(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
試験体を収容する筒状の本体と、前記本体の上面側を覆うフードとを有し、前記フードの下面は水平面に対する傾斜角度が30度以上とされ、前記試験体は、円筒状に形成され、中心軸線を垂直方向に配置されるとともに、少なくともその下部が前記本体の下端から露出して配置されており、前記試験体の少なくとも上部には固定版が設けられ、前記試験体は、前記固定版を介して前記本体または前記フードに支持されていることを特徴とする大気暴露試験容器。
【背景技術】
【0002】
橋梁その他の鉄鋼構造物においては、開放大気環境下での耐候性・耐食性を考慮することが要求される。
これらの耐候性・耐食性の評価には、日本工業規格JISZ2381「大気暴露試験方法通則」(非特許文献1)が利用される。
【0003】
橋梁などの構造物では、外面は太陽光や風雨に曝されるため、前述した規格のなかでも「直接暴露試験」による評価が好ましい。一方、橋桁下面側や内側は太陽光や風雨に曝されにくく、構造物表面の残留塩分等が耐候性に影響する。従って、これらの残留塩分等を流失させる風雨などの影響を避けられる「遮へい暴露試験」が好ましい。
【0004】
遮へい暴露試験には、試験材料である試験片を、所期の遮へい性能を有する暴露容器あるいは暴露架台に収容した大気暴露試験装置が用いられる。
例えば、試験片として試験材料を小型の矩形板状に形成したワッペンを用い、暴露容器として百葉箱に類似の筐体を用い、通気は得るようにしつつ風雨の影響を避けるようにしたものが知られている(非特許文献2)。
【0005】
なかでも、非特許文献2の第45〜46頁に記載された「円筒形暴露容器」は、塩化ビニル製の小型容器内にワッペン試験片を収容し、風雨の直接的な暴露を避けつつ通気が得られるようにしている。
このようなコンパクトな大気暴露試験装置であれば、電柱などの高所などにも取り付けて使用することができ、多様な環境への暴露試験の適用が可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した非特許文献1に記載の暴露試験装置は比較的大型の略直方体形状の覆いの中に小型の試験片を内部のフレームに多数設置した装置となっている。しかしながら覆いの天板の角度が規定されていないため、天板下面からの結露により試験結果がばらつく問題がある。また比較的大型の試験装置を用いるため天板には製作時にうねりが生じてしまい試験片の設置位置によりさらに結果がばらつく、さらには試験片の設置高さも規定されておらず、試験装置の覆いの形状が四角形となっているので、風の影響が装置ごとに異なるほか試験片の設置位置によって風の影響も異なる問題がある。
【0008】
また、前述した百葉箱に類似の筐体を用いた試験では、台風などの強風時に廂に付着した結露や雨水が風によって筐体内に進入し試験片に付着するため、試験結果に大きなばらつきをもたらす問題がある。
【0009】
前述した円筒形暴露容器を用いた従来の大気暴露試験装置においては、ワッペン試験片は専ら水平に配置される。そして、水平に配置されたワッペン試験片の表面には、測定地点での風向に応じた腐蝕の分布が現れる。従って、従来の大気暴露試験装置によっても、測定地点での風向の影響を測定することができる。
しかし、従来の遮へい暴露試験装置では、風向の影響を把握することはできなかった。
【0010】
本発明の目的は、風向の影響を精度よく、かつ容易に測定できる遮へい暴露環境を模擬した大気暴露試験容器および大気暴露試験装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の大気暴露試験容器は、試験体を収容する筒状の本体と、前記本体の上面側を覆うフードとを有し、前記フードの下面は水平面に対する傾斜角度が30度以上とされ、前記試験体は、円筒状に形成され、中心軸線を垂直方向に配置されるとともに、少なくともその下部が前記本体の下端から露出して配置されており、前記試験体の少なくとも上部には固定版が設けられ、前記試験体は、前記固定版を介して前記本体または前記フードに支持されていることを特徴とする。
【0012】
