【課題を解決するための手段】
【0005】
冒頭に挙げた種類のサージアレスタ装置における課題は、本発明によれば、上述の連動機構が連結装置を有することによって、解決される。
【0006】
サージアレスタ装置は、送電系統に設置することができる装置である。送電系統は、エネルギー源とエネルギー消費地との間で電気エネルギーを伝送するために使われる。この場合、送電系統は、諸定格値を考慮して設計される。電気絶縁は、例えば定格電圧を考慮して設計される。電気絶縁の過負荷は、修復不可能な損傷をもたらす。保護のために、送電系統にいわゆるサージアレスタ装置を装備することができ、これは故障時に、すなわち定格電圧を超えた時に、いわゆるサージ電圧を低減または制限するのに役立つ。このために、サージアレスタ装置は、必要時にサージ電流路を通ってサージ電流を流すことができる。このサージ電流路は例えばアース電位に対して開閉可能である。このサージ電流路は例えば相導体からアース電位へ延びている。この場合、サージ電流路は、電圧依存インピーダンスデバイスを有することができる。電圧依存インピーダンスデバイスのインピーダンス値は、印加される電圧に応じて変化する。この電圧依存インピーダンスデバイスは、サージ電流路を少なくとも部分的に構成している。この電圧依存インピーダンスデバイスは、例えばバリスタとして実施することができる、あるいは、バリスタを有するものとすることができる。バリスタは、定格電圧を有しており、その定格電圧以上では低インピーダンス特性を有し、定格電圧以下では高インピーダンス特性を有する。そのインピーダンス特性の変化は、電圧依存インピーダンスデバイスまたはバリスタの印加電圧に応じて生じる。電圧依存インピーダンスデバイスは、最も単純なケースでは、例えば調整された放電ギャップを有するものとすることができる。好適には、電圧依存インピーダンスデバイスとして、電圧に依存するインピーダンス特性を有する金属酸化物が用いられる。例えば酸化亜鉛成分が適しており、これにより、送電系統における監視すべき電位(例えば、相導体の高電圧電位)とアース電位との間の定常的な電気接続が形成される。従って、この構成は、漏れ電流を生じせしめ得る。
【0007】
電圧依存インピーダンスデバイスは、さらに、断路器と接続されていて、その断路器を用いて電圧依存インピーダンスデバイスを運転状態に入れたり休止状態にしたりすることができる。断路器はサージ電流路の一部とすることができる。好適には、電圧依存インピーダンスデバイスと断路器は、電気的に直列接続される。断路器は、サージ電流路において電圧依存インピーダンスデバイスの例えばアース電位側端部に配置することができる。しかし、断路器をサージ電流路の高圧電位側端部に配置することもできる。駆動装置は、その設置場所に応じて、断路器と同じ電位または異なる電位に置くことができる。必要に応じて、運動を伝達するために挿入される連動機構が、電位差をブリッジするために電気絶縁部を有するようにしてもよい。好適には、断路器は従来形の遮断器で以て構成することができる。従来形の遮断器は、相対的に運動可能な複数の接触子を有し、それらは互いに電気的に接触した状態にしたり分離したりすることができる。断路器は、例えば安全目的でサージアレスタ装置に設置することができる。しかし、断路器は、例えば検査目的で電圧依存インピーダンスデバイスをアース電位から切り離す、あるいは、サージ電流路を遮断するように設けることもできるのであり、それにより、例えば試験用サージ電圧が掛けられたときに電圧依存インピーダンスデバイスを応答させてしまうことを、防ぐことができる。
【0008】
連動機構を介して、断路器の操作を行うことができる。その断路器の操作は、例えば、断路器の相対的に運動可能な複数の開閉接触子同士を、その相対運動によって連結することで行われる。この場合、両方の開閉接触子の少なくとも1つを、断路器の開閉ギャップの操作のために動かすようにすることができる。あるいは、その相対運動を引き起こすべく両方の開閉接触子を動かすようにすることもできる。この場合、断路器は、ほぼ無電流の状態でのみ、すなわち、電圧依存インピーダンスデバイスが高インピーダンスの状態であるときにのみ、操作が許容されるように設計されているべきである。このようにすることにより、安価な断路器を使用することができ、その断路器においては、開閉アークの消弧のための付加的な装置およびこれと同様なものを備える必要のない、簡易化された開閉接触子の使用が可能となる。
