(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382829
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】タービン機械の中間ケーシング用のモノブロックブレードプリフォーム及びモジュール
(51)【国際特許分類】
F02C 7/00 20060101AFI20180820BHJP
B29C 70/10 20060101ALI20180820BHJP
B29C 70/24 20060101ALI20180820BHJP
C08J 5/04 20060101ALI20180820BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20180820BHJP
B29K 105/08 20060101ALN20180820BHJP
B29L 31/08 20060101ALN20180820BHJP
【FI】
F02C7/00 C
F02C7/00 E
B29C70/10
B29C70/24
C08J5/04CFC
F01D25/00 X
B29K105:08
B29L31:08
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-542332(P2015-542332)
(86)(22)【出願日】2013年11月12日
(65)【公表番号】特表2016-505747(P2016-505747A)
(43)【公表日】2016年2月25日
(86)【国際出願番号】FR2013052713
(87)【国際公開番号】WO2014076407
(87)【国際公開日】20140522
【審査請求日】2016年11月8日
(31)【優先権主張番号】61/725,622
(32)【優先日】2012年11月13日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】315008740
【氏名又は名称】サフラン エアークラフト エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】マチュー ジマ
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク マリー クリスチャン クペ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン マルシャル
(72)【発明者】
【氏名】ティエリー ジョルジュ ポール パパン
【審査官】
倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/146288(WO,A1)
【文献】
特開平11−350904(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/175867(WO,A1)
【文献】
国際公開第91/015357(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/00
B29C 70/10、70/24
C08J 5/04
F01D 9/00−9/04、25/00
B29K 105/08
B29L 31/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの同心通路を画定する外側ケーシング及び内側ケーシングを共に接続するタービンエンジンの中間ケーシングの羽根モジュール用の繊維プリフォームであって、該繊維プリフォームは、三次元製織によって得られ、前記繊維プリフォームは、
対向する第1の端部及び第2の端部を有し、第1の羽根(21)を形成するのに適した、第1の縦方向部分(41)と、
対向する第1の端部及び第2の端部を有し、第2の羽根(21)を形成するのに適した、第2の縦方向部分(42)と、
前記第1の縦方向部分(41)及び第2の縦方向部分(42)がこれらの第1の端部によってともに接続され、フランジ又はプラットフォームなどの第1の横方向羽根部(26)を形成するのに適した、第1の横方向部分(46)とを備える、繊維プリフォームにおいて、
前記繊維プリフォームは、
第1のシート(340a)及び第2のシート(340b)であって、前記第1のシート(340a)及び前記第2のシート(340b)は、ともに織り込まれ、かつ、前記第1のシート(340a)及び前記第2のシート(340b)は、
前記第1のシート(340a)が、第1の横方向部分(347)及び第1の縦方向部分(341)を形成し、前記第2のシート(340b)が、第2の縦方向部分(342)を形成する、非連結域(D)と、
横方向羽根部(326a)を形成するのに適したさらなる横方向部分(346)を形成する連結域(L)とを備える、前記第1のシート及び前記第2のシートを備えることを特徴とする、繊維プリフォーム。
【請求項2】
第1の縦方向部分(141)の第2の端部から横方向に延び、第2の横方向羽根部(127)を形成するのに適した、第2の横方向部分(146)と、
第2の縦方向部分(142)の第2の端部から横方向に延び、第3の横方向羽根部(127)を形成するのに適した、第3の横方向部分(148)と、を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載のプリフォーム。
【請求項3】
