(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
本体ケース、この本体ケースを走行させる駆動輪、この駆動輪を駆動させるモータ、前記本体ケースの少なくとも前方の物体を検出する物体検出手段、この物体検出手段の検出に基づいて前記モータの駆動を制御する制御手段、少なくとも前記モータ、前記制御手段および物体検出手段のそれぞれに電力を供給する二次電池、および、この二次電池に電気的に接続された充電用の端子を備え、自律走行可能な走行体と、
前記端子と接続される充電端子、および、この充電端子と電気的に接続され前記二次電池を充電する充電回路を備えた充電装置とを具備し、
前記制御手段は、前記走行体の端子を前記充電装置の充電端子に対して接続した状態から前記走行体を前記充電装置に対して離脱させる際に、前記充電装置に対する移動距離が、前記充電装置に対して前記本体ケースがその位置で旋回可能となる距離である第1の所定距離未満で前記物体検出手段により物体を検出したときには前記充電装置へと前記走行体が戻るように前記モータの駆動を制御する
ことを特徴とした自律走行体装置。
制御手段は、走行体の端子を充電装置の充電端子に対して接続した状態から前記走行体を前記充電装置に対して離脱させる際に、前記充電装置に対する移動距離が前記第1の所定距離よりも遠い第2の所定距離未満で物体検出手段により物体を検出したときに、モータの駆動を制御して本体ケースの向きを変えて前記物体検出手段により周囲の物体を検出し、物体を検出しない方向がある場合には、その方向へと前記本体ケースを走行させるように前記モータの駆動を制御し、物体を検出しない方向がない場合には前記充電装置に前記走行体が戻るように前記モータの駆動を制御する
ことを特徴とした請求項1記載の自律走行体装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1の実施形態の構成を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1ないし
図3において、10は自律走行体装置としての電気掃除装置を示し、この電気掃除装置10は、走行体としての電気掃除機本体11と、この電気掃除機本体11の充電用の基地部となる充電装置(充電台)12とを備えている。
【0011】
電気掃除機本体11は、本実施形態において、被掃除面としての床面上を自律走行(自走)しつつ床面を掃除する、いわゆる自走式のロボットクリーナである。そして、この電気掃除機本体11は、中空状の本体ケース15を備えている。この本体ケース15の被掃除面に対向する下部には、例えば複数(一対)の駆動部としての駆動輪16、従動輪17、集塵用の集塵口18、および、本体ケース15の下部(下面)とその下方の床面との距離を検出することで段差を検出する段差検出手段である段差センサ20などが配置されている(
図2(b))。また、この本体ケース15の外側部には、前方の物体である障害物Oを検出する物体検出手段(障害物検出手段)である検出センサ21、充電装置12などとの無線通信用の送信手段22および受信手段23が配置されているとともに、本体ケース15の内部には、図示しない外部装置と通信するための通信手段24(
図3(a))などが配置されている。そして、この本体ケース15には、床面を掃除するための電動部である掃除部25が設けられているとともに、この掃除部25により捕集した塵埃を溜める集塵口18に連通する集塵部(図示せず)、回路基板などにより構成された制御手段27、および、掃除部25などに給電する電源部を構成する二次電池28などが内部に配置されている(
図2(a)および
図3(a))。なお、以下、電気掃除機本体11(本体ケース15)の走行方向に沿った方向を前後方向(
図2に示す矢印FR,RR方向)とし、この前後方向に対して交差(直交)する左右方向(両側方向)を幅方向とするとともに、電気掃除機本体11を平坦な被掃除面上に載置した状態を基準として説明する。
【0012】
本体ケース15は、例えば硬質の合成樹脂などにより形成された複数のケース体を組み合わせることで扁平な円柱状(円盤状)などに構成されている。
【0013】
駆動輪16,16は、本体ケース15を被掃除面上で走行(自律走行)可能とする、すなわち走行用のものであり、水平方向(幅方向)に沿って回転軸を有する円盤状に形成され、本体ケース15の下部の前後方向の中心付近の位置にて、幅方向に互いに離間されて配置されている。そして、これら駆動輪16,16は、図示しない駆動伝達手段としてのギヤボックスを介して駆動手段としてのモータ31,31とそれぞれ接続されている。そして、これらモータ31,31は、制御手段27によりそれぞれ別個に動作が制御され、駆動輪16,16を独立して駆動させることが可能となっている。
