(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
誘電体基板のボディは、略5.0よりも大きい誘電率を有しており、好ましくは誘電体基板のボディがセラミック、ゴム、フルオロポリマー、複合材料、繊維ガラスおよびプラスチックの中から選択される少なくとも1種から形成されている、請求項1に記載のパッチアンテナ。
放射パッチが、少なくとも略100MHz、好ましくは少なくとも略400MHzのバンド幅において無線周波数(RF)エネルギーの受信および送信の少なくとも一方を行うように構成されている、請求項1に記載のパッチアンテナ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、アンテナ・システム10の例示的な態様の模式図である。アンテナ・システム10は、複数の給電ネットワーク12およびアンテナ・アッセンブリ14を含んでいる。アンテナ・アッセンブリ14は、グランド面16、およびグランド面16に位置付けられた1つ以上のパッチアンテナ18を含んでいる。例示する態様のアンテナ・システム10では、アンテナ・アッセンブリ14は4つのパッチアンテナ18のアレイ20を含んでいる。しかしながら、アレイ20は、いずれの数のパッチアンテナ18を含んでもよく、アンテナ・アッセンブリ14はいずれの数のアレイ20を含んでよく、それゆえ、全体としてアンテナ・アッセンブリ14はいずれの数のパッチアンテナ18を含んでもよい。ある態様では、アンテナ・アッセンブリ14は単一のパッチアンテナ18のみを含んでいる。パッチアンテナ18は、
図1に示される以外のほかのいずれのパターンでアレイ20として配置されていてよい。
【0013】
アンテナ・システム10は、RF波をアンテナ・システム10の環境(例えば大気)へと送信する送信アンテナ・システムとして機能したり、RF波をアンテナ・システム10の環境から受ける受信アンテナ・システムとして機能したり、あるいは、送信と受信とが組み合わされたシステムとして機能する。各パッチアンテナ18は、対応する給電ネットワーク12からRF波を受信するための及び/またはRF波を対応する給電ネットワーク12へと送るための対応する給電ネットワーク12に動作可能に接続されている。
図1に示すように、各給電ネットワーク12は1つ以上の処理システム22に動作可能に接続されており、アンテナ・システム10の要素とみなすことができ、あるいは、そのような要素とみなされない場合もある。処理システム22とパッチアンテナ18との間の給電ネットワーク12の動作可能な接続によって、給電ネットワーク12が、パッチアンテナ18と処理システム22との間でRFエネルギーを供給できるようになっている。各給電ネットワーク12は、パッチアンテナ18によって受けられたRF波をRF電気信号(処理システム22へ送るため及び/またはその逆のためのRF電気信号)に変換するための1つ以上の要素を含んでいてもよい。オプションとしては、別の電気回路(図示せず)が、給電ネットワーク12と処理システム22との間で動作可能に接続されており、複数のパッチアンテナ18と給電ネットワーク12との対に対応するRF電気信号同士を組み合わせる。
【0014】
処理システム22は1つ以上のトランスミッター24、1つ以上のレシーバー26および/または1つ以上のトランシーバー28を含んでいる。いずれのトランスミッター24、いずれのレシーバー26およびいずれのトランシーバー28を含むかは、アンテナ・システム10が送信アンテナ・システムとして機能するのか、受信アンテナ・システムとして機能するのか、あるいは、送信アンテナ・システムと受信アンテナ・システムとの組み合わせとして機能するのかに依存し得る。処理システム22は、いずれかの数のトランスミッター24、いずれかの数のレシーバー26、および、いずれかの数のトランシーバー28を含んでおり、その各々の数は、パッチアンテナ18の数に対応し得るものであったり、そうでなかったりする。処理システム22は、トランスミッター24、レシーバー26およびトランシーバー28に加えて他の要素を含んでいるものであってよい。
【0015】
各パッチアンテナ18は、受信アンテナ、送信アンテナ、または受信と送信との双方を兼ねたアンテナとして機能し得る。換言すれば、パッチアンテナ18の各々は、RF波を環境へと送信したり、RF波を環境から受信したり、あるいは、RF波の送信と受信との双方を行ったりする。ある態様では、パッチアンテナ18の全ては、RF波を送信しない受信アンテナである。また、別の態様では、パッチアンテナ18の全ては、環境からRF波を受信しない送信アンテナであり、あるいは、パッチアンテナ18の全ては、RF波の送信と受信との双方を行う送受信アンテナである。更に別の態様では、アンテナ・アッセンブリ14は、RF波を送信しない1つ以上の受信パッチアンテナ18、RF波を受信しない1つ以上の送信パッチアンテナ18、および/または、RF波の送信と受信との双方を行う1つ以上の送受信パッチアンテナ18の組合せを含んでいる。
【0016】
例示的な態様のアンテナ・アッセンブリ14では、グランド面16は、パッチアンテナ18の全てに共通するものとして示されている。換言すれば、パッチアンテナ18の全ては同一のグランド面16に位置付けられている。別法にて、アンテナ・アッセンブリ14は1つよりも多いグランド面16を含んでおり、その各々のグランド面16が、その上に位置付けられた1つ以上の対応するパッチアンテナ18を有している。ある態様では、各々のパッチアンテナ18は、互いのパッチアンテナ18と異なるグランド面16に位置付けられている。グランド面16は、その上に位置付けられるいずれのパッチアンテナ18の要素としてみなされ得る。
【0017】
アンテナ・システム10は、いずれの用途を有するアンテナ・システムのタイプであってよい。例えば、特に制限されないが、用途としては、制御されたレセプション・パターン・アンテナ(CRPA)、固定されたレセプション・パターン・アンテナ(FRPA)、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)アンテナ、グローバル・ナビゲーション衛星システム(GNSS)アンテナおよび/またはそれに類するものが挙げられる。
【0018】
図2は、パッチアンテナ18の1つ例示的な態様の斜視図である。パッチアンテナ18は、中央軸30に沿って高さHを有するように延在している。パッチアンテナ18は、誘電体基板32,誘電体基板32上に位置する放射パッチ34、および、複数の給電プローブ36を含んでいる。グランド面16は
図2に示されており、パッチアンテナ18の要素と考えら得るものであり、あるいは、そうでなかったりする。給電プローブ36は、放射パッチ34を活性化(excite)させるため、即ち、放射パッチ34にエネルギー(energize)を与えるため、給電ネットワーク12と電気的に接続されている。給電プローブ36によって活性化されると、パッチアンテナ18は共鳴して、RF波の送信および/または受信を行う。
【0019】
パッチアンテナ18の基板32は、対向するサイド40および42を含んだボディ38を有している。基板ボディ38は、サイド40からサイド42まで中央軸30に沿って厚さTを有するように延在する。基板ボディ38は直径DIA
1を有している。基板ボディ38はサイド40からサイド42までボディ38の厚さTに沿って延在する側壁44を1つ以上含んでいる。例示的な態様の基板32では、x−y平面(中央軸30に略垂直に延在する面)に沿って切り取った基板ボディ38の断面は円形を有している。従って、基板ボディ38は、例示の態様において単一の連続的な側壁44を含んでいる。しかしながら、基板ボディ38は、より多くの数の側壁44を含んでいてよく、基板ボディ38のx−y平面に沿って切り取られる断面形状が種々になっていてよい。本明細書では、基板ボディ38のサイド40は“第1サイド”と称する一方、基板ボディ38のサイド42は“第2サイド”と称する。
【0020】
基板ボディ38の側壁44は、その基板ボディ38の外周部50を規定する外面48を有している。具体的には、外周部50は、ラディアル外周部50であり、外面48が、中央軸30に対して放射方向に最も外側に延在するボディ38の部分を規定している。外周部50は複数の側壁44の外面48によって規定されており、基板ボディ38の断面が1つよりも多い壁44を備えたボディ38を供することを理解されよう。
【0021】
基板32のボディ38は固体のボディである。ここでいう「固体」とは、基板ボディ38の少なくとも大部分の材料が固体相であることを意味している。基板30の固体ボディ38は、非固体ボディ(ボディの材料の大部分がガス相および/または液体相となっている非固体ボディ)と区別することができる。ここでいう「固体ボディ」は、ガス相(例えば、空気および/またはそれに類するもの)の材料を有する1つ以上の部分、および/または、液体相(例えば、水および/またはそれに類するもの)の材料を有する1つ以上の部分を含んだものであってよい。例えば、そのようなガス相および/または液体相の材料を有する1つ以上の部分は、固体ボディの1つ以上の内側ポケット(図示せず)の中に含まれていてよい。例示する態様の基板32では、基板ボディ38の略全ての材料が固体相となっている。しかし、上記説明から分かるように、別法において、基板32のボディ38は、ガスおよび/または液体の材料から成る1つ以上を含んでいるものであっても、「固体ボディ」とみなされる。
【0022】
基板ボディ38は、空気の誘電率よりも大きい誘電率を有している。具体的には、空気はおよそ1.001の誘電率を有している。基板ボディ38はおよそ1.001よりも大きい誘電率を有していてよい。ある態様では、基板32のボディ38は、およそ2.0よりも大きい誘電率、およそ5.0よりも大きい誘電率、および/または、およそ10.0よりも大きい誘電率の誘電率を有している。基板ボディ38は、そのボディに空気よりも大きい誘電率を供するいずれの材料から作製されてもよい。基板ボディ38の適当な材料としては、制限されるわけではないが、セラミック、ゴム、フルオロポリマー、複合材料、ファイバー・ガラス、プラスチック、および/またはそれに類するものを挙げることができる。基板ボディ38の非制限的な例として、基板ボディ38がセラミックから作製されており、およそ13.0の誘電率を有している。
【0023】
