(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1排出口、前記第2排出口、前記第3排出口、及び前記第4排出口は、前記下側部と前記上側部との間に均等に離隔されていることを特徴とする請求項1に記載のコーティング装置。
前記複数個の被コーティング部材は、実質的に前記下側部と平行であり、前記下側部と前記上側部との間に均等な間隔を有して配置されることを特徴とする請求項1に記載のコーティング装置。
前記蒸着チャンバーの内側に配置され、前記複数個の被コーティング部材を各々支持する複数個の支持部と、前記支持部を固定させる固定軸とを含むステージをさらに有することを特徴とする請求項3に記載のコーティング装置。
前記第1排出口、前記第2排出口、前記第3排出口、及び前記第4排出口が整列された方向を第1方向として定義し、前記第1方向に直交する方向を第2方向として定義し、
前記拡散板は、前記第1方向に配置された上側部、中心部、及び下側部に区分され、
前記中心部の前記第2方向の幅は、前記上側部及び前記下側部の前記第2方向の幅より大きく、
前記上側部及び前記下側部の前記第2方向の幅は、前記中心部から遠くなるほど減少することを特徴とする請求項8に記載のコーティング装置。
前記中間管の断面積は、前記第1補助管の断面積及び前記第2補助管の断面積より大きく、前記メイン管の断面積は、前記中間管の断面積より大きいことを特徴とする請求項1に記載のコーティング装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係るコーティング装置を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態によるコーティング装置のブロック図である。
コーティング装置は、原料供給部100、気化部200、熱分解部300、蒸着チャンバー400、コールドトラップ500、真空ポンプ600、制御部700を含む。
【0012】
原料供給部100は、蒸着物質の粉末形二量体を気化部200へ供給する。
本実施形態で蒸着物質はパリレン(PARYLENE)として説明される。但し、蒸着物質はパリレンに制限されなく、気化された二量体が単量体に熱分解される他の物質が適用され得る。
原料供給部100と気化部200とは第1連結管FP1によって連結される。
原料供給部100は気化部200へ一定な量のパリレン二量体を供給する。
原料供給部100に収容されたパリレン二量体の質量変化量を算出して、パリレン二量体の供給流量を制御することができる。
【0013】
気化部200は、流入されたパリレン二量体を気化させる。
気化部200は、パリレン二量体を約150℃〜230℃の温度に加熱する。
気化部200と熱分解部300とは第2連結管FP2によって連結される。
気化部200は、気化されたパリレン二量体を第2連結管FP2を通じて熱分解部300へ提供する。
【0014】
熱分解部300は、気化されたパリレン二量体をパリレン単量体に熱分解する。
熱分解部300は、熱分解反応のために気化されたパリレン二量体を約650℃以上に加熱する。
パリレン二量体は、置換基にしたがって、パラキシレン、モノクロロパラキシレン、ジクロロパラキシレン等であり得る。
熱分解部300と蒸着チャンバー400とは第3連結管FP3によって連結される。
熱分解部300は、パリレン単量体を第3連結管FP3を通じて蒸着チャンバー400へ提供する。
【0015】
蒸着チャンバー400は、少なくとも1つの被コーティング部材を収容する。
パリレン単量体は被コーティング部材に蒸着される。
パリレン単量体は被コーティング部材に蒸着され、ポリマーをなす。ポリマーは被コーティング部材を保護する保護膜をなす。
被コーティング部材は、表示パネルであり得る。但し、被コーティング部材の種類は制限されない。
蒸着チャンバー400とコールドトラップ500とは第4連結管FP4によって連結される。
第4連結管FP4を通じて蒸着されなかったパリレン単量体が蒸着チャンバー400から排出される。
【0016】
コールドトラップ500は、蒸着されなかったパリレン単量体を冷却させる。
冷却されたパリレン単量体は、蒸着チャンバー400へ逆流させない。
コールドトラップ500と真空ポンプ600とは第5連結管FP5によって連結される。
一方、コールドトラップ500は省略され得る。この時、第4連結管FP4は蒸着チャンバー400と真空ポンプ600とを直接連結する。
【0017】
パリレン単量体の流体経路は、真空ポンプ600(
