特許第6382806号(P6382806)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6382806パーソナライズ照明を提供する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382806
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】パーソナライズ照明を提供する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20180820BHJP
【FI】
   H05B37/02 H
   H05B37/02 E
   H05B37/02 C
【請求項の数】12
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-522198(P2015-522198)
(86)(22)【出願日】2013年7月4日
(65)【公表番号】特表2015-522931(P2015-522931A)
(43)【公表日】2015年8月6日
(86)【国際出願番号】IB2013055469
(87)【国際公開番号】WO2014013376
(87)【国際公開日】20140123
【審査請求日】2016年7月1日
(31)【優先権主張番号】61/672,798
(32)【優先日】2012年7月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】バーアイエンス ヨハネス ペトルス ウィルヘルムス
(72)【発明者】
【氏名】スクランゲン ルーカス ジョセフ マリア
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−74243(JP,A)
【文献】 特開2009−52805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザに対して照明を合わせる照明制御方法であって、前記方法は、
部屋内の第1の領域に第1の光出力特性を有する第1の照明を提供し、前記部屋内の第2の領域に第2の光出力特性を有する第2の照明を提供するステップであって、前記第1の照明及び前記第2の照明は異なる、ステップと、
前記第1の光出力特性に対する第1のユーザの照明ニーズを特定するステップと、
前記第1の光出力特性に対する前記第1のユーザの前記照明ニーズを特定する前記ステップに基づいて、前記第1のユーザのパーソナルデバイスを介して前記第1のユーザを前記第1の領域に向けるステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の光出力特性は、前記第2の光出力特性の第2の光出力レベルよりも大きい第1の光出力レベルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の領域と前記第2の領域との間に滑らかに遷移する照明を提供するステップを更に含み、前記滑らかに遷移する照明は、前記第1の光出力特性と前記第2の光出力特性との差を徐々に遷移させる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の光出力特性は、前記第2の光出力特性の第2の光出力レベルよりも大きい第1の光出力レベルを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の光出力特性に対する第2のユーザの照明ニーズを特定するステップと、前記第2のユーザを前記第2の領域へと向けるステップとを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の照明は、動的であって、第1のユーザ照明情報を介して定められる前記第1のユーザの照明ニーズに対応し、前記第2の照明は、動的であって、第2のユーザ照明情報を介して定められる前記第2のユーザの照明ニーズに対応する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の領域に前記第1のユーザを向けるステップは、前記第1の領域を前記第1のユーザのパーソナルデバイスに送信する事を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の光出力特性に対する第2のユーザの照明ニーズを特定するステップと、前記第2のユーザを前記第2の領域へと向けるステップとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の照明は、動的であって、第1のユーザ照明情報を介して定められる前記第1のユーザの照明ニーズに対応し、前記第2の照明は、動的であって、第2のユーザ照明情報を介して定められる前記第2のユーザの照明ニーズに対応する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のユーザの前記照明ニーズを特定する前記ステップは、前記第1のユーザの前記パーソナルデバイスから送信される前記第1のユーザ照明情報に基づいて前記照明ニーズを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記部屋の前記第1の領域に前記第1の光出力特性を有する前記第1の照明を提供することに続いて、前記第1のユーザ照明情報が、前記第1のユーザの前記パーソナルデバイスから送信される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記部屋が会議室及び病室の一つである、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、一般的に、照明制御及び照明装置に関する。より詳細には、本明細書に開示される様々な発明性のある方法及び装置は、ユーザのニーズに適応可能な動的パーソナライズ照明の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 様々な治療用照明システムが利用されてきた。例えば、治療用照明システムは、季節性鬱病の治療、飛行機旅行による時差ぼけの治療、社会的時差ぼけの治療等として利用されてきた。この様な治療用照明システムは、ある期間治療目的でユーザがその前に座る又は立つ必要のある照明器具を含む事が多い。この様な治療用照明システムは、例えば、ユーザが長期間座る及び/又は立つ必要のある専用スペース又は場所という必要条件等の1つ又は複数の欠点を有し得る。また、例えば、明るい治療用の光は、居合わせた光線療法を必要としない他の人々にとって煩わしい場合がある。また、例えば、治療用照明システムは、複数のユーザに対して動的なパーソナライズ部分を提供しない場合がある。
【0003】
[0003] 従って、当該分野において、既存の治療用照明システム等の既存の照明システムの1つ又は複数の欠点を克服する為に任意選択的に利用する事ができる照明制御に関連する方法及び装置を提供する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] 本開示は、照明に関する発明性のある方法及び装置に関する。例えば、第1の光出力特性を有する第1の照明を第1のユーザに提供する及び同時に第2の光出力特性を有する第2の照明を第2のユーザに提供する方法及び装置が開示される。第1の照明及び第2の照明は異なり、任意選択的に、動的及び各ユーザの照明ニーズに対応し得る。
【0005】
[0005] 一般に、ある態様では、複数のユーザに提供される照明を制御する方法が提供され、スペース内の第1のユーザの照明ニーズを示す第1のユーザ照明情報を受信するステップと、スペース内の第2のユーザの照明ニーズを示す第2のユーザ照明情報を受信するステップと、第1の光出力特性を有する第1の照明を第1のユーザに提供する及び第2の光出力特性を有する第2の照明を第2のユーザに提供するステップとを含む。第1の照明及び第2の照明は異なる。第1の照明は、動的である及び第1のユーザ照明情報によって定められる第1のユーザの照明ニーズに対応する、並びに第2の照明は、動的である及び第2のユーザ照明情報によって定められる第2のユーザの照明ニーズに対応する。
【0006】
