(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382636
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】EGRシステム
(51)【国際特許分類】
F02M 26/35 20160101AFI20180820BHJP
【FI】
F02M26/35 D
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-169564(P2014-169564)
(22)【出願日】2014年8月22日
(65)【公開番号】特開2016-44602(P2016-44602A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2017年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(72)【発明者】
【氏名】北口 浩二
【審査官】
種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−172546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 26/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの燃焼室から排気された排気ガスの一部を前記エンジンの吸気側に還流させるEGR配管と、
前記EGR配管を流れる前記排気ガスから分離された凝縮水を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された前記凝縮水を、毛細管現象を利用して吸い寄せて気化させる気化部と、を備え、
気体が流れる外管と、
前記外管の内部で前記外管が延在する方向に沿って配置された管状の前記貯留部である内管と、を含むEGRシステム。
【請求項2】
前記EGR配管に設けられ、前記排気ガスを冷却するEGRクーラと、
前記EGRクーラの下流に設けられ、前記凝縮水を捕集する捕集部と、
前記捕集部で捕集された凝縮水を前記EGR配管の外部に排出すると共に前記貯留部に接続された排水管と、を備え、
前記貯留部には、前記凝縮水を前記貯留部の外表面側に導出するための貫通孔が設けられ、
前記気化部は、毛細管現象を利用するための部材として糸状部材を有し、
前記糸状部材は、前記貫通孔から前記貯留部の外表面側にかけて配置されている請求項1に記載のEGRシステム。
【請求項3】
エンジンの燃焼室から排気された排気ガスの一部を前記エンジンの吸気側に還流させるEGR配管と、
前記EGR配管を流れる前記排気ガスから分離された凝縮水を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された前記凝縮水を、毛細管現象を利用して吸い寄せて気化させる気化部と、
前記EGR配管に設けられ、前記排気ガスを冷却するEGRクーラと、
前記EGRクーラの下流に設けられ、前記凝縮水を捕集する捕集部と、
前記捕集部で捕集された凝縮水を前記EGR配管の外部に排出すると共に前記貯留部に接続された排水管と、を備え、
前記貯留部には、前記凝縮水を前記貯留部の外表面側に導出するための貫通孔が設けられ、
前記気化部は、毛細管現象を利用するための部材として糸状部材を有し、
前記糸状部材は、前記貫通孔から前記貯留部の外表面側にかけて配置されているEGRシステム。
【請求項4】
前記EGR配管には、前記吸気側の吸気管との合流部であるEGR合流部の上流にEGRバルブが設けられ、
前記捕集部は、前記EGRクーラと前記EGRバルブとの間に斜面を有し、
前記気化部は、前記吸気管の前記EGR合流部の上流に配置されている請求項2又は3に記載のEGRシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EGRシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばエンジンにおける排気ガスの低NOx化に有効な手段として、排気ガスを吸気側へ還流させるEGR[Exhaust Gas Recirculation]システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のEGRシステムでは、吸気側へ還流されるEGRガスに含まれる水分(凝縮水)を分離し、分離した水分を貯水部に貯留している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−147988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、貯水部から凝縮水を排出する流路に制御弁を設け、貯水部から排出される凝縮水の流れを制御している。また、貯水部における凝縮水の水位を検出するための水位センサを設けて、凝縮水の水位に基づいて凝縮水の流れを制御することが考えられる。このような水位センサや制御弁などを備える構成であると、製造コスト及びメンテナンスコストが増大することになる。また、水位センサや制御弁が凝縮水により腐食すると、メンテナンスコストの更なる増加につながる。
【0005】
