(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記した
図10(従来)のアウトリガ格納状態報知装置では、左右の各アウトリガビーム2,3の各格納状態をそれぞれ個別(2個)の検出器50,50で検出するようにしているが、このように左右の各アウトリガビーム2,3をそれぞれの検出器50,50で個別に検出するものでは、該検出器50やその取付用のサポートやハーネス等がそれぞれ2セット必要となる。
【0008】
従って、
図10(従来)のアウトリガ格納状態報知装置では、左右の各アウトリガビーム2,3の格納状態を知るだけの比較的単純な機能の割に、検出器50やその取付用のサポートやハーネスがそれぞれ2セット必要であるので、コスト高になるという問題があった。
【0009】
又、
図10(従来)のアウトリガ格納状態報知装置では、左右のアウトリガビーム2,3の格納状態を検出するための各検出器50,50がそれぞれアウトリガボックス1の下面に露出状態で取付けられているが、このように各検出器50,50がアウトリガボックス1の下面に露出していると、走行中に該検出器50に泥水(冬期には融雪剤)が付着して機能障害(検出不良)を起こしたり錆びが発生したりする原因になるという問題もあった。
【0010】
そこで、本願発明は、アウトリガ(両アウトリガビーム)の格納状態を簡単な構成で検出して報知し得るようにしたアウトリガ格納状態報知装置を提供することを第1の目的としている一方、アウトリガ格納検出のための検出器が走行中に泥水(冬期には融雪剤)で汚れないようにすることを第2の目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、アウトリガの格納状態報知装置を対象にしたものである。又、以下の説明では、本願発明の「アウトリガの格納状態報知装置」を単に「アウトリガ格納状態報知装置」ということがある。
【0012】
[本願請求項1の発明]
本願請求項1の発明のアウトリガ格納状態報知装置は、車体に固定されたアウトリガボックスに対して車体の左右各外方に出没可能な左右一対のアウトリガビームを有したアウトリガにおいて、上記左右の両アウトリガビームの格納状態を検出する単一の検出器と、上記左右いずれか一方のアウトリガビームに設けられていて上記検出器がOFFとなる非検出姿勢と上記検出器をONさせる検出姿勢との間で変位する変位プレートと、上記左右いずれか他方のアウトリガビームに設けられていて上記左右の両アウトリガビームが上記アウトリガボックスに対して共に格納完了位置まで没入したときに上記変位プレートを上記非検出姿勢から上記検出姿勢に変位させるプレート操作部とを有した格納検出手段を備え、さらに上記格納検出手段は、上記両アウトリガビームが共に上記格納完了位置まで没入したときに上記プレート操作部が上記変位プレートを上記非検出姿勢から上記検出姿勢に変位させて上記検出器から格納検出信号を発するようにしたものであるとともに、上記検出器から上記格納検出信号が発せられたときにそれを報知する報知手段を備えていることを特徴としている。
【0013】
ところで、アウトリガの格納は、アウトリガボックスに対して左右の両アウトリガビームが共に格納完了位置まで没入することが要件となるが、この請求項1のアウトリガ格納状態報知装置では、左右の両アウトリガビームが共に格納完了位置まで没入したときに、上記変位プレートを介して単一の検出器が格納検出信号を発するようになっている。
【0014】
そして、この請求項1のアウトリガの格納状態報知装置では、上記検出器からの格納検出信号が発せられると、報知手段がアウトリガ格納状態であることを報知するようになっている。
【0015】
[本願請求項2の発明]
本願請求項2の発明は、上記請求項1のアウトリガ格納状態報知装置において、上記格納検出手段を上記アウトリガボックスの内部空所に設置していることを特徴としている。
【0016】
この請求項2のアウトリガ格納状態報知装置では、検出器と変位プレートを有した格納検出手段がアウトリガボックスの内部空所に設置されているので、該格納検出手段に泥水等が付着しない。
【0017】
[本願請求項3の発明]
