(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
≪照明装置の構成≫
図1は、本実施形態の照明装置20の構成を示す斜視図である。
【0012】
図1に示されるように、照明装置20は、電源格納部30(筐体)と、光源格納部40とを備える。照明装置20は、電源格納部30側から所定の部材(例えば天井)に装着される。
【0013】
図2は、
図1に示される照明装置20の詳細構成を示す図であって、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は上面図である。
【0014】
図2の(a)に示されるように、電源格納部30と、光源格納部40とは、互いに接続されている。電源格納部30には、複数の解除穴31が設けられている。解除穴31は、電源格納部30と光源格納部40との接続の解除に利用される。
【0015】
図2の(b)に示されるように、電源格納部30は、ノックアウト32を備える。ノックアウト32を打つまたは切ることにより、電源格納部30の内部に通じる穴を設けることができる。
【0016】
図2の(c)に示されるように、電源格納部30は、複数の突起33と、突出部34(突出部)とを備える。電源格納部30には、複数の取付穴35と、複数の配線穴36(交流電圧の電線を通す穴)とが設けられている。取付穴35は、照明装置20を所定の部材に取り付けるために利用される。配線穴36は、照明装置20の内部に配線を引き込むために利用される。突出部34は、取付穴35と配線穴36との間に形成されている。
【0017】
(電源格納部)
電源格納部30は、照明装置20の光源などに電力を供給する電源部8(物品)を格納する。
【0018】
図3は、
図1に示される照明装置20の電源格納部30の構成を示す図であって、(a)は正面図であり、(b)は(a)に示される範囲Aの底面図であり、(c)は(a)に示される範囲Bの底面図であり、(d)は範囲Bの上面図である。なお、電源格納部30の、光源格納部40に対向する側を底面とし、この底面の反対側を上面としている。
【0019】
図3の(a)に示されるように、電源格納部30は、本体シャーシ7と、電源端子台9と、調光端子台10と、複数のバネ受け部11とを備える。
【0020】
電源部8は、電源格納部30の、突出部34が設けられた位置(
図3の(a)において斜線で示される位置)に格納される。具体的には、突出部34は、電源格納部30の内面において凹部になっている。そして、電源部8は、この凹部に格納される。
【0021】
図3の(b)に示されるように、電源格納部30は、第1配線39をさらに備える。第1配線39の一端は、電源部8に接続されている。また、第1配線39の他端には、コネクタ391が取り付けられている。電源部8は、交流電圧を受け、第1配線39を介し直流電圧を後述のLEDに供給する。
【0022】
図3の(c)に示されるように、電源端子台9と、調光端子台10とは、本体シャーシ7に取り付けられている。上述の突起33と、突出部34とは、本体シャーシ7に設けられている。電源端子台9および調光端子台10は、それぞれ、電源部8に配線で接続されている。
【0023】
図3の(c)〜(d)に示されるように、配線穴36の縁に、絶縁キャップ361が取り付けられている。これにより、電線が金属製の本体シャーシ7で擦れてショートすることを防止できる。特に、突起33により、本体シャーシ7と、照明装置20が装着される部材(天井など)との間に隙間が形成される場合には、上述の交流電線(配線穴36を通る電線)は、この隙間を動きやすい。この場合にも、絶縁キャップ361は、上述のショートを有効に防止できる。
【0024】
(光源格納部)
光源格納部40は、電源格納部30に取り付けられており、複数の発光ダイオード(LED)を格納している。
【0025】
図4は、
図1に示される照明装置20の光源格納部40の構成を示す図であって、(a)は正面図であり、(b)は(a)に示される範囲Cの上面図であり、(c)は(b)においてサイドカバー2が外された状態を示し、(d)は範囲Cの斜視図であり、(e)は(d)においてサイドカバー2が外された状態を示す。なお、光源格納部40の、電源格納部30に対向する側を上面としている。
【0026】
図4の(a)に示されるように、光源格納部40は、カバー1と、複数のサイドカバー2と、反射板3と、LED実装基板4(光源)と、複数のバネ部5と、複数の落下防止ヒモ6とを備える。サイドカバー2は、光源格納部40の両端を覆っている。より具体的には、サイドカバー2は、カバー1と反射板3とによって規定される開口部分の一端と、この開口部分の他端とを、それぞれ覆っている。LED実装基板4は、カバー1に覆われており、かつ、反射板3に固定されている。バネ部5は、上述のバネ受け部11に接続・固定されることにより、光源格納部40を電源格納部30に接続・固定する。さらに、バネ部5は、カバー1と反射板3との位置関係を固定している。
