(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382714
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】純水製造装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/32 20060101AFI20180820BHJP
【FI】
C02F1/32
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-266623(P2014-266623)
(22)【出願日】2014年12月26日
(65)【公開番号】特開2016-123930(P2016-123930A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2017年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000245531
【氏名又は名称】野村マイクロ・サイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】特許業務法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天谷 徹
(72)【発明者】
【氏名】野口 幸男
(72)【発明者】
【氏名】三阪 雅登
(72)【発明者】
【氏名】水野 学
(72)【発明者】
【氏名】西村 司朗
【審査官】
富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−532200(JP,A)
【文献】
特開2014−233646(JP,A)
【文献】
特開2014−161767(JP,A)
【文献】
特開2014−108372(JP,A)
【文献】
特開2013−056159(JP,A)
【文献】
特開平04−078483(JP,A)
【文献】
特開2009−189991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水に紫外線を照射して殺菌する紫外線殺菌装置を備えた純水製造装置において、
前記紫外線殺菌装置は、被処理水の流路となる被処理水配管と、
前記被処理水配管内部に発光面を被処理水側に向けて水密的に設置され、230〜290nmの波長を含む紫外線を放射する発光ダイオード装置を備えた紫外線照射手段と、
前記発光ダイオード装置を駆動させる電源装置と
を具備し、
前記被処理水配管は、被処理水の流通する本管と前記本管に分岐して接続された分岐管を備え、前記発光ダイオード装置は、前記分岐管内の水が滞留する部分に紫外線を照射することを特徴とする純水製造装置。
【請求項2】
前記紫外線照射手段は、複数の前記発光ダイオード装置と、
前記発光ダイオード装置と電源装置とを接続する配線を内部に配設した管体とを具備し、
前記複数の発光ダイオード装置は、前記管体の外壁面に設置されたことを特徴とする請求項1記載の純水製造装置。
【請求項3】
前記発光ダイオード装置は、前記被処理水配管の前記被処理水と接触する内壁面に複数設置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の純水製造装置。
【請求項4】
被処理水に紫外線を照射して殺菌する紫外線殺菌装置を備えた純水製造装置において、
前記紫外線殺菌装置は、被処理水の流路となる被処理水配管と、
前記被処理水配管内部に発光面を被処理水側に向けて水密的に設置され、230〜290nmの波長を含む紫外線を放射する発光ダイオード装置を備えた紫外線照射手段と、
前記発光ダイオード装置を駆動させる電源装置と
を具備し、
前記被処理水配管は、被処理水の流通する本管と前記本管に分岐して接続された分岐管を備え、
前記発光ダイオード装置は、前記分岐管の、前記本管との接続部近傍の内壁面に設置され、前記分岐管内の水が滞留する部分に紫外線を照射することを特徴とする純水製造装置。
【請求項5】
さらに、被処理水中の細菌類の濃度に応じて、前記電源装置に信号を入力し、前記装置の点灯、消灯を制御する制御装置を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の純水製造装置。
【請求項6】
前記発光ダイオード装置は、発光体上に前記紫外線を透過する透明水密樹脂が被覆されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の純水製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、純水製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子(LSI)の集積度の向上にともない、シリコン基板等の基板表面上への超純水中の極微量物質による汚染の影響が問題となっており、イオン状物質、微粒子、有機化合物、金属、溶存ガス等の不純物質の極めて少ない超純水が要求されている。特に、半導体製造工程において、洗浄水中の有機化合物は、熱処理工程で炭化して線間短絡や絶縁不良を起こす原因となるため、全有機炭素濃度(TOC)の特に少ない超純水が求められている。
【0003】
