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す。
【0066】
図7は、実施例1による電力制御方法を例示する。
図7(b)は、経路損失及びシャドウイングの大きさが閾値を越えると、経路損失及びシャドウイングの大きさが増加するにつれてホーム基地局のP_txをP_minよりも高い一定レベルに維持する場合を示す。一方、
図7(a)は、経路損失及びシャドウイングの大きさが閾値を越えると、経路損失及びシャドウイングの大きさが増加するにつれてホーム基地局のP_txを一定割合で増加させる場合を例示する。しかし、これは例示に過ぎず、閾値の後に、経路損失及びシャドウイングの大きさが増加するにつれてP_txは階段状に増加させてもよい。また、経路損失及びシャドウイングの大きさを複数の区間に分けた後に、経路損失及びシャドウイングの大きさが閾値よりも大きくなるにつれてP_txは区間別に与えられた比率によって増加させてもよい。
【0067】
実施例2
ホーム基地局は、UL受信機を用いて周辺マクロ端末によるUL干渉を測定することができ、UL干渉量から、隣接領域に位置するマクロ端末の存在/距離がわかる。一例として、UL干渉の大きさが一定閾値よりも大きくなると、ホーム基地局の近くにマクロ端末が存在すると判断することができる。この場合、ホーム基地局から干渉を受けるマクロ端末の性能保障のために、ホーム基地局のDL電力を制御する必要がある。
【0068】
そのため、本例は、ホーム基地局が測定したUL干渉量を考慮して、ホーム基地局のDL電力制御を行うことを提案する。具体的には、ホーム基地局は、UL干渉が一定閾値を越えると、近接領域にマクロ端末が存在すると判断し、ホーム基地局のP_txをP_maxよりも小さい値を有するように設定することができる。一例として、ホーム基地局は、UL干渉量が閾値を越えると、P_txをP_maxよりも小さい一定値に維持することができる。他の例として、ホーム基地局は、UL干渉が一定閾値を越えると、UL干渉の大きさを考慮してP_txを適応的に下げてもよい。
【0069】
UL干渉の大きさ(P_UL)は、当業界の公知の様々な方法を用いて得ることができる。例えば、UL干渉の大きさ(P_UL)は、マクロ端末のUL信号の強度/電力またはそれに関連した値を用いて得ることができる。具体的には、UL干渉の大きさ(P_UL)は、SNR、SINR、CIR、CINR、RSRP、RSRQまたはそれに関連した値から得ることができる。P_ULは、マクロ端末の参照信号を測定して得ることもできる。P_ULは、リソース要素単位に測定/定義することができる。本実施例で、閾値は、固定値として与えられたり、周辺状況によって変動する値として与えられたりする。例えば、閾値は、受信されたUL信号(または電力)の総計の強度、またはそれに関連した値として与えられる。ここで、受信されたUL信号(または電力)の総計からホーム基地局自体の信号(または電力)を除外することができる。
【0070】
式6〜9は、本実施例に係る電力制御方法を例示するものである。
【0072】
ここで、P_tx、P_max、P_min、P_M、α、β及びMEDIAN(A,B,C)は、式1で定義した通りである。P_ULは、(マクロ)端末から測定したUL干渉量またはそれに関連した値を表す。γは、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す(γ<P_max)。γ´は、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す。
【0074】
ここで、P_tx、P_max、P_min、P_M、α、β及びMEDIAN(A,B,C)は、式1で定義した通りである。P_ULは、(マクロ)端末から測定したUL干渉量またはそれに関連した値を表す。γ
1,γ
2,…,γ
nは、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す(P_max>γ
1>γ
2>…>γ
n)。γ
1´,γ
2´,…,γ
n´は、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す(γ
1´<γ
2´<…<γ
n´)。
【0076】
ここで、P_tx、P_max、P_min、P_M、α、β及びMEDIAN(A,B,C)は、式1で定義した通りである。α´及びβ´はそれぞれ、定数、または電力制御のためのパラメータを表す。Aは、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す。P_ULは、(マクロ)端末から測定したUL干渉量またはそれに関連した値を表す。
【0078】
ここで、P_tx、P_max、P_min、P_M、α、β及びMEDIAN(A,B,C)は、式1で定義した通りである。α´及びβ´はそれぞれ、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す。P_ULは、(マクロ)端末から測定したUL干渉量またはそれに関連した値を表す。
【0079】
図8には、実施例2に係る電力制御方法を例示する。本例は、UL干渉量が閾値よりも小さい場合にP_tx=P_maxである状況を仮定する。
図8(a)は、UL干渉の大きさが閾値を越えると、UL干渉の大きさが増加するにつれてホーム基地局のP_txを一定レベル小さく維持する場合を示す。一方、
図8(b)は、UL干渉の大きさが閾値を越えると、UL干渉の大きさが増加するにつれて、ホーム基地局のP_txを一定割合で減少させる場合を例示する。しかし、これは例示に過ぎず、閾値の後に、UL干渉の大きさが増加するにつれて、P_txは階段式で減少してもよい。また、UL干渉の大きさを複数の区間に分けた後に、UL干渉の大きさが閾値より大きくなるにつれて、P_txは区間別に与えられた比率で減少してもよい。
【0080】
上述した例では、UL干渉量を考慮して、式1のパラメータα×P_M+β(=P´)を適応的に制御する方法を示した。しかし、これは例示に過ぎず、UL干渉量を考慮して式1のP_maxを適応的に制御することも考慮することができる。具体的には、ホーム基地局は、UL干渉が一定閾値を越えると、近接領域にマクロ端末が存在すると判断し、ホーム基地局のP_maxを元の値よりも小さい値に設定することができる。一例として、ホーム基地局は、UL干渉量が閾値を越えると、P_maxを元の値よりも小さい一定値に維持することができる。他の例として、ホーム基地局は、UL干渉が一定閾値を越える場合に、UL干渉の大きさを考慮してP_maxを適応的に下げてもよい。
【0081】
式10〜13は、本実施例に係る電力制御方法を例示するものである。
【0083】
ここで、P_tx、P_max、P_min、P_M、α、β及びMEDIAN(A,B,C)は、式1で定義した通りである。P_ULは、(マクロ)端末から測定したUL干渉量またはそれに関連した値を表す。γは、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す(γ<P_max)。γ´は、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す。
【0085】
ここで、P_tx、P_max、P_min、P_M、α、β及びMEDIAN(A,B,C)は、式1で定義した通りである。P_ULは、(マクロ)端末から測定したUL干渉量またはそれに関連した値を表す。γ
1,γ
2,…,γ
nは、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す(P_max>γ
1>γ
2>…>γ
n)。γ
1´,γ
2´,…,γ
