特許第6382418号(P6382418)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6382418無線能力情報の転送のための改良された方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382418
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】無線能力情報の転送のための改良された方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/24 20090101AFI20180820BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20180820BHJP
【FI】
   H04W8/24
   H04W72/04 111
【請求項の数】26
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-177543(P2017-177543)
(22)【出願日】2017年9月15日
(62)【分割の表示】特願2016-549427(P2016-549427)の分割
【原出願日】2015年2月12日
(65)【公開番号】特開2017-216754(P2017-216754A)
(43)【公開日】2017年12月7日
【審査請求日】2017年9月15日
(31)【優先権主張番号】61/952,750
(32)【優先日】2014年3月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/582,996
(32)【優先日】2014年12月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514045555
【氏名又は名称】インテル アイピー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ツァウス,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ロエセル,ザビーネ
(72)【発明者】
【氏名】ラーフ,ベンハルト
(72)【発明者】
【氏名】エレンベック,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ヒュン−ナム
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/126859(WO,A2)
【文献】 国際公開第2012/099404(WO,A2)
【文献】 特表2014−506744(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/169061(WO,A1)
【文献】 特表2015−516774(JP,A)
【文献】 特開2012−204910(JP,A)
【文献】 特開2012−169852(JP,A)
【文献】 特開平10−41937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線アクセス能力情報を通信するよう動作するユーザ機器(UE)の装置であって、前記装置は1又は複数のプロセッサを有し、前記1又は複数のプロセッサは、
E−UTRAN(evolved universal terrestrial radio access network)の中のネットワークノードから受信した第1メッセージを復号化し、前記第1メッセージは前記E−UTRANにおいてサポートされる周波数帯域のリストを有し、
前記E−UTRANにおいてサポートされる周波数帯域の前記リストに基づき、前記UEでサポートされる周波数帯域及び周波数帯域の組合せのセットを生成し、
前記UE及び前記記E−UTRANにおいてサポートされる前記周波数帯域の組合せ及び周波数帯域の前記セットを含む第2メッセージを、前記ネットワークノードへ送信するために符号化する、
よう構成される、装置。
【請求項2】
前記第2メッセージに含まれる前記周波数帯域の組合せは、キャリアアグリゲーション(CA)帯域の組合せである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2メッセージに含まれる前記周波数帯域の組合せは、非キャリアアグリゲーション(CA)帯域の組合せである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記UEにおいてサポートされる前記周波数帯域の組合せ及び周波数帯域の前記セットは、前記E−UTRANにおいてサポートされる周波数帯域の前記リストに制限される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記E−UTRANにおいてサポートされる周波数帯域の前記リストを含む、前記ネットワークノードから受信される前記第1メッセージは、UE能力問い合わせメッセージであり、
前記UE及び前記E−UTRANにおいてサポートされる周波数帯域の組合せ及び周波数帯域の前記セットを含む、前記ネットワークノードへ送信される前記第2メッセージは、UE能力情報メッセージである、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1メッセージは、無線リソース制御(RCC)シグナリングにより前記ネットワークノードから受信される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1メッセージの中の周波数帯域の前記リストは、前記E−UTRANにおいてサポートされる最大で16個の周波数帯域を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1メッセージは、前記UEが接続モードであるとき、前記ネットワークノードから受信される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
ユーザ機器(UE)に関連する無線アクセス能力情報を決定するよう動作するセルラモバイルネットワークの中のネットワークノードの装置であって、前記装置は1又は複数のプロセッサを有し、前記1又は複数のプロセッサは、
前記ネットワークノードにおいて、前記セルラモバイルネットワークにおいてサポートされる周波数帯域のリストを識別し、
前記ネットワークノードにおいて、前記セルラモバイルネットワークにおいてサポートされる周波数帯域の前記リストを含む第1メッセージを、前記UEへ送信するために符号化し、
前記ネットワークノードにおいて、前記UE及び前記セルラモバイルネットワークにおいてサポートされる周波数帯域の組合せ及び周波数帯域のセットを含む、前記UEから受信した第2メッセージを復号化する、
よう構成される、装置。
【請求項10】
前記第2メッセージに含まれる前記周波数帯域の組合せは、キャリアアグリゲーション(CA)帯域の組合せである、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第2メッセージに含まれる前記周波数帯域の組合せは、非キャリアアグリゲーション(CA)帯域の組合せである、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
