(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
  以下、実施形態の料金収受装置を、図面を参照して説明する。
 
【0008】
  (第1の実施形態)
  以下、第1の実施形態について説明する。ここでは、料金収受装置は、鉄道の駅に設置される自動改札機であるものとして説明する。
図1は、第1の実施形態に係る自動改札機1の外観構成例を示す図である。自動改札機1は、図中、A方向に移動する利用者(乗客)に対して改札処理を行う。改札処理には、入場処理と出場処理が含まれる。
 
【0009】
  図1に示すように、自動改札機1は、磁気券投入口10と、磁気券排出口12と、リーダライタ部20と、表示部30と、扉部40、42とを備える。磁気券投入口10に投入された磁気券は、内部の搬送機構で搬送されながら図示しない磁気券処理部によって情報が読み取られ、必要に応じて磁気券排出口12から排出される。
 
【0010】
  リーダライタ部20は、利用者によって重ねて翳された媒体100−1および100−2と通信を行うことができる。以下、媒体100−1と媒体100−2を区別しないときは、単に媒体100と表記する。媒体100は、電力取得用および通信用のアンテナ、記憶媒体やCPU(Central  Processing  Unit)等のプロセッサを内蔵するICチップとを備える。
 
【0011】
  媒体100−1は、例えば、交通系のICカード、或いは決済機能を有する携帯電話等の電子デバイスである。また、媒体100−2は、例えば、IC化された身分証明書である。媒体100−2は、自動改札機1が設置された鉄道路線の割引適用可否を示す適用情報を記憶している。割引適用可能な利用者とは、例えば障害者である。リーダライタ部20は、媒体100−1単体と通信を行うこともできるし、媒体100−1および100−2と同時に(具体的には、例えば時分割でそれぞれに対して)通信を行うこともできる。
 
【0012】
  表示部30は、磁気券、媒体100−1、媒体100−2を処理した結果として得られる情報(チャージ残額や割引適用した旨等)を表示する。扉部40は、自装置を利用した利用者の通行を、許可または禁止する。扉部42は、セットで使用される反対側の自動改札機(図示せず)を利用した利用者の通行を、許可または禁止する。なお、
図1では、処理装置がIC磁気併用機である例を示したが、処理装置はIC専用機であってもよい。
 
【0013】
  図2は、第1実施形態に係るリーダライタ部20と、自動改札機10を制御する制御部50を中心とした機能構成図である。リーダライタ部20は、例えば電磁誘導方式により媒体100に給電すると共に、媒体100と無線通信を行う。なお、媒体100が電子デバイスである場合、給電は不要な場合がある。無線通信は、例えば13.56[MHz]といったISMバンドで行われる。リーダライタ部20は、媒体100から所定の方式でエンコードされた情報を読み込む。また、リーダライタ部20は、エンコードされた情報を媒体100に書き込む。
 
【0014】
  制御部50は、デコード部52と、エンコード部54と、SF(Stored  Fare  system)処理部56と、割引判定部58と、表示制御部60と、扉制御部62とを備える。これらの機能部は、例えばCPU等のプロセッサがプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large  Scale  Integration)やASIC(Application  Specific  Integrated  Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。例えば、デコード部52とエンコード部54は、リーダライタ部20に内蔵されるハードウェアであってもよい。
 
【0015】
  デコード部52は、リーダライタ部20が媒体100から読み取ったエンコード情報をデコードし、他の機能部に出力する。エンコード部54は、他の機能部により指示された情報をエンコードし、リーダライタ部20に出力する。リーダライタ部20は、エンコード部54から入力された情報を媒体100−1に書き込む。
 
【0016】
  SF処理部56は、媒体100−1が保持する電子マネーのチャージ残高に基づく料金収受を行う。媒体100−1には、例えば、自身の識別情報であるID、入場駅、経由駅、出場駅、チャージ残高、過去の履歴等の情報が記憶されている。
 
【0017】
  入場処理を行う場合、SF処理部56は、チャージ残高が当該駅からの最低料金以上であるか否かを判定する。チャージ残高が当該駅からの最低料金以上である場合、SF処理部56は、例えば、入場駅情報を媒体カード100−1に書き込むようにエンコード部54およびリーダライタ部20に指示し、チャージ残高等を表示部20に表示させるように表示制御部60に指示し、扉部40を開放状態にするように扉制御部62に指示する。
 
