(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記センサ部および前記無線通信部を動作させるための電力を供給するバッテリ、または前記バッテリが装着されるバッテリ装着部を備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の検知装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について説明する。
【0015】
図1は本実施形態にかかる施錠検知装置(検知装置)10の設置方法を示す説明図であり、(a)はサムターンが第1状態(施錠状態および開錠状態のうちの一方)である場合、(b)はサムターンが第2状態(施錠状態および開錠状態のうちの他方)である場合を示している。
【0016】
図1の(a)および(b)に示したように、サムターン1は、ユーザが当該サムターン1の施錠操作および開錠操作を行う場合に把持するためのツマミ部2を備えている。ツマミ部2は、扉の表面に直交する方向に突出するように配置された板状部材からなり、サムターン1の本体に対して回転可能に備えられている。ユーザは、このツマミ部2を把持して約90°回転させることにより、サムターン1を第1状態と第2状態とに切り替える。
【0017】
また、
図1の(a)および(b)に示したように、施錠検知装置10は、サムターン1の近傍における、サムターン1が第1状態である場合にツマミ部2の板面に略直交する方向であって、かつサムターン1が第2状態である場合にツマミ部2の板面と略平行な方向に配置される。なお、施錠検知装置10とサムターン1との距離は、サムターン1の施錠状態を適切に検出できる範囲内であれば特に限定されるものではなく、後述する検知光L1の出射強度や反射光L2の受光精度などに応じて適宜設定すればよいが、通常は数センチメートル〜数十センチメートルの範囲内に設定される。
【0018】
また、施錠検知装置10は、サムターン1が第1状態である場合にツマミ部2の板面に検知光L1が入射する一方(
図1の(a)参照)、サムターン1が第2状態である場合には検知光L1がツマミ部2の板面に入射せずにツマミ部2の近傍を通過するように(
図1の(b)参照)、検知光L1を出射する。そして、ツマミ部2からの検知光L1の反射光L2を受光したか否かに応じて、サムターン1が第1状態であるのか第2状態であるのかを検知する。
【0019】
なお、施錠検知装置10の配置位置は、第1状態と第2状態とを適切に検知できる位置であれば特に限定されるものではなく、例えば、扉におけるサムターン1の上方または下方であってもよく、サムターン1に対して水平方向の左側または右側であってもよい。また、施錠検知装置10は、扉に取り付ける構成に限らず、例えば扉周囲の枠部材や壁等に配置してもよい。
【0020】
また、施錠検知装置10の被設置面(扉)への取付方法は特に限定されるものではなく、例えば、接着剤や両面テープ等により接着させてもよく、磁石により取り付けてもよく、ビス止め等により取り付けてもよい。
【0021】
図2は、施錠検知装置10の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、施錠検知装置10は、センサ部11、無線通信部12、電源部13、フィルタ14、アンテナ15、LED23、および制御部16を備えている。
【0022】
センサ部11は、サムターン1が第1状態であるか第2状態であるかを検知する検知手段である。本実施形態では、センサ部11は、検知光出射部と反射光受光部とを備えている(いずれも図示せず)。
【0023】
検知光出射部は、サムターン1が第1状態である場合にツマミ部2の板面に入射する一方、サムターン1が第2状態である場合にはツマミ部2の板面に入射せずにツマミ部2の近傍を通過するように検知光L1を出射する。
【0024】
反射光受光部は、サムターン1が第1状態である場合にツマミ部2の板面で反射した反射光L2を受光する。これにより、反射光L2を受光したか否かに応じてサムターン1が第1状態であるか第2状態であるかを判断する。
【0025】
なお、上記検知光L1として、本実施形態では近赤外光(赤外線)を用いているが、これに限るものではない。また、センサ部11として、例えば従来から公知の距離検出センサや位置検出センサ(測距センサや近接センサなど)を用いてもよい。
【0026】