周波数帯域の組合せ及び周波数帯域の前記セットは、前記セルラモバイルネットワークにおいてサポートされる周波数帯域の前記リストに制限される、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記セルラモバイルネットワークにおいてサポートされる周波数帯域の前記リストを含む前記第1メッセージは、UE能力問い合わせメッセージであり、
前記UE及び前記セルラモバイルネットワークにおいてサポートされる周波数帯域の組合せ及び周波数帯域の前記セットを含む前記第2メッセージは、UE能力情報メッセージである、
請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記第1メッセージは、無線リソース制御(RCC)シグナリングにより前記ネットワークノードから前記UEへ送信される、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記ネットワークノードを含む前記セルラモバイルネットワークは、E−UTRAN(evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)である、請求項9に記載の装置。
【請求項16】
前記第1メッセージの中の周波数帯域の前記リストは、前記セルラモバイルネットワークにおいてサポートされる最大で16個の周波数帯域を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項17】
前記第2メッセージは、前記UEが接続モードであるとき、前記ネットワークノードから送信される、請求項9に記載の装置。
【請求項18】
プロセッサにユーザ機器(UE)から無線アクセス能力情報を通信する方法を実行させるコンピュータプログラムであって、前記方法は、
前記UEにおいて、E−UTRAN(evolved universal terrestrial radio access network)の中のネットワークノードから受信した第1メッセージを復号化するステップであって、前記第1メッセージは、前記E−UTRANにおいてサポートされる周波数帯域のリストを含む、ステップと、
前記UEにおいて、前記E−UTRANにおいてサポートされる周波数帯域の前記リストに基づき、前記UEにおいてサポートされる周波数帯域の組合せ及び周波数帯域のセットを生成するステップと、
前記UEにおいて、前記UE及び前記E−UTRANにおいてサポートされる周波数帯域の組合せ及び周波数帯域の前記セットを含む第2メッセージを、前記ネットワークノードへ送信するために符号化するステップと、
を含む、コンピュータプログラム。
【請求項19】
前記第2メッセージに含まれる前記周波数帯域の組合せは、キャリアアグリゲーション(CA)帯域の組合せである、請求項18に記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
前記第2メッセージに含まれる前記周波数帯域の組合せは、非キャリアアグリゲーション(CA)帯域の組合せである、請求項18に記載のコンピュータプログラム。
【請求項21】
前記UEにおいてサポートされる前記周波数帯域の組合せ及び周波数帯域の前記セットは、前記E−UTRANにおいてサポートされる周波数帯域の前記リストに制限される、請求項18に記載のコンピュータプログラム。
【請求項22】
前記E−UTRANにおいてサポートされる周波数帯域の前記リストを含む、前記ネットワークノードから受信される前記第1メッセージは、UE能力問い合わせメッセージであり、
前記UE及び前記E−UTRANにおいてサポートされる周波数帯域の組合せ及び周波数帯域の前記セットを含む、前記ネットワークノードへ送信される前記第2メッセージは、UE能力情報メッセージである、
請求項18に記載のコンピュータプログラム。
【請求項23】
前記第1メッセージは、無線リソース制御(RCC)シグナリングにより前記ネットワークノードから受信される、請求項18に記載のコンピュータプログラム。
【請求項24】
前記第1メッセージの中の周波数帯域の前記リストは、前記E−UTRANにおいてサポートされる最大で16個の周波数帯域を含む、請求項18に記載のコンピュータプログラム。
【請求項25】
前記第1メッセージは、前記UEが接続モードであるとき、前記ネットワークノードから受信される、請求項18に記載のコンピュータプログラム。
【請求項26】
請求項18乃至25のいずれか一項に記載のコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
3GPP(third generation partnership project)標準に従うモバイルネットワークでは、ネットワークに接続しようとするユーザ機器(UE)装置は、標準的に、ネットワークにUEの無線能力に関する情報を提供するよう構成される。UEは、例えば、UEがキャリアアグリゲーション(CA)のためにどの周波数帯域及び周波数帯域の組合せをサポートするかを示しても良い。UEは、各々のサポートされる帯域について、半二重又は全二重送信がサポートされるか否かも示しても良い。UEは、異なる帯域/モードの組合せの間のハンドオーバ、及び他の無線アクセス技術(radio access technology:RAT)へのハンドオーバに関する情報のような、帯域の組合せ又は特定のモードに関連する他の情報も有しても良い。
【0002】
E−UTRAN(evolved universal terrestrial radio access network)標準は、展開され得る周波数帯域及び帯域幅に関して非常に柔軟であるよう設計されている。したがって、UEによりサポートされる周波数帯域及び周波数帯域の組合せの数は、非常に多くなり得る。現在、世界的に標準化されているCAのために約40個のシングル周波数帯域及び約140個の周波数帯域の組合せが存在する。E−UTRANは世界中に無線ネットワークで展開されているので、より多くの帯域及び帯域の組合せが将来標準化される可能性が高い。これは、E−UTRANに関連する進化型パケットコアネットワークの中のコアネットワークノードであるモビリティ管理エンティティ(mobility management entity:MME)が、現在、ネットワークに接続するUEに関する最大で510オクテットの無線能力情報だけを格納するよう構成されているので、問題を引き起こす。UEベンダーが世界的ローミングをサポートすることを狙い、UEがUEの完全な無線能力情報を提供することを期待される場合、UEが送信するよう構成される無線能力情報の量は、MMEがUEの無線能力情報のために割り当てている510オクテットよりも多くの空間を容易に占有し得る。その結果、UEにより提供される無線能力情報の一部はネットワークにより考慮されず、特定の特徴は、UE及びネットワークの両方によりサポートされる場合でさえ、機能しないことがある。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本開示の特徴及び利点は、例として本開示の特徴を共に図示する添付の図面と関連する以下の詳細な説明から明らかである。
図1】一例による、UEからの無線能力情報を取り込むために用いられるUE能力転送手順を示す。
図2】一例による、E−UTRANにおけるUEによりトリガされるサービス要求手順を示す。
図3】セルラモバイルネットワークの中のネットワークノードにある回路が実行するよう構成され得る動作シーケンスの一例を示す。