本願請求項3の発明のアウトリガ格納状態報知装置は、車体に固定されたアウトリガボックスに対して車体の左右各外方に出没可能な左右一対のアウトリガビームを有したアウトリガにおいて、上記左右の両アウトリガビームの格納状態を検出する単一の検出器と、上記アウトリガボックスに設けられていて上記検出器がOFFとなる非検出姿勢と該検出器をONさせ得る検出姿勢との間で変位する変位プレートと、上記左右いずれか一方のアウトリガビームに設けられていて該一方のアウトリガビームがアウトリガボックスに対して格納完了位置まで没入したときに上記変位プレートを非検出姿勢から検出姿勢に変位させるプレート操作部と
、上記左右いずれか他方のアウトリガビームに設けられていて該他方のアウトリガビームが上記アウトリガボックスに対して格納完了位置まで没入したときに上記検出器をONさせ得る検出器ON操作部とを有した格納検出手段を備え、さらに上記格納検出手段は、上記両アウトリガビームが共に上記格納完了位置まで没入したときに上記プレート操作部が上記変位プレートを非検出姿勢から検出姿勢に変位させると同時に
上記検出器ON操作部が上記検出器をONさせて該検出器から格納検出信号を発するようにしたものであるとともに、上記検出器から上記格納検出信号が発せられたときにそれを報知する報知手段を備えていることを特徴としている。
【0018】
この請求項3のアウトリガ格納状態報知装置でも、上記請求項1のものと同様に、左右の両アウトリガビームが共に格納完了位置まで没入したときに、上記変位プレートを介して単一の検出器が格納検出信号を発し、それによって報知手段がアウトリガ格納状態であることを報知するようになっている。
【発明の効果】
【0019】
[本願請求項1の発明の効果]
本願請求項1の発明のアウトリガ格納状態報知装置は、上記したように、左右の両アウトリガビームが共に格納完了位置まで没入したときに、上記変位プレートを介して単一(1個)の検出器が格納検出信号を発するように構成している。
【0020】
従って、この請求項1のアウトリガ格納状態報知装置では、アウトリガ(両アウトリガビーム)の格納状態を単一(1個)の検出器で検出できるので、アウトリガ格納状態を報知するための報知装置としての構成(特にアウトリガ格納状態を検出するための構成)が簡略になってコストダウンを達成できるという効果がある。
【0021】
[本願請求項2の発明の効果]
本願請求項2の発明は、上記請求項1のアウトリガ格納状態報知装置において、格納検出手段をアウトリガボックスの内部空所に設置しているので、該格納検出手段が外部に露出しない。
【0022】
従って、この請求項2のアウトリガ格納状態報知装置では、上記請求項1の効果に加えて、上記格納検出手段に泥水(冬期の融雪剤を含む)が付着しないので、該泥水付着による検出器の機能障害(検出不良)や錆びの発生等のトラブルを改善できるという効果がある。
【0023】
[本願請求項3の発明の効果]
本願請求項3の発明のアウトリガ格納状態報知装置も、上記請求項1のものと同様に、左右の両アウトリガビームが共に格納完了位置まで没入したときに、上記変位プレートを介して単一(1個)の検出器が格納検出信号を発するように構成している。
【0024】
従って、この請求項3のアウトリガ格納状態報知装置でも、アウトリガ(両アウトリガビーム)の格納状態を単一(1個)の検出器で検出できるので、アウトリガ格納状態を報知するための報知装置としての構成(特にアウトリガ格納状態を検出するための構成)が簡略になってコストダウンを達成できるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[実施例]
以下、
図1〜
図9を参照して本願のアウトリガ格納状態報知装置のいくつかの実施例を説明すると、
図1〜
図3には本願の第1実施例を示し、
図4〜
図5には同第2実施例を示し、
図6〜
図9には同第3実施例を示している。又、
図1〜
図3の第1実施例は、本願請求項1と2の両方に対応するものであるが、
図4〜
図5の第2実施例及び
図6〜
図9の第3実施例は、それぞれ本願請求項3のみに対応するものである。
【0027】
「
図1〜
図3の第1実施例」
図1に示すアウトリガは、クレーン車や高所作業車等の車体に取付けて、作業車を安定姿勢で浮上させるためのものである。そして、
図1に示すアウトリガは、1本(共通)のアウトリガボックス1内に、その左右各端部の開口11,11から左右のアウトリガビーム(左アウトリガビーム2、右アウトリガビーム3)をそれぞれ出没させ得る状態で収納しているとともに、左右の各アウトリガビーム2,3の外端部にそれぞれジャッキ4,4を取付けて構成したものである。
【0028】
