特許第6382670号(P6382670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382670
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】液面レベル検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/60 20060101AFI20180820BHJP
   B67D 7/08 20100101ALI20180820BHJP
【FI】
   G01F23/60 B
   B67D7/08 A
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-203212(P2014-203212)
(22)【出願日】2014年10月1日
(65)【公開番号】特開2016-70876(P2016-70876A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 幸司
【審査官】 岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−285235(JP,A)
【文献】 特開2006−256681(JP,A)
【文献】 特開平8−4939(JP,A)
【文献】 米国特許第4890983(US,A)
【文献】 特開昭57−169823(JP,A)
【文献】 実公昭50−15501(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F23/00−23/76
B67D 7/00− 7/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃油を入れる容器と、前記容器内の空気を大気へ放出するエアブリーザーを備え、前記容器内の前記廃油の油量を検出するエアブリーザー付き油面計を有する液面レベル検出システムにおいて、
前記容器が、
前記容器の内部空間を大気に連通させるように貫通して設けられ、内周面に第1雌ねじを形成された第1貫通穴と、
前記容器の前記内部空間を大気に連通させるように貫通して設けられ、内周面に第2雌ねじを形成された第2貫通穴とを有すること、
前記廃油を移送するホースが固定されて前記容器に前記廃油を給油するものであって、前記第1雌ねじに螺合する第1雄ねじを形成されたカプラを有すること、
前記エアブリーザー付き油面計は、第1ブロックと第2ブロックに分割され、前記第1ブロックと前記第2ブロックを連結するユニオンナットを有すること、
前記第1ブロックが、前記第2雌ねじに螺合する第2雄ねじが外周面に形成され、前記第2雄ねじと前記第1ブロックが前記第2ブロックに連結する端面との間に、前記ユニオンナットに螺合するユニオンねじが形成されていること、
前記第2ブロックが、前記エアブリーザーと、前記容器内の油量を検出するレベルスイッチを有し、前記ユニオンナットを回転自在に保持していること、
を特徴とする液面レベル検出システム。
【請求項2】
請求項1に記載する液面レベル検出システムにおいて、
前記レベルスイッチに接続する配線と、
前記配線を介して前記レベルスイッチに電気通信可能に接続し、前記レベルスイッチが検出した油量を表示するコントローラと、を有すること
を特徴とする液面レベル検出システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する液面レベル検出システムにおいて、
前記カプラは、前記ホースが固定されるプラグ部材と、前記プラグ部材を軸線方向へ移動させることで前記プラグ部材に対して着脱自在に連結し、前記第1雄ねじが外周面に形成されたソケット部材を有すること
を特徴とする液面レベル検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内の油量を検出する液面レベル検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マニフェスト制度により、廃油は排出事業者の責任で適正に処理される。マニフェスト制度では、他人に処理を委託する場合、産業廃棄物の名称や数量等を記載した産業廃棄物管理票が交付され、廃油の入った廃棄用容器と一緒に流通することで、産業廃棄物の流れを明確化している。例えば、産業廃棄物管理票に記載された数量が一緒に流通する廃油の油量と同じでない場合には、排出事業者又は処理事業者が罰せられることがある。よって、廃油を廃棄用容器に入れる際には、容器に油面計を取り付け、容器内の油量が測定される。
【0003】
図7は、従来のエアブリーザー付き油面計101(以下、「油面計101」と略記する。)が取り付けられたタンク110の外観斜視図である。