[0006] 一部の実施形態では、この方法は、第1のユーザの第1の位置を特定するステップ及び第1の照明を第1のユーザに向けるステップを更に含む。これらの実施形態の一部のバージョンでは、この方法は、第2のユーザの第2の位置を特定するステップ及び第2の照明を第2のユーザに向けるステップを更に含む。
【0007】
[0007] 一部の実施形態では、この方法は、所定スペース内の第1の照明の第1の領域の指標を第1のユーザに提供するステップを更に含む。これらの実施形態の一部のバージョンでは、第1の照明の第1の領域の指標を提供するステップは、第1の位置を第1のユーザのパーソナルデバイスに送信する事を含む。これらの実施形態の一部のバージョンでは、この方法は、所定スペース内の第2の照明の第2の領域の指標を第2のユーザに提供するステップを更に含む。
【0008】
[0008] 本発明の様々な実施形態では、第1の照明は、強度、分光組成、角度分布、角度方向、及び動的挙動の少なくとも1つにおいて第2の照明とは異なる。第1の照明は、第1のLED群から生成されてもよい、及び第2の照明は、第2のLED群から生成されてもよい。
【0009】
[0009] 一部の実施形態では、第1のユーザ照明情報は、第1のユーザの旅行情報を含む、及び第1のユーザ照明は、旅行情報に基づいて時差ぼけを治療するように構成される。
【0010】
[0010] 一部の実施形態では、第1のユーザ照明情報は、第1のユーザの携帯電子デバイスから送信される。
【0011】
[0011] 一般に、別の態様では、複数のユーザに対して照明を合わせる照明制御方法が提供され、部屋内の第1の領域に第1の光出力特性を有する第1の照明を提供する及び部屋内の第2の領域に第2の光出力特性を有する第2の照明を提供するステップであって、第1の照明及び第2の照明は異なる、ステップと、第1の光出力特性に対する第1のユーザの照明ニーズを特定するステップと、第1のユーザを第1の領域に向けるステップとを含む。
【0012】
[0012] 一部の実施形態では、第1の光出力特性は、第2の光出力特性の第2の光出力レベルよりも大きい第1の光出力レベルを含む。
【0013】
[0013] この方法は、第1の領域と第2の領域との間に滑らかに遷移する照明を提供するステップを更に含んでもよく、この滑らかに遷移する照明は、第1の光出力特性と第2の光出力特性との差を徐々に遷移させる。これらの実施形態の一部のバージョンでは、第1の光出力特性は、第2の光出力特性の第2の光出力レベルよりも大きい第1の光出力レベルを含む。これらの実施形態の一部のバージョンでは、この方法は、第2の光出力特性に対する第2のユーザの照明ニーズを特定するステップと、第2のユーザを第2の位置へと向けるステップとを更に含む。これらの実施形態の一部のバージョンでは、第1の照明は、動的である及び第1のユーザ照明情報によって定められる第1のユーザの照明ニーズに対応する、並びに第2の照明は、動的である及び第2のユーザ照明情報によって定められる第2のユーザの照明ニーズに対応する。
【0014】
[0014] 一部の実施形態では、第1の領域に第1のユーザを向けるステップは、第1の領域を第1のユーザのパーソナルデバイスに送信する事を含む。
【0015】
[0015] この方法は、第2の光出力特性に対する第2のユーザの照明ニーズを特定するステップと、第2のユーザを第2の位置へと向けるステップとを更に含んでもよい。これらの実施形態の一部のバージョンでは、第1の照明は、動的である及び第1のユーザ照明情報によって定められる第1のユーザの照明ニーズに対応する、並びに第2の照明は、動的である及び第2のユーザ照明情報によって定められる第2のユーザの照明ニーズに対応する。
【0016】
[0016] 他の実施形態は、プロセッサによって実行可能な、本明細書に記載される方法の1つ又は複数等の方法を実行する為の命令を保存する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。更に別の実施は、メモリ、及びメモリに保存される本明細書に記載される方法の1つ又は複数等の方法を実行する為の命令を実行するように動作可能な1つ又は複数のプロセッサを含むシステムを含んでもよい。
【0017】
[0017] 本開示の目的で本明細書において使用される場合、「LED」との用語は、任意のエレクトロルミネセンスダイオード、又は、電気信号に呼応して放射を発生できる、その他のタイプのキャリア注入/接合ベースシステム(carrier injection/junction-based system)を含むものと理解すべきである。したがって、LEDとの用語は、次に限定されないが、電流に呼応して発光する様々な半導体ベースの構造体、発光ポリマー、有機発光ダイオード(OLED)、エレクトロルミネセンスストリップ等を含む。特に、LEDとの用語は、赤外スペクトル、紫外スペクトル、及び(通常、約400ナノメートルから約700ナノメートルまでの放射波長を含む)可視スペクトルの様々な部分のうちの1つ又は複数における放射を発生させることができるすべてのタイプの発光ダイオード(半導体及び有機発光ダイオードを含む)を指す。LEDの幾つかの例としては、次に限定されないが、様々なタイプの赤外線LED、紫外線LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、黄色LED、アンバー色LED、橙色LED、及び白色LED(以下に詳しく述べる)がある。また、LEDは、所与のスペクトルに対して様々な帯域幅(例えば半波高全幅値(FWHM:full widths at half maximum))、及び所与の一般的な色分類内で様々な支配的波長を有する放射(例えば狭帯域幅、広帯域幅)を発生させるように構成及び/又は制御することができることを理解すべきである。
【0018】
[0018] 例えば本質的に白色光を生成するLED(例えば白色LED)の一実施態様は、それぞれ、組み合わされることで混合して本質的に白色光を形成する様々なスペクトルのエレクトロルミネセンスを放射する複数のダイを含む。別の実施態様では、白色光LEDは、第1のスペクトルを有するエレクトロルミネセンスを異なる第2のスペクトルに変換する蛍光体材料に関連付けられる。この実施態様の一例では、比較的短波長で狭帯域幅スペクトルを有するエレクトロルミネセンスが、蛍光体材料を「ポンピング(pumps)」して、当該蛍光体材料は、いくぶん広いスペクトルを有する長波長放射を放射する。
【0019】
[0019] なお、LEDとの用語は、LEDの物理的及び/又は電気的なパッケージタイプを限定しないことを理解すべきである。例えば、上述した通り、LEDは、(例えば個々に制御可能であるか又は制御不能である)異なるスペクトルの放射をそれぞれ放射する複数のダイを有する単一の発光デバイスを指すこともある。また、LEDは、LED(例えばあるタイプの白色LED)の一体部分と見なされる蛍光体に関連付けられることもある。一般に、LEDとの用語は、パッケージLED、非パッケージLED、表面実装LED、チップ・オン・ボードLED、TパッケージマウントLED、ラジアルパッケージLED、パワーパッケージLED、あるタイプのケーシング及び/又は光学的要素(例えば拡散レンズ)を含むLED等を指す。
【0020】
[0020] 「光源」との用語は、次に限定されないが、LEDベース光源(上記に定義した1つ以上のLEDを含む)、白熱光源(例えばフィラメント電灯、ハロゲン電灯)、蛍光光源、りん光性光源、高輝度放電光源(例えばナトリウム蒸気ランプ、水銀蒸気ランプ及びメタルハライドランプ)、レーザー、その他のタイプのエレクトロルミネセンス源、パイロルミネセンス源(例えば火炎)、キャンドルルミネセンス源(例えばガスマントル光源、カーボンアーク放射光源)、フォトルミネセンス源(例えばガス状放電光源)、電子飽和(electronic satiation)を使用する陰極発光源(cathode luminescent source)、ガルバノルミネセンス源、結晶発光(crystallo-luminescent)源、キネルミネセンス(kine-luminescent)源、熱ルミネセンス源、摩擦ルミネセンス(triboluminescent)源、音ルミネセンス(sonoluminescent)源、放射ルミネセンス(radioluminescent)源、及び発光ポリマー(luminescent polymers)を含む、様々な放射源のうちの任意の1つ以上を指すと理解すべきである。
【0021】