上述したように、基板32の例示的な態様では、x−y平面で切り取った基板ボディ38の断面が円形を有している。しかしながら、x−y平面で切り取られる基板ボディ38の断面形状は、付加的に又は代替的に他の形状であってもよい。x−y平面で切り取られる基板ボディ38の断面形状の他の例としては、特に制限されるわけではないが、正方形状、矩形状、楕円形(または卵形)、閉鎖的な曲線、三角形、台形、4つよりも多い側部を有する形状、および/またはそれらに類するものを挙げることができる。更に、厚さTに沿って略一定であるように示されているものの、基板ボディ38の直径DIA
1は、厚さTに沿って可変なものであってもよい。換言すれば、基板ボディ38の直径DIA
1はx−z面および/またはy−z面に沿って切り取られた基板ボディ38の断面内において可変であってよい。例えば、厚さTはグランド面16から放射パッチ34へと延在するので、直径DIA
1が漸次小さくなるか、または、漸次大きくなるようにテーパ状であってよい。x−z面および/またはy−z面に沿って切り取られた基板32の断面形状の例としては、制限されるわけではないが、台形、三角形、砂時計形状、および/またはそれに類する形状を挙げることができる。
【0024】
図2に示すように、基板ボディ38のサイド42がグランド面16と物理的に係合するようにパッチアンテナ18の基板32はグランド面16に位置付けられている。換言すれば、グランド面16は、基板ボディ38の基板ボディ38のサイド42に位置付けられている。放射パッチ34は、サイド42と対向する基板ボディ38のサイド40に位置付けられている。このような基板ボディ38の厚さTによって、放射パッチ34がグランド面16から離隔するようになっている。放射パッチ34は、直径DIAおよび厚さT
1を有している。
【0025】
放射パッチ34は、導電性を呈するものであり、いずれの導電性材料から形成してよい。導電性材料としては、制限されるわけではないが、例えば、銅、金、銀、アルミニウム、錫および/またはそれに類するものが挙げられる。放射パッチ34の直径DIAおよび厚さT
1は、各々、本明細書で説明される及び/または示されるようにパッチアンテナ18が機能できるような適当な値を有するものであってよい。x方向およびy方向にて基板ボディ38と略同じサイズを有するように示されているものの、放射パッチ34は、x方向に基板ボディ38よりも大きく若しくは小さくなっていてもよく、および/または、y方向に基板ボディ38よりも大きく若しくは小さくなっていてもよい。例えば、放射パッチ34の直径DIAは基板ボディ38の直径DIA
1と略同じ値を有するように示されているものの、放射パッチ34の直径DIAが基板ボディ38の直径DIA
1よりも大きくてもよいし、あるいは、それよりも小さくてもよい。更に、基板ボディ38のx−y断面と同じ一般的な円形断面形状を有するように示されているものの、別法にて放射パッチ34は基板ボディ38のx−y断面とは異なる断面形状を有するものであってもよい。x−y面に沿って切り取った放射パッチ34の断面形状の他の例としては、特に制限されるわけではないが、正方形状、矩形状、楕円形(または卵形)、閉鎖的な曲線、三角形、台形、4つよりも多い側部を有する形状、および/またはそれらに類するものであってよい。
【0026】
グランド面16は、いずれの導電性材料から形成してよく、かかる導電性材料として、制限されるわけではないが、例えば銅、金、銀、アルミニウム、錫および/またはそれに類するものが挙げられる。パッチアンテナ18の例示的な態様では、グランド面16はx方向およびy方向の双方において放射パッチ34よりも大きくなっている。しかしながら、グランド面16は、x方向にて放射パッチ34よりも小さくてよく、若しくは、それと略同じサイズであってよく、および/または、y方向にて放射パッチ34よりも小さくてよく、若しくは、それと略同じサイズであってよい。グランド面16がアンテナ・アッセンブリ14(
図1)の1つのパッチアンテナ18よりも多くに共通するか否かで、本明細書で説明される及び/または示されるようにパッチアンテナ18が機能できる放射パッチ18に対して、グランド面16のx方向のサイズおよびY方向のサイズはいずれのものであってよい。x−y面に沿って切り取った断面形状が円形を有するように示しているものの、別法にてグランド面16はそれとは異なる形状を有するものでもよい。例えば、特に制限されるわけではないが、正方形状、矩形状、楕円形(または卵形)、閉鎖的な曲線、三角形、台形、4つよりも多い側部を有する形状、および/またはそれらに類するものであってよい。
【0027】
上述したように、給電プローブ36は放射パッチ34を活性化させるために給電ネットワーク12と電気的に接続されている。例示される態様のパッチアンテナ18では、各々の給電プローブ36が、端部54から対向する端部56までの長さを有するように延在するL形状のピン52を含んでいる。ピン52のL形状は、互いに角度を成すピン52の2つのセグメント58および60によって規定される。例示される態様の給電プローブ36では、セグメント58と60とは互いに略90°の角度を成している。しかしながら、各々のピン52のセグメント58および60は他の角度を成していてよく、本明細書で説明される及び/または示されるように給電プローブ36が機能できるような角度を成していてよい。例えば、各々のピン52のセグメント58および60は、およそ0°〜90°の角度、もしくは、90°〜180°の角度を成していてよい。
【0028】
各々のピン52のセグメント58は端部54を有し、セグメント60は端部56を有している。各々のピン52の端部54は給電ネットワーク12に電気的に接続されている。
図2に示すように、各々のピン52のセグメント58は、グランド面16の対応するスルー開口部62を通るように延在している。このように各々のピン52の端部54は、給電ネットワーク12への電気的接続のためにグランド面16のサイド64で露出している。他の態様では、給電ネットワーク12への電気的接続のためのピン・セグメント58の他のアレンジメントが用いられ得る。グランド面16は、いずれの数のピン52に対していずれの数のスルー開口部62を含むものであってよい。
【0029】
各々のピン52の他の端部56は、基板32とインターフェースをとっている。例えば、
図2に示される例示の態様では、各々のピン52の端部56が基板ボディ38の対応する開口部64内にて受容される。具体的には、基板32のボディ38は複数の開口部64を含んでおり、かかる複数の開口部64は、基板ボディ38の外周部50に沿いの離隔した箇所において側壁44内へと延在している。各々の開口部64は深さDEPとなるように基板ボディ38内に延在している。例示される態様の基板32では、開口部64が中央軸30に対して略垂直な角度を成すように基板ボディ38内へと延在している。しかしながら、各々の開口部64は、中央軸30に対して他の角度を成すように基板ボディ38内へと延在していてよく、本明細書で説明される及び/または示されるように給電プローブ36が機能できるような角度を成すように基板ボディ38内へと延在していてよい。例えば、各々の開口部64は、中央軸30に対して略0°〜略90°の角度を成すように基板ボディ38内へと延在していてよく、または、中央軸30に対して略90°〜略180°の角度を成すように基板ボディ38内へと延在していてよい。各々の開口部64の深さDEPはいずれの適当な値を有するものであってよい。
【0030】
図2に示されるように、ピン52の端部56が開口部64内で受容されるように各々のピン52のセグメント60が対応する開口部64内へと延在している。各々のピン52のセグメント60は、深さDEP
1となるように対応する開口部64内へと延在している。各セグメント60の深さDEP
1は、いずれの値を有するものであってよく、対応する開口部64の深さDEPと略等しい値か、あるいは、それよりも小さい値であってよい。例示される態様の給電プローブ36では、各セグメント60の深さDEP
1は対応する開口部64の深さDEP未満となっている。更に、ピン52のセグメント60が高さH
1で基板32とインターフェースをとるようにグランド面16に対して高さH
1で基板ボディ38の厚さTに沿って開口部64は位置付けられている。高さH
1はいずれの値を有するものであってよい。例示される態様のパッチアンテナ18では、高さH
1は、基板ボディ38の厚さの略半分よりも大きくなっている。
【0031】
更に、例示される態様の給電プローブ36では、各々のピン52のセグメント60は、対応する開口部64内にて基板ボディ38との物理的な接触が外されている。換言すれば、セグメント60は、開口部64を規定する基板ボディ38の内壁と係合しない。別法にて、1つ以上のピン52のセグメント60は、対応する開口部64内にて基板ボディ38との物理的な接触がなされている。
【0032】
断面形状が円形を有するように示しているものの、ピン52の断面形状は、他の形状、例えば、特に制限されるわけではないが、正方形状、矩形状、楕円形(または卵形)、閉鎖的な曲線、4つよりも多い側部を有する形状、および/またはそれらに類するものであってよい。更に、開口部64の断面形状が対応するピン52の断面形状と同一か否かで、開口部64の各々はいずれの断面形状を有し得る。
【0033】
他の態様では、給電プローブ36と基板32との間のインターフェースの他のアレンジメントが用いられ得る。給電プローブと基板32との間のインターフェースの非制限的な例は、
図7および
図8を参照して以下で説明される。
【0034】
図3は、
図2に示されるパッチアンテナ18の平面図である。給電プローブ36は、円偏波した放射パターンを生じるように放射パッチに電磁結合しており、それによって、パッチアンテナ18が円偏波した電磁波を放射するようになる。完全に環状の放射パターンおよび電磁波に加えて、本明細書で用いられる「円偏波した放射パターン」および「円偏波した電磁波」は、それぞれ、完全に円形状を有さない放射パターンおよび電磁波を含んでおり、例えば、限定されるわけではないが楕円形状および/またはそれに類する形状を有する放射パターンおよび電磁波を含んでいる。更に、「電磁的に結合」といった用語は、放射パッチ34と物理的に接触しない給電プローブ36を示すものを意図している。隣接する給電プローブ36が基板ボディ38に沿って互いに離隔するように、例示される態様のパターンアンテナ18は基板ボディ38に対して位置付けられた4つの給電プローブ36a,36b,36cおよび36dを含んでいる。例示される態様のパッチアンテナ18では、4つの給電プローブ36a,36b,36cおよび36dが互いに離隔した関係を有するように基板ボディ38の外周部50の周りに位置付けられている(