【0014】
従動輪17は、本体ケース15の下部において、駆動輪16,16とともに電気掃除機本体11の重量をバランスよく支持可能な位置に適宜回転自在に配置されている。本実施形態では、この従動輪17は、本体ケース15の左右方向の中央部の前部に旋回可能に取り付けられた旋回輪である。
【0015】
集塵口18は、駆動輪16,16の間で、本体ケース15の幅方向の略中央部かつ前後方向の後部寄り(集塵部の前方)に位置し、幅方向に長手状、すなわち横長の四角形状に形成されている。
【0016】
段差センサ20は、例えば赤外線センサ(光学センサ)などの非接触型のセンサであり、例えば本体ケース15の下部の前方にて、周方向に互いに離間されて複数配置され、本体ケース15の下部と下方の床面との間の距離をそれぞれ別個に検出可能となっている。本実施形態では、段差センサ20は、本体ケース15の下部の前側および斜め両側(本体ケース15の前方左右45°方向)と、これらの位置に対向する床面との距離を検出するようになっている。
【0017】
検出センサ21は、例えば赤外線センサ、あるいは超音波センサなどの非接触型のセンサであり、障害物Oとの距離を検出することで、前方の所定距離以内に位置する障害物Oを検出するものである。例えば、本実施形態では、この検出センサ21は、本体ケース15の左右方向の中央部を挟む前部両側、および、前方斜め方向(例えば本体ケース15の前方左右60°方向)などにそれぞれ配置されている。
【0018】
また、送信手段22は、充電装置12へと赤外線などを発光するものであり、例えば本体ケース15の上部前側に配置されている。
【0019】
受信手段23は、充電装置12から発光された赤外線などを検出するものであり、例えば本体ケース15の外周部の周方向に複数配置されている。例えば、本実施形態では、受信手段23は、本体ケース15の前方斜め方向(例えば本体ケース15の前方左右45°方向)、および、後方斜め方向(例えば本体ケース15の後方左右45°方向)にそれぞれ配置されている。
【0020】
通信手段24は、例えば無線LANデバイス、あるいはBluetooth(登録商標)デバイスなどの無線通信手段であり、室内などに配置された図示しないアクセスポイントおよびこのアクセスポイントと接続されたインターネットなどのネットワークを介して例えば携帯端末などの外部装置と無線通信をするためのものである。したがって、この通信手段24を介して、ネットワークから各種情報を受信したり、例えばスマートフォンなどの外部装置(外部端末)から各種情報を入力したりすることが可能となっている。
【0021】
掃除部25は、例えば空気とともに塵埃を吸い込む電動送風機、本体ケース15の側方の塵埃を掃除する側部掃除手段であるサイドブラシ、あるいは集塵口18に回転可能に設けられた回転清掃体(回転ブラシ)などであり、床面の塵埃を掃除して集塵口18から集塵部へと塵埃を集めるようになっている。
【0022】
制御手段27は、例えば時刻用タイマである計時手段(RTC)41、プログラムや各センサ20,21、各モータ31などの制御用の設定値、あるいは各種判断用の閾値などを記憶するメモリなどの記憶手段42、モータ31の駆動を制御するモータ制御部43、段差センサ20を制御する段差センサ制御部44、検出センサ21を制御する検出センサ制御部45、送信手段22を制御する送信制御部46、受信手段23を制御する受信制御部47、通信手段24を制御する通信制御部48、および、掃除部25を制御する掃除制御部49、および、割込制御やタイマ制御などの機能を有しこれら制御部43〜49の動作を制御するマイコン(MPU)などの制御部50などを備えている。そして、この制御手段27は、制御部50により制御されたセンサ制御部44,45、受信制御部47および通信制御部48により、各センサ20,21、受信手段23および通信手段24による検出値を読み取るとともに、この読み取った結果に基づいて、制御部50により制御されたモータ制御部43によりモータ31,31を介して駆動輪16,16の駆動を制御して本体ケース15(電気掃除機本体11)を、障害物Oや段差を回避するように自律走行させつつ、制御部50により制御された掃除制御部49により掃除部25の駆動を制御して電気掃除機本体11に掃除をさせたり、制御部50により制御された送信制御部46および通信制御部48により送信手段22、あるいは通信手段24を介して各種信号を送信したりすることが可能となっている。この制御手段27による具体的な制御については後述する。