【0027】
(電気的接続)
図4の(b)・(d)に示されるように、光源格納部40は、第2配線49(直流電圧供給線)を備える。この第2配線49の一端は、後述するようにLED実装基板4(LED)から引き出されている。また、第2配線49の他端には、コネクタ491が取り付けられている。そして、コネクタ491と、上述のコネクタ391とが接続されることにより、LED実装基板4と、電源部8とが、電気的に接続される。すなわち、LED実装基板4のLEDは、電源格納部30に格納された電源部8と配線によって電気的に接続されている。具体的には、電源格納部30は、電源部8から引き出された第1配線39を有する一方、光源格納部40は、LED実装基板4から引き出された第2配線49を有している。また、第1配線39と第2配線49とは、それぞれコネクタを有しており、これらのコネクタが接続されることにより、電気的に接続される。
【0028】
ここで、サイドカバー2と反射板3との間には、第2配線49を通す穴(隙間)が設けられている。また、
図4の(c)・(e)に示されるように、反射板3の範囲Dには、開口部が設けられている。LED実装基板4は、この開口部からサイドカバー2側に露出している。そして、第2配線49は、この隙間と開口部とを介し、LED実装基板4に接続されている。
【0029】
第2配線49を通す隙間には、スポンジ19が取り付けられており、この隙間は塞がれている。これにより、LED実装基板4に、埃や虫が侵入することを防止できる。スポンジ19を用いることにより、隙間の形状に合わせてスポンジ19を容易に変形させながら、隙間を塞ぐことができる。また、スポンジ19は第2配線49よりも軟らかい材料である。このため、第2配線49のダメージを低減でき、その短絡を防止できる。さらに、スポンジ19は、接着部材(隙間を塞ぐ部材)とは異なり、サイドカバー2に対し、容易に何度も繰り返して取り付けたり取り外したりすることが可能である。
【0030】
(バネ部・バネ受け部)
図5は、
図4の(a)に示される光源格納部40のバネ部5の構成を示す図であって、(a)は上面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。
【0031】
図5の(a)〜(c)に示されるように、バネ部5は、弾性を有する端部51を備える。
【0032】
図6は、
図3の(a)に示される電源格納部30のバネ受け部11の構成を示す図であって、(a)は上面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。
【0033】
図6の(a)〜(c)に示されるように、バネ受け部11は、バネ部5の端部51と噛み合わされる端部111を備える。
【0034】
図7は、
図5に示されるバネ部5と、
図6に示されるバネ受け部11とを接続した構成を示す正面図である。
【0035】
図7に示されるように、バネ部5の端部51と、バネ受け部11の端部111とが、噛み合うように、バネ部5と、バネ受け部11とは、接続される。
【0036】
(サイドカバー)
図8は、
図4の(a)に示される光源格納部40のサイドカバー2の構成を示す斜視図である。
【0037】
図9は、
図8に示されるサイドカバー2の詳細構成を示す図であって、(a)は上面図であり、(b)は正面図であり、(c)は下面図であり、(d)は側面図であり、(e)は(b)とは反対側の正面図であり、(f)は(b)の範囲Pの拡大図であり、(g)は(b)のA−A断面を示す断面図であり、(h)は(b)のB−B断面を示す断面図である。
【0038】
図8と、
図9の(a)〜(g)とに示されるように、サイドカバー2は、光源格納部40の内部に挿入される。サイドカバー2は、電源格納部30との位置関係を定めるための位置決め部材21を備える。ここで、サイドカバー2は、LEDの光を透過する部材であることが好ましい。
【0039】
(カバー)
図10は、
図4の(a)に示される光源格納部40のカバー1の構成を示す斜視図である。
【0040】
図11は、
図10に示されるカバー1の詳細構成を示す図であって、(a)は側面図であり、(b)は正面図であり、(c)は(b)の範囲Qの拡大図である。
【0041】
図10と、
図11の(a)〜(b)とに示されるように、カバー1は、一方向に湾曲している。
図11の(c)に示されるように、カバー1の端部は、カバー1の内部を向いた凹部を形成している。カバー1の端部付近の部位は、所定の曲率を有するように形成されている。カバー1は、LEDの光を透過する。
【0042】
(照明装置と部材との位置関係)
図12は、照明装置の構成を比較する断面図であって、(a)は比較例の照明装置120を示し、(b)は本実施形態の照明装置20を示し、(c)は(b)に示される照明装置20の突出部34と突起33との周囲を拡大したものを示す。なお、