n´は、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す(γ
1´<γ
2´<…<γ
n´)。
【0087】
ここで、P_tx、P_max、P_min、P_M、α、β及びMEDIAN(A,B,C)は、式1で定義した通りである。α´及びβ´はそれぞれ、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す。Aは、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す。P_ULは、(マクロ)端末から測定したUL干渉量またはそれに関連した値を表す。
【0089】
ここで、P_tx、P_max、P_min、P_M、α、β及びMEDIAN(A,B,C)は、式1で定義した通りである。α´及びβ´はそれぞれ、定数、または電力制御のためのパラメータ(組み合わせ)を表す。P_ULは、(マクロ)端末から測定したUL干渉量またはそれに関連した値を表す。
【0090】
便宜上、実施例1及び2は別々に説明されたが、これらの例を組み合わせてもよい。例えば、式1で、パラメータα×P_M+β(=P´)を、マクロ基地局の信号強度(例えば、P_M)及びUL干渉量(P_UL)の両方を考慮して制御してもよい。他の例として、UL干渉量を考慮してP_maxを式10〜13のように制御し、マクロ基地局の信号強度(例えば、P_M)を考慮してホーム基地局のP´を式2〜5のように制御してもよい。
【0091】
また、ホーム基地局は、ホーム端末の有無によって上述のDL電力制御方法を組み合わせて適用することもできる。例えば、ホーム端末からの測定報告が存在する場合にのみ、実施例1のDL伝送電力制御方法を適用することができる。一方、ホーム端末からの測定報告がない場合には、ホーム基地局のP_txを、あらかじめ決定されたデフォルト(default)値に設定したり、式1によって定めたりすることができる。
【0092】
図9は、本発明の一実施例に適用されうる基地局及び端末を示す図である。ここで、基地局は、マクロ基地局及びホーム基地局を含む。同様に、端末は、マクロ端末及びホーム端末を含む。無線通信システムにリレーが含まれる場合に、バックホールリンクで通信は基地局とリレーとの間で行われ、アクセスリンクで通信はリレーと端末との間で行われる。そのため、同図の基地局または端末は、状況に応じてリレーに代えてもよい。
【0093】
図9を参照すると、無線通信システムは、基地局(BS)110及び端末(UE)120を含む。基地局110は、プロセッサ112、メモリ114及び無線周波(Radio Frequency:RF)ユニット116を含む。プロセッサ112は、本発明で提案した手順及び/または方法を具現するように構成することができる。メモリ114は、プロセッサ112に接続し、プロセッサ112の動作と関連した様々な情報を記憶する。RFユニット116は、プロセッサ112に接続し、無線信号を送信及び/または受信する。端末120は、プロセッサ122、メモリ124及びRFユニット126を含む。プロセッサ122は、本発明で提案した手順及び/または方法を具現するように構成することができる。メモリ124は、プロセッサ122に接続し、プロセッサ122の動作と関連した様々な情報を記憶する。RFユニット126は、プロセッサ122に接続し、無線信号を送信及び/または受信する。基地局110及び/または端末120は、単一アンテナまたはマルチアンテナを有することができる。
【0094】
以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定形態に結合したものである。各構成要素または特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素または特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することもでき、一部の構成要素及び/または特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部構成や特徴は、別の実施例に含まれることもでき、別の実施例の対応する構成または特徴に取って代わることもできる。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めたりすることができることは明らかである。
【0095】
本文書で、本発明の実施例は、端末と基地局との間のデータ送受信関係を中心に説明されている。このような送受信関係は、端末とリレーとの間、または基地局とリレーとの間の信号送受信にも同一/類似に拡張される。本文書で基地局により行われるとした特定動作は、場合によっては、その上位ノード(upper node)により行われてもよい。すなわち、基地局を含む多数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局または基地局以外の別のネットワークノードにより実行できることは明らかである。基地局は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に代替可能である。また、端末は、ユーザ装置(User Equipment:UE)、移動端末(Mobile Station:MS)、移動加入局(Mobile Subscriber Station:MSS)などの用語に代替可能である。
【0096】
本発明による実施例は様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェアまたはそれらの結合などにより具現することができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、一つまたはそれ以上の特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits:ASICs)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processors:DSPs)、デジタル信号処理装置(Digital Signal Processing Devices:DSPDs)、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Devices:PLDs)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Arrays:FPGAs)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどにより具現することができる。
【0097】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、以上で説明された機能または動作を行うモジュール、手順、関数などの形態で具現することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶されて、プロセッサにより駆動されるようにすることができる。メモリユニットは、プロセッサの内部または外部に設けられ、既に公知の様々な手段によりプロセッサとデータを交換することができる。
【0098】
本発明は、本発明の特徴を逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化可能であるということは、当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈により決定すべきであり、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。