【0023】
二次電池28は、段差センサ20、検出センサ21、送信手段22、受信手段23、通信手段24、掃除部25、制御手段27、および、モータ31,31などに給電するものである。そして、この二次電池28は、本体ケース15の下部に位置する充電用の端子52,52と電気的に接続されており、充電装置12に対して端子52,52が接続されることによって充電可能となっている。これら端子52,52は、例えば本体ケース15の下部の後部寄りの両側などに露出している。
【0024】
一方、充電装置12は、充電装置ケース55、この充電装置ケース55に収容された充電回路56、この充電回路56と電気的に接続された充電端子57,57、商用電源と接続される図示しない電源コード、例えば赤外線などにより充電装置12の位置情報などの各種信号を出力する充電装置側送信手段59、電気掃除機本体11の送信手段22からの信号を受信する充電装置側受信手段60、充電装置12の周囲に進入防止エリアAを設定する信号を出力する出力手段61、および、充電装置側送信手段59、充電装置側受信手段60および出力手段61などの動作をそれぞれ制御する充電装置制御手段62などを備えている(
図3(b))。
【0025】
充電装置ケース55は、例えば合成樹脂などにより形成され、部屋を区画する壁部の近傍など、掃除の妨げにならない位置に配置されている。この充電装置ケース55は、上下方向に沿って位置するケース本体部64と、このケース本体部64から床面に沿って突出する支持台部65とを一体的に備えている。
【0026】
ケース本体部64は、充電装置12に帰巣(帰還)した電気掃除機本体11の後部と対向する位置である。このケース本体部64には、充電回路56、充電端子57,57、充電装置側送信手段59、充電装置側受信手段60、出力手段61および充電装置制御手段62などが配置されている。また、このケース本体部64の側部には、電源コードが接続されている。
【0027】
支持台部65には、薄板状に形成されて床面上に載置されている。この支持台部65の上部には、上記各充電端子57の他に、図示しないが、充電装置12に対して離脱や帰巣をする際に電気掃除機本体11を正しい位置へと導くためのガイド、および、電気掃除機本体11を位置決めする位置決め凸部などの、各種構造物が突設されているとともに、充電装置12に接続された電気掃除機本体11の各駆動輪16が載置される凹部がそれぞれ凹設されている。
【0028】
また、充電回路56は、各充電端子57に各端子52が接続された電気掃除機本体11の二次電池28を充電する定電流回路などである。
【0029】
各充電端子57は、充電装置12へと帰巣した電気掃除機本体11の端子52が機械的および電気的に接続されるものである。
【0030】
電源コードは、充電回路56、充電装置側送信手段59、充電装置側受信手段60、出力手段61および充電装置制御手段62と電気的に接続されており、壁部などに設置されたコンセントと接続されることで、これらに商用電源から給電可能とするものである。
【0031】
充電装置側送信手段59は、赤外線などを発光するものであり、例えば充電装置ケース55のケース本体部64の側面にて支持台部65の上方に略水平状に(左右に)対をなして配置されている。そして、この充電装置側送信手段59は、電気掃除機本体11の送信手段22からの帰巣要求信号を充電装置側受信手段60により受光したとき例えば赤外線を送信(発光)して信号を出力するように構成されている。この充電装置側送信手段59から出力される信号は、帰巣時の電気掃除機本体11を充電装置12へと誘導する、いわばビーコンであり、ケース本体部64の側面から放射状、あるいは長円(楕円状)に細長く出力されるようになっている。
【0032】
充電装置側受信手段60は、電気掃除機本体11の送信手段22から発光された赤外線、あるいは図示しないリモコンから発光(送信)された赤外線などを受信するものであり、例えば充電装置ケース55のケース本体部64に配置されている。
【0033】
出力手段61は、赤外線などを発光するものであり、例えば充電装置ケース55のケース本体部64の上面に配置されている。そして、この出力手段61は、電気掃除機本体11の送信手段22からの要求信号を充電装置側受信手段60により受光したときに発光して信号を出力するように構成されている。この出力手段61から出力される信号は、走行時の電気掃除機本体11が進入防止エリアAに誤って入り込まないようにする、換言すれば、この出力手段61から出力される信号を電気掃除機本体11が受信手段23により受信したときには、電気掃除機本体11(本体ケース15)がそれ以上進入防止エリアAに進入しないように制御手段27がモータ31,31の駆動を制御するものであり、上方から見て、充電装置ケース55(ケース本体部64)を中心としこの充電装置ケース55のケース本体部64から支持台部65側に約180°広がる、所定半径の半円状などに出力されるようになっている。すなわち、この進入防止エリアA内に充電装置12の少なくとも支持台部65が位置するようになっている。