図4】UEにある回路が実行するよう構成され得る動作シーケンスの一例を示す。
図5】UEにある回路が実行するよう構成され得る動作シーケンスの一例を示す。
図6】セルラモバイルネットワークの中のネットワークノードにある回路が実行するよう構成され得る動作シーケンスの一例を示す。
図7】幾つかの実施形態による無線通信装置の機能ブロック図を示す。 以下では、図示の例示的な実施形態を参照し、本願明細書ではそれらを説明するために固有の言語が用いられる。しかしながら、それにより本発明の範囲の如何なる限定も意図されないことが理解されるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0004】
幾つかの実施形態が開示され説明される前に、請求される主題は本願明細書に開示される特定の構造、処理動作又は材料に限定されず、関連分野の当業者により認識されるように、それらの等価物にまで拡張されることが理解されるべきである。本願明細書で用いられる用語は、特定の例を説明することのみを目的としており、限定を目的としていないことが理解されるべきである。異なる図中の同じ参照符号は、同じ要素を表す。フローチャート及び処理中に提供される数値は、動作を説明する際に明確性のために提供されるものであり、必ずしも特定の順序又は配列を示さない。
【0005】
以下に、技術的実施形態の最初の概略が提供され、次に特定の技術的実施形態が詳細に説明される。この最初の概要は、読者が技術をより迅速に理解するのを助けることを目的としており、技術の主要な特徴又は基本的特徴を特定することを意図せず、あるいは請求される主題の範囲を限定することを意図しない。
【0006】
図1は、UEからの無線能力情報を取り込むために用いられる現行のUE能力転送手順100を示す。動作106で、E−UTRAN104は、UE能力問い合わせをUE102へ送信する。E−UTRAN、GERAN−CS(global system for mobile communications (GSM) enhanced data rates for GSM evolution (EDGE) radio access network (RAN) for circuit−switched (CS) domain)、GERAN−PS(global system for mobile communications (GSM) enhanced data rates for GSM evolution (EDGE) radio access network (RAN) for packet−switched (PS) domain)、UTRA、及びcdma2000−1xRTT(code division multiple access one times radio transmission technology)ネットワークタイプのような、種々の無線アクセス技術(RAT)に関連する無線能力情報が要求されても良い。動作108で、UEは、UE無線能力情報をE−UTRAN104へ送信することにより応答する。現在の3GPP標準の下では、UEは、情報が要求されるRATに関連する自身の無線能力情報の全部を提供することを期待されている。
【0007】
図2は、E−UTRANにおけるUEによりトリガされるサービス要求手順を示す。UE202は、eNB204からのサービスを要求できる。eNB204は、UE202がeNB204に接続される限り、eNB自身のメモリに格納されるUE202に関して(例えば、図1に示す手順を通じて)受信された無線能力情報を保持できる。eNB204は、S1−APメッセージ(例えば、UE能力情報指示:UE Capability Info Indication)の中で、MME206へ無線能力情報も送信する。MME206は、UEのeNB204との接続が解除された後でも、UE202に関する無線能力情報を格納し続けるよう構成され得る。
【0008】
UE202がネットワークとの接続を確立するためのサービス要求手順を次に開始するとき、動作4に示すように、MME206は、S1−APメッセージ(初期コンテキスト設定要求:Initial Context Setup Request)の中で、UEの無線能力情報をeNB204に提供できる。この手順は、UE202がeNBからのサービスを要求する度に、eNB204がUE202から無線能力情報を取り出す必要を取り除く。
【0009】
UE無線能力情報を要求し、提供し、及び格納するために使用される現在のアプローチには幾つかの問題がある。先ず、UEがオクテット510の後の任意のオクテットで特定の周波数帯域又は機能のサポートを示す無線能力情報を送信する場合、この追加無線能力情報は、MMEにより格納されない場合がある。結果として、UEがeNBからのサービスを続けて要求するとき(例えば、UEがEMM(evolved packet system(EPS)mobility management)のEMMアイドルモードからEMM接続モードに変化するとき)、MMEは、追加無線能力情報をeNBに提供しない。追加無線能力情報が無いと、他の周波数帯域へのハンドオーバのような幾つかの機能は動作しないことがある。
【0010】
さらに、各々のUEについて510オクテットの無線能力情報のMMEにおける現在の記憶限界は、E−UTRANに関連する無線能力情報にだけではなく、UEによりサポートされる全ての3GPP RATに関する全ての無線能力情報の合計に適用される。したがって、E−UTRANに関連する無線能力情報が510オクテットより少量を必要としたとしても、MMEは、GERAN、UTRANのような他のRAT、及びIEEE802.11及びBluetooth(登録商標)のような未認可RATに関連する無線能力情報を格納できない場合がある。したがって、他のRATへのRAT間ハンドオーバ又はRAT間アイドルモードモビリティが動作しない場合がある。
【0011】
現在の標準により使用されるアプローチに伴う別の問題は、標準的なモバイルネットワークが少数の周波数帯域のみを展開し、少数のキャリアアグリゲーション(CA)組合せ及び/又はモードのみをサポートする場合でさえ、UEにUEの無線能力情報の全てを提供するよう要求することである。さらに、E−UTRANのようなモバイルネットワークのRANは、幾つかの機能をサポートするだけであっても良い。特定の例では、UEが特定の帯域のための専用機能をサポートするか否かの質問は、RANにおける帯域が時分割多重(TDD)モード又は周波数分割多重(FDD)モードを使用するかに依存しても良い。専用機能のサポートは、ハンドオーバ又はリダイレクトが意図されるターゲット帯域のモードにも依存しても良い。
【0012】
不要な無線能力情報がMMEに格納され、UEにおいて過剰な通信及びバッテリ使用があり、モバイルネットワークに追加の負担があるとき、UEの能力の通信は、RANの能力に関係なく、結果として良くても非効率になり得る。最悪の状態でも、UEの能力情報が510より大きいとき、MMEは、不要な無線能力情報を、UEに割り当てられた510オクテットに格納でき、格納できない後のオクテットに含まれる有用な情報を格納しない。
【0013】
1つの一時的救済方法は、次の3GPP標準で、MMEにおけるUE当たりの510オクテットの限度を引き上げることであり得る。しかしながら、3GPPは、新しい周波数帯域及びCA組合せを猛烈な勢いで策定している。結果として、新しい限度は、UEに利用可能な無線能力情報の量よりたちまち小さくなってしまうだろう。さらに、メモリ限度の引き上げは、非効率の問題を解決しないかも知れない。利用可能な無線能力情報の量は、任意の特定のネットワークに実際に有用な無線能力情報の量より速く増大しているので、記憶限度が増大するにつれ、有用な無線能力情報により占有される記憶空間の割合は実際には減少し得る。
