(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
位置基盤サービス(LBS、Location Based Service)は、位置測位技術を通じてユーザーの位置を把握し、この把握した結果に基づいて、各種の情報やサービスを提供するサービスであり、最近、GPS、地磁気センサ、カメラ、RFIDなどの機能を有するスマートフォンの登場により、位置基盤サービスについての研究が盛んに進められている。
【0003】
従来から研究されてきた位置基盤サービスは、GPSと移動通信網を用いた位置測位技術、無線LAN信号パターンのマッチング(Pattern Matching)アルゴリズムに基づく位置測位技術など、主に屋外測位システム(outdoor localization system)に関するものである。
【0004】
しかしながら、このような屋外測位システムは、高い測位精度(accuracy of location estimation)を要する屋内環境では適していない。その理由は、屋外測位システムが屋外では好適な性能を確保するかも知らないが、屋内では壁のような屋内構造による信号干渉などの影響により、正確な屋内の測位が難しいからである。
【0005】
これらの問題点を解決するために、韓国公開特許第2014-0055109号(移動ノードの位置認識装置及び方法)は、一つ以上の基準ノードから移動ノードに転送される受信信号強度に関する情報を用いて移動ノードの位置を認識する技術を開示している。
【0006】
また、韓国公開特許第2014-0066570号(ナビゲーションシステム及び方法)は、屋内のあらかじめ指定されている地点に識別情報が含まれているバーコードを取り付け、バーコードを認識すると、屋内の地図上において、ユーザーがどの位置に存在するかを認識して提示する技術を開示している。
【0007】
このように、位置基盤サービス、訪問者位置追跡などの目的のために建物内に位置するユーザの位置を正確に認識するための様々な技術が開発されている。
【0008】
しかしながら、これらの位置認識技術は、単に屋内空間上でユーザーがどの位置にあるのかを把握できるだけで、その位置からどの程度の傾き角を持った状態でどの方向を眺めているのかは確認できないので、展示会場、動物園など、ユーザーの位置と注視方向を考慮した位置基盤サービスが提供できないという限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、把握された移動体の姿勢に基づいて位置基盤サービスなど、様々な付加サービスが提供できるようにするために、偏光(polarized light)特性を用いて、3次元空間上で移動体の姿勢(例えば、対向方向と傾き角に応じた注視方向)と位置を正確に把握できる移動体の3次元姿勢及び位置認識装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、以下の説明に基づいて容易に理解されるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一側面によれば、移動体の3次元姿勢及び位置認識装置であって、立体図形の複数の面に個別に取り付けられる複数の偏光モジュールと;前記偏光モジュールに個別に対応され、偏光光源から発散される偏光された光が対応する偏光モジュールに透過され、受光された照度値情報を生成して出力する複数の照度モジュールと;少なくとも3つの検査対象面に取り付けられている偏光モジュールに対応する照度モジュールから受信された照度値情報を用いて、前記移動体の姿勢情報と位置情報を生成する解析部と、を含み、前記立体図形の複数の面のうち選択された3つの検査対象面は、前記偏光光源から発散された光が照射される位置に存在し、他の2つの検査対象面の面ベクトルの合成を通じて他の一つの検査対象面の面ベクトルが作成されない条件を満たすことを特徴とする移動体の3次元姿勢及び位置認識装置が提供される。
【0013】
前記複数の偏光モジュールの各々は、光透過軸が異なって設定された複数の偏光部を備えることができる。
【0014】
前記解析部は、前記移動体の姿勢情報を生成するために、前記立体図形上で、前記偏光光源から発散される偏光された光によって形成される獲得偏光面を、あらかじめ格納された基準偏光面と一致するように3次元空間上で傾き角度(Tp)だけ回転させる段階と;前記3つの検査対象面のうち2つの検査対象面に対する照度値情報を活用する下記数学式を用いて前記移動体の姿勢情報を生成する段階と、を行い、
【0015】
【数1】
ここで、
【0016】
【数2】
は、流入される偏光された光の方向ベクトルであり、s1は、第1の検査対象面に対して測定された照度値であり、A
1、B
1、C
1は、前記傾き角度(Tp)だけ回転された第1の検査対象面の面ベクトルであり、s2は、第2の検査対象面に対して測定された照度値であり、A
2、B
2、C
2は、傾き角度(Tp)だけ回転された第2の検査対象面の面ベクトルであり、前記θは、前記移動体の姿勢情報を示す回転角であることができる。
【0017】