【0034】
充電装置制御手段62は、充電回路56の動作を制御したり、充電装置側送信手段59や出力手段61から発光する赤外線信号を生成したり、充電装置側受信手段60により受信した赤外線信号を処理したりするものである。
【0035】
次に、上記第1の実施形態の制御を
図4に示すフローチャートも参照しながら説明する。
【0036】
電気掃除機本体11は、非使用状態(待機状態)で、充電装置12に対して接続された状態となっている。すなわち、電気掃除機本体11は、各端子52が各充電端子57と電気的および機械的に接続され、受信手段23、通信手段24および制御手段27(制御部50、受信制御部47、通信制御部48)が入力待ちの待機状態となって、計時手段41を除くその他の各部が動作を休止した状態となっている。また、この電気掃除機本体11は、例えば本体ケース15の後部を充電装置12のケース本体部64に向けた状態となっている。充電装置12では、必要に応じて充電装置制御手段62が充電回路56を動作させて二次電池28を充電し、充電が終了した状態では、充電を停止し、充電装置側受信手段60および充電装置制御手段62のそれぞれが入力待ちの待機状態となって、その他の各部が休止した状態となっている。
【0037】
この状態で、電気掃除機本体11の制御手段27は、例えば計時手段41により所定の開始時刻になったことを検出した場合、ユーザから外部装置によりネットワーク経由で送信された走行指示(掃除開始指示)を通信手段24により受信した場合、あるいはリモコンにより送信された走行指示(掃除開始指示)を受信手段23により受信した場合など、充電装置12に対して離脱をする要求(離脱要求)があったかどうかを判断する(ステップ1)。このステップ1において、離脱要求がないと判断した場合にはそのままステップ1を繰り返し、離脱要求があったと判断した場合には、制御手段27がモータ31,31を駆動させることで駆動輪16,16を駆動させて、充電装置12からの離脱を開始する(ステップ2)。この充電装置12からの離脱の際には、例えばモータ31,31(駆動輪16,16)を同数回転させることで、前方に直進するようにする(
図1(a))。また、電気掃除機本体11は、制御手段27が送信手段22を制御して充電装置12に対して赤外線信号を送信する。この赤外線信号を充電装置側受信手段60により受信すると、充電装置12は、充電装置制御手段62が出力手段61を制御して、進入防止エリアAを設定する信号(赤外線信号)を、例えば室内の掃除を完了可能な時間などの一定時間出力させる。
【0038】
次いで、電気掃除機本体11(本体ケース15)が充電装置12から第1の所定距離L1以上移動したかどうかを制御手段27(制御部50)が判断する(ステップ3)。この第1の所定距離L1は、例えば充電装置12に対して進入防止エリアA内に設定された距離で、かつ、電気掃除機本体11の本体ケース15がその位置で旋回可能である距離(例えば数十cm)とする。すなわち、電気掃除機本体11(本体ケース15)の充電装置12からの移動距離Lが少ない場合では、支持台部65上の構造物(凹凸)や支持台部65そのものに駆動輪16や本体ケース15が引っ掛かって本体ケース15の旋回を妨げることが考えられるため、このような旋回を妨げることがない第1の所定距離L1以上走行していれば、本体ケース15が旋回可能であるものと判断できる。この第1の所定距離L1は、予め設定されていてもよいし、ユーザが電気掃除機本体11に対して任意に設定したり、予め設定された複数の中から選択したりしてもよい。そして、このステップ3の判断は、例えば記憶手段42に記憶された第1の所定距離L1に対応する閾値と、モータ制御部43により取得したモータ31,31(駆動輪16,16)の回転数(回転角度)などとの大小を比較することで実現できる。
【0039】
