(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
眼血管新生に起因する眼科疾患が、未熟児網膜症、糖尿病性網膜症、角膜血管新生症、黄斑変性症、血管新生緑内障、脈絡膜血管新生症、血管新生黄斑症、網膜静脈分岐閉塞症、網膜中心静脈閉塞症又は糖尿病性黄斑症である請求項1又は2に記載の治療剤又は予防剤。
(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド 臭化水素酸塩を有効成分とする加齢黄斑変性症の治療剤又は予防剤。
(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド 臭化水素酸塩を有効成分とする滲出型加齢黄斑変性症の治療剤又は予防剤。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、モルホリン化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分とする眼血管新生に起因する眼科疾患の治療剤又は予防剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者はCCR3アンタゴニスト作用を示す上記式(1)で表されるモルホリン化合物又はその医薬上許容しうる塩が、眼血管新生に起因する眼科疾患の治療剤又は予防剤として作用することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1]一般式(1)
【0010】
【化2】
【0011】
〔式中、
環Aは、置換基を有していてもよいアリール、又は置換基を有していてもよいヘテロアリールを示し、
環Bは、置換基を有していてもよいアリーレン、置換基を有していてもよい2価のヘテロ環基、又は置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキレンを示し、
mは、0から2の整数を示し、
nは、1から5の整数を示し、
Xは、結合、−NH−、−NR
1−(式中、R
1は、置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。)、−CO−、−CO
2−、−OCO−、−CONR
a−(式中、R
aは、水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−NR
aCO−、−NR
2CONR
3−(式中、R
2及びR
3は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。あるいは、R
2とR
3が一緒になってそれらが結合する原子とともに置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。)、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO
2−、−NR
aSO
2−、−SO
2NR
a−、置換基を有していてもよいC
1−6アルキレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルケニレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルキニレン、−O−X
a−(式中X
aは置換基を有していてもよいC
1−6アルキレンを示す。以下同じ。)、−X
a−O−、−CO−X
a−、−X
a−CO−、−CONR
a−X
a−、−X
a−CONR
a−、−NR
aCO−X
a−、−X
a−NR
aCO−、−S−X
a−、−X
a−S−、−SO−X
a−、−X
a−SO−、−NR
a−X
a−、−X
a−NR
a−、−SO
2−X
a−、−X
a−SO
2−、−C(=N−CO
2−R
1)−、−C(=N−SO
2−R
1)−、−C(=N−SO
2NH
2)−、−C(=CH−NO
2)−、−C(=N−CN)−又は置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキリデンを示し、
Yは、結合、−NH−、−NR
4−(式中、R
4は、置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−CO−、−CO
2−、−OCO−、−CONR
b−(式中、R
bは、水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−NR
bCO−、−NR
5CONR
6−(式中、R
5及びR
6は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。あるいは、R
5とR
6が一緒になってそれらが結合する原子とともに置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。)、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO
2−、−NR
bSO
2−、−SO
2NR
b−、置換基を有していてもよいC
1−6アルキレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルケニレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルキニレン、−O−X
b−(式中X
bは置換基を有していてもよいC
1−6アルキレンを示す。以下同じ。)、−X
b−O−、−CO−X
b−、−X
b−CO−、−CONR
b−X
b−、−X
b−CONR
b−、−NR
bCO−X
b−、−X
b−NR
bCO−、−S−X
b−、−X
b−S−、−SO−X
b−、−X
b−SO−、−NR
b−X
b−、−X
b−NR
b−、−SO
2−X
b−、−X
b−SO
2−、−C(=N−CO
2−R
4)−、−C(=N−SO
2−R
4)−、−C(=N−SO
2NH
2)−、−C(=CH−NO
2)−又は−C(=N−CN)−を示し、
Zは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC
1−6アルキル、置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいヘテロ環基、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、置換基を有していてもよいC
1−6アルコキシ、置換基を有していてもよいモノ又はジ−C
1−6アルキルアミノ、置換基を有していてもよいC
1−7アシルアミノ、置換基を有していてもよいスルホニルアミノ、置換基を有していてもよいヒドラジノ、置換基を有していてもよいグアニジノ又は置換基を有していてもよいアミジノを示す。〕
により表されるモルホリン化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分とする眼血管新生に起因する眼科疾患の治療剤又は予防剤。
【0012】
[2]一般式(1)
【0013】
【化3】
【0014】
〔式中、
環Aは、置換基を有していてもよいアリール、又は置換基を有していてもよいヘテロアリールを示し、
環Bは、置換基を有していてもよいアリーレン、置換基を有していてもよい2価のヘテロ環基、又は置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキレンを示し、
mは、0から2の整数を示し、
nは、1から5の整数を示し、
Xは、結合、−NH−、−NR
1−(式中、R
1は、置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。)、−CO−、−CO
2−、−OCO−、−CONR
a−(式中、R
aは、水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−NR
aCO−、−NR
2CONR
3−(式中、R
2及びR
3は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。あるいは、R
2とR
3が一緒になってそれらが結合する原子とともに置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。)、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO
2−、−NR
aSO
2−、−SO
2NR
a−、置換基を有していてもよいC
1−6アルキレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルケニレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルキニレン、−O−X
a−(式中X
aは置換基を有していてもよいC
1−6アルキレンを示す。以下同じ。)、−X
a−O−、−CO−X
a−、−X
a−CO−、−CONR
a−X
a−、−X
a−CONR
a−、−NR
aCO−X
a−、−X
a−NR
aCO−、−S−X
a−、−X
a−S−、−SO−X
a−、−X
a−SO−、−NR
a−X
a−、−X
a−NR
a−、−SO
2−X
a−、−X
a−SO
2−、−C(=N−CO
2−R
1)−、−C(=N−SO
2−R
1)−、−C(=N−SO
2NH
2)−、−C(=CH−NO
2)−、−C(=N−CN)−又は置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキリデンを示し、
Yは、結合、−NH−、−NR
4−(式中、R
4は、置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−CO−、−CO
2−、−OCO−、−CONR
b−(式中、R
bは、水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−NR
bCO−、−NR
5CONR
6−(式中、R
5及びR
6は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。あるいは、R
5とR
6が一緒になってそれらが結合する原子とともに置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。)、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO
2−、−NR
bSO
2−、−SO
2NR
b−、置換基を有していてもよいC
1−6アルキレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルケニレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルキニレン、−O−X
b−(式中X
bは置換基を有していてもよいC
1−6アルキレンを示す。以下同じ。)、−X
b−O−、−CO−X
b−、−X
b−CO−、−CONR
b−X
b−、−X
b−CONR
b−、−NR
bCO−X
b−、−X
b−NR
bCO−、−S−X
b−、−X
b−S−、−SO−X
b−、−X
b−SO−、−NR
b−X
b−、−X
b−NR
b−、−SO
2−X
b−、−X
b−SO
2−、−C(=N−CO
2−R
4)−、−C(=N−SO
2−R
4)−、−C(=N−SO
2NH
2)−、−C(=CH−NO
2)−又は−C(=N−CN)−を示し、
Zは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC
1−6アルキル、置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいヘテロ環基、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、置換基を有していてもよいC
1−6アルコキシ、置換基を有していてもよいモノ又はジ−C
1−6アルキルアミノ、置換基を有していてもよいC
1−7アシルアミノ、置換基を有していてもよいスルホニルアミノ、置換基を有していてもよいヒドラジノ、置換基を有していてもよいグアニジノ又は置換基を有していてもよいアミジノを示す。〕
により表されるモルホリン化合物又はその医薬上許容される塩の有効量を動物に投与することを含む、眼血管新生に起因する眼科疾患の治療方法又は予防方法。
【0015】
[3]眼血管新生に起因する眼科疾患の治療剤又は予防剤を製造するための、一般式(1)
【0016】
【化4】
【0017】
〔式中、
環Aは、置換基を有していてもよいアリール、又は置換基を有していてもよいヘテロアリールを示し、
環Bは、置換基を有していてもよいアリーレン、置換基を有していてもよい2価のヘテロ環基、又は置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキレンを示し、
mは、0から2の整数を示し、
nは、1から5の整数を示し、
Xは、結合、−NH−、−NR
1−(式中、R
1は、置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。)、−CO−、−CO
2−、−OCO−、−CONR