本発明は、装置の簡素化を図り、排気ガスから分離された凝縮水を処理することが可能なEGRシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のEGRシステムは、エンジンの燃焼室から排気された排気ガスの一部をエンジンの吸気側に還流させるEGR配管と、EGR配管を流れる排気ガスから分離された凝縮水を貯留する貯留部と、貯留部に貯留された凝縮水を、毛細管現象を利用して吸い寄せて気化させる気化部と、を備える。
【0007】
このEGRシステムでは、EGR配管を流れる排気ガスから分離された凝縮水は、貯留部に貯留され、貯留された凝縮水は、毛細管現象を利用して吸い寄せられて気化される。これにより、凝縮水の流れを制御するための制御弁や水位センサを設ける必要をなくすことができ、装置の簡素化を図ることができる。
【0008】
また、EGRシステムは、気体が流れる外管と、外管の内部で外管が延在する方向に沿って配置された管状の貯留部である内管と、を備える
。この構成のEGRシステムでは、二重管構造を採用することで、外管内に気体を流して整流し、この気体の流れの中に、内管としての管状の貯留部を配置することができる。これにより、管状の貯留部に貯留された凝縮水を、毛細管現象を利用して吸い寄せて、外管内を流れる気体に曝すことができ、凝縮水が気化され易くなる。
【0009】
また、EGRシステムは、EGR配管に設けられ、排気ガスを冷却するEGRクーラと、EGRクーラの下流に設けられ、凝縮水を捕集する捕集部と、捕集部で捕集された凝縮水をEGR配管の外部に排出すると共に貯留部に接続された排水管と、を備え、貯留部には、凝縮水を貯留部の外表面側に導出するための貫通孔が設けられ、気化部は、毛細管現象を利用するための部材として糸状部材を有し、糸状部材は、
貫通孔から貯留部の外表面側に
かけて配置されている構成でもよい。この構成のEGRシステムによれば、EGRクーラの下流に設けられた捕集部によって凝縮水を捕集し、捕集された凝縮水を、排水管を通じてEGR配管の外部に排出して貯留することができる。また、貯留部に設けられた
凝縮水を、貫通孔を通じて貯留部の外表面側に導出し、外表面側に設けられた糸状部材において毛細管現象を利用して、凝縮水を引き寄せて気化させることができる。
【0010】
また、
本発明のEGRシステムは、エンジンの燃焼室から排気された排気ガスの一部をエンジンの吸気側に還流させるEGR配管と、EGR配管を流れる排気ガスから分離された凝縮水を貯留する貯留部と、貯留部に貯留された凝縮水を、毛細管現象を利用して吸い寄せて気化させる気化部と、EGR配管に設けられ、排気ガスを冷却するEGRクーラと、EGRクーラの下流に設けられ、凝縮水を捕集する捕集部と、捕集部で捕集された凝縮水をEGR配管の外部に排出すると共に貯留部に接続された排水管と、を備え、貯留部には、凝縮水を貯留部の外表面側に導出するための貫通孔が設けられ、気化部は、毛細管現象を利用するための部材として糸状部材を有し、糸状部材は、貫通孔から貯留部の外表面側にかけて配置されている。
【0011】
また、EGR配管には、吸気側の吸気管との合流部であるEGR合流部の上流にEGRバルブが設けられ、捕集部は、EGRクーラとEGRバルブとの間に斜面を有し、気化部は、吸気管のEGR合流部の上流に配置されている。この構成のEGRシステムによれば、EGRクーラとEGRバルブとの間で凝縮水を捕集することができ、捕集された凝縮水を、吸気管のEGR合流部の上流に配置された気化部によって気化することができる。吸気管のEGR合流部より上流を流れる吸気ガスは、EGR配管を流れる排気ガスと比較して乾燥しているので、この乾燥している吸気ガス中に糸状部材を曝すことで、凝縮水の気化を効率良く行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、装置の簡素化を図り、排気ガスから分離された凝縮水を処理することができ、コストの増大を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態のEGRシステムを備えたエンジンを示す概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態のEGRシステムの捕集部及び気化部を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
図1及び
図2に示すように、EGRシステム1は、例えばディーゼルエンジン等のエンジン10に搭載され、当該エンジン10のエンジン本体10aの燃焼室から排出された排気ガスの少なくとも一部をエンジン10の吸気側へ還流させる。
【0016】
エンジン10は、ターボチャージャ11を備えた過給機付きエンジンであり、エンジン10のエンジン本体10aは、1又は複数の気筒(図示する例では、6気筒)を有している。なお、エンジン10としては、ディーゼルエンジンに限定されず、ガソリンエンジンであってもよい。また、適用される車両は限定されるものではなく、例えばトラック、バスもしくは重機等の大型車両や中型車両、普通乗用車、小型車両又は軽車両等であってもよい。また、エンジン10は、例えば船舶等に適用されるものでもよい。
【0017】
ターボチャージャ11には、エンジン10の排気ガスが供給されて回転駆動される排気タービン11aが設けられている。排気タービン11aの入口側は、エンジン10のエキゾーストマニホールド12に接続され、排気タービン11aの出口側は、排気管14に接続されている。