図3参照)。具体的には、例示される態様のパッチアンテナ18では、側壁44の開口部64は外周部50に沿って互いに離隔している。従って、開口部64内に延在する給電プローブ36のセグメント60は、外周部50に沿って互いに離隔されている。
【0035】
4つの給電プローブ36a,36b,36cおよび36dの各々の活性相および角度方向(即ち、基板ボディ38に沿った間隔パターン)は、円偏波した放射パターンを生じるように選択される。具体的には、4つの給電プローブ36a,36b,36cおよび36dは、略等しい電力振幅の4つのそれぞれの箇所66a,66b,66cおよび66d(各々が段階的に相遅れの状態にある4つの箇所)において放射パッチに給電する。給電ネットワーク12(
図1)は、給電プローブ36a,36b,36cおよび36dの各々の各々の相を制御するための1つ以上の種々の要素(図示せず)を含むものであってよく、かかる要素としては、制限されるわけではないが、例えばバラン、ハイブリッド・カプラー、遅延線および/またはそれに類するものを挙げることができる。正方形または矩形状のx−y断面のパッチアンテナに対して、給電プローブ36a,36b,36cおよび36dの相対的な間隔および相遅れは、略等しい電力振幅を有するものの互いに相遅れがある2つの異なるモード(例えば直交モードであって、限定されるわけではないが、TM
010およびTM
001)を活性化する。異なるモードは別個に放射を行い、時間的に回転する磁場を生じるように組み合わせ、それによって、略円形の偏波した電磁波を生じる。円形のx−y断面のパッチアンテナに対して、4つの給電プローブ36a,36b,36cおよび36dの相対的間隔および相遅れは、円形の電界分布を有する単一のモード(例えば、限定するわけではないがTM
110,TM
210,TM
310,またはTM
410などのモード)。時間的な電磁場の回転は円形偏波の電磁波を生じる。他のx−y断面のパッチアンテナは、マルチのモードの組合せ活性化することを通じて電磁波の回転を生じさせる。
【0036】
基板ボディ38に沿った間隔および隣接する給電プローブ36の位置の間の相遅れは、1つ以上の所定モードで作動すべくパッチアンテナ18を構成するように選択され得る。パッチアンテナ18は、いずれのモード(例えば、限定されるわけではないがTM
110,TM
210,TM
310,TM
410および/またはそれに類するモード)で作動し得る。例示される態様のパッチアンテナ18では、基板32の外周部50に沿って略90°離れるように給電プローブ36の間隔を空けることによって、また、90°のプログレッシブ相シフトを有する放射パッチ34に給電するように給電プローブ36が構成されるように給電プローブ36の相を制御することによって、TM
110のモードに対する円偏波が達成される。換言すれば、給電プローブ36が放射パッチ34の中央から互いに略等しい間隔で外周部50に沿って離隔しており、それによって、外周部に沿った隣接する給電プローブ36が互いに略90°の相シフト遅れるようになっている。例えば、
図3に示すように、給電プローブ36a,36b,36cおよび36dは、それぞれ、略0°、略90°、略180°、略270°の角度方向を有しており、また、給電プローブ36a,36b,36cおよび36dは、それぞれ、略0°、略90°、略180°、略270°の面を有している。
【0037】
例示される態様のパッチアンテナ18は、放射パッチ34を活性化させるために、4つの給電プローブ36a,36b,36cおよび36dを含んでいるものの、別法にてパッチアンテナ18が3つのみの給電プローブ36または4つよりも多い給電プローブ36を使用できることも考えられる。3つ又は4よりも多い給電プローブ36が使用される態様では、外周部に沿った隣接する給電プローブ36が互いに所定の相シフト遅れるようになるように、給電プローブ36が放射パッチ34の中央から互いに略等しい間隔で基板ボディ38に沿って離隔したものであってよい。更に、給電プローブ36に加えて、パッチアンテナ18は、基板ボディ38内に位置付けられた1つ以上の付加的な導電性ピン(例えば、
図3に示すような導電性ピン39)を含むものであってよい。導電性ピン39は中央軸30に沿った長さを有するように延在している。導電性ピン39が基板ボディ38の中央に位置付けられるように中央軸30と整列するように示されているものの、導電性ピン39は、基板ボディ38に沿って他のx−y位置に位置付けられたものであってよい。更に、導電性ピン39はいずれの長さで延在していてよく、また、基板ボディ38の厚さT(
図2)に沿ったいずれの位置に位置付けられるものであってよい。例示される態様の導電性ピン39では、導電性ピン39はサイド40からサイド42までの厚さTの略全部に沿って延在している。導電性ピン39は、中央軸30に対して基板ボディ38内においていずれの向きを有する。
【0038】
他の態様では給電プローブ36の他の間隔パターンが用いられ得る。例えば、
図4はパッチアンテナ118の別の例示的な態様の平面図を示している。パッチアンテナ118は、誘電体基板132,誘電体基板132上に位置する放射パッチ134、および、4つの給電プローブ136(即ち、給電プローブ136a,136b,136cおよび136d)を含んでいる。グランド面116は、パッチアンテナ118の要素とみなすことができ、あるいは、そのような要素とみなされない場合もある。
【0039】
図4に見られるように、4つの給電プローブ136a,136b,136cおよび136dは、基板132のボディ138の外周部150の周りに離隔した関係で位置付けられている。例示される態様のパッチアンテナ118では、外周部150に沿った間隔および給電プローブ136間の相遅れはパッチアンテナ18がモードTM
210で作動すべく構成されるように選択されている。給電プローブ136a,136b,136cおよび136dが、それぞれ略0°、略135°、略180°、略315°の角度方向を有し、また、それぞれ略0°、略90°、略0°、略90°の面を有するように、外周部150沿いに給電プローブ同士136が離隔され、それら給電プローブ136の相が制御されることによって、TM
210のモードのための円偏波が達成される。
【0040】
更に、例えば、
図5は、モードTM
310で作動すべく構成されたパッチアンテナ218の別の例示態様の平面図である。パッチアンテナ218は、誘電体基板232,誘電体基板232上に位置する放射パッチ234、および、4つの給電プローブ236を含んでいる。4つの給電プローブ236a,236b,236cおよび236dは、基板232のボディ238の外周部250の周りに離隔した関係で位置付けられている。外周部250に沿った間隔および給電プローブ236間の相遅れはパッチアンテナ218がモードTM
310で作動すべく構成されるように選択されている。給電プローブ236a,236b,236cおよび236dが、それぞれ略0°、略150°、略180°、略335°の角度方向を有し、また、それぞれ略0°、略90°、略180°、略270°の面を有するように、外周部250沿いに給電プローブ236が離隔され、それら給電プローブ236の相が制御されることによって、TM
310のモードのための円偏波が達成される。グランド面216は、パッチアンテナ218の要素とみなすことができ、あるいは、そのような要素とみなされない場合もある。
【0041】
図6は、モードTM
410で作動すべく構成されたパッチアンテナ318の別の例示態様の平面図である。パッチアンテナ318は、誘電体基板332,誘電体基板332上に位置する放射パッチ334、および、4つの給電プローブ336を含んでいる。4つの給電プローブ336a,336b,336cおよび336dは、基板332のボディ338の外周部350の周りに離隔した関係で位置付けられている。外周部350に沿った間隔および給電プローブ336間の相遅れはパッチアンテナ318がモードTM
410で作動すべく構成されるように選択されている。給電プローブ336a,336b,336cおよび336dが、それぞれ略0°、略112.5°、略180°、略292.5°の角度方向を有し、また、それぞれ略0°、略90°、略0°、略90°の面を有するように、外周部350沿いに給電プローブ336が離隔され、それら給電プローブ336の相が制御されることによって、TM
410のモードのための円偏波が達成される。グランド面316は、パッチアンテナ318の要素とみなすことができ、あるいは、そのような要素とみなされない場合もある。
【0042】
ここで、
図2およびにパッチアンテナ18に関して説明する。パッチアンテナ18は、動作中、RF波を環境中に送信したり、および/または、環境中からRF波を受信したりする。具体的には、パッチアンテナ18は誘電体装荷空洞と似ている。パッチアンテナ18内の電磁場は、空洞共振器としてパッチアンテナ18を扱うことによってみることができる。給電プローブ36は、非所望の空洞モードを抑えつつも所望の空洞モードを効率的に活性化させるように構成され得る。空洞内の所望モードの電界分布の最大にて給電プローブ36が比較的良くパッチアンテナ18に結合する際にパッチアンテナ18の所望の空洞モードが活性化される。給電プローブ36は、パッチアンテナ18と処理システム22(
図1)との間で比較的効率的なインピーダンス整合を供し得る。更に、給電プローブ36は、給電プローブ36の入力リアクタンスが最小限化するように構成されている。給電プローブ36の付加的な長さLは給電プローブ・インダクタンスを増加させる一方、放射パッチ34および/またはグランド面16に対する給電プローブ36の距離が給電プローブ36のキャパシタンスを増加させる。給電プローブ36の長さLおよび/または高さH
1を調整することは、給電プローブ36のリアクタンスを最小限にすることを可能とし得、パッチアンテナ18の性能を増加させ得る。パッチアンテナの「性能」は、所望モードを活性化しつつも非所望のモード(例えば高次モード)を抑えるパッチアンテナ18の能力を意味している。
【0043】
