【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 刊行物名:Journal of Peptide Science、Volume 18、第S134頁、発行年月日:2012年8月21日、発行者名:European Peptide Society and John Wiley & Sons,Ltd.、掲載アドレス:http://onlinelibrary.wiley.com/journal/10.1002/(ISSN)1099−1387、に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 集会名:32nd European Peptide Symposium、開催場所:ギリシャ国アテネ ザ メガロン アテネ インターナショナル カンファレンス センター(エム.エー.アイ.シー.シー.)、開催日:2012年9月2日〜2012年9月7日、にて発表
【文献】
Bulletin of the Chemical Society of Japan,1976年,49(8),2259-67
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
生物学的に活性な遊離の又は部分的に保護されたペプチド、環状ペプチド又はペプタイボル(peptaibol)の固相合成方法であり、固相ペプチド合成において、請求項1に記載の樹脂接合体を官能化された樹脂として使用することを含む方法。
【発明を実施するための形態】
【0003】
定義及び略号
「Hya」又は「ヒドロキシルアミノ酸」は、ヒドロキシル(-OH)基を含むアミノ酸を意味する。
N−末端又はアミノ末端は、ペプチド鎖中の最初のアミノ酸である。
C−末端又はカルボキシ末端は、ペプチド鎖中の最後のアミノ酸であり、下記のように示される。
【0005】
「P」又は「固体支持体」又は「樹脂」は、アミノ酸又はペプチドと反応又は連結するのに適当な官能基を含む不溶性材料を意味する。当該固体支持体又は樹脂は、当業界においてよく知られている。
【0006】
「アルキル」、例えばC
1-10-アルキル又はC
1-6-アルキルは、分岐した、または分岐していない、十分に飽和した非環式炭化水素基(すなわち、二重結合又は三重結合を含まない、炭素及び水素から構成される)を意味する。幾つかの態様において、アルキルは置換されていても置換されていなくてもよい。アルキルには、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、へキシル、などが含まれるがこれらに限定されず、そして幾つかの態様においてはそれらのそれぞれは場合によっては置換されていてもよい。アルキル置換基には、C
1-3−アルコキシ、ハロゲン(F、Cl、Br又はI)、ニトロ、アミノ、-SH及び-OHが含まれるがこれらに限定されない。
【0007】
「取付け」は、不溶性支持体へのアミノ酸又はペプチド若しくはペプチド誘導体の連結(linking)を意味する。
「Hse」はホモセリンを意味し、「Hnv」はヒドロキシルノルバリンを意味する。
「SPPS」又は「固相ペプチド合成」は、本明細書に記載されているような樹脂の使用を伴うペプチドの合成を意味する。
「pNA」は4−ニトロアニリドを意味する。
「DME」はジメトキシエタンを意味する。
【0008】
「酸感受性樹脂」は、アミノ酸又はペプチドとの反応又は連結に適する官能基を含む不溶性材料又は樹脂を意味し、これらは酸性処理によりペプチドから開裂されることができる。
「酸感受性保護基」は、酸性処理により又は酸性条件下でアミノ酸又はペプチド若しくはペプチド誘導体から開裂されうる保護基を意味する。
「ペプタイボル」(Peptaibol)は、ペプチドであってそのC−末端位置にアミノ酸又はアミノ酸アミドではなくアミノアルコールを含むものを意味する。
【0009】
「段階的」(ステップ−バイ−ステップ;Step-by-step)は、ペプチド鎖中に含まれるアミノ酸のそれぞれが個別的に且つ逐次的に導入されるペプチド合成法を意味する。この方法は、中間精製工程を含んでも含まなくてもよい。
「保護されたペプチド」は、すべての官能基が保護基により保護されているか又はブロックされているペプチドを意味する。
「部分的に保護されたペプチド」は、少なくとも1個の官能基が保護基により保護されているか又はブロックされているペプチドを意味する。
【0010】