無線通信部12は、センサ部11の検知結果に応じた信号を所定の送信先(例えば予めペアリングが確立した通信機器)に無線通信により送信する。なお、無線通信部12は、信号を変調して所定の周波数で送信する処理、および、所定の周波数の信号を受信して復調する処理を行うRF(radio frequency)回路(図示せず)を備えている。上記の所定の周波数は特に限定されるものではなく、例えば、2.4GHz帯であってもよく、920MHz帯であってもよい。
【0027】
また、無線通信部12は、例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Z−Wave(登録商標)、WiFi(登録商標)などの通信方式を用い、ゲートウェイを経由して通信ネットワーク上のサーバ(クラウド)やユーザの通信機器などに接続される構成であってもよい。また、サムターン1の施錠状態を通信ネットワーク上のサーバ(クラウド)にアップロードし、ユーザがPC、スマートフォン、携帯端末等の通信機器から上記サーバにアクセスしてサムターン1の施錠状態を確認できるようにしてもよい。これにより、屋内および屋外の任意の場所からサムターン1の施錠状態を確認することができる。
【0028】
電源部13は、施錠検知装置10の各部に当該各部を駆動するための電力を供給する。電源部13への電力供給源は特に限定されるものではなく、例えば施錠検知装置10に搭載あるいは装着されたバッテリであってもよく、商用電力源等の外部電源から電力供給するようにしてもよい。
【0029】
フィルタ14は、無線通信部12の通信周波数に応じた特定の周波数帯域の電気信号を通す一方、上記の特定の周波数帯域とは異なる周波数帯域の電気信号を遮断する。
【0030】
アンテナ15は、電気信号を電波として送信あるいは受信する。アンテナ15の構成は特に限定されるものではなく、所定の周波数帯域の電波を送受信できる構成であればよい。
【0031】
LED23は、発光状態を変化させることにより、施錠検知装置10の状態(例えば、ペアリングが確立した通信機器の有無など)を報知する。
【0032】
制御部16は、施錠検知装置10の各部の動作を制御するものであり、各種プログラム(例えばセンサ部11、無線通信部12、および電源部13の動作を制御するためのプログラムなど)を実行するCPU(Central Processing Unit)、上記プログラムおよび上記プログラムの実行に必要な各種パラメータやデータ、通信先の機器とのペアリング情報などをCPUで読み取り可能に記録したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、CPUが上記プログラムをROMから読み取って実行することにより、施錠検知装置10の各部の動作が制御される。
【0033】
なお、制御部16に備えられるCPU、ROM、およびRAM、並びに無線通信部12に備えられるRF回路のうちの一部または全部が共通のチップに集積されていてもよい。また、制御部16は、CPUを用いてソフトウェアによって実現される構成に限らず、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されるものであってもよい。
【0034】
図3は、施錠検知装置10の分解斜視図である。
図3に示すように、施錠検知装置10は、第1筐体部20、第2筐体部30、および第3筐体部40を備えている。
【0035】
第1筐体部20は略円筒形状からなり、センサ部11を実装した第1基板21と、無線通信部12、電源部13、フィルタ14、アンテナ15、および制御部16を実装した第2基板22とを保持している。
【0036】
なお、センサ部11は、検知光L1を出射する検知光出射部と反射光L2を受光する検知光受光部とを備えており(いずれも図示せず)、略円筒形状からなる第1筐体部20の半径方向外側に向けて検知光L1を出射し、第1筐体部20の半径方向外側から入射してくる反射光L2を受光するように配置されている。
【0037】
また、第2基板22には、略円筒形状からなる第1筐体部20の軸方向に向けて光を出射するように配置されたLED23が搭載されている。LED23は、制御部16の指示に応じて発光状態が変化することにより、施錠検知装置10の状態(例えば、ペアリングが確立した通信機器の有無など)を報知する。例えば、制御部16は、施錠検知装置10の状態に応じて、LED23の発光状態を、点灯状態、消灯状態、および点滅状態のいずれかに切り替える。あるいは、LED23として、複数色の出射光を出射可能なLEDを用い、制御部16が、施錠検知装置10の状態に応じて出射光の色を切り替えるようにしてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、センサ部11が第1基板21に実装され、無線通信部12、電源部13、フィルタ14、アンテナ15、および制御部16が第2基板22に実装されている構成について説明するが、これに限るものではない。例えば、センサ部11、無線通信部12、電源部13、フィルタ14、アンテナ15、および制御部16が共通の基板に実装されていてもよく、さらに多数の基板に分散して備えられていてもよい。