パッチアンテナ18はいずれの周波数でも作動し得る。「作動する」とは、パッチアンテナ18が特定の周波数でRF波を送信および/または受信できることを意味している。パッチアンテナ18の作動周波数の例としては、特に制限されるわけではないが、略0.5GHzよりも大きい周波数、略1.00GHzよりも大きい周波数、略3.00GHzよりも大きい周波数、略2.00GHzよりも大きい周波数、略1.00GHz〜略2.00GHzの周波数などを挙げることができる。パッチアンテナ18は、いずれのバンド幅を有する周波数バンドにわたって作動し得る。パッチアンテナ18の作動周波数バンドのバンド幅の例としては、特に制限されるわけではないが、略100MHz、略400MHz、略500MHz、略600MHzおよび/またはそれに類するものを挙げることができる。パッチアンテナ18は、少なくとも幾つかの既知のパッチアンテナ18と比べてより大きいバンド幅を有し得る。例えば、幾つかの既知のパッチアンテナ18はわずかに略5MHzのバンド幅を有する一方、他の既知のパッチアンテナ18は24MHzまでのバンド幅を有し得る。
【0044】
パッチアンテナ18の種々のパラメーターは、パッチアンテナ18に所定の動作周波数および/または所定のバンド幅を供するように選択され得る。例えば、放射パッチ34の直径DIA、基板ボディ38の直径DIA
1(上述したように厚さTに沿って可変または一定であり得る直径DIA
1)、基板ボディ38の厚さTの値、および/または、基板ボディ38の誘電率は、パッチアンテナ18に所定の動作周波数および/または所定のバンド幅を供するように選択され得、例えば、少なくとも既知のパッチアンテナに対して大きいバンド幅および/または小さいサイズとなるように選択され得る。ある態様では、基板ボディ38の厚さTは、基板2における波長の少なくとも略0.2倍である。略0.05波長〜略0.7波長よりも大きいパッチアンテナ18の基板厚さTは、パッチアンテナ18が少なくとも幾つかの既知のパッチアンテナ18のバンド幅よりも大きいバンド幅を有することを容易にし得る。パッチアンテナ18のバンド幅は、基板ボディ38誘電率の平方根に逆比例し、基板ボディ38の厚さTに直接的に比例する。
【0045】
更に、給電プローブ36の種々のパラメーターは、パッチアンテナ18に所定の動作周波数および/または所定のバンド幅を供するように選択され得る。給電プローブ36のかかる種々のパラメーターの例としては、特に制限されるわけではないが、使用される給電プローブ36の数、基板ボディ38内に延在する各給電プローブ36の深さDEP
1、開口部64の高さH
1、基板ボディ38内に延在するピン52の角度、ピン52のサイズ(例えば直径)、ピン52が開口部64内で基板ボディ38と係合しているか否か、開口部64内でのピン52と基板ボディ38との離隔量、および/またはそれらに類するものを挙げることができる。上述したように、(例えば、単に2つの給電プローブ36を使用することと比べて)4つの給電プローブ36を含めることは、パッチアンテナ18が少なくとも幾つかの既知のパッチアンテナ18のバンド幅よりも大きいバンド幅を有することを容易にし得る。例えば、アンテナ・アッセンブリ14(
図1)において、4つの給電プローブ36を含めることは、2つのみの給電プローブ36を含めることと比較して、パッチアンテナ18間の相互の結合をより大きく減じ得る。更に、例えば、4つの給電プローブ36を含めることは、非所望のモード(例えば高次モード)を抑制し得、放射純度の向上につながり得る。
【0046】
パッチアンテナ18はいずれのサイズをも有し得る。例えば、パッチアンテナ18の全体的なx寸法、パッチアンテナ18の全体的なy寸法、放射パッチ34の寸法DIA、基板ボディ38の寸法DIA
1(上述したように厚さTに沿って可変または一定となり得る寸法)は、各々、いずれの値をも有し得る。パッチアンテナ18の全体的なx寸法、パッチアンテナ18の全体的なy寸法、放射パッチ34の寸法DIA、基板ボディ38の寸法DIA
1の各々の値を例示すると、制限されるわけではないが、略102mm(4インチ)未満、略76mm(3.0インチ)未満、略51mm(2.0インチ)未満、略102mm(4.0インチ)未満、略35.6mm(1.4インチ)〜略40.6mm(1.6インチ)、および/またはそれに類するものを挙げることができる。直径DIAおよびDIA
1につき本明細書で述べられる例示的な寸法は、パッチアンテナ18が非円形なx−y面に沿った断面形状を有する態様において、パッチアンテナ18のいずれの長さおよび/または幅に応用することができる。例えば、少なくとも幾つかの既知のパッチアンテナ18は、少なくとも76mm(3.0インチ)の幅、長さ、および/または直径を有している。
【0047】
パッチアンテナ18の種々のパラメーターは、パッチアンテナ18に所定のサイズを供するように選択され得るものであり、例えば直径DIAおよびDIA
1の所定の値を供するように選択され得るものである。例えば、基板ボディ38の誘電率は、パッチアンテナ18に所定のサイズを供するにように選択され得るものであり、例えば、少なくとも幾つかの既知のパッチアンテナと比べて減じられたサイズを供するように選択され得るものである。一般的に、パッチアンテナ18の所与の共鳴振動数に対しては、放射パッチ34の直径DIAは基板ボディ38の誘電率の平方根に逆比例しており、それによって、誘電率が増加するに伴ってパッチアンテナ18のサイズが減じられるようになっている。更に、パッチアンテナ18の幅、長さおよび/または直径は、周波数バンドの中央にて略半波長となっている。従って、基板ボディ38の誘電率が増加すれば、パッチアンテナ18の波長が減じられ、それによって、パッチアンテナ18の全体的なx寸法および/またはy寸法(例えば、全体的な長さ、全体的な幅、および/または全体的は直径)の低減が可能となる。一般的に、誘電率の増加に伴ってパッチアンテナのバンド幅が減じられることになるようにパッチアンテナのバンド幅はパッチアンテナの基板の誘電率に逆相関している。しかしながら、パッチアンテナ18では、そのようなバンド幅のロスは、基板ボディ38の厚さTの増加によって補填することができる。
【0048】
図7は、パッチアンテナ418の別の例示的な態様の斜視図であり、パッチアンテナ418の給電プローブ436と基板432との間のインターフェースのアレンジメントの別の例示的な態様を示している。パッチアンテナ418は、中央軸430に沿った高さを有するように延在しており、誘電体基板432,誘電体基板432上に位置する放射パッチ434、および、複数の給電プローブ436を含んでいる。
図7に示されるグランド面416は、パッチアンテナ418の要素とみなすことができ、あるいは、そのような要素とみなされない場合もある。
【0049】
パッチアンテナ418の基板432は、対向するサイド440および442を含んだボディ438を有している。基板ボディ438は、サイド440からサイド442まで中央軸430に沿って厚さTを有するように延在している。基板ボディ438はサイド440からサイド442までボディ438の厚さに沿って延在する側壁444を1つ以上含んでいる。基板ボディ438の側壁444は、その基板ボディ438の外周部450を規定する外面448を有している。基板ボディ438のサイド442がグランド面416と物理的に係合するように基板432はグランド面416に位置付けられている。放射パッチ434は、サイド442と対向する基板ボディ438のサイド440に位置付けられている。基板ボディ438のサイド440は“第1サイド”と称され得る一方、基板ボディ438のサイド442は“第2サイド”と称され得る。
【0050】
基板432は、基板ボディ438の側壁444に位置付けられた導電性ストリップ(electrically conductive strip)470を含んでいる。導電性ストリップ470は、
図7に示すように、基板ボディ438の外周部450に沿って離隔している。例示する態様のパッチアンテナ418では、各々の給電プローブ436は、端部454からその反対の端部456までの長さを有するように延在する略真直ぐのピン(approximately straight pin)452を含んでいる。各々のピン452の端部454は給電ネットワーク12(
図1)に電気的に接続されている。例示される態様の給電プローブ436では、各々のピン452の端部454は、給電ネットワーク12への電気接続のためグランド面416のサイド464にて露出している。
【0051】
ピン452は、サイド464とは反対側のグランド面416のサイド474に延在するピン452のセグメント472に沿って基板432とインターフェースをとっている。ピン452の長さは、中央軸430に沿って延在しており、それゆえ、ボディ438の厚さに沿って延在している。各々のピン452のセグメント472が対応するストリップ470に電気的に接続されることになるように、ピン452は基板ボディ438の外周部150の周りに位置付けられている。例示される態様のパッチアンテナ418では、ピン452は、対応するストリップ470に電気的に接続されるように当該ストリップ470にハンダ付けされている。しかしながら、ハンダの使用に加えて又はそれに代えて、ピン・セグメント472は、他のいずれかのアレンジメントを用いて対応するストリップ470に電気的に接続されていてよい(特に制限するわけではないが、部率的に接触による接続や、導電性エポキシをした接続、および/またはそれに類するものを挙げることができる)。
【0052】
図8は、パッチアンテナ518の更に別の例示的な態様の斜視図であり、パッチアンテナ518の給電プローブ536と基板532との間のインターフェースのアレンジメントの別の例示的な態様を示している。パッチアンテナ518は、誘電体基板532,誘電体基板532上に位置する放射パッチ534、および、複数の給電プローブ536を含んでいる。
図8に示されるグランド面516は、パッチアンテナ518の要素とみなすことができ、あるいは、そのような要素とみなされない場合もある。
【0053】
パッチアンテナ518の基板532は、基板ボディ538のサイド540から基板ボディ538の反対側のサイド542までの厚さを有するように中央軸530に沿って延在している。基板ボディ538は、サイド540からサイド542まで延在する1つ以上の側壁544を含んでいる。基板ボディ538の側壁544は、その基板ボディ538の外周部550を規定する外面548を有している。基板ボディ538のサイド542がグランド面516と物理的に係合するように基板532はグランド面516に位置付けられている。放射パッチ534は、サイド542と反対側の基板ボディ538のサイド540に位置している。基板ボディ538のサイド540は“第1サイド”と称され得る一方、基板ボディ538のサイド542は“第2サイド”と称され得る。
【0054】