図12の(a)〜(b)では、説明を簡略化するために、1個の配線穴36と、配線穴36の右側に電源部8および突出部34とを示している。
図12以降の図も、同様に簡略化されている。
【0043】
(比較例の照明装置)
図12の(a)に示されるように、照明装置120は、電源格納部130と、光源格納部140と、電源部108とを備える。照明装置120は、天井50(部材)に設置されている。電源格納部130は、天井50側に突起した複数の突起133を備える。配線137は、電源格納部130に設けられた配線穴136を介し、照明装置120の外部から電源部108まで配されている。電源部108は、配線137を介し、電力の供給を受ける。
【0044】
以上の照明装置120は、厚くなる(天井50の法線方向に長くなる)傾向にある。なぜならば、照明装置120において、光源などに電力を供給する電源部108が、一定以上の厚みにならざるを得ず、この電源部108を格納する電源格納部130も、厚くなるからである。
【0045】
(本実施形態の照明装置)
図12の(b)に示されるように、本実施形態の照明装置20は、電源格納部30の突出部34を設けている位置の内部に、電源部8を備える。照明装置20は、天井50に設置されている。配線37は、電源格納部30に設けられた配線穴36を介し、照明装置20の外部から電源部8まで配されている。電源部8は、配線37を介し、電力の供給を受ける。
【0046】
電源格納部30は、天井50に対向する対向面Sを有する。突出部34は、対向面Sの取付穴35(
図2の(c)参照)と配線穴36との間の領域(一領域)から、天井50側に突出している。突起33は、対向面Sの端部付近の領域(他の領域)から天井50に突起しており、天井50に接している。
【0047】
なお、照明装置20の光源格納部40は、電源部8から電力を供給され発光する光源であるLED実装基板4(
図4の(a)参照)を備える。
【0048】
≪本実施形態の効果≫
(突出部の効果)
突出部34により、電源部8の全体を格納できる内部空間が、電源格納部30に形成される。そして、厚くなる傾向にある電源部8の少なくとも一部を突出部34に格納することにより、電源格納部30を、例えば数mm薄型化できる。つまり、突出部34が、対向面Sよりも天井50側に突出しているため、突出部34以外での電源格納部30の厚みを、突出部34での電源格納部30の厚みよりも薄くできる。なお、電源格納部30が、より大きな照明装置または照明装置よりも大きな他の装置の筐体に利用される場合、薄型化により削減される電源格納部30の厚みは、より大きくなる。
【0049】
(突起の効果)
突起33が、天井50に接するため、天井50と対向面Sとの間に空間を形成できる。また、仮に、電源格納部30が突起33を備えなければ、対向面Sは、天井50に面接触する。天井50の表面が凹凸である場合、電源格納部30を、天井50に対し良好に接触させられない(天井50の凹凸を吸収できない)ことがある。しかし、突起33は、突出部34とは異なり、対向面Sから鋭く突き出ている。このため、電源格納部30は、突起33により天井50の凹凸を吸収できる。
【0050】
(突出部および突起の複合的な効果)
対向面Sにおいて、突出部34が突出している領域と、突起33が突起している領域とは、異なっているため、突出部34の少なくとも一部は、この空間に突出できる。このため、電源格納部30および照明装置20を薄くできる。
【0051】
(突起・突出部の高さ)
突出部34の高さは、突起33の高さより低いことが好ましい。突出部34は、確実に、突起33が形成した、天井50と対向面Sとの間の空間に収まる。よって、天井50の表面の一部が平坦でなくても、確実に、電源格納部30を天井50へ設置できる。
【0052】
図12の(c)に示されるように、突起33の高さとは、突起33が天井50側に突起している長さLを意味する。また、突出部34の高さとは、突出部34が天井50側に突出している長さlを意味する。長さlは、長さLよりも小さい(l<L)。
【0053】
〔実施形態2〕
本発明の第2実施形態について、
図13〜
図14に基づき説明する。なお、説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0054】
≪複数の照明装置を連結した構成≫
図13は、本実施形態の、複数の照明装置を連結した構成を比較する断面図であって、(a)は複数の
図1に示される照明装置20を連結した構成を示し、(b)は本実施形態の照明装置20A〜20Dを連結した構成を示す。
【0055】
図13の(a)に示されるように、複数の照明装置20を連結する場合、以下に列挙する処理が必要になることがある。
・すべての照明装置20に配線穴36(
図2の(c)参照)を設ける。
・配線37から分岐させた配線を、照明装置20の各電源部8まで引き回す。