【0009】
この連動機構は、相対的に運動可能な複数の開閉接触子、または、相対的に運動可能な複数の開閉接触子の1つを、駆動装置に連結している。この場合、駆動装置内で、開閉接触子同士の相対運動を起こすために、必要なエネルギー変換を行うことができる。例えば、駆動装置は電気エネルギーを機械エネルギーに変換することができ、それによって、断路器の開閉接触子同士の相対運動を起こすことができる。しかし、エネルギー形態の任意の転換/変換を行うようにすることも可能である。
【0010】
連結装置は、連動機構の一部として機能することができる。そのために、連結装置は、例えば運動を伝達するための機械要素(例えば、シャフト)を有することができる。この連結装置を用いて、連動機構を解放することができる。この連結装置は、連動機構におけるインターフェースを形成している。
【0011】
電圧依存インピーダンスデバイスは、例えば、1つのバリスタまたは並列接続された多数のバリスタを有することができる。そのようにして、予期される負荷負担能力に応じてサージ電流を多数のバリスタに分担させることができる。さらに、各バリスタを複数の部分コンポーネントで組み立てることもできる。例えば、複数のブロック(例えば、複数の金属酸化物ブロック)を締め付けて1つのバリスタを構成することができ、複数の締め付けられたバリスタを電気的に並列接続することもできる。電気的に並列接続されたこの多数のバリスタの数とは無関係に、この連動機構は1つまたは複数のバリスタを開閉するために使用することができる。好適に、この連動機構により、必要に応じて1つの断路器の多数の開閉ギャップを操作することができるので、多数の開閉ギャップの同期した操作も可能である。
【0012】
この連動機構は様々な機械要素を有することができる。この連動機構は運動エネルギーを、例えば、駆動装置から断路器の相対的に運動可能な接触子へ伝達する機能を有している。この場合、この連動機構はハウジング、すなわち、ハウジングの1つの壁を貫通しているので、このハウジングは駆動装置と断路器との間の機械的保護バリアとなることができる。連動機構における連結装置により、必要に応じてこの連動機構を解く若しくは遮断する、または、変更する、ことが可能である。斯くして、断路器自体の構造に影響を及ぼすことなしに、あるいは、ハウジングの内部にアクセスする必要なしに、例えば駆動装置の交換が可能となる。この連結装置には好適に、ハウジングの外部でも、すなわち、電圧依存インピーダンスデバイスを内蔵しているハウジング部分の外部でも、アクセスすることができる。例えば、駆動装置の故障時に、この駆動装置の部品を交換することができる。その場合、サージ電流路の、または、電圧依存インピーダンスデバイスの、保護機能は保持されている。すなわち、電圧依存インピーダンスデバイスの、特に断路器を介してのアース電位との接触は、連動機構における交換または修理時にも保持していることができる。
【0013】
他の有利な形態では、この連結装置がシャフトを有している。
【0014】
シャフトは、大きな力を伝達することができ、かつ、その時に大きな強度を有している機械的部品である。さらに、シャフトは有利に軸受け支持することができる。シャフトは、回転運動中でも良好にシールすることができる。その点で、シャフトは、ハウジングの壁を、必要ならばシールしつつ、横断するために使用することができる。この場合、シャフトはその軸方向において複数の異なる部分を有するものとすることができる。例えば、このシャフトは、断面の異なる複数の部位を有したもとすることができ、この場合には、1本の段付きシャフトが得られる。さらに、少なくとも1つの玉軸受を、特には多数の玉軸受を軸方向に互いに離して、シャフトに配置することができ、特に、軸方向に互いに離れた2つの玉軸受の間に、シャフトの回転運動の半径方向シールのためのシールを配置することができる。この場合、好適には、軸受部のシャフトの直径を、半径方向シール部よりも小さくすることができる。この場合、シャフトは壁の断面方向において壁から僅かしか突き出ていない。シャフトの軸方向長さの大部分が壁の内側に位置するように設けることができる。これにより、ハウジングの壁におけるシャフトの安定な軸受支持が可能となる。このシャフトの端部側で、他の運動および力を伝達することができる。