前記第2の横方向部分(146)が、前記第2の縦方向部分(142)から離れて延びるのに適し、前記第3の横方向部分(148)が、前記第1の縦方向部分(141)から離れて延びるのに適していることを特徴とする、請求項2に記載のプリフォーム。
【請求項4】
第2の横方向部分(246)が、第2の縦方向部分(242)の方へ延びるのに適し、第3の横方向部分(248)が、第1の縦方向部分(241)から離れて延びるのに適していることを特徴とする、請求項2に記載のプリフォーム。
【請求項5】
第2の横方向部分(246´)が、第2の縦方向部分(242´)の方へ延びるのに適し、第3の横方向部分(248´)が、第1の縦方向部分(241´)の方へ延びるのに適していることを特徴とする、請求項2に記載のプリフォーム。
【請求項6】
前記第2の横方向部分(246)及び第3の横方向部分(248)が、少なくとも一部において重なることを特徴とする、請求項4又は5に記載のプリフォーム。
【請求項7】
2つの同心通路を画定する外側ケーシング及び内側ケーシングを共に接続するタービンエンジンの中間ケーシングを製造するためのモジュールであり、該モジュール(20)が、2つの縦方向羽根(21)と、フランジ又はプラットフォームなどの横方向羽根部(26)と、を有し、これらの羽根の端部のうちの1つにおいて前記2つの羽根(21)を相互接続する、前記モジュールにおいて、
前記モジュール(20)が、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載の繊維プリフォーム(40)から、複合材料によって製造された単一部品であり、前記プリフォーム(40)が型内で成形され、マトリックス中に埋め込まれることを特徴とする、前記モジュール。
【請求項8】
タービンエンジンの中間ケーシングであって、該中間ケーシングに、内側ハブ(11)と外側シュラウド(12)との間に角度をなして配置された、請求項7に記載の複数のモジュール(20)が含まれることを特徴とする、前記中間ケーシング。
【請求項9】
請求項8に記載の中間ケーシング(10)を含むことを特徴とする、タービンエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービンエンジンの中間ケーシング用の、複合材料からなる羽根モジュールの繊維プリフォームに関し、また、このプリフォームによって得られる、一体型羽根モジュール、中間ケーシング及びタービンエンジンにも関する。
【0002】
かかるプリフォームは、フランジ又は空力プラットフォームなどの横方向羽根部とともに複数の羽根をそれぞれ組み込んだ一体型羽根モジュールを製造するのに用いることができる。かかるモジュールは、高い剛性を有し、例えば、航空機のターボジェットの中間ケーシングに組み込むのに適している。
【背景技術】
【0003】
従来のバイパスターボジェットは、空気流を送達するファンを有し、空気流は、圧縮機、燃焼室、そしてタービンエンジンのタービンを対象とする一次流と、さらに、推力の主な部分を送達する、二次流又はバイパス流の両方に分割される。
【0004】
二次流は、ジェットの外側ケーシングと、タービンエンジンの加熱部分を含有する内側ケーシングとの間に設けられた二次流路内を流れる。これらの2つのケーシングは、ともに接続され、内側ハブと、外側シュラウドと、複数の構成アーム(structural arm)であって、半径方向に延び、内側ハブと外側シュラウドを接続する構成アームとからなる中間ケーシングによって、適所に保持される。タービンエンジンの全体的な動特性から生じる負荷を支持するこれらの構造機能に加えて、一部の構成アームは、中空であり、このため、流体管、電気ケーブル、又は、機械力を伝達する実際の部材などを通るサービスが可能となる。
【0005】
さらに、かかるタービンエンジンには、ファンからの二次流を整理する目的で、一般に後置静翼(OGV)と称する複数の固定羽根からなるガイドノズルが含まれる。
【0006】
ターボジェットの重量、さらに、ターボジェットを構成する部品の数を低減するために、案内羽根に代えた、一部の構成アームにノズル機能を組み込んだ中間ケーシングが提案されている。しかしながら、かかる羽根は、これらの空力機能だけでなく、これらが通常設計されていない構造機能も提供できる必要がある。
【0007】
かかる羽根の機械的強度を強化するために、ある特許文献では、内側及び外側プラットフォームに接線方向にボルトで固定された2つの羽根からなる箱の形態をしたモジュールを設計することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この解決策によって達成される進歩が既に重要であっても、かかるモジュールの全体的な剛性は、ボルトの接線方向接合部によって制限される。さらに、かかる解決策は、多くの数の部品、特に留め具を伴い、重量及びメンテナンス時間の点から、更なる節約を達成するために、その数を低減することが望ましい。
【0008】
したがって、上述した先行技術のシステムに対する固有の欠点を回避する、繊維プリフォーム、羽根モジュール、中間ケーシング及びタービンエンジンの現実的な必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】仏国特許出願第2956876号
【発明の概要】
【0010】