【0056】
天井裏(天井50に対して照明装置20とは反対側に存在する空間)が狭い場合、以上の処理では手間がかかる。
【0057】
一方、
図13の(b)に示されるように、本実施形態では、照明装置20A〜20Dの内部(筐体内部)にて配線37を中継・分岐している。このように照明装置20A〜20Dを連結する場合、以下に列挙するように処理する。
・照明装置20Aにのみ配線穴36を設ける。
・配線37から照明装置20A〜20Dの内部にて中継・分岐させた配線を、照明装置20A〜20Dの各電源部8まで引き回す。
【0058】
(配線を中継・分岐するための構成)
図14は、
図13の(b)に示される照明装置20A〜20Dの構成を示す平面図であって、(a)は照明装置20Aを示し、(b)は照明装置20Bを示し、(c)は照明装置20Cを示し、(d)は照明装置20Dを示し、(e)は(a)に示される照明装置20Aの範囲Rを示す。なお、
図14の(a)〜(e)は、照明装置20A〜20Dの、天井50に平行(水平)であるとともに電源部8を含む断面における平面図である。また、上記断面は、照明装置20A〜20Dの電源格納部30の断面でもある。
【0059】
図14の(a)〜(d)に示されるA〜Cは、それぞれ、
図13の(b)に示される位置A〜Cに対応している。
【0060】
図14の(a)では、照明装置20Aの対向面S(
図12の(b)参照)と接している4面は、上記断面において、第1辺a(一面)、第2辺b(他面)、第3辺c、第4辺dとして示されている。
【0061】
図14の(a)に示されるように、照明装置20Aは、端子台39aを備える。端子台39aには、配線37が、配線穴36を介し接続されている。そして、端子台39aは、配線37を中継している。中継された配線37は、第3辺cを貫通し、照明装置20Bへ引き回されている。また、端子台39aは、配線37を分岐させている。分岐された配線37aは、電源部8に接続される。
【0062】
図14の(b)に示されるように、照明装置20Bは、端子台39bを備える。端子台39bには、照明装置20Aから引き回された配線37が、接続されている。そして、端子台39bは、配線37を中継している。中継された配線37は、照明装置20Cへ引き回されている。なお、配線37は、照明装置20Bの対向面Sと接している面を、適宜貫通している。また、端子台39bは、配線37を分岐させている。分岐された配線37bは、電源部8に接続される。
【0063】
図14の(c)に示されるように、照明装置20Cは、端子台39cを備える。端子台39cには、照明装置20Bから引き回された配線37が、接続されている。そして、端子台39cは、配線37を中継している。中継された配線37は、照明装置20Dへ引き回されている。なお、配線37は、照明装置20Cの対向面Sと接している面を、適宜貫通している。また、端子台39cは、配線37を分岐させている。分岐された配線37cは、電源部8に接続される。
【0064】
図14の(d)に示されるように、照明装置20Dは、端子台39dを備える。端子台39dには、照明装置20Cから引き回された配線37が、接続されている。なお、配線37は、照明装置20Dの対向面Sと接している面を、適宜貫通している。そして、端子台39dは、配線37を中継している。中継された配線37は、電源部8に接続される。なお、この中継された配線37は、端子台39dを介さずに電源部8へ接続されてもよい。この場合、照明装置20Dは、端子台39dを備えなくてもよい。
【0065】
照明装置20Aの端子台39aは、配線37(外部配線)に接続される入力端子と、電源部8に接続される分岐端子と、他の照明装置に接続される中継端子とを有し、照明装置20Aの電源格納部30の内部に配されている。照明装置20B〜20Dの端子台39b〜39dについても同様である。
【0066】
なお、
図14の(a)〜(d)に示されるように、複数の照明装置を連結しているような場合には、配線穴36が設けられた照明装置において、この配線穴36の縁に、例えば樹脂性の絶縁キャップ361(
図3の(c)〜(d)参照)を設けることが好ましい。これにより、電線が金属製の本体シャーシ7で擦れてショートすることを防止できる。特に、複数の照明装置を連結しているような場合には、電線のショートによる影響が、全ての照明装置に波及し得る。この場合にも、絶縁キャップ361は、電線のショートを有効に防止できる。
【0067】
(突出部の位置)
図14の(e)に示されるように、第1辺aと突出部34との間の最短距離である第1最短距離Da(最短距離)は、第2辺bと突出部34との間の最短距離である第2最短距離Db(最短距離)よりも長い。これにより、第1辺aと電源部8との間に、電源ライン(配線37)を引き回すことができる。この電源ラインは、例えば、VVF(Vinyl insulated Vinyl sheeted Flat-type)線である。また、電源ライン(配線37)には、アース線も含まれる。以上の構成によれば、電源部8の、対向面Sの法線が延びる方向(電源格納部30の厚み方向)に広げ電源ラインを引き回す必要がなくなるため、照明装置20Aをさらに薄型化できる。