【0039】
第2筐体部30は、軸方向の一端側が塞がれた略円筒形状を有しており、第1筐体部20に対して、第1筐体部20における軸方向の一方の面を覆うように取り付けられる。なお、第2筐体部30の第1筐体部20に対する取り付け方法は、特に限定されるものではない。例えば、第1筐体部20および第2筐体部30の一方に設けられた突出部を他方に設けられた溝部に嵌合させることにより取り付けてもよく、接着剤や溶接等により取り付けてもよく、第1筐体部20の裏面側(第3筐体部40側)からビス止め等により取り付けてもよい。また、第2筐体部30を第1筐体部20に取り付けた後、ロック機構によりこれら各筐体同士を固定してもよい。
【0040】
第2筐体部30におけるセンサ部11に対して円筒形状の半径方向外側に対向する位置には透過フィルタ31が設けられている。透過フィルタ31は、検知光L1および反射光L2に対応する波長域の光(本実施形態では近赤外光)を透過する一方、他の波長域の光を遮蔽する。
【0041】
また、第2筐体部30の軸方向の一端側を塞いでいる面におけるLED23に対向する位置には透光部32が設けられている。透光部32は、LED23の出射光を透過させ、第2筐体部30の外部に出射させる。なお、透光部32は、LED23から入射される光を拡散させて出射するレンズ機能を有していてもよい。
【0042】
また、第2筐体部30の軸方向の一端側を塞いでいる面の外面の一部には検知光L1の出射方向を示すマーカ33が形成されている。マーカ33としては、例えば矢印や三角形などを用いることができる。
【0043】
第3筐体部40は、軸方向の一端側が塞がれた略円筒形状を有しており、第1筐体部20に対して、第1筐体部20における軸方向の他方の面(第2筐体部30が取り付けられる面に対して反対側の面)を覆うように取り付けられる。
【0044】
具体的には、第1筐体部20の外周面には径方向外側に突出するネジ山24が形成されており、第3筐体部40における円筒形状の内周面にはネジ山24に応じたネジ溝41が形成されている。これにより、ネジ山24をネジ溝41に回転させながらねじ込むことで、第1筐体部20が第3筐体部40に取り付けられる。なお、ネジ山24をネジ溝41に所定位置までねじ込んだときに、第1筐体部20と第3筐体部40とを係止してこれら両筐体の移動を制限する係止機構を設けてもよい。また、ネジ山24のネジ溝41に対するねじ込み深さを任意に設定可能とし、第1筐体部20の第3筐体部40に対する相対高さ(施錠検知装置10の被設置面(扉)に対する相対高さ)を任意に設定できるようにしてもよい。
【0045】
なお、第3筐体部40の第1筐体部20に対する取り付け方法は、上述した方法に限定されるものではない。例えば、第1筐体部20および第3筐体部40の一方に設けられた突出部を他方に設けられた溝部に嵌合させることにより取り付けてもよく、接着剤や溶接等により取り付けてもよく、ビス止め等により取り付けてもよい。また、第3筐体部40を第1筐体部20に取り付けた後、ロック機構によりこれら両筐体同士を固定してもよい。
【0046】
図4は、施錠検知装置10における処理の流れを示すフローチャートである。
【0047】
制御部16は、無線通信部12の動作を制御し、他の通信機器(例えばユーザの所有する携帯端末など)から施錠状態確認指示を受信することを監視する(S1)。
【0048】
そして、施錠状態確認指示を受信した場合、制御部16は、センサ部11の動作を制御して検知光L1を出射させるとともに(S2)、センサ部11が反射光L2を受光したか否かを判断する(S3)。
【0049】
S3においてセンサ部11が反射光L2を受光したと判断した場合、制御部16は、無線通信部12の動作を制御し、上記他の通信機器に、サムターン1の施錠状態が第1状態であることを示す信号を送信させる(S4)。
【0050】