本発明は、タービンエンジンの中間ケーシングの羽根モジュール用の繊維プリフォームであって、三次元(3D)製織によって得られるプリフォームを提供する。このプリフォームは、第1の縦方向部分であって、対向する第1及び第2の端部を有し、第1の羽根を形成するのに適した、第1の縦方向部分と、第2の縦方向部分であって、対向する第1及び第2の端部を有し、第2の羽根を形成するのに適した、第2の縦方向部分と、第1の横方向部分であって、第1の縦方向部分及び第2の縦方向部分がこれらの第1の端部によってともに接続され、フランジ又はプラットフォームなどの第1の横方向羽根部を形成するのに適した、第1の横方向部分と、を備える。
【0011】
本明細書において、「縦方向」、「横方向」、「下部」、「上部」という用語とこれらの派生語は、モジュールを構成する羽根の主方向に対して定義され、「軸線方向」、「半径方向」、「接線方向」、「内側」、「外側」という用語とこれらの派生語は、中間ケーシング及びターボエンジンの主軸線に対して定義される。
【0012】
「横方向羽根部」という用語は、羽根に対して実質的に横方向に延びるモジュールの部分を意味するように本明細書に用いられ、具体的には、孔又は留め具タブを用いてモジュールを固定することができるように、中間ケーシングの内側ハブに対して留め具フランジを備えていてもよく、また、第2の通路に、滑らかで二次流を妨害しない壁を設けることができるように、空力プラットフォームも構成していてもよい。他の横方向羽根部も想定可能である。
【0013】
かかるプリフォームを用いて、一方の端部においてともに接続された少なくとも2つの羽根からなる一体型モジュールを設計することが可能であり、かかる一体型構造によって、機械的負荷をより効果的に1対の羽根上に分散させることができる。これによって、モジュールの全体的な剛性が増加し、このため、それほど重くない部品の使用が可能になり、操作の大幅な節約が達成される。金属又はセラミック製の同様の部品と比較して、複合材料の使用によっても、大幅な軽量化が達成される。
【0014】
さらに、この一体型設計により、設計され組み立てられるのに必要な部品の数が大幅に低減され、特に、留め具の点から、したがって、これに関連する重量及びコストの点から節約される。
【0015】
当然、分解操作がそれほど多くないので、かかる一体型モジュールのメンテナンスも容易になり、特に、留め具がそれほど多くなく、留め具により接近しやすいので、翼の下で直接動作することが可能である。
【0016】
特定の実施形態において、プリフォームは、第2の横方向部分であって、第1の縦方向部分の第2の端部から横方向に延び、第2の横方向羽根部を形成するのに適した、第2の横方向部分と、第3の横方向部分であって、第2の縦方向部分の第2の端部から横方向に延び、第3の横方向羽根部を形成するのに適した、第3の横方向部分と、を更に備える。このため、組み込まれる部品の数は増加し、要求される留め具の数は更に低減され、全体的な剛性は向上し、組立て及び分解はより容易になり、重量、及び種々の種類の部品の数もともに低減される。
【0017】
特定の実施形態において、第2の横方向部分は、第2の縦方向部分から離れて延び、また、第3の横方向部分は、第1の縦方向部分から離れて延びる。これによって、オメガ形状のプリフォームが生じる。
【0018】
特定の実施形態において、第2の横方向部分は、第2の縦方向部分の方へ延び、また、第3の横方向部分は、第1の縦方向部分から離れて延びる。これによって、箱構造が生じる。
【0019】
特定の実施形態において、第2の横方向部分は、第2の縦方向部分の方へ延び、また、第3の横方向部分は、第1の縦方向部分の方へ延びる。これによって、第2及び第3の横方向部分が互いの方へ延びる、異なる箱構造が生じる。
【0020】
特定の実施形態において、第2及び第3の横方向部分は、少なくとも一部において重なる。このため、この重なり領域は、大きな剛性及び厚さにより有益であり、したがって、穿孔についての多くの選択肢が生じる。
【0021】
他の実施形態において、第2及び第3の横方向部分は、一方から他方に延びるように取り付けられる。この実施形態は、サイズ及び重量の低減を優先する。
【0022】
特定の実施形態において、重なり領域において、重なり部分はともに接合される。重なり部分はともに、同様かつ良好に縫合することができる。
【0023】
特定の実施形態において、プリフォームは、第1のシート及び第2のシートであって、この第1のシート及び第2のシートが、ともに織り込まれ、横方向羽根部を形成するのに適したさらなる横方向部分を形成する連結域と、非連結域とを備え、第1のシートが、第1の横方向部分及び第1の縦方向部分を形成し、第2のシートが、第2の縦方向部分を形成する、第1のシート及び第2のシートを備える。かかる非連結によって、分岐形状を得ることができる。
【0024】
特定の実施形態において、プリフォームは、少なくとも3つの羽根を形成するのに適した、少なくとも3つの縦方向部分を有する。当然、同じ技術を、羽根のn個一組の(n-tuplets)羽根まで拡張してもよい。
【0025】
特定の実施形態において、横方向部分には、縦方向部分よりも多くの糸の層が含まれ、このため、横方向部分は厚い。このように、羽根は、これらの空力的役割を実行するのに有効なように微細にすることができるが、横方向羽根部は、モジュールをより確実に固定できるように厚くすることができる。
【0026】
特定の実施形態において、横方向部分は、留め具タブを形成するために、必要以上の長さで織り込まれている。この必要以上の長さは、横方向面部分が中間ケーシングに対して軸線方向に固定できるように、横方向であり、半径方向に折り曲げられ得る。この必要以上の長さは、横方向羽根部が中間ケーシングに対して接線方向に固定できるように、同様かつ良好に、端部の長さであり、半径方向に折り曲げられ得る。