[0021] 所与の光源は、可視スペクトル内、可視スペクトル外、又は両者の組合せでの電磁放射を発生する。したがって、「光」及び「放射」との用語は、本明細書では同義で使用される。さらに、光源は、一体構成要素として、1つ以上のフィルタ(例えばカラーフィルタ)、レンズ、又はその他の光学的構成要素を含んでもよい。また、光源は、次に限定されないが、指示、表示、及び/又は照明を含む様々な用途に対し構成されることを理解すべきである。「照明源」とは、内部空間又は外部空間を効果的に照射するのに十分な強度を有する放射を発生するように特に構成された光源である。このコンテキストにおいて、「十分な強度」とは、周囲照明(すなわち、間接的に知覚され、また、例えば、全体的に又は部分的に知覚される前に1つ以上の様々な介在面から反射される光)を提供するために空間又は環境において発生される可視スペクトルにおける十分な放射強度(放射強度又は「光束」に関して、全方向における光源からの全光出力を表すために、単位「ルーメン」がよく使用される)を指す。
【0022】
[0022] 「スペクトル」との用語は、1つ以上の光源によって生成された放射の任意の1つ以上の周波数(又は波長)を指すものと理解すべきである。したがって、「スペクトル」との用語は、可視範囲内の周波数(又は波長)のみならず、赤外線、紫外線、及び電磁スペクトル全体の他の領域の周波数(又は波長)も指す。さらに、所与のスペクトルは、比較的狭い帯域幅(例えば、FWHMは、基本的に、周波数又は波長成分をほとんど有さない)、又は、比較的広い帯域幅(様々な相対強度を有する幾つかの周波数又は波長成分)を有してよい。当然のことながら、所与のスペクトルは、2つ以上の他のスペクトルを混合(例えば、複数の光源からそれぞれ放射された放射を混合)した結果であってよい。
【0023】
[0023] 本開示の目的で、「色」との用語は、「スペクトル」との用語と同義に使用される。しかし、「色」との用語は、通常、観察者によって知覚可能である放射の特性を主に指すために使用される(ただし、この使用は、当該用語の範囲を限定することを意図していない)。したがって、「様々な色」との用語は、様々な波長成分及び/又は帯域幅を有する複数のスペクトルを暗に指す。さらに、当然のことながら、「色」との用語は、白色光及び非白色光の両方との関連で使用されてもよい。
【0024】
[0024] 「色温度」との用語は、本明細書では、通常、白色光に関連して使用されるが、その使用は、当該用語の範囲を限定することを意図していない。色温度は、基本的に、白色光の特定の色内容又は陰(例えば、赤みを帯びた、青みを帯びた)を指す。所与の放射サンプルの色温度は、従来から、問題とされている放射サンプルと同じスペクトルを基本的に放射する黒体放射体のケルビン度数(K)の温度に応じて特徴付けられている。黒体放射体の色温度は、通常、約700度K(通常、人間の目に最初に可視となると考えられている)から10,000度K超の範囲内であり、白色光は、通常、約1500〜2000度Kより高い色温度において知覚される。
【0025】
[0025] 低色温度は、通常、より顕著な赤色成分、すなわち、「温かい印象」を有する白色光を示す一方で、高色温度は、通常、より顕著な青色成分、すなわち、「冷たい印象」を有する白色光を示す。一例として、炎は約1,800度Kの色温度を有し、従来の白熱電球は約2848度Kの色温度を有し、早朝の日光は約3,000度Kの色温度を有し、曇った日の真昼の空は約10,000度Kの色温度を有する。約3,000度Kの色温度を有する白色光の下で見られたカラー画像は、比較的赤みの帯びた色調を有する一方で、約10,000度Kの色温度を有する白色光の下で見られたカラー画像は、比較的青みの帯びた色調を有する。
【0026】
[0026] 「照明固定具」又は「照明器具」との用語は、本明細書では、特定の形状因子、アセンブリ又はパッケージの1つ以上の照明ユニットの実施態様又は配置を指すために使用される。「照明ユニット」との用語は、本明細書では、同じ又は異なるタイプの1つ以上の光源を含む装置を指して使用される。所与の照明ユニットは、様々な光源の取付け配置、筐体/ハウジング配置及び形状、並びに/又は、電気及び機械的接続構成の何れか1つを有してもよい。さらに、所与の照明ユニットは、光源の動作に関連する様々な他の構成要素(例えば制御回路)に任意選択的に関連付けられてもよい(例えば含む、結合される、及び/又は一緒にパッケージされる)。「LEDベースの照明ユニット」とは、上記した1つ以上のLEDベースの光源を、単独で又はその他の非LEDベースの光源との組合せで含む照明ユニットを指す。「マルチチャネル」照明ユニットとは、それぞれ異なる放射スペクトルを発生する少なくとも2つの光源を含むLEDベースの又は非LEDベースの照明ユニットを指すものであり、各異なる光源スペクトルは、マルチチャネル照明ユニットの「チャネル」と呼ばれる。
【0027】
[0027] 「コントローラ」との用語は、本明細書では、一般に、1つ以上の光源の動作に関連する様々な装置を説明するために使用される。コントローラは、本明細書で説明した様々な機能を実行するように、数多くの方法(例えば専用ハードウエアを用いて)で実施できる。「プロセッサ」は、本明細書で説明した様々な機能を実行するように、ソフトウエア(例えばマイクロコード)を使用してプログラムすることのできる1つ以上のマイクロプロセッサを使用するコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを使用してもしなくても実施でき、また、幾つかの機能を実行する専用ハードウエアと、その他の機能を実行するプロセッサ(例えばプログラムされた1つ以上のマイクロプロセッサ及び関連回路)の組み合わせとして実施されてもよい。本開示の様々な実施態様において使用されてもよいコントローラ構成要素の例としては、次に限定されないが、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向けIC(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)がある。
【0028】
[0028] 様々な実施態様において、プロセッサ又はコントローラは、1つ以上の記憶媒体(本明細書では総称的に「メモリ」と呼び、例えばRAM、PROM、EPROM及びEEPROM、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光学ディスク、磁気テープ等の揮発性及び不揮発性のコンピュータメモリ)と関連付けられる。幾つかの実施態様において、記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、本明細書で説明した機能の少なくとも幾つかを実行する1つ以上のプログラムによって、コード化されてもよい。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に固定されてもよいし、又は、その上に記憶された1つ以上のプログラムが、本明細書で説明した本発明の様々な態様を実施するように、プロセッサ又はコントローラにロードされるように可搬型であってもよい。「プログラム」又は「コンピュータプログラム」との用語は、本明細書では、一般的な意味で、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするように使用できる任意のタイプのコンピュータコード(例えばソフトウエア又はマイクロコード)を指して使用される。
【0029】
[0029] 1つのネットワーク実施態様では、ネットワークに結合された1つ以上のデバイスが、当該ネットワークに結合された1つ以上の他のデバイスのコントローラとしての機能を果たす(例えばマスタ/スレーブ関係において)。別の実施態様では、ネットワークで結ばれた環境は、当該ネットワークに結合されたデバイスのうちの1つ以上を制御する1つ以上の専用コントローラを含む。通常、ネットワークに結合された複数のデバイスは、それぞれ、1つ以上の通信媒体上にあるデータへのアクセスを有するが、所与のデバイスは、例えば、当該デバイスに割り当てられた1つ以上の特定の識別子(例えば「アドレス」)に基づいて、ネットワークとデータを選択的に交換する(すなわち、ネットワークからデータを受信する及び/又はネットワークにデータを送信する)点で、「アドレス可能」である。
【0030】