タンク110の上面110aには、給油口110bと空気穴110cが設けられている。油面計101は、空気穴110cからフロート103を投入して油120に浮上させるようにし、4本のボルト102で上面110aに固定される。給油口110bのキャップ111を外して給油口110bにノズル(図示せず)を入れ、タンク110に油を入れると、油面計101は、フロート103が上昇し、油量を検出する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平4−69730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の油面計101は、タンク110に対して4本のボルト102で固定されていた。そのため、油面計101の着脱には、スパナ等の工具を必要とし、手間がかかっていた。また、ノズルを給油口110bに差し入れただけの状態で給油が行われるので、予期せぬ出来事でタンク110が倒れると、ノズルが給油口110bから外れ、油が給油口110bから床に大量にこぼれる恐れがあった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、油量を計測する油面計を容器に簡単に着脱することができ、給油中に容器が倒れても油が床に大量にこぼれない液面レベル検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、次のような構成を有している。
(1)廃油を入れる容器と、前記容器内の空気を大気へ放出するエアブリーザーを備え、前記容器内の前記廃油の油量を検出するエアブリーザー付き油面計を有する液面レベル検出システムにおいて、前記容器が、前記容器の内部空間を大気に連通させるように貫通して設けられ、内周面に第1雌ねじを形成された第1貫通穴と、前記容器の前記内部空間を大気に連通させるように貫通して設けられ、内周面に第2雌ねじを形成された第2貫通穴とを有すること、前記廃油を移送するホースが固定されて前記容器に前記廃油を給油するものであって、前記第1雌ねじに螺合する第1雄ねじを形成されたカプラを有すること、前記エアブリーザー付き油面計は、第1ブロックと第2ブロックに分割され、前記第1ブロックと前記第2ブロックを連結するユニオンナットを有すること、前記第1ブロックが、前記第2雌ねじに螺合する第2雄ねじが外周面に形成され、前記第2雄ねじと前記第1ブロックが前記第2ブロックに連結する端面との間に、前記ユニオンナットに螺合するユニオンねじが形成されていること、前記第2ブロックが、前記エアブリーザーと、前記容器内の油量を検出するレベルスイッチを有し、前記ユニオンナットを回転自在に保持していること、を特徴とする。
【0008】
上記構成の液面レベル検出システムは、油面計が容器に対して螺設される。具体的には、油面計の第1ブロックは、容器に設けられた第2貫通穴の第2雌ねじに対して第2雄ねじをねじ込むことにより、容器に螺設される。ユニオンねじは、第1ブロックに対して、第2雄ねじと第1ブロックが第2ブロックに連結される端面との間に形成されているので、第1ブロックを容器に螺設した状態では、容器の外部に露出する。そこで、第2ブロックは、回転自在に保持するユニオンナットを第1ブロックのユニオンねじに締結することにより、回転されることなく第1ブロックに連結される。よって、油面計は、工具を用いなくても、容器に簡単に着脱できる。
【0009】
カプラは、容器に設けられた第1貫通穴の第1雌ねじに対して第1雄ねじをねじ込むことにより、容器に螺設される。カプラは、廃油を移送するホースが固定され、廃油を容器に給油する。容器内の油量は、油面計のレベルスイッチが検出する。給油中、容器は、第1貫通穴と第2貫通穴がカプラと油面計に塞がれているが、容器の内部空間は、油面計のエアブリーザーを介して大気に連通している。そのため、容器は、給油中、内部空間の空気がエアブリーザーを介して大気に放出され、内圧が安定する。給油中に予期せぬ出来事で容器が倒れたとしても、カプラと油面計が容器の第1及び第2貫通穴に螺設されて第1及び第2貫通穴を塞いでいるので、カプラと油面計が容器から外れず、容器内の廃油が床に大量にこぼれない。
【0010】
(2)(1)に記載の構成において、好ましくは、前記レベルスイッチに接続する配線と、前記配線を介して前記レベルスイッチに電気通信可能に接続し、前記レベルスイッチが検出した油量を表示するコントローラと、を有する。
【0011】