【0027】
特定の実施形態において、縦方向部分は、留め具タブを形成するために、必要以上の長さで織り込まれている。そして、この必要以上の長さは、羽根が中間ケーシングに対して接線方向に固定できるように、縦方向部分を縦方向に拡張する。
【0028】
特定の実施形態において、プリフォームの製織に用いられる糸は、炭素繊維を含む。しかしながら、糸は、他の種類の糸、例えば、ガラス繊維又はケブラー(kevlar)繊維を含む糸であってもよい。
【0029】
特定の実施形態において、プリフォームの三次元製織に用いられる織込みは、三次元連動型織込み(3D interlock type weave)であり得る。しかしながら、通路の外面の製織は、本質的に二次元であってもよく、例えば、サテン型織込みによって織り込まれていてもよい。
【0030】
本明細書は、タービンエンジンの中間ケーシングを製造するためのモジュールであって、このモジュールが、2つの縦方向羽根と、フランジ又はプラットフォームなどの横方向羽根部を有し、これらの羽根の端部のうちの1つにおいて2つの羽根を相互接続し、モジュールが単一部品である、モジュールにも関する。
【0031】
少なくとも2つの羽根及び横方向羽根部を組み込んだこの一体型構造によって、機械的強度、重量、コスト、分解容易性及び準備容易性の点から、上述の利点がすべて得られる。
【0032】
特定の実施形態において、モジュールは、上述した実施形態のうちのいずれかに係る繊維プリフォームから、複合材料によって製造され、このプリフォームは、マトリックス内で成形され、マトリックス中に埋め込まれる。
【0033】
特定の実施形態において、マトリックスは、有機
系のものである。具体的には、マトリックスは、エポキシ樹脂であってもよい。
【0034】
他の実施形態において、マトリックスは、セラミック型のものであってもよい。
【0035】
本明細書は、タービンエンジンの中間ケーシングであって、このケーシングに、内側ハブと外側シュラウドとの間に角度をなして配置された、上述した実施形態のうちのいずれかに係る複数のモジュールが含まれる、中間ケーシングにも関する。
【0036】
特定の実施形態において、中間ケーシングには、特に機械的負荷又は分解についての接近性の点から、中間ケーシングのそれぞれの領域の特定の特徴に合わせるように、上述した実施形態のものとは異なる構造を有したモジュールが含まれる。
【0037】
特に、特定の実施形態において、一部のモジュールは、中間ケーシング内にくまなく配置されている。
【0038】
そして、本明細書は、上述した実施形態のうちのいずれかに係る中間ケーシングを含む、タービンエンジンに関する。
【0039】
上述の特徴及び利点並びに他のものは、提案されたプリフォーム、モジュール、中間ケーシング及びタービンエンジンの実施形態についての次に示す詳細な説明を理解することで明らかになる。この詳細な説明は、添付の図面を参照する。
【0040】
添付の図面は概略的であり、とりわけ、本発明の原理を示すことを図るものである。
【0041】
図面において、一方の図から他方の図まで、同一の構成要素(又は構成要素の部分)は、同一の参照符号によって特定される。さらに、異なる実施形態であるが類似した機能を有する実施形態の構成要素形成部分(又は構成要素の部分)は、100、200などの増加する参照番号によって図中で特定される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明のタービンエンジンの断面の正面図である。
【
図2】第1の実施形態における中間ケーシングの正面図である。
【
図3A】本発明のモジュールの第1の例を示し、かかるモジュールの変形例の斜視図である。
【
図3B】本発明のモジュールの第1の例を示し、かかるモジュールの変形例の斜視図である。
【
図3C】本発明のモジュールの第1の例を示し、関連する完全な環状体を示す。
【
図3D】本発明のモジュールの第1の例を示し、水平に配置されたプリフォームを示す。
【
図3E】本発明のモジュールの第1の例を示し、プリフォームの成形を示す。
【
図4A】本発明のモジュールの第2の例を示し、かかるモジュールの斜視図である。
【
図4B】本発明のモジュールの第2の例を示し、関連する完全な環状体を示す。
【
図4C】本発明のモジュールの第2の例を示し、水平に配置されたプリフォームを示す。
【
図4D】本発明のモジュールの第2の例を示し、成形されたプリフォームを示す。
【
図4E】本発明のモジュールの第2の例を示し、モジュールの留め具の変形例を示す。
【
図4F】本発明のモジュールの第2の例を示し、モジュールの留め具の変形例を示す。
【
図5A】本発明のモジュールの第3の要素を示し、かかるモジュールの斜視図である。
【
図5B】本発明のモジュールの第3の要素を示し、関連する完全な環状体を示す。
【
図5C】本発明のモジュールの第3の要素を示し、水平に配置されたプリフォームを示す。
【
図5D】本発明のモジュールの第3の要素を示し、プリフォーム成形の変形例を示す。
【
図5E】本発明のモジュールの第3の要素を示し、プリフォーム成形の変形例を示す。
【
図6A】本発明のモジュールの第4の例を示し、かかるモジュールの斜視図である。
【
図6B】本発明のモジュールの第4の例を示し、関連する完全な環状体を示す。