なお、第1状態(あるいは第2状態)が施錠状態であるのか開錠状態であるのかを予め設定して施錠検知装置10に備えられる記憶部(図示せず)に記憶させておき、施錠状態であるのか開錠状態であるのかを示す信号を送信するようにしてもよい。また、施錠検知装置10と通信を行う通信機器に第1状態(あるいは第2状態)が施錠状態であるのか開錠状態であるのかを示す情報を記憶させておき、通信機器が施錠検知装置10から受信した第1状態であるのか第2状態であるのかを示す信号に応じて施錠状態であるのか開錠状態であるのかを判断し、判断結果をユーザに通知するようにしてもよい。
【0051】
また、制御部16は、S3においてセンサ部11が反射光L2を受光したと判断した場合、LED23の発光状態を、サムターン1の施錠状態が第1状態であることを示す発光状態に制御し(S5)、処理を終了する。
【0052】
一方、S3においてセンサ部11が反射光L2を受光しなかったと判断した場合、制御部16は、無線通信部12の動作を制御し、上記他の通信機器に、サムターン1の施錠状態が第2状態であることを示す信号を送信させる(S4)。
【0053】
また、制御部16は、S3においてセンサ部11が反射光L2を受光しなかったと判断した場合、LED23の発光状態を、サムターン1の施錠状態が第2状態であることを示す発光状態に制御し(S5)、処理を終了する。
【0054】
以上のように、本実施形態にかかる施錠検知装置10は、ツマミ部2の状態が第1状態(施錠状態および開錠状態の一方)であるのか第2状態(施錠状態および開錠状態の他方)であるのかを検知するセンサ部11と、センサ部11の検知結果に応じた信号を無線通信により所定の送信先に送信する無線通信部12とを備えている。
【0055】
これにより、サムターン1の施錠状態を扉から離れた任意の位置から容易に確認することができる。また、サムターン1を施開錠回転させるモータ等を備える必要がなく、サムターン1の近傍に施錠検知装置10を配置するだけでサムターン1の施錠状態を検知できるので、汎用性が高く、装置コストが安い施錠検知装置10を実現できる。
【0056】
なお、本実施形態では、施錠検知装置10の外径形状が略円筒形状である構成について説明したが、施錠検知装置10の形状は特に限定されるものではなく、例えば、直方体形状、多角柱体形状、半球体形状などであってもよい。
【0057】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態と同じ機能を有する部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0058】
図5は、本実施形態にかかる施錠検知装置10の分解斜視図である。この図に示すように、本実施形態にかかる施錠検知装置10は、実施形態1の
図3に示した構成に加えて、可視光出射部25を備えている。
【0059】
施錠検知装置10を被設置面に設置するときには、検出光L1がツマミ部2の適切な位置に入射するように位置決めを行う必要がある。すなわち、施錠検知装置10の位置決めを適切に行えなかった場合、施錠状態の誤検知が生じたり、施錠状態の検知が行えない場合が生じる可能性がある。ところが、本実施形態では、センサ部11が検出光L1として近赤外光を出射する構成なので、検出光L1を目視により確認することができない。
【0060】
そこで、本実施形態では、可視光出射部25を設け、この可視光出射部25から出射される可視光線に基づいて施錠検知装置10の設置位置(被設置面に対する取付位置、取付角度、およびセンサ部11(検知光出射部)の取付高さ)を調整する。
【0061】
可視光出射部25は、可視光線(人間の目で視認可能な波長域の光線)を出射するものであり、第1基板21に実装され、センサ部11の側方に配置されている。
【0062】
なお、可視光出射部25の構成は、可視光線を出射できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、レーザダイオードやLEDなどを用いることができる。レーザダイオードを用いる場合、高輝度の可視光線を出射することができるので、サムターン1の材質や色にかかわらず、サムターン1に可視光線のスポット領域を鮮明に表示させることができ、被設置面に対する取付位置、取付角度、および取付高さの調整をより容易に行うことができる。
【0063】
また、可視光出射部25から出射される可視光線のスポット径を小さくするために、可視光出射部25から出射される可視光線の光路にレンズを配置してもよい。
【0064】
また、可視光出射部25から出射される可視光線の色は特に限定されるものではないが、視認性の高い色(例えば赤色など)であることが好ましい。