上記構成の液面レベル検出システムは、レベルスイッチが検出した油量が配線を介してコントローラへ送信され、コントローラに表示される。油面計は、レベルスイッチを有する第2ブロックと、容器に螺設される第1ブロックに分割され、ユニオンナットを用いて、第2ブロックが第1ブロックに対して回転されずに取り付けられる。そのため、油面計を容器に取り付ける際に、配線が油面計に巻き付かず、油面計を容器に取り付けやすい。
【0012】
(3)(1)又は(2)に記載の構成において、好ましくは、前記カプラは、前記ホースが固定されるプラグ部材と、前記プラグ部材を軸線方向へ移動させることで前記プラグ部材に対して着脱自在に連結し、前記第1雄ねじが外周面に形成されたソケット部材を有する。
【0013】
上記構成の液面レベル検出システムでは、カプラが、ソケット部材とプラグ部材に分割されている。カプラは、ソケット部材の第1雄ねじを容器の第1雌ねじにねじ込むことにより、ソケット部材を容器に螺設した後、ホースが固定されたプラグ部材を軸線方向へ移動させてソケット部材に着脱可能に連結することで、容器に取り付けられる。そのため、カプラを容器に取り付ける場合に、ホースがカプラに巻き付かず、カプラを容器に取り付けやすい。
【発明の効果】
【0014】
従って、上記構成の液面レベル検出システムによれば、油量を計測する油面計を容器に簡単に着脱することができ、給油中に容器が倒れても油が床に大量にこぼれない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る液面レベル検出システムの概略構成図である。
図2図1に示すカプラの分解図である。
図3図1に示すエアブリーザー付き油面計の分解図である。
図4図1に示すカプラとエアブリーザー付き油面計を収納するホルダの側面図である。
図5図4に示すホルダの上面図である。
図6】廃油回収装置の一例を示す図である。
図7】従来のエアブリーザー付き油面計が取り付けられた容器の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る液面レベル検出システムの実施形態について図面に基づいて説明する。
【0017】
図6は、廃油回収装置1の一例を示す図である。本実施形態では、液面レベル検出システム20は、鉄道車両の軸箱および歯車箱から抜き出した潤滑油を回収する廃油回収装置1に使用される。
【0018】
廃油回収装置1は、軸箱および歯車箱から抜き出した潤滑油がフィルタ付き容器2A,2Bに落下し、摩耗粉等の異物を除去される。潤滑油は、配管3A,3Bを通って回収タンク5へ流入し、貯められる。
【0019】
回収タンク5は、回収タンク5に回収された廃油の油量を検出するためのセンサ(図示せず)と、不純物を除去する第2フィルタ4と、第2フィルタ4を介して回収タンク5から廃油を吸い込んで液面レベル検出システム20へ送出するポンプ8を備える。センサ(図示せず)とポンプ8は、配線6を介してコントローラ7に通信可能に接続されている。
【0020】
コントローラ7は、回収タンク5に回収された廃油の油量を示す回収油量測定データをセンサ(図示せず)から入力し、回収油量測定データが廃棄量設定値以上になったことを検出すると、給油指示表示を行う。そこで、作業者は、液面レベル検出システム20を用いて回収タンク5からドラム缶12へ廃油を移す。ドラム缶12の下にはオイルパン11が置かれ、ドラム缶12の汚れが床に付着しないようにしている。液面レベル検出システム20は、ドラム缶12内の廃油の油量を検出してコントローラ7の表示部(図示せず)に表示する。廃油の回収が終了すると、作業者は、ドラム缶12を液面レベル検出システム20から取り外し、搬出スペース(図示せず)へ移動させる。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る液面レベル検出システム20の概略構成図である。
液面レベル検出システム20は、ドラム缶12の給油口12a(第1貫通穴の一例)と空気穴12b(第2貫通穴の一例)にカプラ30とエアブリーザー付き油面計40(以下、単に「油面計40」ともいう。)を着脱自在に取り付ける。液面レベル検出システム20は、動作を制御するコントローラ7を備える。
【0022】
コントローラ7は、油面計40と配線46を介して電気通信可能に接続し、ドラム缶12内の油量を油面計40を介して監視する。コントローラ7は、油面計40が検出した油量が基準値に達した場合にブザーやランプ、液晶表示等で報知を行う報知手段(図示せず)を有する。そして、コントローラ7は、上述したように配線6を介してポンプ8に電気通信可能に接続し、ポンプ8の駆動と停止を制御できるようになっている。
【0023】
ドラム缶12は、給油口12aと空気穴12bが、ドラム缶12の内部空間12cを大気に連通させるように貫通して設けられている。給油口12aと空気穴12bの内周面には、雌ねじ(第1雌ねじ、第2雌ねじの一例)がそれぞれ形成されている。カプラ30と油面計40は、給油口12aと空気穴12bにそれぞれ螺設されている。
