特許第6382672号(P6382672)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382672
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】パッケージ型圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/06 20060101AFI20180820BHJP
【FI】
   F04B39/06 D
【請求項の数】11
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-204072(P2014-204072)
(22)【出願日】2014年10月2日
(65)【公開番号】特開2016-75159(P2016-75159A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2017年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山崎 俊平
(72)【発明者】
【氏名】國友 拓也
【審査官】 所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−185648(JP,A)
【文献】 特開2007−270665(JP,A)
【文献】 特開平04−228897(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の圧縮を行う圧縮機本体と、
前記圧縮機本体を駆動するモータと、
前記モータの回転速度を制御するインバータと、
前記圧縮機本体に設けた該圧縮機本体を冷却する冷却ファンを備え、
前記圧縮機本体に設けた該圧縮機本体を冷却する冷却ファンによる冷却風の吸気経路中に前記インバータを配置したことを特徴とするパッケージ型圧縮機。
【請求項2】
請求項1に記載のパッケージ型圧縮機であって、
前記冷却ファンは、前記圧縮機本体に内蔵され、圧縮機本体の回転と同期して回転することを特徴とするパッケージ型圧縮機。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか1項に記載のパッケージ型圧縮機であって、
前記モータを前記インバータと前記圧縮機本体との前記冷却風の経路間に設けたことを特徴とするパッケージ型圧縮機。
【請求項4】
請求項1または3のいずれか1項に記載のパッケージ型圧縮機であって、
前記圧縮機本体で圧縮された圧縮空気を冷却するアフタークーラを備え、該アフタークーラを前記冷却風の経路中に設けたことを特徴とするパッケージ型圧縮機。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のパッケージ型圧縮機であって、
前記圧縮機本体により圧縮された圧縮空気の経路を前記冷却風の経路中に設けたことを特徴とするパッケージ型圧縮機。
【請求項6】
請求項5に記載のパッケージ型圧縮機であって、
前記圧縮空気の経路は、前記圧縮機本体とアフタークーラを接続した配管であることを特徴とするパッケージ型圧縮機。
【請求項7】
請求項5に記載のパッケージ型圧縮機であって、
前記圧縮空気の経路は、前記圧縮機本体と接続されたアフタークーラと空気タンクを接続した配管であることを特徴とするパッケージ型圧縮機。
【請求項8】
請求項5に記載のパッケージ型圧縮機であって、
前記圧縮空気の経路は、前記圧縮空気を貯蔵する空気タンクとエアードライヤーを接続した配管であることを特徴とするパッケージ型圧縮機。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のパッケージ型圧縮機であって、
前記冷却風の吸気口を複数設けたことを特徴とするパッケージ型圧縮機。
【請求項10】
請求項9に記載のパッケージ型圧縮機であって、
前記冷却風の複数の吸気口は、前記インバータを冷却する冷却風の吸気口と、前記圧縮機本体を冷却する冷却風の吸気口であることを特徴とするパッケージ型圧縮機。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のパッケージ型圧縮機であって、
前記圧縮機本体はスクロール圧縮機であることを特徴とするパッケージ型圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気や冷媒等の流体を圧縮する圧縮機に係り、特に、パッケージ内に圧縮機本体と圧縮機本体を駆動するモータと、モータの回転制御をおこなうインバータを収容したパッケージ型圧縮機の冷却に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2008−175156号公報(特許文献1)がある。