固相ペプチド合成は伝統的に、C−末端アミノ酸のそのα−カルボキシル官能基を介しての適当な固体支持体への取付け、及び段々に成長するペプチド鎖におけるアミノ酸残基の逐次的付加によるペプチドのアミノ末端方向へのペプチド鎖の延長により行われる。数十万の発表及び特許がこの方法及びペプチド医薬の製造へのその適用を記載している。
【0011】
C−末端カルボキシル官能基の取付けとは逆に、アミノ酸側鎖を介してのアミノ酸及びペプチドの適当な樹脂への取付け及びSPPSにおけるその応用が、非常に手短に、特に30未満の発表及び特許において記載されている。これらの発表の殆どが、Asp及びGluの側鎖カルボキシル官能基を介してのアミノ酸の取付けを記載している。
【0012】
本発明者の知識では、側鎖ヒドロキシル官能基を介してのアミノ酸の側鎖取付け及びペプチド合成における応用は限定されている:Fmoc-Hya-pNA(式A1)の側鎖取付け[A. Bernhardt, M. Drewello and M. Schutkowski, The solid-phase synthesis of side-chain-phosphorylated peptide-4-nitroanilides J. Peptide Res. 50, 1997. 143-152]及び短いニトロアニリド基質の合成のためのそれらの使用、環状ペプチド調製における応用のためのマイクロウエーブの助けによる2−クロロトリチル樹脂上でのFmoc-Hya-O‐アリルエステルの合成(式A2 [L. Rizzi, K. Cendic, N. Vaiana, S. Romeo, Alcohols immobilization onto 2-chlorotritylchloride resin under microwave irradiation, Tetrahedron Letters 52 (2011) 2808-2811 ])、及びTyr-フェノキシ官能基のMitsunobu酸化還元アルキル化によるベンジル型の樹脂上に取付けられたFmoc-Tyr-O-メチルエステルの合成(式A3 [C. Cabrele, M. Langer and A. G. Beck-Sickinger, Amino Acid Side Chain Attachment Approach and Its Application to the Synthesis of Tyrosine-Containing Cyclic Peptides, J. Org. Chem. 1999, 64, 4353-4361])及び短い環状ペプチドの合成のためのそれらの応用。
【0013】
本発明者の知識では、Hse及びHypの側鎖取付けは開示されていない。更に、保護されたペプチド、保護されたペプチドフラグメント並びに保護されたペプチドアミド及びぺプタイボル(peptaibol)の固相合成のための酸感受性樹脂上に側鎖取付けされたHyaの応用は報告されていない。
【0015】
固相ペプチド合成
1つの態様において、医薬的に興味あるペプチド酸、ペプチドアミド、及びペプタイボル(peptaibol)の改良された合成が提供される。
【0017】
本発明の1つの観点において、ヒドロキシアミノ酸をそのアミノ酸側鎖を介して、又は配列中にヒドロキシアミノ酸を含む小ペプチドをトリチル又はベンズヒドリル型の樹脂上に取付けて式I〜IVのアミノ酸−樹脂接合体又はペプチド樹脂接合体を生じさせることにより、ペプチドが高い収率及び純度で非常に効果的に製造された。ここで、式I〜IV中、Pは、固相ペプチド合成において使用される支持体から選択され、Pr
1は、H又はFmoc、Boc、Trt、Dde及びAllocから選択されるアミノ保護基であり、Pr
2は、Trt、Clt、Mmt、Mtt、Dpm及びtBuから選択される酸感受性ヒドロキシ保護基であり、Hyaは、D- 若しくは L-Ser、Thr、Tyr、Hse、Hyp、Hnvなどから選択されるヒドロキシアミノ酸であり、そしてAは、OH、OTrt、OClt、OMmt、OMtt、ODpm及びOtBuから選択される酸感受性アルコキシ基、NH
2、NHR
1、NR
1R
2(ここで、R
1及びR
2は独立に、アルキル基又は配列中に1〜10個のアミノ酸を含む保護された若しくは半保護されたペプチドである。
【0018】
他の態様において、本発明者は、天然のヒドロキシアミノ酸に由来するアミノアルコールから選択される式III〜VI(式中、P、X、V、Z及びPr
1は上に定義したとおりであり、R
3及びR
4はアルキル、アリール又はアラルキル基であり、そしてPr
2はトリチル、ベンズヒドリル又はベンジル型の酸感受性保護基である)の樹脂結合アミノアルコールを用いる固相合成によりペプタイボル(peptraibol)例えばオクトレオチド(octreotide)が得られたことを開示する。
