(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記比較部は、前記保育対象者の所属するクラス、前記保育対象者の年齢及び月齢、又は、前記保育対象者の保育施設への入所期間の少なくともいずれか一つに基づいて前記保育対象者を区分けして、前記他の保育対象者の同時間帯のバイタルデータを比較すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の保育管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<一実施形態>
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0017】
(システム構成)
図1は、本発明の一実施形態における保育管理システムのシステム構成例を示すシステム図である。
【0018】
図1に示すように、保育管理システム100は、サーバ装置200、端末装置300、センサ装置400、ネットワーク500(IPネットワーク等)を含む。保育管理システム100は、複数の保育対象者の健康状態をセンシングする複数のセンサ装置400と、端末装置300と、センサ装置400及び端末装置300とネットワーク500で接続されたサーバ装置200とを、備える。
【0019】
サーバ装置200は、ネットワーク500を介して、端末装置300及びセンサ装置400と接続される。なお、
図1において、説明を簡単にするために、サーバ装置200は3台、端末装置300は4台、センサ装置400は1台ずつ示してあるが、これ以下でもこれ以上存在してもよいことは言うまでもない。特に、センサ装置400は、保育園等の施設で複数の乳幼児の保育管理を行うため、複数あることが好ましい。
【0020】
サーバ装置200は、データの取得、生成、更新等の演算処理及び加工処理のための処理能力のあるコンピュータ機器であればどの様な電子機器でもよく、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、メインフレーム、その他電子機器であってもよい。
【0021】
サーバ装置200は、具体的には、プロセッサによって装置全体が制御されている処理装置であってもよい。当該プロセッサには、バスを介して、RAM、ROM及びハードディスクドライブ等の記憶装置(サーバ記憶部230)、入出力インタフェース、通信インタフェース(NIC)等が接続されて構成されている。当該記憶装置は、制御部210における各種処理に必要となる各種処理データやプログラムを記憶する機能を有している。当該入出力インタフェースには、ディスプレイ、キーボード、マウス、外付け記憶媒体等の入出力装置が接続されている。当該通信インタフェースには、ネットワーク500が接続されている。
【0022】
また、サーバ装置200は、保育管理システム100専用のソフトウェアやハードウェア、OS等(例えば、オンプレミス型のサーバ構成)を設けずに、クラウドサーバによるSaaS(Software as a Service)、Paas(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)を適宜用いてもよい。
【0023】
端末装置300は、保育管理システム100を利用する保護者又は保育士等のユーザ(以降、「保護者等のユーザ」という)が保有する携帯端末等の電子機器であればよく、例えば、携帯端末、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ等、その他端末機器であってもよい。以降、端末装置300aを保護者が保有する端末装置300として、端末装置300bを保育者が保有する端末装置300として説明する。また、特に端末装置300a、300bの区別の必要がない場合には、これらを総称して端末装置300と説明する。
【0024】
端末装置300は、保育対象者の保護者ユーザ及び保育者ユーザを含む複数のユーザに関連付けられて複数存在してもよい。
【0025】
センサ装置400は、保育対象者の健康状態をセンシングするセンサ装置である。センサ装置400は、具体的には、保育対象者のバイタルデータを計測し、当該計測したバイタルデータをサーバ装置200や端末装置300に送信できる機器であれば、どの様な機器でもよく、保育対象者の体温を測る接触式/非接触式温度センサ(例えば、サーモパイルを利用した耳式温度計等)、保育対象者の特に午睡時の身体の向きを検知する加速度センサやジャイロセンサ、保育対象者の所定期間の心拍数を計測する心拍計、保育対象者の所定期間の呼吸数を計測する計測器等であればよい。
【0026】
ここで「バイタルデータ」とは、保育対象者の生命兆候を含む身体の状態を示すデータをいう。バイタルデータは、例えば、保育対象者の体温を示す温度データ、心拍数、呼吸数、脈拍数、午睡時の姿勢データ、顔色データ等をいう。
【0027】
ここで「姿勢データ」とは、センサ装置400が計測した保育対象者の身体の向きを示すデータであり、例えば、センサ装置400が加速度センサやジャイロセンサを用いて身体の向きを計測する場合においては、計測開始時の初期値からの傾き度合い(角度)を示すデータ等という。
【0028】
ここで「温度データ」とは、センサ装置400が計測した保育対象の体の温度を示すデータであり、例えば、センサ装置400として体温計やサーモグラフィを用いて温度を検知する場合においては、保育対象の身体の外側のセンサ装置400が接触する部分や体内から放射される遠赤外線から測定した温度をいう。
【0029】
ネットワーク500は、例えば、IPネットワークである。ネットワーク500は、IPネットワークであれば、無線であっても有線であっても無線と有線の組み合わせであってもよく、例えば、無線による通信であれば、端末装置300やセンサ装置400は、無線LANアクセスポイント(不図示)にアクセスし、LANやWANを介してサーバ装置200と通信してもよい。また、ネットワーク500は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網やブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、光回線、ADSL回線、衛星通信網などであってもよい。