このステップ3において、第1の所定距離L1以上移動していない(移動距離Lが第1の所定距離L1未満である(L<L1))と判断した場合には、検出センサ21が障害物Oを検出したかどうかを制御手段27(制御部50)が判断する(ステップ4)。さらに、このステップ4において、障害物Oを検出していないと判断したときには、制御手段27(制御部50)は、段差センサ20が段差を検出したかどうかを判断する(ステップ5)。なお、以下、段差とは、乗り越え不可能な凸状の段差と、落下や駆動輪16の落ち込みが生じる凹状の段差との少なくともいずれかとし、このステップ5の判断は、具体的に、例えば記憶手段42に記憶された閾値と段差センサ20により検出した距離との大小を比較することで実現できる。そして、このステップ5において、段差を検出していないと判断したときには、ステップ3に戻る。なお、ステップ3ないしステップ5の各判断は、フローチャートの記載上順番が生じているが、同時に並行して行うこともできるし、順番が生じる場合でもその順番は任意に入れ替えることができる。
【0040】
また、ステップ4において、障害物Oを検出したと判断した場合、および、ステップ5において、段差を検出したと判断した場合には、充電装置12からの離脱に失敗したものと判断し、制御手段27は、送信手段22から充電装置12に進入防止エリアAの停止を指示する信号を送信し、この信号を充電装置側受信手段60により受信した充電装置12は、出力手段61からの進入防止エリアAを設定する信号の出力を停止し(ステップ6)、この後、電気掃除機本体11は充電装置12へと帰巣する(ステップ7、
図1(b))。この充電装置12への帰巣は、基本的に離脱の際には電気掃除機本体11(本体ケース15)が充電装置12に対して前方に直進しただけであるから、制御手段27において制御部50がモータ制御部43を介してモータ31,31を駆動させることで駆動輪16,16を駆動させ、前方に直進した分を後方へと直進することで、充電装置12へと容易かつ確実に帰巣できる。なお、充電装置12への帰巣とは、少なくとも各端子52が各充電端子57と電気的および機械的に接続された状態をいうものとする。
【0041】
このステップ7の後、電気掃除機本体11は、通信手段24を介してアクセスポイントへと指令を送信することで、ネットワーク上のサーバなどを介して充電装置12からの離脱に失敗したことを外部装置へと通知手段としての電子メールにより通知し(ステップ8)、ステップ1に戻る。
【0042】
一方、ステップ3において、第1の所定距離L1以上移動した(移動距離Lが第1の所定距離L1以上である(L≧L1))と判断した場合には、充電装置12からの離脱に成功したものと判断し、掃除部25を用いて集塵口18から集塵部へと塵埃を捕集する掃除動作など、適宜の走行動作および制御に移行する(ステップ9)。なお、これらの掃除動作などの動作が終了すると、電気掃除機本体11は、制御手段27が送信手段22から充電装置12に向けて、帰巣要求信号を出力する。この帰巣要求信号を充電装置側受信手段60により受信した充電装置12は、充電装置制御手段62が充電装置側送信手段59を制御して、電気掃除機本体11を充電装置12へと誘導する信号をそれぞれ出力する。電気掃除機本体11では、これらの信号を受信手段23により受信した時間差などに基づいて充電装置12の方向を認識しつつこの充電装置12へと徐々に接近し、所定距離まで接近すると旋回して充電装置12に後部を向け、そのまま後退して充電装置12に接続されるように、制御手段27がモータ31,31を駆動させる。そして、各端子52が各充電端子57と接続されると、電気掃除機本体11と充電装置12とが上記の待機状態となる。
【0043】
上述したように、上記第1の実施形態によれば、電気掃除機本体11の各端子52を充電装置12の各充電端子57に対して接続した状態から電気掃除機本体11を充電装置12に対して離脱させる際に、充電装置12に対する移動距離Lが第1の所定距離L1未満で検出センサ21により障害物Oを検出したときには充電装置12へと電気掃除機本体11が戻るように制御手段27がモータ31,31の駆動を制御するので、例えば部屋の各種配置のマッピングや、検出センサ21などを用いた周囲の探索をすることなく、電気掃除機本体11を確実に充電装置12へと帰巣させることができる。すなわち、充電装置12からの離脱に失敗した電気掃除機本体11がそのまま放置状態となることがない。したがって、二次電池28の不要な消費を抑制でき、次に掃除などの動作をするまでの時間を短縮できるとともに、離脱の失敗と成功との判断に基づいて電気掃除機本体11を適正な位置に移動させることができる。特に、充電装置12への帰巣は、充電装置12から前進した分をそのまま後進するだけで済むので、制御手段27によるモータ31,31の制御が容易である。
【0044】