図1参照)の吸入によって形成される。
真空ポンプ600の吸入強さによって、パリレン単量体の流速が決定される。
【0018】
制御部700は、コーティング装置を制御する。
制御部700は、原料供給部100のパリレン二量体の排出量を調節する。
また、制御部700は気化部200及び熱分解部300の温度を制御する。
また、制御部700は真空ポンプ600の吸入強さを制御する。
また、図には示していないが、第1〜第5連結管(FP1〜FP5)には各連結管を流れる流体の量を制御するバルブが具備され得る。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態による蒸着チャンバーと排出管との斜視図であり、
図3は
図2に示す蒸着チャンバーに形成された流体経路を示す図である。
図2に示すように、蒸着チャンバー400は、下側部410、上側部420、下側部410と上側部420とを連結する側壁部430を含む。
蒸着チャンバー400は
図2に示すように、円筒形であり得る。
【0020】
下側部410上にパリレン単量体が蒸着される被コーティング部材(SUB1〜SUB10)が配置される。
図2には板形状の10つの被コーティング部材(SUB1〜SUB10)を例示的に示す。
板形状の被コーティング部材(SUB1〜SUB10)は下側部410と並行に配置される。
被コーティング部材(SUB1〜SUB10)は下側部410と上側部420との間に均等な間隔を有して配列される。
【0021】
蒸着チャンバー400は、側壁部430に配置された流入口(430−I)と第1排出口(430−01)、第2排出口(430−02)、第3排出口(430−03)、及び第4排出口(430−04)を含む。
第1排出口(430−01)、第2排出口(430−02)、第3排出口(430−03)、及び第4排出口(430−04)は、下側部410と上側部420との間に均等な間隔に配列される。
【0022】
第1排出口(430−01)と第2排出口(430−02)との間隔ID1、第2排出口(430−02)と第3排出口(430−03)との間隔ID2、及び第3排出口(430−03)と第4排出口(430−04)との間隔ID3は同一である。
ここで、第1排出口(430−01)、第2排出口(430−02)、第3排出口(430−03)、及び第4排出口(430−04)が配列される方向は、第1方向DR1として定義される。第1方向DR1は、下側部410の法線方向である。
【0023】
流入口(430−I)は、整列された第1排出口(430−01)、第2排出口(430−02)、第3排出口(430−03)、及び第4排出口(430−04)と対向するように配置される。
それによって、流入口(430−I)から第1〜第4排出口(430−01〜430−04)の間の流体経路が長くなり、パリレン単量体が被コーティング部材(SUB1〜SUB10)に蒸着される確率が高くなる。
【0024】
第4連結管FP4は、パリレン単量体の中で被コーティング部材(SUB1〜SUB10)に蒸着されなかった一部のパリレン単量体を蒸着チャンバー400から排出させる。
第4連結管FP4は、機能的には蒸着チャンバー400の排出管である。
第4連結管(排出管)FP4は、第1補助管(FP4−1)、第2補助管(FP4−2)、中間管(FP4−3)、メイン管(FP4−4)を含む。
【0025】
第1補助管(FP4−1)は、第1排出口(430−01)及び第2排出口(430−02)に連結され、第2補助管(FP4−2)は、第3排出口(430−03)及び第4排出口(430−04)に連結される。
中間管(FP4−3)は、第1補助管(FP4−1)と第2補助管(FP4−2)とに連結される。メイン管(FP4−4)は、中間管(FP4−3)及びコールドトラップ500(
図1参照)に連結される。
【0026】
図3に示すように、第1補助管(FP4−1)は、第1排出口(430−01)及び第2排出口(430−02)から1つの中間排出経路を形成し、第2補助管(FP4−2)は、第3排出口(430−03)及び第4排出口(430−04)から他の1つの中間排出経路を形成する。
中間管(FP4−3)は、第1補助管(FP4−1)及び第2補助管(FP4−2)から1つのメイン排出経路を形成する。
【0027】
第4連結管(排出管)FP4によって、流入口(430−I)と第1〜第4排出口(430−01〜430−04)との間には蒸着チャンバー400の領域に関わらず均一な流体経路が形成される。