【0015】
さらに、好適には、この連結装置がハウジングの壁を流体密閉して貫通するように設けることができる。
【0016】
ハウジングを流体密閉して貫通することにより、ハウジング自体を電気絶縁性流体、特にガスで充填し、その消散を連結装置のシールによって防ぐようにすることができる。この場合、連結装置のシャフトは、例えば半径方向シールを用いてシールすることができ、こりにより、シャフトを流体シールしつつ回転運動させるようにすることが可能となる。
【0017】
他の有利な形態では、連結装置がギアと結合されている。
【0018】
連動機構の連結装置を介して伝達される力を、ギアを用いてギアアップ、及び/又は、ギアダウンすることができる。この場合、ギアは、連動機構の一部とすることができる。これにより、駆動運動を簡単な形で断路器の相対的に運動可能な接触子に伝達するために、運動を増大または減少することが可能になる。この場合、好適には、セルフロック式のギアを使用することができ、これにより、例えば、開閉接触子から生じた運動がセルフロック式のギアによって阻止され、以て連動機構にフィードバックされることがなくなる。そのセルフロック式のギアとしては、例えば、ウオームギアまたはスピンドルギアなどを用いることができる。
【0019】
他の有利な形態では、連結装置がカップリング、特に嵌め合い式カップリングと結合されている。
【0020】
カップリングを用いて、連動機構を解放または接続することができる。この場合、カップリングは非常に特殊な形態のものとして形成することができる。例えば、このカップリングによって、連動機構を介しての力の伝達を、的確に切り離す、すなわち切断することが可能となるので、例えば断路器が操作できないようにされる。さらに、このカップリングによって連動機構の分離が可能になり、その結果、例えば、連動機構の個別部品を交換する、連動機構の駆動装置を置き換える、修理する、といったことを容易に行うことが可能となる。嵌め合い式カップリングを使用することにより、このカップリングの相手の形状に基づいて、連動機構を介しての力の伝達を行うことができる。この場合、カップリングの相手同士が同一形状で対向しているようにするとよく、これにより、連結装置を介しての滑りをできるだけ低減した、駆動運動の伝達が可能となる。
【0021】
他の有利な形態では、この連動機構に接続された駆動装置が、ハウジングにフランジ取付けされる。
【0022】
駆動装置の目的は、或る運動を連動機構に導く、ということにある。この駆動装置は、断路器の複数の開閉接触子の相対運動を引き起こすために、或るエネルギー形態を別のエネルギー形態へ変換させることができる。例えば、この駆動装置はクランクギアを有するものとすることができ、そのクランクギアに回転運動が伝えられ、それが次にカップリングを介して連結装置へ、特に連結装置のシャフトへ伝達される。駆動装置のフランジ取付けによってこのカップリングを確実に保持し、以てカップリングの不都合なゆるみを防ぐことが可能となる。このカップリングは、例えば実装時に嵌め合い式カップリングとして次のように構成することができる。すなわち、駆動装置のフランジへの取付け方向においてハウジングへのカップリングの挿入が行われ、そして、駆動装置のハウジングへの固定によってカップリングが確実に保持され/押さえ付けられるように、構成することができる。このようにして、カップリングを、ハウジングのフランジ止めにより駆動装置と結合せしめて確実に保持されるようにすることが可能となる。
【0023】
他の有利な形態では、このハウジングが電気絶縁性流体で充填されている。
【0024】
ハウジングを電気絶縁性流体で充填するということは、良好な電気絶縁性能を有する電気絶縁流体の選択してそれをハウジング内に充填することが可能となる、ということを意味する。この目的のため、ハウジング内部に封入される電気絶縁性流体の不都合な消散を防止するべく、ハウジングがカプセル式ハウジングとして構成される。ハウジングは好適には圧力容器として構成することができるので、そのハウジングの内部と外部とで圧力差が生じるようにすることが可能となる。これにより、ハウジングの内部に過圧を発生させ、以て電気絶縁性流体を過圧下におき、その結果、その電気絶縁性能をさらに高めることが可能となる。このハウジングは、例えば、少なくとも部分的に導電性材料で形成することができ、それにより、好適にアース電位を導くようにすることができる。