【0020】
更に、本件発明者は、式I〜IVの樹脂の応用により調製されたペプチドは、ヒドロキシアミノ酸の側鎖ヒドロキシル官能基を介してトリチル型の樹脂上に取付けられる場合、穏和な酸性処理により当該樹脂から開裂されることができ、そしてこの場合tBu及びベンジル型の側鎖保護基はそのまま残ることを最初に開示する。1つの観点において、樹脂からの開裂は、1〜3%の酸溶液、例えばTFA、希釈HCl溶液による処理により、場合によっては溶剤中スカベンジャーを添加して生じさせる。1つの観点において、開裂は、溶剤、例えばDCM又はアセトン中で行うことができる。そのような部分的に保護されたペプチドは、溶液中又は固相上でのフラグメント縮合による更に長いペプチドの合成において有用であることが見出された。本発明の方法は、この明細書に記載される樹脂の応用の多様性を拡張し、そしてまた、得られる医薬ペプチド純度に有意な改良をもたらし、そして同時にそれらの合成のコストを実質的に低下させる。
【0021】
医薬的に興味ある若干のペプチドが、この明細書に記載される新規な方法の代表として、溶液中及び固相上での段階的(ステップ−バイ−ステップ)方法又はフラグメント縮合、あるいはそれらの組合せにより製造された。下記の例は代表例であり、他のペプチドへの応用はなんら限定されない。
【0022】
ランレオチド(Lanreotide):
1つの態様において、ランレオチドは、下記に示すように、樹脂に結合したThr-アミドを用いた固相合成によって製造された。
【0024】
ヒトインスリンB鎖:
任意には、ヒトインスリンB鎖は、SPPSにより合成された。1つの観点において、合成は、4−メトキシベンズヒドリル樹脂を用いて、実施例に記載されるような樹脂に結合したThr-t-ブチルから始まる。任意には、合成はまた、固相上で1−8部分保護されたBoc-Phe-Val-Asn(Trt)-Gln(Trt)-His(Trt)-Leu-Cys(Trt)-Gly-OH フラグメントを樹脂に結合した9−30フラグメントとの縮合により行うことができ、或いは部分的に保護された9−30フラグメントの樹脂からの開裂の後、1−8フラグメント及び9−30フラグメントの溶液中での縮合により行うことができる。
【0026】
サケカルシトニン:
任意には、サケカルシトニンは、樹脂に結合したFmoc-Thr-Pro-NH
2からの合成を開始することにより製造することができる。次に、ペプチド鎖はFmoc-アミノ酸を用いて延長される。
【0028】
任意には、樹脂に結合したサケカルシトニンは、2〜4フラグメントを用いて、上に示すように樹脂上での、又は下に示すように溶液中での、フラグメント縮合により製造される。
【0030】
オクトレオチド(Octreotide):
他の態様において、オクトレオチドは、下に示すようにスレオニノール(threoninol )の側鎖を介しての4−メトキシベンズヒドリル樹脂へのFmoc-threoninol-OTrt の取付け、それに続くFmoc-アミノ酸を用いてのオクトレオチド鎖の集合、及び最後に逐次的又は同時的Cys−酸化を用いる樹脂からのオクトレオチドの開裂により効率的に合成された。Fmoc-スレオニノール-OTrtは、適当な樹脂上のスレオニノールのヒドロキシメチル基を介して樹脂上に取付けられ得るFmoc-Thr(tBu)-オールに比べて非常に製造しやすい。この理由は、Fmoc-Thr(tBu)-オールの製造のための出発材料として使用されるH-Thr(OtBu)-オールが、樹脂上への側鎖を介してのスレオニノールの取付けに使用されるFmoc-スレオニノール-OTrtに比べて非常に製造しにくいからである。
【0032】
エキセナチド(Exenatide):
他の例において、Fmoc-Ser-NH
2は、その側鎖を介してトリチル樹脂に取付けられ、そしてエキセナチドの合成のために使用される。この合成は、下記のように、穏和な酸性処理による樹脂からの、部分的の保護されたエキセナチドフラグメントの開裂の後に溶液中で又は固相上で、段階的(ステップ−バイ−ステップ)態様により、又はフラグメント縮合により、実施することができる。この方法によれば、多くのPro及びGly残基を含むペプチドの合成の間に典型的に生成される殆どの不純物が完全に回避され、そして高純度のペプチドが得られる。この方法はまた、当業界において知られている他の方法を用いるペプチドアミドリンカーからのペプチドの開裂から生ずる不純物の完全な回避を可能にする。上記の当業界で知られている方法は、ペプチドの収率及び純度を有意に低下させる。
