特許第6382390号(P6382390)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382390
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】ビジョン検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20180820BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   G01B11/00 H
   H01L21/60 311T
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-86471(P2017-86471)
(22)【出願日】2017年4月25日
(65)【公開番号】特開2017-203769(P2017-203769A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2017年4月25日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0057166
(32)【優先日】2016年5月10日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0035233
(32)【優先日】2017年3月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504128356
【氏名又は名称】ハンミ セミコンダクター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002398
【氏名又は名称】特許業務法人小倉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コ,ヨン−イル
(72)【発明者】
【氏名】ク,チャン−クン
(72)【発明者】
【氏名】イ,キョン−シク
【審査官】 八木 智規
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−19950(JP,A)
【文献】 特開2001−176934(JP,A)
【文献】 特開2011−71225(JP,A)
【文献】 特開昭61−198739(JP,A)
【文献】 米国特許第5225026(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
H01L 21/60−21/607
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業のためにボンディングヘッドによってピックアップされた半導体チップと前記半導体チップがボンディングされるボンディング対象回路基板の上面のボンディング領域の位置誤差を検査するためのビジョン検査装置であって,
前記半導体チップと前記ボンディング対象回路基板に向けて光を提供する照明部;
前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップの下面イメージを反射する第1反射面,及び前記回路基板の上面のボンディング領域のイメージを反射する第2反射面が交差するように備えられるXキューブプリズム;
前記Xキューブプリズムの第1反射面で選択的に反射された,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップの下面イメージ,及び前記第2反射面で選択的に反射された前記回路基板の上面のボンディング領域のイメージを撮像するための単一ビジョンカメラ;及び
前記Xキューブプリズムで反射されて前記ビジョンカメラで撮像されたイメージの分析によって,ボンディングヘッドによってピックアップされた半導体チップとボンディング対象回路基板の上面のボンディング領域の位置誤差を判断する制御部を含み,
前記ビジョンカメラによって撮像されるイメージは黒白イメージ又はカラーイメージであることを特徴とするビジョン検査装置。
【請求項2】
前記Xキューブプリズムの前記第1反射面及び前記第2反射面は直交するように前記Xキューブプリズムの内部に45度に傾いた状態で備えられ,前記第1反射面及び前記第2反射面の交差線は前記第1反射面及び前記第2反射面のイメージ反射方向に垂直であることを特徴とする請求項1記載のビジョン検査装置。
【請求項3】
前記照明部は,
前記半導体チップとボンディング対象回路基板に対して斜線方向に光を照射する第1照明部;及び/又は
前記半導体チップと前記ボンディング対象回路基板に対して直角に光を照射する第2照明部を含むことを特徴とする請求項1記載のビジョン検査装置。
【請求項4】
前記第1照明部は,
前記Xキューブプリズムの上方に配置され,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップに光を照射する上部照明部;及び
前記Xキューブプリズムの下方に配置され,前記ボンディング対象回路基板に光を照射する下部照明部を含むことを特徴とする請求項3記載のビジョン検査装置。
【請求項5】
前記Xキューブプリズムの上部と下部が開放した状態で前記Xキューブプリズムで反射されたイメージが水平方向に前記ビジョンカメラに入射するように,前記Xキューブプリズムと前記ビジョンカメラが装着されるマウント部材,及び前記マウント部材を移動させるための移送ユニットをさらに含み,
前記ボンディングヘッドが下降してボンディング作業を遂行する過程で,前記移送ユニットは前記マウント部材をボンディングヘッドの作業空間以外の領域に回避させることを特徴とする請求項1記載のビジョン検査装置。
【請求項6】
前記ビジョンカメラによって撮像されるイメージが黒白イメージの場合,
前記半導体チップをピックアップするボンディングヘッドと前記回路基板のイメージが互いに重畳しないように前記ボンディングヘッドを前記回路基板から離隔させた状態で,前記半導体チップと前記回路基板のイメージを獲得し,前記ボンディングヘッドの離隔距離の分だけ位置補正を行って前記半導体チップと前記回路基板の位置を獲得することを特徴とする請求項1記載のビジョン検査装置。
【請求項7】
前記ビジョンカメラによって撮像されるイメージが黒白イメージの場合,
前記ボンディングヘッドによってピックアップされた半導体チップと前記ボンディング対象回路基板の上面のボンディング領域が同軸上に位置する状態で,前記上部照明部から照射するとともに下部照明部からの照射は解除することによって,ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップを検査し,前記下部照明部から照射するとともに上部照明部からの照射は解除することによってボンディング対象回路基板を検査し,