【0024】
図2は、カプラ30の分解図である。カプラ30は、ソケット部材31とプラグ部材32に分割されている。
【0025】
ソケット部材31は、第1管部材31aと第2管部材31bを、鈍角に折れ曲がった継ぎ手31cを介して接続し、第1管部材31aに対して第2管部材31bを任意の方向に向けられるようにしたものである。第1管部材31aの外周面には、給油口12aの雌ねじに螺合する第1雄ねじ31dが形成されている。第2管部材31bには、プラグ部材32の着脱を操作する操作スリーブ31eが設けられている。操作スリーブ31eは、プラグ部材32を軸線方向に沿って移動させることによりプラグ部材32をソケット部材31に着脱自在に連結するものである。具体的には、操作スリーブ31eは、プラグ部材32を所定位置まで差し込まれると、プラグ部材32を第2管部材31bに気密に接続させた状態で保持し、操作スリーブ31eを第2管部材31bに対して所定方向へスライドさせると、プラグ部材32を開放する構造を内蔵している。この構造は周知であるので、詳細な説明を省略する。
【0026】
プラグ部材32は、プラグ本体32aの一端に、ソケット部材31の操作スリーブ31eに差し込まれてソケット部材31の第2管部材31bに気密に接続する差込端部32bが設けられている。また、プラグ部材32は、プラグ本体32aの他端が、固定部32cを介してホース10に固定されている。
【0027】
図3は、油面計40の分解図である。油面計40は、第1ブロック41と第2ブロック42に分割され、第1ブロック41と第2ブロック42をユニオンナット43を用いて連結したものである。
【0028】
第2ブロック42は、レベルスイッチ44を備える。レベルスイッチ44は、第1ブロック41側に位置する端面42a(図3における下面)から主軸44aを垂下させ、主軸44aの先端部に取り付けられたフロート44bがドラム缶12内の廃油に浮かべられるようになっている。レベルスイッチ44は、フロート44bの上下動を磁気センサで検出し、油量を測定するようになっている。
【0029】
第1ブロック41の本体41aは、第2ブロック42に連結する端面41dから端面41dと反対側に位置する端面41eへ軸線に沿って貫通して形成され、フロート44bを挿通できる大きさで形成された貫通穴(図示せず)を備える。本体41aの外周面には、ドラム缶12の空気穴12bに形成された雌ねじに螺合する第2雄ねじ41bが形成されている。本体41aは、第2雄ねじ41bと端面41dとの間に、ユニオンナット43に螺合するユニオンねじ41cが形成され、第1ブロック41をドラム缶12に螺設した状態でユニオンねじ41cがドラム缶12の外部に露出するようになっている。
【0030】
ユニオンナット43は、第2ブロック42に形成された鍔(図示せず)に係止され、第2ブロック42に対して回転自在に保持されている。そのため、第2ブロック42は、ユニオンナット43をユニオンねじ41cに螺合することにより、回転されることなく第1ブロック41に連結される。
【0031】
上述したように、給油口12aと空気穴12bをカプラ30と油面計40を螺設した場合、給油中、ドラム缶12内の空気の逃げ道がなくなる。そこで、油面計40は、第2ブロック42にエアブリーザー45を設け、ドラム缶12内の空気をドラム缶12の外へ逃がすようにしている。
【0032】
上記カプラ30と油面計40は、廃油をドラム缶12に入れるときだけ使用される。そこで、液面レベル検出システム20は、図6に示すように、カプラ30と油面計40を収納するホルダ50を給油場所の近くに設置している。
【0033】
図4は、カプラ30と油面計40を収納するホルダ50の側面図である。図5は、ホルダ50の上面図である。図4及び図5に示すように、ホルダ50は、箱形形状をなし、油面計40を差し込まれて保持する油面計保持部50aと、ソケット部材31を差し込まれて保持するソケット部材保持部50bを備える。ホルダ50の側面には、L字型の保持板50cが溶接等で固定されている。保持板50cには、ホース10に固定するプラグ部材32を保持する保持穴50dが形成されている。ホルダ50の一側面には、一対の固定部50eが側方に延設されており、ボルト穴50fが形成されている。ホルダ50は、ボルト穴50fに挿通したボルト(図示せず)を、例えば、廃油回収装置1の作業台13(図6参照)にねじ込んで固定することで、所定位置に固定される。
【0034】