[0030] 「ネットワーク」との用語は、本明細書において使用される場合、(コントローラ又はプロセッサを含む)任意の2つ以上のデバイス間及び/又はネットワークに結合された複数のデバイス間での(例えばデバイス制御、データ記憶、データ交換等のための)情報の転送を容易にする2つ以上のデバイスの任意の相互接続を指す。容易に理解されるように、複数のデバイスを相互接続するのに適したネットワークの様々な実施態様は、様々なネットワークトポロジのうちの何れかを含み、様々な通信プロトコルのうちの何れかを使用することができる。さらに、本開示による様々なネットワークにおいて、2つのデバイス間の接続はいずれも、2つのシステム間の専用接続を表わすか、又は、これに代えて非専用接続を表わしてもよい。2つのデバイス用の情報を担持することに加えて、当該非専用接続(例えばオープンネットワーク接続)は、必ずしも2つのデバイス用ではない情報を担持することがある。さらに、容易に理解されるように、本明細書で説明されたデバイスの様々なネットワークは、ネットワーク全体に亘る情報の転送を容易にするために、1つ以上のワイヤレス、ワイヤ/ケーブル、及び/又は光ファイバリンクのリンクを使用できる。
【0031】
[0031] 「ユーザインターフェース」との用語は、本明細書において使用される場合、人間であるユーザ又はオペレータと、当該ユーザとデバイス間の通信を可能にする1つ以上のデバイスとの間のインターフェースを指す。本開示の様々な実施態様に使用されてもよいユーザインターフェースの例は、次に限定されないが、スイッチ、電位差計、ボタン、ダイアル、スライダ、マウス、キーボード、キーパッド、様々なタイプのゲームコントローラ(例えばジョイスティック)、トラックボール、ディスプレイスクリーン、様々なタイプのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)、タッチスクリーン、マイクロホン、及び、人間が生成した何らかの形の刺激を受信し、それに応答して信号を生成する他のタイプのセンサを含む。
【0032】
[0032] なお、前述の概念及び以下でより詳しく説明する追加の概念のあらゆる組み合わせ(これらの概念が互いに矛盾しないものであることを条件とする)は、本明細書で開示される本発明の主題の一部をなすものと考えられることを理解すべきである。特に、本開示の終わりに登場するクレームされる主題のあらゆる組み合わせは、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられる。なお、参照により組み込まれる任意の開示内容にも登場する、本明細書にて明示的に使用される用語には、本明細書に開示される特定の概念と最も整合性のある意味が与えられるべきであることを理解すべきである。
【0033】
[0033] 図面では、同様の参照符号は、一般に、異なる図面を通して同じ部分を指す。また、図面は、必ずしも正確な縮尺ではなく、代わりに本発明の原理を示す事に一般的に重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】[0034] ユーザの2つのパーソナルデバイスと通信する例示的照明システムのブロック図を示す。
図2】[0035] 複数のユーザに提供される照明を制御する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
図3】[0036] 複数のユーザに提供される照明を制御する方法の別の実施形態を示すフローチャートである。
図4】[0037] 照明システムの一実施形態を有する会議室の上面図及び会議室内の様々な位置において照明システムによって提供される光レベルを示すグラフを示す。
図5】[0038] 照明システムの一実施形態を有するレストランの上面図及びレストラン内の様々な位置において照明システムによって提供される光レベルを示すグラフを示す。
図6】[0039] 照明システムの一実施形態を有する会議室の上面図を示し、異なるシェーディングは、会議室内の様々な位置において照明システムによって提供される異なる照明特性を示す。
図7】[0040] 2つのベッド及び照明システムの一実施形態を有する病室の上面図を示し、各ベッドの終わりに、ある期間にわたってそのベッドに対して照明システムによって提供された光レベルを示すグラフが示されている。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[0041] 様々な治療用照明システムが当該分野で知られ、利用されている。例えば、治療用照明システムは、季節性鬱病の治療、飛行機旅行による時差ぼけの治療、社会的時差ぼけの治療等として利用されてきた。この様な治療用照明システムは、例えば、専用スペースという必要条件、明るい治療用の光は、居合わせた光線療法を必要としない他の人々にとって煩わしい場合がある、及び/又は治療用照明システムは、複数のユーザに対して動的なパーソナライズ部分を提供しない場合がある等の1つ又は複数の欠点を有し得る。従って、出願人らは、既存の治療用照明システム等の既存の照明システムの1つ又は複数の欠点を克服する為に任意選択的に利用する事ができる照明制御に関連する方法及び装置を提供する必要性を認識及び理解した。
【0036】
[0042] より一般的に、出願人らは、適応的及び動的パーソナライズ照明領域を提供する照明方法及び装置を提供する事が有益である事を認識及び理解した。
【0037】
[0043] 上記を鑑みて、本発明の様々な実施形態及び実施は、照明制御及び照明装置に関する。
【0038】
[0044] 以下の詳細な説明において、限定ではなく説明目的で、請求項に係る発明の完全な理解を提供する為に、具体的詳細を開示する代表的実施形態が記載される。しかしながら、本開示の利益を受けた当業者には、本明細書に開示された具体的詳細から離れた本教示による他の実施形態が添付の請求項の範囲内にとどまる事は明らかとなるであろう。また、周知の装置及び方法の説明は、代表的実施形態の説明を分かり難くしない為に省略される場合がある。この様な方法及び装置は、明らかに請求項に係る発明の範囲内である。例えば、本明細書に開示されるアプローチの様々な実施形態は、時差ぼけ、社会的時差ぼけ、季節性鬱病、手術の回復等を治療する等の治療目的で利用される照明システムに特に適する。従って、例示目的で、請求項に係る発明は、その様な照明システムに関連して説明される事が多い。但し、他の構成及び応用が、請求項に係る発明の範囲又は精神から逸脱する事なく検討される。例えば、治療の場で利用されない及び/又は具体的に治療目的で利用する為に構成されていない他の照明システムにおいて態様が実施されてもよい。
【0039】
[0045] ユーザにとって固有の光出力特性を持つ照明を提供する事が望ましい場合がある。例えば、幾つかの目的でユーザに治療用照明を提供する事が望ましい場合がある。例えば、海外旅行者は、時差ぼけ並びに睡眠障害及び集中力の低下等のその影響によって深刻な影響を受ける。時差ぼけのこの様な影響は、これらの旅行者の能力に深刻な悪影響を与え得る。旅行者の旅行の詳細に応じた特定のタイムスケジュールに従った明るい又は薄暗い光の使用が、時差ぼけの症状を軽減する事が分かった。
【0040】
[0046] 同じ地理的目的地に向かう異なる旅行者らは、同時に異なる時差ぼけ治療の照明ニーズを有する場合がある。例えば、一部の実施形態では、地理的目的地へと西に5つのタイムゾーンを旅行する第1の旅行者は、ある期間中明るい光に曝露される必要性を有し得るが、西へと13のタイムゾーンを旅行する第2の旅行者は、同じ期間中薄暗い光又は無光の必要性を有し得る。また、例えば、一部の実施形態では、その間に時差ぼけ用の治療用照明が適用される時刻は、旅行者がある地理的位置にいる1日毎に遅らせられる又は早められる必要を有し得る。従って、同じ地理的起源から2日違いで同じ地理的目的地に到着する2人の旅行者は、異なる時刻の間に異なる治療用照明ニーズを有し得る。
【0041】
[0047] ユーザに提供される最適な光の具体的な光出力特性は、年齢、習慣的活動、及び/又は睡眠パターンの様な個人の性質にも依存し得る。例えば、時差ぼけの治療は、睡眠パターンを考慮に入れ得る。また、例えば、個人の最適な読書用照明は、光出力レベルの設定において、その個人の年齢を考慮に入れ得る。また、例えば、就寝前照明のタイミングは、年齢及び/又は睡眠パターンを考慮に入れ得る。本明細書に記載される照明システムの実施形態は、ユーザの照明ニーズに対応した1つ又は複数の光出力特性を持つ光に対する個人の曝露を最大にする事ができる。この様な照明システムは、任意選択的に、一般照明システムの一部として組み込まれてもよく、様々な環境において実施されてもよく、及び/又はあるスペース内の複数のユーザに対して複数の照明プロファイルを提供してもよい。