【0030】
ここで、
図3を用いて、本発明の一実施形態に係る保育管理システム100の概要について説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る保育管理システム100の概要を示す模式図である。保育管理システム100は、
図3に示すように、一例として、保護者ユーザと保育者ユーザ間の連絡ツールとして活用できる。保育管理システム100は、具体的には、保護者ユーザと保育者ユーザ間の連絡手段としてのデジタル連絡帳の機能を備えてもよい。また、保育管理システム100は、別の一例として、保育者ユーザ間の連絡ツールとしても活用でき、例えば、早番と遅番の担当間の連絡手段としての連携ツール機能を備えてもよい。
【0031】
図3に示すように、保育管理システム100は、一例として、乳幼児、小児等の保育対象者のバイタルサインをセンシングするセンサ装置400が、複数の乳幼児の体温、呼吸数又は睡眠時の身体の向き等のバイタルサインデータを第一の所定の期間ごとに計測し、(1)当該計測したバイタルデータをサーバ装置200に送信し、サーバ装置200は、センサ装置400が計測したバイタルデータを収集する。(2)サーバ装置200は、収集したバイタルデータを第二の所定の期間蓄積する。
【0032】
ここで「第一の所定の期間」とは、センサ装置400が保育対象者のバイタルデータを計測する間隔を示す。第一の所定の期間は、バイタルデータの種類や保育対象者の活動状態に応じて適宜設定すればよく、例えば、体温であれば2〜3時間ごと、保育対象者の顔色を表す画像であれば5時間ごととしてもよいし、保育対象者の午睡時であればSIDS(Sudden Infant Death Syndrome(乳幼児突然死症候群))や窒息の危険性が高いため5分ごと、保育対象者が活動中は1時間ごととして、食事中は計測を一旦停止してもよい。
【0033】
また、ここで「第二の所定の期間」とは、サーバ装置200のサーバ記憶部230が収集したバイタルデータを蓄積する期間をいう。第二の所定の期間は、保育対象者の保育施設の在籍期間、バイタルデータを用いた健康状態の評価・分析処理、機械学習を用いたフィードバック処理、又は、サーバ記憶部230のストレージ容量等の動作環境に応じて、半年、1年、5年、10年等適宜設定すればよい。
【0034】
図3に示すように、(3)サーバ装置200は、センサ装置400から受信したバイタルデータと、サーバ記憶部230に蓄積された同一保育対象者の過去のバイタルデータ、又は、他の保育対象者の同時間帯のバイタルデータの少なくともいずれか一つとを比較する。(4)サーバ装置200は、当該受信したバイタルデータ及び当該比較した結果に基づき、保育対象者の健康状態を評価する。
【0035】
図3に示すように、(5)サーバ装置200は、保護者(家族)が保有する端末装置300aに当該評価した健康状態を示す健康情報を含む出力情報を送信し、端末装置300aの表示画面や音声スピーカーを用いて、当該健康情報を出力する。サーバ装置200は、同様に、保育者(保育園)が保有する端末装置300bに当該評価した健康状態を示す健康情報を含む出力情報を送信し、端末装置300bで当該健康情報を出力する。
【0036】
ここで「健康情報」とは、保育対象者の健康状態を示す情報である。健康情報は、具体的には、保育対象者ごとのセンサ装置400の計測時点や家庭での計測時点を含めた所定の時点の体温、顔色を示す顔画像、心拍数、呼吸数、脈拍数、姿勢等の計測値といった定量的な情報や、家庭や保育施設等において保護者や保育者がとらえた食欲の有無(食事をどの程度食べたか含め)、保育対象者の期限の良し悪しといった定性的な情報等を含んで構成される。また、健康情報は、センサ装置400が計測したバイタルデータに基づき、評価された保育対象者の健康状態を含む。さらに、健康情報は、保育対象者の睡眠時間、排便の様子(排便タイミングと回数)、咳や鼻汁がでているか、発疹が出ているか、投薬の情報等の情報を含んでもよい。
【0037】
図3に示すように、(6)保護者等のユーザが出力された健康状態に対して確認した旨の入力を行うと、端末装置300は当該入力を受け付けて、当該入力内容を示す入力情報をサーバ装置200に送信する。なお、この際、一旦サーバ装置200に送信せずに、直接、端末装置300aと端末装置300bが互いに当該入力情報を送信し合ってもよい。(7)サーバ装置200は、端末装置300から送信された入力情報に基づいて、保護者ユーザの端末装置300aには、保育者ユーザの確認状況を示す出力情報を、保育者ユーザの端末装置300bには、保護者ユーザの確認状況を示す出力情報を送信し、端末装置300でそれぞれのユーザの確認状況を出力する。なお、保育者ユーザ間で保育管理システム100を用いる場合であれば、担当者間で互いの確認状況を出力するようにすればよい。
【0038】
保育管理システム100は、上記のような構成によれば、保育対象者のバイタルデータを収集して評価した健康状態を保護者や保育者に知らせることができ、また、単に知らせるだけでなく、当該健康状態をそれぞれが確認したかの双方でのチェックをすることもできるため、より確実に保育管理を行うことができる。
【0039】
(機能構成)
図2は、本発明の一実施形態における保育管理システム100の機能構成例を示す図である。
図2に示すように、保育管理システム100は、サーバ装置200と、端末装置300と、センサ装置400とを含む。
【0040】
保育管理システム100は、具体的には、複数の保育対象者の健康状態をセンシングする複数のセンサ装置400と、端末装置300と、センサ装置400及び端末装置300とネットワーク500で接続されたサーバ装置200とを、備え、センサ装置400は、第一の所定の期間ごとに保育対象者のバイタルデータを計測する複数の計測部410と、計測部410に計測されたバイタルデータを、サーバ装置200に送信するセンサ通信部420と、を備え、サーバ装置200は、第二の所定の期間における保育対象者のバイタルデータを蓄積するサーバ記憶部230と、センサ通信部420からバイタルデータを受信するサーバ通信部220と、サーバ通信部220が受信したバイタルデータと、当該蓄積された同一保育対象者の過去のバイタルデータ、又は、他の保育対象者の同時間帯のバイタルデータの少なくともいずれか一つとを比較する比較部211と、当該受信したバイタルデータ及び比較部211が比較した結果に基づき、保育対象者の健康状態を評価する評価部212と、を備え、端末装置300は、当該評価された保育対象者の健康状態を出力する出力部340を備える。