したがって、被コーティング部材(SUB1〜SUB10)の位置に関わらず均一な厚さの保護膜が形成される。
【0028】
図4は、
図2に示した蒸着チャンバーの部分切開斜視図である。
以下、
図4を参照して蒸着チャンバーの内部構成に対してさらに詳細に説明する。
【0029】
蒸着チャンバー400は、内側にステージSTが配置される。
ステージSTは、支持部(SS7〜SS10)及び支持部(SS7〜SS10)を固定させる固定軸SPTを含む。
図4は、10つの支持部の中で4つの支持部(SS7〜SS10)とそれに対応する4つの被コーティング部材(SUB7〜SUB10)のみを示した。
【0030】
支持部(SS7〜SS10)は、第1方向DR1に均一に離隔される。
支持部(SS7〜SS10)は、被コーティング部材(SUB1〜SUB10)を各々支持する。
支持部(SS7〜SS10)に冷却装置(CA7〜CA10)が各々配置される。
冷却装置(CA7〜CA10)の各々は、対応する支持部(SS7〜SS10)の下面に付着される。冷却装置(CA7〜CA10)の各々は冷媒ガス又は水が循環する配管で構成することができる。他の実施形態で冷却装置(CA1〜CA10)は対応する支持部(SS7〜SS10)の内部に具備され得る。
【0031】
冷却装置(CA7〜CA10)は、支持部(SS7〜SS10)周囲の温度を他の領域の温度より低くする。
パリレン単量体は約30℃で蒸着効率が高いが、熱分解された後、直ちに蒸着チャンバー400へ進入したパリレン単量体は30℃より高温である。
冷却装置(CA7〜CA10)は、支持部(SS7〜SS10)の周辺を低温雰囲気に作って被コーティング部材(SUB1〜SUB10)に蒸着されるパリレン単量体の温度を間接的に低くする。
それによって、パリレン単量体の蒸着効率が向上される。
【0032】
蒸着チャンバー400の側壁部430に加熱装置HAが配置される。
加熱装置HAは、側壁部430の内側面に配置された熱線又は高温の液体が循環する配管で構成することができる。
加熱装置HAは、パリレン単量体が側壁部430の内側面に蒸着されないように側壁部430を加熱する。
【0033】
図5は、
図4に示した被蒸着部材の部分斜視図である。
図5には表示パネルを例示的に示した。
図5に示すように、表示パネルDPは複数個の画素領域PXAが具備されたベース基板BSを含む。
【0034】
ベース基板BS上に複数個の画素領域PXAに対応するように複数個の第1電極EL1が配置される。
ベース基板BS上に複数個の画素領域PXAに対応する複数個のトンネルを有する第2電極EL2が配置される。
複数個のトンネルには液晶分子LCが配置される。
複数個の画素領域PXAに配置された第1電極EL1と第2電極EL2とが形成する電界によって、複数個のトンネルには配置された液晶分子LCの配向配列が変更する。
蒸着チャンバー400で表示パネルDP上に第2電極EL2をカバーするパリレン保護膜が形成する。パリレン保護膜は複数個のトンネルの開口を密閉する。
【0035】
一方、図に示していないが、ベース基板BSは複数個の第1電極EL1へ信号を提供する配線とスイッチング素子とをさらに含むことができる。
また、表示パネルDPは、パリレン保護膜を形成する以前に第2電極EL2上に形成された有機膜又は無機膜をさらに含むことができる。
図5に示すものとは異なり、複数個のトンネルは有機膜又は無機膜によって形成することができる。この時、第2電極EL2は第1電極EL1に対向するようにトンネルの上側に配置される。
【0036】
図6は、本発明の一実施形態によるコーティング装置の排出管の図である。
図2を参照して説明した構成と同一である構成に対する詳細な説明は省略する。
図6に示すように、排出管FP40は、第1補助管(FP40−1)、第2補助管(FP40−2)、中間管(FP40−3)、メイン管(FP40−4)を含む。
【0037】
図6に示すように、中間管(FP40−3)の直径DM3は第1補助管(FP40−1)の直径DM1及び第2補助管(FP40−2)の直径DM2より大きいことが望ましい。
メイン管(FP40−4)の直径DM4は中間管(FP40−3)の直径DM3より大きいことが望ましい。
言い換えれば、中間管(FP40−3)の断面積は、第1補助管(FP40−1)の断面積及び第2補助管(FP40−2)の断面積より大きくて、メイン管(FP40−4)の断面積は中間管(FP40−3)の断面積より大きい。
【0038】