このような本発明では、本体の内部に支持された試験体は、フードにより覆われて遮へい暴露試験とすることができる。この際、フードの下面、つまり試験体に向き合う内側面は、水平面に対して30度以上の角度で傾斜されており、この面に結露が生じ、水滴が成長して滴下する程度の大きさに至ったとしても、この水滴は傾斜した下面を伝って下方へ流下する。従って、フードの下面に結露を生じても、水滴として滴下することを防止でき、試験体に対する結露水分の影響を解消することができる。
【0013】
本発明フードの形状としては、円錐状または角錐状とすることができる。また、フードとしては、半球状あるいはこれを上下に引き延ばした形状、円錐台状などとしてもよい。
フードの先端には、本体よりも小径の筒状の支持部を形成してもよい。あるいは、円錐状または角錐状のフードの先端に、小径の半球状を形成してもよい。
【0014】
これらの各形状の一部(半球状や円錐台状など)では、頂点周辺の一部に水平面に対して傾斜を30度以上でない領域が生じる。しかし、このような領域が、フードの平面形状全体の20パーセント以下であれば、周囲の傾斜面へと水滴を流下させることができ、本発明のフードとして利用可能である。
これらの形状は、フードを通常の板材で形成する場合、内面側も外面側も同形状となるが、例えば内側に円錐形状の板材を設置して内面を形成し、外側に円筒状の板材を設置して外面を形成してもよい。この場合、外形に拘わらず、内面の傾斜角度を30度以上とする。
【0015】
固定版としては、円筒状の試験体の上面を形成する円板状の部材を用いることができる。固定版は、試験体の少なくとも上面に設置されるものであり、試験体は上面および下面に固定版を有するか、あるいは上面だけに固定版を有する構成とされる。
固定版は、適宜な構成を用いて本体またはフードに固定され、これにより本体内に支持される。例えば、フードの中央部から下方へ伸びたボルトと、このボルトに螺合されるナットにより固定版を支持することができる。
固定版と試験体とは、機械的あるいは接着などの固着手段によって接続することができる。後述する通り、固定版には、排水用の開口や傾斜を設けてもよい。
【0016】
このような本発明では、試験体を上方から結露水が試験材料に滴下することを防止することができるので結露水や雨水による試験結果のばらつきを抑制して精度の高い試験結果を得ることができる。また、測定地点の風向により、円筒状の周面の特定の側だけが強く腐食され、これにより測定地点の風向の影響を精度よく、かつ容易に測定することができる。
さらに、固定版を用いることで、円筒状の試験体を適切に支持することができる。
なお、本発明において、円筒状の試験体としては、実質的に円筒とみなせるもの、例えば周面が多数の平面で形成された多角柱状など、中心軸に対して周面が一定の半径領域に収まるものを含む。そして、固定版の輪郭形状は、試験体の外周形状に応じて適宜設定すればよい。
【0017】
本発明の大気暴露試験容器において、前記試験体が、円筒状の基材と、前記基材の周面に設置された試験材料からなるシートとを有することが好ましい。
このような構成とすることで、暴露試験容器の製作を容易にすることが可能となる。
【0018】
なお、試験体は、円筒状の基材の周面にシート状の試験材料を貼ったものに限らず、試験材料自体を円筒状に形成してもよい。
より具体的に、試験体は、鋼管などの試験材料を筒状に形成したものとすることができるほか、薄手の試験材料として例えば鋼材等を薄いシート状にしたものを、前述した円筒状の基材に貼付したものが利用できる。
【0019】
基材としては、中空の筒体のほか、中実の部材、例えば合成樹脂発泡体などを円柱状に形成したものが利用できる。
試験材料としては、普通鋼管やメッキ鋼管、塗装鋼管等のほか各種耐食金属製や耐食合金製の鋼管はもちろん、様々な材料が利用できる。前述した通り、試験材料はそれ自体を円筒状に形成して試験体とされるほか、薄いシート状の試験材料を基材に貼り付けて試験体としたものが利用できる。このうち、メッキ鋼管やステンレス鋼管は、海塩粒子等が付着した部分やその近傍に腐食生成物が生じ、その他の部分は腐食し難いため、風向の影響によって腐食が進行する方向の判別に好適な試験材料である。
【0020】
本発明の大気暴露試験容器において、前記試験材料が、円周方向に複数に分割されていることが望ましい。
このような本発明では、各分割部位の重量減少を計測することができるので円筒状の全周にわたる連続した試験材料とする場合に比べて、方向(分割部位)毎の腐食性を定量化することができる。
【0021】