【
図6C】本発明のモジュールの第4の例を示し、水平に配置されたプリフォームを示す。
【
図6D】本発明のモジュールの第4の例を示し、成形されたプリフォームを示す。
【
図6E】本発明のモジュールの第4の例を示し、非連結部分がどのように織り込まれているかについて示す図である。
【
図6F】本発明のモジュールの第4の例を示し、プリフォームを成形可能な変形法を示す。
【
図6G】本発明のモジュールの第4の例を示し、モジュールの変形実施形態を示す。
【
図6H】本発明のモジュールの第4の例を示し、成形された変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明をより具体的にするために、添付の図面を参照することによって実施形態を以下に詳細に説明する。本発明がこれらの実施形態に限定されないことを想起する必要がある。
【0044】
図1は、本発明のバイパスターボジェット1の、主軸線Aを含有する垂直面における断面図である。上流から下流にかけて、バイパスターボジェットは、ファン2と、低圧圧縮機3と、高圧圧縮機4と、燃焼室5と、高圧タービン6と、低圧タービン7と、を備えている。その上流において、このターボジェット1は、2つの同心通路、一次通路I及び二次通路IIを画定する、外側ケーシング8と内側ケーシング9とを有する。中間ケーシング10は、外側ケーシング8及び内側ケーシング9をともに接続している。
【0045】
動作時に、内側ケーシング9は、ファン2によって加速された空気流を、一次流であって、一次通路Iを採用し、圧縮機3、4、燃焼室5及びタービン6、7に供給する、一次流と、さらに、二次流であって、ターボジェットから排出されることによってその推力の大部分を送達する二次通路又は「バイパス」通路IIを採用する、二次流の両方に分割する。
【0046】
図2は、かかる中間ケーシング10の正面図である。中間ケーシングは、内側ケーシング9に固定された内側ハブ11と、外側ケーシング8に固定された外側シュラウド12と、を備えている。内側ハブ11及び外側シュラウド12はともに、構成アーム13によって一次的に半径方向に、一体型モジュール20を構成する対でともにグループ化された後置静翼(OGV)21によって二次的に接続されている。
【0047】
構成アーム13は、中空であり、内側ケーシング9に囲まれたジェットのコアと、ジェット1の周囲との間に供給装置を通す機能を有する。かかる供給装置としては、特に、油圧管、空気圧管、電気ケーブル、及び実際の機械力伝達軸が挙げられる。これらの構成アームは、ターボジェット1の軸線Aに対して6時及び12時の位置に、すなわち、ターボジェット1の重量によってかけられたほとんどの機械的負荷が蓄積する垂直面に位置していることが好ましい。
【0048】
図3A〜3Eは、かかる中間ケーシング10についてのモジュールの第1の実施形態を示している。
図3Aにおいて、この第1のモジュール実施形態20が概してU字型であることを理解することができる。第1のモジュール実施形態は、縦方向に延びる2つの羽根21と、第1のモジュール実施形態の上端部において2つの羽根21が相互接続された横方向羽根部26と、を備えている。
【0049】
横方向羽根部26を介するモジュール20と中間ケーシング10との間の留め具の種類に応じて、この部分は、タービンエンジン1の二次通路IIにおいて滑らかな空力壁を構成する空力プラットフォームであってもよいし、又は、モジュール20を中間ケーシング10に固定するフランジであってもよい。特に、横方向羽根部26がいずれの留め具を有しないか、又は、通路IIに突出しない軸線方向若しくは接線方向留め具などの適切な留め具を有する場合、横方向羽根部26は、プラットフォームとして機能し得る。一方、横方向羽根部26に、通路IIに突出する留め具が必要な場合、特に、この留め具が半径方向留め具である場合、横方向羽根部26はフランジとして機能し、その留め具を覆うために、横方向羽根部26上に空力プラットフォームを載置する必要がある。かかる例を、第2の実施形態を参照することによって以下に説明する。
【0050】
この実施形態において、羽根21は、その自由端部、すなわちその下端部において必要以上の長さ22を有し、必要以上の長さ22は、孔23を有し、中間ケーシング10に固定された基部において挿入しモジュール20を固定できるように適しており、このため、モジュール20は、孔23に挿入されたボルトなどの留め具要素によって接線方向に保持される。
【0051】
図3Bは、
図3Aの変形例に関し、くまなく反転させた構成におけるU字型モジュール20´の変形実施形態を示し、同様に、このモジュール20´は、2つの羽根21´と、1つの横方向羽根部26´を有するが、この横方向部分は、羽根21´の下部を相互接続する。さらに、U字型の枝部はわずかに分岐するが、
図3Aの変形例では、枝部はわずかに収束し、これらの傾斜角は、羽根21及び21´が、中間ケーシング10内に実際に半径方向に延びることを保証する。
【0052】
図3Cは、中間ケーシング10に搭載する、モジュール20及び20´によって構成された完全な環状体30を示している。そして、この環状体30は、
図3Aの変形例20と