前記ビジョンカメラは,前記上部照明部と下部照明部から選択的に照射する状態で連続的に撮影して,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップを検査したイメージと前記回路基板を検査したイメージをそれぞれ獲得することを特徴とする請求項4記載のビジョン検査装置。
【請求項8】
前記ビジョンカメラによって撮像されるイメージがカラーイメージの場合,
前記Xキューブプリズムは,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップの下面イメージ及び前記回路基板の上面のボンディング領域のイメージを構成する色相別イメージのうち特定の色相イメージを選択的に前記ビジョンカメラに反射させ,
前記Xキューブプリズムの第1反射面及び第2反射面は互いに異なる色相のイメージを前記ビジョンカメラに反射させることを特徴とする請求項1記載のビジョン検査装置。
【請求項9】
前記ビジョンカメラによって撮像されるイメージがカラーイメージの場合,
前記Xキューブプリズムは,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップの下面イメージ及び前記回路基板の上面のボンディング領域のイメージを構成する波長別イメージのうち,特定の波長イメージを選択的に前記ビジョンカメラに反射させ,
前記Xキューブプリズムの第1反射面及び第2反射面は互いに異なる波長のイメージを前記ビジョンカメラに反射させることを特徴とする請求項1記載のビジョン検査装置。
【請求項10】
前記Xキューブプリズムの第1反射面は赤色(R)光を反射するが残りの色相の光は透過させ,第2反射面は青色(B)光を反射するが残りの色相の光は透過させることによって前記ビジョンカメラに赤色イメージ及び青色イメージを反射するか,あるいは
第1反射面は青色(B)光は反射するが残りの色相の光は透過させ,第2反射面は赤色(R)光を反射するが残りの色相の光は透過させることによって前記ビジョンカメラに青色イメージ及び赤色イメージを反射することを特徴とする請求項記載のビジョン検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体チップボンディング作業においてボンディング対象半導体チップと回路基板のボンディング領域の位置誤差検出のためのビジョン検査装置に関するもので,より詳しくは半導体チップボンディング作業においてボンディング対象半導体チップと回路基板のボンディング領域の位置誤差検出のために,単一ビジョンカメラ及び単一プリズムを含むものであって,構成を簡素化したビジョン検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
種々の電子製品には各種の回路基板が備えられ,回路基板には多数の半導体チップがボンディングされる。回路基板に半導体チップをボンディングするためには,ウエハー又は半導体チップを収容したトレイからボンディング対象の半導体チップをピックアップし,この半導体チップをボンディング対象基板上にボンディングする過程を遂行することができる。
【0003】
このようなボンディング過程には,フラックス(flux)などを用いるフリップチップボンディング方式,又はフラックスを用いず,ボンディング対象半導体チップをピックアップするボンディングヘッドを介して熱及び圧力を加えて基板にボンディングする熱圧着ボンディング方式などを用いることができる。
【0004】
このような方式によってボンディング対象基板に半導体チップをボンディングするためには,半導体チップのボンディング位置の正確性が保障されなければならない。
【0005】
半導体チップは,下部に半田ボールなどの端子が備えられ,それぞれの端子は正確に回路基板のボンディング位置の端子と接合しなければならないので,ボンディングヘッドが下降してボンディング作業を遂行する前に,半導体チップとボンディング対象基板の位置に対するビジョン検査を遂行しなければならない。
【0006】
ボンディング作業前に行われるビジョン検査は,半導体チップの下面とボンディング対象基板上面のボンディング領域を撮像し,撮像イメージを比較して半導体チップの位置の誤差などを検査する過程であり,半導体チップボンディングの前に遂行しなければならない。
【0007】
図4は,従来のビジョン検査装置100’の光経路の斜視図を示す。
【0008】
従来のビジョン検査装置は,半導体チップボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップの位置とボンディング対象回路基板のボンディング領域の位置誤差を検出するために,ボンディングヘッドと回路基板の間にプリズム120’を配置し,ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップのイメージをプリズム120’の反射面の上面を用いて第1反射ミラー180aに反射させ,回路基板のボンディング領域のイメージはプリズムの反射面の下面を用いて第1反射ミラー180aの反対側に配置された第2反射ミラー180bに反射させた後,それぞれ前記第1反射ミラー180a及び第2反射ミラー180bでさらに第1ビジョンカメラ110aと第2ビジョンカメラ110bの方向に反射されたイメージをそれぞれ第1ビジョンカメラ110aと第2ビジョンカメラ110bが撮像した後,イメージ比較によって,ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップと回路基板のボンディング領域の位置の誤差を判断した。
【0009】
このような方法で位置誤差を検査するための従来のビジョン検査装置は,図4に示すように,プリズム120’以外にも,二つのビジョンカメラ110a,110b及び二つの反射ミラー180a,180bを備え,それぞれ撮像されたイメージを比較ないし合成して位置誤差を検出しなければならないため,ビジョン検査装置の構成が複雑となる。
【0010】
二つのビジョンカメラ110a,110bは,別途のセッティングが必須であり,特に各ビジョンカメラ110a,110bの特性が相異なっている場合はビジョンカメラのセッティングは一層難しくなる。
【0011】
また,従来のビジョン検査装置は,プリズム120’と二つの反射ミラー180a,180bを備え,2回の反射過程によってビジョンカメラにイメージを伝達するので,正確な検査のための光経路による光軸整列作業に多くの時間がかかった。すなわち,イメージの反射経路が複雑であるため,正確な実験のためには,装置の正確なセッティングないし整列が要求され,検査過程の作業性が低いという問題がある。
【0012】