【0014】
代替で、MMEは、全く際限なく、UEにより転送される全ての無線能力情報を格納するよう構成され得る。しかしながら、これは、非効率の問題を悪化させる可能性がある。さらに、ネットワークベンダー及びオペレータは、追加メモリを使用するコストを吸収することを要求される可能性があるので、何の種類の限度も無しに、標準を受け入れることを好まないだろう。MMEは、数百万人の加入者にサービスできるので、各々の加入者のUEについて、追加の1000オクテットの情報を格納することは、MMEに追加の数ギガバイトのメモリを備える必要があるだろう。その結果、ネットワークベンダー及びオペレータは、所有制限を施行する可能性が高く、異なるネットワーク環境で使用されるUEの予測可能な性能及び/又は相互運用性を低くしてしまう。
【0015】
別の非標準化アプローチは、UEが位置する地理的領域にどの帯域が適用可能かを決定するよう、UEを構成することを含む。3GPP仕様のリリース10まで、UEからネットワークへのUTRANに関する無線能力情報の中でシグナリングできる周波数帯域の数は、16に制限されている。この制限に対処するために、16個より多くの帯域をサポートするUEは、UEが位置する地理的領域(例えば、ヨーロッパ、アジア、北又は南アメリカ、アフリカ、オーストラリア)に基づき、UEのエリアにあるネットワークにより使用される可能性が最も高いのはどの帯域かを決定するよう構成され得る。UEは、次に、これらの帯域にのみ関連する無線能力情報を送信できる。この解決策は、最大で16個の帯域が一般的にサポートされる地域で有用であり得る。16個より多くの帯域がサポートされる地域では、UEは、オペレータによりインデックス付けされたプログラムされたリストを有しても良い。これらのリストは、各々のオペレータについて知られている(又は利用可能である可能性のある)帯域を含むことができる。しかしながら、これらのリストは、直ぐに古くなってしまい得る。
【0016】
したがって、無線能力情報の送信及び記憶に現在影響を与える問題に対する、より良い解決策が必要である。本願で開示される2つの新規な解決策(方法1及び方法2)は、無線能力情報がUEから送信される前に、無線能力情報を削減するステップを含む。一方、別の解決策(方法3)は、無線能力情報がネットワークにより受信された後に、無線能力情報を削減するステップを含む。
【0017】
<方法1>
方法1では、モバイルネットワークは、UEが、UEが(例えば、図1に示すような)モバイルネットワークへ送信するUE能力情報メッセージから無関係な無線能力情報を排除することを可能にする追加情報をUEに提供できる。モバイルネットワークがUEに提供する追加情報は、特定のRATに専用であっても良く、限定ではないが、モバイルネットワークでサポートされる周波数帯域、ダウンリンク(DL)及びアップリンク(UL)について別個にリストされる可能性のあるモバイルネットワークで集約され得る最大キャリア数、モバイルネットワークでサポートされるモード(例えば、時分割多重(TDD)及び周波数分割多重(FDD))、UEが無線能力情報を提供すべき3GPPの最大リリースバージョン(例えば、Rel.8、9、10、11、12、13、等)を含み得る。モバイルネットワークは、専用シグナリングを介して(例えば、図1に示すUE能力問い合わせメッセージの中で)追加情報を提供するよう構成され得る。モバイルネットワークは、システム情報ブロードキャストにより追加情報を提供するようにも構成できる。代替で、モバイルネットワークは、専用シグナリングとシステム情報ブロードキャストとの組合せにより追加情報を提供するようにも構成できる。
【0018】
方法1は、多くの異なる方法で実施できる。以下の例は、方法1が実施できる1つの説明的方法であり、技術の範囲を限定すること又は技術の基本的側面を特定するものではない。
【0019】
3GPP TS36.331、subclause6.2.2によると、UE能力問い合わせメッセージは、「UEがUE無線アクセス能力を転送するよう要求されるRATのリスト、つまり、E−UTRAN、UTRA、GERAN−CS、GERAN−PS、CDMA2000」として定められるue−CapabilityRequestパラメータを含む。
【0020】
一例では、eNBは、(例えば、図1に示すような)UE能力問い合わせメッセージに1又は複数のオプションパラメータを追加するよう構成できる。第1のオプションパラメータは、モバイルネットワークによりサポートされる周波数帯域を示すことができる。UE能力問い合わせメッセージの中で第1のオプションパラメータを受信するUEは、未サポート周波数帯域に関連するUE無線能力情報をネットワークへ送信しないことを選択できる。eNB及びその近隣セルによりサポートされる場合だけでなく、周波数帯域がネットワークのどこかでサポートされる場合、周波数帯域は、「ネットワークによりサポートされる」と考えられる。
【0021】
モバイルネットワークによりサポートされる周波数帯域に関連する情報は、モバイルネットワークがSON(self−organizing network)である場合、管理により又はシグナリングにより、eNBに利用可能にできる。幾つかの実施形態では、第1のオプションパラメータは、等価PLMN(public land mobile network)によりサポートされる周波数帯域を示すことができる。等価PLMNは、PLMN選択、セル選択/再選択、及びハンドオーバの目的で、互いに等価であると考えられる。
【0022】
幾つかの実施形態では、第1のオプションパラメータは、多数のサポートされる周波数帯域の明示的リストとして符号化できる。代替で、第1のオプションパラメータは、ビットマップとして符号化できる。一例では、ビットマップは256ビット長であり得る。各々のビット位置は、特定の周波数帯域に対応し得る。必要な場合、ビットマップは、可変長を有することもできる。したがって、UEは、最後のビットが1に設定されるビットを含まない場合、最後のビットを符号化する必要がない。このような可変長ビットマップは、追加帯域が3GPPにより定められる場合、将来において拡張できる。代替で、モバイルネットワークは、どのフォーマットがより少ないビットを使用するかに依存して、第1のオプションパラメータのために何れかの符号化フォーマットを使用するよう構成され得る。
【0023】
第2のオプションパラメータは、(1)キャリアアグリゲーションのためにモバイルネットワークがサポートできる最大ダウンリンク(DL)キャリア数、(2)キャリアアグリゲーションのためにモバイルネットワークがサポートできる最大アップリンクキャリア数、(3)特にULについて、キャリアアグリゲーション帯域幅クラス(例えば、A、B、C)のサポート、を示すために使用される情報を有し得る。第2のパラメータを有する情報により示される情報を有し、UEは、MTA(multiple timing advance)サポートに関する無線能力情報を送信することを回避できる。一例では、モバイルネットワークは、DLについて1〜8(又はそれ以上)の範囲に渡る値を示しても良い。ここで、この値は、モバイルネットワークが何をサポートするかに関連して、集約できる最大キャリア数を表す。例えば、2の値は、UEが2より多くのキャリアの集約に使用される帯域組合せに関連する無線能力情報を送信する必要がないことを示し得る。