前記解析部は、前記移動体の位置情報を生成するために、前記立体図形上で、前記偏光光源から発散される偏光された光によって形成される獲得偏光面を、あらかじめ格納された基準偏光面と一致するように3次元空間上で傾き角度(Tp)だけ回転させる段階と;前記3つの検査対象面に対する照度値情報を活用する下記数学式を用いて前記移動体の位置情報を生成する段階と、を行い、
【0018】
【数3】
ここで、前記iは、3つの検査対象面のそれぞれに対応するように、1、2、又は3に指定され、前記kは、あらかじめ指定された定数であり、A
i、B
i、C
iは、前記3つの検査対象面のそれぞれの面ベクトルであり、x,y,zは、前記偏光光源の位置座標を(0,0,0)に指定したときの前記移動体の位置情報であり、s
iは、前記3つの検査対象面のそれぞれの照度値であることができる。
【0019】
前記立体図形は、前記移動体に取り付けられている有形の立体図形であるか、前記偏光モジュールが取り付けられているそれぞれの検査対象面を仮想的に延長して形成される仮想の立体図形であることができる。
【0020】
上記以外の他の側面、特徴、利点が、以下の図面、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明から明らかになるだろう。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施例によれば、偏光(polarized light)の特性を用いて、3次元空間上で移動体の姿勢(例えば、対向方向と傾き角度に応じた注視方向)と位置を正確に把握することができ、把握された移動体の姿勢に基づいて位置基盤サービスなど、様々な付加サービスを提供することができるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、様々な変換を加えることができ、複数の実施例を有することができるので、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明において詳細に説明しようとする。しかしながら、これは、本発明を特定の実施例について限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。
【0024】
ある構成要素が他の構成要素に“連結されて”いるとか、“接続されて”いると言及されている場合は、その他の構成要素に直接的に連結されているか、又は、接続されていることも出来るが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に“直接連結されて”いるとか、“直接接続されて”いると言及されている場合は、中間に他の構成要素が存在していないと理解されるべきである。
【0025】
本明細書で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本明細書において、“含む”又は“持つ”などの用語は、明細書上に記載されている特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在していることを指定しようとするだけであり、一つ又はその以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性をあらかじめ排除するわけではないと理解されるべきである。
【0026】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用され得るが、当該構成要素は、当該用語により限定されるべきではない。当該用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。
【0027】
また、明細書に記載された“…部”、“…ユニット”、“…モジュール”などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアやソフトウェア、あるいは、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで具現することができる。
【0028】
また、各図面を参照して説明する実施例の構成要素は、当該実施例のみに限定的に適用されるものではなく、本発明の技術的思想が維持される範囲内で他の実施例に含まれるように具現することができ、また、別の説明が省略されても、複数の実施例が纏められた一つの実施例で再具現できることも当然なことである。
【0029】
また、添付の図面を参照して説明するに際して、図面符号に関係なく、同じ構成要素は、同じか関連する参照符号を付し、これに関する重複する説明は、省略することにする。本発明を説明するに際して、関連する公知技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0030】
図1は、本発明の一実施例に係る移動体情報認識装置の構成を概略的に示すブロック構成図であり、
図2から
図5は、本発明の一実施例に係る移動体情報認識装置の3次元空間上での姿勢及び位置に対する認識技法を説明するための図である。
【0031】