a−(式中、R
aは、水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−NR
aCO−、−NR
2CONR
3−(式中、R
2及びR
3は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。あるいは、R
2とR
3が一緒になってそれらが結合する原子とともに置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。)、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO
2−、−NR
aSO
2−、−SO
2NR
a−、置換基を有していてもよいC
1−6アルキレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルケニレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルキニレン、−O−X
a−(式中X
aは置換基を有していてもよいC
1−6アルキレンを示す。以下同じ。)、−X
a−O−、−CO−X
a−、−X
a−CO−、−CONR
a−X
a−、−X
a−CONR
a−、−NR
aCO−X
a−、−X
a−NR
aCO−、−S−X
a−、−X
a−S−、−SO−X
a−、−X
a−SO−、−NR
a−X
a−、−X
a−NR
a−、−SO
2−X
a−、−X
a−SO
2−、−C(=N−CO
2−R
1)−、−C(=N−SO
2−R
1)−、−C(=N−SO
2NH
2)−、−C(=CH−NO
2)−、−C(=N−CN)−又は置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキリデンを示し、
Yは、結合、−NH−、−NR
4−(式中、R
4は、置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−CO−、−CO
2−、−OCO−、−CONR
b−(式中、R
bは、水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−NR
bCO−、−NR
5CONR
6−(式中、R
5及びR
6は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。あるいは、R
5とR
6が一緒になってそれらが結合する原子とともに置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。)、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO
2−、−NR
bSO
2−、−SO
2NR
b−、置換基を有していてもよいC
1−6アルキレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルケニレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルキニレン、−O−X
b−(式中X
bは置換基を有していてもよいC
1−6アルキレンを示す。以下同じ。)、−X
b−O−、−CO−X
b−、−X
b−CO−、−CONR
b−X
b−、−X
b−CONR
b−、−NR
bCO−X
b−、−X
b−NR
bCO−、−S−X
b−、−X
b−S−、−SO−X
b−、−X
b−SO−、−NR
b−X
b−、−X
b−NR
b−、−SO
2−X
b−、−X
b−SO
2−、−C(=N−CO
2−R
4)−、−C(=N−SO
2−R
4)−、−C(=N−SO
2NH
2)−、−C(=CH−NO
2)−又は−C(=N−CN)−を示し、
Zは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC
1−6アルキル、置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいヘテロ環基、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、置換基を有していてもよいC
1−6アルコキシ、置換基を有していてもよいモノ又はジ−C
1−6アルキルアミノ、置換基を有していてもよいC
1−7アシルアミノ、置換基を有していてもよいスルホニルアミノ、置換基を有していてもよいヒドラジノ、置換基を有していてもよいグアニジノ又は置換基を有していてもよいアミジノを示す。〕
により表されるモルホリン化合物又はその医薬上許容される塩の使用。
【0018】
ここで、好ましい一般式(1)の態様は、環Bが置換基を有していてもよいアリーレン、又は置換基を有していてもよい2価のヘテロ環基であり、
Xが結合、−NH−、−NR
1−(式中、R
1は、置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。)、−CO−、−CO
2−、−OCO−、−CONR
a−(式中、R
aは、水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−NR
aCO−、−NR
2CONR
3−(式中、R
2及びR
3は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。あるいは、R
2とR
3が一緒になってそれらが結合する原子とともに置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。)、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO
2−、−NR
aSO
2−、−SO
2NR
a−、置換基を有していてもよいC
1−6アルキレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルケニレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルキニレン、−O−X
a−(式中X
aは置換基を有していてもよいC
1−6アルキレンを示す。以下同じ。)、−X
a−O−、−CO−X
a−、−X
a−CO−、−CONR
a−X
a−、−X
a−CONR
a−、−NR
aCO−X
a−、−X
a−NR
aCO−、−S−X
a−、−X
a−S−、−SO−X
a−、−X
a−SO−、−NR
a−X
a−、−X
a−NR
a−、−SO
2−X
a−、−X
a−SO
2−、−C(=N−CO
2−R
1)−、−C(=N−SO
2−R
1)−、−C(=N−SO
2NH
2)−、−C(=CH−NO
2)−又は−C(=N−CN)−である。
【0019】
別の好ましい一般式(1)の態様は、mが、0又は2である。
別の好ましい一般式(1)の態様は、mが、0である。
【0020】
別の好ましい一般式(1)の態様は、Xが、結合、−NH−、−NR
1−(式中、R
1は、置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。)、−CO−、−CO
2−、−OCO−、−CONR
a−(式中、R
aは、水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−NR
aCO−、−NR
2CONR
3−(式中、R
2及びR
3は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。)、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO
2−、−NR
aSO
2−、−SO
2NR
a−、置換基を有してもよいC
2−6アルケニレン、−CO−X
a−(式中X
aは置換基を有していてもよいC
1−6アルキレンを示す。以下同じ。)、−X
a−CO−、−CONR
a−X
a−、−X
a−CONR
a−、−NR
aCO−X
a−、−X
a−NR
aCO−又は置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキリデンである。
【0021】
別の好ましい一般式(1)の態様は、Xが、結合、−CO−、−CONR
a−(式中、R
aは、水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−NR
aCO−、−CO−X
a−(式中X
aは置換基を有していてもよいC
1−6アルキレンを示す。以下同じ。)、−X
a−CO−、−CONR
a−X
a−、−X
a−CONR
a−、−NR
aCO−X
a−又は−X
a−NR
aCO−である。
【0022】
別の好ましい一般式(1)の態様は、Yが、結合、−NH−、−NR
4−(式中、R
4は、置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。)、−CO−、−CO
2−、−OCO−、−CONR
b−(式中、R
bは、水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−NR
bCO−、−NR
5CONR
6−(式中、R
5及びR
6は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。)、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO
2−、−NR
bSO
2−、−SO
2NR
b−、−CO−X
b−(式中X
bは置換基を有していてもよいC
1−6アルキレンを示す。以下同じ。)、−X
b−CO−、−CONR
b−X
b−、−X
b−CONR
b−、−NR
bCO−X
b−又は−X
b−NR
bCO−である。
【0023】
別の好ましい一般式(1)の態様は、Yが、結合、−CO−、−CONR
b−(式中、R
bは、水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−NR
bCO−、−CO−X
b−(式中X
bは置換基を有していてもよいC
1−6アルキレンを示す。以下同じ。)、−X
b−CO−、−CONR
b−X
b−、−X
b−CONR
b−、−NR
bCO−X
b−又は−X
b−NR
bCO−である。
【0024】
別の好ましい一般式(1)の態様は、Zが、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC
1−6アルキル、置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいヘテロ環基、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、置換基を有していてもよいC
1−6アルコキシ、置換基を有していてもよいモノ又はジ−C
1−6アルキルアミノ、置換基を有していてもよいC
1−7アシルアミノ、置換基を有していてもよいスルホニルアミノ、置換基を有していてもよいヒドラジノ、置換基を有していてもよいグアニジノ、又は置換基を有していてもよいアミジノである。
【0025】
別の好ましい一般式(1)の態様は、Zが、水素原子、ヒドロキシ、アミノ、置換基を有していても良いC
1−6アルキル、置換基を有していても良いC
1−6アルコキシ、置換基を有していてもよいアリール又は置換基を有していてもよいヘテロ環基である。
【0026】
別の好ましい一般式(1)の態様は、下記一般式(1a)
【0027】
【化5】
【0028】
〔式中、環Cは、置換基を有していてもよいアリール又は置換基を有していてもよいヘテロアリールを示し、その他の各記号は上記一般式(1)と同義である。〕
である。
【0029】
別の好ましい一般式(1)又は一般式(1a)の態様は、環Aが置換基を有していてもよいフェニルである。
【0030】
別の好ましい一般式(1)又は一般式(1a)の態様は、nが、1から3の整数である。
【0031】
別の好ましい一般式(1)又は一般式(1a)の態様は、モルホリンの2位の絶対配置がS配置である。
【0032】
別の好ましい一般式(1)の態様は、
(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−[4−(3−アミノフェニル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−[4−(3−カルバモイル−4−ヒドロキシフェニル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−[4−(ピリジン−4−イル)チアゾール−2−イルチオ]アセトアミド、
(2S)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)チアゾール−2−イルチオ]アセトアミド、
(2S)−(4−カルバモイルチアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−{4−[(2−アミノ−2−オキソエチル)アミノカルボニル]チアゾール−2−イルチオ}−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−[4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)チアゾール−2−イルチオ]アセトアミド、