【0024】
第2のオプションパラメータは、代替で、帯域内及び帯域間組合せについて別個に、DLキャリア及びULキャリアの最大数を示すために使用できる情報を有し得る。DL及びULキャリアアグリゲーションが同時にサポートされる場合、第2のオプションパラメータは、最大DLキャリア数及び最大ULキャリア数を示すために使用できる情報も含み得る。
【0025】
第2のオプションパラメータは、送信モードTM9及びTM10のサポートがあるか否かを示すために使用できる情報も有し得る。この情報を受信するUEは、TM9又はTM10がサポートされない場合、TM9又はTM10のための特定の多入力多出力(MIMO)及び協調マルチポイント(CoMP)設定に関連する無線能力情報を送信することを回避できる。第2のオプションパラメータは、UL MIMOがサポートされるか否かを示すために使用できる情報も有し得る。この情報を受信するUEは、UL MIMOがサポートされない場合、UL MIMOに関する無線能力情報を送信することを回避できる。
【0026】
第3のオプションパラメータは、モバイルネットワーク(又はその等価なPLMN)が複数のモード(例えば、多重化モードFDD又はTDD)をサポートするか否かを示すために使用される情報を有し得る。この情報を受信するUEは、サポートされないモードに関する無線能力情報を送信することを回避できる。
【0027】
第4のオプションパラメータは、3GPPリリースバージョンxを示すために使用される情報を有し得る。この情報を受信するUEは、リリースバージョンx及び任意の前のリリースバージョンに関する無線能力情報を送信するよう構成され得る。この方法では、UEが3GPPの後のリリースバージョンに準拠する場合でも、UEは、これらの後のリリースバージョンがネットワークによりサポートされない場合、これらに関連する無線能力情報を送信する必要がない。
【0028】
上述のパラメータは(例えば、図1に示すような)UE能力問い合わせメッセージに含まれても良いが、これらのパラメータに含まれ得る情報は、既存のシステム情報ブロードキャスト(system information broadcast:SIB)メッセージ又は別のメッセージに対する拡張として、ブロードキャストされ得る。さらに、同じ情報は、UTRANからE−UTRANへのRAT間ハンドオーバのための準備において、UEが自身のE−UTRAN無線能力を提供する必要がある場合、他の無線インタフェース(例えば、UTRAN無線インタフェース)により、モバイルネットワークによっても提供され得る。
【0029】
図3は、モバイルネットワークの中のネットワークノードにある回路(例えば、1又は複数のプロセッサ)が実行するよう構成され得る動作シーケンスの一例を示す。用語「ネットワークノード」は、ネットワークに付属し通信チャネルを介して情報を送信し受信し及び/又は転送できる能動電子装置(例えば、eNB(evolved node B)、モビリティ管理エンティティ(mobility management entity:MME)、又はPCRF(policy charging and rules function)ノード)を表す。310におけるように、ネットワークノードにある回路は、セルラモバイルネットワーク(例えば、E−UTRAN)の中でサポートされる無線アクセス技術(RAT)に関連するRAT固有無線能力情報を識別するよう構成されても良い。幾つかの実施形態では、RAT固有無線能力情報は、セルラモバイルネットワークの中でサポートされる複数のサポート周波数帯域に関連する情報を有しても良い。幾つかの実施形態では、RAT固有無線能力情報は、セルラモバイルネットワークの中で集約できるUL又はDLの最大キャリア数に関連する情報も有しても良い。追加で、RAT固有無線能力情報は、セルラモバイルネットワークの中でサポートされる複数のモード(例えば、時分割多重(TDD)モード又は周波数分割多重(FDD)モード)に関連する情報を有しても良い。RAT固有無線能力情報は、UEが無線能力情報を提供すべき、3GPPの最大リリースバージョンに関連する情報も有しても良い。
【0030】
320におけるように、ネットワークノードにある回路は、RAT固有無線能力情報をUEに通信するよう構成されても良い。幾つかの実施形態では、RAT固有無線能力情報は、システム情報としてUEにブロードキャストされても良い。さらに、回路は、セルラモバイルネットワークの中のeNB(evolved node B)においてUEからの無線リソース制御(RRC)接続を確立する要求を受信し、セルラモバイルネットワークの中のモビリティ管理エンティティ(mobility management entity:MME)からUEのためのユーザプレーンベアラを設定する要求を受信し、MMEから受信した要求がUE無線能力情報を含まない場合、RAT固有無線能力情報をUE能力問い合わせメッセージの中でUEに通信する、よう構成されても良い。要求は、UE無線能力情報を有し得る。330におけるように、ネットワークノードにある回路は、RAT固有無線能力情報に基づき(例えばUEにより)選択される情報を有するUE無線能力情報を、UEから受信するよう構成されても良い。
【0031】
図4は、UEにある回路(例えば、1又は複数のプロセッサ)が実行するよう構成され得る動作シーケンスの説明のための例を示す。410におけるように、UEにある回路は、セルラモバイルネットワーク(例えば、E−UTRAN)の中でサポートされるRATに関連するRAT固有無線能力情報を受信するよう構成され得る。幾つかの実施形態では、RAT固有無線能力情報は、セルラモバイルネットワークの中でサポートされる複数のサポート周波数帯域に関連する情報を有しても良い。幾つかの実施形態では、RAT固有無線能力情報は、セルラモバイルネットワークの中で集約できるUL又はDLの最大キャリア数に関連する情報も有しても良い。追加で、RAT固有無線能力情報は、セルラモバイルネットワークの中でサポートされる複数のモード(例えば、時分割多重(TDD)モード又は周波数分割多重(FDD)モード)に関連する情報を有しても良い。RAT固有無線能力情報は、UEが無線能力情報を提供すべき、3GPPの最大リリースバージョンに関連する情報も有しても良い。RAT固有無線能力情報は、UE能力問い合わせメッセージの中で、又はシステム情報ブロードキャストの中でも受信できる。
【0032】
420におけるように、UEにある回路は、RAT固有無線能力情報に従って、UEにある関連するUE能力情報を識別するよう構成され得る。通常、セルラモバイルネットワークによりサポートされる能力に関連するUE能力情報は、関連すると考えられる。430におけるように、UEにある回路は、UEからセルラモバイルネットワークへ、関連UE能力情報を送信するよう構成され得る。
【0033】
<方法2>