【0041】
(サーバ装置200)
サーバ装置200は、
図2に示すように、制御部210、サーバ通信部220、サーバ記憶部230を含んで構成される。
【0042】
制御部210は、比較部211、評価部212、情報生成部213を備え、サーバ装置200の各機能部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部210は、一例として、端末装置300、センサ装置400又はサーバ装置200の各機能部からの処理要求に基づいて、サーバ記憶部230に記憶されている保育対象者の健康情報等の各種情報を参照、更新又は削除処理をする。
【0043】
制御部210は、センサ装置400が計測して出力するバイタルデータを収集する機能を有してもよい。制御部210は、例えば、センサ装置400の計測部410が検知した保育対象者ごとの身体の向きを示す姿勢データを収集し、保育対象者の姿勢を示す姿勢情報を生成してもよい。また。制御部210は、例えば、対象者ごとの体温を示す温度データを収集し、保育対象者の体温を示す体温情報を生成してもよい。
【0044】
制御部210の当該収集の方法においては、センサ装置400から受信したバイタルデータを、所定の期間、一旦サーバ記憶部230に記憶して、端末装置300からの出力要求に応じて収集してもよいし、センサ装置400から受信したタイミングで疑似リアルタイムにバイタルデータを収集してもよい。制御部210は、収集した各種データ及び生成した各種情報(姿勢情報、体温情報等)をサーバ記憶部230に記憶してもよい。
【0045】
ここで「姿勢情報」とは、姿勢データから保育対象者の身体の向き(仰向け、うつ伏せ等)を求めて、当該身体の向きを示す情報である。また、ここで「体温情報」とは、温度データから保育対象者のある時点の体温や平熱を示す情報である。
【0046】
制御部210は、サーバ記憶部230に記憶された各種情報に基づいて、端末装置300で出力するための出力情報(表示情報、音声情報)を生成する。制御部210は、具体的には、例えば、保育対象者ごとの健康情報、個人情報等に基づいて、
図4に示すような表示部341に表示するための表示情報を生成してもよい。制御部210は、生成した出力情報を端末装置300の出力部340に、サーバ通信部220及びネットワーク500を介して伝達する。
【0047】
なお、各機能部間、各装置間の各種情報及び各種データの伝達については、情報やデータそのものを送受信してもよいし、サーバ記憶部230等の記憶媒体に記憶された情報やデータの所在や識別子のみ送受信してもよい。
【0048】
比較部211は、各種データを比較する機能を有する。比較部211は、具体的には、サーバ通信部220が受信したバイタルデータと、サーバ記憶部230に蓄積された同一保育対象者の過去のバイタルデータ、又は、他の保育対象者の同時間帯のバイタルデータの少なくともいずれか一つとを比較する。比較部211は、当該比較した結果を示す情報を評価部212に伝達する。
【0049】
比較部211は、具体的には、当該受信したバイタルデータと当該蓄積された同一保育対象者の過去のバイタルデータの比較においては、(1)計測した時点より1日前、1週間前、1ヶ月前、3ヶ月前、半年前、1年前の所定の時点における同一保育対象者の体温、心拍数、呼吸数、食事量、排便回数、睡眠時間等の数値と比較して、どの程度高いか低いか、多いか少ないか比較する。比較部211は、例えば、体温であれば何℃高いか低いか、排便回数であれば何回多いか少ないか比較すればよい。比較部211は、センサ装置400で撮影された保育対象者の顔色を撮影した画像データにおいても過去の顔色を撮影した画像データと比較して、顔色がどの程度異なるか比較してもよい。このような構成によれば、保育対象者の身体の様子や体調は個人それぞれであるため絶対的な評価が難しいところ、保育対象者のこれまでの健康状態に関するバイタルサインとの相対的な比較をすることができ、当該比較結果を健康状態の評価のベースとすることができるため、より保育対象者にカスタマイズされた保育を行うことができる。
【0050】
比較部211は、具体的には、当該受信したバイタルデータと当該蓄積された他の保育対象者の同時間帯のバイタルデータの比較においては、(1)計測した時点より所定の時間内における他の保育対象者の体温、心拍数、呼吸数、食事量、排便回数、睡眠時間等の数値と比較して、どの程度高いか低いか、多いか少ないか比較する。比較部211は、例えば、体温であれば何℃高いか低いか、排便回数であれば何回多いか少ないか比較する。比較部211は、センサ装置400で撮影された保育対象者の顔色を撮影した画像データにおいても他の保育対象者の顔色を撮影した画像データと比較して、顔色がどの程度異なるか比較してもよい。このような構成によれば、保育対象者の特性は個人それぞれであるため絶対的な評価が難しいところ、保育対象者の他の保育対象者の様子と健康状態に関するバイタルサインの相対的な比較をすることができ、比較基準を明確にした上で健康状態の評価のベースとすることができるため、保護者等のユーザにとってより把握しやすい健康状態の評価を行うことができる。
【0051】
また、比較部211は、一例として、保育対象者の所属するクラス、保育対象者の年齢及び月齢、又は、保育対象者の保育施設への入所期間の少なくともいずれか一つに基づいて保育対象者を区分けして、他の保育者の同時間帯のバイタルデータを比較してもよい。このような構成によれば、クラスが同じ他の保育対象者や年齢及び月齢の近い他の保育対象者、保育施設への入所期間が近い他の保育対象者と比較することができ、より確実に健康状態の評価を行うことができる。
【0052】