図1のアウトリガにおいて、アウトリガボックス1に対して左右の各アウトリガビーム2,3がそれぞれ格納完了位置まで没入している状態(実線図示状態)では、左アウトリガビーム2の後端部21と右アウトリガビーム3の後端部31とがアウトリガボックス1の長さ方向中央付近で近接している一方、アウトリガの使用時には、各アウトリガビーム2,3を鎖線図示(符号2′,3′)するようにそれぞれ外側に張出させる。尚、
図1のアウトリガでは、左右の各アウトリガビーム2,3をそれぞれ手動で出没させるようになっているが、他の実施例では該各アウトリガビーム2,3を伸縮シリンダで出没させるようにしたものも採用できる。
【0029】
左右のアウトリガビーム2,3は、実線図示する格納完了位置まで没入させた状態では、アウトリガボックス1に対してそれぞれロックピン23,33により自動でロックされるようになっている。即ち、この各ロックピン23,33は、それぞれ各アウトリガビーム2,3の底板に取付けられていて、図示しないスプリングにより常時下向きに付勢されている。そして、
図2に拡大図示するように、各アウトリガビーム2,3が格納完了位置まで没入した状態では、各ロックピン23,33の下部がアウトリガボックス1の底板に設けた各係合穴13,13に係入することで、各アウトリガビーム2,3をロックするようになっている。尚、この各ロックピン23,33のロック解除は、ケーブル24,34を介して各アウトリガビーム2,3の外端部に設けたハンドル25,35を操作することで、スプリングの付勢力に抗して上動させる(係合穴13から抜け出す)ことで実行できる。
【0030】
図1に示すアウトリガには、アウトリガが格納状態にあることを報知するアウトリガ格納状態報知装置を備えている。
【0031】
図1〜
図3に示す第1実施例のアウトリガ格納状態報知装置は、左右の各アウトリガビーム2,3がそれぞれ格納完了位置まで没入したときにその格納状態を検出する格納検出手段5と、該格納検出手段5(検出器50)から格納検出信号が発せられたときにそれを報知する報知手段6とで構成されている。
【0032】
図1〜
図3の第1実施例で採用している格納検出手段5は、
図2に拡大図示するように、左右のアウトリガビーム2,3の各後端面間の空所に単一(1個)の検出器50を取付けている一方、左右いずれか一方のアウトリガビーム(
図1〜
図3では左アウトリガビーム2)の後端面に上記検出器50をON・OFFさせる(検出姿勢と非検出姿勢とに変位する)揺動式の変位プレート51を設けているとともに、左右いずれか他方のアウトリガビーム(
図1〜
図3では右アウトリガビーム3)の後端面に上記変位プレート51を非検出姿勢から検出姿勢に変位させるための押し片32を設けて構成されている。尚、この第1実施例では、右アウトリガビーム3の後端面に設けた押し片32が本願請求項1におけるプレート操作部に相当するものである。
【0033】
上記検出器50には、この実施例では近接スイッチ(例えば磁力式のもの)を使用している。尚、他の実施例では、該検出器50としてリミットスイッチを採用してもよい。そして、この検出器50は、アウトリガボックス1内における長さ方向中央付近の空所においてアウトリガボックス1の側壁内面にサポート15を介して固定されている。尚、他の実施例では、上記検出器50は、上記サポート15を設けずに、直接アウトリガボックス1の側壁内面に固定してもよい。
【0034】
この検出器50に接続されたハーネス50aは、アウトリガボックス1の側壁に設けた穴12(
図2参照)を通してアウトリガボックス1外に延出させているとともに、該ハーネス50aを報知手段6の一部となるコントローラ60に接続している。
【0035】
上記変位プレート51には、細長い板状のものが採用されている。そして、この変位プレート51は、その長さ方向中間部を、左アウトリガビーム2の後端面から後方(右方)に突出させた突出片22の先端部に支軸52で枢支している一方、該変位プレート51の上部側をスプリング53で左アウトリガビーム2側に付勢している。又、この変位プレート51は、ストッパー54により、プレート上部側が
図3の(A)、(B)に示す鉛直姿勢より大きく傾動しないようにしている。そして、この変位プレート51は、
図2に示す傾斜姿勢では検出器50をONさせる検出姿勢となる一方、
図3(A),(B)に示す鉛直姿勢では検出器50をOFF状態に維持させる非検出姿勢となるものである。
【0036】