以上では図4のように二つの反射ミラーを備えているプリズムを用いた場合の問題点を説明したが,二つのビジョンカメラによって,それぞれの反射ミラーを用いて,ピッカーにピックアップされた半導体チップと半導体チップがボンディングされる回路基板をそれぞれ撮像することもできる。しかし,このようなビジョン検査装置は,ピッカーにピックアップされた半導体チップを撮像するビジョンカメラの軸と回路基板を撮像するビジョンカメラの軸を一致させてセットすることに困難を伴うものであった。
【0013】
従来のビジョン検査装置は,二つの反射ミラーと二つのビジョンカメラを用いるため,半導体チップの下面と回路基板のボンディング領域の上面を同時に撮像することは現実的に不可能である。理論的に同時にそれぞれのビジョンカメラで撮像を行っても撮像時点の誤差が発生することがあり,このような時間差によって,その間にシステムに印加される外力又は振動などによって半導体チップ又は回路基板の位置が変更されることがあるので,検査の正確性を阻害することがあるという問題点も存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は,半導体チップボンディング作業において,ボンディング対象半導体チップと回路基板のボンディング領域の位置誤差の検出のために,単一ビジョンカメラと単一プリズムを含むものであって,構成を簡素化したビジョン検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は,上記課題を解決するため開発されたものであって,作業のためにボンディングヘッドによってピックアップされた半導体チップと前記半導体チップがボンディングされるボンディング対象回路基板の上面のボンディング領域の位置誤差を検査するためのビジョン検査装置であって,
前記半導体チップと前記ボンディング対象回路基板に向けて光を提供する照明部;
前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップの下面イメージを反射する第1反射面,及び前記回路基板の上面のボンディング領域のイメージを反射する第2反射面が交差するように備えられるXキューブプリズム;
前記Xキューブプリズムの第1反射面で選択的に反射された,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップの下面イメージ,及び前記第2反射面で選択的に反射された前記回路基板の上面のボンディング領域のイメージを撮像するための単一ビジョンカメラ;及び
前記Xキューブプリズムで反射されて前記ビジョンカメラで撮像されたイメージの分析によって,ボンディングヘッドによってピックアップされた半導体チップとボンディング対象回路基板の上面のボンディング領域の位置誤差を判断する制御部を含み,
前記ビジョンカメラによって撮像されるイメージは黒白イメージ又はカラーイメージであることを特徴とする(請求項1)。
【0016】
前記Xキューブプリズムの前記第1反射面及び前記第2反射面は直交するように前記Xキューブプリズムの内部に45度に傾いた状態で備えられ,前記第1反射面及び前記第2反射面の交差線は前記第1反射面及び前記第2反射面のイメージ反射方向に垂直であることを特徴とする(請求項2)。
【0017】
前記照明部は,前記半導体チップとボンディング対象回路基板に対して斜線方向に光を照射する第1照明部;及び/又は,前記半導体チップと前記ボンディング対象回路基板に対して直角に光を照射する第2照明部を含み構成することができる(請求項3)。
【0018】
また,前記第1照明部は,前記Xキューブプリズムの上方に配置され,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップに光を照射する上部照明部;及び前記Xキューブプリズムの下方に配置され,前記ボンディング対象回路基板に光を照射する下部照明部を含み構成することができる(請求項4)。
【0019】
さらに,前記Xキューブプリズムの上部と下部が開放した状態で前記Xキューブプリズムで反射されたイメージが水平方向に前記ビジョンカメラに入射するように,前記Xキューブプリズムと前記ビジョンカメラが装着されるマウント部材及び前記マウント部材を移動させるための移送ユニットをさらに含み,前記ボンディングヘッドが下降してボンディング作業を遂行する過程で,前記移送ユニットは,前記マウント部材をボンディングヘッドの作業空間以外の領域に回避させるよう設けることができる(請求項5)。
【0020】
また,前記ビジョンカメラによって撮像されるイメージが黒白イメージの場合に,前記半導体チップをピックアップするボンディングヘッドと前記回路基板のイメージが互いに重畳しないように前記ボンディングヘッドを前記回路基板から離隔させた状態で,前記半導体チップと前記回路基板のイメージを獲得し,前記ボンディングヘッドの離隔距離の分だけ位置補正を行って前記半導体チップと前記回路基板の位置を獲得するよう構成することができる(請求項6)。
【0021】
さらに,前記ビジョンカメラによって撮像されるイメージが黒白イメージの場合,前記ボンディングヘッドによってピックアップされた半導体チップと前記ボンディング対象回路基板の上面のボンディング領域が同軸上に位置する状態で,前記上部照明部から照射するとともに下部照明部からの照射は解除することによって,ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップを検査し,前記下部照明部から照射するとともに上部照明部からの照射は解除することによってボンディング対象回路基板を検査し,前記ビジョンカメラは,前記上部照明部と下部照明部から選択的に照射する状態で連続的に撮影して,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップを検査したイメージと前記回路基板を検査したイメージをそれぞれ獲得するよう構成することができる(請求項7)。
【0022】
一方,前記ビジョンカメラによって撮像されるイメージがカラーイメージの場合は,前記Xキューブプリズムは,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップの下面イメージ及び前記回路基板の上面のボンディング領域のイメージを構成する色相別イメージのうち特定の色相イメージを選択的に前記ビジョンカメラに反射させ,前記Xキューブプリズムの第1反射面及び第2反射面は互いに異なる色相のイメージを前記ビジョンカメラに反射させるよう構成することができる(請求項8)。
【0023】
また,同様に,前記ビジョンカメラによって撮像されるイメージがカラーイメージの場合,
前記Xキューブプリズムは,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップの下面イメージ及び前記回路基板の上面のボンディング領域のイメージを構成する波長別イメージのうち,特定の波長イメージを選択的に前記ビジョンカメラに反射させ,前記Xキューブプリズムの第1反射面及び第2反射面は互いに異なる波長のイメージを前記ビジョンカメラに反射させるよう構成することができる(請求項9)。