一般に、超純水製造装置は、前処理システムと、一次純水システムと、二次純水システムとから構成されている。前処理システムは、凝集槽や二層濾過器等により原水中の濁質やコロイド物質を凝集・沈澱・瀘過するものである。一次純水システムは、例えば、逆浸透装置(RO)や2床3塔型イオン交換装置等により、大部分のイオンなどの溶解性物質や微粒子を除去するものである。二次純水システムは、一次純水システムより得られた一次純水の精密仕上げを目的としたものである。有機化合物を有機質分解手段により二酸化炭素や有機酸等に酸化分解する工程を経てイオン吸着手段によって除去し、微粒子や無機イオン類を、逆浸透装置、限外濾過装置、イオン吸着手段等を通過する過程で除去する。
【0004】
例えば、有機質分解手段としては、紫外線の照射を受けて活性化する光触媒に、発光ダイオードによって紫外線を照射する装置が知られている(例えば、特許文献3。)。また、光触媒を担持させた光透過性ラシヒリングなどを充填材した塔内に、酸化助剤となるガスとともに被処理水を供給し有機物を分解する装置が提案されている(例えば、特許文献4。)。
【0005】
また、製薬、食品工業において用いられる用水に対しても、微生物や細菌類の数が少ないことが求められる。一般的に、配管や、用水製造用の各ユニット(たとえば、逆浸透膜、限外ろ過膜、イオン交換樹脂等)は、構造上、一部に溜まり水が生じるおそれがある。そして、この部分に生菌が滞留すると、細菌類の増殖が起きる場合がある。この部分を直接殺菌する方法としては、熱殺菌や、薬剤、たとえば、殺菌剤、オゾン、過酸化水素等での殺菌を用いる方法がある(例えば、特許文献1、2。)。ところが、これらの方法は、用水製造中に同時に使用できない場合も多く、必ずしも溜まり水を確実に殺菌できない場合もあり、効果は限定的であった。また、既存の紫外線照射装置は、生菌を直接死滅させる効果があるものの、ランプの形状の問題があり、このような溜まり水に存在する生菌に直接紫外光を照射して殺菌することは不可能であった。
【0006】
また、半導体製造用途、製薬用途、食品製造用途などに用いられる純水を製造するに際し、被処理水中に発生する微生物や細菌(以下「細菌類」という。)などを酸化殺菌することが行われている。特に、継手に配設されるバルブ等には、被処理水の滞留部が生じやすく、細菌類などが発生し易い。そこで、光触媒を用いた液体浄化装置が提案されている(例えば、特許文献5。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−047054号公報
【特許文献2】特公昭46−021240号公報
【特許文献3】特開2007−136372号公報
【特許文献4】特開2006−281005号公報
【特許文献5】特開2011−167586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、構造が簡易で、効率よく被処理水を殺菌することのできる純水製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の純水製造装置は、被処理水に紫外線を照射して殺菌する紫外線殺菌装置を備えた純水製造装置において、前記紫外線殺菌装置は、被処理水の流路となる被処理水配管と、前記被処理水配管内部に発光面を被処理水側に向けて水密的に設置され、230〜290nmの波長を含む紫外線を放射する発光ダイオード装置を備えた紫外線照射手段と、前記発光ダイオード装置を駆動させる電源装置とを具備することを特徴とする。
【0010】
本発明の純水製造装置において、前記紫外線照射手段は、複数の前記発光ダイオード装置と前記発光ダイオード装置と電源装置とを接続する配線を内部に配設した管体とを具備し、前記複数の発光ダイオード装置は、前記管体の外壁面に設置されたことが好ましい。
【0011】
本発明の純水製造装置において、前記発光ダイオード装置は、前記被処理水配管の前記被処理水と接触する内壁面に複数設置されていることが好ましい。
【0012】
本発明の純水製造装置において、前記被処理水配管は、被処理水の流通する本管と前記
本管に分岐して接続された分岐管を備え、前記発光ダイオード装置は、前記分岐管の、前記本管との接続部近傍の内壁面に設置されることが好ましい。
そして、前記発光ダイオード装置は、前記分岐管内の水が滞留する部分に紫外線を照射することが好ましい。
【0013】
本発明の純水製造装置は、さらに、被処理水中の細菌類の濃度に応じて、前記電源装置に信号を入力し、前記装置の点灯、消灯を制御する制御装置を備えることが好ましい。
【0014】
本発明の純水製造装置において、前記発光ダイオード装置は、発光体上に前記紫外線を透過する透明水密樹脂が被覆されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、構造が簡易で、効率よく被処理水を殺菌することのできる純水製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1の実施形態の純水製造装置の一部を示す図。
【
図2】第1の実施形態の純水製造装置に備えられる紫外線照射手段の構成の一例を示す図。
【
図3】第2の実施形態の純水製造装置の一部を示す図。
【
図4】第3の実施形態の純水製造装置の一部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
【0018】