また、充電装置12からの第1の所定距離L1は、電気掃除機本体11が内方に進入しないように制御手段27がモータ31,31の駆動を制御する充電装置12の進入防止エリアA内で、充電装置12に対して本体ケース15がその位置で旋回可能となる距離であるため、電気掃除機本体11が充電装置12から第1の所定距離L1以上移動していれば、その位置で障害物Oを検出しても本体ケース15を旋回させて障害物Oを回避することが可能であり、その後の各種動作を行うことができる。
【0045】
次に、第2の実施形態を
図5および
図6を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0046】
この第2の実施形態は、上記第1の実施形態のステップ3ないしステップ5の制御に代えて、以下に説明するステップ11ないしステップ15の制御を行うものである。
【0047】
すなわち、ステップ2の後、電気掃除機本体11(本体ケース15)が充電装置12から第2の所定距離L2以上移動したかどうかを制御手段27(制御部50)が判断する(ステップ11)。この第2の所定距離L2は、充電装置12からの距離が上記第1の実施形態の第1の所定距離L1より遠く、充電装置12に対して電気掃除機本体11の後方に位置する受信手段23が進入防止エリアAを示す信号を受信しない距離、すなわち少なくとも後方に位置する受信手段23が進入防止エリアA外に位置する距離(例えば50cm)とする。また、このステップ11の判断は、例えば記憶手段42に記憶された第2の所定距離L2に対応する閾値と、モータ制御部43により取得したモータ31,31(駆動輪16,16)の回転数などとの大小を比較することで実現できる。
【0048】
このステップ11において、第2の所定距離L2以上移動した(移動距離Lが第2の所定距離L2以上である(L≧L2))と判断した場合には、ステップ9に進み、第2の所定距離L2以上移動していない(移動距離Lが第2の所定距離L2未満である(L<L2))と判断した場合には、上記第1の実施形態のステップ4およびステップ5と同様のステップ12およびステップ13を行う。なお、これらステップ11ないしステップ13の各判断は、フローチャートの記載上順番が生じているが、同時に並行して行うこともできるし、順番が生じる場合でもその順番は任意に入れ替えることができる。
【0049】
そして、ステップ12において、障害物Oを検出したと判断した場合、および、ステップ13において、段差を検出したと判断した場合には、それぞれ制御手段27がモータ31,31を停止させることで駆動輪16,16を停止させて、充電装置12からの離脱を一旦停止する(ステップ14、
図5(a))。
【0050】
次いで、そのまま離脱を継続するか(継続して走行するか)どうかを制御手段27(制御部50)が判断する(ステップ15)。このステップ15の判断は、例えば本実施形態では、上記第1の実施形態のステップ3と同様に、電気掃除機本体11から充電装置12から第1の所定距離L1以上移動したかどうかに加えて、電気掃除機本体11の周囲に物体すなわち障害物Oを検出しない方向があるかどうかを判断する。具体的には、制御手段27がモータ31,31を駆動させ、電気掃除機本体11(本体ケース15)を所定方向に少なくとも前方180°、好ましくは360°旋回させつつ、検出センサ21により障害物Oを検出するかどうか、および、段差センサ20により段差を検出するかどうかを判断する(
図5(b))。そして、障害物Oおよび段差をともに検出しない方向があると判断した場合には、そのまま走行可能、すなわち離脱に成功したものと判断し、その方向を前方としてステップ9に進み、障害物Oあるいは段差を検出しない方向がない場合には、走行不可能、すなわち離脱に失敗したものと判断し、ステップ6に進む。なお、このステップ15に進む前のステップ12あるいはステップ13の判断により、本体ケース15の少なくとも前方には障害物Oまたは段差が位置していると想定されることから、ステップ15での旋回としては、例えば一方の駆動輪16(モータ31)と他方の駆動輪16(モータ31)とを互いに反対方向に回転させることで本体ケース15の中心位置を変えることなくその位置で回転する、いわゆる超信地旋回とすることが好ましいが、所定の小さい半径で円運動するように旋回させてもよいし、所定角度ずつ旋回する毎に検出センサ21により障害物Oを検出するかどうか、および、段差センサ20により段差を検出するかどうかを判断してもよい。
【0051】