【0068】
なお、第1最短距離Daを、第2辺bと突出部34との間の最短距離とし、かつ、第2最短距離Dbを、第1辺aと突出部34との間の最短距離としてもよい。換言するならば、照明装置20A(が備える電源格納部30)の対向面Sと接している面である筐体側面のうちの一面と突出部34との間の最短距離を、当該一面に対向する上記筐体側面のうちの他面と突出部34との間の最短距離よりも長くしてもよい。
【0069】
以上は、照明装置20B・20Cについても同様である。また、照明装置20Dから他の照明装置へさらに配線を引き回す場合には、照明装置20Dについても同様である。なお、配線穴36を設ける照明装置は、照明装置20Aに限定されるわけではなく、照明装置20B〜20Dのうちのいずれかの照明装置であってもよい。この場合、配線穴36を設けた照明装置から他の照明装置へ、配線を中継・分岐させればよい。また、連結される照明装置は、4台の照明装置20A〜20Dに限られるわけではない。4台よりも多くの照明装置を連結してもよいし、2台以上4台未満の照明装置を連結してもよい。
【0070】
以上の照明装置を連結した照明装置25も、本発明に含まれる。
【0071】
≪本実施形態の効果≫
以上の構成では、一台の照明装置(例えば、照明装置20A)にのみ配線穴36を設け、照明装置の内部にて中継・分岐させた配線を、照明装置の電源部まで引き回せばよいため、照明装置を設置する部材側の作業空間(例えば、天井裏)が狭くても、容易に複数の照明装置を連結できる。
【0072】
〔実施形態3〕
本発明の第3実施形態について、
図15に基づき説明する。なお、説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0073】
≪電源部を分割する構成≫
図15は、本実施形態の照明装置20a・20bの構成を示す断面図であって、(a)は照明装置20aを示し、(b)は照明装置20bを示す。
【0074】
図15の(a)に示されるように、照明装置20aは、電源格納部30aと、光源格納部40とを備える。電源格納部30aは、複数の突起33と、突出部34および電源部8と、突出部34a(他の突出部)および電源部8a(物品)とを備える。電源部8aは、電源格納部30aの突出部34aを設けている位置の内部に配される。電源部8と、電源部8aとは、配線37Aにより接続されている。配線37を介し電源部8に供給される電力は、配線37Aを介し電源部8aにも供給される。
【0075】
≪本実施形態の効果≫
上述のように、突出部34は、取付穴35(
図2の(c)参照)と配線穴36との間に形成される。ゆえに、電源部8の位置は、取付穴35と配線穴36との位置に依存する。
【0076】
配線穴36は、その位置が照明装置に関する規格にて定められており、例えば、対向面Sの中心に設けざるを得ないことがある。この場合、突出部34は、対向面Sの中心付近に設けられない。よって、電源部8は、トランスや金属製のシールドなどを含むため重いにもかかわらず、電源格納部30aの対向面Sの中心付近の内部に設けられなくなる。
【0077】
仮に、電源格納部30aが、電源部として電源部8のみしか備えない場合、電源格納部30aの重心は、電源格納部30aの中心に位置しない(いわゆるアンバランスの状態)。しかし、電源格納部30aでは、電源部を電源部8と電源部8aとに分離(左右に分離)することで、電源格納部30aの重心は、電源格納部30aの中心に近づけることができる。
【0078】
以上より、照明装置20aを天井50に固定するための固定治具、固定ネジなどへの荷重が均等になる。ゆえに、照明装置20aは、長期的に安定な状態を維持できる。
【0079】
(分割された電源部の位置)
図15の(b)に示されるように、照明装置20bは、電源格納部30bと、光源格納部40とを備える。電源格納部30bは、電源格納部30aと同様の構成を備えるものの、突出部34aおよび電源部8aを備えず、突出部34aとは異なる位置に配された突出部34b(他の突出部)および電源部8aとは異なる位置に配された電源部8b(物品)を備える。電源部8と、電源部8bとは、配線37Bにより接続されている。配線37を介し電源部8に供給される電力は、配線37Bを介し電源部8bにも供給される。
【0080】
ここで、以下に列挙する変数を定義する。
・W1:電源部8・8bのうちの一方の重量
・W2:電源部8・8bのうちの他方の重量
・L1:重量がW1である電源部の重心と、照明装置20bの中心との間の距離
・L2:重量がW2である電源部の重心と、照明装置20bの中心との間の距離