【0024】
さらに,前記Xキューブプリズムの第1反射面は赤色(R)光を反射するが残りの色相の光は透過させ,第2反射面は青色(B)光を反射するが残りの色相の光は透過させることによって前記ビジョンカメラに赤色イメージ及び青色イメージを反射するか,あるいは,第1反射面は青色(B)光は反射するが残りの色相の光は透過させ,第2反射面は赤色(R)光を反射するが残りの色相の光は透過させることによって前記ビジョンカメラに青色イメージ及び赤色イメージを反射するよう構成することができる(請求項10)。
【発明の効果】
【0025】
本発明によるビジョン検査装置によると,半導体チップボンディング作業において,ボンディング対象半導体チップと半導体回路基板上面のボンディング領域の位置誤差検出のために,単一ビジョンカメラと単一プリズムを含んでビジョン検査装置の構成を簡素化することができる。
【0026】
また,本発明によるビジョン検査装置によると,単一ビジョンカメラでピッカーにピックアップされた半導体チップと回路基板を一緒に検査することができるので,同軸セッティングが不要である。また,同じセッティング条件で撮影が可能なので,検査の正確度が向上することができる。
【0027】
また,別途の反射ミラーを利用することなく検査のための光軸整列作業を簡素化することができるので,半導体チップボンディング工程の効率性を向上することができる。
【0028】
また,本発明によるビジョン検査装置によると,Xキューブプリズムで分光及び反射されるボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップに備えられた基準マークなどのイメージと回路基板の上面のボンディング領域上の基準マークなどのイメージの色相を異にして,位置誤差及び装置の修正方向を容易に決定することができる。
【0029】
また,本発明によるビジョン検査装置によると,半導体チップの下面と回路基板の上面のボンディング領域をXキューブプリズム及び単一カメラで同時に撮像することができるので,二つのビジョンカメラでそれぞれのイメージを撮像する従来の方式で引き起こされる微細な時間差の間にシステムに印加されることがある外乱などによる検査の精密性が低下するという問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明によるビジョン検査装置の側面図である。
図2】本発明によるビジョン検査装置の光経路の斜視図である。
図3】半導体チップの下面及び回路基板上面のボンディング領域の位置誤差検出のための基準マークを黒白イメージ及びカラーイメージで撮像した例を示す図である。
図4】従来のビジョン検査装置の光経路の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下,添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明する。しかし,本発明はここで説明する実施例に限定されず,他の形態に具体化されることもできる。むしろ,ここで紹介する実施例は開示の内容が徹底的で完全になるように,かつ当業者に本発明の思想が充分に伝達されるようにするために提供するものである。明細書全般にわたって同じ参照符号は同じ構成要素を示す。
【0032】
図1は,本発明によるビジョン検査装置100の側面図を示し,図2は,本発明によるビジョン検査装置100の光経路の斜視図を示す。
【0033】
本発明は,前記課題を解決するために,半導体チップボンディング作業のためにボンディングヘッドによってピックアップされた半導体チップと前記半導体チップがボンディングされるボンディング対象回路基板の上面のボンディング領域の位置誤差を検査するためのビジョン検査装置であって,前記半導体チップと前記ボンディング対象回路基板に向けて光を提供する照明ユニット130,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップの下面イメージを反射する第1反射面及び前記回路基板の上面のボンディング領域のイメージを反射する第2反射面が交差して備えられるXキューブプリズム120,前記Xキューブプリズムの第1反射面で選択的に反射された,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップの下面イメージ,及び前記第2反射面で選択的に反射された,前記回路基板の上面のボンディング領域のイメージを撮像するための単一ビジョンカメラ110,及び前記Xキューブプリズム120で反射されて前記ビジョンカメラ110で撮像されたイメージの分析によって,ボンディングヘッド210によってピックアップされた半導体チップpとボンディング対象回路基板sのボンディング領域の位置誤差を判断する制御部を含むビジョン検査装置100を提供することができる。
【0034】
本発明は,半導体チップボンディング作業の前に,半導体チップボンディング装置を構成するボンディングヘッドによってピックアップされた半導体チップpとボンディング対象回路基板の上面のボンディング領域の位置誤差を検査するために備えられることができる。
【0035】
近年,電子製品の回路基板の集積度が増加し,半導体チップ及び回路基板の端子の大きさはより微細化している。
【0036】
したがって,半導体チップのボンディング過程でボンディング位置の誤差を最小化することができるように,ビジョン検査装置100を用いて,半導体チップボンディング作業を行うボンディングヘッドによってピックアップされた半導体チップpとボンディング対象回路基板の上面のボンディング領域の位置誤差を検査する。
【0037】
従来のビジョン検査装置100が,一つの反射面を有するキューブプリズム,二つの反射ミラー及び二つのビジョンカメラ110を含むものであるのとは異なり,本発明によるビジョン検査装置100は,機構的に単一Xキューブプリズム120及び単一ビジョンカメラ110を含んで構成することができる。
【0038】
本発明によるビジョン検査装置100は,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップpの下面のイメージと前記回路基板の上面のボンディング領域のイメージをそれぞれ構成する特定の色相又は波長別イメージを選択的に反射させる第1反射面121及び第2反射面123が直交するように前記Xキューブプリズムの内部に45度に傾いた状態で備えられ,前記第1反射面及び前記第2反射面の交差線は前記第1反射面及び前記第2反射面のイメージ反射方向に垂直に形成されるXキューブプリズム120を含んで構成できる。
【0039】