【0034】
1つの観点において、エキセナチドは、部分的に保護されたペプチド12−39を樹脂から開裂させ、そしてそれを、下に示すように溶液中で、部分的に保護された1−11フラグメントと縮合させることにより製造することができる。或いは、フラグメント1−13及びフラグメント14−39を用いて縮合を行い、保護されたエキセナチドを得ることができる。
【0036】
プラムリンチド(Pramlintide):
この方法はまた、アミリン(amylin)ペプチドの製造においても非常に効果的に使用される。1つの観点において、アミリン又はその誘導体、例えばプラムリンチドのC−末端Ser、Thr又はTyr残基の1つを用いて側鎖の取付けを行うことができる。合成は、溶液中又は固相上での段階的(ステップ−バイ−ステップ)態様により又はフラグメント縮合により行うことができる。シュードプロリン(pseudoprolines)(Ψ, Mutter et al, Peptide Res. (1995 8, 145) を参照のこと)を成長中のペプチド鎖に導入することにより、合成が加速され、そして得られるペプチドの純度が改良される。
【0038】
或いは、プラムリンチドの合成は、プラムリンチドの純度及び収率に関して同様の成功をもって、液相中で行うことができる。1つの態様において、Fmoc-Tyr-NH
2の側鎖を介して樹脂の結合した保護されたペプチドは、tBu−型の側鎖保護基をそのまま残して、穏和な酸性処理を用いてペプチド鎖の種々の位置で、樹脂から定量的に開裂させることができる。1つの例において、下に示すように、2−クロロトリチル樹脂上で調製された部分的に保護された1−10フラグメントが、部分的に保護された11−37フラグメントアミドと、段階的(ステップ−バイ−ステップ)態様で成功裏に縮合された。
【0039】
プラムリンチド(Pramlintide):
【化13】
【0040】
テトラコサクチド(Tetracosactide)(ACTH 1-24):
他の例において、下に示すように、ACTH 1-24が、樹脂に結合したFmoc-Tyr-Pro-OtBuから出発して段階的(ステップ−バイ−ステップ)方法により、或いは部分的に保護された1−10フラグメントを溶液中で11−24フラグメントと、又は樹脂の結合した11−24フラグメントと縮合させることにより効果的に調製された。
【0042】
ビバリルジン(Bivalirudin):
他の例において、下に示すように、ビバリルジンが、樹脂に結合したFmoc-Tyr-Leu-OtBuから出発して、Fmoc-アミノ酸により段階的(ステップ−バイ−ステップ)態様でペプチド鎖を延長し、最後に脱保護し、そしてペプチドを樹脂から開裂させることにより、高収量で且つ高純度で製造された。
【0043】
或いは、ビバリルジンは、保護されたフラグメントを樹脂上で縮合させることにより、或いは4〜15アミノ酸残基を含む部分的に保護されたペプチドを樹脂から開裂させ、そしてそれを5〜16アミノ酸を含むビバリルジンフラグメントと溶液中で縮合させることにより得られた。部分的に保護された1−10ビバリルジンフラグメントと、樹脂に結合した部分的に保護された11−20ビバリルジンフラグメントとの、樹脂上でのフラグメント縮合によるビバリルジンの合成を下に記載する。
【実施例】
【0045】
実施例1. Fmoc-Thr(4-メトキシベンズヒドリルポリスチリル)-OtBuの調製
【化16】
【0046】
H-Thr-OtBuとFmoc-OSuとの常法に従う反応により調製した30 mmolのFmoc-Thr-OtBuを、20 g(30 mmol)の4−メトキシベンズヒドリルポリスチレン樹脂(CBL-Patrasの製品)及び60 mmolのDIPEAと、250 mlのTHF中で10時間、室温にて反応させた。次に、この混合物に60 mmolのメタノールを添加し、そしてこの混合物を更に4時間振盪した。樹脂を濾過し、そしてTHF/MeOH/DIPEA (85:10:5)により3回、DMFにより6回、IPAにより4回、DEEにより3回洗浄し、そして一定重量まで真空乾燥した。0.95 mmol/g 樹脂の負荷をもって、29 gの樹脂結合Fmoc-Thr-OtBuを得た。
【0047】
実施例2. Fmoc-Thr(4-メトキシベンズヒドリルポリスチリル)-O-Clt
【化17】
【0048】
H-Thr-OMeとTrt-Cl/Me