本発明の大気暴露試験容器において、前記固定版には、排水用の開口が形成されていることが望ましい。
本発明の大気暴露試験容器において、前記固定版には、中央部に向かって低くなる傾斜が形成されている、としてもよい。
【0022】
このような本発明では、試験体の上面側の固定版に結露水が滴下しても、この結露水を排水用の傾斜により固定版の中央部に集め、あるいは排水用の開口から固定版を通して試験体の内部へと排水することができる。このため、結露水が固定版の周面へと流れて付着することを防止でき、試験材料に付着することを防止でき、精度よく風向による腐食の影響を評価することが可能となる。
【0023】
本発明の大気暴露試験装置は、前述した本発明の大気暴露試験容器を複数有することを特徴とする。
このような本発明では、円筒状の試験体を収容した試験容器により、設置環境での風向の影響などの方向性を測定することができる。なお、試験材料としては鋼材やめっき、塗装などの各種材料を用いることができる。
そして、試験容器は試験体を1つ収容するコンパクトなものであるため、例えば複数を上下に並べて支柱に支持することもでき、既設の構造物などに支柱を取り付けて風向が材料の腐食に及ぼす影響を精度よく測定することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の大気暴露試験容器および大気暴露試験装置によれば、遮へい暴露試験条件における試験材料の腐食に与える風向の影響を精度よく、かつ容易に測定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、本実施形態の大気暴露試験装置1は、支柱10で支持された2つの試験容器2を有する。
支柱10は、柱体11の下端に固定版12を有し、固定版12は基礎に埋設されたアンカーボルトで固定されている。
【0027】
試験容器2は、ブラケット13を介して支柱10の上部に支持され、互いに上下に並べて設置されている。
本実施形態において、試験容器2が本発明の大気暴露試験容器であり、その内部には円筒状の試験体4が収容されている。
【0028】
図2に示すように、試験容器2は、大気暴露試験容器20の内部に、円筒状の試験体4を収容したものである。
大気暴露試験容器20は、筒状の本体21と、本体21の上面側を覆うフード22とを有する。これらの本体21およびフード22は、塩化ビニルなどの耐候性を有しかつ低コストな材料で形成され、互いに連続した一体成形とされている。
【0029】
フード22は、円錐部221と、その上端に接続された円筒部222と、その上端に接続された球状部223とを有する。
フード22の円錐部221の内側つまり下面側は、水平面に対する傾斜角度が30度以上とされている。
【0030】
本体21は、円筒状に形成されている。
本体21の円錐部221上部には、ボルト211を挿通する挿通孔を有する略半球形の固定治具224が、円錐部221と連続するように形成されている。ボルト211は、下方に鉛直に伸び、試験体4に接続されている。
試験体4は、本体21内に、その中心軸が鉛直方向となるようにボルト211で支持され、その下部周面が本体21の下端より下方に露出するように配置される。
【0031】
試験体4は、円筒状の試験材料41を有し、試験材料41の上下には円板状の固定版6が固定されている。固定版6の中央部には、それぞれ貫通孔212が形成され、各々にはボルト211が挿通されている。
ボルト211には2つのナット213,214が螺合され、上側のナット213は固定版6の上面に当接され、下側のナット214は固定版6の下面に当接されている。
【0032】
これら一対のナット213、214で、上下の固定版6および筒状の試験材料41を上下から挟み付けることで、試験体4はボルト211に固定され、固定治具224を介して本体21に固定されている。
なお、試験体4の上部は、本体21の内周面と重なるように、つまり本体21の内部に配置され、試験体4の下部は本体21の下端から露出している。
【0033】
なお、前述した
図2の構成に対し、固定部材は他の構成とすることもできる。
図3に他の実施形態を示す。
図2との相違点はボルトの上端が球状部223に固定されている点、試験体4の上端部が本体の下面と同一の高さである点である。
このように、試験体4は、試験材料41への結露を防止するように、試験材料41の内側に設けられていればどのような方法でも良く、