(2S)−(5−アミノ−8H−インデノ[1,2−d]チアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−(4−カルボキシフェニルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−{4−[(2−アミノ−2−オキソエチル)アミノカルボニル]フェニルチオ}−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−{4−[(2−カルボキシエチル)アミノカルボニル]チアゾール−2−イルチオ}−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−(5−アセトアミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−4−(4−カルバモイルチアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}ブチルアミド、
(2S)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−[4−(1H−テトラゾール−5−イル)チアゾール−2−イルチオ]アセトアミド、
(2S)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−([1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルチオ)アセトアミド、
(2S)−(E)−[4−(2−カルバモイルエテン−1−イル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−[4−(カルバモイルメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−フルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−[4−(カルバモイルメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(4−フルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−(4−カルボキシ−5−メチルチアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−(4−カルバモイル−5−メチルチアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−(4−カルバモイルチアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3−クロロ−4−フルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−[4−(2−アミノ−2−オキソエチル)アミノカルボニルチアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジフルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3−クロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジフルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−(ピリミジン−2−イルチオ)アセトアミド、
(2S)−(3−アセチル−2−オキソ−2H−クロメン−6−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−N−{[4−(3,4−ジフルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イルチオ)アセトアミド、
(2S)−[6−(カルバモイルメチル)ピラジン−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、及び
(2S)−4−(シクロペンタンスルホニル)−N−{[4−(3−クロロ−4−フルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}ブチルアミド、並びにそれらの医薬上許容される塩からなる群から選ばれる。
【0033】
ここで、眼血管新生に起因する眼科疾患の好ましい態様は、角膜、脈絡膜又は網膜での血管新生に起因する眼科疾患である。
眼血管新生に起因する眼科疾患の別の好ましい態様は、未熟児網膜症、糖尿病性網膜症、角膜血管新生症、黄斑変性症、血管新生緑内障、脈絡膜血管新生症、血管新生黄斑症、網膜静脈分岐閉塞症、網膜中心静脈閉塞症又は糖尿病性黄斑症である。
【0034】
眼血管新生に起因する眼科疾患の別の好ましい態様は、加齢黄斑変性症である。
眼血管新生に起因する眼科疾患の別の好ましい態様は、滲出型加齢黄斑変性症である。
【0035】
ここで、より好ましい一般式(1)の態様とより好ましい眼血管新生に起因する眼科疾患の組み合わせは、一般式(1)が(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド 臭化水素酸塩、眼血管新生に起因する眼科疾患が加齢黄斑変性症の組み合わせである。
ここで、特に好ましい一般式(1)の態様と特に好ましい眼血管新生に起因する眼科疾患の組み合わせは、一般式(1)が(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド 臭化水素酸塩、眼血管新生に起因する眼科疾患が滲出型加齢黄斑変性症の組み合わせである。
【発明の効果】
【0036】
本発明化合物は、眼血管新生を抑制することから、眼血管新生に起因する眼科疾患、具体的には未熟児網膜症、糖尿病性網膜症、角膜血管新生症、黄斑変性症、血管新生緑内障、脈絡膜血管新生症、血管新生黄斑症、網膜静脈分岐閉塞症、網膜中心静脈閉塞症又は糖尿病性黄斑症等の治療剤又は予防剤として有用であると考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本明細書において用いる用語及び記号を以下のように定義する。
「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0039】
「置換基を有していてもよいアリール」の「アリール」とは、単環〜3環式のC
6−14アリールを意味し、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、インデニル等が挙げられ、好ましい例としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、より好ましい例としてはフェニルを挙げることができる。
【0040】
また、これら「アリール」は部分的に水素化されていてもよい。水素化される位置は特に限定されない。部分的に水素化されたアリールとしては、例えば、テトラヒドロナフチル、インダニル等が挙げられる。
【0041】
「アリール」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜4個有する。アリールが有していてもよい置換基の好適例としてはハロゲン原子、シアノ、ニトロ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、モノ又はジ−(C
1−11アシル)アミノ、カルボキシ、C
1−6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、ヒドロキシアミジノ等が挙げられ、より好ましい例としては塩素原子、フッ素原子、シアノ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、ヒドロキシ、アミノ、アセチルアミノ、カルボキシ、メトキシカルボニル、カルバモイル、ヒドロキシアミジノが挙げられ、さらに好ましい例としてはフッ素原子、塩素原子、メチル又はトリフルオロメチルが挙げられ、さらにより好ましい例としてはフッ素原子又は塩素原子を挙げることができる。
【0042】
「置換基を有していてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」とは、環原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選択される1〜3種のヘテロ原子を1から4個含有する5〜7員の芳香族複素環(単環式)基を意味し、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、1,3,5−トリアジニル、アゼピニル、ジアゼピニル等が挙げられる。また、「ヘテロアリール」には、環原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選択される1〜3種のヘテロ原子を1から4個含有する5〜7員の芳香族複素環がベンゼン環又は上記芳香族複素環(単環式)基に縮合してなる芳香族複素環(2環式又はそれ以上)から誘導される基も含まれ、例えば、インドリル、イソインドリル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、キノリル、イソキノリル等が挙げられる。
【0043】
また、これら「ヘテロアリール」は部分的に水素化されていてもよい。水素化される位置は特に限定されない。部分的に水素化されたヘテロアリールとしては、例えば、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル等が挙げられる。
【0044】
ヘテロアリールの好ましい例としてはフリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、インドリル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリルが挙げられ、より好ましい例としてはフリル、チエニル、チアゾリル、ピリジルを挙げることができる。
【0045】
「へテロアリール」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜4個含有する。へテロアリールが有していてもよい置換基の好適例としてはハロゲン原子、シアノ、ニトロが挙げられ、より好ましい例としてはハロゲン原子を挙げることができる。
【0046】
「置換基を有していてもよいアリーレン」の「アリーレン」とは、上記「アリール」の任意の位置にさらに結合手を有する2価の基を意味し、例えば、フェニレン、ナフチレン、インデニレン等の2価の基が挙げられる。
【0047】
これら「アリーレン」は部分的に水素化されていてもよい。水素化される位置は特に限定されない。部分的に水素化されたアリーレンとしては、例えば、テトラヒドロナフチレン、インダニレン等が挙げられる。
【0048】
アリーレンの好ましい例としてはフェニレン、ナフチレン、インダニレン等が挙げられ、より好ましい例としてはフェニレン等を挙げることができる。
【0049】
「アリーレン」が置換基を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜3個有する。アリーレンが有していてもよい置換基の好適例としてはC
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ等を挙げることができ、より好ましい例としてはオキソを挙げることができる。
【0050】
環Bにおける「置換基を有していてもよい2価のヘテロ環基」及びZにおける「置換基を有していてもよいヘテロ環基」の「ヘテロ環基」とは、環原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選択される1〜3種のヘテロ原子を1〜4個含有する5〜14員の単環〜3環式のへテロ環基を意味する。「ヘテロ環基」は、飽和環、芳香環(上記定義の「ヘテロアリール」を包含する)、及びその部分的に水素化された環基を包含する。部分的に水素化されたヘテロアリールとしては、例えば、ジヒドロフリル、ジヒドロチエニル、ピロリニル、チアゾリニル、ピラゾリニル、オキサゾリニル、イソキサゾリニル、イソチアゾリニル、イミダゾリニル、1,2,4−オキサジアゾリニル、1,3,4−オキサジアゾリニル、1,2,3−トリアゾリニル、1,2,4−トリアゾリニル、1,2,4−チアジアゾリニル、1,3,4−チアジアゾリニル、ジヒドロピリダジニル、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル等が挙げられる。
【0051】
「飽和へテロ環基」としては、例えば、ピロリジル、ピペリジル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、チアゾリジル、チオモルホリニル、ホモピペラジニル等が挙げられる。また、「ヘテロ環基」は、環原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択されるヘテロ原子を1〜4個含有する「架橋されたヘテロ環基」を包含し、当該架橋環基としては、例えば、3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン−3−イル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル等が挙げられる。