前記Xキューブプリズム120はダイクロイックプリズム(DICHROIC PRISM)の一種で,多層干渉膜を表面に形成することで,入射光の一部波長成分のみを反射し,残りの成分は透過して,赤色(R),緑色(G),及び青色(B)の三元色光又は波長別に分解するようにしたプリズムである。
【0040】
このようなダイクロイックプリズムは,一般的にLCD方式又はLCos方式のプロジエクターなどから色相別に分光されたイメージ又は映像を一つの完成されたイメージ又は映像に合成するために光経路上に配置される。
【0041】
しかし,本発明によるビジョン検査装置を構成するXキューブプリズム120は,ボンディングヘッドと回路基板の間に配置され,Xキューブプリズム120の上方に配置された半導体チップの下面イメージとXキューブプリズム120の下方に配置された回路基板の上面のボンディング領域のイメージを同時にビジョンカメラ110に反射させるために備えられる。
【0042】
すなわち,半導体チップの下面イメージと回路基板の上面のボンディング領域のイメージを同時に単一ビジョンカメラ110で撮像するためには,Xキューブプリズム120の内部の互いに異なる反射面を用いて,Xキューブプリズム120の上方に配置された半導体チップの下面イメージと,Xキューブプリズム120の下方に配置された回路基板の上面のボンディング領域のイメージを単一ビジョンカメラの方向に反射させなければならない。
【0043】
また,本発明によるビジョン検査装置は,Xキューブプリズム120の上方に配置された半導体チップの下面イメージとXキューブプリズム120の下方に配置された回路基板の上面のボンディング領域のイメージを,ダイクロイックプリズム形態のXキューブプリズム120で反射させる過程で干渉膜の表面特性を用いて,それぞれのイメージを構成する光のうちで特定色相の光のみを選択的に反射させることができる特徴を適応している。
【0044】
すなわち,本発明は,ダイクロイックプリズム形態のXキューブプリズム120を分光されたイメージ又は映像を,一つの完成されたイメージ又は映像に合成するプロジェクターなどの目的あるいは,白色光を多色に単純に分光する目的ではなく,Xキューブプリズム120に相異なる方向から入射する多色光から合成されたイメージを,反射面で分光させてから選択的に反射させることで,相異なる方向から入射するイメージのうちで特定の色相を有するイメージのみを,前記ビジョンカメラ110に反射させ,ビジョンカメラによって半導体チップの下面イメージと回路基板の上面のボンディング領域のイメージを,同時に一緒に撮影すると同時に一緒に撮影されたイメージの領域別色相によって被写体を区別することができる機能を提供するという点で区別される。
【0045】
半導体チップの下面イメージと回路基板の上面のボンディング領域のイメージを同時に一緒に撮影すれば,撮像時点の時間差が存在して発生し得る検査精密性の低下を防止することができるのは前述したとおりであり,撮影された単一イメージの領域別色相で被写体を区別することができる機能を提供して,位置誤差によるそれぞれの被写体のずれ方向などを容易に識別することができる。具体的に説明すると次のとおりである。
【0046】
前記Xキューブプリズム120は内部に第1反射面121及び第2反射面123が直交するように直方体形状を有することができる。
【0047】
具体的に,図1及び図2に示すように,前記Xキューブプリズム120は直方体形状に構成され,前記第1反射面121及び前記第2反射面123は,直交するように前記Xキューブプリズム120の内部に45度の角度に傾いた状態で備えられ,前記第1反射面121及び前記第2反射面123の交差線は前記第1反射面121及び前記第2反射面123のイメージ反射方向に垂直に配置されることができる。
【0048】
前記Xキューブプリズム120の第1反射面121及び第2反射面123は,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップの下面イメージと,前記回路基板の上面のボンディング領域のイメージ(合成光)のうち前記ビジョンカメラ110に反射させない色相のイメージ(光)は透過させることができる。すなわち,前記Xキューブプリズムの第1反射面121及び第2反射面123は,相異なる色相のイメージを前記ビジョンカメラ110に反射させることができる。
【0049】
前記実施例では,色相別にイメージを反射するXキューブプリズム120について詳細に説明したが,反射面121,123が相異なる波長のうちいずれか一波長は反射させ,残りの波長は透過させる構造を有するようにすることもできる。具体的には,第1反射面121及び第2反射面123は短波長又は長波長を反射することができるように構成されることができる。例えば,第1反射面121は長波長を反射することができるようにし,第2反射面123は短波長を反射することができるように反射面を作ることができる。この場合,長波長を反射する第1反射面121は赤外線を反射し,短波長を反射する第2反射面123は,紫外線を反射するように構成されることができる。それぞれの反射面121,123が反射する波長は,例示したように構成することができるが,第1反射面121は短波長を反射し,第2反射面123は長波長を反射するように構成することもできる。
【0050】
具体的に,前記第1反射面121と第2反射面123はそれぞれの反射面に形成された干渉膜によって,例えばそれぞれ赤色(R),緑色(G),及び青色(B)のいずれか一色相の光のみを反射(全反射)し,残りは透過させる構造を有することができる。
【0051】
前記Xキューブプリズム120の第1反射面121及び第2反射面123は,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップの下面のイメージと,前記回路基板の上面のボンディング領域のイメージを構成する色相別又は波長別イメージのうち互いに異なる色相又は波長のイメージを,前記ビジョンカメラ110に反射させることができる。これは,後述するビジョンカメラ110によって撮像された映像から色相又は波長によって半導体チップの位置とボンディング領域の位置を区別するためである。これについては図3を参照して後述する。
【0052】
前記Xキューブプリズム120は内部に第1反射面121及び第2反射面123を備え,それぞれの反射面は互いに異なる色光のみを反射し,反射する色光を除いた残りの色相の光は全部透過させる。本発明では,例えば第1反射面が赤色(R)光のみを反射し,残りの色相の光は透過させ,第2反射面が青色(B)光のみを反射し,残りの色相の光は透過させると仮定して説明する。
【0053】