このように、電気掃除機本体11の各端子52を充電装置12の各充電端子57に対して接続した状態から電気掃除機本体11を充電装置12に対して離脱させる際に、第2の所定距離L2以内で検出センサ21により障害物Oを検出したときに、モータ31,31の駆動を制御して本体ケース15の向きを変え、検出センサ21により周囲の障害物Oを検出、すなわち周囲を探索して、障害物Oを検出しない方向がある場合には、その方向へと本体ケース15を走行させるようにモータ31,31の駆動を制御し、障害物Oを検出しない方向がない場合には充電装置12に電気掃除機本体11を帰巣させるように制御手段27がモータ31,31の駆動を制御する。したがって、充電装置12に対して、電気掃除機本体11が内方に進入しないように制御手段27がモータ31,31の駆動を制御する充電装置12の進入防止エリアA内で、かつ、本体ケース15がその位置で旋回可能となる距離である第1の所定距離L1よりも遠い第2の所定距離L2の位置では、本体ケース15を容易かつ確実に旋回させることができるので、第2の所定距離L2以内に障害物Oを仮に検出しても、検出センサ21により周囲を確実に探索して、走行可能な方向がある場合にはその方向を見つけ出すことが可能となり、充電装置12からの離脱の成功率をより向上できる。
【0052】
なお、上記各実施形態において、電子メールによる離脱の失敗の通知に代えて、例えば本体ケース15に通知手段としてのLEDランプなどの表示部を設け、この表示部により離脱の失敗を表示によって通知するように構成してもよいし、この構成と電子メールによる通知とを併用してもよい。
【0053】
また、電気掃除機本体11は、充電装置12に接続された状態で、本体ケース15の前部を充電装置12のケース本体部64側に向くように端子52を本体ケース15の下部の前側などに配置する構成としてもよい。この場合には、前後を逆転するのみで上記各実施形態と同様の制御が可能である。
【0054】
さらに、物体検出手段としては、非接触の検出センサ21だけでなく、例えば物体との接触(衝突)により物体を検出する、接触型のセンサを用いてもよい。
【0055】
さらに、走行体としては、掃除部25を有する電気掃除機本体11に適用したが、例えば部屋を監視する監視ロボットなどに適用することもできる。
【0056】
そして、以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、進入防止エリアAを設定する信号を受信手段23により受信すると、制御手段27は、電気掃除機本体11(本体ケース15)が進入防止エリアA内へと外部からそれ以上進入しないようにモータ31,31の駆動を制御する。そのため、充電装置12からの離脱に失敗した場合、第1の所定距離L1および第2の所定距離L2がそれぞれ進入防止エリアA内に設定されていることから、充電装置12へと帰巣する際にこの信号が出力手段61から出力されたままであると、この信号を受信手段23によって受信してしまい、制御手段27が誤った走行制御をするおそれがある。そこで、制御手段27が充電装置12に電気掃除機本体11が戻るように判断した場合、すなわち電気掃除機本体11の充電装置12からの離脱の失敗を判断した場合には、充電装置12では出力手段61が進入防止エリアAを設定する信号の出力を停止することで、電気掃除機本体11が充電装置12に帰巣する際に、この進入防止エリアAを設定する信号を受信手段23により受信することがなくなり、制御手段27が誤った走行制御をすることなく、電気掃除機本体11を充電装置12へと確実に帰巣させることができる。
【0057】
さらに、制御手段27が充電装置12に電気掃除機本体11が戻るように判断した場合、すなわち電気掃除機本体11の充電装置12からの離脱の失敗を判断した場合に、通知手段によって離脱の失敗を通知することで、離脱の失敗により電気掃除機本体11が充電装置12に帰巣していても、ユーザが離脱に成功した後に電気掃除機本体11が充電装置12に帰巣したと誤認することがない。特に、電気掃除装置10の場合、ユーザが不在の状況下で電気掃除機本体11が動作することが多いため、実際の電気掃除機本体11の充電装置12からの離脱動作を直接目視することなく充電装置12に帰巣した状態の電気掃除機本体11のみをユーザが目視したときに、それが充電装置12からの離脱に成功して掃除が終了した後なのか、充電装置12からの離脱に失敗して掃除をすることなく充電装置12に帰巣した後であるのか、判断がつきにくい。したがって、上記のように通知手段によって離脱の失敗を通知することで、掃除が終了しているのかどうかを容易に判断でき、仮に充電装置12からの離脱に失敗した場合には、充電装置12の周囲の障害物を移動させるなどの掃除環境の改善をユーザに促すこともできる。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。