これにより、ハウジングの導電性部位を、サージ電流用のアースポイントを形成するための接触ポイントとして利用することが可能となる。これにより、ハウジングを予期されるサージ電流に対して電流耐量があるように設計することができる。しかし、ハウジングが少なくとも部分的に、または完全に、電気絶縁性を有するように構成するようにしてもよい。特に、ハウジングの電気絶縁性部位に、電圧依存インピーダンスデバイス用の接続導体の電気絶縁性埋込部を設けることができ、これによって、例えば高電圧接続部における、このハウジングの壁を通る電気絶縁された貫通が可能となる。この接続導体は、サージ電流路の一部である。ハウジングの全ての横断部は、サージ電流路の高電圧側端部での横断部であれ、アース側端部での横断部であれ、または、連動機構の横断部であれ、流体密閉機能および特に耐圧力機能を有するように、構成されていなければならない。例えば、連動機構の貫通部を耐圧力的に構成するために、特に連結装置のシャフトにその半径方向のシールを設けることは好適な一形態である。
【0025】
電気絶縁性流体としては、例えば、六フッ化硫黄、フルオロケトン、フルオロニトリルのような、フッ素含有媒体が適している。しかし、窒素、特には清浄化された大気および二酸化炭素も適していることを我々は認識した。この場合、前述の流体は気体状で存在していると好適であり、これにより、ハウジングの内部は前述の流体で満たされている。しかし、この流体がハウジングの内部で少なくとも部分的に液状で存在しているようにすることも可能である。
【0026】
他の有利な形態によれば、カップリングが駆動装置のフランジ取付部によって押し付けられている構成とすることができる。
【0027】
ハウジングへの駆動装置のフランジ取付けにより、ハウジングおよび駆動装置を互いに相対的に固定することが可能となる。こうして、駆動装置とハウジングとの角度が固定された結合が可能となる。この角度が固定された結合により、カップリングを連動機構の中に押し付けることができるので、連動機構のカップリングまたは連結装置を介して運動を伝達することができる。こうして、駆動装置のフランジ取付けにより、一つには、カップリングの押し付けを行うことができ、例えば、カップリング相手のカップリングの爪が噛み合わされ、回転をこのカップリングを介して伝達することができる。さらに、このカップリングを結合状態においてフランジ取付部により確実に保持することができる。
【0028】
他の有利な形態によれば、シャフトに、連結装置の少なくとも一方の側で、特には両方の側で、ねじ軸が接続されているように構成することができる。
【0029】
回転するねじ軸によって、そのねじ軸に被せられている「ナット(Nuss)」を軸方向に変位せしめるようにすることが可能である。これにより、ねじ軸の回転運動を簡単な形で以て直線運動に変換することが可能となる。このようにして、例えば、回転運動を、ハウジングを貫通するシャフトを介して伝達し、そのシャフトに接続されているねじ軸を介して、直線方向の運動に変換することが可能となる。斯くして、例えば断路器の複数の開閉接触子間の直線的な相対運動を発生させることができる。同時に、このねじ軸によって、例えば断路器の開閉接触子に起因する、連動機構への逆作用、または、衝撃の導入を阻止することができる。このねじ軸のセルフロック作用が、ここでは特に有利である。連結装置の少なくとも一方の側で、特には両側で、シャフトをねじ軸として延ばすことができる。特に、少なくとも1つのねじ軸をシャフトに対して同心に一直線に延ばすことができるので、このねじ軸の1端面でシャフトとの結合を行うことができる。特に、ハウジングの壁の両側に複数のカップリングを設けることができ、これによって、それぞれのねじ軸をシャフトと結合することができる。この場合、それらのカップリングは、互いに異なる構造を有するものとすることができる。例えば、そのねじ軸は、シャフトとピン止めすることができる、または、スプリング結合することもできる。さらに、ねじ軸とシャフトは、爪によって互いに噛み合い結合するものとして構成してもよく、または、アダプタもしくは例えば適切なクリアランスを有するブッシュによって互いに結合するものとして構成してもよい。
【0030】
以下、本発明の実施例を模式的に図示し、詳細に説明する。