本発明によるビジョン検査装置100を構成するビジョンカメラ110は,ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップとボンディング対象回路基板の上面のボンディング領域の間に配置され,上側から半導体チップの下面のイメージを形成する赤色(R),緑色(G),及び青色(B)光又はイメージがXキューブプリズム120に入射した後,赤色イメージriのみを第1反射面121で前記ビジョンカメラ110に反射し,下側からボンディング対象回路基板の上面のボンディング領域のイメージを形成する赤色(R),緑色(G),及び青色(B)光又はイメージがXキューブプリズム120に入射した後,青色イメージbiのみを第2反射面123で前記ビジョンカメラ110に反射する。
【0054】
これは,図1及び図2に示す実施例の前記Xキューブプリズムの第1反射面121は,赤色(R)光を反射するが残りの色相の光は透過させ,第2反射面は,青色(B)光を反射するが残りの色相の光は透過させることにより,前記ビジョンカメラに赤色イメージ及び青色イメージを反射するものとして理解することができる。
【0055】
しかし,プリズム120の方向を変更すれば,前記Xキューブプリズムの第1反射面121は,青色(B)光を反射するが残りの色相の光は透過させ,第2反射面123は,赤色(R)光を反射するが残りの色相の光は透過させることにより,前記ビジョンカメラに青色イメージ及び赤色イメージを反射するように構成されることもできることを意味する。
【0056】
また,前記Xキューブプリズム120は,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップの下面のイメージ及び前記回路基板の上面のボンディング領域のイメージを構成する波長別イメージのうち,特定の波長イメージを選択的に前記ビジョンカメラに反射することができるので,前記Xキューブプリズムの第1反射面121及び第2反射面123は,互いに異なる波長のイメージを前記ビジョンカメラ110に反射することもできる。
【0057】
図1及び図2に示すように,ボンディングヘッドのボンディング作業は上下方向に遂行され,その間にXキューブプリズムが配置されるので,前記Xキューブプリズム120の第1反射面と第2反射面から前記ビジョンカメラに入射するイメージは水平方向に反射及び入射するようにXキューブ及びビジョンカメラを配置することができる。
【0058】
図1及び図2に示すように,それぞれの第1反射面121及び第2反射面123から反射(全反射)されたイメージは同一方向,つまりビジョンカメラ110の方向に反射されるように直方体形態の前記Xキューブプリズム120の内部に45度の角度に配置されることができる。
【0059】
このような方法によって前記Xキューブプリズム120の第1反射面121で反射された半導体チップ下面の赤色イメージriと,第2反射面123で反射された回路基板の上面のボンディング領域の青色イメージbiが重畳して前記ビジョンカメラ110によって一緒に撮像されることができる。
【0060】
もちろん,前記Xキューブプリズム120を裏返して配置すれば,第1反射面と第2反射面の方向が反対になり,半導体チップの下面は青色イメージとして反射し,回路基板の上面のボンディング領域は赤色イメージとして反射することもできる。また,この他にも,他の種類のプリズムを適用して他の特定色を反射することで,他の色がビジョンカメラに反射されるように試験することもできる。
【0061】
そして,本発明によるビジョン検査装置100は,半導体チップを回路基板にボンディングする前,Xキューブプリズムを介して半導体チップの下面のイメージと回路基板の上面のボンディング領域のイメージを同時に単一ビジョンカメラに反射して撮像し,撮像されたイメージを比較して位置誤差を検出する方法を用いる。
【0062】
この場合,半導体チップの下面のイメージと回路基板の上面のボンディング領域のイメージのうち特定の領域をターゲットとして撮像した後,特定領域の位置を比較する方法で位置誤差を検出することもでき,半導体チップの下面と回路基板の上面のボンディング領域に形成されたパターン又は基準マーク(Fiducial Mark)などを備え,撮像されたイメージのパターン又は基準マークの位置を比較する方法で遂行することができる。
【0063】
本発明によるビジョン検査装置100は,半導体チップを回路基板にボンディングするボンディング作業の直前に,ピックアップされた半導体チップとボンディング領域上の特定のターゲット又は基準マークなどの位置を撮像して位置誤差を検出し,ビジョン検査装置100による検査が完了した後,前記Xキューブプリズム120を含むビジョン検査装置100はボンディングヘッドの下降軌跡の外側に移送しなければならない。
【0064】
したがって,本発明によるビジョン検査装置100は,図1に示すように,前記Xキューブプリズム120及び前記ビジョンカメラ110が装着されるマウント部材150,及び前記マウント部材150を移動させるための移送ユニット160をさらに含むことができる。
【0065】
本発明によるビジョン検査装置100は,前記半導体チップと前記ボンディング対象回路基板に対して斜線方向に光を照射する第1照明部及び/又は前記半導体チップと前記ボンディング対象回路基板に対して直角に光を照射する第2照明部を備えることができる。
【0066】
具体的に,前記マウント部材150には前記Xキューブプリズム120が上下方向に開放した状態で収容され,Xキューブプリズム120の上部と下部にそれぞれ第1照明部が備えられ,それぞれボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップ及び回路基板の上面のボンディング領域に対して斜線方向に照明を提供することができ,前記半導体チップと前記ボンディング対象回路基板の表面に対して直角に光を照射するために,前記ビジョンカメラ110に第2照明部を備えて同軸照明を提供することができる。
【0067】
ここで,第1照明部はリング形態の照明ユニット130でなることができ,Xキューブプリズムの上方に配置され,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップに光を照射する上部照明部,及び前記Xキューブプリズムの下方に配置され,前記ボンディング対象回路基板に光を照射する下部照明部を含むことができる。
【0068】
前記提供される照明は,赤色(R),緑色(G),及び青色(B)を含む白色光,又は赤色(R),緑色(G),及び青色(B)に分離された光であってもよい。
【0069】
前記ボンディングヘッドが下降してボンディング作業を遂行する過程で,前記移送ユニット160は前記マウント部材150をボンディングヘッドの作業空間以外の領域に回避させることができる。
【0070】
図1に示すマウント部材150はy軸方向に移送可能な移送ユニット160に装着され,ボンディング作業が行われる間にy軸方向に回避するように駆動されることができる。
【0071】