図1〜
図3に示す第1実施例のアウトリガ格納状態報知装置に採用している格納検出手段5は、次のように機能する。
【0037】
まず、
図2に示すように左右の両アウトリガビーム2,3が共に格納完了位置まで没入している状態では、左アウトリガビーム2の後端部21がL0(格納完了位置)に位置している一方、右アウトリガビーム3の後端部31がR0(格納完了位置)に位置しているが、このとき右アウトリガビーム3の後端面の押し片(プレート操作部)32が左アウトリガビーム2の後端面に設けている変位プレート51の下半部を押して該変位プレート51を傾斜させている(変位プレート51が上記検出姿勢となる)。そして、
図2のように変位プレート51が傾斜している状態(検出姿勢)では、該変位プレート51の上端付近が上記検出器50の検出部の前面近傍に位置して、該検出器50がONになる。
【0038】
他方、
図3(A)に示すように、右アウトリガビーム3が格納完了位置(後端部31がR0の位置)にあっても、左アウトリガビーム2が格納完了位置L0から左方にスライドすると(例えば左アウトリガビーム後端部21がL1の非格納位置に移動すると)、変位プレート51はスプリング53により鉛直姿勢(上記非検出姿勢)となるとともに該変位プレート51が検出器50の検出位置から外れるので、該検出器50がOFFになる。
【0039】
又、
図3(B)に示すように、左アウトリガビーム2が格納完了位置(後端部21がL0の位置)にあっても、右アウトリガビーム3が格納完了位置R0から右方にスライドすると(例えば右アウトリガビーム後端部31がR1の非格納位置に移動すると)、変位プレート51はスプリング53により鉛直姿勢(上記非検出姿勢)となることで、該変位プレート51が検出器50の検出位置から外れるので、該検出器50がOFFになる。
【0040】
このように、
図1〜
図3の第1実施例では、
図2に示すように左右のアウトリガビーム2,3が共に格納完了位置(L0,R0)にあるときのみに、変位プレート51で検出器50をONさせる一方、左右のアウトリガビーム2,3のいずれか一方でも非格納位置にあると、変位プレート51が検出器50をONにすることはない(OFFに維持させる)。従って、単一(1個)の検出器50のみを使用した格納検出手段5であっても、両アウトリガビーム2,3の格納状態を確実に検出できる。
【0041】
そして、格納検出手段5の検出器50からの格納検出信号は、ハーネス50aを介してコントローラ60に出力された後、該コントローラ60から報知器61に対して報知信号を出力するようになっている。
【0042】
この第1実施例のアウトリガ格納状態報知装置では、上記したように、左右の両アウトリガビーム2,3が共に格納完了位置(L0,R0)まで没入したときに、変位プレート51を介して単一(1個)の検出器50が格納検出信号を発するようになっているので、アウトリガ格納状態を報知するための報知装置としての構成(特にアウトリガ格納状態を検出するための構成)が簡略になってコストダウンを達成できる。
【0043】
又、この第1実施例では、格納検出手段5(検出器50と変位プレート51)をアウトリガボックス1の内部空所に設置しているので、格納検出手段5に泥水(冬期の融雪剤を含む)が付着することがなく、該泥水付着による検出器50の機能障害(検出不良)や錆びの発生等のトラブルを改善できる。尚、この第1実施例では、検出器50をアウトリガボックス1の側壁内面に取付けているが、他の実施例では、該検出器50をアウトリガボックス1の上壁内面に取付けてもよい。
【0044】
尚、この第1実施例では、上記検出器50をアウトリガボックス1の側壁内面にサポート15で取付けているが、この第1実施例に関連する変形例として次のように構成することができる。即ち、上記検出器50を変位プレート51に取付けて、該検出器50を変位プレート51と共にスライド移動及び揺動させ得るようにするとともに、アウトリガボックス1の前後中央付近の側壁内面に、変位プレート51が上記非検出姿勢(
図3(A),(B)の鉛直姿勢)にあるときには検出器50がOFFとなる一方で、両アウトリガビーム2,3が共に格納完了位置にある状態で且つ変位プレート51が上記検出姿勢(図
2の傾斜姿勢)にあるときに該検出器50がONになるような検出体を設けることで、上記と同様な機能を達成できる。
【0045】
「
図4〜
図5の第2実施例」
図4は、上記第1実施例における
図2相当図である。そして、