方法2では、UEは、無線ネットワークにおけるUEの履歴に基づき、無線能力情報を送信する周波数帯域セットを適応して選択できる。例えば、UEは、オペレータによりインデックス付けされたサポートされる周波数帯域及び/又は周波数帯域の組合せのプログラムされたリストを有しても良い。代替で、UEは、空のリスト、又は共通にサポートされる帯域及び/又は帯域の組合せのオペレータと独立したセットを有するリストから開始しても良い。UEがUEの無線能力情報を提供する要求を受信すると、無線能力情報が要求側のモバイルネットワーク(又は同じオペレータに関連する他のモバイルネットワーク)へ送信されるとき、UEは、1又は複数の追加帯域及び/又は帯域の組合せをリストに追加して含めることができる。リストにある任意の帯域及び/又は帯域の組合せが長期間の間、ネットワークにより割り当てられない場合、それらの帯域及び/又は帯域の組合せは、オペレータに対応するリストから除去できる。このように、UEは、無関係な無線能力情報をモバイルネットワークへ送信しないことを適応的に学習できる。
【0034】
図5は、UEにある回路(例えば、1又は複数のプロセッサ)が実行するよう構成され得る動作シーケンスの説明のための例を示す。510におけるように、回路は、サポートされる帯域及び/又はサポートされる周波数帯域の組合せのリスト(list of supported frequency bands and/or supported frequency−band combinations:LOSB)を格納するよう構成され得る。幾つかの実施形態では、回路は、LOSBのセットも格納するように構成され得る。LOSBのセットの中の1又は複数のLOSBは、オペレータ、国、地理的領域、又は大陸のうちの1又は複数に対応し得る。
【0035】
520におけるように、回路は、セルラモバイルネットワークから、無線能力情報を提供する要求を受信するよう構成され得る。530におけるように、回路は、UEによりサポートされる第1の周波数帯域をLOSBに追加するよう構成され得る。540におけるように、回路は、セルラモバイルネットワークへ、無線能力情報を送信するよう更に構成され得る。無線能力情報は、LOSBに基づいても良い(例えば、LOSBに含まれる能力に関連する情報を有する)。550におけるように、回路は、第1の周波数帯域が、指定時間期間の間に、セルラモバイルネットワークの中のeNBにより割り当てられるか否かを監視するよう更に構成され得る。560におけるように、第1の周波数帯域が指定時間期間の間に割り当てられない場合、回路は、LOSBから第1の周波数帯域を除去するよう更に構成され得る。幾つかの実施形態では、LOSBは、任意の周波数帯域がLOSBに追加され又はそれから削除される前に、周波数帯域及び周波数帯域の組合せのオペレータと独立したセットを有し得る。
【0036】
<方法3>
方法3では、ネットワークノード(例えば、eNB又はMME)は、UEに関連する無線能力情報を受信し、ネットワークの中で(例えば、ネットワークの中の任意のノードにより)サポートされる能力に関連するUE無線能力情報の部分のみを格納できる。言い換えると、ネットワークノードは、関連情報だけが残されるまで、UE無線能力情報をフィルタリングし又は削る。ネットワークノードがサービングeNBであり、ハンドオーバの間にUE無線能力情報をターゲットeNBへ転送している場合、ターゲットeNBは、サービングeNBより多くの帯域及び/又は帯域の組合せをサポートしても良い。その結果、幾つかの実施形態では、eNBは、近隣ノードによりサポートされる能力に関連するUE無線能力情報の部分を格納するよう構成され得る。
【0037】
1つの非限定的な例では、方法3を適用するネットワークノードは、2つの枝刈りモードのうちの1つで動作するよう構成されても良い。枝刈りモード1及び枝刈りモード2の両方で、ネットワークノードは、ネットワークノードが復号化できるが、モバイルネットワークによりサポートされない能力に関連するUE無線能力情報を除去するよう構成され得る。枝刈りモード1では、ネットワークノードは、(例えば、ネットワークノードによりサポートされない新しいプロトコルバージョンで追加されたために)ネットワークノードが復号化できないUE無線能力情報を除去するよう更に構成され得る。これに対し、枝刈りモード2では、ネットワークノードは、ネットワークノードが復号化できないUE無線能力情報を除去しないよう更に構成され得る。モード2は、モバイルネットワークの中の異なるノードが異なる能力を有する状況で(例えば、モバイルネットワークが更新されており、異なるノードが異なるプロトコルバージョンをサポートしているとき)使用できる。
【0038】
図6は、セルラモバイルネットワークの中のネットワークノードにある回路(例えば、1又は複数のプロセッサ)が実行するよう構成され得る動作シーケンスの一例を示す。610におけるように、回路は、UEに関連するUE能力情報を得るよう構成され得る。幾つかの実施形態では、ネットワークノードは、eNB又はMMEであっても良い。ネットワークノードがeNBである実施形態では、例えば、UE能力情報は、UEからの送信により、又はUE能力情報が格納されているMMEへの接続により、受信されても良い。620におけるように、回路は、ネットワークノードが復号化できるがネットワークノードが位置するセルラモバイルネットワークによりサポートされない能力に関連する、UE能力情報の中の情報セグメントを識別するよう構成され得る。630におけるように、回路は、UE能力情報から、ネットワークノードが復号化できるセルラモバイルネットワークによりサポートされない無線能力に関連する情報セグメントを除去するよう構成され得る。640におけるように、回路は、セルラモバイルネットワークの中にあるモビリティ管理エンティティ(mobility management entity:MME)にUE能力情報を格納するよう構成され得る。幾つかの実施形態では、回路は、ネットワークノードが復号化できない、UE能力情報の中の情報セグメントを識別し除去するよう構成され得る。
【0039】
図7は、ユーザ機器(UE)、移動局(MS)、モバイル無線装置、モバイル通信装置、タブレット、ハンドセット、又は他の種類の無線装置のような無線装置の例示的説明を提供する。無線装置は、ノード、マクロノード、低電力ノード(low power node:LPN)、又は基地局(BS)、eNB(evolved Node B)、ベースバンドユニット(baseband unit:BBU)、RRH(remote radio head)、RRE(remote radio equipment)、中継局(RS)、無線機器(radio equipment:RE)若しくは他の種類の無線広域ネットワーク(wireless wide area network:WWAN)アクセスポイントのような送信局と通信するよう構成される1又は複数のアンテナを有し得る。無線装置は、3GPP LTE、WiMAX、HSPA(High Speed Packet Access)、Bluetooth及びWiFiを含む少なくとも1つの無線通信規格を用いて通信するよう構成され得る。無線装置は、無線通信規格毎に別個のアンテナを又は複数の無線通信規格のための共有アンテナを用いて通信できる。無線装置は、WLAN(wireless local area network)、WPAN(wireless personal area network)、及び/又はWWAN内で通信できる。
【0040】