3SiCl及びDIPEAとの常法に従う反応により調製した30 mmolのTrt-Thr-OMeを、20 g(30 mmol)の4−メトキシ4’ポリスチリルベンズヒドリルブロミド樹脂(CBL-Patrasの製品)及び60 mmolのDIPEAと、250 mlのTHF中で10時間、室温にて反応させた。次に、この混合物に60 mmolのメタノールを添加し、そしてこの混合物を更に4時間振盪した。樹脂を濾過し、そしてTHF/MeOH/DIPEA (85:10:5)により3回、DCMにより3回、DCM中1% TFAにより3回、THFにより4回、THF/水/メタノール(70:15:15)中1N-LiOHにより3回、THF/水(75:25)により3回、DMFにより4回洗浄し、そして次に室温にて2時間、60 mmolのFmoc-OSu及び30 mmolのDIPEAと反応させ、DMFにより3回、DCMにより3回洗浄し、そして次に、室温にて3時間50 mmolのTrt-Cl及び50 mmolのDIPEAと反応させ、DMFにより4回、DEEにより6回洗浄し、そして一定重量に真空乾燥した。0.78 mmol/g樹脂の負荷をもって、32.3 gの樹脂結合Fmoc-Thr-OtBuを得た。
【0049】
実施例3. Fmoc-Throl(4-メトキシベンズヒドリルポリスチリル)-O-Clt
A)
Fmoc-スレオニノールから出発
【化18】
【0050】
350 mlのDCM中50 mmolの市販のFmoc-スレオニノール(CBL-Patras)を、55 mmolのモノマーClt-Cl及び55 mmolのDIPEAと、室温にて4時間反応させた。得られた混合物を通常通り水で抽出し、そしてDCM相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥しそして濾過した。生じた溶液に、30 gの4−メトキシ,4−ポリスチリルベンズヒドリルブロミド(CBL-Patras)及び50 mmolのDIPEAを添加し、そして生ずる混合物を室温にて4時間撹拌した。樹脂を濾過し、そしてDMFにより6回、IPAにより4回及びDEEにより4回洗浄し、そして一定重量まで真空乾燥した。0.82 mmol/gの負荷をもって、38.4 gの樹脂結合Fmoc-スレオニノールを得た。
【0051】
B)
Trt-Thr(Resin)-OMeから出発
【化19】
【0052】
常法に従ってH-Thr-OMeとTrt-Cl/Me
3SiCl及びDIPEAとの反応により調製された30 mmolのTrt-Thr-OMeを、20 g (30 mmolの4−メトキシ4’−ポリスチリルベンズヒドリルブロミド樹脂(CBL-Patrasの製品)及び60 mmolのDIPEAと、250 mlのTHF中で、室温にて10時間反応させた。次に、この混合物に60 mmolのメタノールを添加し、そして混合物を更に4時間撹拌した。樹脂を濾過し、そしてTHF/MeOH/DIPEA (85:10:5)により3回、THFにより5回洗浄し、そしてTHF中30 mmolのLiBH
4と反応させた。
【0053】
次に、樹脂を濾過し、そしてTHFにより6回、DCMにより4回、DCM中1%TFAにより6回、DMF/DIPEA(97:3)により3回洗浄し、そして次に室温にて2時間、60 mmolのFmoc-OSu及び30 mmolのDIPEAと反応させ、DMFにより3回、DCMにより3回洗浄し、そして次に室温にて3時間、50 mmolのClt-Cl及び50 mmol DIPEAと反応させ、DMFにより4回、IPAにより6回及びDEEにより6回洗浄し、そして一定重量まで真空乾燥した。0.74 mmol/g樹脂の負荷をもって、34.7 gの樹脂結合Fmoc-Throl-O-Cltを得た。
【0054】
実施例4. Fmoc-Ser(トリチル樹脂)-NH2
当業界において知られている標準的手順により調製された50 mmolのFmoc-Ser-NH
2を、0.5リットルのDCMに溶解した。この懸濁液に、30 gのトリチルクロリド樹脂(36 mmol)及び65 mmolのDIPEAを添加し、そしてこの混合物を室温にて6時間撹拌した。次々と25 mlのメタノール及び30 mmolのDIPEAを添加し、そしてこの混合物を、更に室温にて2時間撹拌した。次に、樹脂を濾過し、そしてDCM/MeOH/DIPEA(90:5:5)により3回、DMFにより5回、IPAにより4回、DEEにより4回洗浄し、そして一定重量まで真空乾燥した。0.71 mmol/gの負荷をもって、41.1 gのFmoc-Ser-NH
2-含有樹脂を得た。
【0055】
実施例5. Fmoc-Tyr(2-クロロトリチル樹脂)-NH2