図3Bの変形例20´との間において互い違いになる一連のモジュールを備え、このような徹底した構成は、環状体の全体的な剛性を強化するように機能する。さらに、羽根21と21´との間の間隔が、環状体30の周囲すべてにおいて実質的に同一であるように、モジュール20及び20´は配置されている。主軸線Aに対して6時及び12時の位置にそれぞれ位置している、空き領域31及び32は、中間ケーシング10の構成アーム13の位置に対応している。モジュール20及び20´の下部横方向羽根部26´と上部横方向羽根部26との間にそれぞれ位置している、下部空き部分33及び上部空き部分34は、中間ケーシング10の環状体30の組立て時に、二次通路IIの壁を完成するように機能する空力パネル(図示せず。)を充填することができる。
【0053】
図3Dは、水平に配置された織込みプリフォーム40を示し、このプリフォームは、この第1のモジュール実施形態20を製造するのに用いられる。
図3Eは、モジュール20を得るために、どのように、このプリフォーム40が成形されるかについて示している。上流から下流にかけて、すなわち、図の右側から左側にかけて、このプリフォーム40は、第1の羽根部21を形成する第1の縦方向部分41と、横方向羽根部26を形成する横方向部分46と、モジュール20の第2の羽根21を形成する第2の縦方向部分42と、を備えている。
【0054】
プリフォーム40は、三次元連動型織込みを用いて製造された炭素繊維の三次元製織シートから得られる。プリフォーム40の表面のみが、サテン型織込みによって二次元的に(2D)織り込まれる。微細の羽根21、及び厚い横方向羽根部26を得るために、プリフォーム40の横方向部分46は、縦方向部分41及び42よりも多くの糸の層を有し、層の厚さ及び層の数のこのような変化を得ることを可能にする製織方法は、近年、三次元製織の分野において周知である。シートが織り込まれると、モジュールの所望の形状を得るために、シートを裁断し、成形する必要がある。これらの操作は、コンピュータ支援されている。そして、アルゴリズムは、製織によって得られるシートから裁断されるプリフォーム40のパターンを算出するように機能する。さらに、アルゴリズムは、成形を行うのに用いられる準線曲線を算出する。
【0055】
裁断されると、プリフォーム40を、軟化させ、繊維の位置を容易に合わせるために、湿らせる。その後、プリフォーム40は、算出された準線曲線を用いて、プリフォーム40の所望の形状と一致する内部空間の成形モジュールに挿入される。この実施形態において、
図3Eにおいて矢印により示されているように、成形は、本質的に、横方向部分46に対して、縦方向部分41及び42を折り曲げることである。
【0056】
次いで、プリフォーム40を乾燥させて硬化させ、これによって、成形時に課される形状に固定される。その後、プリフォーム40を、所望の完成モジュールの寸法を有した注入型に入れ、マトリックス、この例ではエポキシ樹脂を型に注入する。かかる注入は、公知の樹脂移送成形(RTM)法を用いて行うことができる。そして、この工程の終了時に、モジュール20は、エポキシ樹脂中に埋め込まれている炭素繊維から織り込まれたプリフォーム40を含む複合材料から得られる。この方法は、モジュール20を完成させるために、機械加工工程によって仕上げられる可能性がある。
【0057】
図4A〜4Fは、中間ケーシング10のモジュールの第2の実施形態を示している。
図4Aにおいて、第2のモジュール実施形態120が概してオメガ形状であることを理解することができる。第2のモジュール実施形態は、2つの縦方向羽根121と、第2のモジュール実施形態の上端部において2つの羽根121が相互接続された上部横方向羽根部126と、それぞれ、例の羽根121の下端部から、他の下部から離れて横方向に延びている2つの下部横方向羽根部127と、を有する。
【0058】
図4Aにおいて、下部横方向羽根部127は、モジュール120が中間ケーシング10に固定することを可能にする半径方向孔129を有する。そして、これらの下部横方向羽根部127は、二次通路IIに突出する留め具要素を覆うために、空力プラットフォームをフランジ127上に設置することが必要な留め具フランジを構成している。
【0059】
図4Eは、モジュール120´の下部横方向羽根部127´が、軸線方向孔129´を備えた留め具タブを形成する横方向の必要以上の長さ128´を有した、留め具の変形例を示している。そして、留め具要素は、下部横方向羽根部127´の下に設けられ、このため、留め具要素は、もはや二次通路IIに突出せず、下部横方向面部分127´は、プラットフォームとして機能し得る。
【0060】
同様のことは、モジュール120´´の下部横方向羽根部127´´が、接線方向孔129´´を備えた留め具タブを形成する横方向の必要以上の長さ128´´を有した、
図4Fの第2の留め具の変形例にも該当する。
【0061】
図示されていないが、上部横方向羽根部126が、種々の留め具選択肢、具体的には、上述した半径方向又は軸線方向型の留め具も有することに留意する必要がある。
【0062】
また、
図3Bのモジュール20´と同様に、くまなく反転させた変形例を想定できることにも留意する必要がある。
【0063】
図4Bは、中間ケーシングに搭載する、モジュール120からなる完全な環状体130を示している。そして、この環状体130は、羽根121間の間隔が環状体130の周囲すべてにおいて実質的に同一であるように配置された、一連の隣接モジュールを有する。主軸線Aに対して6時及び12時の位置にそれぞれ位置している、空き領域131及び132は、中間ケーシング10の構成アーム13の位置に対応している。環状体130は中間ケーシング10内に組み立てられるが、モジュール120の下部横方向羽根部127と上部横方向羽根部126との間にそれぞれ位置している、内側空き部分133及び外側空き部分134は、二次通路IIの壁を完成するように機能する空力パネル(図示せず。)を充填することができる。
