特許第6382318号(P6382318)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6382318ガス状ヒドロシランのための前駆体としてのシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−シランの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382318
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】ガス状ヒドロシランのための前駆体としてのシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−シランの使用
(51)【国際特許分類】
   C07F 7/08 20060101AFI20180820BHJP
   C07F 7/18 20060101ALI20180820BHJP
   C07F 7/12 20060101ALI20180820BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20180820BHJP
【FI】
   C07F7/08 B
   C07F7/08 C
   C07F7/18 B
   C07F7/18 D
   C07F7/12 E
   C07F7/18 E
   !C07B61/00 300
【請求項の数】14
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-539538(P2016-539538)
(86)(22)【出願日】2014年9月4日
(65)【公表番号】特表2016-529303(P2016-529303A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(86)【国際出願番号】EP2014068798
(87)【国際公開番号】WO2015036309
(87)【国際公開日】20150319
【審査請求日】2017年6月26日
(31)【優先権主張番号】13183727.0
(32)【優先日】2013年9月10日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】14168521.4
(32)【優先日】2014年5月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509156387
【氏名又は名称】テヒーニィシエ ウニヴェルジテート ベルリン
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】オストライヒ,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】シモンネオ,アントワーヌ
【審査官】 桜田 政美
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第07319159(US,B1)
【文献】 特開2004−339200(JP,A)
【文献】 特開平07−089971(JP,A)
【文献】 特開平10−085605(JP,A)
【文献】 特開平07−025808(JP,A)
【文献】 AMREIN, Stephan et al,ORGANIC LATTERS,2001年,vol. 3, no. 15,2357-2360
【文献】 RENDLER, Sebastian et al,ANGEWANDTE CHEMIE,2008年,vol. 120,6086-6089
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F 7/08
C07F 7/12
C07F 7/18
C07B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
のシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−シランの使用において、
(式中、R及びRは、互いに独立して、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシを表し、
は、R及びRから独立して、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、又はアリールを表し、且つ、
及びRは、互いに独立して、H、C〜C−アルキル、又は前述で定義されるRからRを有するRSiを表す)
前述のRからRを有する、溶液における一般式Ia
SiH(Ia)
のヒドロシランの生成のために、
一般式II又はIIa
B(C(II)
(式中、m+n=5、m=0から5、且つ、n=0から5)
BF・O(R)(IIa)
(式中、Rはメチル又はエチルである)
のルイス酸を用いて、
アレーン溶媒の付随する形成を伴うことを特徴とする使用。
【請求項2】
請求項1に記載の使用において、一般式III
のアルケンの存在下において、前記アルケンは、前述のRからRを有する、一般式Ia
SiH(Ia)
のヒドロシランと溶液で反応し、
前述のRからRを有する、一般式IV
のシランを形成することを特徴とする使用。
【請求項3】
請求項1に記載の使用において、一般式V
のカルボニル化合物の存在下において、前記カルボニル化合物は、一般式Ia
SiH(Ia)
の前記形成されたヒドロシランと溶液で反応し、
からRは、前述の意味を有し、
前述のRからRを有する、一般式VI
のシランを形成することを特徴とする使用。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の使用において、式IのR、R、及びRは、互いに等しく、メチル、エチル、i−プロピル、メトキシ、又はエトキシを表すことを特徴とする使用。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の使用において、式IのR及びRは、互いに等しく、メチル、エチル、メトキシ、又はエトキシを表し、且つ、RはH又はアリールを表すことを特徴とする使用。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の使用において、一般式IIのmは5及びnは0であることを特徴とする使用。
【請求項7】
請求項1、2、及び4乃至6の何れか一項に記載の使用において、前記反応は、環境温度でアレーン溶媒又はハロゲン化溶媒において実行されることを特徴とする使用。
【請求項8】
請求項3乃至6の何れか一項に記載の使用において、前記反応は、70〜120℃でアレーン溶媒又はハロゲン化溶媒において実行されることを特徴とする使用。
【請求項9】
請求項2、及び4乃至7の何れか一項に記載の使用において、ヒドロシリル化される前記アルケンは、一般式IIIa
(式中、Rは、H、C〜C20−アルキル、C〜C20−シクロアルキル又はアリールを表し、
は、H、C〜C10−アルキル、C〜C10−シクロアルキル又はアリールを表し、或いは、R及びRは、シクロアルカン環をともに形成し、且つ、
は、H、メチル、エチル、−CHHal、又はフェニルを表し、ここで、Halは、塩素、臭素、又はヨウ素であるハロゲンである)のアルケンであることを特徴とする使用。
【請求項10】
請求項9に記載の使用において、R及びRは水素を表し、且つ、Rは、−CHHal基をし、ここで、Halは、塩素、臭素、又はヨウ素であるハロゲンであることを特徴とする使用。
【請求項11】
請求項2、及び4乃至7の何れか一項に記載の使用において、ヒドロシリル化される前記アルケンは、一般式IIIb
(式中、
a)環AとBの両方が存在する場合、
nは、1又は2であり、
は、H、C〜C20−アルキル又はC〜C20−シクロアルキルを表し、
10は、H又はハロゲンを表し、且つ、
b)環Bが存在しない場合、
環Aの環状アルケンでは、nは1〜4であり、且つ、RはH又はメチルを表す)のアルケンであることを特徴とする使用。
【請求項12】
請求項2、及び4乃至7の何れか一項に記載の使用において、ヒドロシリル化される前記アルケンはノルボルネン(IIIc)であることを特徴とする使用。
【請求項13】
請求項3乃至6、及び8の何れか一項に記載の使用において、ヒドロシリル化される前記カルボニル化合物は、一般式Va
(式中、Rは、C〜C20アルキル又はアリールを表し、
R’は、H、C〜C20アルキル又はアリールを表し、或いは、
R及びR’は、C〜C20シクロアルカン環をともに形成する)の化合物であることを特徴とする使用。
【請求項14】