図4に示す第2実施例のアウトリガ格納状態報知装置における格納検出手段5Aは、アウトリガボックス1における長さ方向中央付近の下面に設けている。
【0046】
この第2実施例(
図4)で採用している格納検出手段5Aは、左右のアウトリガビーム2,3を格納状態でロックするための各ロックピン23,33を利用している。即ち、この第2実施例では、変位プレート51Aとして左右に所定長さ(アウトリガボックス1の底板に設けた2つのロックピン係合穴13,13に跨がる長さ)を有する変位プレート51Aを使用し、該変位プレート51Aの中央付近をアウトリガボックス1の底面部において支軸52Aでシーソー状に枢支し、該変位プレート51Aの左端部(アウトリガボックス底板の左側係合穴13に対応する位置)に単一(1個)の検出器50Aを上向き検出姿勢で取付けている一方、該変位プレート51Aの右端部(アウトリガボックス底板の右側係合穴13に対応する位置)に上向き突起55を設けたものである。尚、この第2実施例において、
左アウトリガビーム2側のロックピン23が本願請求項3における検出器ON操作部に相当し、右アウトリガビーム3側のロックピン33が本願請求項3におけるプレート操作部に相当するものである。
【0047】
変位プレート51Aをシーソー状に枢支している支軸52Aは、アウトリガボックス1の底板に設けたブラケット22Aに支持させている。又、この変位プレート51Aは、フックバネ53Aにより支軸52Aを中心にして左回転方向に付勢している。尚、ブラケット22Aには、
図5(B)に示すように変位プレート51Aが所定角度だけ右上がり方向に傾動した状態でそれ以上、大きく傾動するのを防止するストッパー54Aが設けられている。
【0048】
この
図4〜
図5に示す第2実施例で採用している格納検出手段5Aは、次のように機能する。
【0049】
まず、
図4に示すように左右の両アウトリガビーム2,3が共に格納完了位置(L0,R0)まで没入している状態では、左アウトリガビーム2側のロックピン
(本願請求項3の検出器ON操作部となる)23がアウトリガボックス1の底板の左側係合穴13から下方に突出している一方、右アウトリガビーム3側のロックピン(本願請求項3のプレート操作部となる)33がアウトリガボックス1の底板の右側係合穴13から下方に突出している。このとき変位プレート51Aがフックバネ53Aにより左回転方向に付勢されているものの、変位プレート右側の上向き突起55が右アウトリガビーム3側のロックピン(プレート操作部となる)33の下面に衝合することで、変位プレート51Aが水平姿勢に維持される。尚、このように変位プレート51Aが水平姿勢にあるときが検出器50AをONさせ得る検出姿勢となるものである。
【0050】
そして、
図4に示すように左右の両アウトリガビーム2,3が共に格納完了位置(L0,R0)まで没入している状態では、変位プレート51Aが水平姿勢となり且つプレート左側にある検出器50Aの検出部(上面部)が左アウトリガビーム2側のロックピン
(本願請求項3の検出器ON操作部となる)23の下面に近接(又は接触)することで、該検出器50AがONになる。
【0051】
他方、
図5(A)に示すように、右アウトリガビーム3が格納完了位置(後端部31がR0の位置)にあっても、左アウトリガビーム2が格納完了位置L0から左方にスライドすると(例えば左アウトリガビーム後端部21がL1の非格納位置に移動すると)、左アウトリガビーム2側のロックピン23も左方に移動しているので、検出器50Aが対応している左側係合穴13に検知物(ロックピン23)がなくなり、該検出器50AがOFFになる。
【0052】
又、
図5(B)に示すように、左アウトリガビーム2が格納完了位置(後端部21がL0の位置)にあっても、右アウトリガビーム3が格納完了位置R0から右方にスライドすると(例えば右アウトリガビーム後端部31がR1の非格納位置に移動すると)、右アウトリガビーム3側のロックピン(プレート操作部)33も右方に移動しているので、プレート右側の上向き突起55の押下げ規制が解除されて変位プレート51Aがフックバネ53Aによりストッパー54Aに衝合するまで左回転し、それによってプレート左側の検出器50Aの上面部(検出部)が左側ロックピン23の下面から大きく離間することで、該検出器50AがOFFになる。尚、
図5(B)に示すように変位プレート51Aが傾斜しているときが検出器50AをOFFさせる非検出姿勢となるものである。