本発明によるビジョン検査装置は,半導体チップと回路基板の上面のボンディング領域を単一イメージに撮像してそれぞれの半導体チップ又はボンディング領域の位置誤差を検査することができる。
【0072】
位置誤差を検出する方法のうち,半導体チップの下面とボンディング領域のパターン又は基準マークのそれぞれの基準位置を前もって決定し,撮像されたイメージ上のそれぞれの基準マークの撮像位置と比較する方法を用いることができる。この場合,半導体チップの下面とボンディング領域上の基準マークは,互いに離隔した位置に存在しても関係ない。
【0073】
すなわち,ビジョン検査装置を構成する制御部は,保存された基準マークの基準位置と撮影されたマークの撮像位置を比較した後,位置誤差を求める。算出された値によって,資材を吸着したボンディングヘッド又は回路基板が置かれた回路基板装着台を移送することによって位置誤差を修正することができる。
【0074】
一方,本発明のビジョン検査装置において,ビジョンカメラによって撮像されるイメージは黒白イメージ又はカラーイメージのいずれも可能である。これについては図3を参照してより詳細に説明する。図3は,半導体チップの下面及び回路基板の上面のボンディング領域上の位置誤差検出のための基準マークを黒白イメージ及びカラーイメージに撮像した例を示すものである。
【0075】
具体的に,図3(a)は,本発明によるビジョン検査装置を構成するビジョンカメラが半導体チップ又は回路基板に形成された基準マークを黒白イメージに撮像したイメージを示し,図3(b)は,本発明によるビジョン検査装置を構成するビジョンカメラが半導体チップ又は回路基板に形成された基準マークをカラーイメージに撮像したイメージを示し,図3(c)は,Xキューブプリズムの上方の半導体チップの下面に備えられた基準マークのイメージが前記Xキューブプリズムを介して反射されたイメージriを示し,図3(d)は,Xキューブプリズムの下方の半導体チップの下面に備えられた基準マークのイメージが前記Xキューブプリズムを介して反射されたイメージbiを示す。
【0076】
図3は,半導体チップの下面及び回路基板の上面のボンディング領域上に位置誤差検出のための基準マークがそれぞれ備えられ,基準マークの形態(円形リング)及び大きさが同一である場合をビジョンカメラが黒白イメージ及びカラーイメージに撮像した例を示し,図3に示す例はそれぞれの基準マークが正確に重畳する場合に位置誤差がない場合と仮定する。
【0077】
図3に示すように,基準マークの形態及び大きさなどが同一である場合には,カラーイメージに撮影することが有利であり,基準マークの形態及び大きさなどを互いに異なるようにすれば半導体チップ又は回路基板のうちでどれが基準位置からずれているかを容易に確認することができるので,黒白イメージに撮影しても関係ない。
【0078】
また,ビジョンカメラによって撮像されるイメージが黒白である場合には,半導体チップをピックアップするボンディングヘッドと回路基板のイメージが互いに重畳しないように,ボンディングヘッドを回路基板から所定距離だけ離隔させた状態で検査することが好ましい。ボンディングヘッドを回路基板から離隔させた状態で,半導体チップと回路基板のイメージを獲得した後には,ボンディングヘッドの離隔距離だけ位置補正を行うことによって半導体チップと回路基板の位置を正確に算出することができるようになる。
【0079】
本発明の他の実施例によると,ボンディングヘッドと回路基板を離隔させずに黒白イメージの映像を撮影することができる。すなわち,ボンディングヘッドと回路基板が同軸上に位置する場合には,Xキューブプリズムの上部照明部と下部照明部から選択的に照射した状態で,ボンディングヘッドによってピックアップされた半導体チップのイメージと回路基板のイメージを連続的に獲得し,これらのイメージを比較することによって半導体チップと回路基板の位置が分かる。
【0080】
ボンディングヘッドによってピックアップされた半導体チップとボンディング対象回路基板の上面のボンディング領域が,共に同軸上に位置する状態でXキューブプリズムの上方に位置する上部照明部から照射し,Xキューブプリズムの下方に位置する下部照明部からの照射を解除することで,ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップを検査し,下部照明部から照射し,上部照明部からの照射を解除した状態でボンディング対象回路基板を検査し,このように上部照明部と下部照明部から選択的に照射する状態でビジョンカメラが連続的に撮影して,ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップを検査したイメージと回路基板を検査したイメージをそれぞれ獲得することができるようになるものである。
【0081】
この時,ビジョンカメラは,照明の明るさを互いに異に設定して所望の照明値で二枚の映像を連続的に獲得することもできる。また,二枚の映像(2 shot)の獲得時に2ショットの間に時間差が発生する場合,内外部の振動の影響を受けて精密度が低下することができるので,ショットの間隔を最小化した連続撮影によって振動の影響を最小化することができる。
【0082】
一方,ビジョンカメラによって撮像されるイメージがカラーの場合には,図3(b)に示すビジョンカメラによって撮像されたカラーイメージは,Xキューブプリズム120によって反射された後に,ビジョンカメラ110で撮像されたイメージのうち,Xキューブプリズムの上方の半導体チップの下面に備えられた基準マークのイメージが,前記Xキューブプリズムを介して反射されたイメージriと,Xキューブプリズムの下方の半導体チップの下面に備えられた基準マークのイメージが,前記Xキューブプリズムを介して反射されたイメージbiがそれぞれ色相によって明確に区別されるので,半導体又は回路基板のうちでどれが基準位置からずれたかを容易に区別することができる。
【0083】
図3(b)に示すように,赤色イメージriは,前記半導体チップの下面の基準マークのイメージのうち前記Xキューブプリズム120の第1反射面121によって反射された赤色イメージriであり,青色イメージbiは,回路基板の上面のボンディング領域上の基準マークのイメージのうち前記Xキューブプリズム120の第2反射面123によって反射された青色イメージbiである。
【0084】
図1に示すように,本発明によるビジョン検査装置100は,前記ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップの下面及び,回路基板の上面のボンディング領域に照明を提供するための照明ユニット130を備えることができ,前記照明ユニット130から提供された光はそれぞれの基準マークを赤色又は青色ではない明るい光で明るく照らすことができる。
【0085】