基板ボディ538は、基板ボディ538のサイド542内に延在する開口部564を含んでいる。
図8では分かり易さの観点から開口部564の幾つかの構造は、その一部分のみを示している。
図8に示すように、開口部564は、基板ボディ538の外周部550に沿って互いに離隔している。各開口部564は基板ボディ538内に深さを有するように延在し得る。例示される態様の基板532では、開口部564は中央軸530に対して略平行な角度を成すように基板ボディ538内に延在している。しかしながら、対応する給電プローブ536が本明細書で説明される及び/または示されるように機能するように中央軸530に対して他の角度を成すように各々の開口部564が基板ボディ538内に延在していてよい。例えば、中央軸530に対して略0°〜略90°の角度もしくは略90°〜略180°の角度を成すように各々の開口部564が基板ボディ538内に延在していてよい。
【0055】
例示する態様のパッチアンテナ518では、各々の給電プローブ536は、端部554からその反対の端部556までの長さを有するように延在する略真直ぐのピン552を含んでいる。
図8では分かり易さの観点から端部554の一部のみが示されている。各々のピン552の端部554は給電ネットワーク12(
図1)に電気的に接続されている。例示される態様の給電プローブ536では、各々のピン552の端部554が、給電ネットワーク12への電気接続のためグランド面516のサイド564にて露出している。
【0056】
ピン552はグランド面516の対応するスルー開口部562を通ように延在している。
図8では分かり易さの観点から開口部564の幾つかの構造は、その一部分のみを示している。ピン552の端部556は基板532とインターフェースをとっている。具体的には、
図8に示されるように、隣接する給電プローブが基板ボディ538に沿って互いに離隔することになるようにピン552の端部556は基板ボディ538に対して位置付けられている。各々のピン552の端部556は、基板ボディ538の対応する開口部564内で受容される。ピン552の端部556が開口部564内で受容されるように各々のピン552が対応する開口部564内へと延在している。従って、各々のピン552は、基板ボディ538のサイド542を通るように基板ボディ538内へと延在している。各々のピン552は、対応する開口部564内へと深さを有するように延在し得る。各々のピン552は、対応する開口部564内にて基板ボディ538との物理的な接触が外されているものであってよく、あるいは、対応する開口部564内にて基板ボディ538との物理的な接触がなされているものであってよい。
【0057】
図9は、パッチアンテナ18の1つの例示的な態様の斜視図である。
図10は、
図9に示すパッチアンテナ18の立体図である。ここで、
図9および
図10を参照すると、パッチアンテナ18は、中央軸30に沿って高さHを有するように延在している。パッチアンテナ18は、誘電体基板32,誘電体基板32上に位置する放射パッチ34、および、複数の給電プローブ36を含んでいる。
図9および
図10に示されるグランド面16は、パッチアンテナ18の要素とみなすことができ、あるいは、そのような要素とみなされない場合もある。給電プローブ36は、放射パッチ34を活性化させるため(即ち、放射パッチ34にエネルギーを与えるため)、給電ネットワーク12(
図1)と電気的に接続されている。給電プローブ36によって活性化されると、パッチアンテナ18は共鳴して、RF波の送信および/または受信を行う。
【0058】
パッチアンテナ18の基板32は、対向するサイド40および42を含んだボディ38を有している。基板ボディ38は、サイド40からサイド42まで中央軸30に沿って厚さTを有するように延在する。基板ボディ38は直径DIA(
図9では示さず)を有している。基板ボディ38はサイド40からサイド42までボディ38の厚さTに沿って延在する側壁44を1つ以上含んでいる。例示的な態様の基板32では、x−y平面(中央軸30に略垂直に延在する面)に沿って切り取った基板ボディ38の断面は円形を有している。従って、基板ボディ38は、例示の態様において単一の連続的な側壁44を含んでいる。しかしながら、基板ボディ38は、より多くの数の側壁44を含んでいてよく、基板ボディ38のx−y平面に沿って切り取られる断面形状が種々になっていてよい。本明細書では、基板ボディ38のサイド40は“第1サイド”と称する一方、基板ボディ38のサイド42は“第2サイド”と称する。
【0059】
基板ボディ38の側壁44は、その基板ボディ38の外周部50を規定する外面48を有している。具体的には、外周部50は、ラディアル外周部50であり、外面48が、中央軸30に対して放射方向に最も外側に延在するボディ38の部分を規定している。外周部50は複数の側壁44の外面48によって規定されており、基板ボディ38の断面が1つよりも多い壁44を備えたボディ38を供することを理解されよう。
【0060】
基板ボディ38は、ボディ38の厚さTを通るように延在するスルー開口部52を含んでいる。具体的には、各々のスルー開口部52はサイド40と42との間で延在しており、サイド40とサイド42との間においてボディ38を完全に通るように延在している。以下で説明するように、スルー開口部52は、その中で給電プローブ36を受けるように構成されている。円筒形(即ち、円形の断面)を有するように示しているものの、スルー開口部52の各々はいずれの断面形状をも有し得る(スルー開口部52の形状が対応する給電プローブ36の形状と同じか否かによらず、いずれの断面形状を有し得る)。例えば、特に制限されるわけではないが、正方形状、矩形状、楕円形(または卵形)、閉鎖的な曲線、4つよりも多い側部を有する形状、および/またはそれらに類する形状をスルー開口部52の各々は有し得る。なお、4つのスルー開口部52が示されているものの(
図10ではその図面の向きに起因して3つしか示されていない)、基板ボディ38には、いかなる数の給電プローブ36を受けるためのスルー開口部52はいかなる数含まれていてもよい。
【0061】
基板32のボディ38は固体のボディである。ここでいう「固体」とは、基板ボディ38の少なくとも大部分の材料が固体相であることを意味している。基板30の固体ボディ38は、非固体ボディ(ボディの材料の大部分がガス相および/または液体相となっている非固体ボディ)と区別することができる。ここでいう「固体ボディ」は、ガス相(例えば、空気および/またはそれに類するもの)の材料を有する1つ以上の部分、および/または、液体相(例えば、水および/またはそれに類するもの)の材料を有する1つ以上の部分を含んだものであってよい。例えば、そのようなガス相および/または液体相の材料を有する1つ以上の部分は、固体ボディの1つ以上の内側ポケット(図示せず)の中に含まれていてよい。例示する態様の基板32では、基板ボディ38の略全ての材料が固体相となっている。しかし、上記説明から分かるように、別法において、基板32のボディ38は、ガスおよび/または液体の材料から成る1つ以上を含んでいるものであっても、「固体ボディ」とみなされる。
【0062】
基板ボディ38は、空気の誘電率よりも大きい誘電率をオプション的に有している。具体的には、空気はおよそ1.001の誘電率を有している。ある態様では、基板ボディ38はおよそ1.001よりも大きい誘電率を有していてよい。ある態様では、基板32のボディ38は、およそ2.0よりも大きい誘電率、およそ6.0よりも大きい誘電率、および/または、およそ10.0よりも大きい誘電率の誘電率を有している。他の態様では、基板ボディ38は、空気の誘電率と略等しい誘電率を有している。基板ボディ38はいずれの材料から作製されてもよい。基板ボディ38の適当な材料としては、制限されるわけではないが、セラミック、ゴム、フルオロポリマー、複合材料、ファイバー・ガラス、プラスチック、および/またはそれに類するものを挙げることができる。基板ボディ38の非制限的な例として、基板ボディ38がセラミックから作製されており、およそ13.0の誘電率を有している。
【0063】
上述したように、基板32の例示的な態様では、x−y平面で切り取った基板ボディ38の断面が円形を有している。しかしながら、x−y平面で切り取られる基板ボディ38の断面形状は、付加的に又は代替的に他の形状であってもよい。x−y平面で切り取られる基板ボディ38の断面形状の他の例としては、特に制限されるわけではないが、正方形状、矩形状、楕円形(または卵形)、閉鎖的な曲線、三角形、台形、4つよりも多い側部を有する形状、および/またはそれらに類するものを挙げることができる。更に、厚さTに沿って略一定であるように示されているものの、基板ボディ38の直径DIAは、厚さTに沿って可変なものであってもよい。換言すれば、基板ボディ38の直径DIAはx−z面および/またはy−z面に沿って切り取られた基板ボディ38の断面内において可変であってよい。例えば、厚さTはグランド面16から放射パッチ34へと延在するので、直径DIA
1が漸次小さくなるか、または、漸次大きくなるようにテーパ状であってよい。x−z面および/またはy−z面に沿って切り取られた基板32の断面形状の例としては、制限されるわけではないが、台形、三角形、砂時計形状、および/またはそれに類する形状を挙げることができる。
【0064】
図2に示すように、基板ボディ38のサイド42がグランド面16と物理的に係合するようにパッチアンテナ18の基板32はグランド面16に位置付けられている。換言すれば、グランド面16は、基板ボディ38の基板ボディ38のサイド42に位置付けられている。放射パッチ34は、サイド42と対向する基板ボディ38のサイド40に位置付けられている。このような基板ボディ38の厚さTによって、放射パッチ34がグランド面16から離隔するようになっている。放射パッチ34は、直径DIA
1(
図9では示さず)および厚さT
1を有している。
【0065】
放射パッチ34は、導電性を呈するものであり、いずれの導電性材料から形成してよい。導電性材料としては、制限されるわけではないが、例えば、銅、金、銀、アルミニウム、錫および/またはそれに類するものが挙げられる。放射パッチ34の直径DIA
1および厚さT
1は、各々、本明細書で説明される及び/または示されるようにパッチアンテナ18が機能できるような適当な値を有するものであってよい。x方向およびy方向にて基板ボディ38と略同じサイズを有するように示されているものの、放射パッチ34は、x方向に基板ボディ38よりも大きく若しくは小さくなっていてもよく、および/または、y方向に基板ボディ38よりも大きく若しくは小さくなっていてもよい。例えば、放射パッチ34の直径DIA