図1を参照すると、移動体の一側に備えられる移動体情報認識装置は、偏光光源140から照射された光を受光して移動体情報、すなわち、移動体の姿勢情報(例えば、XYZ軸から構成された空間座標系の3次元空間上での回転角情報)と、3次元空間上での位置情報を解釈する認識ユニット100と、を含んで構成されることができる。
【0032】
例えば、移動体が、自分の動力を用いて空間上で移動する機能を備えている場合、図示してはいないが、移動体が、車輪、モータなどの構成要素を更に含めることは言うまでもない。また、移動体は、人間の体に付着して、人間の移動に合わせて一緒に移動される帽子、バッジなどの形状でも形成することができ、他にも、移動体の形状は多様化していてもよい。
【0033】
偏光光源140は、偏光(polarized light)された光を照射する手段であって、偏光部と光源とを含んで構成されることができる。
【0034】
偏光光源140は、例えば、偏光フィルムが取り付けられている光源体、偏光ランプ、偏光フィルタが設置されている光源体などで具現することができ、偏光光源140が備える偏光部(すなわち、偏光処理のために備えられる偏光フィルムなどの部材)は、後述する第1から第3の偏光モジュール110a、110b、110cとの区別のために、「光源偏光部」と称することができる。また、光源は、屋内空間の上側に配置される灯器具であることができる。
【0035】
この場合、光源偏光部は、あらかじめ指定された方位(例えば、真北方向であって位相角0度の方向)に符号する透過軸が形成されるよう設置することができ、これに関する情報は、移動体情報認識装置に備えられた格納部(図示せず)に格納されて管理されることもできる。
【0036】
認識ユニット100は、第1の偏光モジュール110aと、第2の偏光モジュール110bと、第3の偏光モジュール110cと、第1の照度モジュール120a、第2の照度モジュール120b、第3の照度モジュール120cと、解釈部130と、を含むことができる。認識ユニット100は、図示していないが、移動体の姿勢及び位置情報の解釈過程で必要なデータを格納するための格納部を更に含むことができる。
【0037】
認識ユニット100は、移動体情報、すなわち、姿勢情報と位置情報を認識するために、移動体の一側に形成されるか、取り付けられることができる。但し、認識ユニット100は、移動体の一側に備えられるとき、偏光光源140からの光を流入できる位置に配置されるのは言うまでもない。
【0038】
参考までに、本明細書において「姿勢」という用語は、例えば、XYZ軸から構成された空間座標系の3次元空間上での回転角情報に対応する回転状態を含む用語として解釈されるべきであり、認識ユニット100は、移動体がどの方向にどの程度回転され、垂直方向にどの程度傾いているかを解析することにより、移動体がどのような姿勢を取っているのかを認識することができる。
【0039】
図1には、移動体の姿勢に関する情報を生成する解析部130が認識ユニット100に含まれる場合が例示されているが、解析部130は、認識ユニット100が通信網を介して接続される独立した装置に含まれることもあり、この場合、認識ユニット100は、第1から第3の照度モジュール120a、120b、120cによって測定された照度値情報を解釈部130が含まれているデバイスに転送するための転送部が含まれる。但し、解析部130の位置に関係なく、説明の便宜のために、本明細書では、第1から第3の偏光モジュール110a、110b、110c、第1から第3の照度モジュール120a、120b、120c及び解釈部130を含む構成を認識ユニット100と称する。
【0040】
本明細書で相互区分の必要がない場合には、第1から第3の偏光モジュール110a、110b、110cが偏光モジュール110と総称されることがあり、第1から第3の照度モジュール120a、120b、120cが照度モジュール120と総称されることがある。
【0041】
図2に例示されるように、第1から第3の偏光モジュール110a、110b、110cの各々は、3次元空間上で形成される立体図形の各面に一つずつ位置される。各偏光モジュール110が位置する立体図形は、有形の形状を有する立体図形であってもよく、各偏光モジュール110が位置された面を延長するときに、延長された面が相互に連結されて仮想的に形成される立体図形であってもよい。
【0042】
但し、各偏光モジュール110が個別に取り付けられる面(以下、「検査対象面」と称することがある)を持つ立体図形は、第1に、少なくとも3つの検査対象面が偏光光源140から照射される光を受光できる位置及び角度を持たなければなら
ず、第2に、解析部130の解釈のために要求される照度値情報を提供する偏光モジュールの各々が取り付けられている3つの検査対象面の面ベクトル(area vector)は、他の2つの検査対象面の面ベクトルの合成を通じて他の一つの検査対象面の面ベクトルが作成されないとの独立性が存在しなければならないという条件を満たすべきである。
【0043】
例えば、立体図形は、
図2の(a)に例示されたように、立方体の互いに隣接していない3つの頂点を中心にして切った直角四面体であってもよく、
図2の(b)に例示されたように、底面を除いた残りの三面(すなわち、検査対象面であるF1、F2及びF3)にそれぞれ一つずつの偏光モジュールが取り付けられていてもよい。