一般式(I)
のシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−シランの使用において、アレーン溶媒の付随する形成の下で、アルケン及びカルボニル化合物のヒドロシリル化のため、
((式中、R及びRは、互いに独立して、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシを表し、
は、R及びRから独立して、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、又はアリールを表し、且つ、
及びRは、互いに独立して、H、C〜C−アルキル、又は前述で定義されるRからRを有するRSiを表す)及び、
一般式II又はIIa
B(C(II)
(式中、m+n=5、m=0から5、且つ、n=0から5)
BF・O(R)(IIa)
(式中、Rはメチル又はエチルである)
のルイス酸である)
であることを特徴とする使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強いルイス酸を使用して溶液におけるヒドロシランを生成するための、一般式Iのシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−シランの使用に関する。このように、例えば、アルケン又はカルボニル化合物は、アレーン溶媒の付随する形成とともに、触媒としての強いルイス酸の存在下で移動ヒドロシリル化剤として一般式Iのシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−シランを用いて好収率においてヒドロシリル化されることができる。
【0002】
アルケンヒドロシリル化は、研究環境並びに産業環境において、炭素−シリコン結合形成のための一般的な方法の1つである。通常、貴重な後期遷移金属錯体によって触媒され、現在、より多くの遷移金属に基づく触媒の設計においてかなりの進展がなされている。一般的には、様々なトリオルガノシラン(RSiH)だけでなく、可燃性トリクロロシラン(ClSiH)及び有害なトリアルコキシシラン[RはMe又はEtである(RO)SiH]が、これらの触媒において使用される。反対に、MeSiH及びMeSiHは、これらの非常に可燃性である、且つ、潜在的に爆発性であるガスの取扱いが、安全面から不都合であることから、ほとんど適用されていない。
【0003】
従って、これらの問題を回避する実用的な方法は、シリコン化学のいくつかの領域に関連し、本発明の目的である。
【0004】
本発明の発明者は、アレーン溶媒の付随する形成の下で、一般式II又はIIa
B(C(II)
(式中、m+n=5、m=0から5、且つ、n=0から5)
BF・O(R)(IIa)
(式中、Rはメチル又はエチルである)
のルイス酸を用いて、
前述のRからRを有する、溶液における一般式Ia
SiH(Ia)
のヒドロシランの生成のために、
一般式I
(式中、R及びRは、互いに独立して、C〜C−アルキル又はC〜C−アルコキシを表し、
は、R及びRから独立して、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、又はアリールを表し、且つ、
及びRは、互いに独立して、H、C〜C−アルキル、又は前述で定義されるRからRを有するRSiを表す)のシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−シランを用いて、この課題を解決した。
【0005】
一般式Iのシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−シランが実行可能なヒドロシラン前駆体として機能することを発明者は見出している。ルイス酸、特に、それらのうちの一部は市販されている、式II及びIIaのルイス酸は、式Iのシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−シランから式Iaのヒドロシランの放出を触媒することができた。
【0006】
この新規な技術は、式II及びIIaの同一触媒によって促進されたアルケン及びカルボニル化合物のヒドロシリル化のために用いられた。一般式III
のアルケンは、一般式Ia
SiH(Ia)
(式中、RからRは、前述の意味を有する)の形成されたヒドロシランと溶液で反応し、
前述のRからRを有する、一般式IV
のシランに対することが判明した。
【0007】
同一の方法で、一般式V
のカルボニル化合物は、一般式Ia
SiH(Ia)
(式中、RからRは、前述の意味を有する)の形成されたヒドロシランと溶液で反応し、
前述のRからRを有する、一般式VI
のシランを形成した。
【0008】
従って、アレーン溶媒の付随する形成の下で、式II又はIIaのルイス酸によって触媒される一般式Iのシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−シランを使用するアルケン又はカルボニル化合物の先例のないイオン移動ヒドロシリル化に、正味の反応は対応する。この反応の副生成物、アレーン溶媒及び式Iaの未反応のヒドロシランは、反応混合物から容易に取り除かれることができる。従って、アルケン及びカルボニル化合物のヒドロシリル化も本発明の目的である。
【0009】
本発明によれば、C〜C−アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、又はi−プロピルを意味し、且つ、C〜C−アルコキシは、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、又は2−プロポキシを意味する。アリールは、置換又は非置換のアリール、好ましくは置換又は非置換のフェニル、トリル、キシリル、メシチル、ナフト−1−イル、及びナフト−2−イルを意味する。本発明によるアレーン溶媒は、ベンゼン、アルキル又はトリオルガノシリルベンゼン、好ましくは、トルエン、キシレンクメン、又はトリメチルシリルベンゼンである。
【0010】
本発明の実施形態においては、R、R、及びRは互いに等しく、メチル、エチル、i−プロピル、メトキシ、又はエトキシを表す、一般式Iのシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−シランが使用される。本発明の好ましい実施例においては、R、R、及びRは、メチル、エチル、メトキシ、又はエトキシである。R、R、及びRは、メチル、メトキシ、又はエトキシであることが特に好ましい。
【0011】
本発明の別の実施形態においては、式IにおけるR及びRの少なくとも1つは、メチル又はトリメチルシリルである。
【0012】
本発明の更なる別の実施形態においては、R及びRは、互いに等しく、メチル、エチル、メトキシ、又はエトキシ、好ましくはメチル及びメトキシを表し、且つ、Rは、H又はアリール、好ましくはフェニルを表す、一般式Iのシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−シランが使用される。
【0013】
式Iの以下の化合物が、特に好ましい。
【0014】
本発明によれば、一実施形態においては、式IIの触媒は、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランB(Cであり、更に、式IIaの三フッ化ホウ素ジエチルエーテル酸又はジメチルエーテル酸が用いられることができ、好ましくは三フッ化ホウ素ジエチルエーテル酸である。又、触媒としてAlClを使用することができる。
【0015】
式Iからのヒドロシランの放出及びアルケンのヒドロシリル化は、環境温度で溶媒において行われる。本発明によれば、環境温度は、15〜30℃を意味する。カルボニル化合物のヒドロシリル化は、70〜120℃で行われる。溶媒としては、アレーン溶媒、好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン、又はハロゲン化溶媒、好ましくは、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、又はクロロホルムを使用することが好ましい。アルケンの移動ヒドロシリル化は、前駆体として式Iのシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−トリメチルシランで塩化メチレンにおいて80〜95%の高収率で生じる。この前駆体は室温でガス状であることから、僅かな過剰のこの前駆体のみが、高収率のために必要であることは注目に値する。
【0016】