【0052】
「ヘテロ環基」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜4個有する。ヘテロ環基が有していてもよい置換基の好適例としては、C
1−6アルキル、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、カルボキシ、C
1−6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、オキソ等を挙げることができ、メチル、エトキシカルボニル、カルバモイル、オキソがより好ましい。
【0053】
「ヘテロ環基」の好ましい例としては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピロリル、ピロリジル、モルホリニル、チエニル、フリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、キノリジニル、キナゾリル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、1,8−ナフチリジニル、アクリジニル、プリニル、プテリジニル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリニル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,5−トリアジニル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、テトラゾリル、ピペリジル、ピペラジニル、アゼピニル、アゼパニル、ジアゼパニル、ジアゼピニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、インダゾリル、インドリジニル、カルバゾリル、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、クロマニル、イソクロマニル、クロメニル、イソクロメニル、[1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジル、4,5,6,7−テトラヒドロ[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジル、1H−ベンゾ[b]アゼピニル、2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[b]アゼピニル、チエノ[3,2−c]ピリジル、3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン−3−イル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、8H−インデノ[1,2−d]チアゾリル、4,5−ジヒドロ−ナフト[1,2−d]チアゾリル等が挙げられ、より好ましい例としてはピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル、フリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,3,5−トリアジニル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、8H−インデノ[1,2−d]チアゾリル、4,5−ジヒドロ−ナフト[1,2−d]チアゾリルが挙げられ、さらに好ましい例としてはチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、チエニルが挙げられ、さらにより好ましい例としてはチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ピリダジニル、ピラジニルが挙げられる。
【0054】
「置換基を有していてもよい2価のヘテロ環基」とは、上記「ヘテロ環基」の任意の位置に結合手を有する2価の基を意味する。結合手の位置には特に限定はなく、基の種類に応じて適宜選択することができる。「2価のヘテロ環基」の好ましい例としてはピロリル、チエニル、フリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、部分的に水素化されていてもよいピリダジニル、部分的に水素化されていてもよいインデノチアゾリル、部分的に水素化されていてもよいナフトチアゾリル、キナゾリル、クロメニル、部分的に水素化されていてもよいチアゾロピリジル、ベンゾアゼピニル、チエノピリジル、ベンゾチアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル等が挙げられ、より好ましい例としてはチエニル、チアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル等が挙げられ、さらにより好ましい例としてはチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ピリダジニル、ピラジニルが挙げられる。
【0055】
「2価のヘテロ環基」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜3個含有する。2価のヘテロ環基が有していてもよい置換基の好適例としてはC
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン原子、オキソ、チオキソ等を挙げることができ、より好ましい例としてはメチル、オキソが挙げられ、オキソがさらに好ましい。
【0056】
「置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキレン」の「C
3−8シクロアルキレン」とは、炭素数3〜8の単環式〜3環式のシクロアルキレン(「架橋されたシクロアルキレン」を含む)を意味し、例えば、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、シクロオクチレン、ノルボニレン、ビシクロ[2.2.1]へプチレン又はビシクロ[2.2.2]オクチレン等が挙げられ、好ましくは、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレンが挙げられる。
【0057】
「C
3−8シクロアルキレン」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜4個有する。C
3−8シクロアルキレンが有していてもよい置換基の好適例としてはC
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン原子、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ハロアルコキシ等を挙げることができる。
【0058】
「置換基を有していてもよいC
1−6アルキル」の「C
1−6アルキル」とは、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖のアルキルを意味し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第2級ブチル、第3級ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第3級ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソへキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル等が挙げられる。
【0059】
「C
1−6アルキル」の好ましい例としてはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル等が挙げられ、より好ましい例としてはメチル、エチル等を挙げることができる。
【0060】
「C
1−6アルキル」が置換基を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義する「置換基」をその置換可能な位置に1個から4個有していてもよく、置換基の種類及び数には特に限定はない。「C
1−6アルキル」が有していてもよい置換基の好適例としては、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン原子等を挙げることができる。
【0061】
Xで示される、−NR
2CONR
3−(式中、R
2及びR
3は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又はアルキルを示す。あるいは、R
2とR
3が一緒になってそれらが結合する原子とともに環を形成していてもよい。)における「R
2とR
3が一緒になってそれらが結合する原子とともに形成する置換基を有していてもよい環」の「環」としては、上記定義の「へテロ環基」に含まれる「含窒素飽和へテロ環」(例えば、1,3−イミダゾリジン−2−オン、3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンなど)が挙げられる。
【0062】
「環」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜3個含有する。「環」が有していてもよい置換基の好適例としては、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン原子等を挙げることができる。
【0063】
「置換基を有していてもよいC
1−6アルキレン」の「C
1−6アルキレン」とは、炭素数1〜6のアルキレン鎖を意味し、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等が挙げられる。「C
1−6アルキレン」の好ましい例としてはメチレン、エチレン、トリメチレンが挙げられ、より好ましい例としてはメチレン、エチレンが挙げられる。
【0064】
「C
1−6アルキレン」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜3個有する。「C
1−6アルキレン」が有していてもよい置換基の好適例としては、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルバモイル等を挙げることができ、メチル、イソブチル、カルボキシがより好ましい。
【0065】
該「C
1−6アルキレン」が1又は2以上の上記のC
1−6アルキルによって置換された場合、分枝状のアルキレン鎖(例えば、メチルメチレン、ジメチルメチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルエチレン、エチルメチレン、ジエチルメチレン、1−エチルエチレン、2−エチルエチレン、1−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、3−メチルトリメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン、1−エチルトリメチレン、2−エチルトリメチレン、3−エチルトリメチレン等)を示す。
【0066】
「置換基を有していてもよいC
2−6アルケニレン」の「C
2−6アルケニレン」とは、上記「C
1−6アルキレン」の任意の位置に二重結合を有する直鎖又は分枝鎖の炭素数2〜6のアルケニレンである。二重結合の位置及び数は特に限定されない。「C
2−6アルケニレン」としては、ビニレン、1−プロペニレン、2−プロペニレン、1−ブテニレン、2−ブテニレン、3−ブテニレン、1−ペンテニレン等が挙げられ、好ましくは、ビニレン、1−プロペニレン、2−プロペニレンが挙げられる。「C
2−6アルケニレン」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜3個有する。「C
2−6アルケニレン」が有していてもよい置換基の好適例としてはC
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン原子等を挙げることができる。
【0067】
「置換基を有していてもよいC
2−6アルキニレン」の「C
2−6アルキニレン」とは、上記「C
1−6アルキレン」の任意の位置に三重結合を有する直鎖又は分枝鎖の炭素数2〜6のアルキニレンである。三重結合の位置及び数は特に限定されない。「C
2−6アルキニレン」としては、エチニレン、1−プロピニレン、2−プロピニレン、1−ブチニレン、2−ブチニレン、3−ブチニレン、1−ペンチニレン等が挙げられ、好ましくは、エチニレン、1−プロピニレン、2−プロピニレンが挙げられる。「C
2−6アルキニレン」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜3個有する。「C
2−6アルキニレン」が有していてもよい置換基の好適例としてはC