1は基板ボディ38の直径DIAと略同じ値を有するように示されているものの、放射パッチ34の直径DIA
1が基板ボディ38の直径DIAよりも大きくてもよいし、あるいは、それよりも小さくてもよい。更に、基板ボディ38のx−y断面と同じ一般的な円形断面形状を有するように示されているものの、別法にて放射パッチ34は基板ボディ38のx−y断面とは異なる断面形状を有するものであってもよい。x−y面に沿って切り取った放射パッチ34の断面形状の他の例としては、特に制限されるわけではないが、正方形状、矩形状、楕円形(または卵形)、閉鎖的な曲線、三角形、台形、4つよりも多い側部を有する形状、および/またはそれらに類するものであってよい。
【0066】
放射パッチ34は、その厚さT
1を通るように延在する穴54を含んでいる。
図9および
図10にて分かるように、放射パッチ34の各穴54は基板ボディ38の対応するスルー開口部52と整列している。円筒形(即ち、円形の断面)を有するように示しているものの、穴54の各々はいずれの断面形状をも有し得る。例えば、特に制限されるわけではないが、正方形状、矩形状、楕円形(または卵形)、閉鎖的な曲線、4つよりも多い側部を有する形状、および/またはそれらに類する形状を各穴54は有し得る。なお、
図9に示されるように、放射パッチ34が4つの穴54を含むように示されている。しかしながら、放射パッチ34はいずれの数の穴54を含むものであってもよい。
【0067】
グランド面16は、いずれの導電性材料から形成してよく、かかる導電性材料として、制限されるわけではないが、例えば銅、金、銀、アルミニウム、錫および/またはそれに類するものが挙げられる。パッチアンテナ18の例示的な態様では、グランド面16はx方向およびy方向の双方において放射パッチ34よりも大きくなっている。しかしながら、グランド面16は、x方向にて放射パッチ34よりも小さくてよく、若しくは、それと略同じサイズであってよく、および/または、y方向にて放射パッチ34よりも小さくてよく、若しくは、それと略同じサイズであってよい。グランド面16がアンテナ・アッセンブリ14(
図1)の1つのパッチアンテナ18よりも多くに共通するか否かで、本明細書で説明される及び/または示されるようにパッチアンテナ18が機能できる放射パッチ18に対して、グランド面16のx方向のサイズおよびY方向のサイズはいずれのものであってよい。x−y面に沿って切り取った断面形状が円形を有するように示しているものの、別法にてグランド面16はそれとは異なる形状を有するものでもよい。例えば、特に制限されるわけではないが、正方形状、矩形状、楕円形(または卵形)、閉鎖的な曲線、三角形、台形、4つよりも多い側部を有する形状、および/またはそれらに類するものであってよい。
【0068】
グランド面16は厚さT
2を有している。グランド面16は、その厚さT2を通るように延在する穴56を有している。グランド面16の各穴56は基板ボディ38の対応する開口部52と整列している。例示される態様のグランド面16では、
図9に示されるように、グランド面16が4つの穴56を含んでいる。しかしながら、グランド面16はいずれの数の穴56を含むものであってもよい。円筒形(即ち、円形の断面)を有するように示しているものの、穴56の各々はいずれの断面形状をも有し得る。例えば、特に制限されるわけではないが、正方形状、矩形状、楕円形(または卵形)、閉鎖的な曲線、4つよりも多い側部を有する形状、および/またはそれらに類する形状を各穴56は有し得る。
【0069】
上述したように、給電プローブ36は放射パッチ34を活性化させるために給電ネットワーク12と電気的に接続されている。各々の給電プローブ36は導電性パス58を含んでいる。導電性パス58は、基板ボディ38の第2サイド42から第1サイド40まで基板ボディ38の対応するスルー開口部52内を延在している。それによって、各導電性パス58は、基板ボディ38の厚さTの略全体に沿って延在している。例示される態様の給電プローブ36では、各々の導電性パス58は、端部60とそれに対向する端部62との間で長さを有するように延在する略真直ぐの導電性ピン58である。オプションとしては、各導電性ピン58の端部60および/または端部62は、基板ボディ38のそれぞれのサイド40および42を超えるように延在している。各導電性ピン58はいずれの長さをも有し得る。導電性ピン58に代えて、各給電プローブ36の導電性パス58は電気的ビア(例えば、
図18に示されるめっきされた電気的ビア658)によって規定されるものであってよい。かかる電気的ビアとしては、制限されるわけではないが、めっきされた電気的ビア、充填された電気的ビア、および/またはそれに類するものを挙げることができる。
【0070】
放射パッチ34の各穴54は、基板ボディ38のサイド40に沿って対応する導電性ピン58の端部60を露出する。換言すれば、導電性ピン58の端部60は、穴54を介して基板ボディ38のサイド40に沿って露出している。オプションとして、導電性パッド64が基板ボディ38のサイド40に位置付けられている。各導電性パッド64は対応する穴54内に位置付けられており、対応する導電性ピン58の端部60に電気的に接続されている(例えば、各導電性パッド64が対応する導電性ピン58の端部60と物理的に接触している、ハンダ付けされている、および/またはそれに類するものがなされている)。
図9および
図10に示されるように、導電性パッド64と放射パッチ34との間で延在する半径方向(放射方向)のクリアランス66を有するように、導電性パッド64は穴54内にて放射パッチ34と離隔している。具体的には、
図10を参照すると(分かり易さの観点からここでは
図10のみを参照する)、各半径方向のクリアランス66は、対応する導電性パッド64の側壁68と、対応する穴54を規定する放射パッチ34の側壁70との間で延在している。穴54、導電性パッド64、半径方向のクリアランス66は、各々、全体としていずれのサイズをも有し得、また、相互の関係において相対的ないずれのサイズをも有し得る。
【0071】
グランド面16の各々の穴56は、基板ボディ38の第1サイド42に沿って、対応する導電性ピン58の端部62を露出する。換言すれば、導電性ピン58の端部62は穴56を介して基板ボディ38のサイド42に沿って露出している。サイド42に沿った端部62の露出は、導電性ピン64の給電ネットワーク12への電気的な接続を可能とする。ある態様では、端部62が給電ネットワーク12への電気的な接続のためのグランド面16のサイド72にて露出するように導電性ピン58の端部62はグランド面16の穴56を通るように延在する。他の態様では、上述の導電性パッド64と実質的に同様の手法および構成でもって、導電性パッド(図示せず)は導電性ピン58の端部62と電気的接続するように穴56内に位置付けられている(例えば、導電性パッドが導電性ピン58の端部62と物理的に接触している、ハンダ付けされている、および/またはそれに類するものがなされている)。導電性ピン58が給電ネットワーク12に電気的に接続されるように、穴56内にて延在する導電性パッドは給電ネットワーク12に電気的に接続されている。導電性パッドが穴56内に位置付けられている態様では、導電性パッドと放射パッチ16との間で延在する半径方向(放射方向)のクリアランス(図示せず)を有するように、導電性パッドは穴56内にてグランド面16と離隔している。導電性ピン58の端部62を給電ネットワーク12に電気的に接続するための他のアレンジメントも可能である。穴56、導電性パッド64、半径方向のクリアランスは、各々、全体としていずれのサイズをも有し得、相互の関係において相対的ないずれのサイズをも有し得、また、いずれの形状をも有し得る。グランド面16には、いかなる数の導電性ピン58のための穴56はいかなる数含まれていてもよい。
【0072】
図9および
図10を参照して説明する。円筒形(即ち、円形の断面)を有するように示しているものの、導電性ピン58の各々はいずれの断面形状をも有し得る。例えば、特に制限されるわけではないが、正方形状、矩形状、楕円形(または卵形)、閉鎖的な曲線、4つよりも多い側部を有する形状、および/またはそれらに類する形状を各導電性ピン58は有し得る。
【0073】
図11は、
図9および
図10に示されるパッチアンテナ18の平面図である。給電プローブ36の導電性ピン58は、円偏波した放射パターンを生じるように放射パッチに電磁結合しており、それによって、パッチアンテナ18が円偏波した電磁波を放射するようになる。完全に環状の放射パターンおよび電磁波に加えて、本明細書で用いられる「円偏波した放射パターン」および「円偏波した電磁波」は、それぞれ、完全に円形状を有さない放射パターンおよび電磁波を含んでおり、例えば、限定されるわけではないが楕円形状および/またはそれに類する形状を有する放射パターンおよび電磁波を含んでいる。更に、「電磁的に結合」といった用語は、放射パッチ34と物理的に接触しない給電プローブ36の導電性ピン58を示すものを意図している。
【0074】
隣接する給電プローブ36が基板ボディ38に沿って互いに離隔するように、例示される態様のパターンアンテナ18は基板ボディ38に対して位置付けられた4つの給電プローブ36a,36b,36cおよび36dを含んでいる。4つの給電プローブ36a,36b,36cおよび36dの各々の活性相および角度方向(即ち、基板ボディ38に沿った間隔パターン)は、円偏波した放射パターンを生じるように選択される。具体的には、4つの給電プローブ36a,36b,36cおよび36dは、略等しい電力振幅の4つのそれぞれの箇所74a,74b,74cおよび74d(各々が段階的に相遅れの状態にある4つの箇所)において放射パッチに給電する。給電ネットワーク12(
図1)は、給電プローブ36a,36b,36cおよび36dの各々の各々の相を制御するための1つ以上の種々の要素(図示せず)を含むものであってよく、かかる要素としては、制限されるわけではないが、例えばバラン、ハイブリッド・カプラー、遅延線および/またはそれに類するものを挙げることができる。正方形または矩形状のx−y断面のパッチアンテナに対して、給電プローブ36a,36b,36cおよび36dの相対的な間隔および相遅れは、略等しい電力振幅を有するものの互いに相遅れがある2つの異なるモード(例えば直交モードであって、限定されるわけではないが、TM
010およびTM