カルボニル化合物の移動ヒドロシリル化は、前駆体として式Iのシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−トリメチルシランでベンゼンにおいて90〜99%の高収率で生じた。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、ヒドロシリル化されるアルケンは、一般式IIIa
(式中、Rは、H、C〜C20−アルキル、C〜C20−シクロアルキル又はアリール、好ましくはC〜C−アルキル又はフェニルを表し、
は、H、C〜C10−アルキル、C〜C10−シクロアルキル又はアリール、好ましくは、C〜C−アルキル又はフェニルを表し、
或いは、R及びRは、シクロアルカン環、好ましくはシクロヘキサン環をともに形成し、且つ、
は、H、メチル、エチル、−CHHal、又はフェニルを表す)のアルケンである。
【0018】
本発明によれば、Halは、塩素、臭素、又はヨウ素、好ましくは塩素又は臭素であるハロゲンを意味する。
【0019】
式Iのシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−トリメチルシランでヒドロシリル化される式IIIaの一部のアルケン及びそれらの最終生成物を表1に示す。
【表1】
【0020】
本発明の新規な技術によるヒドロシリル化のための特に好ましいアルケンは、−CHHalを表すR並びに水素を表すR及びRを有する一般式IIIaのアルケンである。R、R、及びRが互いに等しく、且つ、メトキシ又はエトキシを表す式Iのシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−トリメチルシランによるこれらのアルケン、特に塩化アリルのヒドロシリル化は、商業的に興味深いトリアルコキシシランをもたらす。
【0021】
本発明の新規な技術によってヒドロシリル化されることができる更なるアルケンは、好ましくは、一般式IIIb
(式中、a)環AとBの両方が存在する場合、
nは、1又は2であり、
は、H、C〜C20−アルキル又はC〜C20−シクロアルキル、好ましくはC〜C−アルキルを表し、
10は、H又はハロゲンを表し、且つ、
b)環Bが存在しない場合、
環Aの環状アルケンでは、nは1〜4、好ましくは2又は3であり、且つ、RはH又はメチルを表す)のアルケンである。
【0022】
更に、本発明に従って好ましくはヒドロシリル化される更なるアルケンは、ノルボルネン(IIIc)である。
【0023】
式Iの移動ヒドロシリル化剤でヒドロシリル化される式IIIb及びIIIcの一部の好ましいアルケン及びそれらの最終生成物を表2に示す。
【表2】
【0024】
一般式Iのシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−シランは、アルケンのための移動ヒドロシリル化剤として有用であるだけでなく、カルボニル還元及びアルコールとの脱水素カップリングにおけるSi−O結合形成、並びに水素化脱ハロゲンに使用されることができる。
【0025】
このため、カルボニル化合物のヒドロシリル化は、本発明の別の目的であり、この場合に、触媒としての強いルイス酸の存在下で式Iのシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イル−シランが使用される。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、ヒドロシリル化されるカルボニル化合物は、一般式Va
(式中、Rは、C〜C20アルキル又はアリールを表し、
R’は、H、C〜C20アルキル又はアリールを表し、或いは、
R及びR’は、C〜C20シクロアルカン環をともに形成する)の化合物である。
【0027】
本発明によれば、C〜C20アルキルは、置換又は非置換であることができる、分岐又は非分岐アルキルを意味する。アリールは、置換又は非置換のアリール、好ましくは置換又は非置換のフェニル、トリル、キシリル、メシチル、ナフサ−1−イル、及びナフサ−2−イルを意味する。
【実施例】
【0028】
以下の実施例は、本発明を例示するために提供される。これらは、いかなる点においても制限することを目的としない。
【0029】
調整例
1 概要情報
すべての反応は、MBraunグローブボックス(酸素<0.5ppm、水<0.5ppm)、或いは、アルゴン(グローブボックス)又は窒素の静圧の下での従来のSchlenk技術を使用して炎乾燥ガラス製品において実施した。液体及び溶液は、シリンジで移した。塩化メチレン、ベンゼン、n−ペンタン、及びTHFは、MBraun溶媒システムを用いて精製して乾燥した。1,2−ジクロロエタンは、水素化カルシウムを通じて蒸留し、脱気し、4Åのモレキュラーシーブを通してグローブボックスで保存した。トルエンは、ナトリウムを通じて蒸留し、脱気し、4Åのモレキュラーシーブを通してグローブボックスで保存した。C(Eurisotopから購入される)は、4Åのモレキュラーシーブを通して乾燥した。[D8]トルエン及び塩化メチレン(Eurisotopから購入)は、適切な乾燥試薬から蒸留し、脱気し、4Åのモレキュラーシーブを通してグローブボックスで保存した。抽出及びクロマトグラフィー(シクロヘキサン、n−ペンタン、酢酸エチル、及びtert−ブチルメチルエーテル)のための工業グレードの溶媒を、使用の前に蒸留した。すべての市販のアルケンは、蒸留し、脱気し、4Åのモレキュラーシーブを通してグローブボックスで保存した。分析薄層クロマトグラフィー(TLC)を、マッハライ−ナーゲル(Macherey−Nagel)のシリカゲルSIL G−25ガラス板にて実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィーを、指示された溶媒を用いて、メルク(Merck)によるシリカゲル60(40〜63μm、230〜400のメッシュ、ASTM)にて実施した。H及び13C NMRスペクトルを、ブルカーAV400及びブルカーAV500計測器においてCにて記録した。化学シフトは、テトラメチルシランから100万分の1(ppm)低磁場において報告され、内標準として残余溶媒共鳴を参照する(CH NMRにおけるδ=7.16ppm及びC13C NMRにおけるδ=128.06ppm)。データは、以下の通り報告される。化学シフト、多重度(br s=ブロードシングレット、s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット)、結合定数(Hz)及び積分。赤外線(IR)スペクトルは、ATRユニットを備えるAgilent Technologies Cary 630FT−IR分光光度計にて記録され、波数(cm−1)で報告される。ガス液体クロマトグラフィー−質量分析(GLC−MS)は、Agilent Technologies Mass Selective Detector(EI)及びHP−5MSカラム(column)を備えるAgilent Technologies GC−system 5975Cにて実施した。以下のプログラム:35分:窒素キャリヤーガス、カラムフロー1.7mL/分、注入温度280℃、検出器温度300℃、温度プログラム:開始温度40℃、加熱速度10℃/分、10分間の最終温度280℃を用いたCS−Chromatographie Serviceによって、SE−54キャピラリーカラム(30m×0.32mm、0.25μm膜厚)を備える島津GC−17Aガスクロマトグラフにて、気液クロマトグラフィー(GLC)を実施した。高分解能質量分析(HRMS)方法を、Institut fuer Chemie、Technische Universitaet Berlinの分析施設によって実施した。
【0030】
2 シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルシランの合成のための実験における詳細
2.1 化合物の合成のための一般手順(GP1)
炎乾燥した100mLのシュレンク(Schlenk)フラスコに、乾燥THF(0.7M)及びシクロヘキサ−1,4−ジエンを入れる。次いで、得られた溶液を−78℃まで冷却する。磁気攪拌棒を備える別々の炎乾燥した25mLの丸底フラスコに、sec−BuLi(ヘキサンにおいて1.30M、1.0当量)を入れ、次いで、TMEDA(1.0当量)を滴下にて加える。その後、得られた暗赤色のスラリーを、シクロヘキサ−1,4−ジエンの冷却されたTHF溶液に滴下にて加え、次いで、得られた混合物を−45℃まで暖め、3時間この温度に維持する。溶液はその間に黄色に変わる。THF(2.5M)に溶解した対応するクロロシラン(1.0当量)を−45℃で最後に滴下にて加え、得られた混合物を室温までゆっくり暖める。飽和NHCl(20mL)水溶液を加え、水層を、tert−ブチルメチルエーテル(2×20mL)によって抽出する。混ぜ合わされた有機層を、塩水(20mL)及び水(20mL)で洗浄する。すべての揮発物の除去の後、粗製物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー又は蒸留によって精製する。
