(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フォールディング領域に重なる前記第2ベース層の第1部分の厚さは、前記周辺領域に重なる前記第2ベース層の第2部分の厚さより小さいことを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
前記フォールディング領域に重なる前記ウインドー部材の第1部分の厚さは、前記周辺領域に重なる前記ウインドー部材の第2部分の厚さと実質的に同一であることを特徴とする、請求項2に記載のフレキシブル表示装置。
前記ウインドー部材の前記第1部分と前記ウインドー部材の前記第2部分とは、実質的に同じ厚さを有し、前記ウインドー部材の厚さは、約20μmから約300μmであることを特徴とする、請求項3に記載のフレキシブル表示装置。
前記フォールディング領域に重なる前記第1ベース層の前記第1部分の厚さは、前記フォールディング領域に重なる前記第2ベース層の第1部分の厚さの約80%から約120%の範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
前記周辺領域に重なる前記第1ベース層の前記第2部分の厚さは、前記周辺領域に重なる前記第2ベース層の第2部分の厚さの約2%から約20%の範囲にあることを特徴とする、請求項5に記載のフレキシブル表示装置。
前記第1ベース層は、前記第2ベース層に比べて、前記フレキシブル表示パネルの前記一面の近くに設けられることを特徴とする、請求項6に記載のフレキシブル表示装置。
前記フォールディング軸と直交する方向に定義された前記第1ベース層の前記第1部分の幅は、前記フォールディング軸と直交する方向に定義された前記フォールディング領域の幅と同一であるか、或いは小さいことを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
前記第1ベース層の前記第1部分は、前記フォールディング軸と直交する方向に沿って切断した断面において、ピークを有することを特徴とする、請求項8に記載のフレキシブル表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、耐久性が高く、曲げ剛性(bending stiffness)が小さいフレキシブル表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置は、フレキシブル表示パネルとウインドー部材とを含む。前記フレキシブル表示パネルは、フォールディング軸が定義されたフォールディング領域と前記フォールディング領域に隣接する周辺領域とを含む。前記ウインドー部材は、前記フォールディング領域と前記周辺領域とに重なるように前記フレキシブル表示パネルの一面上に設けられる。
【0007】
前記ウインドー部材は、積層された複数個のベース層を含む。前記ベース層は、第1ベース層及び第2ベース層を含む。前記第2ベース層は、前記第1ベース層に重ねられ、前記第1ベース層より大きい弾性率(modulus of elasticity)を有する。前記フォールディング領域に重なる前記第1ベース層の第1部分の厚さは、前記周辺領域に重なる前記第1ベース層の第2部分の厚さより大きい。
【0008】
前記複数個のベース層のうち弾性率が最も小さいベース層の前記フォールディング領域に重なる第1部分の厚さは、前記周辺領域に重なる第2部分の厚さより大きい。
【0009】
前記フォールディング領域に重なる前記第2ベース層の第1部分の厚さは、前記周辺領域に重なる前記第2ベース層の第2部分の厚さより小さいことがあり得る。
【0010】
前記フォールディング領域に重なる前記ウインドー部材の第1部分の厚さは、前記周辺領域に重なる前記ウインドー部材の第2部分の厚さと実質的に同一である。
【0011】
前記ウインドー部材の前記第1部分と前記ウインドー部材の前記第2部分とは、実質的に同じ厚さを有し、前記ウインドー部材の厚さは、約20μmから約300μmである。
【0012】
前記フォールディング領域に重なる前記第1ベース層の前記第1部分の厚さは、前記フォールディング領域に重なる前記第2ベース層の第1部分の厚さの約80%から約120%の範囲にあることができる。
【0013】