【0065】
本実施形態では、可視光出射部25は、センサ部11から出射される検知光L1と略平行な可視光
線を出射するように配置されている。ただし、これに限らず、例えば、センサ部11によるツマミ部2の状態の検知精度が最大になるときの検知光L1のサムターン1のツマミ部2に対する入射位置に向けて可視光線を出射するように、検知光L1の光軸方向に対して傾けて配置してもよい。
【0066】
また、可視光出射部25の配置位置は、センサ部11の側方(センサ部11に対して被設置面に平行かつ検出光L1の出射方向と直交する方向の位置)に限るものではなく、例えばセンサ部11の上方(センサ部11に対して被設置面に直交する方向の位置)に配置してもよい。
【0067】
制御部16は、無線通信部12が他の通信機器(例えばユーザの所有する携帯端末など)から設置調整指示を受信したときに、可視光出射部25の動作を制御して可視光線を出射させる。あるいは、施錠検知装置10に、ユーザが可視光出射部25に可視光線の出射指示を行うための操作部(例えばボタン等)を設け、操作部を介して可視光線の出射指示が行われたときに制御部16が可視光出射部25に可視光線を出射させるようにしてもよい。
【0068】
これにより、ユーザが施錠検知装置10の被設置面への取付を行うときに、可視光線を参照しながら取付位置、取付角度、および取付高さの調整を容易に行うことができる。
【0069】
すなわち、本実施形態では検知光L1として人間の目では視認できない近赤外光を用いているが、第1状態に設定したサムターン1のツマミ部2が可視光線の光路上に配置されるように施錠検知装置10の被設置面に対する取付位置、取付角度、および取付高さを設定することで、施錠検知装置10の被設置面に対する取付位置、取付角度、および取付高さを容易かつ適切に調整することができる。
【0070】
なお、本実施形態では、施錠検知装置10の取付高さ(被設置面とセンサ部11の検知光出射部との距離)は、第1筐体部20に形成されたネジ山(出射位置調整機構)24の第3筐体部40に形成されたネジ溝(出射位置調整機構)41にねじ込み量を調整することにより、容易に調整できるようになっている。あるいは、第3筐体部40と被設置面との間にスペーサ(出射位置調整機構)を挿入することにより、施錠検知装置10の取付高さを調整するようにしてもよい。また、軸方向の高さが異なる複数種類の第3筐体部(出射位置調整機構)40を用意しておき、それら複数種類の第3筐体部40のうち取付高さが最適となる第3筐体部40を用いるようにしてもよい。また、第1筐体20に対する第1基板21の相対位置、あるいは第1基板21に対するセンサ部11の相対位置、あるいはセンサ部11内における検知光出射部の位置を調整可能な構成としてもよい。
【0071】
これにより、サムターン1および被設置面(扉あるいは扉周囲の枠部材や壁等)の形状や大きさ等に応じて、施錠検知装置10におけるセンサ部11(検知光出射部)の位置を調整することができる。したがって、より汎用性の高い施錠検知装置10を実現することができる。
【0072】
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態と同じ機能を有する部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
図6は、本実施形態にかかる施錠検知装置10に備えられる第1筐体部20の裏面(第3筐体部40側の面)の構成を示す斜視図である。
【0074】
図6に示すように、本実施形態では、第1筐体部20の裏面側に、バッテリ27を着脱可能に装着するためのバッテリ装着部26が設けられている。バッテリ装着部26は、バッテリ27を収容する収容部と、収容部に収容されたバッテリ27のプラス電極およびマイナス電極に当接する電極端子をそれぞれ備えている。これにより、上記両電極端子を介してバッテリ27から電源部13に施錠検知装置10の各部を動作させるための電力が供給される。
【0075】
なお、本実施形態では、バッテリ27がバッテリ装着部26に着脱可能に装着される構成について説明したが、これに限らず、バッテリ27が容易に着脱できない状態で搭載されていてもよい。また、バッテリ27は、充電式のバッテリであってもよい。
【0076】
このように、施錠検知装置10にバッテリ27を搭載、あるいはバッテリ27を着脱可能に装着する構成にすることにより、外部からの電源供給が不要になるので、外部からの電源供給のための配線を省略することができる。したがって、施錠検知装置10の構成を簡略化するとともに、施錠検知装置10の設置場所の自由度が向上させることができる。