【0031】
2.2 化合物シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルシランの評価分析データ
シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン。シクロヘキサ−1,4−ジエン(0.94mL、10.0mmol、1.0当量)及びトリメチルクロロシラン(1.27mL、10.0mmol、1.0当量)からのGP1による調製。クーゲルロール蒸留(30ミリバール、90℃)による精製。無色油状物、1.15g、76%の収率。IR(ATR):/cm−1=3026、2956、2893、2823、1668、1623、1434、1333、1294、1246、1099、1051、980、937、893、833、784、749、714、690。H NMR(500MHz、C)δ=5.68〜5.65(m、2H)、5.55〜5.52(m、2H)、2.78〜2.55(m、2H)、2.18〜2.11(m、1H)、0.01(s、9H)。13C NMR(126MHz、C)δ=126.5(2C)、121.8(2C)、31.8、26.9、−3.5(3C)。(C16Si)のGLC−MS(EI):m/z152.1[M]。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z152.10158、実測値152.10186。
【0032】
シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルジメチルシラン。過剰量のシクロヘキサ−1,4−ジエン(2.60mL、27.5mmol、1.1当量)、及びジメチルクロロシラン(2.78mL、25.0mmol、1.0当量)からのGP1による調製。溶出剤としてn−ペンタンを使用するシリカゲルを通したフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製。無色油状物、1.89g、55%の収率。IR(ATR):/cm−1=3026、2960、2890、2855、2823、2112、1624、1432、1294、1248、1102、1053、937、874、835、793、741、688、660。H NMR(500MHz、C)δ=5.68〜5.61(m、2H)、5.56〜5.49(m、2H)、4.09〜3.99(m、1H)、2.67〜2.56(m、2H)、2.31〜2.21(m、1H)、0.03(d、J=3.6、6H)。13C NMR(126MHz、C)δ=126.0(2C)、122.3(2C)、29.6、26.8、−6.4(2C)。(C14Si)のGLC−MS(EI):m/z138.1[M]。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z138.08593、実測値138.08605。
【0033】
シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリエチルシラン。シクロヘキサ−1,4−ジエン(0.94mL、10.0mmol、1.0当量)、及びトリエチルクロロシラン(1.68mL、10.0mmol、1.0当量)からのGP1による調製。クーゲルロール蒸留(30ミリバール、150℃)による精製。無色油状物、1.89g、97%の収率。IR(ATR):/cm−1=3026、2952、2910、2876、2821、1624、1458、1416、1378、1334、1294、1239、1100、1053、1008、973、938、893、777、699、664。H NMR(500MHz、C)δ=5.70〜5.66(m、2H)、5.54〜5.51(m、2H)、2.78〜2.59(m、2H)、2.43〜2.33(m、1H)、0.96(t、J=8.0、9H)、0.58(q、J=8.0、6H)。13C NMR(126MHz、C)δ=126.8(2C)、121.6(2C)、28.7、26.8、7.8(3C)、2.7(3C)。(C1222Si)のGLC−MS(EI):m/z194.1[M]、115.1[M−C。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z194.14853、実測値194.14836。
【0034】
シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリイソプロピルシラン。シクロヘキサ−1,4−ジエン(0.94mL、10.0mmol、1.0当量)及びトリイソプロピルクロロシラン(2.16mL、10.0mmol、1.0当量)からのGP1による調製。溶出剤としてシクロヘキサンを使用するシリカゲルを通したフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製。白色固体、1.56g、66%の収率。IR(ATR):/cm−1=3021、2942、2887、2864、2823、1459、1431、1382、1335、1293、1254、1110、1072、1015、943、885、763、669。H NMR(500MHz、C)δ=5.82〜5.71(m、2H)、5.56〜5.46(m、2H)、2.79〜2.68(m、2H)、2.66〜2.59(m、1H)、1.22〜1.05(m、21H)。13C NMR(126MHz、C)δ=127.5(2C)、121.6(2C)、27.0、26.6、19.2(6C)、11.7(3C)。(C1528Si)のGLC−MS(EI):m/z236.2[M]。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z236.19548、実測値236.19557。
【0035】
シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルジメチル(フェニル)シラン。シクロヘキサ−1,4−ジエン(1.13mL、12.0mmol、1.0当量)及びジメチルフェニルクロロシラン(1.99mL、12.0mmol、1.0当量)からのGP1による調製。溶出剤としてシクロヘキサンを使用するシリカゲルを通したフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製。無色油状物、1.77g、69%の収率。IR(ATR):/cm−1=3025、2958、2890、2851、2820、1427、1294、1246、1111、1051、935、892、832、809、795、759、726、696。H NMR(500MHz、C)δ=7.50〜7.45(m、2H)、7.24〜7.19(m、3H)、5.73〜5.61(m、2H)、5.55〜5.45(m、2H)、2.68〜2.57(m、1H)、2.56〜2.39(m、2H)、0.26(s、6H)。13C NMR(126MHz、C)δ=137.7、134.3(2C)、129.4(2C)、128.3、126.2(2C)、122.3(2C)、31.3、26.8、−5.2(2C)。(C1418Si)のGLC−MS(EI):m/z214.2[M]、199.1[M−CH、137.1[M−C。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z214.11723、実測値214.11621。
【0036】
3 移動ヒドロシリル化によるシランの合成に関する実験における詳細
3.1 シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルシランとのアルケンの触媒移動ヒドロシリル化のための一般手順(GP2)