【0042】
[0048] 図1は、2人の別々のユーザの2つのパーソナルデバイス105A、105Bと通信する例示的照明システム100のブロック図を示す。照明システム100は、位置センサ130と通信する及び1つ又は複数の照明器具110と通信するコントローラ120を含む。コントローラ120は、パーソナルデバイス105A、105Bとも通信する。一部の実施では、コントローラ120及び/又は位置センサ130は、照明器具110の1つ又は複数に組み込まれてもよい。例えば、一部の実施形態では、各々が内部に組み込まれたコントローラを有する複数の照明器具110が設けられてもよく、任意選択的に、複数の照明器具110にわたるコントローラが互いに通信してもよい。また、例えば、一部の実施形態では、1つがその他の照明器具との通信によって複数の照明器具110を制御する内部に組み込まれたコントローラを有する複数の照明器具110が設けられてもよい。
【0043】
[0049] 照明器具110は、固有の光出力特性を持つ光を生成する及び/又はコントローラ120からの通信に応答してその光の光出力特性を変更する1つ又は複数の照明器具を含んでもよい。例えば、一部の実施形態では、照明器具110は、第1の照明器具及び第2の照明器具を含んでもよい。第1の照明器具は、コントローラ120からの通信に応答して、第1の領域において第1の光出力特性を有する第1の照明出力を生成し得る。第2の照明器具は、コントローラ120からの通信に応答して、第2の領域において第2の光出力特性を有する異なる第2の照明出力を生成し得る。一部の実施形態では、第1及び/又は第2の照明器具は、光出力レベル、色、及び/又はビーム形状等の調節可能な光出力特性を有してもよい。照明器具が光出力を提供する1つ又は複数の領域は固定されてもよく(例えば、照明器具の設置場所に応じて)又は調節可能でもよい。照明器具が光出力を提供する領域の調節性は、様々な方法及び/又は装置の1つ又は複数を利用して達成する事ができる。例えば、調節性は、照明器具内の複数の光源の1つをオン/オフにする事によって、照明器具全体の位置及び/若しくは配向を機械的に調節する事によって、並びに/又は照明器具の光源及び/若しくは光学素子(例えば、反射器、屈折器)の位置及び/若しくは配向を機械的に調節する事によって達成する事ができる。
【0044】
[0050] 一部の実施では、照明器具110は、個々にオン/オフにする事、個々に薄暗くする事、及び/又は個々に調整する(例えば、調整可能な色、ビーム形状、ビームサイズ)事ができる複数のLEDを有するLEDベース照明器具を含んでもよい。LEDベース照明器具の第1のLED群は、第1の光出力特性を持つ光出力を達成するように調節され得り、LEDベース照明器具の第2のLED群は、第2の光出力特性を持つ光出力を達成するように調節され得る。一部の実施形態では、照明器具110は、複数の発光天井タイル群を含んでもよく、各群は、1つ又は複数のタイル(例えば、実装されたLEDを有するタイル)を含み及び固有の照明設定を有してもよい。具体的な照明器具実施の例が本明細書において提供される。本開示の利益を受けた当業者は、他の実施形態において、追加及び/又は代替の照明器具が本明細書に記載された照明システム及び/又は照明方法において利用され得る事を認識及び理解するであろう。
【0045】
[0051] 位置センサ130は、1人又は複数のユーザの位置を決定する為に利用される1つ又は複数のセンサを含んでもよい。例えば、位置センサ130は、1つ又は複数のレーダ、カメラ、距離センサ、及び/又はPIRセンサを含んでもよい。例えば、レーダは、パーソナルデバイス105Aの位置を検出(例えば、パーソナルデバイスによって発せられたRF信号及び/又はレーダによって発せられたRF信号の検出に基づいて)する為に利用する事ができ、パーソナルデバイス105Aの位置は、第1のユーザの位置に対応すると仮定され得る。また、例えば、カメラ及び距離センサは、顔認識及び距離センサからの距離測定値に基づいて、ある特定のユーザの位置を特定する為に利用する事ができる。一部の実施形態では、位置センサ130は、省かれてもよい。例えば、図3の方法を実施する照明システム100の実施形態では、位置センサ130は、任意選択的に省かれてもよい。また、例えば、照明システム100の実施形態では、位置データは、パーソナルデバイス105A、105Bからの入力によって(例えば、GPSデバイス及び/又はパーソナルデバイス105A、105Bの他の位置デバイスによって)受信されてもよく、位置センサ130は、任意選択的に省かれてもよい。
【0046】
[0052] 一部の実施形態では、パーソナルデバイス105A、105Bは、ユーザの照明ニーズに関連した情報の通信を可能にするユーザによって携行される照明トークンを含んでもよい。例えば、一部の実施形態では、パーソナルデバイス105A、105Bは、ユーザの照明ニーズを特定する為にRFIDレシーバによって読み取る事のできるユーザによって携行されるRFIDタグを含んでもよい。例えば、RFIDタグは、ユーザの身元をコントローラ120に通信してもよい。コントローラ120は、ユーザの身元を利用して、データベース(ローカルデータベース及び/又はネットワークを介してアクセス可能なデータベース)中のこのユーザに関連付けられた治療用照明設定を読み出す事ができる。また、例えば、RFIDタグは、ユーザの身元をコントローラ120に通信する事ができ、コントローラ120は、ユーザの身元を利用して、データベース中のこのユーザに関連付けられたユーザの旅行履歴及び/又は旅行プランを読み出す事ができ、並びに、この旅行履歴及び/又は旅行プランに基づいて、コントローラ120は、ユーザの治療用照明ニーズを特定する事ができる。
【0047】
[0053] 一部の実施形態では、パーソナルデバイス105A、105Bは、本明細書に記載された機能を超える追加の機能を行えるスマートフォン、タブレットコンピュータ、及び/又は他のハンドヘルドデバイスを含み得る。例えば、パーソナルデバイス105A、105Bは、治療用照明ニーズをコントローラ120に通信する(直接的に又は旅行日程情報の提供によって)スマートフォンを含んでもよい。一部の実施形態では、パーソナルデバイス105A、105Bは、追加的又は代替的に位置情報をコントローラ120に通信してもよい。例えば、位置は、GPS及び/又はRF三角測量によって、パーソナルデバイス105A、105Bにおいて決定されてもよく、この位置は、コントローラ120に通信される。
【0048】
[0054] 一部の実施形態では、パーソナルデバイス105A、105Bは、ユーザに適した照明設定が利用可能な領域の表示をユーザに提供するディスプレイを含んでもよい。例えば、ディスプレイは、ユーザが位置するスペースの見取り図を示し、ユーザにとって適切な照明設定をユーザが得る事ができる見取り図の領域を強調してもよい。また、例えば、ディスプレイは、ユーザにとって適切な照明設定を得る為にユーザが移動しなければならない方向及び/又は距離の表示を提供するインターフェースを示してもよい。
【0049】
[0055] 一部の実施形態では、パーソナルデバイス105A、105Bは、適切な照明効果が存在するかどうかを感知する為の光センサを含んでもよい。光センサからの測定値は、所望の光出力を達成する為にユーザの位置へと向けられた光出力を任意選択的に変更する為に、コントローラ120に任意選択的に通信されてもよい。光センサからの測定値は、その位置における光がユーザにとって適切か否かをパーソナルデバイス105A、105Bを介してユーザに知らせる為に、任意選択的に利用されてもよい。また、一部の実施形態では、光センサからの測定値は、経時的にトラッキングされ、適切な光効果がユーザによってタイミング良く受け取られたか否かを決定する為に任意選択的に利用されてもよく、もしそうでない場合、ユーザは、任意選択的に通知されてもよい及び/又は適切な光効果を得る為の選択肢(例えば、適切な光出力を得る為にどこに移動すべきか)を提示されてもよい。
【0050】