なお、照明装置20bの中心は、本実施形態の例では、配線穴36の位置に対応する。このとき、以上の変数の関係は、W1×L1=W2×L2となることが好ましい。これにより、確実に、照明装置20bの重心は、照明装置20bの中心に位置する。ゆえに、照明装置20bは、さらに長期的に安定な状態を維持できる。
【0081】
〔実施形態4〕
本発明の第4実施形態について、
図16に基づき説明する。なお、説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0082】
≪電源部を固定するための構成≫
図16は、本実施形態の照明装置20の電源格納部30の構成を示す図であって、(a)は断面図であり、(b)は側面図であり、(c)は(b)において電源格納部30に格納されている電源部8が存在しない場合の側面図である。なお、
図16の(a)は、
図12の(b)の範囲Tを拡大した図である。
【0083】
図16の(a)〜(b)に示されるように、電源部8は、差込固定部81(露出部)と、締結固定部82とを備える。差込固定部81は、突出部34を貫通し、かつ、対向面Sに露出している。これにより、差込固定部81は、電源格納部30に固定されている。また、締結固定部82は、ネジ83により、電源格納部30に固定されている。
【0084】
そして、差込固定部81に対応し、突出部34の周縁には、穴Hが設けられている。また、締結固定部82に対応し、対向面Sには、ネジ穴I(穴)が設けられている。
【0085】
図16の(c)に示されるように、穴H(太線部分)は、突出部34の側面に開口している。
【0086】
≪本実施形態の効果≫
差込固定部81をの穴Hに差し込むことにより、電源部8の一端を、ネジなどを用いずに電源格納部30へ固定できる。よって、電源部8を電源格納部30に固定する固定作業を減らすことができる。したがって、電源格納部30の製造において、作業工数の削減と、固定用部材(ネジ)の削減とを図ることができる。
【0087】
なお、配線穴36(
図12の(b)参照)は、必須ではない。そして、差込固定部81に電源部8の電力入力端子を設け、この電力入力端子に外部から電力を供給する配線を接続してもよい。これにより、電源格納部30の製造において、作業工数のさらなる削減を図ることができる。
【0088】
また、対向面Sに配線穴36が存在しなければ、対向面Sに突出部34を設けるときの自由度が向上する。例えば、照明装置20(
図12の(b)参照)の重心が、照明装置20の中心に位置するように、電源格納部30の、突出部34の位置の内部に、電源部8を設けることができる。
【0089】
〔実施形態5〕
本発明の第5実施形態について、
図17に基づき説明する。なお、説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0090】
≪形状が異なる照明装置の構成≫
図17は、本実施形態の照明装置20cの構成を示す図であって、(a)は照明装置20cの上面図であり、(b)は照明装置20cの正面図である。
【0091】
図17の(a)〜(b)に示されるように、照明装置20cは、円板形状の電源格納部30cと、円板形状の光源格納部40cとを備える。電源格納部30cは、3個の突起33と、突出部34とを備える。
【0092】
このように、照明装置の形状(電源格納部および光源格納部の形状)は、上述の実施形態で示された形状に限定されず、円板形状、ドーム形状、および多角柱形状、ならびに、これらを組み合わせた形状であってもよい。
【0093】
なお、電源格納部30cには、配線穴を適宜設けてよい。電源格納部が格納する物品(電源部など)は、この配線穴の位置に応じて配してよい。また、電源格納部30cは、突出部34の他に、上述の突出部34aまたは34bをさらに備えてよい。これに応じ、電源格納部30cは、電源部8aまたは8bをさらに格納してよい。
【0094】
≪本実施形態の効果≫
薄くかつ所望の外観の電源格納部30cおよび照明装置20cを提供できる。特に、電源格納部30cおよび照明装置20cは、円板形状またはリング形状の光源を備えた室内照明灯に好適である。
【0095】
〔実施形態6〕
本発明の第6実施形態について、
図18に基づき説明する。なお、説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0096】
≪電源格納部の一部が天井に接する照明装置の構成≫
図18は、本実施形態の照明装置20dの構成を示す正面図である。
【0097】
図18に示されるように、照明装置20dは、電源格納部30dと、光源格納部40とを備える。電源格納部30dは、対向面Sから天井50側へ突起する少なくとも1個の突起33を備える。電源格納部30dでは、突起33と、電源格納部30dの角部Eとが、天井50に接している。角部Eは、電源格納部30dの辺、頂点、または凸部である。
【0098】