前記周辺領域に重なる前記第1ベース層の前記第2部分の厚さは、前記周辺領域に重なる前記第2ベース層の第2部分の厚さの約2%から約20%の範囲にあることができる。
【0014】
前記第1ベース層は、前記第2ベース層に比べて、前記フレキシブル表示パネルの前記一面の近くに設けられ得る。
【0015】
前記フォールディング軸と直交する方向に定義された前記第1ベース層の前記第1部分の幅は、前記フォールディング軸と直交する方向に定義された前記フォールディング領域の幅と同一であるか、或いは小さいことがあり得る。前記第1ベース層の前記第1部分は、均一な厚さを有することができる。
【0016】
前記第1ベース層の前記第1部分は、前記フォールディング軸と直交する方向に沿って切断した断面において、ピークを有することができる。
【0017】
前記第2ベース層の前記第1部分は、前記フォールディング軸と直交する方向に沿って、厚さが互いに異なる中心部分と境界部分とに区分される。前記中心部分は、前記境界部分より大きい厚さを有することができる。
【0018】
前記ウインドー部材は、前記第1ベース層と前記第2ベース層とを接着させる接着層をさらに含むことができる。前記接着層は、アクリル系レジン及びシリコン系レジンのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0019】
前記ウインドー部材は、前記第1ベース層及び前記第2ベース層のうちいずれか1つに結合され、前記第2ベース層と異なる弾性率を有する第3ベース層をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
上述した事項によると、上記のフォールディング領域に重なる上記の第2ベース層の第1部分の厚さが、上記の周辺領域に重なる上記の第2ベース層の第2部分の厚さより大きいので、上記のウインドー部材は上記のフォールディング領域でより容易に折り畳まれる。
【0021】
上記の第2ベース層の第1部分の、上記のウインドー部材に対する厚さ比率は、上記の第2ベース層の第2部分の厚さ比率より大きい。上記のウインドー部材のフォールディング領域は、上記の周辺領域より弾性率が小さいベース層の比率が高いので、上記のフレキシブル表示装置は上記のフォールディング領域でより容易に折り畳まれる。
【0022】
上記の第2ベース層より弾性率が大きい上記の第1ベース層は、上記のウインドー部材の強度(又は硬さ又は耐久性)を高める。上記の第1ベース層が上記のウインドー部材の外面をなすので、上記のフレキシブル表示装置の外部強度(又は硬さ又は耐久性)は増加する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置を説明する。
【0025】
図面では、様々な層及び領域を明確に表現するために、一部構成要素のスケールを誇張したり、縮小したりして示している。明細書の全体に渡って、類似の参照符号は類似の構成要素を表す。また、ある層が他の層の‘上に(on)’形成される(設けられる)という場合には、2つの層が接している場合のみならず、2層の間に他の層が存在する場合も含まれる。また、図面においてある層の一面が平らに図示されている場合も、必ずしも平らである必要はなく、積層工程において下部層の表面形状によって上部層の表面に段差が発生することもあり得る。
【0026】
図1Aは、本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の開いた状態の斜視図であり、
図1Bは、本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の折られた状態の側面図である。
【0027】
図1A及び
図1Bに図示されたように、フレキシブル表示装置(以下、表示装置)は、フレキシブル表示パネル(DP、以下、表示パネル)と表示パネルDPの一面上に設けられたフレキシブルウインドー部材(WM、以下、ウインドー部材)を含む。
【0028】
表示パネルDPとウインドー部材WMとは、透明な接着部材AMによって結合され得る。接着部材AMには、紫外線硬化型の感圧接着剤PSA(pressure sensitive adhesives)が使用され得る。表示パネルDPとウインドー部材WMとは、直接結合されないこともあり得る。表示パネルDPとウインドー部材WMとの間には、他の機能性部材がさらに設けられ得る。