図7は、無線装置からの音声入力及び出力のために用いられ得るマイクロフォン及び1又は複数のスピーカの説明も提供する。ディスプレイスクリーンは、LCD(liquid crystal display)スクリーン、又はOLED(organic light emitting diode)ディスプレイのような他の種類のディスプレイスクリーンであっても良い。ディスプレイスクリーンは、タッチスクリーンのように構成され得る。タッチスクリーンは、容量性、抵抗性、又は別の種類のタッチスクリーン技術を用いても良い。アプリケーションプロセッサ及びグラフィックプロセッサは、処理及び表示能力を提供するために内部メモリに結合され得る。不揮発性メモリポートも、ユーザに入力/出力オプションを提供するために用いられ得る。不揮発性メモリポートは、無線装置のメモリ容量を拡張するために用いられても良い。キーボードは、追加ユーザ入力を提供するために、無線装置に統合され又は無線装置に無線接続されても良い。仮想キーボードは、タッチスクリーンを用いて提供されても良い。
【0041】
種々の技術又はその特定の態様若しくは部分は、フロッピーディスク、CD−ROM、ハードドライブ、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、又は任意の他の機械可読記憶媒体のような有形媒体に具現化されるプログラムコード(つまり、命令)の形式をとっても良く、プログラムコードがコンピュータのような機械に読み込まれ実行されると、該機械は、種々の技術を実施するための装置になる。回路は、ハードウェア、プログラムコード、実行可能コード、コンピュータ命令、及び/又はソフトウェアを有し得る。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、信号を含まないコンピュータ可読記憶媒体であり得る。プログラム可能なコンピュータでプログラムコードが実行される場合、コンピューティング装置は、プロセッサ、該プロセッサにより読み取り可能な記憶媒体(揮発性及び不揮発性メモリ、及び/又は記憶素子を含む)、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置を含んでも良い。揮発性及び不揮発性メモリ及び/又は記憶素子は、RAM、EPROM、フラッシュドライブ、光ドライブ、磁気ハードドライブ、固体ドライブ、又は電子データを格納する他の媒体であっても良い。ノード及び無線装置は、通信機モジュール、カウンタモジュール、処理モジュール、及び/又はクロックモジュール若しくはタイマモジュールを有しても良い。ここに記載した種々の技術を実施し又は利用し得る1又は複数のプログラムは、API(application programming interface)、再利用可能制御、等を用いても良い。このようなプログラムは、コンピュータシステムと通信するために、高度な手続き又はオブジェクト指向プログラミング言語で実装されても良い。しかしながら、プログラムは、望ましい場合には、アセンブラ又は機械語で実装されても良い。いずれの場合にも、言語は、コンパイルされた又はインタープリットされた言語であっても良く、ハードウェア実装と結合されても良い。
【0042】
理解されるべきことに、本願明細書に記載の機能ユニットの多くは、それらの実装独立性を特に強調するために、モジュールとしてラベル付けされた。例えば、モジュールは、カスタムVLSI回路又はゲートアレイ、ロジックチップ、トランジスタ若しくは他の個別部品のようなオフザシェルフ(off−the−shelf)半導体を有するハードウェア回路として実装されても良い。モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイス、等のようなプログラマブルハードウェア素子内に実装されても良い。
【0043】
モジュールは、種々の種類のプロセッサにより実行されるソフトウェアで実装されても良い。例えば、実行可能コードの識別されるモジュールは、例えばオブジェクト、プロシジャ又は関数として編成され得るコンピュータ命令の1又は複数の物理又は論理ブロックを有しても良い。しかしながら、識別されるモジュールの実行ファイルは、物理的に一緒に配置される必要はなく、論理的に一緒にされるとモジュールを有しモジュールの提示される目的を達成する異なる場所に格納される別個の命令を有しても良い。
【0044】
実際に、実行可能コードのモジュールは、単一命令又は多くの命令であっても良く、幾つかの異なるコードセグメントに渡り、異なるプログラムの間で、及び幾つかのメモリ装置に渡り分散されても良い。同様に、運用データは、ここにモジュール内で識別され示され、任意の適切な形式で実装され、任意の適切な種類のデータ構造で編成されても良い。運用データは、単一データセットとして集められても良く、異なる記憶装置に渡ることを含む異なる場所に渡り分散されても良く、少なくとも部分的にシステム又はネットワーク上の電子信号として単に存在しても良い。モジュールは、所望の機能を実行するよう動作するエージェントを含み、受動的又は能動的であっても良い。
【0045】
本願明細書を通じて「一例」という言及は、その例と関連して記載された特定の特徴、構造、機能又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本願明細書を通じて種々の場所にある「一例では」という表現は、必ずしも全て同じ実施形態を参照していない。
【0046】
ここで用いられるように、複数の用語、構造的要素、組成要素、及び/又は材料は、便宜のために共通のリストに現れ得る。しかしながら、これらのリストは、該リストの各構成要素が別個の及びユニークな構成要素として個々に識別されるものと考えられるべきである。したがって、このようなリストのいかなる個々の構成要素も、断りのない限り、事実上、共通グループ内での出現に基づき同じリストの任意の他の構成要素の等価物として考えられるべきである。さらに、種々の実施形態及び例は、その種々の成分の代替物とともにここで言及されても良い。理解されるべきことに、このような実施形態、例、及び代替は、事実上互いの等価物として考えられるべきではないが、別個の及び自主的として考えられるべきである。
【0047】
更に、記載の特徴、構造又は特性は、1又は複数の実施形態において、任意の適切な方法で結合されても良い。以下の記載では、幾つかの実施形態の完全な理解を提供するために、レイアウトの例、距離、ネットワーク例、等のような多くの特定の詳細事項が提供される。しかしながら、当業者は、請求される主題が特定の詳細事項のうちの1又は複数がなくても又は他の方法、コンポーネント、レイアウト、等で実施できることを理解するだろう。他の例では、良く知られた構造、材料又は動作は、請求される主題の態様を不明瞭にしないために詳細に示されず又は記載されない。
【0048】
前述の例は1又は複数の特定の用途における請求される主題の原理の説明であるが、当業者には、発明力を行使しないで及び請求される主題の原理及び概念から逸脱することなく、実装の形式、使用方法及び詳細事項において多くの変更を行うことができることが明らかである。したがって、以下に記載の請求の範囲を除いて、請求される主題は限定されるものではない。
【0049】
(例1) ユーザ機器(UE)にデータを通信するよう動作する、セルラモバイルネットワークの中のネットワークノードであって、前記セルラモバイルネットワークの中のネットワークノードは、1又は複数のプロセッサを有し、前記1又は複数のプロセッサは、
前記セルラモバイルネットワークの中でサポートされる無線アクセス技術(RAT)に関連するRAT固有無線能力情報を識別し、
前記RAT固有無線能力情報をUEに通信し、
前記UEからUE無線能力情報を受信し、前記UE無線能力情報は前記RAT固有無線能力情報に基づき提供されるべき選択される情報を有する、
よう構成される、ネットワークノード。