[0056] 照明システム100及び/又は他のデバイス(例えば、パーソナルデバイス105A、105B)の様々な構成要素間の通信は、任意選択的に、1つ又は複数の通信媒体、通信技術、プロトコル、及び/又はプロセス間通信技術を利用してもよい。例えば、通信媒体は、例えばツイストペア同軸ケーブル、光ファイバ、並びに/又は例えば赤外線、マイクロ波、若しくは符号化可視光線伝送及び照明器具ネットワークにおける通信を達成するための任意の適切なトランスミッタ、レシーバ、若しくはトランシーバを用いる無線リンクを含む任意の物理媒体を含み得る。また、例えば、通信技術は、例えば、TCP/IP、Ethernet(登録商標)のバリエーション、ユニバーサルシリアルバス、Bluetooth(登録商標)、FireWire、Zigbee(登録商標)、DMX、Dali、802.11b、802.11a、802.11g、トークンリング、トークンバス、シリアルバス、配電線若しくは低電圧電力線間の電力線ネットワーク化、及び/又は任意の他の適切な無線若しくは有線プロトコルを含む任意の適切なデータ伝送用プロトコルを含み得る。例えば、一部の実施形態では、パーソナルデバイス105A、105Bは、RF通信によってコントローラ120と通信する事ができ、コントローラ120は、有線接続によって照明器具110及び/又は位置センサ130と通信する事ができる。
【0051】
[0057] 図2は、複数のユーザに提供される照明を制御する方法の一実施形態を示すフローチャートである。他の実施形態は、図2に示されたものと比較して、異なる順序でステップを実行、特定のステップを省略、並びに/又は異なる及び/若しくは追加のステップを実行し得る。一部の実施形態では、図1のコントローラ120及び/又は照明器具110等の1つ又は複数のコントローラ及び/又は照明器具が、図2のステップを実行し得る。
【0052】
[0058] ステップ200において、照明情報が第1のユーザから受信される。例えば、コントローラ120は、第1のパーソナルデバイス105Aから直接照明情報を受信してもよい。また、例えば、コントローラ120は、リモートコンピューティングデバイスから直接照明情報を受信してもよい。例えば、ホテルに予約を入れる際に、ユーザは、後にコントローラ120に送信され得る当該ユーザ用の照明情報を決定する為に利用され得る情報(例えば、ユーザの自宅のタイムゾーン、滞在期間、ユーザの好み、及び/又はユーザの年齢)を入力してもよい。また、例えば、コントローラ120は、第1のパーソナルデバイス105Aから旅行情報を受信し、この旅行情報を利用して適切な照明情報を決定してもよい。
【0053】
[0059] また、例えば、コントローラ120は、第1のパーソナルデバイス105Aからユーザ識別情報を受信し、この識別情報を利用して、このユーザに関する照明情報を受信してもよい。例えば、ユーザ識別情報は、データベースから直接ユーザに関する照明情報を得る為に利用する事ができる。また、例えば、ユーザに関するユーザ識別情報は、後にユーザにとって適切な光設定を決定する為に利用され得るユーザに関する情報を特定する為に利用する事ができる。例えば、ユーザの旅行日程は、時差ぼけの治療に適し得る光設定を決定する為に利用する事ができる。また、例えば、ホテルのデータベース、会議データベース等から得られたデモグラフィック情報は、ユーザが自宅から幾つのタイムゾーン分離れているか、ユーザがいつチェックインしたか、ユーザが何歳であるか等を決定してユーザの状況に適切となり得る光設定を決定する為に利用する事ができる。例えば、ティーンエイジャーは、強い夜嗜好を持つ、遅くに就寝する、及び朝起きるのに苦労する場合がある。従って、ティーンエイジャー用の光設定は、朝に彼らの睡眠慣性を低下させて目覚めのプロセスを助ける為に、朝に明るい及び/又はよりクールな光を含み得る。また、例えば、データベースから得られたユーザに関する習慣的情報(例えば、ユーザ入力によって及び/又は光/水/部屋の利用信号等のホームオートメーション信号から得られた習慣的就寝時刻情報)は、ユーザにとって適切となり得る光設定を決定する為に利用する事ができる。
【0054】
[0060] ステップ205において、第1のユーザの照明ニーズに対応した第1の照明が第1のユーザに提供される。例えば、コントローラ120は、第1のユーザの照明ニーズに対応した照明を提供するように、照明器具110の1つを向ける事ができる。例えば、時刻が第1のユーザの習慣的就寝時刻に近い場合、コントローラ120は、光出力を低レベルに落とすように第1のユーザに照明を提供する照明器具の1つを向けてもよい。一部の実施形態では、第1のユーザに固有の照明は、特に第1のユーザの位置へと向けられてもよい。例えば、一部の実施形態では、第1のユーザの位置が得られ(例えば、位置センサ130によって及び/又はパーソナルデバイス105Aから受信された位置情報によって)、光が、特にその位置へと向けられてもよい。例えば、第1のユーザの照明ニーズに対応した照明を提供するように向けられた照明器具110は、それが特にその位置へと向けられた光出力を提供することから選択されてもよい。また、例えば、1つ又は複数の照明器具の特定の光源のみが第1のユーザの照明ニーズに対応した照明を提供する場合があり、特定の光源は、それらが特にその位置へと向けられた光出力を提供することから選択されてもよい。また、例えば、1つ又は複数の照明器具は、機械的に方向を変える事が可能及び第1のユーザの照明ニーズに対応した照明を提供する事ができ、特定の照明器具は、特にその位置へと向けられた光出力を提供するように方向を変える事ができる。
【0055】
[0061] 一部の実施形態では、第1のユーザに固有の照明は、1つ又は複数の領域へと向けられてもよく、第1のユーザは、それら1つ又は複数の領域において照明が利用可能である事を指示されてもよい。例えば、一部の実施形態では、第1のユーザの照明ニーズを満たす照明が、あるスペースの1つの領域へと向けられてもよく、ユーザは、その領域に向けられてもよい。例えば、第1のユーザは、第1のユーザのパーソナルデバイス105A上のグラフィック表示によって及び/又は第1のユーザのパーソナルデバイス105Aからの音声指示によって、当該領域に向けられてもよい。
【0056】
[0062] ステップ210において、照明情報は、第2のユーザから受信される。例えば、コントローラ120は、第2のパーソナルデバイス105Bから直接照明情報を受信してもよい。また、例えば、コントローラ120は、第2のパーソナルデバイス105Bから旅行情報を受信し、この旅行情報を利用して適切な照明情報を決定してもよい。また、例えば、コントローラ120は、第2のパーソナルデバイス105Bからユーザ識別情報を受信し、このユーザ識別情報を利用して、このユーザに関する照明情報を受信してもよい。また、例えば、ホテルのデータベース、会議データベース等から得られたデモグラフィック情報は、ユーザが自宅から幾つのタイムゾーン分離れているか、ユーザが何歳であるか等を決定してユーザの状況に適切となり得る光設定を決定する為に利用する事ができる。また、例えば、データベースから得られたユーザに関する習慣的情報は、ユーザにとって適切となり得る光設定を決定する為に利用する事ができる。
【0057】
[0063] ステップ215において、第2のユーザの照明ニーズに対応した第2の照明が第2のユーザに提供される。ステップ205の第1の照明及びステップ215の第2の照明の特性は、1つ又は複数の期間にわたって互いに異なり得る。例えば、第1の照明は、ある期間にわたって明るい治療用照明の場合がある一方で、第2の照明は、同じ期間中薄暗い治療用照明の場合がある。一部の実施形態では、コントローラ120は、第2のユーザの照明ニーズに対応した照明を提供するように、照明器具110の1つを向けてもよい。一部の実施形態では、第2のユーザに固有の照明は、特に第2のユーザの位置へと向けられてもよい。一部の実施形態では、第2のユーザに固有の照明は、1つ又は複数の領域へと向けられてもよく、第2のユーザは、それら1つ又は複数の領域において照明が利用可能である事を指示されてもよい。
【0058】