【0029】
上記の表示装置は、全体的に曲面をなすように曲げられたり巻かれたり、或いは特定の領域で折り畳まれたりすることができる。上記の表示装置は、第1方向DR1と第2方向DR2とが定義する平面上でフォールディング領域FAと周辺領域SA1、SA2とに区分される。
図1A及び
図1Bには、1つのフォールディング領域FAと2つの周辺領域SA1、SA2を含む表示装置が例示的に図示された。
【0030】
フォールディング領域FAは、上記の表示装置が折り曲げられる領域として定義される。上記の表示装置は、フォールディング領域FAに定義されたフォールディング軸PAに沿って折り畳まれる。フォールディング軸PAは、第2方向DR2に延在した仮想的な軸である。周辺領域SA1、SA2は、フォールディング領域FAに隣接する領域として定義される。周辺領域SA1、SA2は平らであることも、緩く曲げられることも可能である。フォールディング領域FAと周辺領域SA1、SA2とは、表示パネルDPとウインドー部材WMとに対しても同様に定義される。
【0031】
表示パネルDPは、フレキシブルなベース基板と、ベース基板上に設けられた信号配線と、上記の信号配線に電気的に連結された画素と、を含む。上記の画素は、上記の信号配線から受信した信号に基づいてイメージを生成する。表示パネルDPは、一面の上に上記のイメージを表示する。表示パネルDPは、有機発光表示パネル、電気泳動表示パネル、及びエレクトロ・ウェッティング表示パネル等のうちいずれか1つであり得る。
【0032】
表示パネルDPのフォールディング領域FAと周辺領域SA1、SA2とには、上記の画素のうち対応する一部の画素が各々設けられる。上記の表示装置のフォールディング領域FAと周辺領域SA1、SA2とで生成されたイメージは、1つのイメージに対応した情報を提供することができる。
【0033】
ウインドー部材WMは、表示パネルDPを保護する。ウインドー部材WMは透明な物質から構成される。具体的に図示していないが、ウインドー部材WMは複数個のベース層を含む。これら複数個のベース層のうち、隣接するベース層の間にはこれらを結合させる接着層が設けられる。
【0034】
図1Bに図示されたように、上記の表示装置は、2つの周辺領域SA1、SA2が互いに対向するように折り畳まれることができる。上記の表示装置は、0.5mmから10mmの曲率半径R1を有することができるが、R1はこれに限定されるものではない。上記の表示装置は、2つの周辺領域SA1、SA2が10°から90°の間の角度を有するように折り畳まれることもあり得る。
【0035】
上記の表示装置の、第1方向DR1及び第2方向DR2によって定義された平面の法線方向DR3の厚さT1は、表示パネルDP、ウインドー部材WM、及び接着部材AMの厚さの合計に等しい。上記の表示装置の厚さT1が増加するほど、上記の表示装置に発生するストレイン(strain)は増加される。
【0036】
図2Aは、本発明の一実施形態によるウインドー部材の開いた状態の斜視図である。
図2Bは、本発明の一実施形態によるウインドー部材の開いた状態の側面図である。
【0037】
図2A及び
図2Bには、第1ベース層BL1及び第2ベース層BL2を含むウインドー部材WMが例示的に図示された。但し、ウインドー部材WMの積層構造はこれに限定されない。
【0038】
第1ベース層BL1及び第2ベース層BL2の各々は、プラスチックフィルムを含むことができる。第1ベース層BL1及び第2ベース層BL2は、互いに異なる弾性率を有するプラスチックフィルムであり得る。
【0039】
第1ベース層BL1及び第2ベース層BL2は、その間に設けられた接着層AL1によって結合される。上記の接着層は、アクリル系レジン及びシリコン系レジンのうち少なくとも1つを含む。
【0040】
第1ベース層BL1及び第2ベース層BL2のうちいずれか1つに液相のレジンを塗布した後、第1ベース層BL1と第2ベース層BL2とを圧着する。その後、上記の液相のレジンを硬化させて、接着層AL1を形成する。一方、後述のように、場所によって異なった厚さを有する第1ベース層BL1と第2ベース層BL2とは、プラスチックフィルムのドライエッチング又はレーザーエッチングによって製造することができる。