グローブボックスにおいて、1.3mLのGLCバイアルに、B(C(5.0mol%)及び磁気攪拌棒を入れる。アルケン(1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルシラン(1.3当量)を秤量して別々のバイアルに入れる。両方の試薬を塩化メチレン(1.0M)に溶解し、得られた溶液を触媒に加える。次いで、グローブボックスにおいてバイアルをキャップし溶液を撹拌する。反応を、GLCによってモニターし、通常、15〜24時間、室温での撹拌を必要とする。最終的に、混合物をn−ペンタン(0.3mL)で希釈し、小さいセライト(登録商標)/二酸化ケイ素カラム(0.5cmの二酸化ケイ素で覆われた1cmのセライト(登録商標)、n−ペンタンで溶出)を通して濾過し、すべての揮発物を減圧下で除去する。必要に応じて、粗製目標化合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー又はクーゲルロール蒸留によって精製する。
【0037】
3.2 化合物の特性評価データ
シス−トリメチル(2−メチルシクロヘキシル)シラン。1−メチルシクロヘキセン(48.1mg、0.50mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン(99.0mg、0.65mmol、1.32当量)からのGP2による調製。反応を24時間後に停止した。溶出剤としてn−ペンタンを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製。ジメチルフェニルシランとの1−メチルシクロヘキセンのB(C−触媒ヒドロシリル化及び一貫性のあるNMRデータから類推して、シス配置を帰属した。無色油状物、74mg、87%の収率。IR(ATR):/cm−1=2955、2919、2850、2812、1444、1405、1378、1247、1200、1156、1106、1059、1018、954、871、828、744、687。H NMR(500MHz、C)δ=1.99〜1.93(m、1H)、1.68(ddd、J=11.4、5.7、2.4、1H)、1.60〜1.3(m、6H)、1.27〜1.15(m、1H)、0.93(d、J=7.2、3H)、0.86〜0.69(m、1H)、0.01(s、9H)。13C NMR(126MHz、C)δ=35.4、30.8、30.0、28.6、22.5、21.7、16.5、−1.9(3C)。(C1022Si)のGLC−MS(EI):m/z170.1[M]、155.1[M−CH。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z170.14853、実測値170.14856。
【0038】
トリメチル(オクチル)シラン。オクタ−1−エン(22.4mg、0.20mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン(39.6mg、0.26mmol、1.3当量)からのGP2による調製。転換を15時間後に完了した。粗製物質は精製を必要としなかった。無色油状物、31mg、84%の収率。IR(ATR):/cm−1=2956、2922、2855、1459、1412、1295、1248、1175、1110、1001、833、755、723、690。H NMR(500MHz、C)δ=1.44〜1.18(m、12H)、1.02〜0.86(m、3H)、0.59〜0.47(m、2H)、0.03(s、9H)。13C NMR(126MHz、C)δ=34.1、32.4、29.8、29.8、24.4、23.1、17.0、14.4、−1.5(3C)。(C2224Si)のGLC−MS(EI):m/z171.1[M−CH。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z186.17983、実測値186.18008。
【0039】
トリメチル(フェネチル)シラン。スチレン(20.8mg、0.20mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン(39.6mg、0.26mmol、1.3当量)からのGP2による調製。転換を17時間後に完了した。粗製物質は精製を必要としなかった。無色油状物、28mg、78%の収率。IR(ATR):/cm−1=3028、2954、2900、1603、1496、1454、1412、1302、1248、1174、1124、1030、998、902、857、830、747、693。H NMR(400MHz、C)δ=7.24〜7.17(m、2H)、7.14〜7.07(m、3H)、2.61〜2.50(m、2H)、0.85〜0.70(m、2H)、−0.03(s、9H)。13C NMR(101MHz、C)δ=145.3、128.6(2C)、128.2(2C)、125.9、30.5、18.8、−1.7(3C)。(C1118Si)のGLC−MS(EI):m/z178.1[M]、163.1[M−CH。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z178.11723、実測値178.11747。
【0040】
トリメチル(2−フェニルプロピル)シラン。α−メチルスチレン(23.6mg、0.20mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン(39.6mg、0.26mmol、1.3当量)からのGP2による調製。転換を17時間後に完了した。粗製物質は精製を必要としなかった。無色油状物、28mg、85%の収率。IR(ATR):/cm−1=3028、2955、2898、1603、1493、1451、1411、1372、1300、1247、1186、1147、1083、1028、913、834、761、697。H NMR(400MHz、C)δ=7.22〜7.13(m、2H)、7.12〜7.03(m、3H)、2.78(dp、J=8.6、6.8、1H)、1.23(d、J=6.9、3H)、0.92(dd、J=14.6、8.6、1H)、0.78(dd、J=14.7、6.6、1H)、−0.11(s、9H)。13C NMR(101MHz、C)δ=149.7、128.7(2C)、127.1(2C)、126.2、36.9、27.1、27.0、−0.9(3C)。(C1220Si)のGLC−MS(EI):m/z192.1[M]、177.1[M−CH、105.1[M−C11Si]。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z192.13288、実測値192.13333。
【0041】
(2,2−ジフェニルエチル)トリメチルシラン。1,1−ジフェニルエチレン(36.1mg、0.20mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン(39.6mg、0.26mmol、1.3当量)からのGP2による調製。転換を22時間後に完了した。粗製物質は精製を必要としなかった。無色油状物、48mg、94%の収率。IR(ATR):/cm−1=3062、3027、2952、2896、1598、1492、1450、1413、1247、1173、1131、1072、1031、1015、849、828、780、748、694。H NMR(500MHz、C)δ=7.19(d、J=7.2、4H)、7.12(t、J=7.8、4H)、7.01(t、J=7.3、2H)、4.02(t、J=8.1、1H)、1.30(d、J=8.1、2H)、−0.16(s、9H)。13C NMR(126MHz、C)δ=147.5(2C)、128.6(4C)、128.0(2C)、126.3(4C)、47.8、24.3、−1.1(3C)。(C1722Si)のGLC−MS(EI):m/z254.2[M]、239.1[M−CH。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z254.14853、実測値254.14933。
【0042】
(シクロヘキシルメチル)トリメチルシラン。メチレンシクロヘキサン(19.2mg、0.20mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン(39.6mg、0.26mmol、1.3当量)からのGP2による調製。反応を24時間後に停止した。粗製物質は精製を必要としなかった。無色油状物、29mg、85%の収率。IR(ATR):/cm−1=2921、2853、1448、1413、1247、1152、1033、969、889、858、832、772、755、689。H NMR(400MHz、C)δ=1.80〜1.54(m、5H)、1.45〜1.33(m、1H)、1.33〜1.05(m、3H)、1.03〜0.82(m、2H)、0.49(d、J=6.9、2H)、0.04(s、9H)。13C NMR(126MHz、C)δ=37.2(2C)、34.8、27.0(2C)、26.7、26.0、−0.4(3C)。(C1022Si)のGLC−MS(EI):m/z170.2[M]、155.1[M−CH。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z170.14853、実測値170.14842。