図3に示すように大気暴露試験容器20の球状部223に固定されていてもよいし、
図2に示すように別途設けられた固定治具224に固定されていてもよい。
【0034】
試験体4は、すべての方向からの風を受けることができ、かつ雨かかりを防止できる位置であればよい。すなわち、風の強さを考慮したうえで、雨かかりがないように調整して試験体4の下方が大気暴露試験容器20の下方に露出していればよい。したがって、試験体4の上部は、本体21と重なるように配置されていてもいなくてもかまわない。
【0035】
試験体4は、
図2および
図3に示すように、それ自体を円筒状に形成した試験材料41に限らず、少なくとも表面つまり外周面が試験用の材料で形成されていればよい。
例えば、
図4に示すように、試験体4は、円筒状の基材42の周面に、試験材料で形成された試験用シート43を貼ったものとしてもよい。
また、試験体4は、
図2および
図3に示すように、上下に固定版6を有するものに限らず、上面のみあるいは厨子省略するが下面に固定版6を有するものとしてもよい。
【0036】
図4において、固定版6は、試験体4の上側だけに形成されている。固定版6と円筒状の試験材料41とは、例えば接着剤で固定されている。
固定版6にはボルト211が挿通され、一対のナット213A,213Bで挟み付けることにより、固定版6とボルト211とが固定されている。
【0037】
このように、固定版6は試験体4の少なくとも上面側または下面側に設置されていればよい。また、固定版6と試験材料41との固定は、例えば接着剤であってもよく、
図2および
図3に示すように、試験体4の上下からナット213,214で挟み付けるような機械的な固定であってもよい。
【0038】
また、試験材料41は、
図5(A)に示すように、全周にわたって連続した円筒状としたものに限らず、
図5(B)に示すように、複数の分割部44により円周方向に複数に分割してもよい(
図5(B)では4分割)。
このように試験材料41を分割した場合、分割部44の間の各試験材料41A〜41Dを個別に試験前後の重量の変化を計測することができ、各試験材料41A〜41Dが向けられていた方向ごとの影響を、定量的に比較することが可能となる。
【0039】
図5(C)に示すように、円筒状の基材42の周面に試験用シート43を貼った構成とする場合、基材42としては、例えば、塩化ビニル樹脂やFRP(繊維強化プラスチック)等の腐蝕しにくく、かつ絶縁性の材料で形成された中空の筒体が用いられる。基材42は上端または下端が開口していてもよい。基材42は、中空でなく中実であってもよいが、重量が増すため中空であることが望ましい。
【0040】
基材42および試験体4は、厳密に円筒状である必要はなく、周面が実質的に円筒面として取り扱いうる程度の多角柱状であってもよい。
さらに、厳密に円筒状つまり軸方向に同一直径であることは必須ではなく、円錐台形状であってもよい。ただし、周面に貼り付ける試験用シート43を扇形に形成する等、煩雑な場合があり、同一直径で連続した円筒状とすることが望ましい。
【0041】
試験体4を固定するためにボルト211で支持される固定版6には、
図6に示すように排水用の開口7を設けてもよい。
図6(A)および
図6(B)において、固定版6は、試験体4の円筒状の試験材料41の上面に固定され、中央にはボルト211が接続されている。ボルト211の周囲には、等間隔に4つの円形の開口7が形成されている。
図6(C)および
図6(D)において、固定版6は、試験体4の円筒状の試験材料41の上面に固定され、中央にはボルト211が接続されている。ボルト211の周囲には、等間隔に8つの扇形の開口7が環状に配列されている。
【0042】
図7(A)に示すように、固定版6の内側(中心部)に向かって低くなるように、傾斜61を形成し、さらに排水性を高めてもよい。
このようにすることで、試験体4上方からの試験体4への結露の滴下をさらに防止することが可能となる。
【0043】
図7(B)に示すように、固定版6が試験体4の上下にある場合、排水用の傾斜61は上側の固定版6だけに形成すればよい。ただし、排水用の開口7を試験体4の上側の固定版6に形成した場合、試験体4の下側の固定版6にも排水用の開口7を形成し、試験体4内に流れ込んだ結露水を外部に排出できるようにすべきである。
【0044】
このような本実施形態によれは、以下のような効果が得られる。