【0041】
ウインドー部材WMが表示パネル(DP、
図1A及び
図1B参照)上に設けられるとき、第1ベース層BL1は、第2ベース層BL2より表示パネルDPに近くに設けられる。即ち、上記の法線方向DR3において、第1ベース層BL1は第2ベース層BL2の下側に設けられる。
【0042】
第1ベース層BL1は、第2ベース層BL2より小さい弾性率を有する。第1ベース層BL1のうちフォールディング領域FAに重なる第1部分の厚さT11は、第1ベース層BL1のうち周辺領域SA1、SA2に重なる第2部分の厚さT12より大きい。本実施形態における厚さT11、T12は平均値と定義される。
【0043】
第1ベース層BL1の第1部分の第1方向DR1の幅は、フォールディング領域FAの第1方向DR1の幅と同一であり得る。第1ベース層BL1の第1部分は均一な厚さT11を有する。本発明の他の実施形態で、フォールディング領域FAの第1方向DR1の幅に対する第1ベース層BL1の第1部分の第1方向DR1の幅の比率は変更されることができる。
【0044】
フォールディング領域FAに重なるウインドー部材WMの第1部分は、周辺領域SA1、SA2に重なるウインドー部材WMの第2部分より小さい弾性率を有する。ウインドー部材WMの第1部分は、ウインドー部材WMの第2部分より、弾性率が小さい第1ベース層BL1のウインドー部材WMに対する厚さ比率が大きいためである。ウインドー部材WMの厚さは、第1ベース層BL1の厚さと第2ベース層BL2の厚さとを合算した値と同一である。
【0045】
本実施形態によるウインドー部材WMと同じ厚さを有し、第2ベース層BL2と同じ物質を含む単一層のウインドー部材(以下、第1サンプルウインドー部材)に比べ、本実施形態によるウインドー部材WMは、フォールディング領域FAにおいてより容易に折り畳まれる。言い換えれば、本実施形態によるウインドー部材WMは、上記の第1サンプルウインドー部材より小さい曲げ剛性を有する。
【0046】
本発明によるウインドー部材WMの例示的な実施形態は、フォールディング領域FAにおいてより容易に折り畳まれることができる。ウインドー部材WMは、比較されるウインドー部材全体の厚さと等しい均一な厚さの単一層を有する比較されるウインドー部材の曲げ剛性よりも比較的小さな曲げ剛性をもたらすように構成された複数の層を含むためである。
【0047】
比較されるウインドー部材の曲げ剛性は、次式で表される。
【0049】
上式において、“BS”は曲げ剛性を表し、“E”はウインドー部材の弾性率を表し、“TH”はウインドー部材の厚さを表す。第1サンプルウインドー部材及びウインドー部材WMが同じ物質を含む場合、“E”は一定である。
【0050】
第1サンプルウインドー部材の曲げ剛性は、その単一層の厚さの3乗に比例する。これに対して、複数層のウインドー部材WMの曲げ剛性は、異なる厚みを有する複数の層の曲げ剛性の和に等しい。ウインドー部材WMの曲げ剛性は、第1ベース層BL1の曲げ剛性と第2ベース層BL2の曲げ剛性との和に等しい。言い換えれば、ウインドー部材WMのフォールディング領域FAにおける曲げ剛性は、第1ベース層BL1の第1部分の厚さT11の3乗と第2ベース層BL2の第1部分の厚さT21の3乗との和に比例する。従って、本発明によるウインドー部材WMの一つ以上の例示的な実施形態は、フォールディング領域FAにおいて、第1サンプルウインドー部材の曲げ剛性よりも比較的小さな曲げ剛性を有する。
【0051】
本実施形態によるウインドー部材WMと同じ厚さを有し、第1ベース層BL1と同じ物質を含む単一層のウインドー部材(以下、第2サンプルウインドー部材)に比べ、本実施形態によるウインドー部材WMは、より大きい強度(又は硬さ又は耐久性)を有する。本実施形態によるウインドー部材WMの強度(又は硬さ又は耐久性)は、相対的に大きい弾性率を有する第2ベース層BL2によって補償されるためである。
【0052】
フォールディング領域FAに重なる第2ベース層BL2の第1部分の厚さT21は、周辺領域SA1、SA2に重なる第2ベース層BL2の第2部分の厚さT22より小さい。本実施形態における厚さT21、T22は平均値と定義される。
【0053】