このように、天井50と対向面Sとの間に空間を形成できるのであれば、突起33の個数は、上述の実施形態で示された個数に限定されない。
【0099】
≪本実施形態の効果≫
角部Eを突起33と併用することにより、対向面Sに設ける突起33の個数を最小限に抑えることができる。これにより、電源格納部30dの製造において、作業工数の削減を図ることができる。
【0100】
〔実施形態7〕
本発明の第7実施形態について、
図19に基づき説明する。なお、説明の便宜上、上述の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0101】
≪電源部を格納するための穴を備える構成≫
図19は、本実施形態の照明装置20eの構成を示す図であって、(a)は上面図であり、(b)は(a)のA−A断面の断面図である。
【0102】
図19の(a)〜(b)に示されるように、照明装置20eは、電源格納部30eと、光源格納部40とを備える。電源格納部30eは、天井50に対向する対向面Seを有する。対向面Seには、4個の突起33と、穴34eと、配線穴36とが設けられている。穴34eは、対向面Seの配線穴36付近の領域(一領域)に設けられている。突起33は、対向面Seの端部付近の領域(他の領域)から天井50に突起しており、天井50に接している。
【0103】
≪本実施形態の効果≫
穴34eを、
図19の(a)〜(b)において破線で示される上述の電源部8を格納するための穴として利用できる。これにより、電源部8の一部を、突起33が形成した天井50と対向面Seとの間の空間に露出させることができる。つまり、電源格納部30eは、電源部8の他の一部のみを格納すればよい。以上より、電源格納部30eおよび照明装置20eを薄くできる。
【0104】
なお、配線穴36は必須ではない。そして、電源部8の上記空間への露出部に、外部から電力を供給する配線を接続してもよい。これにより、電源格納部30eの製造において、作業工数の削減を図ることができる。
【0105】
また、対向面Seに配線穴36が存在しなければ、対向面Seに穴34eを設けるときの自由度が向上する。例えば、照明装置20e(または電源格納部30e)の重心が、照明装置20e(または電源格納部30e)の中心に位置するように、電源格納部30eの、穴34eの位置の内部に、電源部8を設けることができる。
【0106】
また、穴34eの形状は、電源部8を対向面Sに射影した形状と同一の形状である。これにより、電源部8は、穴34eに嵌合され、電源格納部30eに固定される。しかし、電源部8が(例えば、別の固定部材などにより)電源格納部30eに固定されているのであれば、穴34eの形状は、電源部8を対向面Sに射影した形状よりも大きくてもよい。
【0107】
本実施形態において、電源部8は、上述の差込固定部81、締結固定部82、または他の部材により、電源格納部30eに固定されてよい。
【0108】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る筐体(電源格納部30・30a〜30d)は、所定の部材(天井50)に設置するための筐体であって、上記部材に対向する対向面Sと、上記対向面の一領域から上記部材側に突出している突出部34と、上記対向面の他の領域から上記部材側に突起しており、上記部材に接している突起33とを備える。
【0109】
上記構成によれば、以下に列挙する効果が得られる。
・突出部が、対向面よりも部材側に突出しているため、突出部以外での筐体の厚みを突出部での筐体の厚みよりも薄くできる。
・突起が、部材に接するため、部材と対向面との間に空間を形成できる。
【0110】
そして、対向面において、突出部が突出している領域と、突起が突起している領域とは、異なっているため、突出部の少なくとも一部は、この空間に突出できる。以上より、筐体を薄くできる。さらに、筐体は、突起により部材の凹凸を吸収できる。
【0111】
以上の筐体は、特に、照明装置の電源部を格納する筐体に好適であるが、これに限定されない。この筐体は、例えば、表示装置、タッチパネル、携帯型端末などの構成部材を格納する筐体にも好適である。筐体を設置する対象である部材は、例えば、天井、壁、移動体である。
【0112】
本発明の態様2に係る筐体では、上記態様1において、上記突出部が上記部材側に突出している長さlは、上記突起が上記部材側に突起している長さLよりも小さくてよい。
【0113】
上記構成によれば、突出部は、確実に、突起が形成した、部材と対向面との間の空間に収まる。よって、部材の表面の一部が平坦でなくても、確実に筐体を部材へ設置できる。
【0114】
本発明の態様3に係る筐体では、上記態様1または2において、上記筐体の、上記対向面と接している面である筐体側面のうちの一面(第1辺a)と、上記突出部との間の最短距離(第1最短距離Da)は、当該一面に対向する上記筐体側面のうちの他面(第2辺b)と、上記突出部との間の最短距離(第2最短距離Db)よりも長くてよい。