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン原子等を挙げることができる。
【0068】
「置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキリデン」の「C
3−8シクロアルキリデン」とは、炭素数3〜8の単環式〜3環式のシクロアルキリデン(「架橋されたシクロアルキリデン」を含む)を意味し、例えば、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、シクロオクチリデン、ノルボルニリデン、ビシクロ[2.2.1]へプチリデン又はビシクロ[2.2.2]オクチリデン等が挙げられ、好ましくは、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデンが挙げられる。
【0069】
「C
3−8シクロアルキリデン」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜4個有する。C
3−8シクロアルキリデンが有していてもよい置換基の好適例としてはC
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン原子、C
1−6ハロアルキル、C
1−6ハロアルコキシ等を挙げることができる。
【0070】
Yで示される、−NR
5CONR
6−(式中、R
5及びR
6は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又はアルキルを示す。あるいは、R
5とR
6が一緒になってそれらが結合する原子とともに環を形成していてもよい。)における「R
5とR
6が一緒になってそれらが結合する原子とともに形成する置換基を有していてもよい環」の「環」としては、上記定義の「へテロ環基」に含まれる「含窒素飽和へテロ環」(例えば、1,3−イミダゾリジン−2−オン、3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンなど)が挙げられる。
【0071】
「環」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜3個含有する。「環」が有していてもよい置換基の好適例としてはC
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン原子等を挙げることができる。
【0072】
「置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキル」の「C
3−8シクロアルキル」とは、炭素数3〜8の単環式〜3環式のシクロアルキル(「架橋されたシクロアルキル」を含む)を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ノルボルニル、ビシクロ[2.2.1]へプチル又はビシクロ[2.2.2]オクチル等が挙げられ、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。
【0073】
「C
3−8シクロアルキル」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜4個有する。C
3−8シクロアルキルが有していてもよい置換基の好適例としてはC
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン原子等を挙げることができる。
【0074】
「置換基を有していてもよいC
1−6アルコキシ」の「C
1−6アルコキシ」とは、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖のアルコキシを意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、第2級ブトキシ、第3級ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、第3級ペントキシ、1−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、1,2−ジメチルプロポキシ、1−エチルプロポキシ、ヘキシルオキシ、イソへキシルオキシ、1−メチルペントキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、1−エチルブトキシ、1,1,2−トリメチルプロポキシ、1,2,2−トリメチルプロポキシ、1−エチル−2−メチルプロポキシ、1−エチル−1−メチルプロポキシ等が挙げられる。
【0075】
「C
1−6アルコキシ」の好ましい例としてはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ等が挙げられ、より好ましい例としてはメトキシ、エトキシ等を挙げることができる。
【0076】
「C
1−6アルコキシ」が置換基を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義する「置換基」をその置換可能な位置に1個から4個有していてもよく、置換基の種類及び数には特に限定はない。「C
1−6アルコキシ」が有していてもよい置換基の好適例としてはC
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン原子等を挙げることができる。
【0077】
「置換基を有していてもよいモノ又はジ−C
1−6アルキルアミノ」の「モノ又はジ−C
1−6アルキルアミノ」とは、炭素数1〜6個の直鎖状又は分枝鎖状のアルキルでモノ又はジ置換されたアルキルアミノ(ジアルキルアミノにおける総炭素数は2〜12)であって、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、プロピルアミノ、ジプロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジブチルアミノ、イソブチルアミノ、第2級ブチルアミノ、第3級ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ等を示す。
【0078】
「モノ又はジ−C
1−6アルキルアミノ」の好ましい例としてはメチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、プロピルアミノ、ジプロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ等が挙げられ、より好ましい例としてはメチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、プロピルアミノ等を挙げることができる。
【0079】
「モノ又はジ−C
1−6アルキルアミノ」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜4個有する。モノ又はジ−C
1−6アルキルアミノが有していてもよい置換基の好適例としてはC
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン原子等を挙げることができる。
【0080】
「置換基を有していてもよいC
1−7アシルアミノ」の「C
1−7アシルアミノ」とは、アシル部に炭素数1〜7個のアルカノイル(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、ピバロイル等)、炭素数3〜7個のアルケノイル(例えば、アクリロイル、メタクリロイル、クロトノイル等)、炭素数3〜7個のアルキノイル(例えば、プロピオロイル等)、ベンゾイル等を有するアシルアミノであって、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、バレリルアミノ、ピバロイルアミノ、ベンゾイルアミノ等を示す。
【0081】
「C
1−7アシルアミノ」の好ましい例としてはアセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、バレリルアミノ、ピバロイルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられ、より好ましい例としてはアセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノ等を挙げることができる。
【0082】
「C
1−7アシルアミノ」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜4個有する。C
1−7アシルアミノが有していてもよい置換基の好適例としてはC
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン原子等を挙げることができる。
【0083】
「置換基を有していてもよいスルホニルアミノ」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をアミノ基に有する。スルホニルアミノが有していてもよい置換基の好適例としては、アミノ、C
1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール等を挙げることができる。
【0084】
「置換基を有していてもよいヒドラジノ」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜3個有する。ヒドラジノが有していてもよい置換基の好適例としては、C
1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール等を挙げることができる。なお、アリール、ヘテロアリールの例としては前述のとおりである。
【0085】
「置換基を有していてもよいグアニジノ」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜3個有する。グアニジノが有していてもよい置換基の好適例としては、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ等を挙げることができる。
【0086】
「置換基を有していてもよいアミジノ」が「置換基」を有する場合、その種類及び数には特に限定はなく、以下に定義される「置換基」から選択される置換基をその置換可能な位置に1個〜3個有する。アミジノが有していてもよい置換基の好適例としては、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ等を挙げることができる。
【0087】
上記置換基を有していてもよい各基における「置換基」としては、特に限定はなく、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、C
1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第2級ブチル、第3級ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第3級ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソへキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル等炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖のアルキル基)、C
3−8シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ノルボルニル、ビシクロ[2.2.1]へプチル又はビシクロ[2.2.2]オクチル等)、C
3−8シクロアルキルオキシ(例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシ、ノルボルニルオキシ、ビシクロ[2.2.1]へプチルオキシ又はビシクロ[2.2.2]オクチルオキシ等)、C
1−6ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル等の上記ハロゲン原子を少なくとも1個有する上記C
1−6アルキル)、C
1−6アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、第2級ブトキシ、第3級ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、第3級ペントキシ、1−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、1,2−ジメチルプロポキシ、1−エチルプロポキシ、ヘキシルオキシ、イソへキシルオキシ、1−メチルペントキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、1−エチルブトキシ、1,1,2−トリメチルプロポキシ、1,2,2−トリメチルプロポキシ、1−エチル−2−メチルプロポキシ、1−エチル−1−メチルプロポキシ等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ)、C