フォールディング領域FAに重なるウインドー部材WMの第1部分の厚さは、周辺領域SA1、SA2に重なるウインドー部材WMの第2部分の厚さと実質的に同一である。フォールディング領域FAに重なる第1ベース層BL1の第1部分と第2ベース層BL2の第1部分とは、互いに嵌合されるような形状を有する。
【0054】
本実施形態によるウインドー部材WMは、フォールディング領域FAにおいて場所に関係なく同じ厚さを各々有する2つのベース層を含むウインドー部材(以下、第3サンプルウインドー部材)に比べ、より容易に折り畳まれる。また、本実施形態によるウインドー部材WMは、周辺領域SA1、SA2において第3サンプルウインドー部材と同じような大きさの強度(又は硬さ又は耐久性)を有する。このとき、ウインドー部材WMと上記の第3サンプルウインドー部材とは、同じ厚さを有する。
【0055】
ウインドー部材WMの第1部分とウインドー部材WMの第2部分とは、実質的に同じ厚さを有する。ウインドー部材WMの厚さは、約20μmから約300μmの範囲にある。外部衝撃から表示パネルDPを保護するために、ウインドー部材WMは少なくとも所定の強度(又は硬さ又は耐久性)を有する。このために、ウインドー部材WMの厚さは、約20μmより大きい。厚さに比例するストレインを減らすために、ウインドー部材WMの厚さは約300μmより小さい。第1ベース層BL1と第2ベース層BL2とを構成する物質に応じて、ウインドー部材WMの厚さは上述した範囲で変更されることができる。
【0056】
第1ベース層BL1の第1部分の厚さT11は、第2ベース層BL2の第1部分の厚さT21の約80%から約120%の範囲にあることが望ましい。これは、ウインドー部材WMを、フォールディング領域FAで容易に折り畳めるように、且つウインドー部材WMの所定の強度(又は硬さ又は耐久性)を維持できるようにするためである。
【0057】
第1ベース層BL1の第2部分の厚さT12は、第2ベース層BL2の第2部分の厚さT22の約2%から約20%の範囲にあることが望ましい。これは、ウインドー部材WMの周辺領域SA1、SA2の強度(又は硬さ又は耐久性)を、ウインドー部材WMのフォールディング領域FAの強度(又は硬さ又は耐久性)よりも高く維持するためである。
【0058】
図3は、ウインドー部材の構造に応じた曲げ剛性(bending stiffness)を示すグラフである。
図3に図示された第1バーSP1から第3バーSP3は、200μmの厚さを有するウインドー部材の曲げ剛性を示す。
【0059】
第1バーSP1は、単一層のウインドー部材の曲げ剛性を示す。第1バーSP1は、200μmの厚さを有するポリイミドフィルム層を含むウインドー部材の曲げ剛性を示す。第1バーSP1によれば、上記の曲げ剛性は約4.5ニュートンである。
【0060】
第2バーSP2及び第3バーSP3の各々は、二重層ウインドー部材の曲げ剛性を示す。第2バーSP2及び第3バーSP3の各々は、100μmの厚さを有するポリイミドフィルム層と100μmの厚さを有するポリエチレンテレフタレートフィルム層とを含むウインドー部材の曲げ剛性を示す。
【0061】
上記のポリイミドフィルム層は、上記のポリエチレンテレフタレートフィルム層より小さい弾性率を有する。上記のポリイミドフィルム層の引張弾性率は3.2であり、上記のポリエチレンテレフタレートフィルム層の引張弾性率は5.1である。
【0062】
第2バーSP2で表される曲げ剛性を有するウインドー部材のポリエチレンテレフタレートフィルム層は、該ウインドー部材のポリイミドフィルム層より表示パネル(DP、
図1A及び
図1B参照)の近くに設けられる。第3バーSP3で表される曲げ剛性を有するウインドー部材のポリイミドフィルム層は、該ウインドー部材のポリエチレンテレフタレートフィルム層より表示パネルDPの近くに設けられる。
【0063】
第2バーSP2によれば、曲げ剛性は約3.9ニュートンであり、第3バーSP3によれば、曲げ剛性は約2.9ニュートンである。第1バーSP1、第2バーSP2、及び第3バーSP3に示したように、単一層のウインドー部材より、互いに異なる弾性率を有する複数個のベース層を含むウインドー部材の方が小さい曲げ剛性を有する。のみならず、上述の弾性率がより小さいベース層を表示パネルDPにより近くなるように設けることによって、曲げ剛性が減少する。また、上述の弾性率がより大きいベース層が上記のウインドー部材の外面をなすので、フレキシブル表示装置の外部強度(又は硬さ又は耐久性)は増加する。