001)を活性化する。異なるモードは別個に放射を行い、時間的に回転する磁場を生じるように組み合わせ、それによって、略円形の偏波した電磁波を生じる。円形のx−y断面のパッチアンテナに対して、4つの給電プローブ36a,36b,36cおよび36dの相対的間隔および相遅れは、円形の電界分布を有する単一のモード(例えば、限定するわけではないがTM
110,TM
210,TM
310,またはTM
410などのモード)。時間的な電磁場の回転は円形偏波の電磁波を生じる。他のx−y断面のパッチアンテナは、マルチのモードの組合せ活性化することを通じて電磁波の回転を生じさせる。
【0075】
基板ボディ38に沿った間隔および隣接する給電プローブ36の位置の間の相遅れは、1つ以上の所定モードで作動すべくパッチアンテナ18を構成するように選択され得る。パッチアンテナ18は、いずれのモード(例えば、限定されるわけではないがTM
110,TM
210,TM
310,TM
410および/またはそれに類するモード)で作動し得る。例示される態様のパッチアンテナ18では、基板ボディ38に沿って略90°離れるように給電プローブ36の間隔を空けることによって、また、90°のプログレッシブ相シフトを有する放射パッチ34に給電するように給電プローブ36が構成されるように給電プローブ36の相を制御することによって、TM
110のモードに対する円偏波が達成される。換言すれば、給電プローブ36が放射パッチ34の中央から互いに略等しい間隔で基板ボディ38に沿って離隔しており、それによって、外周部に沿った隣接する給電プローブ36が互いに略90°の相シフト遅れるようになっている。例えば、
図11に示すように、給電プローブ36a,36b,36cおよび36dは、それぞれ、略0°、略90°、略180°、略270°の角度方向を有しており、また、給電プローブ36a,36b,36cおよび36dは、それぞれ、略0°、略90°、略180°、略270°の面を有している。
【0076】
例示される態様のパッチアンテナ18は、放射パッチ34を活性化させるために、4つの給電プローブ36a,36b,36cおよび36dを含んでいるものの、別法にてパッチアンテナ18が3つのみの給電プローブ36または4つよりも多い給電プローブ36を使用できることも考えられる。3つ又は4よりも多い給電プローブ36が使用される態様では、外周部に沿った隣接する給電プローブ36が互いに所定の相シフト遅れるようになるように、給電プローブ36が放射パッチ34の中央から互いに略等しい間隔で基板ボディ38に沿って離隔したものであってよい。更に、給電プローブ36の導電性パス58に加えて、パッチアンテナ18は、基板ボディ38内に位置付けられた1つ以上の付加的な導電性ピン(例えば、
図11に示すような導電性ピン39)を含むものであってよい。導電性ピン39は中央軸30に沿った長さを有するように延在している。導電性ピン39が基板ボディ38の中央に位置付けられるように中央軸30と整列するように示されているものの、導電性ピン39は、基板ボディ38に沿って他のx−y位置に位置付けられたものであってよい。更に、導電性ピン39はいずれの長さで延在していてよく、また、基板ボディ38の厚さT(
図9および
図10)に沿ったいずれの位置に位置付けられるものであってよい。例示される態様の導電性ピン39では、導電性ピン39はサイド40からサイド42までの厚さTの略全部に沿って延在している。導電性ピン39は、中央軸30に対して基板ボディ38内においていずれの向きを有する。
【0077】
他の態様では給電プローブ36の導電性ピン58の他の間隔パターンが用いられ得る。例えば、
図12はパッチアンテナ118の別の例示的な態様の平面図を示している。パッチアンテナ118は、誘電体基板132,誘電体基板132上に位置する放射パッチ134、および、導電性パス158を有する4つの給電プローブ136(即ち、給電プローブ136a,136b,136cおよび136d)を含んでいる。グランド面116は、パッチアンテナ118の要素とみなすことができ、あるいは、そのような要素とみなされない場合もある。
【0078】
図12に見られるように、4つの給電プローブ136a,136b,136cおよび136dは、基板132のボディ138に沿って離隔した関係で位置付けられている。例示される態様のパッチアンテナ118では、基板ボディ138に沿った間隔および給電プローブ136間の相遅れはパッチアンテナ18がモードTM
210で作動すべく構成されるように選択されている。給電プローブ136a,136b,136cおよび136dが、それぞれ略0°、略135°、略180°、略315°の角度方向を有し、また、それぞれ略0°、略90°、略0°、略90°の面を有するように、基板ボディ138沿いに給電プローブ同士136が離隔され、それら給電プローブ136の相が制御されることによって、TM
210のモードのための円偏波が達成される。
【0079】
更に、例えば、
図13は、モードTM
310で作動すべく構成されたパッチアンテナ218の別の例示態様の平面図である。パッチアンテナ218は、誘電体基板232,誘電体基板232上に位置する放射パッチ234、および、4つの給電プローブ236を含んでいる。導電性パス258を有する4つの給電プローブ236a,236b,236cおよび236dは、基板232のボディ238の周りに離隔した関係で位置付けられている。基板ボディ238に沿った間隔および給電プローブ236間の相遅れはパッチアンテナ218がモードTM
310で作動すべく構成されるように選択されている。給電プローブ236a,236b,236cおよび236dが、それぞれ略0°、略150°、略180°、略335°の角度方向を有し、また、それぞれ略0°、略90°、略180°、略270°の面を有するように、基板ボディ238沿いに給電プローブ236が離隔され、それら給電プローブ236の相が制御されることによって、TM
310のモードのための円偏波が達成される。グランド面216は、パッチアンテナ218の要素とみなすことができ、あるいは、そのような要素とみなされない場合もある。
【0080】
図14は、モードTM
410で作動すべく構成されたパッチアンテナ318の別の例示態様の平面図である。パッチアンテナ318は、誘電体基板332,誘電体基板332上に位置する放射パッチ334、および、導電性パス358を有する4つの給電プローブ336を含んでいる。4つの給電プローブ336a,336b,336cおよび336dは、基板332のボディ338に沿って離隔した関係で位置付けられている。基板ボディ338に沿った間隔および給電プローブ336間の相遅れはパッチアンテナ318がモードTM
410で作動すべく構成されるように選択されている。給電プローブ336a,336b,336cおよび336dが、それぞれ略0°、略112.5°、略180°、略292.5°の角度方向を有し、また、それぞれ略0°、略90°、略0°、略90°の面を有するように、外周部350沿いに給電プローブ336が離隔され、それら給電プローブ336の相が制御されることによって、TM
410のモードのための円偏波が達成される。グランド面316は、パッチアンテナ318の要素とみなすことができ、あるいは、そのような要素とみなされない場合もある。
【0081】
図9および
図10ならびにパッチアンテナ18に関して説明する。パッチアンテナ18は、動作中、RF波を環境中に送信したり、および/または、環境中からRF波を受信したりする。具体的には、パッチアンテナ18は誘電体装荷空洞と似ている。パッチアンテナ18内の電磁場は、空洞共振器としてパッチアンテナ18を扱うことによってみることができる。給電プローブ36は、非所望の空洞モードを抑えつつも所望の空洞モードを効率的に活性化させるように構成され得る。空洞内の所望モードの電界分布の最大にて給電プローブ36が比較的良くパッチアンテナ18に結合する際にパッチアンテナ18の所望の空洞モードが活性化される。給電プローブ36は、パッチアンテナ18と処理システム22(
図1)との間で比較的効率的なインピーダンス整合を供し得る。更に、給電プローブ36は、給電プローブ36の入力リアクタンスが最小限化するように構成されている。導電性ピン58の付加的な長さは給電プローブ・インダクタンスを増加させる一方、半径方向クリアランス(例えば、半径方向クリアランス66)の大きさ、穴54の大きさおよび/または穴56の大きさは給電プローブ36のキャパシタンスを増加させ得る。導電性ピン58の長さ、半径方向クリアランスの大きさ、穴54のサイズ、および/または穴56のサイズを調整することは、給電プローブ36のリアクタンスを最小限にすることを可能とし得、パッチアンテナ18の性能を増加させ得る。パッチアンテナの「性能」は、所望モードを活性化しつつも非所望のモード(例えば高次モード)を抑えるパッチアンテナ18の能力を意味している。
【0082】
パッチアンテナ18はいずれの周波数でも作動し得る。「作動する」とは、パッチアンテナ18が特定の周波数でRF波を送信および/または受信できることを意味している。パッチアンテナ18の作動周波数の例としては、特に制限されるわけではないが、略0.5GHzよりも大きい周波数、略1.00GHzよりも大きい周波数、略3.00GHzよりも大きい周波数、略2.00GHzよりも大きい周波数、略1.00GHz〜略2.00GHzの周波数などを挙げることができる。パッチアンテナ18は、いずれのバンド幅を有する周波数バンドにわたって作動し得る。パッチアンテナ18の作動周波数バンドのバンド幅の例としては、特に制限されるわけではないが、略100MHz、略400MHz、略500MHz、略600MHzおよび/またはそれに類するものを挙げることができる。パッチアンテナ18は、少なくとも幾つかの既知のパッチアンテナ18と比べてより大きいバンド幅を有し得る。例えば、幾つかの既知のパッチアンテナ18はわずかに略5MHzのバンド幅を有する一方、他の既知のパッチアンテナ18は24MHzまでのバンド幅を有し得る。パッチアンテナ18は、基板ボディ38の外面48内に延在するL形状の給電プローブ(図示せず)を含む同様のパッチアンテナよりも動作バンドの点でより少ないバンド幅でしかしより多くのゲインを有し得る。
【0083】