【0018】
ターボチャージャ11は、排気タービン11aと同軸で接続されて回転エネルギが伝達されるコンプレッサ11bを有する。このコンプレッサ11bの入口側は、外気を吸入する吸い込みダクト16に接続され、コンプレッサ11bの出口側は、エンジン10の吸気管13に接続されている。吸い込みダクト16を介して吸い込まれた外気は、図示しないエアークリーナによって粉塵などの不純物が除去された後、コンプレッサ11bで圧縮されて、吸気管13に供給される。吸気管13は、コンプレッサ11bの出口とエンジン10のインテークマニホールド17とを接続している。
【0019】
吸気管13には、コンプレッサ11bで昇圧された圧縮空気を冷却するインタークーラ15が設けられている。インタークーラ15から排出された空気(新気)は、EGRシステム1によって還流された排気ガス(EGRガス)と合流されて、インテークマニホールド17を介してエンジン本体10aに吸気される。
【0020】
EGRシステム1は、ターボチャージャ11の排気タービン11aの通過前の高圧の排気ガスを吸気側に還流するHPL(High Pressure Loop)方式のものであって、EGR配管2、EGRクーラ3、EGRバルブ4を備えている。なお、EGRシステムとしては、排気タービン11aを通過後の低圧の排気ガスを吸気側に(排気管14から吸い込みダクト16に)、還流するLPL(Low Pressure Loop)方式のものでもよい。
【0021】
EGR配管2は、その一端側がエキゾーストマニホールド12に接続されていると共に、その他端側が吸気管13におけるインタークーラ15下流側のEGR合流部13aに接続されている。このEGR配管2は、排気ガスの少なくとも一部をEGR合流部13aへ還流させる。
【0022】
EGRクーラ3は、排気ガスを冷却するものであり、EGR配管2に設けられている。EGRクーラ3としては、特に限定されず、様々なEGRクーラを用いることができる。EGRクーラ3は、例えば空冷式のものでもよく、水冷式のものでもよい。EGRバルブ4は、EGR配管2において、EGRクーラ3とEGR合流部13aとの間に配置されている。このEGRバルブ4として、例えば電磁弁が採用され、弁の開閉によって排気ガスの吸気側への還流を許容又は停止させる。
【0023】
ここで、EGRシステム1は、EGR配管2を流れる排気ガスから分離された水分である凝縮水を捕集し、捕集された凝縮水をEGR配管2の外部に排出する凝縮水排出装置20を備えている。凝縮水排出装置20は、捕集部21、排水管22、貯留部23、気化部24を備えている。
【0024】
捕集部21は、
図2に示されるように、EGR配管2において、EGRクーラ3の下流であり、EGRバルブ4の上流に設けられている。捕集部21は、略水平方向に延在するEGR配管2の下側の壁体の内面に形成された斜面21a,21bを有する。斜面21a,21bは、下流に向かうにつれて下方に傾斜する第1斜面21aと、下流に向かうにつれて上方に傾斜する第2斜面21bとを有する。第1斜面21aと第2斜面21bとの間であり、最も低い位置には、開口部21cが設けられている。
【0025】
排水管22の一端側は、捕集部21の開口部21cに接続され、排水管22の他端側は、吸気管13内に挿入されている。排水管22は、吸気管13の管壁を貫通して吸気管13の内部に挿入されている。排水管22は、捕集部21と、吸気管13内の貯留部23とを接続している。
【0026】
貯留部23は、管状を成し、吸気管13内に収容されている。貯留部23は、吸気管13の長手方向に沿って延在している。貯留部23と吸気管13とは、2重管構造を成すように配置され、外管としての吸気管13内に、内管としての貯留部23が配置されている。貯留部23は、吸気管13の長手方向に直交する断面において、吸気管13の中央に配置されている。
【0027】
また、貯留部23は、吸気管13において、インタークーラ15とEGR合流部13aとの間に配置されている。排水管22の他端側は、貯留部23の側壁に設けられた開口部に接続されている。貯留部23は、吸気管13を貫通する排水管22によって支持されて、吸気管13に対して固定されている。
【0028】
貯留部23の長手方向の両端部23a,23bは閉じられており、内部に凝縮水を貯留可能な構成となっている。貯留部23の管壁には、凝縮水が通過可能な複数の貫通孔(不図示)が設けられ、貯留部23内の凝縮水が外表面側に通過することができる。
【0029】
気化部24は、毛細管現象を利用して凝縮水を吸い寄せて気化させる複数の糸状部材25を備えている。糸状部材25は、毛細管現象を利用して水分を吸い寄せ可能であればよく、繊維が撚られて形成されたものでもよく、金属ワイヤなどが撚られて形成されたものでもよい。気化部24は、複数の線状部材が束ねられて形成されたものでもよい。
【0030】
気化部24は、管状の貯留部23の側壁の外表面の略全域に形成されている。糸状部材25は、貯留部23から放射状に延びている。糸状部材25の先端部は、吸気管13の内壁面に向かって延びている。糸状部材25の基端部は、例えば貯留部23の貫通孔に埋め込まれて設置されている。
【0031】
次に、EGRシステム1の作用について説明する。