本発明の紫外線殺菌装置は、被処理水を流通させる被処理水配管と、被処理水配管内を流れる被処理水に対し、細菌類を分解,殺菌可能な波長の紫外線を照射する発光ダイオードとを備えていることを特徴とする。以下に、本発明の紫外線殺菌装置の実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る紫外線殺菌装置10の被処理水の流路に沿った断面を概略的に示す図である。紫外線殺菌装置10は、管体ユニット11(管体12と発光ダイオード14)と、被処理水入口15と、被処理水出口16と、仕切り板17と、ジャケット(被処理水配管)18と、電源装置(図示せず)とを備えている。
【0020】
管体ユニット11は、管体12と発光ダイオード14とから構成されている。管体ユニット11は、発光ダイオード14からの紫外線によって被処理水中の細菌類を分解、死滅させるものである。本実施形態では、管体ユニット11の形状は管状であり、その被処理水と接触する壁面(外壁面)に発光ダイオード14が例えば、3cm〜4cm間隔でジャケット18内の被処理水の流路に沿って配置されている。なお、管体ユニット11は、任意の本数にすることができる紫外線殺菌装置10においては、ジャケット18の、被処理水の流通する内壁面にも、複数の発光ダイオード14がジャケット18内の被処理水の流路に沿って配置されている
【0021】
管体12は、耐水性の材料であれば特に限定されず、ポリ塩化ビニル等を用いることができる。管体12の内径は特に限定されず、発光ダイオード14を外部の電源装置に接続する配線が内部に通る空間があればよい。また、管体12内部に発光ダイオード14の電源を設置してもよい。管体12の内径や長さは、管体ユニット11を設置する装置の構造に応じて適宜変更することができる。管体12は、例えば、
図2に示すように管体12の両端部を残してジャケット18により水密的に覆われた構造にすることができる。
【0022】
発光ダイオード14は、電源装置によって電力が供給されて紫外線を照射するものである。発光ダイオード14は、細菌類を分解、死滅させることのできる230〜290nmの波長を含む紫外線を放射するものであれば良い。発光ダイオード14は、好ましくは260nmの波長を含む紫外線を放射することが好ましい。また、発光ダイオード14は、200nm付近の波長を含む紫外線を放射してもよい。
【0023】
発光ダイオード14は、その発光面を被処理水側に向けて、ジャケット18を流通する被処理水に紫外線を照射可能な位置に配置される。本実施形態では、
図1に示すように、管体12の外壁面に複数の発光ダイオード14が円筒状に配置された照明によって、管体12の外壁面からジャケット18の内壁面に向かって紫外線を照射している。発光ダイオード14は、例えば、金属等の基体に発光体が設置され、発光体上に上記波長の紫外線を透過する樹脂が被覆されて構成されている。発光ダイオード14としては、例えば、Crystal IS社製のOptan UVC LED等を使用することができる。
【0024】
仕切り板17は、水の流路に所定の間隔で管体ユニット11の長手方向に直交するように複数設けられ、管体ユニット11の近傍のみに被処理水の流れる間隙が設けられている。そのため、ジャケット18内に流入した被処理水が混合流となるため、被処理水に均等に紫外線が照射され、被処理水中の細菌類を均等に分解できるようにする。仕切り板17は必要に応じて設置すればよく、設置しなくてもよい。
【0025】
ジャケット18は、被処理水が被処理水入口15から給水され被処理水出口16から排水されるまでの間、管体ユニット11によって細菌類を分解させるための被処理水の流路となるものであり、形状は例えば円筒状である。
【0026】
また、紫外線殺菌装置10は、従来の低圧水銀ランプ等の、水銀ランプの挿入される内に、水銀ランプの代わりに管体ユニット11を設置して構成してもよい。
【0027】
また、紫外線殺菌装置10では、ジャケット18の内壁面、管体ユニット11の該壁面の両者に発光ダイオード14を複数配置しているが、ジャケット18の内壁面、管体ユニット11の該壁面のいずれかのみに発光ダイオード14を設置した構造としてもよい。
【0028】
本実施形態の紫外線殺菌装置10によれば、光源に消費電力が小さい発光ダイオード14を用いることによって、電力コストを安価に抑えることができる。また、光源の交換が半永久的に不要で維持管理負担が小さくすることができる。また、発光ダイオード14の点灯、消灯の管理が簡易であり、発光ダイオード14の設置数を多くすれば、紫外線照射量をより綿密に制御可能である。さらに、設置数を増やすことで、単位面積当たりの光量を増大させることができ、例えば、低圧水銀ランプの数百倍の照射光量を実現可能である。さらに、発光ダイオード14は小型であるため、複数を、紫外線殺菌装置10内の被処理水の任意の位置に紫外線が照射されるように配置することができる。そのため、被処理水にまんべんなく紫外線を照射することができる。
【0029】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
図3は、第2の実施形態に係る紫外線殺菌装置20の被処理水の流路に沿った断面を概略的に示す図である。紫外線殺菌装置20において、被処理水配管は、被処理水の通流する本管21と、本管21に分岐して設けられた分岐管22を備えている。分岐管22には、被処理水配管21内の被処理水の流水圧を測定する圧力計23が設置されている。