評価部212は、保育対象者の各種状態の評価をする機能を有する。評価部212は、具体的には、センサ装置400から受信したバイタルデータ及び比較部211が比較した結果に基づき、保育対象者の健康状態を評価する。評価部212は、当該評価した健康状態を含む保育対象者の健康情報を用いて出力情報を生成し、当該出力情報をサーバ通信部220及びネットワーク500を介して端末装置300に伝達する。
【0053】
評価部212は、一例として、計測した時点より所定の時点における同一保育対象者の体温、心拍数、呼吸数、食事量、排便回数、睡眠時間等の数値と比較して、どの程度高いか低いか、多いか少ないか比較した結果の差分に基づいて、当該差分が所定の基準をどの程度超えているかで健康状態を評価してもよい。評価部212は、例えば、体温であれば、±5℃を所定の基準として、それ以上の差分があるようであれば、「体調不良」と健康状態を評価してもよい。また、評価部212は、例えば、呼吸数であれば、±10(回/分)を第一の所定の基準として、それ以上の差分があるようであれば「体調不良」とし、±15(回/分)を第二の所定の基準として、それ以上の差分があるようであれば「体調悪化」と健康状態を評価するように、所定の基準を段階別に設定して健康状態を評価してもよい。
【0054】
また、評価部212は、一例として、比較部211が比較した結果に基づいて、定量的基準によって保育対象者の健康状態を多段階にレベル分けしてもよい。評価部212は、例えば、「良好」「普通」「悪い」といった3段階にレベル分けしてもよいし、「体調不良(便秘、ぐずり等の程度)」「体調悪化(風邪、感染症等」「SIDSの予兆」といったように体調不良の症状の重篤度の高低に分けてレベル分けをしてもよい(この場合、体調の良好や普通は特にレベル付けはされなくてもよい)。また、評価部212は、1.様子見、2.要注意、3.要対処といったように保育対象者への保育者のフォローの度合いによってレベル分けしてもよい。このような構成によれば、健康管理に詳しくない保護者等のユーザにおいても、保育対象者の健康状態のレベルが判るため、評価された健康状態を分かり易く提示することができる。
【0055】
評価部212は、サーバ記憶部230に記憶されたバイタルデータに基づいて、ある期間の平均値等を算出する機能を有する。評価部212は、具体的には、例えば、サーバ記憶部230に記憶された姿勢データに基づいて、保育対象者ごとの所定の期間における寝返りの平均回数を算出してもよい。評価部212は、当該算出した平均回数をサーバ記憶部230に記憶してもよい。また、評価部212は、保育対象者ごとに、サーバ記憶部230に記憶された温度データに基づいて、所定の期間における平均体温(平熱)を算出してもよい。
【0056】
評価部212は、保育対象者ごとに、当該算出した平均体温と、受信したバイタルデータ(温度データ)が示す体温とを比較して、健康状態が良好か普通か悪いかの評価をしてもよい。
【0057】
評価部212は、一例として、受信したバイタルデータ及び蓄積されたバイタルデータに基づいて、保育対象者の(1)所定の期間における体温や心拍数の上昇率が、所定の上昇率と比較して異常に高いかどうか、(2)起床と入眠の回数が所定の回数より多いか否か、(3)撮影された保育対象者の顔画像の画像解析を行い、顔色の異常を示す特徴量を抽出し、当該抽出された特徴量から顔色が良いか悪いかを判定して、保育対象者の健康状態が通常どおりか異常があるか評価してもよい。
【0058】
評価部212は、センサ装置400が計測した保育対象者の身体の向きの変化から対象者が睡眠状態であるか覚醒状態であるか判定して、当該判定結果に基づいて、保育対象者の睡眠時間を推測してもよい。また、評価部212は、当該判定結果に基づいて、覚醒状態から睡眠状態へ移行した際やその逆の睡眠状態から覚醒状態へ移行した際において、センサ装置400の計測処理を予め設定した条件で開始又は終了するよう、サーバ通信部220及びネットワーク500を介して計測処理の開始要求又は終了要求をしてもよい。
【0059】
評価部212は、具体的には、一例として、保育対象者が覚醒状態においては、センサ装置400の姿勢検知や温度検知は停止又は一部停止状態(第一の所定期間を間引いた間隔での、姿勢検知の状態や温度検知の検知停止又はスリープ状態など)と設定する。そして、評価部212は、保育対象者が寝始めたとして睡眠状態への移行を判定した場合に初めて、第一の所定の期間ごとの身体の向きの計測を本価格的に開始してもよい。すなわち、評価部212は、上記のような場合にセンサ装置400に計測処理開始要求を伝達し、センサ装置400は当該開始要求が伝達されて初めて、本格的な保育管理を開始するよう計測を開始してもよい。このような構成により、覚醒状態の不要な計測を省くことができ、センサ装置400及びサーバ装置200の処理性能、通信容量及び記憶容量の観点から、効率よく対象者の身体の向きを検知することができる。
【0060】
情報生成部213は、各種情報を生成する機能を有する。情報生成部213は、具体的には、ネットワーク500を介して接続された端末装置300に評価部212が評価した保育対象者の健康状態を出力するための出力情報を生成する。情報生成部213は、当該生成した出力情報を、サーバ通信部220及びネットワーク500を介して端末装置300に伝達する。
【0061】
ここで「出力情報」とは、端末装置300の出力部340で出力される表示情報及び音声情報をいう。なお、これらの情報に限らず、保護者等のユーザに園児等の保育対象者の健康状態が出力できればどの様な情報でもよく、例えば、端末装置300のバイブレーション機能を利用するような振動情報を含めて、端末装置300の振動によって出力してもよい。
【0062】
サーバ通信部220は、制御部210の制御によって、ネットワーク500を介して端末装置300、センサ装置400又は他のサーバ装置200との通信を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。サーバ通信部220は、具体的には、端末装置300へ出力情報を送信したり、センサ装置400からバイタルデータを受信したりしてもよい。
【0063】