【0064】
図4Cは、水平に配置された三次元製織プリフォーム140を示し、このプリフォームは、この第2のモジュール実施形態120を製造するのに用いられる。
図4Dは、モジュール120を得るために成形されるこのプリフォーム140を示している。上流から下流にかけて、すなわち、図の右側から左側にかけて、このプリフォーム140は、下部横方向羽根部127を形成する第1の横方向部分146と、第1の羽根121を形成する第1の縦方向部分141と、横方向羽根部126を形成する第2の横方向部分147と、第2の羽根121を形成する第2の縦方向部分142と、モジュール120の第2の下部横方向羽根部127を形成する第3の縦方向部分148と、を備えている。
【0065】
プリフォーム140の製織及び成形、並びにモジュールを形成する方法は、第1の実施形態のものに類似しており、このため、これらを再度詳細に説明しない。この実施形態において、
図4Dにおいて矢印により表わされているように、成形は、本質的に、第2の横方向部分147に対して、縦方向部分141及び142を折り曲げることと、第1の横方向部分146及び第3の横方向部分148を折り曲げることであり、これによって、これらは、互いから離れている。
【0066】
図5A〜
図5Eは、中間ケーシング10の第3のモジュール実施形態を示している。
図5Aにおいて、この第3のモジュール実施形態220が概して箱形状であることを理解することができる。第3のモジュール実施形態は、2つの縦方向羽根221と、第3のモジュール実施形態の上端部において2つの羽根221が相互接続された上部横方向羽根部226と、2つの下部横方向羽根部227a及び227bとを備え、第1の羽根部227aは、羽根221の下端部間に延び、第2の羽根部は、モジュール220から外に、羽根121のうちの1つ下端部から横方向に延びている。
【0067】
このモジュール220を固定することができる種々の方法は、上述したものに類似しており、このため、これらを再度説明も図示もしない。
【0068】
また、くまなく反転させた変形例を同様かつ良好に、
図3Bのモジュール20´と同じ線上に想定できることにも留意する必要がある。
【0069】
図5Bは、中間ケーシング10に搭載する、モジュール220からなる完全な環状体230を示している。そして、この環状体230は、羽根221間の間隔が環状体230の周囲すべてにおいて実質的に同一であるように配置された、一連の隣接モジュール220を備えている。主軸線Aに対して6時及び12時の位置にそれぞれ位置している、空き領域231及び232は、中間ケーシング10の構成アーム13の位置に対応している。環状体130は中間ケーシング10内に組み立てられるが、モジュール220の上部横方向羽根部226間に位置している、外側空き部分234は、二次通路IIの壁を完成するように機能する空力パネル(図示せず。)を充填することができる。このモジュール220の形状が、いかなる内側空き部分も残さないという点に留意する必要がある。
【0070】
図5Cは、水平に配置された三次元製織プリフォーム240を示し、このプリフォームは、この第3のモジュール実施形態220を製造するのに用いられる。
図5Dは、モジュール220を得るために、どのように、このプリフォーム240が成形されるかについて示している。上流から下流にかけて、すなわち、図の右側から左側にかけて、このプリフォーム240は、第1の下部横方向羽根部227a、及び第2の下部横方向羽根部227bの下部層を形成する、第1の横方向部分246と、第1の羽根221を形成する第1の縦方向部分241と、上部横方向羽根部226を形成する第2の横方向部分247と、第2の羽根221を形成する第2の縦方向部分242と、モジュール220の第2の下部横方向羽根部227bの上部層を形成する、第3の横方向部分248と、を備えている。
【0071】
このプリフォーム240の製織及び成形、並びにモジュールを形成する方法は、第1の実施形態のものに類似しており、このため、これらを再度詳細に説明しない。この実施形態において、
図5Dにおいて矢印により表わされているように、成形は、本質的に、第2の横方向部分247に対して、縦方向部分241及び242を折り曲げることと、第3の横方向部分248を外側に折り曲げることと、そして、第3の横方向部分248に対して第1の横方向部分246を折り曲げることである。この重なり領域では、第1の横方向部分246及び第3の横方向部分248は、特に接着剤によって、互いに固定することができる。
【0072】
図5Eに示されている変形例において、プリフォーム240´は、上述の変形例と同じ部分246´、241´、247´、242´及び248´を有するが、成形は、上述の変形例とは異なる。この変形例において、第3の横方向部分248´は内側に折り曲げられ、これによって、第1の下部横方向羽根部227a´の上部層が形成され、第1の横方向部分246´は、第3の横方向部分248´に対して折り曲げられ、これによって、第3の下部横方向羽根部227a´及び第2の下部横方向羽根部227b´の下部層が形成される。
【0073】
図6A〜6Hは、中間ケーシング10の第4のモジュール実施形態を示している。