【0077】
〔実施形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態と同じ機能を有する部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0078】
図7は、本実施形態にかかる施錠検知装置10に備えられる第3筐体部40の裏面(被設置面に取り付けられる側の面)の構成を示す斜視図である。
【0079】
図7に示すように、本実施形態では、第3筐体部40の裏面に、両面テープ42が貼り付けられており、この両面テープ42を用いて施錠検知装置10を被設置面(扉あるいは扉周囲の枠部材や壁等)に貼り付けるようになっている。なお、両面テープ42は施錠検知装置10を被設置面に十分な貼り付け強度で貼り付けできる構成であればよく、両面テープ42の大きさ、形状、材質等は特に限定されるものではない。
【0080】
これにより、施錠検知装置10を被設置面(扉あるいは扉周囲の枠部材や壁等)に容易に取り付けることができる。また、被設置面に対する取付位置を必要に応じて容易に変更することができる。
【0081】
〔実施形態5〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態と同じ機能を有する部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0082】
実施形態1では、他の通信機器から施錠状態確認指示を受信したときに制御部16がサムターン1の施錠状態の検知処理を行う場合について説明した。
【0083】
これに対して、本実施形態では、施錠検知装置10が所定時間毎に施錠状態の検知処理を行う構成について説明する。
【0084】
図8は、本実施形態における施錠検知装置10の処理の流れを示すフローチャートである。
【0085】
この図に示すように、制御部16は、前回の施錠検知処理から所定時間が経過したか否かを判断する(S1b)。上記所定時間は、例えばユーザが任意に設定することができる。なお、初回の施錠検知処理時にはS1bの処理を省略してS2の処理を行う。
【0086】
S1bにおいて所定時間が経過していないと判断した場合、制御部16は、引き続きS1bの処理を行い、所定時間が経過することを監視する。
【0087】
一方、S1bにおいて所定時間が経過したと判断した場合、制御部16は、
図4に示したS2〜S7と同様の処理を行う。
【0088】
その後、制御部16は、施錠検知処理を継続するか否かを判断し(S8)、継続すると判断した場合にはS1bの処理に戻り、継続しないと判断した場合には処理を終了する。なお、施錠検知処理を継続するか否かは、例えばユーザが予め設定した条件(施錠検知処理を行う期間、回数、時間帯など)に基づいて制御部16が判断する。
【0089】
なお、施錠検知装置10の各部を施錠検知装置10に装着したリチウム電池(CR123A)から供給される電力により駆動し、本実施形態に示した使用方法で使用した場合、約1.5年以上の電池寿命が期待できる。
【0090】
〔実施形態6〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態と同じ機能を有する部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0091】
上記の各実施形態では、施錠検知装置(検知装置)10を用いて扉に備えられるサムターン1の施錠状態を検知する構成について説明した。しかしながら、施錠検知装置10による検知対象は、扉に備えられるサムターン1の施錠状態に限るものではなく、ユーザが把持して回転操作を行うことで第1状態と第2状態との切り替えを行うツマミ部を備えた構成であれば当該ツマミ部の状態検知に適用できる。
【0092】
すなわち、所定の回転軸を中心として回転するツマミ部であって、上記回転軸に平行な方向に突出し、かつ上記回転軸方向に沿って見たときに上記回転軸方向と直交する所定方向に延伸する形状を有するツマミ部を備え、上記ツマミ部を上記回転軸周りに所定角度(例えば90°)回転させることにより第1状態と第2状態とを切り替える構成であれば、施錠検知装置10を用いて、上記ツマミ部が第1状態であるのか第1状態と直交する第2状態であるのかを検知することができる。なお、本明細書では、上記構成のツマミ部を有する装置を総称してサムターンと称する。
【0093】