【0030】
また、分岐管22の内壁面の一部には、発光ダイオード24が設置されている。発光ダイオード24は、分岐管22内の被処理水に、紫外線を照射できる位置に設置されている。発光ダイオード24は、配線などによって外部の電源装置(図示せず)に接続されている。
【0031】
本管21、分岐管22の材質は特に限定されず、ポリフッ化ビニリデン、SUS等のステンレス鋼、ガラス管を用いることができる。
【0032】
本実施形態の紫外線殺菌装置20では、分岐管22内に滞留した被処理水に対して、発光ダイオード24により紫外線が照射されるように、電源装置によって発光ダイオード24の点灯、消灯を制御する。これにより、分岐管22内に滞留した被処理水中の細菌類が分解、死滅される。このように、分岐管22内に滞留した被処理水が殺菌されるため、被処理水中の細菌類の増殖を防ぐことができる。
【0033】
なお、紫外線殺菌装置20では、分岐管22には、圧力計23が接続されているが、発光ダイオード24の設置される配管は、分岐構造の配管であれば特に限定されず、継手、バルブ等であってもよい。
【0034】
本実施形態の紫外線殺菌装置20によれば、光源に発光ダイオード24を用いることによって、消費電力が小さいため電力コストが安価で、光源の交換が半永久的に不要で維持管理負担が小さくすることができる。また、発光ダイオード24の点灯、消灯の管理が簡易である。さらに、発光ダイオード24は、極めて小型であるため、配管の分岐構造に簡易に設置することができ、細菌類の増殖し易い分岐管などに直接設置することができる。内径の大きな配管などでは、発光ダイオード24の設置数を増やすことで、単位面積当たりの光量を増大させることができ、例えば、低圧水銀ランプの数百倍の照射光量を実現可能である。
【0035】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
図4は、第3の実施形態に係る紫外線殺菌装置30の被処理水の流路に沿った断面を概略的に示す図である。紫外線殺菌装置30は、外圧式のフィルタユニットを用いた装置である。フィルタユニットは、円筒状のケース31と、ケース31の内部に設置されたフィルタ32とを備えている。フィルタ32の中心部36には、被処理水と接する外壁面に発光ダイオード34を複数配設した管体ユニット33が挿入されている。フィルタ32としては、特に限定されず、精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜等を用いることができる。
【0036】
また、ケース31の、被処理水と接する内壁面には、複数の発光ダイオード37が設置されている。この発光ダイオード37は、ケース31の被処理水に、紫外線を照射できる位置に設置されている。
【0037】
発光ダイオード34、37は、配線などによって外部の電源装置(図示せず)に接続されている。発光ダイオード34、37としては第1の実施形態と同様のものを用いる。
【0038】
本実施形態の紫外線殺菌装置30では、ケース31の上部に被処理水を供給する被処理水供給口35が開口している。被処理水供給口35からケース31に供給された被処理水に対して、発光ダイオード37により紫外線が照射されることで、被処理水中の細菌類が分解、死滅され、被処理水が殺菌される。殺菌された被処理水が、フィルタ32を通流する過程で、ろ過されて、フィルタ32の中心部36に接続された排出管(図示せず。)からろ過水が取り出される。この際、フィルタ32の中心部36に設置された発光ダイオード34によって、被処理水に紫外線が照射され、被処理水中の細菌類の増殖を防ぐことができる。
【0039】
本実施形態の紫外線殺菌装置30によれば、光源に発光ダイオード34、37を用いることによって、消費電力が小さいため電力コストが安価で、光源の交換が半永久的に不要で維持管理負担が小さくすることができる。また、発光ダイオード34、37の点灯、消灯の管理が簡易であり、発光ダイオード34、37の設置数を多くすれば、紫外線照射量をより綿密に制御可能である。また、発光ダイオード34、37は小型であるため、細菌類の増殖し易い膜などに直接紫外線を照射するように設置することができる。さらに、設置数を増やすことで、単位面積当たりの光量を増大させることができ、例えば、低圧水銀ランプの数百倍の照射光量を実現可能である。
【0040】
上記で説明した第1乃至第3の紫外線殺菌装置10、20、30は、例えば、前処理装置、カチオン交換樹脂塔、脱炭酸塔およびアニオン交換樹脂塔からなる2床3塔型イオン交換装置、逆浸透装置等で構成される純水製造装置内に組み込むことができる。
【0041】
また、上記の実施形態の紫外線殺菌装置10、20、30を用いて得られる処理水は、極めて高度に殺菌されているため、微生物や細菌の増殖がなく、半導体製造用途、製薬用途、食品製造用途などに好適である。
【符号の説明】
【0042】
10,20,30…紫外線殺菌装置、11…管体ユニット、12…管体、14,24,34,37…発光ダイオード、15…被処理水入口、16…被処理水出口,17…仕切り板、18…ジャケット、21…本管、22…分岐管、23…圧力計、31…ケース、32…フィルタ、33…管体ユニット、35…被処理水供給口、36…中心部。