(例2) RAT固有無線能力情報は、前記セルラモバイルネットワークの中でサポートされる複数の周波数帯域に関連する情報を有する、例1に記載のネットワークノード。
(例3) 前記RAT固有無線能力情報は、前記セルラモバイルネットワークの中で集約できるアップリンク又はダウンリンクのうちの少なくとも1つの最大キャリア数に関連する情報を有する、例1に記載のネットワークノード。
(例4) 前記RAT固有無線能力情報は、前記セルラモバイルネットワークの中でサポートされる複数のモードに関連する情報を有する、例1に記載のネットワークノード。
(例5) 前記セルラモバイルネットワークの中でサポートされる前記複数のモードは、時分割多重(TDD)モード又は周波数分割多重(FDD)モードのうちの1又は複数を有する、例4に記載のネットワークノード。
(例6) 前記RAT固有無線能力情報は、UEが無線能力情報を提供すべき、3GPPの最大リリースバージョンに関連する情報を有する、例1に記載のネットワークノード。
(例7) 前記1又は複数のプロセッサは、前記UEへの専用シグナリングメッセージ又はシステム情報ブロードキャストのうちの1又は複数の中で、前記RAT固有無線能力情報を通信するよう更に構成される、例1に記載のネットワークノード。
(例8) 前記1又は複数のプロセッサは、
前記セルラモバイルネットワークの中のeNB(evolved node B)において前記UEから、無線リソース制御(RRC)接続を確立する要求を受信し、
前記セルラモバイルネットワークの中の前記eNBにおいてモビリティ管理エンティティ(MME)から、前記UEのためのユーザプレーンベアラを設定する要求を受信し、
前記MMEから受信した前記要求がUE無線能力情報を含まない場合、前記RAT固有無線能力情報をUE能力問い合わせメッセージの中で前記UEに通信する、
よう更に構成される、例1に記載のネットワークノード。
(例9) 前記RAT固有無線能力情報は、E−UTRAN(evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)に関連する情報を有する、例1に記載のネットワークノード。
(例10) セルラモバイルネットワークにデータを通信するよう動作するユーザ機器(UE)であって、前記UEは、1又は複数のプロセッサを有し、前記1又は複数のプロセッサは、
前記セルラモバイルネットワークの中でサポートされるRATに関連するRAT固有無線能力情報を受信し、
前記RAT固有無線能力情報に従い、UEにある関連するUE能力情報を識別し、
前記関連するUE能力情報を前記UEから前記セルラモバイルネットワークへ送信する、
よう構成される、UE。
(例11) 前記RAT固有無線能力情報は、前記セルラモバイルネットワークの中でサポートされる複数の周波数帯域に関連する情報を有する、例10に記載のUE。
(例12) 前記UE能力情報は、前記RAT固有無線能力情報に含まれる前記複数の周波数帯域に基づき、関連すると識別される、例11に記載のUE。
(例13) キャリアアグリゲーション帯域組合せに関連する前記UE能力情報は、前記RAT固有無線能力情報に含まれる前記複数の周波数帯域に従い、関連すると識別される、例11に記載のUE。
(例14) 前記RAT固有無線能力情報は、前記セルラモバイルネットワークにより集約できるアップリンク又はダウンリンクのうちの少なくとも1つの最大キャリア数に関連する情報を有する、例10に記載のUE。
(例15) 前記RAT固有無線能力情報は、前記セルラモバイルネットワークの中でサポートされる複数のモードに関連する情報を有する、例10に記載のUE。
(例16) 前記セルラモバイルネットワークの中でサポートされる前記複数のモードは、時分割多重(TDD)モード又は周波数分割多重(FDD)モードのうちの1又は複数を有する、例15に記載のUE。
(例17) 前記RAT固有無線能力情報は、UEが無線能力情報を提供すべき、3GPPの最大リリースバージョンに関連する情報を有し、前記無線能力情報は前記UE能力情報に含まれている、例10に記載のUE。
(例18) 前記1又は複数のプロセッサは、UE能力問い合わせメッセージ又はシステム情報ブロードキャストのうちの少なくとも1つの中で、前記RAT固有無線能力情報を受信するよう更に構成される、例10に記載のUE。
(例19) セルラモバイルネットワークにデータを通信するよう動作するユーザ機器(UE)であって、前記UEは回路を有し、前記回路は、
サポートされる周波数帯域又はサポートされる周波数帯域の組合せのうちの少なくとも1つのリスト(LOSB)を格納し、
前記セルラモバイルネットワークに無線能力情報を提供する要求を受信し、
前記UEによりサポートされる第1の周波数帯域を前記LOSBに追加し、
前記セルラモバイルネットワークへ前記無線能力情報を送信し、前記無線能力情報は前記LOSBに基づき、
前記第1の周波数帯域が、指定時間期間の間に、前記セルラモバイルネットワークの中のeNBにより割り当てられるか否かを監視し、
前記第1の周波数帯域が、前記指定時間期間の間に、割り当てられない場合、前記LOSBから前記第1の周波数帯域を除去する、
よう構成される、UE。
(例20) 前記回路は、LOSBのセットを格納するよう更に構成され、前記LOSBのセットの中の少なくとも1つのLOSBは、オペレータ、国、地理的領域、又は大陸のうちの1又は複数に対応し、前記無線能力情報を送信するために前記UEにより使用されるLOSBは、無線アクセス技術、1日の中の時間、現在使用中の周波数帯域、又はUEのバッテリの電力状態、のうちの少なくとも1つに依存する、例19に記載のUE。
(例21) 前記LOSBは、任意の周波数帯域が前記LOSBに追加され又はそれから削除される前に、周波数帯域及び周波数帯域の組合せのオペレータと独立したセットを最初に有する、例19に記載のUE。
(例22) ユーザ機器(UE)にデータを通信するよう動作するセルラモバイルネットワークの中のネットワークノードであって、前記ネットワークノードは回路を有し、前記回路は、
前記UEに関連するUE能力情報を得て、
前記ネットワークノードが復号化でき、前記ネットワークノードが位置する前記セルラモバイルネットワークによりサポートされない能力に関連する、UE能力情報の中の情報セグメントを識別し、
前記UE能力情報から、前記ネットワークノードが復号化でき、前記セルラモバイルネットワークによりサポートされない無線能力に関連する、情報セグメントを除去し、
前記セルラモバイルネットワークの中に位置するモビリティ管理エンティティ(MME)に、前記UE能力情報を格納する、
よう構成される、ネットワークノード。
(例23) 前記ネットワークノードは、eNB又はMMEである、例22に記載のネットワークノード。
(例24) 前記ネットワークノードが復号化できない、前記UE能力情報の中の情報セグメントを識別し、
前記UE能力情報を前記セルラモバイルネットワークの中に位置するモビリティ管理エンティティ(MME)に格納する前に、前記UE能力情報から、前記ネットワークノードが復号化できない情報セグメントを除去する、
よう更に構成される回路を有する、例22に記載のネットワークノード。
【符号の説明】
【0050】
100 UE能力転送手順
102 UE
104 E−UTRAN
106 UE能力問い合わせ
108 UE能力情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7