上記構成のツマミ部を有する装置としては、例えば、ガスの元栓や分岐水栓などの各種バルブ、各種設備の電源スイッチ、キャビネットやロッカー等のロック機構などが挙げられる。すなわち、上記各実施形態に示した施錠検知装置(検知装置)10を、上述した各設備(各種バルブ、電源スイッチ、ロック機構など)に備えられるツマミ部の近傍に設置することにより、当該ツマミ部が第1状態であるのか第1状態と直交する第2状態であるのかを検知して検知結果を所定の送信先に送信する検知装置として用いることができる。
【0094】
〔まとめ〕
本発明の態様1にかかる検知装置(施錠検知装置)10は、サムターン1の近傍に配置され、前記サムターン1の状態を検知する検知装置(施錠検知装置10)であって、前記サムターン1の状態が、第1状態であるのか第1状態と直交する第2状態であるのかを検知するセンサ部11と、前記センサ部11の検知結果に応じた信号を無線通信により送信する無線通信部12とを備えていることを特徴としている。
【0095】
上記の構成によれば、センサ部11がサムターン1の状態が第1状態であるのか第2状態であるのかを検知し、無線通信部12がセンサ部11の検知結果に応じた信号を無線通信により所定の送信先に送信する。これにより、サムターン1の状態をサムターン1から離れた任意の位置から容易に確認することができる。また、上述した従来技術のようにサムターンを施開錠回転させるモータを備える必要がなく、サムターン1の近傍に検知装置(施錠検知装置10)を配置するだけでサムターン1の状態を検知できるので、汎用性が高く、装置コストが安い検知装置(施錠検知装置10)を実現することができる。
【0096】
本発明の態様2にかかる検知装置(施錠検知装置10)は、上記態様1において、前記サムターン1は、ユーザが把持して回転させることで施錠状態と開錠状態とを切り替えるためのツマミ部2を有しており、前記センサ部11は、検知光L1を出射する検知光出射部と、前記ツマミ部2で反射した前記検知光L1の反射光L2を受光する検知光受光部とを備え、前記検知光出射部は、前記ツマミ部2が前記第1状態であるときに前記反射光L2が前記検知光受光部に入射する一方、前記ツマミ部2が前記第2状態であるときには前記反射光L2が前記検知光受光部に入射しないように配置され、前記センサ部11は、前記検知光受光部が前記反射光L2を受光したか否かに応じて前記サムターン1が第1状態であるのか第2状態であるのかを検知する構成である。
【0097】
上記の構成によれば、ツマミ部2が第1状態であるときに検知光L1の反射光L2が検知光受光部に入射する一方、ツマミ部2が第2状態であるときには反射光L2が検知光受光部に入射しないように検知光出射部を配置するだけで、サムターン1の施錠状態を容易に検出することができる。
【0098】
本発明の態様3にかかる検知装置(施錠検知装置10)は、上記態様2において、前記検知光L1は赤外線であり、前記検知光L1の出射方向に応じた方向に可視光線を出射する可視光出射部25を備えている構成である。なお、上記方向は、例えば、検知光L1と平行な方向であってもよく、検知光L1を用いたツマミ部2の状態の検知精度が最大となるときの検知光L1のツマミ部2に対する入射位置に向かう方向であってもよい。
【0099】
上記の構成によれば、可視光出射部25から出射される可視光線を用いて検知装置(施錠検知装置10)の位置決めを行うことができる。
【0100】
本発明の態様4にかかる検知装置(施錠検知装置10)は、上記態様2または3において、当該検知装置(施錠検知装置10)が取り付けられる被設置面と前記検知光出射部との間の距離を調整するための出射位置調整機構(ネジ山24,ネジ溝41)を備えている構成である。
【0101】
上記の構成によれば、施錠検知処理の対象とするサムターン1の形状や被設置面の形状等に応じて、検知光出射部の設置高さを調整することができるので、汎用性が高く、かつ検知精度の高い検知装置(施錠検知装置10)を実現できる。
【0102】
本発明の態様5にかかる検知装置(施錠検知装置10)は、上記態様1から4のいずれか1において、前記センサ部11および前記無線通信部12を動作させるための電力を供給するバッテリ27、または前記バッテリ27が装着されるバッテリ装着部26を備えている構成である。
【0103】
上記の構成によれば、バッテリ27から供給される電力を用いてセンサ部11および無線通信部12を駆動することができる。
【0104】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。