1−6ハロアルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ等の上記ハロゲン原子を少なくとも1個有する上記C
1−6アルコキシ)、C
6−14アリール(例えば、フェニル、ナフチル、アントリル等)、C
6−14アリールオキシ(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、アントリルオキシ等)、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、モノ又はジ−C
1−6アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジイソプロピルアミノ等)、モノ又はジ(C
3−8シクロアルキル)アミノ(例えば、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロヘプチルアミノ、シクロオクチルアミノ、ノルボルニルアミノ、ビシクロ[2.2.1]へプチルアミノ、ビシクロ[2.2.2]オクチルアミノ、ジシクロプロピルアミノ、ジシクロブチルアミノ、ジシクロペンチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ、ジシクロヘプチルアミノ、ジシクロオクチルアミノ、ジノルボルニルアミノ、ジ(ビシクロ[2.2.1]へプチル)アミノ、ジ(ビシクロ[2.2.2]オクチル)アミノ等)、モノ又はジ−(C
6−14アリール)アミノ(例えば、フェニルアミノ、ナフチルアミノ、アントリルアミノ、ジフェニルアミノ等)、C
1−11アシル[例えば、C
1−7アルカノイル(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル等)、C
3−7アルケノイル(例えば、アクリロイル、メタクリロイル、クロトノイル等)、C
3−7アルキノイル(例えば、プロピオロイル等)、C
7−11アロイル(例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等)等]、モノ又はジ−(C
1−11アシル)アミノ(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等の上記C
1−11アシルを有するアミノ)、モノ又はジ−(C
1−6アルコキシ−カルボニル)アミノ(例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ等)、スルホニルアミノ、アミノ−C
1−6アルキル(例えば、アミノメチル、アミノエチル等)、モノ又はジ−(C
1−6アルキル)アミノ−C
1−6アルキル(例えば、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル等)、C
3−8環状アミノ(例えば、アジリジノ、アゼチジノ、ピロリジノ、ピペリジノ等)、ヒドラジノ、グアニジノ、アミジノ、ヒドロキシアミジノ、C
1−6アルコキシアミジノ(例えば、メトキシアミジノ、エトキシアミジノ等)、アミノメチレンアミノ、イミノ、カルボキシ、C
1−6アルコキシ−カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、第3級ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル等)、カルバモイル、モノ又はジ−(C
1−6アルキル)アミノカルボニル(例えば、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、ブチルアミノカルボニル、第2級ブチルアミノカルボニル、第3級ブチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、エチルメチルアミノカルボニル、ジプロピルアミノカルボニル、メチルプロピルアミノカルボニル、ジイソプロピルアミノカルボニル等)、モノ又はジ−(C
6−14アリール)アミノカルボニル(例えば、フェニルアミノカルボニル、ナフチルアミノカルボニル等)、シアノ、C
7−13アラルキル(例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、1−フェニルブチル、4−フェニルブチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、1−(1−ナフチル)エチル、2−(1−ナフチル)エチル、1−(2−ナフチル)エチル、2−(2−ナフチル)エチル等のC
6−10アリールを有するC
1−3アルキル)、モノ又はジ−(C
7−13アラルキル)アミノカルボニル(例えば、ベンジルアミノカルボニル、2−フェニルエチルアミノカルボニル等)、ヘテロアリール(例えば、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、アゼピニル、ジアゼピニル等)、ヘテロアリール−C
1−3アルキル(例えば、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、1−(2−ピリジル)エチル、1−(3−ピリジル)エチル、1−(4−ピリジル)エチル、2−(2−ピリジル)エチル、2−(3−ピリジル)エチル、2−(4−ピリジル)エチル、3−(2−ピリジル)プロピル等の上記ヘテロアリールを有する上記C
1−3アルキル)、モノ又はジ−(ヘテロアリール−C
1−3アルキル)アミノカルボニル(例えば、2−ピリジルメチルアミノカルボニル、3−ピリジルメチルアミノカルボニル等)、ヒドロキシ、メルカプト、C
1−6アルキルチオ(例えばメチルチオ、エチルチオ等)、C
6−14アリールチオ(例えばフェニルチオ、ナフチルチオ等)、−SO
3H、−SO
2NH
2、スルホンアミド、オキソ又はチオキソ等が挙げられる。
【0088】
一般式(1)において、環Aは、置換基を有していてもよいアリール、又は置換基を有していてもよいヘテロアリールを示し、好ましくは置換基を有していてもよいフェニルである。
【0089】
環Aの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子等、特に塩素原子)、置換基を有していてもよいC
1−6アルキル(例えば、ハロゲン原子で置換されていてもよいC
1−6アルキル、特にメチル、トリフルオロメチル)又は置換基を有していてもよいC
1−6アルコキシ(例えば、ハロゲン原子で置換されていてもよいC
1−6アルコキシ、特にメトキシ)等が好ましい。
【0090】
環Aとして、より好ましくは、1又は2個のフッ素原子又は塩素原子で置換されたフェニル、さらに好ましくは3位及び/又は4位が1又は2個のフッ素原子又は塩素原子で置換されたフェニル、特に好ましくは、3,4−ジクロロフェニル又は3,4−ジフルオロフェニルである。
【0091】
環Bは、置換基を有していてもよいアリーレン、置換基を有していてもよい2価のヘテロ環基、置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキレンを示し、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン、又は置換基を有していてもよいヘテロアリーレンである。環Bの好ましい例としてはフェニレン、チエニレン、ピリジレン、メチルで置換されていてもよいチアゾリレン、1,3,4−チアジアゾリレン、オキソで置換されていてもよく、部分的に水素化されていてもよいピリダジニレン、インデノチアゾリレン、ナフトチアゾリレン、チアゾロピリジレン、ベンゾチアゾリレン、部分的に水素化されていてもよいチアゾロピリジレン、イソオキサゾリレン、ピリミジニレン、オキソで置換されていてもよいクロメニレン、キナゾリニレン、ベンゾアゼピニレン、チエノピリジレン、オキソで置換されていてもよいインダニレン、フリレン、ナフチレン、イミダゾリレン、ピラジニレン、シクロペンチレン、テトラゾリレンであり、さらに好ましくはフェニレン、チエニレン、チアゾリレン、1,3,4−チアジアゾリレン、オキソで置換されていてもよく、部分的に水素化されていてもよいピリダジニレンである。さらにより好ましい態様としてはチアゾリレンを挙げることができる。さらにより好ましい別の態様としては1,3,4−チアジアゾリレンを挙げることができる。さらにより好ましい別の態様としてはオキソで置換されていてもよく、部分的に水素化されていてもよいピリダジニレンを挙げることができる。また、環Bの置換基としては、C
1−6アルキル又はオキソ等が好ましく、メチルがより好ましい。
【0092】
mは、0から2の整数を示し、好ましくは0又は2であり、さらに好ましくは0である。
【0093】
nは、1から5の整数を示し、好ましくは1から3であり、より好ましくは1である。
【0094】
Xは、結合、−NH−、−NR
1−(式中、R
1は、置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−CO−、−CO
2−、−OCO−、−CONR
a−(式中、R
aは、水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−NR
aCO−、−NR
2CONR
3−(式中、R
2及びR
3は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。あるいは、R
2とR
3が一緒になってそれらが結合する原子とともに置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。以下同じ。)、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO
2−、−NR
aSO
2−、−SO
2NR
a−、置換基を有していてもよいC
1−6アルキレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルケニレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルキニレン、−O−X
a−(式中X
aは置換基を有していてもよいC
1−6アルキレンを示す。以下同じ。)、−X
a−O−、−CO−X
a−、−X
a−CO−、−CONR
a−X
a−、−X
a−CONR
a−、−NR
aCO−X
a−、−X
a−NR
aCO−、−S−X
a−、−X
a−S−、−SO−X
a−、−X
a−SO−、−NR
a−X
a−、−X
a−NR
a−、−SO
2−X
a−、−X
a−SO
2−、−C(=N−CO
2−R
1)−、−C(=N−SO
2−R
1)−、−C(=N−SO
2NH
2)−、−C(=CH−NO
2)−、−C(=N−CN)−、あるいは置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキリデンを示し;
好ましくは結合、−NH−、−NR
1−、−CO−、−CO
2−、−OCO−、−CONR
a−、−NR
aCO−、−NR
2CONR
3−、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO
2−、−NR
aSO
2−、−SO
2NR
a−、置換基を有してもよいC
2−6アルケニレン、−CO−X
a−、−X
a−CO−、−CONR
a−X
a−、−X
a−CONR
a−、−NR
aCO−X
a−、−X
a−NR
aCO−又は置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキリデンであり;
より好ましくは結合、−CO−、−CONR
a−、−NR
aCO−、−CO−X
a−、−X
a−CO−、−CONR
a−X
a−、−X
a−CONR
a−、−NR
aCO−X
a−又は−X
a−NR
aCO−である。
【0095】
さらにより好ましくは結合、−CO−、−CO−X
a−、−X
a−CO−、−NR
aCO−X
a−又は−X
a−NR
aCO−であり、さらにより好ましくは結合、−CO−、−CO−X
a−であり、さらにより好ましくは−CO−X
a−又は−X
a−CO−である。
【0096】
R
1は、置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示し、好ましくはC
1−3アルキルであり;R
2及びR
3は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示し、好ましくは水素原子又はC
1−3アルキルであり;R
aは、水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示し、好ましくは水素原子又はC
1−3アルキルであり;X
aは、置換基を有していてもよいC
1−6アルキレンを示し、好ましくはC
1−3アルキレンである。
【0097】
Yは、結合、−NH−、−NR
4−(式中、R
4は、置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−CO−、−CO
2−、−OCO−、−CONR
b−(式中、R
bは、水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。以下同じ。)、−NR
bCO−、−NR
5CONR
6−(式中、R
5及びR