【0043】
トリメチル(2−メチルノニル)シラン。2−メチルノナ−1−エン(28.1mg、0.20mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン(39.6mg、0.26mmol、1.3当量)からのGP2による調製。転換を17時間後に完了した。粗製物質は精製を必要としなかった。無色油状物、35mg、81%の収率。IR(ATR):/cm−1=2955、2925、2855、1459、1414、1376、1295、1248、1216、1108、1030、833、784、759、689。H NMR(500MHz、C)δ=1.69〜1.55(m、1H)、1.38〜1.15(m、12H)、0.97(d、J=6.6、3H)、0.94〜0.89(m、3H)、0.67(dd、J=14.6、5.1、1H)、0.42(dd、J=14.7、8.5、1H)、0.06(s、9H)。13C NMR(126MHz、C)δ=41.1、32.4、30.4、30.0、29.9、27.7、25.5、23.3、23.2、14.4、−0.4(3C)。(C1330Si)のGLC−MS(EI):m/z199.2[M−CH、115.1[M−C15。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z214.21113、実測値214.21203。
【0044】
(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)トリメチルシラン。インデン(23.2mg、0.20mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン(39.6mg、0.26mmol、1.3当量)からのGP2による調製。転換を15時間後に完了した。溶出剤としてn−ペンタンを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製。無色油状物、25mg、69%の収率。IR(ATR):/cm−1=3023、2953、2895、2839、1482、1459、1444、1404、1318、1247、1144、1025、990、931、908、830、747、689。H NMR(400MHz、C)δ=7.22〜7.08(m、4H)、2.81(dd、J=15.2、9.0、2H)、2.64(dd、J=15.2、10.3、2H)、1.37(p、J=10.3、1H)、−0.05(s、9H)。13C NMR(101MHz、C)δ=145.0(2C)、126.4(2C)、124.5(2C)、34.9(2C)、26.3、−3.0(3C)。(C1218Si)のGLC−MS(EI):m/z190.1[M]、175.1[M−CH。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z190.11723、実測値190.11719。
【0045】
(4−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)トリメチルシラン。7−ブロモ−1H−インデン(39.0mg、0.20mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン(39.6mg、0.26mmol、1.3当量)からのGP2による調製。転換を17時間後に完了した。クーゲルロール蒸留(10ミリバール、150℃)による精製。無色油状物、35mg、65%の収率。IR(ATR):/cm−1=2952、2894、2837、1567、1447、1319、1248、1162、1137、1117、1057、987、914、831、763、689。H NMR(500MHz、C)δ=7.25(d、J=7.9、1H)、6.88(d、J=7.3、1H)、6.74(t、J=7.6、1H)、3.03(dd、J=16.3、9.1、1H)、2.73(dt、J=16.1、9.9、2H)、2.59(dd、J=15.9、10.7、1H)、1.26(p、J=9.8、1H)、−0.11(s、9H)。13C NMR(126MHz、C)δ=147.1、145.5、129.6、128.3、123.2、120.3、36.6、36.1、25.2、−3.1(3C)。(C1217BrSi)のGLC−MS(EI):m/z270.0[M]、255.0[M−CH。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z268.02774、実測値268.02740。
【0046】
トリメチル(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)シラン。1,2−ジヒドロナフタレン(26.0mg、0.20mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン(39.6mg、0.26mmol、1.3当量)からのGP2による調製。反応を24時間後に停止した。溶出剤としてn−ペンタンを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製。無色油状物、27mg、66%の収率。IR(ATR):/cm−1=3018、2953、2912、2834、1581、1494、1450、1433、1350、1291、1247、1158、1109、1078、1041、945、922、889、829、740、687。H NMR(400MHz、C)δ=7.12〜7.06(m、2H)、7.06〜7.00(m、2H)、2.71〜2.41(m、4H)、1.81〜1.66(m、1H)、1.28(tdd、J=12.9、10.8、6.3、1H)、0.75(tdd、J=12.5、5.0、2.6、1H)、−0.05(s、9H)。13C NMR(101MHz、C)δ=137.8、137.3、129.6、129.2、125.8、125.8、30.6(2C)、24.4、22.3、−3.6(3C)。(C1320Si)のGLC−MS(EI):m/z204.1[M]、189.1[M−CH。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z204.13288、実測値204.13337。
【0047】
シクロヘキシルトリメチルシラン。シクロヘキセン(16.4mg、0.20mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン(39.6mg、0.26mmol、1.3当量)からのGP2による調製。反応を19時間後に停止した。粗製物質は精製を必要としなかった。無色油状物、19mg、61%の収率。IR(ATR):/cm−1=2954、2919、2846、1446、1293、1247、1100、1039、997、889、858、826、745、687。H NMR(500MHz、C)δ=1.83〜1.49(m、5H)、1.31〜0.93(m、5H)、0.49(tt、J=12.8、3.1、1H)、−0.04(s、9H)。13C NMR(126MHz、C)δ=28.5(2C)、27.7(2C)、27.4、26.4、−3.5(C)。(C20Si)のGLC−MS(EI):m/z156.1[M]、141.1[M−CH。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z156.13288、実測値156.13357。
【0048】
シクロヘプチルトリメチルシラン。シクロヘプテン(48.1mg、0.50mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン(99.0mg、0.65mmol、1.3当量)からのGP2による調製。反応を18時間後に停止した。クーゲルロール蒸留(1気圧窒素、125℃)による精製。無色油状物、61mg、71%の収率。IR(ATR):/cm−1=2916、2850、1449、1363、1289、1247、1096、1041、1016、897、829、741、686。H NMR(500MHz、C)δ=1.80〜1.67(m、4H)、1.65〜1.56(m、2H)、1.54〜1.36(m、4H)、1.26〜1.13(m、2H)、0.56(tt、J=11.0、3.3、1H)、−0.01(s、9H)。13C NMR(126MHz、C)δ=30.4(2C)、29.2(2C)、28.8(2C)、27.0、−3.2(3C)。(C1022Si)のGLC−MS(EI):m/z170.2[M]、155.1[M−CH。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z170.14853、実測値170.14848。