上記の手順に従って、50 mmolのFmoc-Tyr-NH
2及び30 gの2-CTCクロリド樹脂から、0.81 g Tyr/g樹脂の負荷をもって、43.7 gの樹脂を得た。
【0056】
実施例6. Fmoc-Hyp(4-メチルベンズヒドリル樹脂)-NH2
上記の手順に従って、50 mmolのFmoc-Hyp-NH
2及び30 gの4−メチルベンズヒドリルブロミド樹脂から、0.49 g Hyp/g樹脂の負荷をもって、39.8 gの樹脂を得た。
【0057】
実施例7. Fmoc-Thr(4-メトキシベンズヒドリル樹脂)-Pro-NH2
当業界において知られている標準的手順に従ってFmoc-Thr(tBu)-OHとH-Pro-NH
2とのカップリングにより調製された50 mmolのFmoc-Thr-Pro-NH
2を、0.5リットルDMEに溶解した。得られた溶液に、30 gの4−メトキシベンズヒドリルブロミド樹脂(45 mmol)及び65 mmolのDIPEAを添加し、そしてこの混合物を室温にて6時間撹拌した。次に、25 mlのメタノール及び50 mmolのDIPEAを添加し、そしてこの混合物を室温にて2時間撹拌した。次に樹脂を濾過し、そしてDME/MeOH/DIPEA(90:5:5)により3回、DMFにより5回、IPAにより4回、DEEにより4回洗浄し、そして一定重量まで真空乾燥した。0.77 mmol/gの負荷をもって、44.5 gのFmoc-Thr-Pro-NH
2含有樹脂を得た。
【0058】
実施例8. Fmoc-Tyr(2-クロロトリチル樹脂)-Pro-OtBu
当業界において知られている標準的手順に従って、50 mmolのFmoc-Tyr-Pro-OtBuを調製し、0.5リットルのDCMに溶解した。得られた溶液に、30 gの2−クロロトリチルクロリド樹脂(48 mmol)及び65 mmolのDIPEAを添加し、そしてこの混合物を室温にて12時間撹拌した。次に、25 mlのメタノール及び50 mmolのDIPEAを添加し、そしてこの混合物を更に2時間室温にて撹拌した。次に樹脂を濾過し、そしてDCM/MeOH/DIPEA(90:5:5)により3回、DMFにより5回、IPAにより4回、DEEにより4回洗浄し、そして一定重量まで真空乾燥した。0.64 mmol/gの負荷をもって、44.5 gのFmoc-Tyr-Pro-OtBu含有樹脂を得た。
【0059】
実施例9. Fmoc-Tyr(2-クロロトリチル樹脂)-Leu-OtBu
当業界において知られている標準的手順に従って調製した50 mmolのFmoc-Tyr-Leu-OtBuを、0.5リットルのTHFに溶解した。得られた溶液に、30 gの2-CTCクロリド樹脂(48 mmol)及び65 mmolのDIPEAを添加し、そしてこの混合物を60℃にて12時間撹拌した。次に、25 mlのメタノール及び50 mmolのDIPEAを添加し、そしてこの混合物を室温にて更に2時間撹拌した。次に樹脂を濾過し、そしてDCM/MeOH/DIPEA(90:5:5)により3回、DMFにより5回、IPAにより4回、DEEにより4回洗浄し、そして一定重量に真空乾燥した。0.64 mmol/gの負荷をもって、44.5 gのFmoc-Tyr-Leu-OtBu含有樹脂を得た。
【0060】
実施例10. ペプチド及び保護されたペプチドセグメントの固相合成
一般的手順
A1.
負荷された2−クロロトリチル樹脂の調製 一般的手順
2−クロロトリチルクロリド樹脂(CTC-Cl)(100 g;負荷1.6 mmol/g)(CBL-Patras)を、2Lのペプチド合成反応器に入れ、そして700 mLのジクロロメタン(DCM):ジメチルホルムアミド(DMF)1:1により25℃にて30分間膨潤させる。樹脂を濾過し、そして500 mLのDCM中100 mmolのFmoc-アミノ酸及び300 mmolのジイソプロピルエチルアミン(DIEA)の溶液を添加する。この混合物を25℃にて2時間窒素の下で撹拌する。
【0061】
次に、2-CTC樹脂の残っている活性部位を、10 mLのメタノール(MeOH)の添加及び1時間の反応により中和する。樹脂を濾過し、そして400 mLのDMFにより2回洗浄する。樹脂を濾過し、そしてDMF中25体積%のピペリジン500 mLにより30分間で2回洗浄する。次に樹脂を、500 mLのDMFにより4回処理する。樹脂を、500 mLのイソプロパノール(IPA)による3回の洗浄によって解膨潤する。樹脂を一定重量に乾燥する。この樹脂に、使用したアミノ酸のmmolの70〜95%が結合した。
【0062】
B.