サーバ記憶部230は、制御部210の制御によって、サーバ装置200が演算及び加工処理する際に必要な各種プログラム、データ、パラメータ等を記憶する機能を有する。サーバ記憶部230は、具体的には、例えば、バイタルデータ(姿勢データ、温度データ、心拍数データ、顔画像データ)、健康情報、個人情報等を記憶する。サーバ記憶部230は、具体的には、例えば、ROM及びRAMで構成される主記憶装置、不揮発性メモリ等で構成される補助記憶装置、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等各種の記録媒体によって構成される。
【0064】
ここで「個人情報」とは、保育象者の個人を特定する情報又は付随する情報をいい、具体的には、名前、年齢及び月齢、保育園等の施設における入所期間、住所、家族構成、対象者が園児の場合は両親の名前から構成される情報をいう。また、個人情報は、保育対象者ごとの平熱(所定の期間の平均体温)、寝返りの平均回数(所定の期間の寝返りの平均回数)を含んで構成してもよい。
【0065】
サーバ記憶部230は、具体的には、第二の所定の期間における保育対象者のバイタルデータを蓄積する。
【0066】
(端末装置300)
端末装置300は、
図2に示すように、制御部310、端末通信部320、端末記憶部330、出力部340、入力部350、撮影部360を含んで構成される。
【0067】
制御部310は、端末装置300の各機能部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部310は、一例として、監視部311を備えてもよい。制御部310は、具体的には、例えば、サーバ装置200から送信された出力情報を端末記憶部330に記憶させたり、出力情報を出力部340に出力させたりする。入力部350が受け付けた入力に基づいて入力情報を生成し、端末通信部320及びネットワーク500を介して、サーバ装置200又は別の端末装置300に伝達する。なお、制御部310は、サーバ装置200の制御部210と同様に、比較部211、評価部212、情報生成部213を備えてもよい。
【0068】
監視部311は、端末装置300の各機能部をモニタリングする機能を有する。監視部311は、具体的には、必須入力情報に基づいて、必須の入力項目に対して第三の所定の期間内に入力があったか否かの入力状況をモニタリングする機能を有する。
【0069】
ここで「必須入力情報」とは、保護者等のユーザが保育管理のために端末装置300を介して保育管理システム100に対して必須で入力すべき項目を示す情報をいう。必須入力情報は、例えば、保育者の保育活動に対する承認項目(例えば、当日保育対象者の体調を考慮してプールで遊ばせてよいか否かの承認項目等)を必須入力項目として示してもよい。
【0070】
ここで「第三の所定の期間」とは、必須入力項目をモニタリングする周期をいう。第三の所定の期間は、例えば、保護者ユーザが降園日時から次に登園する日時より数分〜数十分前の日時を設定することで、登園時刻の5分前でも必須入力項目が入力されていないかをチェックして、当該ユーザに必須入力項目が入力されていない旨のアラート通知を実現できる。また、第三の所定の期間は、保育者ユーザに対しては、登園日時から降園日時より数分〜数十分前を設定してもよいし、保育者の遅番早番の引継ぎに際しては、保育者の勤務スケジュールに合わせて設定してもよい。
【0071】
端末通信部320は、制御部310の制御によって、ネットワーク500を介してサーバ装置200、センサ装置400又は他の端末装置300との通信を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信部320は、具体的には、例えば、サーバ装置200から出力情報等を受信したり、センサ装置400からバイタルデータを直接受信したり、入力情報をサーバ装置200に送信したりしてもよい。
【0072】
端末記憶部330は、制御部310の制御によって、端末装置300が動作する際に必要な各種プログラム、データ、パラメータ等を記憶する機能を有する。端末記憶部330は、具体的には、例えば、バイタルデータ、健康情報、個人情報等を記憶する。端末記憶部330は、具体的には、例えば、ROM及びRAMで構成される主記憶装置、不揮発性メモリ等で構成される補助記憶装置、HDD、SSD、フラッシュメモリ等各種の記録媒体によって構成される。
【0073】
端末記憶部330は、一例として、入力部350が受け付ける入力項目のうち、必須の入力項目か否かを識別する必須入力情報を記憶してもよい。
【0074】
出力部340は、表示部341、音声出力部342を備え、制御部310の制御によって、端末装置300に各種情報を出力する機能を有する。出力部340は、例えば、端末記憶部330に記憶された出力情報(保育対象者の健康情報を含む)に基づいて、保育対象者のサーバ装置200の評価部212で評価された健康状態を出力する。
【0075】
また、出力部340は、一例として、保護者ユーザには保育者の確認入力の状況を、保育者ユーザには保護者ユーザ又は他の保育者ユーザの少なくともいずれか一人の確認入力の状況を出力してもよい。出力部340は、具体的には、端末装置300bにおいては、制御部310の制御によって、端末装置300aの入力部350が受け付けた入力情報を伝達され、当該入力情報に基づいて、端末装置300aが受け付けた確認入力の状況を出力してもよい。また、その逆に、出力部340は、端末装置300aにおいては、制御部310の制御によって、端末装置300bの入力部350が受け付けた入力情報を伝達され、当該入力情報に基づいて、端末装置300bが受け付けた確認入力の状況を出力してもよい。このような構成によれば、保育者と保護者双方が、互いに保育対象者の健康状態の確認状況をチェックすることができ、確認漏れを抑止することができるため、より確実に保育対象者の保育管理を行うことができる。
【0076】