【0044】
もちろん、偏光モジュール110が取り付けられる3つの検査対象面が物理的に相互に隣接されていない形であっても、前述した立体図形の形成条件のみを満たしたら、仮想の立体図形又は/及び他の形態の多面体の構成を持つように立体図形が決定されることもできる。
【0045】
また、偏光モジュール110がそれぞれ取り付けられる面は、3つ以上であってもよく、前述した立体図形の形成条件を満たす面のうち三面を検査対象面と決定し、決定された三面に取り付けられている偏光モジュール110に相当する照度モジュール120から入力される照度値情報を用いて、移動体情報が解析されることもできることは言うまでもない。
【0046】
各面に取り付けられる偏光モジュール110は、
図2の(c)と(d)にそれぞれ例示されたように、複数の偏光部を含んで構成されることができ、偏光部のそれぞれの光透過軸は、0度、45度、90度、135度などと異なって設定することができる。また、各偏光部に対応する照度計が照度モジュール120に含まれ、各偏光部を透過した光に応じた照度値情報を生成する。
【0047】
偏光モジュール110に含まれる複数の偏光部に対する配置形状が、
図2の(c)と(d)に1x4、2x2が例示されているが、偏光モジュール110に含まれる偏光部の数量とその配置形状がこれに限定されないことは言うまでもない。
【0048】
以下、
図3を参照して、照度モジュール120を透過して受光される光を用いた移動体の姿勢候補群決定過程を説明する。
【0049】
図3の(a)は、偏光光源140から照射される光の概念的な形状、すなわち、偏光面(Fp)を示す。つまり、光源から照射された光は、光源偏光部の光透過軸に沿って偏光されて発散される。
図3の(a)の
【0050】
【数4】
は、光が発散される方向ベクトルを示し、
【0051】
【数5】
は、光源偏光部を透過して偏光された光の振動方向を示し、Fpは、
【0052】
【数6】
を含む平面である偏光面を示す。
【0053】
偏光光源140の光照射によって、
図3の(b)でのように、仮想の偏光面(Fp)が立体図形状に形成される。偏光光源140の実際の光照射によって形成される仮想の偏光面を獲得偏光面(Fp)と称する。
【0054】
例えば、移動体が偏光光源140の垂直下方に位置していると、仮想偏光面は、垂直な形状に形成されることができ、移動体が偏光光源の垂直下方以外の箇所に位置していると、仮想偏光面は、
図2の(b)でのように傾斜した形状に形成されることができる。獲得偏光面との対比のために、移動体が偏光光源140の垂直下方に位置するときに形成される仮想の偏光面を基準偏光面(Fp’)と称する。基準偏光面(Fp’)に関する情報は、認識ユニット100に備えられた格納部にあらかじめ格納されて管理されることができる。
【0055】
獲得偏光面(Fp)は、偏光モジュール110が位置した立体図形状の任意の一面(第1の面であるF1と仮定する)と接する仮想の線分を作成し、当該線分は、交線ベクトル
【0056】
【数7】
で表現される。ここで、仮想の線分は、偏光モジュール110を透過した光が照度モジュール120に受光されて生成される照度値情報を用いて解析部130によって認識されることができる。
【0057】
この場合、立体図形上で偏光モジュール110がそれぞれ位置した三面を考慮すると、獲得偏光面と各面との接線である交線ベクトルが、少なくとも2つ又は最大3つ獲得されることができ、このうち2つの交線ベクトル間の外積(outer product)を行うと、獲得偏光面(Fp)に垂直なベクトルである獲得法線ベクトル
【0058】
【数8】
が算出される。これは、各面の接線である2つ又は3つの交線のベクトルが一つの獲得偏光面(Fp)上に存在するからである。もちろん、検討される立体図形の形状が直角四面体以外の形状である場合、獲得される交線ベクトルの数が変わることもある。
【0059】
また、格納部には、基準偏光面(Fp’)に関する情報と、基準偏光面(Fp)に垂直なベクトルの基準法線ベクトル
【0060】
【数9】
とがあらかじめ格納されて管理されているので、解釈部130は、前述した過程によって算出した獲得法線ベクトル
【0062】
【数11】
との間の3次元空間上での傾き角度(Tp)を算出することができ、傾き角度(Tp)だけ獲得偏光面を3次元空間上で回転させたとき、基準偏光面と獲得偏光面とは、互いに合致される。
【0063】
基準偏光面と獲得偏光面との合致作業が完了(つまり、移動体が偏光光源140の垂直下方に位置する場合を前提として移動体の姿勢を解釈するための先行作業が完了)すると、移動体の姿勢情報を生成するための姿勢候補群が決定されることができる。
【0064】
これは、基準偏光面(これは、3次元の回転を通じて取得偏光面と合致される)が、
図4に示すように、立体図形を切る仮想の切断面として認識した状態で基準偏光面に垂直な基準法線ベクトル
【0065】
【数12】