特許文献1には、圧縮部と、圧縮部を駆動するモータと、モータを駆動するインバータ装置と、圧縮機内部を冷却する空気を排出する冷却ファンと、をパッケージ内に備えた圧縮機において、パッケージに空気吸込み口を設け、空気吸込み口から吸込んだ空気がインバータ装置を冷却し、次に、モータを冷却する圧縮機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−175156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の圧縮機は、パッケージ内部を冷却する冷却ファンを設けているため、冷却ファン専用のモータが必要であり、コスト上昇に加え、各部品の配置に制約が生じ生産性を低下させてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、インバータの冷却を確保しつつ、各部品配置の制約を少なくして生産性を向上させたパッケージ型圧縮機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本発明は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、パッケージ型圧縮機であって、空気の圧縮を行う圧縮機本体と、圧縮機本体を駆動するモータと、モータの回転速度を制御するインバータと、圧縮機本体に設けた冷却ファンを備え、インバータを圧縮機本体に設けた冷却ファンによる冷却風の吸気経路中に設けた構成とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、インバータの冷却を確保しつつ、各部品配置の制約を少なくして生産性を向上させたパッケージ型圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1におけるパッケージ型圧縮機の外部板の一部を取り外した状態の模式図である。
図2】実施例1におけるパッケージ型圧縮機の冷却風の流れを示す模式図である。
図3】実施例1におけるパッケージ型圧縮機の背面側の冷却風の流れを示す模式図である。
図4】実施例1における圧縮機本体での冷却風の流れを示す模式図である。
図5】実施例2におけるパッケージ型圧縮機の外部板の一部を取り外した状態の模式図である。
図6】実施例3におけるパッケージ型圧縮機の外部板の一部を取り外した状態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本実施例におけるパッケージ型圧縮機の外部板の一部を取り外した状態の模式図である。図1において、筐体1内には空気の圧縮を行うスクロール圧縮機本体2、スクロール圧縮機本体2を駆動するモータ3、モータ3の回転速度を制御するインバータ4、スクロール圧縮機本体2を冷却する冷却ファン5が設置される。インバータ4はスクロール圧縮機本体2の冷却風の吸気経路中に設置される。また、冷却ファン5はスクロール圧縮機本体2に内蔵され、圧縮機本体の回転と同期して回転、冷却を行う。
【0011】
なお、本実施例では、圧縮機本体としてスクロール式圧縮機を用いて説明するが、圧縮機本体は、これに限定されず、圧縮機本体は冷却風による冷却を要するスクロール以外の圧縮機本体でもよく、例えば、レシプロ圧縮機やスクリュー圧縮機等であっても良い。
【0012】
図2を用いて、本実施例における冷却風の流れを説明する。図2は、本実施例におけるパッケージ型圧縮機の冷却風の流れを示す模式図であり、図1の側面部分をパネルで覆った状態を示している。図2において、矢印で示す冷却風6は、冷却ファン5によって、まず筐体1の外部からパネル上に設けられた吸気口7を介して吸引され、図1に示すようなインバータ4の周囲を囲むダクトからなる流通経路を通過することでインバータ4を冷却する。なお、インバータに放熱フィンを設けて、その放熱フィンを冷却風経路中において冷却しても良い。その後、冷却風により、モータ3、スクロール圧縮機本体2の冷却を行う。スクロール圧縮機本体2の冷却を行った冷却風は、点線の矢印で示すように、図2の背面側を通って排気口8から排気される。
【0013】
図3を用いて、本実施例におけるパッケージ型圧縮機の背面側の冷却風の流れを説明する。図3は、図2のパッケージ型圧縮機を背面から見た図であり、外部板の一部を取り外した状態の模式図である。図3において、パッケージ型圧縮機の背面には、スクロール圧縮機本体で圧縮した空気を冷却するアフタークーラ9と、そのアフタークーラ9で冷却された圧縮空気を貯蔵する空気タンク10が配置されており、冷却風6は、スクロール圧縮機本体2の冷却を行った後、アフタークーラ9を冷却し、排気口8から排気される。
【0014】
図4は、本実施例におけるスクロール圧縮機本体2での冷却風の流れを示す模式図であり、スクロール圧縮機本体2を上から見たときの断面図である。冷却風6は、スクロール圧縮機本体2の冷却ファン5により、矢印6−1で示すように冷却風を吸込み、矢印6−2で示すようにダクト11を経由して、矢印6−3で示す冷却風でスクロール圧縮機本体2を冷却した後、矢印6−4で示すように排気されてパッケージ型圧縮機の背面側のアフタークーラ9側へと流通する。