また、出力部340は、一例として、監視部311がモニタリングした入力状況に基づいて、ユーザに対する注意を示すアラート情報を出力してもよい。ここで「アラート情報」とは、保護者等のユーザに対して、各種注意を示す情報である。アラート情報は、具体的には、「登園時刻5分前ですが、必須入力項目が入力されていません。」といったメッセージをユーザに示す情報をいう。このような構成によれば、当該ユーザの入力漏れを防止することができるため、より確実に保育対象者の保育管理を行うことができる。
【0077】
また、出力部340は、一例として、サーバ装置200の評価部212が行ったレベル分けに基づいて、出力内容を変更してもよい。出力部340は、例えば、体調不良の保育対象者の健康状態の表示は強調表示に変更する等の出力内容を変更してもよい。
【0078】
表示部341は、制御部310の制御によって、健康情報等の出力情報を出力する機能を有する。具体的には、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等を用いればよい。表示部341は、制御部310の制御によって、サーバ装置200からネットワーク500を介して送信された出力情報等を表示する機能を有する。
【0079】
表示部341の表示画面(撮影部360のカメラ等のファインダー画面に表示されるものも含む)は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)などのマークアップ言語や、ビットマップデータあるいは圧縮処理された画像データなど、端末装置300で画面表示可能な一般的なデータ形式で生成されればよい。
【0080】
表示部341は、一例として、制御部310の制御によって、評価部212が行ったレベル分けに基づいて、特に体調不良、体調悪化等のレベルに分けられた保育対象者の健康状態の表示において、強調表示(例えば、「体温が異常に高いです」といったテキスト表示を追加する、文字や背景色の色を変える、文字のフォントや太文字に変える等)や点滅表示する等といったように表示を変更してもよい。このような構成とすることで、保育管理する保育士等のユーザに対して、死亡事故に繋がるような予兆を通知させることができ、事前の予防措置をすることができる。
【0081】
表示部341は、別の一例として、制御部310の制御によって、所属するクラスごとにグルーピングされた保育対象者において、健康状態のレベルが体調不良以下のレベルであると評価された人数が所定人数より多い場合に、当該グルーピングされた保育対象者における生活環境の変更を促すアラート表示を一斉表示してもよい。
【0082】
表示部341は、例えば、所定人数より体温が通常どおりでないと判定された人数が多い場合、「体温が異常に高い園児が多いようです。暖房の設定を下げるか窓を開けるか等、睡眠環境の設定を変えてください。」といったようなテキスト表示を記すアラート表示をポップアップで表示させてもよい。このような構成とすることで、同じ生活環境で過ごしている園児のうち多数が、いつものと違う様子であることを通知することができ、保育者等のユーザに、生活環境自体が適切でない可能性が高いことを気づかせることができる。保育者等のユーザは当該アラート表示を確認して、対象の園児達の生活環境全体を整えてあげることができ(例えば、暖房冷房の設定を変更する、窓をあける等)、効率よく、生活環境を整える支援ができる。
【0083】
ここで、保育管理システム100の表示部341における表示態様及び操作入力部351に対する入力の受付態様の一例について、
図4を用いて説明する。
図4は、保育管理システム100に係る端末装置300の表示部341に表示される画面例を示す図である。
【0084】
図4(a)に示すように、表示部341は、保育対象者(本例では、「園児A」)ごとにサーバ装置200がセンサ装置400から収集した(受信した)バイタルデータに基づいて、生成した検温情報、排便情報、睡眠時間情報、ミルクを与えた時間・量、食事時間、写真画像等の保育対象者の健康情報を保育園からの連絡事項として表示してもよい。また、表示部341は、併せて、家庭からの連絡事項として、これらの健康情報を入力部350から入力してもらい併せて表示させてもよい(本例では、各種情報ごとに「ご家庭(保護者ユーザ)」「保育園(保育者ユーザ)」と欄を設けてそれぞれの連絡事項として出力した例を示す)。また、表示部341は、各出力した健康情報に対して、保護者等のユーザそれぞれが確認した状況を、列を向けて表示してもよい。
【0085】
図4(b)に示すように、保育対象者ごとに、バイタルデータに基づいて生成した1.体温、2.呼吸数、3.心拍数、4.午睡状態、5.顔色といったように各種健康情報、比較部211によって比較した過去のバイタルデータや他の保育対象者(他の園児)とのバイタルデータの各種比較情報、1.体温においては家庭から入力された連絡事項との比較情報を出力してもよい。また、
図4(b)に示すように、6.健康状態といったように評価部212が評価した健康状態を出力してもよい。
【0086】
音声出力部342は、制御部310の制御によって、出力情報を音声出力する機能を有する。音声出力部342は、具体的には、例えば、健康情報に基づいて、「○○ちゃんの体調がよくないようです、様子を確認してください」と音声出力してもよい。
【0087】
入力部350は、操作入力部351、音声入力部352を備え、制御部310の制御によって、端末装置300に各種情報を入力する機能を有する。入力部350は、例えば、制御部310の制御によって、出力部340に出力された健康状態の確認の入力を受け付けてもよい。
【0088】
操作入力部351は、制御部310の制御によって、ユーザからの操作入力を受け付ける機能を有する。操作入力部351は、具体的には、タッチパネル等のソフトキーあるいはハードキーにより実現される。
【0089】
音声入力部352は、制御部310の制御によって、ユーザからの音声を入力し受け付ける機能を有する。音声入力部352は、具体的には、端末装置300に取り付けられたマイク等により実現される。音声入力部352は、撮影部360に対する撮影実行操作の入力を受け付けてもよい。
【0090】
撮影部360は、制御部310の制御によって、端末装置300に備えつけられたレンズから保育対象者を撮影する機能を有する。撮影部360は、例えば、携帯端末のカメラであってもよい。
【0091】
(センサ装置400)