6は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示す。あるいは、R
5とR
6が一緒になってそれらが結合する原子とともに置換基を有していてもよい環を形成していてもよい。以下同じ。)、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO
2−、−NR
bSO
2−、−SO
2NR
b−、置換基を有していてもよいC
1−6アルキレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルケニレン、置換基を有していてもよいC
2−6アルキニレン、−O−X
b−(式中X
bは置換基を有していてもよいC
1−6アルキレンを示す。以下同じ。)、−X
b−O−、−CO−X
b−、−X
b−CO−、−CONR
b−X
b−、−X
b−CONR
b−、−NR
bCO−X
b−、−X
b−NR
bCO−、−S−X
b−、−X
b−S−、−SO−X
b−、−X
b−SO−、−NR
b−X
b−、−X
b−NR
b−、−SO
2−X
b−、−X
b−SO
2−、−C(=N−CO
2−R
4)−、−C(=N−SO
2−R
4)−、−C(=N−SO
2NH
2)−、−C(=CH−NO
2)−あるいは−C(=N−CN)−を示し;
好ましくは結合、−NH−、−NR
4−、−CO−、−CO
2−、−OCO−、−CONR
b−、−NR
bCO−、−NR
5CONR
6−、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO
2−、−NR
bSO
2−、−SO
2NR
b−、−CO−X
b−、−X
b−CO−、−CONR
b−X
b−、−X
b−CONR
b−、−NR
bCO−X
b−又は−X
b−NR
bCO−であり;
より好ましくは、結合、−CO−、−CONR
b−、−NR
bCO−、−CO−X
b−、−X
b−CO−、−CONR
b−X
b−、−X
b−CONR
b−、−NR
bCO−X
b−又は−X
b−NR
bCO−である。
【0098】
さらにより好ましくは結合、−CO−、−CO−X
b−、−X
b−CO−、−NR
bCO−X
b−又は−X
b−NR
bCO−であり、さらにより好ましくは結合、−CO−、−CO−X
b−又は−X
b−CO−であり、さらにより好ましくは結合、−CO−X
b−又は−X
b−CO−であり、さらにより好ましくは結合である。
【0099】
R
4は、置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示し、好ましくはC
1−3アルキルであり;R
5及びR
6は、同一又は異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示し、好ましくは水素原子又はC
1−3アルキルであり;R
bは、水素原子又は置換基を有していてもよいC
1−6アルキルを示し、好ましくは水素原子又はC
1−3アルキルであり;X
bは、置換基を有していてもよいC
1−6アルキレンを示し、好ましくはC
1−3アルキレンである。
【0100】
Zは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC
1−6アルキル、置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいヘテロ環基、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、置換基を有していてもよいC
1−6アルコキシ、置換基を有していてもよいモノ又はジ−C
1−6アルキルアミノ、置換基を有していてもよいC
1−7アシルアミノ、置換基を有していてもよいスルホニルアミノ、置換基を有していてもよいヒドラジノ、置換基を有していてもよいグアニジノ、あるいは置換基を有していてもよいアミジノを示し;
好ましくは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいC
1−6アルキル、置換基を有していてもよいC
3−8シクロアルキル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよいヘテロ環基、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、置換基を有していてもよいC
1−6アルコキシ、置換基を有していてもよいモノ又はジ−C
1−6アルキルアミノ、置換基を有していてもよいC
1−7アシルアミノ、置換基を有していてもよいスルホニルアミノ、置換基を有していてもよいヒドラジノ、置換基を有していてもよいグアニジノ、あるいは置換基を有していてもよいアミジノであり;
より好ましくは水素原子、ヒドロキシ、アミノ、置換基を有していてもよいC
1−6アルキル、置換基を有していても良いC
1−6アルコキシ、置換基を有していてもよいアリール又は置換基を有していてもよいヘテロ環基である。
【0101】
さらにより好ましくは水素原子、ヒドロキシ又はアミノであり、さらにより好ましくはヒドロキシ又はアミノである。さらにより好ましい態様としてはヒドロキシを挙げることができる。さらにより好ましい別の態様としてはアミノを挙げることができる。
【0102】
Z−Y−X−で表される基の好適な例としては水素原子、カルボキシル、カルボキシメチル、アミノ、カルバモイル、カルバモイルメチル、(2−アミノ−2−オキソエチル)アミノカルボニル等が挙げられる。
また、一般式(1)により表される化合物としては、一般式(1a)
【0104】
〔式中、環Cは、置換基を有していてもよいアリール又は置換基を有していてもよいヘテロアリールを示し、その他の各記号は前記と同義である。〕
により表される化合物も好ましい。
【0105】
一般式(1a)において、環Cは、好ましくはフェニル、ピリジル、部分的に水素化されていてもよい1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル等である。
【0106】
また、環Cの置換基としては、C
1−6アルキル、C
1−6アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、カルボキシ、C
1−6アルコキシ−カルボニル、カルバモイル、オキソ等が好ましく、メトキシ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、メチル、カルバモイル、オキソがより好ましい。
【0107】
一般式(1)で表される化合物又はその医薬上許容される塩のより好ましい具体例としては、
(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド臭化水素酸塩、
(2S)−[4−(3−アミノフェニル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−[4−(3−カルバモイル−4−ヒドロキシフェニル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−[4−(ピリジン−4−イル)チアゾール−2−イルチオ]アセトアミド、
(2S)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)チアゾール−2−イルチオ]アセトアミド、
(2S)−(4−カルバモイルチアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−{4−[(2−アミノ−2−オキソエチル)アミノカルボニル]チアゾール−2−イルチオ}−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−[4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)チアゾール−2−イルチオ]アセトアミド塩酸塩、
(2S)−(5−アミノ−8H−インデノ[1,2−d]チアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−(4−カルボキシフェニルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−{4−[(2−アミノ−2−オキソエチル)アミノカルボニル]フェニルチオ}−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−{4−[(2−カルボキシエチル)アミノカルボニル]チアゾール−2−イルチオ}−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド塩酸塩、
(2S)−(5−アセトアミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−4−(4−カルバモイルチアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}ブチルアミド塩酸塩、
(2S)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−[4−(1H−テトラゾール−5−イル)チアゾール−2−イルチオ]アセトアミド、
(2S)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−([1,3]チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イルチオ)アセトアミド、
(2S)−(E)−[4−(2−カルバモイルエテン−1−イル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−[4−(カルバモイルメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−フルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−[4−(カルバモイルメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(4−フルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−(4−カルボキシ−5−メチルチアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−(4−カルバモイル−5−メチルチアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−(4−カルバモイルチアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3−クロロ−4−フルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−[4−(2−アミノ−2−オキソエチル)アミノカルボニルチアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジフルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3−クロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジフルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−(ピリミジン−2−イルチオ)アセトアミド、
(2S)−(3−アセチル−2−オキソ−2H−クロメン−6−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−N−{[4−(3,4−ジフルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イルチオ)アセトアミド、
(2S)−[6−(カルバモイルメチル)ピラジン−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、および
(2S)−4−(シクロペンタンスルホニル)−N−{[4−(3−クロロ−4−フルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}ブチルアミドが挙げられる。
【0108】
さらに好ましい化合物としては(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド臭化水素酸塩、
(2S)−[4−(2−カルボキシプロパン−2−イル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、
(2S)−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)−N−{[4−(3,4−ジフルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド、及び
(2S)−N−{[4−(3,4−ジフルオロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イルチオ)アセトアミド