試験容器2において、試験体4を大気暴露試験容器20に収容した。このため、本体21に支持された試験体4は、本体21およびフード22により覆われて遮へい暴露試験とすることができる。
【0045】
この際、フード22の下面、つまり試験体4に向き合う内側面は、水平面に対して30度以上の角度で傾斜されており、この面に結露が生じ、水滴が成長して滴下する程度の大きさに至ったとしても、この水滴は傾斜した下面を伝って下方へ流下するため、試験体4に対する影響を防止することができる。
【0046】
また、試験体4は、半球状の固定治具224または球状部223および固定版6を接続するボルト211を介して試験体4の中心部で固定され、さらに固定版6には開口7や傾斜61が設けられているため、ボルト211や固定版6の結露水も試験体4にかかることなく下方へ流化する。
従って、本体21およびフード22の下面、および固定用のボルト211や固定版6に結露を生じても、水滴として滴下することを防止でき、試験体4に対する結露水分の影響を解消することができる。
【0047】
試験容器2において、試験体4は、周面が試験材料となる円筒状の試験材料41に形成され、中心軸を鉛直方向にして支持されるとともに、その一部が本体21の下端より下方に配置されていた。
このような配置により、円筒形の試験体4の特定の側に、試験地点での風向状況に応じた腐蝕が生じることになり、各方向の暴露結果の相違を調べることで風向などの影響を測定することができる。
【0048】
さらに、本実施形態では、試験容器2を、支柱10によって互いに上下に並べて支持したため、設置地点(高さ)における風向の影響を測定することができる。
また、試験容器2は、大気暴露試験容器20自体がそれぞれコンパクトであるため、設置自由度を高めることができる。
【0049】
また、円筒状の試験体4は、要するに周面に試験材料が露出されていればよい。ただし、高価な試験材料ではシート状にすることで使用量を減らすことができ、かつシート状とすることで種々の試験材料に対して基材42などの支持構造を共用化することができ、コスト低減に有効である。
【0050】
さらに、大気暴露試験容器20のフード22の形状は、前記実施形態の形状に限らず、内面つまり下面の傾斜角度が水平面に対して30度以上であればよく、多様な形状を採用することができる。
図8(A)は、前記実施形態のフード22の形状であり、円錐部221と、その上端に接続された円筒部222と、その上端に接続された球状部223とを有する。この形状では、球状部223の中心の領域を除く90%以上が、水平面に対して30度以上の傾斜角度とされる。
【0051】
図8(B)において、フード22Bは、円錐部221Bと、その上端に接続された球状部223Bとを有する。このようなフード22Bであっても、球状部223の中心部分の、斜角度が水平面に対して30度以上でない領域が20%未満であれば、大気暴露試験容器20に利用することができる。
図8(C)において、フード22Cは、全体が半球状の球状部223Cで形成されている。このようなフード22Cであっても、傾斜角度が水平面に対して30度以上でない中心の領域が20%未満であれば、大気暴露試験容器20に利用することができる。
【0052】
前述した
図8の各形態は、それぞれ円錐あるいは半球形状などの曲面を用いていたが、傾斜した平面を用いたフードであってもよい。
図9(A)において、フード22Dは、一対の平面221Dで構成され、各平面221Dの傾斜角度は水平面に対して30度以上とされている。
図9(B)において、フード22Eは、四角錐状に形成され、4つの側面221Eはそれぞれ傾斜角度が水平面に対して30度以上とされている。
このようなフード22D,22Eも、大気暴露試験容器20に利用することができる。
【0053】
前記実施形態では、本体21を円筒状、つまり中心軸に沿って内外径が一定のものを用いたが、本体21は円錐面で構成してもよく、さらにはフード22と連続した円錐面としてもよい。
図9(C)において、大気暴露試験容器20は単一の円錐形状の部材とされ、その下部が試験体を収容する本体21であり、それより上の部分がフード22となる構成とすることもできる。
【0054】
その他、大気暴露試験容器20において試験体4を支持する構造としては、電気的な導通による腐蝕を回避するために絶縁材を適宜介在させる等の配慮を行うことが望ましい。