センサ装置400は、
図2に示すように、計測部410、センサ通信部420、センサ記憶部430を含んで構成される。センサ装置400は、音センサ(マイクを含む)、保育対象者の呼吸等による振動をセンシングする圧力センサ、温度センサ、保育対象者の顔色を撮影する画像センサ(カメラを含む)、保育対象者の身体の向き等の姿勢をセンシングする加速度センサ・ジャイロセンサ、保育対象者の食事量を計測したり排便の有無を含めた量を計測したりする計量機器、心拍計等を用いて、保育対象者のバイタルデータを実現すればよい。なお、センサ装置400は、センシングの種類に応じて保育対象者の身体に取り付けるか、保育施設の室内に取り付けるか設定すればよい。
【0092】
計測部410は、対象物をセンシングして各種データを計測する機能を有する。計測部410は、具体的には、第一の所定の期間ごとに保育対象者のバイタルデータを計測する。また、計測部410は、各機能部を制御する機能を有するプロセッサを含んで構成してもよい。計測部410は、具体的には、サーバ装置200又は端末装置300から受信した指示要求に基づいて、各機能部を制御してもよく、また、サーバ装置200又は端末装置300にバイタルデータを送信するよう制御してもよい。
【0093】
センサ通信部420は、計測部410の制御によって、ネットワーク500を介してサーバ装置200、端末装置300又は他のセンサ装置400との通信を実行する機能を有する。当該通信は、有線、無線のいずれでもよく、また、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。センサ通信部420は、具体的には、計測部410の制御によって、サーバ装置200又は端末装置300に計測部410で計測されたバイタルデータを送信してもよい。
【0094】
センサ記憶部430は、計測部410の制御によって、センサ装置400が動作する際に必要な各種プログラム、データ、パラメータ等を記憶する機能を有する。センサ記憶部430は、具体的には、例えば、バイタルデータ、健康情報、個人情報等を記憶する。センサ記憶部430は、具体的には、例えば、ROM及びRAMで構成される主記憶装置、不揮発性メモリ等で構成される補助記憶装置、HDD、SSD、フラッシュメモリ等各種の記録媒体によって構成される。
【0095】
(動作例)
本発明の一実施形態に係る保育管理システム100の動作の一例を説明する。先ず、
図5を用いて、本発明の一実施形態に係るサーバ装置200の動作例を説明する。
図5は、サーバ装置200の動作例を示すフローチャートである。
【0096】
図5に示すように、サーバ装置200は、センサ装置400から第一の所定の期間ごとに計測した保育対象者のバイタルデータを受信する(S10)。
【0097】
サーバ装置200は、当該受信したバイタルデータを第二の所定の期間、蓄積する(S11)。
【0098】
サーバ装置200は、当該受信したバイタルデータと、蓄積された同一保育対象者の過去のバイタルデータ、又は、他の保育対象者の同時間帯のバイタルデータの少なくともいずれか一つとを比較する(S12)。
【0099】
サーバ装置200は、当該受信したバイタルデータ及び当該比較した結果に基づき、保育対象者の健康状態を評価する(S13)。
【0100】
サーバ装置200は、ネットワーク500を介して接続された端末装置300に当該評価した保育対象者の健康状態を出力するための出力情報を生成する(S14)。
【0101】
サーバ装置200は、当該生成した出力情報を、ネットワーク500を介して端末装置300に送信する(S15)。
【0102】
次に、
図6を用いて、本発明の一実施形態に係るサーバ装置200と、保護者用の端末装置300aと、保育者用の端末装置300bの相互関係を含めた端末装置300aの入力状況のモニタリング処理から確認入力状況の出力処理までの各装置の動作例を説明する。
【0103】
図6に示すように、端末装置300aは、保育管理システム100のデジタル連絡帳の機能等において、入力部350の必須の入力項目に対して第三の所定の期間内に保護者ユーザからの入力があったか否かの入力状況をモニタリングする(S20)。
【0104】
図6に示すように、端末装置300aは、モニタリングした入力状況に基づいて、ユーザに対する注意を示すアラート情報を出力する(S21)。
【0105】
図6に示すように、保護者ユーザが出力されたアラート情報を確認して、必須入力項目に対して連絡情報の入力を行うと、端末装置300aは当該連絡情報の入力を受け付ける(S22)。端末装置300aは、当該受け付けた連絡情報をサーバ装置200に送信する(S23)。ここで「連絡情報」とは、保育管理システム100を保育者と保護者の連絡ツール、又は、保育者間での連絡ツールとして用いる際の双方の保育管理に関する連絡内容を示す情報である。連絡情報は、具体的には、保育対象者の家庭や保育園で入力された又は計測されたバイタルデータに基づいて生成された健康情報等を含んで構成される。
【0106】
図6に示すように、サーバ装置200は、端末装置300aから送信された連絡情報を受信する(S24)。サーバ装置200は、受信した連絡情報に基づいて、保育者ユーザの端末装置300bに当該連絡情報を出力するための出力情報を生成する(S25)。サーバ装置200は、当該生成した出力情報を端末装置300bに送信する(S26)。
【0107】
図6に示すように、端末装置300bは、サーバ装置200から送信された出力情報を受信する(S27)。端末装置300bは、当該受信した出力情報に基づいて連絡情報を出力する(S28)。
【0108】
図6に示すように、保育者ユーザが出力された連絡情報を確認して、当該出力された連絡情報に対して確認した旨の入力を行うと、端末装置300bは、当該出力された連絡情報に対する確認の入力を受け付ける(S29)。端末装置300bは、当該受け付けた入力に基づいて入力情報を生成する(S30)。端末装置300bは、当該生成した入力情報を端末装置300aに送信する(S31)。なお、この際、端末装置300bは、サーバ装置200に入力情報を一旦送信し、サーバ装置200から端末装置300aに送信してもよい。