を挙げることができ、より好ましい化合物として(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド臭化水素酸塩を挙げることができる。
【0109】
一般式(1)の化合物及びその医薬上許容される塩は、水和物あるいは溶媒和物(例えば、エタノール和物等)の形で存在することもあるので、これらの水和物、溶媒和物もまた本発明に包含される。また一般式(1)の化合物は不斉原子を有するので少なくとも2種類の光学異性体が存在する。これらの光学異性体及びそのラセミ体は本発明に包含される。
【0110】
一般式(1)の化合物及びその医薬上許容される塩は、有機合成の当業者に公知の方法、並びにWO2006/028284、及びWO2008/007691(これら文献は本願明細書中に参考として援用される。)に記載の方法に準じた方法等によって合成することができる。
【0111】
一般式(1)の化合物の医薬上許容される塩としては、無機酸又は有機酸との酸付加塩或いは無機塩基又は有機塩基との塩基付加塩が挙げられ、一般式(1)の化合物を常法により、又はWO2008/007691に記載の方法に準じて、無機酸、有機酸、無機塩基又は有機塩基と処理することにより塩とすることができる。また、一般式(1)の化合物の水和物、溶媒和物も本発明に包含され、周知の方法で製造することができる。
一般式(1)の化合物の医薬上許容される塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、カリウム塩等が挙げられ、好ましい例として、臭化水素酸塩が挙げられる。
【0112】
このようにして得られる本発明化合物又はその医薬上許容される塩は再結晶、カラムクロマトグラフィー等の常法により単離精製することができる。得られる生成物がラセミ体であるときは、例えば光学活性な酸との塩の分別再結晶により、若しくは光学活性な担体を充填したカラムを通すことにより、所望の光学活性体に分割することができる。個々のジアステレオマーは分別結晶、カラムクロマトグラフィー等の手段によって分離することができる。これらは光学活性な原料化合物等を用いることによっても得られる。また、立体異性体は再結晶、カラムクロマトグラフィー等により単離することができる。
【0113】
本発明の有効成分であるモルホリン化合物又はその医薬上許容される塩は本発明化合物を製薬上許容しうる担体(例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤等)と混合して得られる医薬組成物あるいは製剤(例えば、錠剤、液剤等)の形態で経口的又は非経口的に投与することができる。医薬組成物は通常の方法に従って製剤化することができる。経口投与に適した剤型としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等が挙げられる。非経口投与に適した剤型としては、例えば、注射剤、点眼剤、眼軟膏、貼布剤、ゲル、挿入剤等が挙げられる。また、本発明の有効成分はこれらの製剤の他に眼内インプラント用製剤やマイクロスフェアー等のDDS(ドラッグデリバリーシステム)化された製剤にすることもできる。投与形態としては、経口投与、眼への局所投与(点眼投与、結膜嚢内投与、硝子体内投与、結膜下投与、テノン嚢下投与等)、静脈内投与、経皮投与等が挙げられるが、経口投与が特に好ましい。
【0114】
投与量は、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物の組合せ、患者のその時に治療を行っている病状の程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められる。本発明化合物の1日の投与量は、患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路等によって異なるが、例えば、経口的には0.01〜1000mg/kg体重/日であり、一日1〜数回に分けて投与され、また非経口的には約0.001〜100mg/kg体重/日を一日1〜数回に分けて投与するのが好ましい。
【0115】
本発明において、眼血管新生に起因する眼科疾患とは、好ましくは角膜、脈絡膜又は網膜での血管新生に起因する眼科疾患である。眼血管新生に起因する眼科疾患としては、例えば、未熟児網膜症、糖尿病性網膜症、角膜血管新生症、黄斑変性症、血管新生緑内障、脈絡膜血管新生症、血管新生黄斑症、網膜静脈分岐閉塞症、網膜中心静脈閉塞症及び糖尿病性黄斑症などを挙げることができる。また、黄斑変性症の好ましい例としては、加齢黄斑変性症を挙げることができ、より好ましい例として、滲出型加齢黄斑変性症を挙げることができる。さらに、本発明において、加齢黄斑変性症には中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症が含まれる。
【0116】
また、別の好ましい態様としては角膜、脈絡膜又は網膜での血管新生を伴う眼科疾患を挙げることができ、角膜、脈絡膜又は網膜での血管新生を伴っている上記の各疾患をより好ましい例として挙げることができる。
【0117】
本発明において治療とは既に疾患を発症している個体(例えば、ヒトを含む哺乳類)に対し、疾患の治癒、疾患の軽減、又は疾患の悪化防止、若しくは発作防止等を目的として本発明化合物を投与することを意味し、予防とは疾患を発症していない健常な個体(例えば、ヒトを含む哺乳類)に対し、疾患の発症を防止することを目的として本発明化合物を投与することを意味する。
【実施例】
【0118】
以下、本発明を合成例、及び実験例により詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0119】
合成例1:(2S)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}クロロアセトアミドの合成
20.76kgの2−{[(2R)−4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}−1H−イソインドール−1,3−(2H)−ジオンを158.4kgのエタノールに溶解させ、4.82kgのヒドラジンを6分間かけて滴下し、(2S)−2−アミノメチル−4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリンが得られた。この(2S)−2−アミノメチル−4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリンに108kgのトルエンを加えた後、全量60Lになるまで濃縮し、そこに246.2kgのエタノールを加えた。ここに、4.62kgのシュウ酸を32.8kgのエタノールに溶解させた溶液を1時間8分かけて滴下し、15.14kgの(2S)−2−アミノメチル−4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン・シュウ酸塩を得た。
【0120】
14.70kgの(2S)−2−アミノメチル−4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン・シュウ酸塩を38.0kgのt−ブチルメチルエーテルと36.8kgの水に溶解した。これに19.96kgの8N水酸化カリウム水溶液を20分間かけて滴下した。反応混合液が有機層と水層に分離した後、水層を廃棄した。残った有機層に44.2kgの水、さらに4.40kgの炭酸水素ナトリウムを加え、5.46kgのクロロアセチルクロライドを22分間かけて滴下し、(2S)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}クロロアセトアミドのt−ブチルメチルエーテル溶液として得た。
【0121】
合成例2:(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド 臭化水素酸塩の合成
8.18kgの4−エトキシカルボニルメチル−2−メルカプトチアゾールを22.80kgのt−ブタノールと25.72kgの水の混合溶媒に溶解し、13.2kgの8N水酸化ナトリウムを15分間かけて滴下し、その後1時間撹拌した。ここに上記合成例1で得られた(2S)−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}クロロアセトアミドのt−ブチルメチルエーテル溶液の全量を加え、(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミドが得られた。この(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミドに68.4kgのt−ブタノールを加えた後、全量44Lになるまで濃縮し、これに81.0kgのアセトニトリルを加えた。ここに6.8kgの臭化水素酸を33分間かけて滴下し撹拌後、7.35kgのt−ブタノールを5分かけて添加したところ、添加後15分で(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド 臭化水素酸塩の結晶の析出が始まり、最終的に17.16kgの結晶が回収された。
【0122】
実験例1:血管新生に関する治療効果
レーザー照射によって実験的に脈絡膜血管新生(以下「CNV」という)を誘導するマウスモデル(CNVモデル)を用いて、CNVの面積に対する有効性を評価した。CNVモデルはレーザー照射による炎症の惹起でマクロファージが遊走される。その結果としてVEGFが産生され、新生血管が発生することから、CNVモデルはVEGFを介する眼血管新生を伴う疾患に対する有効性を示す実験モデルである。
(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド 臭化水素酸塩を被験化合物として以下の実験を行った。
【0123】
(方法)
雄性のC57BL/6Jマウス(7週齢)の片眼にレーザーを照射(6スポット照射)して実験的にCNVを誘導した。マウスは塩酸ケタミン/塩酸キシラジン(1:1、v/v)混合溶液を大腿筋肉内に投与(1mL/kg)し、全身麻酔を施した後、散瞳点眼剤で散瞳させ、網膜の太い毛細血管を避けて6箇所にレーザー照射(波長532 nm、スポットサイズ50 μm、照射時間0.1秒、レーザー出力120 mW)を行った。コントロール抗体および抗マウスVEGF抗体(R&D Systems社より購入)は、レーザー照射直後に1回だけ硝子体内に(2μL/眼)投与した。被験化合物は直近の体重をもとに、調製した被験液を0.1 mL/10 g(媒体:0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース)となるように、ゾンデを用いて経口投与した。なお、被験液はレーザー照射後に試験動物の麻酔が十分に覚めた事を確認して、レーザー誘発日のみ1日1回経口投与し、レーザー照射の翌日から最終日の前日までは、1日2回反復経口投与した。例数は14匹/群とし、表1に記載の通り、1群あたり10例以上の例数を確保した。
【0124】
【表1】
【0125】
レーザー照射7日後に塩酸ケタミン/塩酸キシラジン(1:1、v/v)混合溶液を大腿筋肉内投与(1mL/kg)による全身麻酔下で、4% FITC−dextran溶液を0.5mL/匹となるように尾静脈より投与した。さらに、安楽死後に眼球を摘出し、4%パラホルムアルデヒド・りん酸緩衝液で固定した後、常法に従ってフラットマウント標本を作製した。共焦点顕微鏡(OLYMPUS FV−1000D;倍率:×20,画素数:512 pixel×512 pixel)を用いて、フラットマウント標本中のCNV部位の写真を撮影し、画像解析ソフトウエア(NIH ImageJ)を用いて測定した。面積はpixelで表記した。各群の統計学的手法は、それぞれの個体値を用いて、第1群と第2群間,および第3群と第4群間についてt検定を行い、有意水準を両側p<0.05とした。
【0126】
(結果)
レーザー照射7日後のCNV面積を
図1に示す。抗マウスVEGF抗体の硝子体内投与群では、コントロール抗体の硝子体内投与群と比較して、有意なCNV抑制作用が認められた。また、被験化合物の経口投与群では、媒体のみの経口投与群と比較して、有意なCNV抑制作用が認められた。これらの結果から、レーザー照射により実験的に誘導したCNVには、抗マウスVEGF抗体が有意に抑制したことから、VEGFが関与していることが示された。また、本モデルのCNVに反復経口投与で被験化合物が有意な抑制作用を示したことから、被験化合物に代表されるモルホリン化合物がCNVを阻害することを示している。
【0127】
実験例2:ヒト血管内皮細胞の遊走阻害作用
(2S)−[4−(カルボキシメチル)チアゾール−2−イルチオ]−N−{[4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アセトアミド 臭化水素酸塩を被験化合物として、ヒトCCR3のリガンド(例えば、ヒトCCL11、ヒトCCL24およびヒトCCL26など)によって誘発されるヒト血管内皮細胞の遊走に対する阻害作用を評価する。
血管新生が起こる過程において血管内皮細胞の遊走が起こると考えられており、血管内皮細胞の遊走を阻害する化合物は血管新生に起因する疾患、例えば眼血管新生に起因する眼科疾患の治療剤として有用であると考えられる。