【0064】
図4Aから
図4Dは、本発明の一実施形態によるウインドー部材の側面図である。以下、
図4Aから
図4Dを参照して、ウインドー部材を説明する。但し、
図1から
図3を参照して説明した構成と同一の構成に対する詳細な説明は省略する。
【0065】
図4Aに図示されたように、第1ベース層BL1−1の第1部分の第1方向DR1の幅W10は、フォールディング領域FAの第1方向DR1の幅より小さいことがあり得る。
【0066】
ウインドー部材WMが折り畳まれるとき、圧縮応力は実質的にフォールディング領域FAの第1方向DR1の中心地点に集中する。第1ベース層BL1−1の第1部分の幅W10が、フォールディング領域FAの第1方向DR1の幅より小さいとしても、第1ベース層BL1−1の第1部分がフォールディング領域FAの中心地点に重なっていれば、ウインドー部材WMにもたらされる圧縮応力は減少する。
【0067】
図4B及び
図4Cに図示されたように、フォールディング領域FAに重なる第1ベース層BL1−2、BL1−3の第1部分は均一な厚さT11を有しないこともあり得る。
【0068】
図4Bに図示されたように、第1ベース層BL1−2の第1部分は、第1方向DR1に沿って切断した断面においてピークを有する。第1ベース層BL1−2の第1部分は、接着層AL1と接触する境界面を有する。
【0069】
上記の境界面は、第1ベース層BL1−2の第1部分を第1方向DR1に沿って切断した断面において、膨らんだ曲線状の境界線を有する。本発明の他の実施形態で、上記の境界面は、第1ベース層BL1−2の第1部分を第1方向DR1に沿って切断した断面において、ピークを有する別の形状の境界線を有することもあり得る。
【0070】
第1ベース層BL1−2の第1部分の厚さT11は、第2ベース層BL2−2の第1部分の厚さT21の約80%から約120%の範囲にある。本実施形態において、第1ベース層BL1−2の第1部分の厚さT11は上記のピーク地点で測定された最大値として定義され、第2ベース層BL2−2の第1部分の厚さT21は最小値として定義される。
【0071】
本実施形態によれば、ウインドー部材WMに光が照射されても、第1ベース層BL1−2の第1部分と第1ベース層BL1−2の第2部分との境界は光学的に明らかにはならない。第1ベース層BL1−2の第1部分の厚さT11が第1方向DR1に沿って徐々に変化するためである。
【0072】
図4Cに図示されたように、第1ベース層BL1−3の第1部分は、第1方向DR1に沿って、厚さが互いに異なる中心部分CAと境界部分BA1、BA2とに区分され得る。
【0073】
第1ベース層BL1−3の第1部分の厚さT11は、第2ベース層BL2−3の第1部分の厚さT21の約80%から約120%の範囲にある。本実施形態で、第1ベース層BL1−3の第1部分の厚さT11は中心部分CAで測定された値であり、第2ベース層BL2−3の第1部分の厚さT21は中心部分CAに対応する第2ベース層BL2−3の一部分で測定された値である。この例示的な実施形態において、第1ベース層BL1−3の第1部分は、フォールディング軸PAと実質的に直交する第1方向DR1に沿った台形の断面を有する突出部を備えることができる。
【0074】
図4Dに図示されたように、ウインドー部材WMは複数個のベース層BL10、BL20、BL30を含む。複数個のベース層BL10、BL20、BL30のうち隣接するベース層の間には、これらを結合させる接着層AL1、AL2が設けられる。
【0075】
図4Dに図示されたように、ウインドー部材WMは、第1ベース層BL10、第2ベース層BL20、及び第3ベース層BL30を含むことができる、即ち3つのベース層を含むことができる。
【0076】
第1ベース層BL10及び第2ベース層BL20は、第3ベース層BL30より小さい弾性率を有する。第1ベース層BL10、第2ベース層BL20、及び第3ベース層BL30のうち弾性率が最も小さい第1ベース層BL10が、表示パネル(DP、
図1A及び
図1B参照)の上記した一面に最も近くなるように設けられる。
【0077】