このような液面レベル検出システム20は、次のようにして給油が行われる。作業者は、先ず、ドラム缶12の給油口12aと空気穴12bからキャップを取り外す。そして、作業者は、ホルダ50からソケット部材31を抜き出して、第1管部材31aをドラム缶12の給油口12aに差し込み、第1管部材31aの第1雄ねじ31dを給油口12aの雌ねじにねじ込む。これにより、ソケット部材31がドラム缶12に外れないように固定される。
【0035】
作業者は、ホルダ50からプラグ部材32を抜き出し、ソケット部材31の操作スリーブ31eに対して所定位置まで差し込む。ここで、ソケット部材31は、継ぎ手31cを介して第2管部材31bが第1管部材31aに対して回転できるようになっている。そのため、作業者は、第2管部材31bを第1管部材31aに対して回転させることで、プラグ部材32をソケット部材31に差し込み易いように第2管部材31bの向きを調整でき、作業しやすい。
【0036】
継ぎ手31cは、鈍角に屈曲し、第1管部材31aと第2管部材31bを鈍角に交差するように接続している。そのため、プラグ部材32をソケット部材31に接続した状態でホース10が無理に曲げられず、過大な負荷がホース10にかからない。
【0037】
また、作業者は、ホルダ50から油面計40を抜き出し、ユニオンナット43を緩めて第1ブロック41を第2ブロック42から離脱させる。そして、作業者は、第1ブロック41の第2雄ねじ41bを空気穴12bの雌ねじに対して第1ブロック41が回転しなくなるまで規定量ねじ込むことにより、第1ブロック41をドラム缶12に外れないように固定する。第1ブロック41は、レベルスイッチ44やエアブリーザー45を備えないため、軽く、扱いやすい。
【0038】
そして、作業者は、フロート44bを第1ブロック41の貫通孔に貫き通し、第2ブロック42の端面42aを第1ブロック41の端面41dに突き合わせる。第2ブロック42は、レベルスイッチ44に配線46が接続し、それ自体を回転させると配線46が巻き付いてしまう。しかも、第2ブロック42は、レベルスイッチ44やエアブリーザー45を備え、第1ブロック41より重くて扱いにくい。しかし、第2ブロック42は、ユニオンナット43を回転自在に保持している。そのため、作業者は、第2ブロック42を一方の手で支えながら、他方の手でユニオンナット43をユニオンねじ41cに回転しなくなるまで規定量ねじ込めば、第2ブロック42を回転させずに第1ブロック41に簡単に連結することができ、配線46が油面計40に巻き付かない。
【0039】
このようにしてカプラ30と油面計40をドラム缶12に固定したら、作業者は、コントローラ7に設けられた給油開始スイッチを操作し、給油を開始させる。すると、コントローラ7は、ポンプ8を駆動させる。これにより、回収タンク5の廃油が廃油管9、ホース10、カプラ30を介してドラム缶12に給油される。
【0040】
ドラム缶12内の廃油の油量が増加するのに伴って、ドラム缶12は、内部空間12cの空気が油面計40のエアブリーザー45を介して大気に放出される。そのため、給油中にドラム缶12の内圧が過剰に上昇しない。
【0041】
油面計40のフロート44bは、廃油の表面に浮き、油量の増加に伴って上昇する。レベルスイッチ44は、フロート44bの位置から、ドラム缶12内の油量を検出する。油面計40は、検出した油量を示すタンク内油量データをコントローラ7に送信する。コントローラ7は、タンク内油量データに基づいて、ドラム缶12内の油量を表示部(図示せず)に表示する。
【0042】
給油中、ドラム缶12の周りには、カプラ30と油面計40に接続するホース10と配線46が引き回されている。そのため、例えば、給油中に、作業者等がホース10や配線46に体や物を引っかけ、ドラム缶12を倒す恐れがある。廃油は、汚れて粘度が高く、床にこぼれると清掃が面倒である。しかし、ドラム缶12は、給油口12aと空気穴12bがカプラ30と油面計40を螺設されて塞がれているため、給油中に倒れても、廃油が床に大量にこぼれず、清掃の手間を省ける。
【0043】
コントローラ7は、油面計40から受信するタンク内油量データ(ドラム缶12内の油量)が基準値に達すると、ポンプ8を停止させ、ドラム缶12が満タンになったことを作業者に知らせる。このようにして給油が終了すると、作業者は、カプラ30と油面計40を取付時と逆の手順でドラム缶12から取り外し、ホルダ50に返却した後、給油口12aと空気穴12bにキャップを取り付ける。
【0044】