【0018】
  一方、チャージ残高が当該駅からの最低料金未満である場合、SF処理部56は、入場を不許可とし、例えば、残高不足である旨の情報を表示部20に表示させるように表示制御部60に指示し、扉部40を閉止状態にするように扉制御部62に指示する。ここで、割引判定部58により割引可能であると判定されている場合、SF処理部56は、割引後の最低料金を用いて上記判定を行う。
 
【0019】
  出場処理を行う場合、SF処理部56は、媒体100−1が保持する入場駅および経由駅の情報を用いて図示しない料金テーブルを検索し、料金を導出する。そして、SF処理部56は、チャージ残高が料金以上であるか否かを判定する。チャージ残高が料金以上である場合、SF処理部56は、例えば、チャージ残高から料金を差し引いた更新後のチャージ残高を媒体100−1に書き込むようにエンコード部54に指示し、更新後のチャージ残高を表示部20に表示させるように表示制御部60に指示し、扉部40を開放状態にするように扉制御部62に指示する。
 
【0020】
  一方、チャージ残高が料金未満である場合、SF処理部56は、出場を不許可とし、例えば、チャージを促す情報を表示部20に表示させるように表示制御部60に指示し、扉部40を閉止状態にするように扉制御部62に指示する。ここで、割引判定部58により割引可能であると判定されている場合、SF処理部56は、料金テーブルから得られる料金に割引を適用した料金を用いて上記処理を行う。
 
【0021】
  また、経由駅処理を行う場合、SF処理部56は、出場処理を行った後、経由駅情報に当該駅の情報を媒体100−1に書き込むようにエンコード部54に指示する。
 
【0022】
  割引判定部58は、リーダライタ部20に対して媒体100−1と媒体100−2の双方が翳され、チャージ残高と適用情報の双方が読み取られた場合に、適用情報に基づいて割引が可能か否かを判定する。第1の実施形態において、媒体100−2は、媒体100−2を提示した利用者の割引の可否を直接的に判定可能な情報(例えば特定のフラグ情報)を、適用情報として記憶している。
 
【0023】
  リーダライタ部20は、例えば、媒体100−1と媒体100−2のそれぞれに対するポーリング処理を行って、媒体100−1と媒体100−2を区別しつつ検知することができる。媒体100−1と媒体100−2では、例えば、プロトコル、符号化方式、サブキャリアの周波数等が異なる。リーダライタ部20は、媒体100−1と媒体100−2のそれぞれに応じた方式で通信を行うことで、媒体100−1と媒体100−2が同時に翳された場合であっても、これらを個別に検知することができる。
 
【0024】
  図3は、第1の実施形態に係る自動改札機1の制御部50により実行される処理の流れを示すフローチャートである。まず、制御部50は、リーダライタ部20が媒体100−1を検知したか否かを判定する(ステップS100)。媒体100−1を検知すると、制御部50は、媒体100−1を検知した旨の情報を、RAM(Random Access Memory)等のメモリに登録する(ステップS102)。
 
【0025】
  次に、制御部50は、リーダライタ部20が媒体100−2を検知したか否かを判定する(ステップS104)。媒体100−2を検知すると、制御部50は、媒体100−2を検知した旨の情報を、RAM等のメモリに登録する(ステップS106)。
 
【0026】
  次に、制御部50は、今回のルーチンにおいて、リーダライタ部20がいずれかの媒体100を検知したか否かを判定する(ステップS108)。本判定の処理は、例えばステップS102および/またはS106の処理においてメモリに登録された情報を参照して行われる。
 
【0027】
  いずれかの媒体100が検知された場合、制御部50は、今回のルーチンにおいて媒体100−2が検知されたか否かを判定する(ステップS110)。今回のルーチンにおいて媒体100−2が検知されていない場合、すなわち媒体100−1のみがステップS100において検知された場合、制御部50のSF処理部56は、リーダライタ20が媒体100−1から取得した残高情報に基づいて、通常の入出場処理を行う(ステップS112)。ここで、通常の入出場処理とは、割引適用をせずに入場処理または出場処理を行うことをいう。出場処理の場合、SF処理部56は、媒体100−1から読み取った残高情報から通常の料金を差引いた金額情報を新たな残高情報として媒体100‐1に書き込むようにエンコード部54に指示する。
 