固相合成 一般的プロトコール
パートA又は実施例1に記載したように、トリチル若しくはベンズヒドリル型の樹脂にエステル化された又は側鎖を介して取付けられた1.0gのアミノ酸又はペプチドを用いて、24℃にて固相合成を実施した。合成においては下記のプロトコールを使用した。
【0063】
B1.
樹脂の膨潤
樹脂を15 mlの反応器に入れ、そして7 mLのNMPにより2回処理し、次に濾過した。
B2.
アミノ酸の活性化
アミノ酸(3.0当量)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(4.0当量)を秤り取り、そしてそれらの2.5体積を有するNMPに反応器中で溶解し、そして0℃に冷却した。次に、DICを添加し(3.0当量)、そしてこの混合物を15分間撹拌した。
【0064】
B3.
カップリング
次に、B2で調製された溶液をB1の反応器に添加した。反応器を1体積のDCMにより1回洗浄し、そしてこの反応器に加え、これを25℃〜30℃において1〜3時間撹拌した。サンプルにおいてカイゼルテスト(Kaiser Test)を行うことにより、反応の完結を決定した。3時間後にカップリング反応が完結していない場合(カイゼルテスト陽性)、反応混合物を濾過し、そして活性化されたアミノ酸の新たな溶液を用いて再カップリングを行った。カップリングの完結の後、反応混合物を濾過し、そしてNMP(洗浄当たり5体積)により4回洗浄した。
【0065】
B4.
Fmoc-基の除去
B3において得られた樹脂を濾過し、そして次に、25体積%のピペリジンを含む5 mLの溶液により30分間処理した。次にこの樹脂を5mLのNMPにより3回洗浄した。
【0066】
B5.
ペプチド鎖の延長
各アミノ酸の導入の後、工程B1〜B5を、ペプチド鎖の完成まで反復した。
各個々のアミノ酸の導入のため次のFmoc-アミノ酸を使用した:Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-Asn-OH、Fmoc-Asn(Trt)-OH、Fmoc-D-Cys(Trt)-OH、Fmoc-Cys(Trt)-OH、Fmoc-Gln-OH、Fmoc-Gln(Trt)-OH、Fmoc-Glu(tBu)-OH、Fmoc-Gly-OH、Fmoc-His(Trt)-OH、Fmoc-Hyp(tBu)-OH、Fmoc-Ile-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Met-OH、Fmoc-D-Phe-OH、Fmoc-Phe-OH、Fmoc-Pro-OH、Fmoc-Ser(tBu)-OH、Fmoc-Ser(Trt)-OH、Fmoc-Thr(tBu)-OH、Fmoc-Ser(Trt)-OH、Fmoc-D-Trp-OH、Fmoc-Trp-OH、Fmoc-D-Trp(Boc)-OH、Fmoc-Trp(Boc)-OH、Fmoc-Tyr(tBu)-OH、Fmoc-Tyr(Clt)-OH、Fmoc-Val-OH、Boc-D-Cys(Trt)-OH、Boc-His(Trt)-OH、Boc-Lys(Boc)-OH、Boc-D-2-Nal-OH、Boc-D-Phe-OH、Boc-Ser(tBu)-OH。
【0067】
C.