【0109】
図6に示すように、端末装置300aは、端末装置300bから送信された入力情報を受信する(S32)。端末装置300aは、当該受信した入力情報に基づいて保育者ユーザにおける確認入力の状況を出力する(S33)。
【0110】
保育管理システム100は、上記のような構成によれば、保護者と保育者の連絡事項の連絡(入力)漏れを防止し、さらに、連絡した事項がきちんと確認されたかを確認することができる。
【0111】
次に、
図7及び8を用いて、本発明の一実施形態に係るサーバ装置200と、保護者用の端末装置300aと、保育者用の端末装置300bと、センサ装置400の相互関係を含めたセンサ装置400の保育対象者のバイタルデータの計測処理から端末装置300aの確認入力状況の出力処理までの各装置の動作例を説明する。
【0112】
図7に示すように、センサ装置400は、第一の所定の期間ごとに保育対象者のバイタルデータを計測する(S40)。センサ装置400は、当該計測したバイタルデータを、サーバ装置200に送信する(S41)。
【0113】
図7に示すように、サーバ装置200は、センサ装置400から送信されたバイタルデータを受信する(S42)。サーバ装置200は、当該受信したバイタルデータと、サーバ記憶部230に蓄積された同一保育対象者の過去のバイタルデータを比較する(S43)。サーバ装置200は、当該受信したバイタルデータと、他の保育対象者の同時間帯のバイタルデータを比較する(S44)。
【0114】
図7に示すように、サーバ装置200は、当該受信したバイタルデータ及びこれらの比較した結果に基づいて、保育対象者の健康状態を評価する(S45)。サーバ装置200は、当該評価した健康状態に基づいて、端末装置300に当該評価した保育対象者の健康状態を出力するための出力情報を生成する(S46)。サーバ装置200は、当該生成した出力情報を端末装置300aに送信する(S47)。なお、この際、サーバ装置200は、保育者ユーザの端末装置300bにも同時に出力情報を送信してもよい。
【0115】
端末装置300aは、サーバ装置200から送信された出力情報を受信する(S48)。端末装置300aは、当該受信した出力情報に基づいて、保育対象者の健康状態を出力する(S49)。以降、
図8の1への動作に続く。
【0116】
図7の1からの続きの動作として、
図8に示すように、端末装置300bは、当該出力された健康状態に対する保育者ユーザからの確認の入力を受け付ける(S50)。端末装置300bは、当該受け付けた入力に基づいて入力情報を生成する(S51)。端末装置300bは、当該生成した入力情報を端末装置300aに送信する(S52)。
【0117】
図7に示すように、端末装置300aは、端末装置300bから送信された入力情報を受信する(S53)。端末装置300bは、当該受信した入力情報に基づいて、保育者ユーザの確認入力の状況を出力する(S54)。
【0118】
サーバ装置200、端末装置300及びセンサ装置400の各機能部は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、各機能部は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、複数の機能部の機能を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。なお、ここで「回路」は、コンピュータによるデジタル処理、すなわち、ソフトウェアによる機能的処理としての意味合いを含んでもよい。また、当該回路は、再構築可能な回路(例えば、FPGA:Field Programmable Gate Array)により実現されてもよい。
【0119】
サーバ装置200、端末装置300及びセンサ装置400の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、サーバ装置200、端末装置300及びセンサ装置400は、各機能を実現するソフトウェアである保育管理プログラムの命令を実行するCPU、上記保育管理プログラム及び各種データがコンピュータ(又はCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)又は記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記保育管理プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(又はCPU)が上記保育管理プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記保育管理プログラムは、当該保育管理プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記保育管理プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0120】
なお、上記保育管理プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)、Ruby、Perlなどのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)、PHP、Pythonなどのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【解決手段】複数の保育対象者の健康状態をセンシングする複数のセンサ装置400と、端末装置300と、センサ装置及び端末装置とネットワーク500で接続されたサーバ装置200とを備える。センサ装置は、第一の所定の期間ごとに保育対象者のバイタルデータを計測し、サーバ装置に送信する。サーバ装置は、第二の所定の期間における保育対象者のバイタルデータを蓄積し、センサ装置から受信したバイタルデータと、蓄積された同一保育対象者の過去のバイタルデータ又は他の保育対象者の同時間帯のバイタルデータの少なくともいずれか一つとを比較し、受信したバイタルデータ及び比較部が比較した結果に基づき、保育対象者の健康状態を評価する。端末装置は、評価された保育対象者の健康状態を出力する。