【0053】
このように、
図4〜
図5の第2実施例でも、
図4に示すように左右のアウトリガビーム2,3が共に格納完了位置(L0,R0)にあるときのみに、変位プレート51Aを介して検出器50AをONさせる一方、左右のアウトリガビーム2,3のいずれか一方でも非格納位置にあると、検出器50AをONにすることはない(OFFに維持させる)。従って、この第2実施例のものでも、単一(1個)の検出器50Aのみを使用した格納検出手段5Aであっても、両アウトリガビーム2,3の格納状態を検出できる(検出器50Aが1個でよいのでコストダウンになる)。
【0054】
尚、この第2実施例のものでも、格納検出手段5Aの検出器50Aからの格納検出信号は、
図1に示すようにハーネス50aを介してコントローラ60に出力された後、該コントローラ60から報知器61に対して報知信号を出力するようになっている。
【0055】
「
図6〜
図9の第3実施例」
この第3実施例では、
図6に示すように、アウトリガとしてアウトリガボックス1A,1Bを車両の前後方向に2本並置し、各アウトリガボックス1A,1Bに対してそれぞれアウトリガビーム2A,3Aを左右外向きに出没させるようにしたもの(いわゆるパラボックスと称されているもの)を採用している。尚、この第3実施例において、
図6の左側に出没するアウトリガビーム2Aを左アウトリガビームといい、右側に出没するアウトリガビーム3Aを右アウトリガビームという。又、左アウトリガビーム2Aが出没する左側のアウトリガボックス1Aを左アウトリガボックスといい、右アウトリガビーム3Aが出没する右側のアウトリガボックス1Bを右アウトリガボックスという。
【0056】
そして、この第3実施例のアウトリガ格納状態報知装置で採用している格納検出手段5Bは、
図7及び
図8に拡大図示するように、左アウトリガボックス1Aにおける右アウトリガボックス1Bに対面する側の側壁(以下、対面側壁という)16の外面に略三角形状の変位プレート51Bの一端部(上端部)を支軸52Bで枢支し、さらに該変位プレート51Bに単一(1個)の検出器50Bを取付けている一方、右アウトリガボックス1Bに対してスライドする右アウトリガビーム3Aの後端部31Aに上記変位プレート51Bを揺動させ得る押し片(本願請求項3におけるプレート操作部に相当する)32Bを設けて構成されている。尚、上記検出器50Bは、
図6及び
図7において左アウトリガボックス1Aの上記対面側壁16に向けて障害物の有無を監視するものであって、この第3実施例で使用している検出器50Bは、上記障害物(対面側壁16又は26)を検出している状態でOFFになる一方、該障害物を検出していない状態でONになる(格納検出信号を発する)ものである。
【0057】
この第3実施例で採用されている変位プレート51Bは、
図8に示すように、支軸52Bを中心にして実線図示する検出姿勢(検出器50BをONにし得る姿勢)と鎖線図示(符号51B′)する非検出姿勢(検出器50BをOFFにする姿勢)との間で揺動し得るようになっている。又、この変位プレート51Bは、
図8の状態においてスプリング53Bで左揺動方向に付勢されている。そして、該変位プレート51Bが鎖線図示(符号51B′)する位置まで左揺動した時点でストッパー54Bにより揺動が規制されるようになっている。尚、変位プレート51Bの揺動時には、検出器50Bも共に移動する。
【0058】
右アウトリガボックス1B内でスライドする右アウトリガビーム3Aの後端部31Aには、該右アウトリガビーム3Aが格納完了位置まで没入したときに、
図8に示すように右アウトリガボックス1Bの後端(左端)からさらに後方に突出する押し片(本願請求項3におけるプレート操作部に相当する)32Bが取付けられている。そして、該右アウトリガビーム3Aが格納完了位置まで没入した状態では、該押し片32Bの先端で上記変位プレート51Bを右回転方向に押して、該変位プレート51Bをスプリング53Bの付勢力に抗して
図8の実線図示位置(検出姿勢位置)まで右揺動させるようになっている。
【0059】
左アウトリガボックス1Aの対面側壁16には、上記検出姿勢位置(
図8の実線図示位置)にある変位プレート51Bに取付けている検出器50Bが対面する位置に穴17を設けている。尚、この左アウトリガボックス1A側の上記穴17を外側穴17ということがある。
【0060】