[0064] 一部の実施形態では、異なる照明ニーズを有する2人のユーザが共に、単一の光設定群のみを適用する事ができる領域に存在する場合がある。例えば、若者及び年配者が共に、第1の領域の読書用カウチに座っている場合がある。年配者は、若者よりも明るい照明を必要とする場合があり、1つの照明設定のみを第1の領域に適用する事ができる。優先規則及び/又は調整規則は、この様な状況に対処する為に任意選択的に施行され得る。例えば、相反するこの様な状況においては、より明るい照明が適用される優先規則が施行され得る。また、例えば、適用される照明が、若者及び年配者の好ましい照明設定間の妥協点である調整規則が適用され得る。
【0059】
[0065] 図3は、複数のユーザに提供される照明を制御する方法の別の実施形態を示すフローチャートである。他の実施形態は、図3に示されたものと比較して、異なる順序でステップを実行、特定のステップを省略、並びに/又は異なる及び/若しくは追加のステップを実行し得る。一部の実施形態では、図1のコントローラ120及び/又は照明器具110等の1つ又は複数のコントローラ及び/又は照明器具が、図3のステップを実行し得る。
【0060】
[0066] ステップ300において、第1の照明が第1の領域に提供される。例えば、コントローラ120は、あるスペース内の第1の領域に1人又は複数のユーザの照明ニーズに対応した照明を提供するように、照明器具110の1つを向けてもよい。
【0061】
[0067] ステップ305において、第2の照明が第1の領域とは異なる第2の領域に提供される。例えば、コントローラ120は、上記スペース内の第2の領域に1人又は複数のユーザの照明ニーズに対応した照明を提供するように、照明器具110の1つを向けてもよい。一部の実施形態では、第1の照明及び第2の照明は、異なる光出力強度、異なる色、及び異なる動的挙動の1つ又は複数を有する。例えば、第1の照明の第1の光出力特性は、ある期間にわたって静的でもよく、第2の照明の第2の光出力は、同じ期間にわたって、動的で、光出力強度及び/又は分光組成が変化してもよい。
【0062】
[0068] ステップ310において、第1の照明に対する第1のユーザの照明ニーズが特定され、第2の照明に対する第2のユーザの照明ニーズが特定される。例えば、コントローラ120は、第1のパーソナルデバイス105A及び/又は第2のパーソナルデバイス105Bから直接照明情報を受信し、その照明情報に基づいてユーザの照明ニーズを特定する事ができる。また、例えば、コントローラ120は、第1のパーソナルデバイス105A及び/又は第2のパーソナルデバイス105Bから旅行情報(例えば、記録された変化するGPS座標によって示されるような)を受信し、この旅行情報を利用して、この情報に基づいてユーザの照明ニーズを決定してもよい。また、例えば、コントローラ120は、第1のパーソナルデバイス105A及び/又は第2のパーソナルデバイス105Bからユーザ識別情報を受信し、この識別情報を利用して、このユーザに関する照明情報を受信してもよい。また、例えば、ホテルのデータベース、会議データベース等から得られたデモグラフィック情報は、ユーザが自宅から幾つのタイムゾーン分離れているか、ユーザが何歳であるか等を決定してユーザの状況に適切となり得る光設定を決定する為に利用する事ができる。また、例えば、データベースから得られたユーザに関する習慣的情報は、ユーザにとって適切となり得る光設定を決定する為に利用する事ができる。
【0063】
[0069] 一部の実施では、ステップ310は、ステップ300及び/又はステップ305の前に生じてもよい。例えば、一部の実施では、第1の照明が第1のユーザの照明ニーズの特定に応答して最初に構成及び/若しくは提供されてもよく、並びに/又は第2の照明が第2のユーザの照明ニーズの特定に応答して最初に構成及び/若しくは提供されてもよい。一部の実施では、徐々に遷移する照明プロファイルが第1の照明と第2の照明との間のスペースにおいて提供されてもよい。徐々に遷移する照明プロファイルは、1つの領域内に第1の照明、第2の領域内に第2の照明、及び第1の領域と第2の領域との間に複数の徐々に遷移する照明プロファイル領域を含んでもよい。
【0064】
[0070] ステップ315において、第1のユーザは、第1の領域に向けられ、第2のユーザは、第2の領域に向けられる。例えば、第1のユーザは、第1のユーザのパーソナルデバイス105A上のグラフィック表示によって及び/又は第1のユーザのパーソナルデバイスからの音声指示によって、第1の領域に向けられ得る。また、例えば、第2のユーザは、第2のユーザのパーソナルデバイス105B上のグラフィック表示によって及び/又は第2のユーザのパーソナルデバイスからの音声指示によって、第2の領域に向けられ得る。
【0065】
[0071] 図4は、照明システムの一実施形態を有する会議室4の上面図及び会議室4内の様々な位置において照明システムによって提供される光レベルを示すグラフを示す。会議室4は、U字形状に配置された3個のテーブル42及びテーブル42の外側に位置付けられた12個のイス44を含む。プレゼンテーション領域46は、テーブル42の開口端に設けられる。会議室4のY方向は、図4において矢印47によって示され、会議室4のX方向は、図4において、矢印48によって示される。図4のグラフは、X方向の会議室4に対応するものであり、Y方向において定位置の会議室4内のX方向における異なる位置の光レベルを示す。一部の実施形態では、グラフに示された光レベルは、Y方向の全ての位置に対して実質的に同じである。図示される様に、光出力は、会議室4の左端部分からX方向に会議室4のほぼ中間地点までの第1の領域において約200ルクスの光レベルを有するように設定される。光レベルは、会議室4のほぼ中間地点から複数の徐々に増加するルクス値を有するX方向における会議室4のほぼ4分の3の地点まで徐々に増加する。会議室4の最後の4分の1にわたる光レベルは、約800ルクスに設定される。一部の実施形態では、プレゼンテーション領域46の近位では低光レベルを有し(例えば、プロジェクションスクリーン及び/又はTVがプレゼンテーション領域46で利用される場合)、プレゼンテーション領域46の遠位では高光レベルを有する事が望ましい場合がある。
【0066】
[0072] 一部の実施形態では、本明細書に記載された方法及び/又は装置は、ユーザの照明ニーズに従って、会議室4内の1つ又は複数の位置へとユーザを向ける為に利用されてもよい。例えば、明るい照明を必要とする第1のユーザは、X方向に右端側の約800ルクスを有する第2の領域中のイス44に座るように向けられ得る。薄暗い照明を必要とする第2のユーザは、X方向に左半分の約200ルクスを有する第1の領域中のイス44に座るように向けられ得る。一部の実施形態では、第1のユーザはパーソナルデバイス105Aによって向けられてもよい及び/又は第2のユーザはパーソナルデバイス105Bによって向けられてもよい。
【0067】
[0073] 図5は、照明システムの一実施形態を有するレストラン5の上面図及びレストラン5内の様々な位置において照明システムによって提供される光レベルを示すグラフを示す。レストラン5は、4×3の格子状に配置された12個のテーブル52を含む。レストラン5のY方向は、図5において矢印57によって示され、レストラン5のX方向は、図5において矢印58によって示される。図5のグラフは、X方向のレストラン5に対応するものであり、Y方向において定位置のレストラン5内のX方向における異なる位置の光レベルを示す。一部の実施形態では、グラフに示された光レベルは、Y方向の全ての位置に対して実質的に同じである。図示される様に、光出力は、レストラン5の左端部分からほぼテーブル52の第1の列までのX方向における第1の領域において約200ルクスの光レベルを有するように設定される。光レベルは、テーブル52の第1の列のほぼ直後からテーブル52の第3の列のほぼ直前までX方向に徐々に増加する。レストラン5内のテーブル52の最後の2つの列にわたる光レベルは、約800ルクスに設定される。
【0068】
[0074] 一部の実施形態では、本明細書に記載された方法及び/又は装置は、ユーザの照明ニーズに従って、レストラン5内の1つ又は複数の位置へとユーザを向ける為に利用する事ができる。例えば、明るい照明を必要とする第1のユーザは、約800ルクスを有する第2の領域内にあるテーブル52に座るように向けられてもよく、薄暗い照明を必要とする第2のユーザは、約200ルクスを有する第1の領域内にあるテーブル52に座るように向けられてもよい。一部の実施形態では、レストランのホストは、コンピューティングデバイス又は他の方法によってユーザの決定を知らされ、ユーザを適切なテーブル52に向けてもよい。