図6Aにおいて、この第4のモジュール実施形態320は、第1の縦方向羽根321a及び第2の縦方向羽根321bと、第2の羽根321bの上端部からモジュール320の外側まで横方向に延びる、第1の上部横方向羽根部326aと、2つの羽根321a及び321bの上端部をともに接続する第2の上部横方向羽根部326bと、羽根321a及び321bの下端部間に延びる第1の下部横方向羽根部327aと、第1の羽根321aの下端部からモジュール320の外側に横方向に延びる、第2の下部横方向羽根部327bと、を有することを理解することができる。
【0074】
このモジュール320を固定することができる種々の方法は、上述したものに類似しており、このため、これらを再度説明も図示もしない。
【0075】
また、
図3Bのモジュール20´に基づいてくまなく反転させた変形例を想定できることにも留意する必要がある。
【0076】
図6Bは、中間ケーシング10に搭載する、モジュール320からなる完全な環状体330を示している。そして、この環状体330は、羽根321aと321bとの間の間隔が環状体230の周囲すべてにおいて実質的に同一であるように配置された、一連の隣接モジュール320を備えている。主軸線Aに対して6時及び12時の位置にそれぞれ位置している、空き領域331及び332は、中間ケーシング10の構成アーム13の位置に対応している。このモジュール320の形状が、いかなる内側又は外側空き部分も残さないという点に留意する必要がある。
【0077】
図6Cは、水平に配置された三次元製織プリフォーム340を示し、このプリフォームは、この第4のモジュール実施形態320を製造するのに用いられる。
図6Dは、モジュール320を得るために、どのように、このプリフォーム340が成形されるかについて示している。このプリフォーム340は、第1のシート340aと第2のシート340bとを備え、これらは、ともに織り込まれ、短い連結域L及び長い非連結域Dを有する。
【0078】
かかる非連結を得ることを可能にする製織方法は、近年、三次元製織の分野において周知である。例示を目的として、
図6Eは、かかる連結された製織の端部を示す図である。連結域Lにおいて、シート340a及び340bは、縦糸のすべての層をともに接続するように、第1のシート340a及び第2のシート340bによって構成されたアセンブリの全厚さを通る共通の横糸とともに織り込まれている。非連結域Dにおいて、シート340a及び340bは、シート340a及び340bのそれぞれに独立した横糸を同時に用いて織り込まれ、非連結面は、第1のシート340aと第2のシート340bとの間に残される。
【0079】
上流から下流にかけて、すなわち、図の右側から左側にかけて、このプリフォーム340は、第1の上部横方向羽根部326aを形成する、第1の横方向部分346を備えた連結域L、そして、第1のシート340aが、第2の上部横方向羽根部326bが形成される第2の横方向部分347を形成する、非連結域と、第1の羽根321aを形成する第1の縦方向部分341と、第2の下部横方向羽根部327bの上部層を形成する、第3の横方向部分348と、を備えているが、第2のシート340bは、第2の羽根221bを形成する第2の縦方向部分342と、第1の下部横方向面部分327a、及び第2の下部横方向羽根部327bの下部層を形成する、第4の横方向部分349と、を備えている。
【0080】
上に説明したように、非連結域を利用すること以外に、このプリフォーム340の製織及び成形、並びにモジュールを形成する方法は、第1の実施形態のものに類似しており、このため、これらを再度詳細に説明しない。この実施形態において、
図6Dにおいて矢印により表わされているように、成形は、本質的に、第1の横方向部分346及び第2の横方向部分347に対して、それぞれのシート340a及び340bの縦方向部分341及び342を折り曲げることと、第3の横方向部分348を外側に折り曲げることと、そして、第3の横方向部分348に対して第4の横方向部分349を折り曲げることである。
【0081】
また、この実施形態においても、
図5Eのものに類似する変形例が可能であり、この変形例は
図6Fに示され、第3の横方向部分348´は内側に折り曲げられ、第4の横方向部分349´は、第3の横方向部分348´に対して折り曲げられる。
【0082】
図6G及び6Hに示されている更に別の変形例において、モジュール320´´の下部横方向羽根部327a´´及び327b´´は、重ならないが、一方が他方のそばにぴったり合うように延びている。そして、プリフォーム340´´の成形時に、第4の横方向部分349´は、第3の横方向部分348´´の方に折り曲げられ、第3の横方向部分348´´に重ならずに隣接している。
【0083】
本説明において上述された実施形態は、非限定例によって示されており、本説明に照らして、当業者であれば、本発明の範囲内に入るように、これらの実施形態を容易に変更することができるか、又は、他のものを想定することができる。
【0084】
さらに、これらの実施形態の種々の特徴は、単独で又は組み合わせて用いることができる。これらの特徴を組み合わせる場合、上述したように、これらの特徴は組み合わせることができ、又は、さらに、本発明は、本明細書に記載されている特定の組合せに限定されない。具体的には、特に断りのない限り、いずれかの一実施形態を参照することによって説明されているいずれの特徴も、類似する方法により、他の実施形態に適用することができる。