【0015】
以上のように、インバータ4はスクロール圧縮機本体2に設けた冷却ファン5による冷却風の吸気経路中に設けられ、スクロール圧縮機本体2を冷却する冷却ファン5によって発生する冷却風6によって冷却されるため、インバータ4専用の冷却ファンを設ける必要がない。そのため、インバータの冷却を確保しながら、コスト低減と、各部品配置の制約を少なくして生産性を向上させることができる。また、本実施例ではモータ3も冷却風の経路中に設けることで、モータ3の冷却も行うことができる。
【0016】
また、インバータ4専用の冷却ファン、もしくは、パッケージ型圧縮機全体を冷却する専用の冷却ファンを、圧縮機本体に設けた圧縮機本体を冷却する冷却ファンとは別個に設けた場合は、その専用の冷却ファンが壊れた場合には、パッケージ型圧縮機が使えなくなってしまうのに対し、本実施例では、圧縮機本体が正常であれば冷却ファンも正常でありパッケージ型圧縮機を使用することが出来、信頼性が高くなるという利点もある。また、圧縮機本体を冷却する冷却ファンは圧縮機本体を駆動するモータと同期して動作するため、圧縮機本体の回転が下がり圧縮機の圧縮動作が低下すれば温度上昇も少なくなり冷却の必要性も下がるので、不必要に冷却ファンを動作する必要がなく、省エネ効果も期待できるという効果がある。
【実施例2】
【0017】
本実施例は、圧縮空気を貯留する空気タンクと圧縮空気を除湿するエアードライヤーとを接続する配管を冷却風の経路中に設けた実施例である。
【0018】
図5は、本実施例におけるパッケージ型圧縮機の外部板の一部を取り外した状態の模式図を示しており、実施例1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0019】
図5において、スクロール圧縮機本体によって圧縮された圧縮空気を貯留する空気タンク10と圧縮空気を除湿するエアードライヤー12とを接続する配管13は圧縮空気の流路となるので、その配管13を冷却風6の経路中に設けている。これにより、圧縮空気の冷却用に専用の冷却ファンを設けることなくエアードライヤー12に流入する圧縮空気の冷却が可能となり、エアードライヤー12の信頼性を向上しながら、コスト低減と、各部品配置の制約を少なくして生産性を向上させることができる。
【0020】
なお、本実施例では空気タンク10とエアードライヤー12を接続する配管13を冷却風6の経路中に設けたが、例えば圧縮機本体と空気タンクを接続する圧縮空気の経路を冷却してもよい。本実施例では、圧縮機本体から吐出された圧縮空気は、アフタークーラを経由して空気タンクへの経路をたどるので、例えば圧縮機本体とアフタークーラを接続する圧縮空気の経路である配管14を冷却してもよいし、アフタークーラと空気タンクを接続する圧縮空気の経路である配管15を冷却してもよい。
【0021】
また、空気タンク10やエアードライヤー12は筐体1の外部に設置することも可能である。このとき、冷却風6によって冷却する圧縮空気の経路は前述のスクロール圧縮機本体2から筐体1の圧縮空気の出口をつなぐ圧縮空気の経路となる。
【実施例3】
【0022】
本実施例は、インバータへの冷却経路を通らずに冷却ファンへ冷却風を流入可能とする第2の吸気口を設けた実施例である。
【0023】
図6は、本実施例におけるパッケージ型圧縮機の外部板の一部を取り外した状態の模式図を示しており、実施例1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0024】
図6において、インバータ4の冷却を行なう吸気口7とは別に、インバータ4への冷却経路を通らずに冷却ファン5へ冷却風を流入可能とする吸気口16をパネル上に設ける。これにより、スクロール圧縮機本体2を冷却する冷却風の一部を筐体外部から直接取り込むことが可能となるため、全ての冷却風がインバータを通過する実施例1と比べて、スクロール圧縮機本体2の冷却効果を高め信頼性を向上することができる。また、スクロール圧縮機本体2の空気吸込み口17から取り込む空気として、パッケージ型圧縮機内部で温度上昇した空気ではなく、吸気口16から取り込まれる外部空気を直接取り込むことが出来るため、スクロール圧縮機本体2の温度低減に有効となる。
【0025】
なお、本実施例は、実施例1を前提に説明したが、実施例2において本実施例を適用しても良い。
【0026】
以上実施例について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
【符号の説明】
【0027】
1:筐体、2:スクロール圧縮機本体、3:モータ、4:インバータ、
5:冷却ファン、6、6−1、6−2、6−3、6−4:冷却風、
7、16:吸気口、8:排気口、9:アフタークーラ、10:空気タンク、
11:ダクト、12:エアードライヤー、13、14、15:配管、
17:圧縮機本体の空気吸込み口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6