N−末端にFmoc-又はBoc-基を含むペプチド又は保護されたペプチドセグメントのCTC−樹脂からの酸性開裂のための一般的方法
上記B1〜B5において記載されたようにして製造された、樹脂の結合したぺプチド又はペプチドセグメントを、5 mLのNMPにより4回、5mlのIPAにより3回そして最後に7mlのDCMにより5回洗浄することにより、すべての残留NMP又は他の塩基性成分を完全に除去した。次に、樹脂を0℃に冷却し、DCMから濾過し、そして10 mLの1〜2%TFA/DCM溶液により2回、5℃にて処理した。次にこの混合物を0℃にて20分間撹拌し、そして濾過した。次に樹脂を10 mLのDCMにより3回洗浄した。
【0068】
次に、ロ液にピリジンを添加(TFAに対して1.3当量)してTFAを中和した。次に、DCM中の開裂溶液を同体積の水と混合する。生ずる混合物を減圧下で蒸留してDCMを除去する(28℃にて350 torr)。DCMの除去後にペプチド又はペプチドセグメントが沈殿する。次に、生ずるペプチドを水で洗浄し、そして15 Torrの真空の下で30〜35℃にて乾燥する。
【0069】
実施例11. N−末端が保護されたフラグメントと樹脂に結合したC−末端が保護されたフラグメントとの縮合による樹脂に結合した保護されたペプチドの合成
一般的手順
DMSO/DCM(95:5)中0.15 mmol/mlのN−末端が保護されたペプチドフラグメントの溶液に、0.2 mmolのHOBtを添加し、そして生ずる溶液を5℃に冷却する。次に、0.14 mmolのDICを添加し、そして混合物を15℃にて20分間撹拌し、そして次に0.1 mmolの樹脂結合C−末端フラグメントに加え、そして室温にて更に6時間撹拌する。縮合反応の完結をカイゼルテストによりチェックする。カイゼルテストが青色のままである場合、縮合を完結させるため第2の縮合を行った。
【0070】
実施例12. N−末端が保護されたフラグメントとC−末端が保護されたフラグメントとの溶液中での縮合による部分的に保護されたペプチドの合成
一般的手順
DCM中0.15 mmol/mlのN−末端が保護されたフラグメントの溶液に、0.2 mmolのHOBtを添加し、そして生ずる溶液を5℃に冷却する。次に、0.15 mmolのEDACを添加し、そしてこの混合物を15℃にて20分間撹拌し、そして次に0.15 mmolのC−末端が保護されたフラグメントに添加し、そして室温にて更に2〜5時間撹拌する。縮合反応の完結をHPLCによりチェックする。不完全な縮合が観察された場合には、追加分の0.015 mmolのEDACを添加し、そして室温にて更なる時間にわたって反応を続ける。
【0071】
実施例13. 樹脂からのペプチドの同時的開裂及び脱保護
一般的方法
上記のようにして製造された1.00 gの保護された樹脂結合ペプチドを、20 mLのTFA/DTT/水(90:5:5)により5℃にて3時間及び15℃にて1時間処理する。次に、樹脂を開裂溶液により3回洗浄し、そして次に、一緒にしたロ液を真空濃縮し、そして粗ペプチドをエーテルの添加により沈澱させ、エーテルにより数回洗浄し、そしてKOH上で一定重量まで真空乾燥する。
【0072】
実施例14. ペプチドの脱保護
一般的方法
上記のようにして製造された1.00 gの保護されたペプチドを、20 mLのTFA/DTT/水(90:5:5)により、5℃にて3時間及び15℃にて1時間処理した。生ずる溶液を真空濃縮し、そして次に、脱保護されたペプチドをジイソプロピルエーテルの添加により沈澱させ、そして10 mLのジイソプロピルエーテルにより3回洗浄した。生ずる固体を、KOHの下で一定重量まで真空乾燥(25℃、15 Torr)した。
【0073】
実施例15. 粗ペプチドの精製 ペプチドの単離
一般的手順
上記のようにして得られたペプチドの溶液を真空濃縮し、そして氷水及びエーテルを添加した。有機相を分離した後、ペプチドの残った水溶液をエーテルにより更に2回抽出し、そして生ずる溶液に窒素又はヘリウムを吹き込み、濾過しそして半調製用カラム10x25 cm, Lichrospher 100, RP-18, 12ミクロン(Merck)に直接付加した;A相=アセトニトリル中1%-TFA、B相=水中1%-TFA;又はクロマシル(Kromasil)。精製されたペプチドを含むHPLC画分を真空濃縮してできるだけ多くの汚染アセトニトリルを除去し、そして標準的凍結乾燥プログラムを用いて凍結乾燥した。
【0074】
下に記載する実施例16〜23を、上記の手順を用いて実施して、下記にリストされた化合物を調製した。
実施例16. ランレオチド(Lanreotide)
実施例17. インスリンB−鎖
実施例18. サケカルシトニン
実施例19. オクトレオチド(Octreotide)
実施例20. エキセナチド(Exenatide)
実施例21. プラムリンチド(Pramlintide)
実施例22. テトラコサクチド(Tetracosactide)(ACTH 1-24)
実施例23. ビバリルジン(Bivalirudin)