【0115】
上記構成によれば、筐体側面のうちの一面と突出部との間に空間を形成できる。例えば、筐体の、突出部が設けられている位置の内部に電源部を格納する場合、電源部に接続する電源ラインを、この空間に引き回せる。
【0116】
本発明の態様4に係る筐体は、上記態様1から3のいずれか一態様において、上記対向面の、上記突出部が突出していない領域であるとともに、上記突起が突起していない領域から上記部材側に突出している他の突出部34a・34bをさらに備えてよい。
【0117】
上記構成によれば、筐体の、突出部の位置の内部と、他の突出部の位置の内部とに、重量物(例えば、電源部)を格納できる。よって、重量物が格納されている筐体の重心を、筐体の中心へ近づける(筐体の重量バランスが取れる)余地がうまれる。
【0118】
本発明の態様5に係る筐体では、上記態様1から4のいずれか一態様において、上記突出部の周縁には、上記筐体に格納する物品(電源部8・8a・8b)を差し込むための穴Hが設けられていてよい。
【0119】
上記構成によれば、筐体の、突出部の位置の内部に物品(例えば、電源部)を格納する場合、物品の一端を、穴に差し込むことにより、ネジなどを用いずに筐体へ固定できる。よって、物品を筐体に固定する固定作業を減らすことができる。したがって、筐体の製造において、作業工数の削減と、固定用部材(ネジ)の削減とを図ることができる。
【0120】
本発明の態様6に係る筐体では、上記態様1から5のいずれか一態様において、上記筐体の形状は、円板形状、ドーム形状、および多角柱形状、ならびに、これらを組み合わせた形状のいずれかであってよい。
【0121】
上記構成によれば、薄くかつ所望の外観の筐体を提供できる。特に、円板形状の筐体は、円板形状またはリング形状の光源を備えた室内照明灯に好適である。
【0122】
本発明の態様7に係る筐体では、上記態様1から6のいずれか一態様において、上記筐体の角部Eは、上記部材に接していてよい。
【0123】
上記構成によれば、角部を突起と併用することにより、対向面に設ける突起の個数を最小限に抑えることができる。これにより、筐体の製造において、作業工数の削減を図ることができる。
【0124】
本発明の態様8に係る筐体(電源格納部30e)は、所定の部材(天井50)に設置するための筐体であって、上記部材に対向しており、一領域に穴34eが設けられている対向面Seと、上記対向面の他の領域から上記部材側に突起しており、上記部材に接している突起33とを備える。
【0125】
上記構成によれば、対向面に設けられた穴を、筐体に格納する物品をはめ込むための穴として利用できる。これにより、物品の一部を、突起が形成した部材と対向面との間の空間に露出させることができる。つまり、筐体は、物品の他の一部のみを格納すればよい。以上より、筐体を薄くできる。
【0126】
また、物品が、電力を供給する電源部である場合、この電源部の上記空間への露出部に、外部から電力を供給する配線を接続してもよい。これにより、筐体の製造において、配線穴を別途設ける必要がないため、作業工数の削減を図ることができる。
【0127】
本発明の態様9に係る照明装置20・20A〜20D・20a〜20d・25は、上記態様1から7のいずれか一態様における筐体と、上記筐体の、上記突出部が設けられている位置の内部に、少なくとも一部が格納されている電源部8・8a・8bと、上記電源部から電力を供給され発光する光源(LED実装基板4)とを備える。
【0128】
本発明の態様10に係る照明装置20eは、上記態様8における筐体と、少なくとも一部が上記筐体に格納されており、上記穴に配されている電源部8・8a・8bと、上記電源部から電力を供給され発光する光源(LED実装基板4)とを備える。
【0129】
上記構成によれば、照明装置は、上述の筐体が奏する効果と同様の効果を奏する。
【0130】
本発明の態様11に係る照明装置では、上記態様9または10において、外部配線(配線37)に接続される入力端子と、上記電源部に接続される分岐端子と、他の上記照明装置に接続される中継端子とを有し、上記筐体内部に配されている端子台39a〜39dをさらに備えてよい。
【0131】
上記構成によれば、筐体内部で配線を引き回せるため、容易に照明装置を連結できる。
【0132】
本発明の態様12に係る照明装置では、上記態様9から11のいずれか一態様において、上記電源部は、上記筐体の内部から上記部材側に露出した露出部(差込固定部81)を備えてよい。
【0133】
上記構成によれば、電源部の、突起が形成した部材と対向面との間の空間への露出部に、外部から電力を供給する配線を接続できる。これにより、照明装置の製造において、配線穴を別途設ける必要がないため、作業工数の削減を図ることができる。
【0134】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。