【0049】
エキソ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルトリメチルシラン。ノルボルネン(47.1mg、0.50mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン(1、99.0mg、0.65mmol、1.3当量)からのGP2による調製。転換を22時間後に完了した。溶出剤としてn−ペンタンを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製。エキソ配置を文献データに従って帰属した。無色油状物、58mg、69%の収率。IR(ATR):/cm−1=2949、2867、1453、1402、1292、1246、1112、1028、998、970、908、826、743、686。H NMR(500MHz、C)δ=2.21(br s、1H)、2.13(br s、1H)、1.52(dq、J=6.1、1.8、2H)、1.39〜1.29(m、2H)、1.24〜1.14(m、3H)、1.08(dt、J=9.3、1.8、1H)、0.44(ddd、J=9.4、7.6、1.6、1H)、−0.02(s、9H)。13C NMR(126MHz、C)δ=38.2、38.2、37.3、34.6、32.8、29.6、29.3、−2.5(3C)。(C1020Si)のGLC−MS(EI):m/z168.1[M]、153.1[M−CH。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z168.13288、実測値168.13246。
【0050】
トリメチル(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)シラン。2−メチル−1H−インデン(26.0mg、0.20mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン(39.6mg、0.26mmol、1.3当量)からのGP2による調製。転換を22時間後に完了した。溶出剤としてn−ペンタンを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製、並びに、少量のその他の位置異性体、トリメチル(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)シランを有する混合物において取得。無色油状物、32mg、73%の収率、位置異性体の5%の収率。IR(ATR):/cm−1=3021、2953、2896、2838、1586、1482、1456、1402、1371、1318、1248、1081、1024、936、873、830、790、739、686。H NMR(500MHz、C)δ=7.15〜7.10(m、4H)、2.90(d、J=15.5、2H)、2.40(d、J=15.4、2H)、0.96(s、3H)、−0.07(s、9H)。13C NMR(126MHz、C)δ=143.5(2C)、126.6(2C)、125.1(2C)、43.0(2C)、28.1、23.5、−3.9(3C)。(C1320Si)のGLC−MS(EI):m/z204.1[M]、189.1[M−CH。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z204.13288、実測値204.13320。
【0051】
トリメチル(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)シラン。混合物の少量成分として得られ、部分的なデータのみを収集することができた。H NMR(500MHz、C)δ=2.75(dd、J=14.4、7.4、1H)、2.68(dq、J=9.2、7.2、1H)、2.48(ddd、J=14.6、9.2、1.3、1H)、2.32(d、J=7.7、1H)、1.08(d、J=6.9、3H)、0.04(s、9H)、主要な異性体のものにおける芳香族のシグナル。
【0052】
(2,2−ジフェニルエチル)トリエチルシラン。1,1−ジフェニルエチレン(36.1mg、0.20mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリエチルシラン(50.5mg、0.26mmol、1.3当量)からのGP2による調製。42時間後、GCのモニタリングでは、出発材料の更なる転換を示さず、ワークアップの後、所望の生成物を、1,1−ジフェニルエチレンを有する混合物において得た。これは、クーゲルロール蒸留(25ミリバール、175℃)によって除去することができた。無色油状物、38mg、64%の収率。IR(ATR):/cm−1=3026、2951、2908、2874、1598、1492、1451、1415、1377、1341、1237、1172、1132、1072、1007、964、912、854、827、776、737、695。H NMR(400MHz、C)δ=7.28〜7.20(m、4H)、7.14〜7.09(m、4H)、7.07〜6.98(m、2H)、4.07(t、J=7.9、1H)、1.38(d、J=7.9、2H)、0.87(t、J=7.9、8H)、0.37(q、J=8.0、6H)。13C NMR(101MHz、C)δ=147.7(2C)、128.7(4C)、127.9(4C)、126.3(2C)、47.6、19.4、7.7(3C)、3.9(3C)。(C2028Si)のGLC−MS(EI):m/z267.1[M−C
【0053】
(2,2−ジフェニルエチル)ジメチル(フェニル)シラン。1,1−ジフェニルエチレン(36.1mg、0.20mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルジメチル−(フェニル)シラン(55.7mg、0.26mmol、1.3当量)からのGP2による調製。24時間後に転換完了。溶出剤としてn−ペンタン/tert−ブチルメチルエーテル99:1を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製。無色油状物、59mg、94%の収率。IR(ATR):/cm−1=3064、3025、2954、2900、1598、1492、1450、1427、1248、1172、1111、1071、1030、913、863、834、809、781、728、694。H NMR(400MHz、C)δ=7.42〜7.36(m、2H)、7.25〜7.20(m、3H)、7.14〜7.05(m、8H)、7.03〜6.97(m、2H)、4.02(t、J=8.0、1H)、1.55(d、J=8.0、2H)、0.01(s、6H)。13C NMR(101MHz、C)δ=147.3(2C)、139.4、134.0(2C)、129.2、128.6(4C)、128.2(2C)、128.0(4C)、126.3(2C)、47.6、23.7、−2.5(2C)。(C2224Si)のGLC−MS(EI):m/z301.1[M−CH
【0054】
3.3 シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルジメチルシランとのスチレンの2倍シリル化のための手順