【0069】
[0075] 他の実施形態では、光レベルが他のルクス値間で調節されてもよい。例えば、一部の実施形態では、光レベルは、100〜2000ルクス間で調節されてもよい。一部の実施形態では、暖色温度(例えば2700〜3000K)は、低光レベルで提供されてもよく、例えば最大2000ルクスで6000Kまで光レベルが増加するにつれて色温度が増加する。一部の実施形態では、色温度は、Kruithof曲線を示し得る。一部の実施形態では、追加の光領域が設けられてもよい。例えば、一部の実施形態では、第1、第2、及び第3の光領域が設けられ、各々が任意選択的に、中間に徐々に遷移する領域を有してもよい。1人又は複数のユーザは、任意選択的に、ユーザの照明ニーズに基づいて適切な光領域に向けられる事ができる。例えば、第1のユーザは、第1の光領域に向けられてもよく、第2のユーザは、第2の光領域に向けられてもよく、第3、第4、及び第5のユーザは、第3の光領域に向けられてもよい。
【0070】
[0076] 図6は、照明システムの一実施形態を有する会議室6の上面図を示す。会議室6は、6×4の格子状に配置された24個のイスを含む。プレゼンテーション領域66も設けられる。異なるシェーディングは、会議室内の様々な位置において照明システムによって提供される異なる照明特性を示す。第1の照明特性を持つ第1の照明領域は、シェーディング領域69によって示され、第2の照明特性を持つ第2の照明領域は、非シェーディング領域68によって示される。
【0071】
[0077] 一部の実施では、シェーディング領域69は、比較的薄暗い光出力特性を有する第1の領域を示し、非シェーディング領域68は、比較的明るい光出力特性を有する第2の領域を示し得る。一部の実施形態では、比較的薄暗い光出力と、比較的明るい光出力との間の急な遷移が存在し得る。一部の実施形態では、比較的薄暗い光出力と、比較的明るい光出力との間の徐々の遷移が存在し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載された方法及び/又は装置は、ユーザの照明ニーズに従って、会議室6内の1つ又は複数の位置へとユーザを向ける為に利用する事ができる。
【0072】
[0078] 図7は、2つのベッド72A、72B及び照明システムの一実施形態を有する病室7の上面図を示す。各ベッド72A、72Bの終わりに、ある期間にわたってそのベッドに対して照明システムによって提供された光レベルを示すグラフが示されている。図示される様に、ベッド72Aは、例示された期間にわたって徐々に動的に変化するが比較的一貫した比較的薄暗い光が提供される。ベッド72Bは、一日を通して動的に変化し、約12:00〜18:00の時間中は、比較的高い光レベルを有する光を提供される。一部の実施形態では、個人に合わせた光設定は、部屋内の他の患者及び/又は訪問者の邪魔をしないように、1人の患者のベッド及びその付近にのみ適用する事ができる。一部の実施形態では、医療手術からの経過時間に応じた及び患者がある部屋から別の部屋へ移動した際に任意選択的に維持される個々の光シナリオを処方する事ができる。一部の実施形態では、患者は、手術直後の初日又は数日間中は、薄暗い光状況に曝露されるように処方されてもよく、一方、回復した患者は、一日の少なくとも一部の期間中、より明るい光状況を更に受ける。この様な一日のリズム及び後続の日々におけるそれらの変化は、患者毎に処方する並びに本明細書に記載された1つ又は複数の方法及び/又は装置に従って適用する事ができる。
【0073】
[0079] 幾つかの発明実施形態を本明細書に説明し例示したが、当業者であれば、本明細書にて説明した機能を実行するための、並びに/又は、本明細書にて説明した結果及び/若しくは1つ以上の利点を得るための様々な他の手段及び/若しくは構造体を容易に想到できよう。また、このような変更及び/又は改良の各々は、本明細書に説明される発明実施形態の範囲内であるとみなす。より一般的には、当業者であれば、本明細書にて説明されるすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成は例示のためであり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、発明教示内容が用いられる1つ以上の特定用途に依存することを容易に理解できよう。当業者であれば、本明細書にて説明した特定の発明実施形態の多くの等価物を、単に所定の実験を用いて認識又は確認できよう。したがって、上記実施形態は、ほんの一例として提示されたものであり、添付の請求項及びその等価物の範囲内であり、発明実施形態は、具体的に説明された又はクレームされた以外に実施可能であることを理解されるべきである。本開示の発明実施形態は、本明細書にて説明される個々の特徴、システム、品物、材料、キット、及び/又は方法に関する。さらに、2つ以上のこのような特徴、システム、品物、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせも、当該特徴、システム、品物、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾していなければ、本開示の本発明の範囲内に含まれる。
【0074】
[0080] 本明細書にて定義されかつ用いられた定義はすべて、辞書の定義、参照することにより組み込まれた文献における定義、及び/又は、定義された用語の通常の意味に優先されて理解されるべきである。
【0075】
[0081] 本明細書及び特許請求の範囲にて使用される「a」及び「an」の不定冠詞は、特に明記されない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されるべきである。
【0076】
[0082] 本明細書及び特許請求の範囲に用いられるように、1つ以上の要素を含むリストを参照した際の「少なくとも1つ」との表現は、要素のリストにおける任意の1つ以上の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味すると理解すべきであるが、要素のリストに具体的に列挙された各要素の少なくとも1つを必ずしも含むわけではなく、要素のリストにおける要素の任意の組み合わせを排除するものではない。この定義は、「少なくとも1つの」との表現が指す要素のリストの中で具体的に特定された要素以外の要素が、それが具体的に特定された要素に関係していても関連していなくても、任意選択的に存在してもよいことを可能にする。したがって、非限定的な例として、「A及びBの少なくとも1つ」(又は、同等に「A又はBの少なくとも1つ」、又は、同等に「A及び/又はBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、少なくとも1つのA(任意選択的に2つ以上のAを含む)であって、Bがない(任意選択的にB以外の要素を含む)ことを指し、別の実施形態では、少なくとも1つのB(任意選択的に2つ以上のBを含む)であって、Aがない(任意選択的にA以外の要素を含む)ことを指し、さらに別の実施形態では、少なくとも1つのA(任意選択的に2つ以上のAを含む)と、少なくとも1つのB(任意選択的に2つ以上のBを含む)を指す(任意選択的に他の要素を含む)。
【0077】
[0083] さらに、特に明記されない限り、本明細書に記載された2つ以上のステップ又は動作を含むどの方法においても、当該方法のステップ又は動作の順番は、記載された方法のステップ又は動作の順序に必ずしも限定されないことを理解すべきである。
【0078】
[0084] 請求項において、括弧内に登場する任意の参照符号は、便宜上、提供されているに過ぎず、当該請求項をいかようにも限定することを意図していない。
【0079】
[0085] 特許請求の範囲においても上記明細書においても、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「〜から構成される」等といったあらゆる移行句は、非制限的、すなわち、含むがそれに限定されないことを意味すると理解すべきである。米国特許庁特許審査手続便覧の第2111.03項に記載される通り、「〜からなる」及び「本質的に〜からなる」といった移行句のみが、制限又は半制限移行句である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7