第1ベース層BL10、第2ベース層BL20、及び第3ベース層BL30のうち弾性率が最も大きい第3ベース層BL30は、表示パネルDPの上記した一面に最も遠くなるように設けられる。相対的に強度(又は硬さ又は耐久性)が最も大きい第3ベース層BL30は、表示装置の外面をなす。
【0078】
フォールディング領域FAに重なる第1ベース層BL10及び第2ベース層BL20の第1部分の厚さT110、T210は、それぞれ周辺領域SA1、SA2に重なる第1ベース層BL10及び第2ベース層BL20の第2部分の厚さT120、T220より大きい。
【0079】
フォールディング領域FAに重なる第3ベース層BL30の第1部分の厚さT310は、周辺領域SA1、SA2に重なる第3ベース層BL30の第2部分の厚さT320より小さい。
【0080】
第1ベース層BL10の第1部分の厚さT110及び第2ベース層BL20の第1部分の厚さT210は、第3ベース層BL30の第1部分の厚さT310の約80%から約120%の範囲にあることが望ましい。ウインドー部材WMを、フォールディング領域FAで容易に折り畳めるように、且つウインドー部材WMの所定の強度(又は硬さ又は耐久性)を維持できるようにするためである。
【0081】
また、第1ベース層BL10の第1部分の厚さT110は、第2ベース層BL20の第1部分の厚さT210より大きいことが望ましい。ウインドー部材WMをフォールディング領域FAでさらに容易に折り畳めるようにするためである。
【0082】
第1ベース層BL10の第2部分の厚さT120及び第2ベース層BL20の第2部分の厚さT220は、第3ベース層BL30の第2部分の厚さT320の約2%から約20%の範囲にあることが望ましい。ウインドー部材WMの周辺領域SA1、SA2の強度(又は硬さ又は耐久性)を、ウインドー部材WMのフォールディング領域FAの強度(又は硬さ又は耐久性)より高く維持するためである。
【0083】
図5は、本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の断面図である。以下、本実施形態による表示装置を説明する。
【0084】
フレキシブル表示装置(以下、表示装置)はフレキシブル表示パネル(DP、以下、表示パネル)、表示パネルDPの一面上に設けられたフレキシブルウインドー部材(WM、以下、ウインドー部材)、及び機能性部材を含む。
【0085】
上記の機能性部材は、表示パネルDPとウインドー部材WMとの間に設けられるタッチスクリーンTSP及び光学部材LFを含む。外部入力を感知するタッチスクリーンTSPは、接着部材AMによって表示パネルDPに結合される。
【0086】
光学部材LFは、接着部材AMによってタッチスクリーンTSPに結合される。光学部材LFは少なくとも偏光板を含む。また、位相差板をさらに含むことができる。光学部材LFは、外部光の反射を防止することができる。光学部材LFは省略され得、タッチスクリーンTSPに含まれ得る。
【0087】
ウインドー部材WMの外面の上には、機能性コーティング層FCが設けられ得る。機能性コーティング層FCは、指紋防止コーティング層(Anti-Finger Coating Layer)、反射防止コーティング層(Anti-Reflection Coating Layer)、防眩性コーティング層(Anti-Glare Coating Layer)、及びハードコーティングのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0088】
上記の機能性部材は、表示パネルDPの外面上に設けられる保護フィルムPFをさらに含むことができる。保護フィルムPFは、外部の衝撃から表示パネルDPを保護する。保護フィルムPFは、接着部材AMによって表示パネルDPに結合される。
【0089】
以上、本発明の望ましい実施形態を参照して説明したが、該当技術分野の熟練された当業者又は該当技術分野に通常の知識を有する者であれば、後述される特許請求の範囲に記載された本発明のマッピング及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変形できることは理解できる。
【0090】
したがって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されることなく、特許請求の範囲によって定められなければならない。