【0028】
  媒体100−2が検知された場合、制御部50は、今回のルーチンにおいて媒体100−2のみが検知されたか否かを判定する(ステップS114)。媒体100−2のみが検知された場合、制御部50の表示制御部60は、エラー表示を行うように表示部20を制御する(ステップS116)。
 
【0029】
  媒体100−2のみが検知されたのではない場合、すなわち今回のルーチンにおいて媒体100−1と媒体100−2の双方が検知された場合、制御部50の割引判定部58は、ステップS104で検知された媒体100−2が割引適用媒体であるか否かを判定する(ステップS118)。割引適用媒体とは、適用情報が記憶されている可能性がある種類の媒体をいう。ステップS104で検知された媒体100−2が割引適用媒体でない場合、制御部50のSF処理部56は、通常の入出場処理を行う(ステップS112)。
 
【0030】
  ステップS104で検知された媒体100−2が割引適用媒体である場合、制御部50の割引判定部58は、リーダライタ20が媒体100−2から適用情報を取得できたか否かに基づいて、媒体100−2に適用情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS120)。媒体100−2に適用情報が記憶されていない場合、制御部50のSF処理部56は、通常の入出場処理を行う(ステップS112)。一方、媒体100−2に適用情報が記憶されている場合、制御部50のSF処理部56は、割引適用して入出場処理を行う(ステップS122)。出場処理の場合、SF処理部56は、媒体100−1から読み取った残高情報から割引処理を行った料金を差引いた金額情報を新たな残高情報として媒体100‐1に書き込むようにエンコード部54に指示する。この場合、表示制御部60は、割引適用がなされたことを示す情報を表示部20に表示するようにしてもよい。
 
【0031】
  以上説明した第1の実施形態の自動改札機1によれば、残高情報が記憶された媒体100−1と、割引適用の基になる適用情報が記憶された媒体100−2の双方が提示された場合に、媒体100−1からチャージ残高を、媒体100−2から適用情報をそれぞれ読み取り可能であると共に、媒体100−1に対してチャージ残高情報の書き換えを行うリーダライタ部20と、媒体100−1と媒体100−2の双方が提示された場合に、媒体100−2から読み取られる適用情報に基づいて割引が可能か否かを判定する割引判定部58と、割引判定部58により割引が可能と判定された場合に、適用情報に基づいて割り引かれた料金をチャージ残高情報から差し引いた額を、媒体100−1に書き込むようにリーダライタ部20を制御するSF処理部56とを備えることにより、割引適用を受けようとする利用者にとっての利便性を向上させることができる。
 
【0032】
  (第2の実施形態)
  以下、第2の実施形態について説明する。ここでは、料金収受装置は、鉄道の駅に設置される自動改札機であるものとして説明する。自動改札機の外観構成については、
図1および関連する記載を参照することとして説明を省略する。
 
【0033】
  図4は、第2の実施形態に係る自動改札機1Aの機能構成例を示す図である。自動改札機1Aは、LAN(Local  Area  Network)等を介して駅サーバ80と通信する通信部70を備える。なお、第1の実施形態に係る自動改札機1が、外部と通信可能であることを排除するものではない。
 
【0034】
  駅サーバ80は、他の自動改札機とも通信する他、ネットワークカード等のインターフェース部を備え、インターネット等のネットワークNWを介して公共団体の管理サーバ90と通信可能である。管理サーバ90は、割引対象者リスト92を記憶した記憶装置を備える。
 
【0035】
  第2の実施形態において、媒体100−2は、割引可否を直接的に判定可能な情報、或いは、単に利用者の識別情報等の情報を、適用情報として記憶している。そして、第2の実施形態に係る割引判定部58は、適用情報がリーダライタ部20およびデコード部52により読み出されると、通信部70、駅サーバ80、及びネットワークNWを介して管理サーバ90に対して、割引対象であるか否かの問い合わせを行う。
 
【0036】
  管理サーバ90は、例えば、市町村等の住民の情報を管理する公共団体によって管理されるサーバ装置であり、駅とは異なる場所に設置される。管理サーバ90は、利用者の識別情報を自動改札機1Aから受信すると、識別情報を用いて割引対象者リスト92を検索し、割引対象者リスト92に利用者が登録されているか否かを示す情報を自動改札機1Aに返信する。割引判定部58は、管理サーバ90から返信された情報に基づいて、利用者の割引が可能か否かを判定する。なお、自動改札機1Aは、駅サーバ80を介さずに管理サーバ90と通信してもよい。
 