第1補助管(FP40−1)及び第2補助管(FP40−2)を流れるパリレン単量体が中間管(FP40−3)へ流れ込んでも流速が減少しなく、中間管(FP40−3)を流れるパリレン単量体がメイン管(FP40−4)へ流れ込んでも、流速が減少しない。
したがって、未蒸着のパリレン単量体は、排出管FP40を通じて蒸着チャンバー400から円滑に排出される。
【0039】
第1補助管(FP40−1)、第2補助管(FP40−2)、及び中間管(FP40−3)の各々は少なくとも1つの変曲部VPを含む。第1補助管(FP40−1)、第2補助管(FP40−2)、及び中間管(FP40−3)の各々は、変曲部VPで曲線をなして湾曲される。
図6は、2つの変曲部VPを具備する“U”形態の第1補助管(FP40−1)、第2補助管(FP40−2)、及び中間管(FP40−3)を例示的に示した。曲線をなす変曲部VPは流速減少を最少化し、変曲部VPに加えられる圧力を低くする。
【0040】
排出管FP40は、第1補助管(FP40−1)の末端と第1排出口(430−01)(
図2参照)及び第2排出口(430−02)(
図2参照)の間に各々具備されたホーン型連結管BPをさらに含む。
ホーン型連結管BPは、第1補助管(FP40−1)の一側の末端から第1排出口(430−01)に行くほど、断面積が増加する。
ホーン型連結管BPは、第2補助管(FP40−2)の末端と第3排出口(430−03)及び第4排出口(430−04)との間にも配置される。ホーン型連結管BPは排出管FP40へ流れ込む未蒸着のパリレン単量体の量を増加させる。
【0041】
図7A〜
図7Cは、本発明の一実施形態によるコーティング装置のチャンバーの流入領域を示す図であり、
図8A、
図8Bは、本発明の一実施形態によるコーティング装置の拡散板を示す図である。
図7A〜
図7Cに示すように、蒸着チャンバー400は側壁部430から突出した流入領域(430−IA)を含む。流入領域(430−IA)に流入口(430−I)が配置される。
【0042】
蒸着チャンバー400の内側に流入口(430−I)に対向する拡散板DSが配置される。
流入口(430−I)へ流入したパリレン単量体は、拡散板DSにぶつかって均一に分散される。
拡散板DSは、ステンレススチールで構成することができる。
【0043】
図8A及び
図8Bに示すように、拡散板DSは、流入口(430−I)に対向する曲面CSを含む。
図8A及び
図8Bには、曲線に曲がった形状の拡散板DSを例示的に示した。
【0044】
拡散板は、第1方向DR1に配列された上側部UP、中心部CP、及び下側部LPに区分される。
中心部CPの第1方向DR1と直交する第2方向DR2の幅W10は、上側部UP及び下側部LPの第2方向DR2の幅W20、W30より大きい。
また、上側部UP及び下側部LPの第2方向DR2の幅W20、W30は、中心部CPから遠くなるほど、減少する。
【0045】
上側部UP、中心部CP、及び下側部LPの第1方向DR1の長さは実質的に同一であり得る。中心部CPは八角形状であり、上側部UP、及び下側部LPは等辺台形形状であり得る。
流入口(430−I)に対向する中心部CPはパリレン単量体が被コーティング部材(SUB1〜SUB10)の中に一部が直接提供されることを防止する。上側部UP及び下側部LPは蒸着チャンバー400の上側と下側とへ分散されるパリレン単量体の量を増加させる。
【0046】
図9は、本発明の一実施形態によるコーティング装置の気化部を示す図である。
気化部200は管状形状を有する。
気化部200の内部には図に示していない熱線が配置される。パリレン二量体の気化される量は温度によって敏感に変化する。
【0047】
気化部200を冷却させる空冷式冷却装置ACAが気化部200の外部に配置される。
空冷式冷却装置ACAは、気化部200を囲む。
空冷式冷却装置ACAは、気体が排出される排出ホールOHを具備するチューブで構成される。気体は空気であるか、あるいは窒素であり得る。排出ホールOHから排出された気体は気化部200を冷却させる。
【0048】
蒸着チャンバー400の蒸着終了に対応して空冷式冷却装置ACAが動作する。
パリレン単量体の蒸着が終了した以後、気化部200が空冷式冷却装置ACAによって迅速に冷却されることによって、パリレン単量体の気化が中断される。それによって、不必要なパリレン単量体又はパリレン二量体が蒸着チャンバー400へ流れ込むことを防止することができる。
【0049】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。