他方、左アウトリガボックス1A内でスライドする左アウトリガビーム2Aの上記対面側壁16に対面する側壁26にも、穴27が設けられている。尚、この左アウトリガビーム2A側の側壁26も対面側壁といい、該対面側壁26の上記穴27を内側穴27ということがある。
又、この第3実施例においては、上記内側穴27が本願請求項3における検出器ON操作部に相当するものである。
【0061】
左アウトリガビーム2A側の上記内側穴27は、該左アウトリガビーム2Aが左アウトリガボックス1Aに対して格納完了位置まで没入している状態において、
図7及び
図8に示すように左アウトリガボックス1A側の上記外側穴17と完全重合するように位置決めされている。そして、左アウトリガビーム2Aが左アウトリガボックス1Aに対して外側にスライドする(非格納状態となる)と、
図9(A)に示すように左アウトリガボックス1A側の外側穴17の内方には左アウトリガビーム2Aの対面側壁26(内側穴27がない部分)が対面するようになっている。
【0062】
そして、
図6〜
図9に示す第3実施例のアウトリガ格納状態報知装置は、次のように機能する。
【0063】
まず、
図6に示すように左右の両アウトリガビーム2A,3Bが共に格納完了位置まで没入している状態(点線図示状態)では、
図7〜
図8に示すように右アウトリガビーム3Aの後端部31Aに設けた押し片(プレート操作部)32Bが右アウトリガボックス1Bの後端部から後方に突出して、該押し片32Bで変位プレート51Bを右揺動させている(検出姿勢位置に押している)が、このとき変位プレート51Bに取付けている検出器50Bの検出部は左アウトリガボックス1Aの対面側壁16に設けている上記外側穴17に正確に対面している。他方、右アウトリガビーム3Aが上記格納状態で左アウトリガビーム2Aが格納完了位置にあると、該左アウトリガビーム2Aの対面側壁26の内側穴
(本願請求項3の検出器ON操作部となる)27が左アウトリガボックス1Aの対面側壁16の外側穴17に完全重合している。そして、
図6〜
図8に示すように左右の両アウトリガビーム2A,3Bが共に格納完了位置まで没入している状態では、格納検出手段5Bの検出器50Bの検出部前方に外側穴17と内側穴27とが対面している(障害物がない)ので、該検出器50BがON信号(格納検出信号)を発するようになっている。
【0064】
他方、
図9(A)に示すように、右アウトリガビーム3Aが格納完了位置(検出器50Bが左アウトリガボックス1Aの外側穴17に対面している)にあっても、左アウトリガビーム2Aが左アウトリガボックス1Aに対して少しでも張出している(左アウトリガビーム2Aが非格納状態となる)と、該左アウトリガビーム2Aの内側穴27が左アウトリガボックス1Aの外側穴17の位置から左方に外れて検出器50Bの検出部前方の近傍位置に左アウトリガビーム2Aの対面側壁26が位置することで、該検出器50BがOFF状態になる。
【0065】
又、
図8に鎖線図示(符号3A′、32B′、51B′)及び
図9(B)に示すように、右アウトリガビーム3Aが右アウトリガボックス1Bに対して少しでも張出している(右アウトリガビーム3Aが非格納状態となる)と、該右アウトリガビーム3Aの押し片32Bが右方に後退することで変位プレート51Bがスプリング53Bにより符号51B′(
図8)に示すように左揺動し(OFF姿勢となる)、そのとき検出器50Bの検出部前方に左アウトリガボックス1Aの対面側壁16(外側穴17がない部分)が対面することで、該検出器50BがOFF状態になる。
【0066】
このように、
図6〜
図9の第3実施例でも、
図7〜
図8に示すように左右のアウトリガビーム2A,3Aが共に格納完了位置にあるときのみに、変位プレート51Bを介して検出器50BをONさせる一方、左右のアウトリガビーム2A,3Aのいずれか一方でも非格納位置にあると、
図9(A)又は
図9(B)に示すように検出器50BをONにすることはない(OFFに維持させる)。従って、この第3実施例のものでも、単一(1個)の検出器50Bのみを使用した格納検出手段5Bであっても、両アウトリガビーム2A,3Aの格納状態を検出できる(検出器50Bが1個でよいのでコストダウンになる)。
【0067】
尚、この第3実施例のものでも、格納検出手段5Bの検出器50Bからの格納検出信号は、
図1に示すようにハーネス50aを介してコントローラ60に出力された後、該コントローラ60から報知器61に対して報知信号を出力するようになっている。