【0037】
  図5は、第2の実施形態に係る自動改札機1Aにより実行される割引可否の判定処理の流れを示すフローチャートである。
図5におけるステップS100〜S118までの処理は、第1の実施形態の
図3の処理と同様であるため、説明を省略する。
 
【0038】
  ステップS118において、媒体100−2が割引適用媒体であると判定された場合、制御部50の割引判定部58は、媒体100−2に割引可否を示す適用情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS120)。「割引可否を示す適用情報」とは、第1の実施形態における適用情報と同様の情報、すなわち、媒体100−2を提示した利用者の割引の可否を直接的に判定可能な情報(例えば特定のフラグ情報)である。媒体100−2に割引可否を示す情報が記憶されている場合、制御部50のSF処理部56は、割引適用して入出場処理を行う(ステップS122)。
 
【0039】
  媒体100−2に割引可否を示す情報が記憶されていない場合、制御部50の割引判定部58は、通信部70を介して管理サーバ90に適用情報(例えば、識別情報)を送信し、問合せを行う(ステップS124)。そして、制御部50の割引判定部58は、管理サーバ90から返信された検索結果に基づいて、割引適用可能であるか否かを判定する(ステップS126)。割引適用不可と判定された場合、制御部50のSF処理部56は、通常の入出場処理を行い(ステップS112)、割引適用可と判定された場合、制御部50のSF処理部56は、割引適用して入出場処理を行う(ステップS122)。
 
【0040】
  なお、第2の実施形態において、媒体100−2には、利用者の割引の可否を直接的に判定可能な情報が無いという前提であれば、
図5のフローチャートにおけるステップS120の判定処理は省略されてもよい。
 
【0041】
  以上説明した第2の実施形態に係る自動改札機1Aによれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する他、割引可否を直接的に判定可能な情報を媒体100−2が記憶していなくても、自動的な割引適用を実現することができる。このため、媒体100−2を割引適用のために改変するコストが生じるのを回避することができる。
 
【0042】
  (第3の実施形態)
  以下、第3の実施形態について説明する。
図6は、第3の実施形態に係る自動改札機1Bの機能構成例を示す図である。自動改札機1Bは、割引対象者リスト72を記憶した記憶部を備える。割引対象者リスト72は、例えば第2の実施形態で例示した管理サーバ90から予め自動改札機1Bにダウンロードされたものである。
 
【0043】
  第3の実施形態において、媒体100−2は、割引可否を直接的に判定可能な情報、或いは、単に利用者の識別情報等の情報を、適用情報として記憶している。そして、第3の実施形態に係る割引判定部58は、適用情報がリーダライタ部20およびデコード部52により読み出されると、割引可否を直接的に判定可能な情報が適用情報に含まれているか否かを判断する。割引判定部58は、割引可否を直接的に判定可能な情報が適用情報に含まれていないときは、識別情報を用いて割引対象者リスト72を検索し、割引対象者リスト72に利用者が登録されている場合に、割引可能であると判定し、登録されていない場合に、割引不可であると判定する。
 
【0044】
  図7は、第3の実施形態に係る自動改札機1Bにより実行される割引可否の判定処理の流れを示すフローチャートである。
図7におけるステップS100〜S118までの処理は、第1の実施形態の
図3の処理と同様であるため、説明を省略する。
 
【0045】
  ステップS118において、媒体100−2が割引適用媒体であると判定された場合、制御部50の割引判定部58は、媒体100−2に割引可否を示す適用情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS120)。「割引可否を示す適用情報」とは、第1の実施形態における適用情報と同様の情報、すなわち、媒体100−2を提示した利用者の割引の可否を直接的に判定可能な情報(例えば特定のフラグ情報)である。媒体100−2に割引可否を示す適用情報が記憶されている場合、制御部50のSF処理部56は、割引適用して入出場処理を行う(ステップS122)。
 