したがって,半導体チップの下面及び回路基板の上面のボンディング領域にそれぞれ備えられる基準マークのイメージ(又は光)は,照明ユニット130の光源色相に対応する色相を有するはずであるが,前記Xキューブプリズム120を介して反射される過程で分光,透過及び反射され,それぞれ赤色イメージri及び青色イメージbiのみが前記ビジョンカメラ110に入射することができる。
【0086】
図3(b)に示すビジョンカメラによって撮像されたカラーイメージは,Xキューブプリズム120によって反射された後に,ビジョンカメラ110で撮像されたイメージのうち,Xキューブプリズムの上方の半導体チップの下面に備えられた基準マークのイメージが,前記Xキューブプリズムを介して反射されたイメージriと,Xキューブプリズムの下方の半導体チップの下面に備えられた基準マークのイメージが,前記Xキューブプリズムを介して反射されたイメージbiがそれぞれ色相によって明確に区別されるので,半導体又は回路基板のうちでどれが基準位置からずれたかを容易に区別することができる。
【0087】
図3(b)に示す状態でボンディングヘッドが回路基板上に下降すれば半導体チップがずれた位置にボンディングされるものなので,半導体チップボンディング装置はこれを修正した状態でボンディングを遂行することができる。位置誤差を修正する方法としては,ボンディングヘッド又は回路基板装着台の位置を変更するか,ボンディングヘッドの回転などの方法で位置誤差を修正することができるのは前述したとおりある。
【0088】
例えば,半導体チップと回路基板の上面のボンディング領域の位置誤差を決定した後,半導体チップボンディング過程で前記ボンディングヘッドが下降する間に前記位置誤差を修正(赤色イメージriと紫色イメージ又は青色イメージbiと紫色イメージのずれた量を除去)する方向にボンディングヘッド又は回路基板が装着された回路基板装着台230を移送して正確なボンディングを遂行することができる。
【0089】
もちろん,本発明によるビジョン検査装置を構成するビジョンカメラ110によって撮像されるイメージが黒白の場合にも,ビジョンカメラを構成する制御部は,前記半導体チップをピックアップするボンディングヘッドと前記回路基板のイメージが互いに重畳しないように前記ボンディングヘッドを,前記回路基板から離隔させた後,前記半導体チップと前記回路基板のイメージを獲得し,前記ボンディングヘッドの離隔距離の分だけ位置補正を行うことによって前記半導体チップと前記回路基板の位置を獲得する方法を用いて位置誤差を検出及び修正することができるのは明らかである。
【0090】
具体的に,図3において,それぞれの基準マークが正確に重畳する場合に位置誤差がないと仮定したが,半導体チップの下面とボンディング領域上の基準マークが互いに離隔した位置にある場合を,位置誤差がないと仮定してもよい。すなわち,互いに離隔した状態の基準マークの位置関係を制御部に記憶し,記憶された位置関係と撮像された基準マークの相互位置関係を比較して誤差を算出することができる。
【0091】
半導体チップとボンディング領域上の基準マークは,多様な形態に適用されることができ,それぞれの基準マークの形態が違う場合,基準マークの形態差によって撮像されたイメージを区分することができる。この場合,黒白ビジョンカメラを用いるときとカラービジョンカメラを用いるとき,同じ方式で位置誤差を求める。しかし,それぞれの基準マークが同じ形態及び大きさであるとともに黒白ビジョンカメラを用いる場合には,それぞれのイメージが共に黒白イメージであるため,どのイメージを撮影したかを区別し難くなる。特に,二つの基準マークが重なる場合,二つの基準マークのうち半導体チップの基準マークとボンディング領域上の基準マークを区分することが困難となることから,上部照明部と下部照明部から選択的に照射した状態でビジョンカメラで連続的に撮影することによって半導体チップと回路基板のイメージを鮮やかに確認することができ,これによって位置誤差を求めることができる。
【0092】
カラービジョンカメラを適用する場合,図3における説明のように,半導体チップとボンディング領域上の基準マークの色を容易に区分することができるので,更なる移動なしに位置誤差を求めることができる。
【0093】
一方,図3に示すイメージは,平面方向の位置誤差のみを判断することができるものとして示されているが,複数の離隔した位置の基準マークを比較する場合あるいは基準マークの形状が,円形又はリング形以外の十字形又はその他の多角形などに構成される場合,半導体又は回路基板のθ方向へのずれ誤差も検出した後,ボンディングヘッドの下降過程でこれを修正することができるのは既に説明したとおりある。
【0094】
このような方法で半導体チップボンディング工程の前に,半導体チップのボンディング位置を検査してボンディング作業の正確性を向上させることができる。
【0095】
また,本発明によるビジョン検査装置は,半導体チップボンディング作業でボンディング対象半導体チップと,回路基板の上面のボンディング領域の位置誤差検出のために,単一ビジョンカメラと単一プリズムを含んでビジョン検査装置の構成を簡素化することができ,ビジョン検査装置を構成するビジョンカメラが一つであり,別途の反射ミラーを用いることなく,検査のための光軸整列作業を簡素化することができるので,半導体チップボンディング工程の効率性を向上させることができ,その上,Xキューブプリズムで分光及び反射される,ボンディングヘッドにピックアップされた半導体チップに備えられた基準マークなどのイメージと,回路基板の上面のボンディング領域上の基準マークなどのイメージの色相を異にして位置誤差及び装置の修正方向を容易に決定することができるという効果も得ることができる。
【0096】
本発明によるビジョン検査装置によると,半導体チップの下面と回路基板の上面のボンディング領域をXキューブプリズムと,単一カメラを用いて同時に撮像することができるので,二つのビジョンカメラでそれぞれのイメージを撮像する従来の方式に存在する,微細な時間差の間にシステムに印加され得る外乱などによる検査の精密性の低下の問題を解消することができる。
【0097】
この明細書は,本発明の好適な実施例に基づいて説明したが,当該技術分野の当業者は以下で開示する特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範疇内で本発明を多様に修正及び変更して実施することが可能であろう。したがって,変形実施が基本的に本発明の特許請求範囲の構成要素を含めばいずれも本発明の技術的範疇に属すると見なさなければならない。
【符号の説明】
【0098】
100 ビジョン検査装置
110 ビジョンカメラ
120 Xキューブプリズム
121 第1反射面
123 第2反射面
130 照明ユニット
150 マウント部材
160 移送ユニット
210 ボンディングヘッド
230 回路基板装置台
図1
図2
図3
図4