【0032】
EGRシステム1では、エンジン本体10aから排出された排気ガスの一部がEGR配管2に供給される。EGR配管2に供給された排気ガスは、EGRクーラ3によって冷却された後、EGRバルブ4によって流量が調整されて、EGR合流部13aで吸気管13内に導入されて、新気と混合されて、エンジン本体10aに吸気される。これにより、排気ガスの一部を還流して、エンジン本体10aに供給することで、エンジン10における排気ガスの低NOx化を図ることができる。
【0033】
また、EGR配管2を流れる排気ガスがEGRクーラ3によって冷却されて、ガス中の水分が凝縮して凝縮水となる。この凝縮水は、捕集部21の斜面21a,21bを流れて、捕集部21の開口部21cに流れ込む。捕集部21の開口部21cを通じて、排水管22に導入された凝縮水は、管内を流れて、吸気管13の管状の貯留部23に導入されて貯留される。貯留部23に貯留された凝縮水は、貫通孔を通じて、外表面側に浸み出す。このとき、貫通孔に埋め込まれた糸状部材の毛細管現象によって凝縮水が吸い寄せられて、糸状部材25の先端側へ導かれる。
【0034】
糸状部材25は、吸気管13内を流れる新気中に配置されているので、糸状部材25によって吸い寄せられた凝縮水は、気流に曝されて気化し、新気とともにエンジン本体10aに供給され燃焼される。
【0035】
以上、本実施形態のEGRシステム1によれば、貯留部23に貯留された凝縮水は、毛細管現象を利用して吸い寄せられて気化されるので、凝縮水の排水を制御するための制御弁や、貯留部23における凝縮水の水位を検知するための水位センサを設ける必要がない。これにより、装置の簡素化を図り、製造コスト及びメンテナンスコストの削減を図ることができる。
【0036】
また、EGRシステム1では、毛細管現象を利用して凝縮水を吸い寄せているので、凝縮水を連続して排出して気化させることができる。また、EGRシステム1では、凝縮水を排出する際の動力を不要とすることができる。
【0037】
また、EGRシステム1では、EGR配管2内の排気ガスから凝縮水を捕集して、凝縮水をEGR配管2の外部に排出して気化することができるので、液化した状態の凝縮水が、エンジン本体10aに導入されることが防止される。これにより、凝縮水による水撃の発生を防止することができ、エンジン本体10aにおける燃焼不良の発生を抑制することができる。また、エンジン本体10a内に、液化した状態の凝縮水の進入が防止されるので、エンジン本体10aの腐食を防止することができる。
【0038】
また、EGRシステム1では、貯留部23の外表面に複数の糸状部材25が設けられ、この糸状部材25が、吸気管13の内部に配置されているので、糸状部材25に吸い寄せられた凝縮水は、乾燥した新気によって素早く気化される。これにより、気化の効率を上昇させて、凝縮水の排出量を増やすことができる。そのため、EGRクーラ3における冷却を増強して凝縮水の発生量が増加しても、凝縮水を効率良く気化させることができるので、排気ガス温度を低下させて、更なる低NOx化を図ることができる。
【0039】
本発明は、前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で下記のような種々の変形が可能である。
【0040】
上記実施形態では、気化部24を吸気管13においてEGR合流部よりも上流に配置しているが、気化部24が配置される場所はその他の位置でもよい。例えば、吸気管13において、EGR合流部13aよりも下流に配置された気化部24でもよく、排気管14内に気化部24を配置してもよい。また、気化部24が外気中に曝されるように配置されているものでもよい。
【0041】
また、糸状部材25は、貯留部23の貫通孔から外表面側に配置されているが、貯留部23内から連続して糸状部材(紐状部材)25が配置されているものでもよい。また、毛細管現象を生じさせるものは、糸状部材25に限定されず、所定の隙間を形成するように配置された複数の線状部材でもよい。また、布状の部材を用いて、凝縮水を吸い寄せてもよい。また、粉粒体を管内に収容することで、毛細管現象を利用して、凝縮水を吸い寄せてもよい。
【0042】
また、管状の貯留部23は、外管である吸気管13の長手方向に沿って配置されているものに限定されず、気体の流れに対して、交差するように貯留部23を配置して、この貯留部23の外表面に気化部24を設けてもよい。
【0043】
また、貯留部23は、管状のものに限定されず、その他の形状のものでもよい。例えば、矩形のタンク形状の貯留部でもよい。また、上記実施形態では、貯留部23は吸気管13内に配置されているが、例えば貯留部23を吸気管13の外表面に配置し、吸気管13の管壁に貫通孔を設け、外表面側から吸気管13の内部に糸状部材25を挿入するように配置してもよい。気化部24である糸状部材25を管壁に配置して、管内に張り出すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1…EGRシステム、2…EGR配管、3…EGRクーラ、4…EGRバルブ、10…エンジン、10a…エンジン本体、13…吸気管、13a…EGR合流部、14…排気管、20…凝縮水排出装置、21…捕集部、21a,21b…斜面、21c…開口部、22…排水管、23…貯留部、24…気化部、25…糸状部材。