ジメチルジフェネチルシラン。グローブボックスにおいて、1.3mLのGLCバイアルに、B(C(5.1mg、5.0μmol、5.0mol%)及び磁気攪拌棒を入れた。別々のバイアルに、スチレン(20.6mg、0.20mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルジメチルシラン(13.8mg、0.10mmol、0.50当量)を秤量して入れた。両方の試薬を塩化メチレン(0.2mL)に溶解し、得られた溶液を触媒に加えた。次いで、グローブボックスにおいてバイアルをキャップし溶液を撹拌した。15時間後、2滴のEtNを反応混合物に加え、バイアルを5分間撹拌した。最終的に、混合物を、n−ペンタン(0.3mL)で希釈し、小さいセライト(登録商標)/二酸化ケイ素カラム(0.5cmの二酸化ケイ素で覆われた1cmのセライト(登録商標)、n−ペンタンで溶出)を通して濾過し、すべての揮発物を除去した後、粗製標題化合物を、溶出剤としてn−ペンタン/tert−ブチルメチルエーテル98:2を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。無色油状物、21mg、78%の収率。IR(ATR):/cm−1=3063、3026、2952、2919、1603、1495、1453、1412、1312、1249、1173、1124、1066、1030、997、898、831、796、768、747、722、695。H NMR(400MHz、C)δ=7.24〜7.18(m、4H)、7.14〜7.07(m、6H)、2.58〜2.48(m、4H)、0.85〜0.70(m、4H)、−0.06(s、6H)。13C NMR(101MHz、C)δ=145.3(2C)、128.7(4C)、128.2(4C)、126.0(2C)、30.4(2C)、17.4(2C)、−3.4(2C)。(C1824Si)のGLC−MS(EI):m/z253.2[M−CH、163.1[M−C
【0055】
3.4 シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルジメチルシランとの1−メチルシクロヘキセンの移動ヒドロシリル化のための手順
シスージメチル(2−メチルシクロヘキシル)シラン。グローブボックスにおいて、1.3mLのGLCバイアルに、B(C(12.8mg、25.0μmol、5.0mol%)及び磁気攪拌棒を入れた。別々のバイアルに、1−メチルシクロヘキセン(48.1mg、0.50mmol、1.0当量)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルジメチルシラン(72.6mg、0.525mmol、1.05当量)を秤量して入れた。両方の試薬を塩化メチレン(0.2mL)に溶解し、得られた溶液を触媒に加えた。次いで、グローブボックスにおいてバイアルをキャップし溶液を撹拌した。15時間後、4滴のEtNを反応混合物に加え、バイアルを5分間撹拌した。最終的に、混合物をn−ペンタン(0.3mL)で希釈し、小さいセライト(登録商標)/二酸化ケイ素カラム(0.5cmの二酸化ケイ素で覆われた1cmのセライト(登録商標)、n−ペンタンで溶出)を通して濾過し、すべての揮発物を除去した後、粗製標題化合物を、窒素雰囲気(120℃)下で、クーゲルロール蒸留によって精製した。ジフェニルシランとの1−メチルシクロヘキセンのB(C−触媒ヒドロシリル化及び一貫性のあるNMRデータから類推して、シス配置を帰属した。無色油状物、38mg、49%の収率。IR(ATR):/cm−1=2958、2921、2851、2108、1444、1390、1249、1166、1103、1080、955、877、833、784、759、699。H NMR(500MHz、C)δ=4.07(h、J=3.7、1H)、1.94〜1.87(m、1H)、1.64〜1.34(m、7H)、1.29〜1.21(m、1H)、0.98(d、J=7.3、3H)、0.85(dq、J=10.2、3.9、1H)、0.05(t、J=3.8、6H)。13C NMR(126MHz、C)δ=34.6、31.2、29.6、27.7、24.3、22.7、17.3、−4.4、−4.9。(C20Si)のGLC−MS(EI):m/z156.1[M]、141.1[M−CH。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z156.13288、実測値156.13363。
【0056】
3.5 シクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシランとのカルボニル化合物の触媒移動ヒドロシリル化のための一般手順
ケトンのヒドロシリル化
グローブボックスにおいて、1mLのAce(登録商標)圧力管に、ケトン(0.30mmol)及びシクロヘキサ−2,5−ジエン−1−イルトリメチルシラン(54.80mg、0.36mmol、1.20当量)を充填する。別々の1.3mLのGCバイアルに、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(7.70mg、15.00μmol、5.00mol%)を秤量して入れ、後者を0.45mLのCに溶解する。次いで、得られた溶液をシリンジを介して圧力管へ移し、グローブボックス外で圧力管を封止し110℃まで加熱する。反応をGCによってモニターし、完全な転換が認められた時、封止した圧力管を室温まで冷却し注意して開封する。反応混合物を、中性アルミナの短いカラム(MP Ecochrom、活性グレードI(activity grade I),MP Biomedicals Germany GmbH)を通じて濾過し、揮発物を減圧下で除去して、トリメチルシリルエーテルを分析的に純粋な形態で得る。
【0057】
3.6 化合物の特性評価データ
(シクロドデシルオキシ)トリメチルシラン。シクロドデカノン(54.70mg、0.30mmol)から調製、並びに、Cにおいて110℃、15時間後に無色油状物(73mg、95%の収率)として取得。IR(ATR):
=2929、2860、1468、1375、1248、1057、834、746。H NMR(500MHz、C)δ=3.75〜3.67(m、1H)、1.57〜1.45(m、2H)、1.36〜1.02(m、20H)、0.00(s、9H)。13C NMR(126MHz、C)δ=69.7、33.3(2C)、24.7(2C)、24.2(2C)、23.8(2C)、23.7(2C)、21.5(2C)、0.6(3C)。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z256.2217、実測値256.2221。
【0058】
トリメチル(1−フェニルエトキシ)シラン。アセトフェノン(36.10mg、0.30mmol)から調製、並びに、Cにおいて110℃、21時間後に、無色油状物(59mg、99%の収率)として取得。IR(ATR):
=2957、1449、1368、1249、1206、1093、1031、956、834、748、696。H NMR(500MHz、C)δ=7.33(d、J=8.0、2H)、7.19(t、J=8.0、2H)、7.08(t、J=8.0、1H)、4.75(q、J=6.3、1H)、1.40(d、J=6.3、3H)、0.07(s、9H)。13C NMR(126MHz、C)δ=147.1、128.5(2C)、127.2、125.7(2C)、71.1、27.4、0.2(3C)。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z194.1043、実測値193.1034。
【0059】
(1−(2−ブロモフェニル)エトキシ)トリメチルシラン。2’−ブロモアセトフェノン(59.70mg、0.30mmol)から調製、並びに、Cにおいて110℃、15時間後に、無色油状物(75mg、92%の収率)として取得。IR(ATR):
=2957、1369、1249、1200、1093、1021、953、835、748。H NMR(500MHz、C)δ=7.68(dd、J=7.8、1.5、1H)、7.30(d、J=7.8、1H)、7.00(t、J=7.8、1H)、6.67(td、J=7.8、1.5、1H)、5.35(q、J=6.2、1H)、1.43(d、J=6.2、3H)、0.06(s、9H)。13C NMR(126MHz、C)δ=146.2、132.6、128.7、128.4、127.9、121.3、70.0、25.8、0.0(3C)。[M]のHRMS(EI)精密質量:計算値m/z272.0227、実測値272.0227。
【0060】
(ベンズヒドリルオキシ)トリメチルシラン。ベンゾフェノン(54.70mg、0.30mmol)から調製、並びに、トルエンにおいて80℃、15時間後に、痕跡量(<8%)のジフェニルメタンを有する混合物における無色油状物(75mg、92%の収率)として取得。IR(ATR):
=3027、2955、1598、1491、1451、1249、1187、1060、880、833、735。H NMR(500MHz、C)δ=7.38(d、J=7.5、4H)、7.13(t、J=7.5、4H)、7.03(t、J=7.5、2H)、5.73(s、1H)、0.06(s、9H)。13C NMR(126MHz、C)δ=145.5(2C)、128.5(4C)、127.3(2C)、127.0(4C)、77.1、0.2(3C)。分子イオンを高分解能MSによって検出することはできなかった。