を中心にして移動体(すなわち、移動体に取り付けられた偏光モジュール110によって決定される立体図形)を回転させると、考慮対象である三面での交線ベクトルの傾き角度は変わらないが、移動体の姿勢は変わる現象が発生することから、三面での交線ベクトルの傾き角度が変わらない状態で移動体が持てる姿勢情報を姿勢候補群と特定するものである。
【0066】
従って、姿勢候補群を対象として、移動体がどの角度だけ回転されたかを更に判断してから移動体の姿勢情報が確定されることができる。
【0067】
以下、解析部130が、姿勢候補群を対象として移動体の姿勢情報を確定する過程を簡略に説明する。
【0068】
まず、解析部130は、照度モジュール120から提供される照度値情報を用いて、検査対象面に到達する光の量(照度値)を認識することができ、また、各検査対象面間の照度値の比を算出することができる。
【0069】
従って、解析部130は、基準法線ベクトル
【0070】
【数13】
を中心軸にして回転角θだけ回転させる変換式である下記数学式(1)を用いて、移動体の姿勢情報を獲得することができる。
【0072】
【数15】
は、流入された光の方向ベクトルであり、s1は、第1の検査対象面の照度値であり、A
1、B
1、C
1は、傾き角度(Tp)だけ回転させた後の第1の検査対象面の面ベクトルを示し、s2は、第2の検査対象面の照度値であり、A
2、B
2、C
2は、傾き角度(Tp)だけ回転させた後の第2の検査対象面の面ベクトルを示す。検査対象面の照度値は、例えば、照度モジュール120に含まれている各照度計の出力値を、算術合算、重み付け適用合算、乗算演算など、あらかじめ指定された方式を用いて解析部130によって算出することができる。
【0074】
【数16】
A
1、B
1、C
1及びA
2、B
2、C
2を知っているのに対して、回転角θだけが未知数なので、解析部130は、数学式(1)を用いて回転角θを算出することができ、算出された回転角θを回転体の姿勢情報として格納部に格納することができる。
【0075】
また、解析部130は、照度モジュール120から提供される照度値情報を用いて位置情報を算出することができる。以下、
図5を参照して、位置情報算出過程を簡略に説明する。
【0076】
前述した姿勢情報解析の過程で3つの検査対象面が選択されると、前述したように、各検査対象面の面ベクトル(A
i、B
i、C
i)は、下記数学式(2)のように、各平面の方程式で表される。
【0077】
【数17】
ここで、iは、各検査対象面を特定するための引数であって、検査対象面が3つである場合、iは、1、2、又は3であることができる。
【0078】
もし、偏光光源140の位置を(0,0,0)とし、移動体の位置を(x,y,z)と仮定すると、下記数学式(3)から(6)を用いて、移動体の位置が決定されることができる。
【0079】
この場合、認識ユニット100に到達する光の量と光源の位置関係とは、第一に、偏光光源140と移動体との間の距離(すなわち、f(d)、下記数学式(3)を参照)、第二に、検査対象面のそれぞれが偏光光源140に対してどの程度の角度で傾いているのか(つまり、g(α)、下記数学式(4)を参照)、第三に、偏光光源140から光が球状に均一に発散すること(下記数学式(5)を参照)といった3つの要素から構成される。
【0080】
【数18】
ここで、kは、あらかじめ指定された定数である。
【0081】
【数19】
ここで、数学式(5)は、常に偏光光源140が天井にあり、偏光光源140が半球状に光を均一に発散することを前提とするためである。
前述した数学式(3)から(5)の乗算演算によって偏光モジュール110の照度値sが演算されることができる。
【0082】
【数20】
数学式(6)で表される数式は、各検査対象面に対して導出される。ここで、s、k、A
i、B
i、C
iは、あらかじめ知っている値であるのに対し、移動体の位置を決定するためのx,y,zは、未知数である。
【0083】
しかしながら、解析部130は、数学式(6)で表される各検査対象面に対する3つの数式を用いた連立方程式を演算して、3つの未知数x、y、zを演算することができ、結果として、移動体の位置情報を算出して格納部に格納することができる。
【0084】
前述したように、本実施例に係る認識ユニット100は、偏光光源140から発散された光を受光して、移動体情報、すなわち、移動体の姿勢情報と位置情報を演算することができるという特徴を持つ。
【0085】
前述した移動体情報認識方法は、デジタル処理装置に組み込まれるか、インストールされたプログラム等によって時系列的順序による自動化された手順で行えることは言うまでもない。前記プログラムを構成するコード及びコードセグメントは、当該分野のコンピュータプログラマーによって容易に推論することができる。また、前記プログラムは、デジタル処理装置が読み取り可能な情報格納媒体(computer readable media)に格納され、デジタル処理装置によって読み出され実行されることで、前記方法を具現する。前記情報格納媒体は、磁気記録媒体、光記録媒体及びキャリアウェーブ媒体を含む。
【0086】
上記では、本発明の実施例を参照して説明したが、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更できることが理解できるだろう。