【0046】
  媒体100−2に割引可否を示す適用情報が記憶されていない場合、制御部50の割引判定部58は、適用情報(例えば、識別情報)を用いて、予め管理サーバ90からダウンロードした記憶部の割引対象者リスト72を検索する(ステップS128)。そして、制御部50の割引判定部58は、検索結果に基づいて、割引適用可能であるか否かを判定する(ステップS130)。割引適用不可と判定された場合、制御部50のSF処理部56は、通常の入出場処理を行い(ステップS112)、割引適用可と判定された場合、制御部50のSF処理部56は、割引適用して入出場処理を行う(ステップS122)。
 
【0047】
  なお、第3の実施形態において、媒体100−2には、利用者の割引可否を直接的に判定可能な情報が無いという前提であれば、
図7のフローチャートにおけるステップS120の判定処理は省略されてもよい。
 
【0048】
  以上説明した第3の実施形態に係る自動改札機1Bによれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する他、割引可否を直接的に判定可能な情報を媒体100−2が記憶していなくても、自動的な割引適用を実現することができる。このため、媒体100−2を割引適用のために改変するコストが生じるのを回避することができる。また、第2の実施形態と比較すると、割引対象者に対する処理を行う度に管理サーバ90と通信する必要が無いため、高速処理を実現することができる。
 
【0049】
  (第4の実施形態)
  料金収受装置は、鉄道のように、料金収受のための入場処理と出場処理に分かれて行われるものに限らず、定額支払いのバス料金等のように、料金収受のための処理が1回で完結するものにも適用することができる。
図8は、第4の実施形態に係る料金収受装置1Cの構成例を示す図である。
 
【0050】
  リーダライタ部20、デコード部52、エンコード部54、割引判定部58の機能については、第1の実施形態と同様であるものとして、説明を省略する。なお、第4の実施形態に係る割引判定部58は、第2または第3の実施形態と同様、管理サーバ90との通信を介して割引判定を行ってもよい。
 
【0051】
  第4の実施形態に係るSF処理部56は、媒体100−1が記憶するチャージ残高が、定額の料金以上であるか否かを判定する。チャージ残高が料金以上である場合、SF処理部56は、例えば、チャージ残高から料金を差し引いた更新後のチャージ残高を媒体100−1に書き込むようにエンコード部54に指示し、更新後のチャージ残高を表示部20に表示させるように表示制御部60に指示する。チャージ残高が料金未満である場合、SF処理部56は、例えば、残高不足である旨の情報を表示部20に表示させるように表示制御部60に指示する。SF処理部56は、割引判定部58により割引可であると判定された場合には、チャージ残高から割引料金を差し引いた更新後のチャージ残高を媒体100−1に書き込むようにエンコード部54に指示し、更新後のチャージ残高を表示部20に表示させるように表示制御部60に指示する。
 
【0052】
  以上説明した第4の実施形態に係る料金収受装置1Cによれば、第1〜第3の実施形態と同様に、割引適用を受けようとする利用者にとっての利便性を向上させることができる。
 
【0053】
  以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、チャージ残高が記憶された媒体100−1と、割引適用の基になる適用情報が記憶された媒体100−2の双方が提示された場合に、媒体100−1からチャージ残高を、媒体100−2から適用情報をそれぞれ読み取り可能であると共に、媒体100−1に対してチャージ残高の書き換えを行うリーダライタ部20と、リーダライタ部20に対して媒体100−1と媒体100−2の双方が提示された場合に、媒体100−2から読み取られる適用情報に基づいて割引が可能か否かを判定する割引判定部58と、割引判定部58により割引が可能と判定された場合に、適用情報に基づいて割り引かれた料金をチャージ残高から差し引いた額を、媒体100−1に書き込むようにリーダライタ部20を制御するSF処理部56と、を持つことにより、利便性を向上させることができる。
 
【0054】
  上記実施形態は、以下のように表現することができる。
  残高情報が記憶された第1の媒体と、割引適用の可否を示す適用情報が記憶された第2の媒体との双方と、それぞれに対応した通信方式で通信可能な通信部を有するリーダライタ部と、
  前記リーダライタ部に対して前記第1の媒体と前記第2の媒体の双方が提示された場合に、前記第2の媒体から読み取られる適用情報に基づいて割引が可能か否かを判定する判定部と、
  前記判定部により割引が可能と判定された場合に、前記適用情報に基づいて割り引かれた料金を前記残高情報から差し引いた額を算出し、前記算出した額を前記第1の媒体に書き込むように前記リーダライタ部を制御する処理部と、
  を備える料金収受装置。
 
【0055】
  本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。