作業者は、コントローラ7に表示される油量を産業廃棄物管理票に記入する。ここで、油面計40は、上述したように、第1ブロック41とユニオンナット43がそれぞれ規定量までねじ込まれているので、どのドラム缶12に対しても一定の位置に固定される。そのため、油面計40は、給油の度に、油量の検出精度がばらつかない。よって、産業廃棄物管理票に記載される計測上の油量とドラム缶12内の実際の油量が同じになる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の液面レベル検出システム20は、油面計40が、ドラム缶12に対して螺設される。具体的には、油面計40の第1ブロック41は、空気穴12bの雌ねじ(第2雌ねじの一例)に対して第2雄ねじ41bをねじ込むことにより、ドラム缶12に螺設される。ユニオンねじ41cは、第2雄ねじ41bと端面41dとの間に形成されているので、第1ブロック41をドラム缶12に螺設した状態では、ドラム缶12の外部に露出する。そこで、第2ブロック42は、回転自在に保持するユニオンナット43を第1ブロック41のユニオンねじ41cに締結することにより、回転されることなく第1ブロック41に連結される。よって、油面計40は、工具を用いなくても、ドラム缶12に簡単に着脱できる。
【0046】
カプラ30は、ドラム缶12に設けられた給油口12aの雌ねじ(第1雌ねじの一例)に対して第1雄ねじ31dをねじ込むことにより、ドラム缶12に螺設される。カプラ30は、廃油を移送するホース10が固定され、廃油をドラム缶12に給油する。ドラム缶12内の油量は、油面計40のレベルスイッチ44が検出する。給油中、ドラム缶12は、給油口12a(第1貫通穴の一例)と空気穴12b(第2貫通穴の一例)がカプラ30と油面計40に塞がれているが、ドラム缶12の内部空間12cは、油面計40のエアブリーザー45を介して大気に連通している。そのため、ドラム缶12は、給油中、内部空間12cの空気がエアブリーザー45を介して大気に放出され、内圧が安定する。給油中に予期せぬ出来事でドラム缶12が倒れたとしても、カプラ30と油面計40がドラム缶12の給油口12aと空気穴12bに螺設されて給油口12aと空気穴12bを塞いでいるので、カプラ30と油面計40がドラム缶12から外れず、ドラム缶12内の廃油が床に大量にこぼれない。
【0047】
従って、上記実施形態の液面レベル検出システム20によれば、油量を計測する油面計40をドラム缶12に簡単に着脱することができ、給油中にドラム缶12が倒れても油が床に大量にこぼれない。
【0048】
上記実施形態の液面レベル検出システム20は、レベルスイッチ44が検出した油量が配線46を介してコントローラ7へ送信され、コントローラ7に表示される。油面計40は、レベルスイッチ44を有する第2ブロック42と、ドラム缶12に螺設される第1ブロック41に分割され、ユニオンナット43を用いて、第2ブロック42が第1ブロック41に対して回転されずに取り付けられる。そのため、油面計40をドラム缶12に取り付ける際に、配線46が油面計40に巻き付かず、油面計40をドラム缶12に取り付けやすい。
【0049】
上記実施形態の液面レベル検出システム20では、カプラ30が、ソケット部材31とプラグ部材32に分割されている。カプラ30は、ソケット部材31の第1雄ねじ31dを給油口12aの雌ねじにねじ込むことにより、ソケット部材31をドラム缶12に螺設した後、ホース10が固定されたプラグ部材32を軸線方向へ移動させてソケット部材31に着脱可能に連結することで、ドラム缶12に取り付けられる。そのため、カプラ30をドラム缶12に取り付ける場合に、ホース10がカプラ30に巻き付かず、カプラ30をドラム缶12に取り付けやすい。
【0050】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
【0051】
(1)例えば、上記実施形態では、廃油を入れる容器の一例としてドラム缶を挙げたが、内周面に第1及び第2雌ねじを形成された第1及び第2貫通穴を備えるものであれば、容器はドラム缶に限定されない。
【0052】
(2)例えば、レベルスイッチ44とコントローラ7を無線を用いて通信できるようにしても良い。
【0053】
(3)例えば、上記実施形態では、磁気センサを用いたフロートタイプのレベルスイッチ44を用いたが、超音波タイプや静電容量タイプのレベルスイッチを用いても良い。
【符号の説明】
【0054】
7 コントローラ
10 ホース
12 ドラム缶(容器の一例)
12a 給油口(第1貫通穴の一例)
12b 空気穴(第2貫通孔の一例)
12c 内部空間
20 液面レベル検出システム
30 カプラ
31 ソケット部材
31d 第1雄ねじ
32 プラグ部材
40 油面計
41 第1ブロック
41b 第2雄ねじ
41c ユニオンねじ
41d 端面
42 第2ブロック
43 ユニオンナット
44 レベルスイッチ
45 エアブリーザー
46 配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7