パッチアンテナ18の種々のパラメーターは、パッチアンテナ18に所定の動作周波数および/または所定のバンド幅を供するように選択され得る。例えば、放射パッチ34の直径DIA、基板ボディ38の直径DIA(上述したように厚さTに沿って可変または一定であり得る直径DIA)、基板ボディ38の厚さTの値、および/または、基板ボディ38の誘電率は、パッチアンテナ18に所定の動作周波数および/または所定のバンド幅を供するように選択され得、例えば、少なくとも既知のパッチアンテナに対して大きいバンド幅および/または小さいサイズとなるように選択され得る。ある態様では、基板ボディ38の厚さTは、基板2における波長の少なくとも略0.2倍である。略0.05波長〜略0.7波長よりも大きいパッチアンテナ18の基板厚さTは、パッチアンテナ18が少なくとも幾つかの既知のパッチアンテナ18のバンド幅よりも大きいバンド幅を有することを容易にし得る。パッチアンテナ18のバンド幅は、基板ボディ38誘電率の平方根に逆比例し、基板ボディ38の厚さTに直接的に比例する。
【0084】
更に、給電プローブ36の種々のパラメーターは、パッチアンテナ18に所定の動作周波数および/または所定のバンド幅を供するように選択され得る。給電プローブ36のかかる種々のパラメーターの例としては、特に制限されるわけではないが、使用される給電プローブ36の数、導電性ピン58の長さ、導電性ピン58の大きさ(例えば、直径)導電性ピン58がスルー開口部52内で基板ボディ38と係合するか否か、スルー開口部52内での導電性ピン58と基板ボディ38との離隔量、および/またはそれらに類するものを挙げることができる。上述したように、(例えば、単に2つの給電プローブ36を使用することと比べて)4つの給電プローブ36を含めることは、パッチアンテナ18が少なくとも幾つかの既知のパッチアンテナ18のバンド幅よりも大きいバンド幅を有することを容易にし得る。例えば、アンテナ・アッセンブリ14(
図1)において、4つの給電プローブ36を含めることは、2つのみの給電プローブ36を含めることと比較して、パッチアンテナ18間の相互の結合をより大きく減じ得る。更に、例えば、4つの給電プローブ36を含めることは、非所望のモード(例えば高次モード)を抑制し得、放射純度の向上につながり得る。
【0085】
パッチアンテナ18はいずれのサイズをも有し得る。例えば、パッチアンテナ18の全体的なx寸法、パッチアンテナ18の全体的なy寸法、放射パッチ34の寸法DIA
1、基板ボディ38の寸法DIA(上述したように厚さTに沿って可変または一定となり得る寸法)は、各々、いずれの値をも有し得る。パッチアンテナ18の全体的なx寸法、パッチアンテナ18の全体的なy寸法、放射パッチ34の寸法DIA
1、基板ボディ38の寸法DIAの各々の値を例示すると、制限されるわけではないが、略102mm(4インチ)未満、略76mm(3.0インチ)未満、略51mm(2.0インチ)未満、略102mm(4.0インチ)未満、略35.6mm(1.4インチ)〜略40.6mm(1.6インチ)、および/またはそれに類するものを挙げることができる。直径DIAおよびDIA
1につき本明細書で述べられる例示的な寸法は、パッチアンテナ18が非円形なx−y面に沿った断面形状を有する態様において、パッチアンテナ18のいずれの長さおよび/または幅に応用することができる。例えば、少なくとも幾つかの既知のパッチアンテナ18は、少なくとも76mm(3.0インチ)の幅、長さ、および/または直径を有している。
【0086】
パッチアンテナ18の種々のパラメーターは、パッチアンテナ18に所定のサイズを供するように選択され得るものであり、例えば直径DIAおよびDIA
1の所定の値を供するように選択され得るものである。例えば、基板ボディ38の誘電率は、パッチアンテナ18に所定のサイズを供するにように選択され得るものであり、例えば、少なくとも幾つかの既知のパッチアンテナと比べて減じられたサイズを供するように選択され得るものである。一般的に、パッチアンテナ18の所与の共鳴振動数に対しては、放射パッチ34の直径DIA
1は基板ボディ38の誘電率の平方根に逆比例しており、それによって、誘電率が増加するに伴ってパッチアンテナ18のサイズが減じられるようになっている。更に、パッチアンテナ18の幅、長さおよび/または直径は、周波数バンドの中央にて略半波長となっている。従って、基板ボディ38の誘電率が増加すれば、パッチアンテナ18の波長が減じられ、それによって、パッチアンテナ18の全体的なx寸法および/またはy寸法(例えば、全体的な長さ、全体的な幅、および/または全体的は直径)の低減が可能となる。一般的に、誘電率の増加に伴ってパッチアンテナのバンド幅が減じられることになるようにパッチアンテナのバンド幅はパッチアンテナの基板の誘電率に逆相関している。しかしながら、パッチアンテナ18では、そのようなバンド幅のロスは、基板ボディ38の厚さTの増加によって補填することができる。
【0087】
図15はパッチアンテナ418の別の例示態様の立体図である。
図9は、パッチアンテナの平面図である。パッチアンテナ418は、中央軸430に沿って高さを有するように延在している。パッチアンテナ418は、2つの誘電体基板432,436、2つの放射パッチ434,438、および、複数の給電プローブ436を含んでいる。基板432はグランド面416に位置している。放射パッチ434は基板432に位置している。基板476は放射パッチ434に位置付けられており、放射パッチ478は基板476に位置している。グランド面416は、パッチアンテナ418の要素とみなすことができ、あるいは、そのような要素とみなされない場合もある。本明細書では、基板432を“第1基板”と称する一方、基板476を“第2基板”と称する。また、放射パッチ434を“第1放射パッチ”と称す一方、放射パッチ478を“第2放射パッチ”と称す。
【0088】
基板432および476は、それぞれ、個々のボディ438および480を含んでいる。基板432のボディ438は、ボディ438のサイド440(
図9では示さず)からそれに対向するサイド442(
図9では示さず)まで厚さを有するように延在している。基板432のボディ438は、ボディ438の厚さを通るように延在するスルー開口部452を含んでいる。同様に、基板476のボディ480は、そのサイド482(
図16では表示せず)から対向するサイド484(
図16では表示せず)までの厚さを有するように延在している。基板476のボディ480は、その厚さを通るように延在するスルー開口部486を含んでいる。
図15に示すように、基板432のスルー開口部452は、基板476の対向するスルー開口部486と整列している。本明細書では、基板438のサイド440を“第1サイド”と称す一方、基板438のサイド442を“第2サイド”と称す。また、基板ボディ480のサイド482を“第1サイド”と称す一方、基板480のサイド484を“第2サイド”と称す。
【0089】
図15に最も良く示されているように、グランド面416は、基板432のボディ438のサイド442に位置付けられている一方、放射パッチ434は基板ボディ438の対向するサイド440に位置付けられている。ボディ480のサイド484が放射パッチ434と面するように基板476のボディ480が放射パッチ434に位置付けられている。放射パッチ478は、基板476のボディ480のサイド482に位置付けられている。
【0090】
給電プローブ436は、放射パッチ434を活性化すべく給電ネットワーク12と電気的に接続されるように構成された給電プローブ436a、および、放射パッチ478を活性化すべく給電ネットワーク12と電気的に接続されるように構成された給電プローブ436bを含んでいる。例示される態様の給電プローブ436aでは、各々の給電プローブ436aは、基板432の対応するスルー開口部452内にて延在する略真直ぐの導電性ピン458を含んでいる。同様に、例示される態様の給電プローブ436bでは、各々の給電プローブ436bは、基板476の対応するスルー開口部486内にて延在する略真直ぐの導電性ピン458を含んでいる。4つが示されているものの(
図15では3つのみが示されている)、パッチアンテナ418は、いずれの数の給電プローブ436aおよびいずれの数の給電プローブ436bを含むものであってよい。
【0091】
グランド面416は、その厚さを通るように延在する穴456を有している。
図15に示すように、グランド面416の各穴456は基板ボディ438の対応するスルー開口部452と整列している。放射パッチ434は、その厚さを通るように延在する穴454を含んでいる。放射パッチ434の各穴454は基板ボディ438の対応するスルー開口部452と整列しており、また、基板ボディ480の対向するスルー開口部452と整列している。放射パッチ478は、その厚さを通るように延在する穴488を含んでいる。各穴488は、基板ボディ480の対応するスルー開口部486と整列している。穴454を“第1穴”と称す一方、穴488を“第2穴”と称す。
【0092】
オプションとして、導電性パッド464が放射パッチ434の穴454内に位置付けられており、および/または、導電性パッド490が放射パッチ478の穴488内に位置付けられている。各々の導電性パッド464は、対応する給電プローブ436aの導電性ピン458および対応する給電プローブ436bの導電性ピン458に電気的に接続されている(例えば、それらが互いに物理的に接触している、ハンダ付けされている、および/またはそれに類するものがなされている)。それによって、導電性パッド464は、給電プローブ436aの導電性ピン458を、対応する給電プローブ436bの導電性ピン458に電気的に接続する。各々の導電性パッド490は、対応する給電プローブ436bの導電性ピン458に電気的に接続されている(例えば、それらが互いに物理的に接触している、ハンダ付けされている、および/またはそれに類するものがなされている)。例示される態様のパッチアンテナ418では、導電性ピン458ならびに導電性パッド490および464は、パッチアンテナ418の高さの略全体に沿って延在する電気パスを規定する。他の態様では、パッチアンテナ418は、導電性パッド490および/または導電性パッド464を含んでおらず、パッチアンテナ418の高さの略全てに沿って延在する電気パスは、以下の(1)〜(3)のいずれかのみによって規定される。
(1)導電性ピン458、
(2)導電性ピン458および導電性パッド464、または
(3)導電性ピン458および導電性パッド490
例えば、単一の導電性ピン458は、基板432のスルー開口部452および基板476の対応する(即ち、整列する)スルー開口部486の双方内にて延在し得る。対応するスルー開口部452,486内にて延在する単一の導電性ピン458に代えて、対応するスルー開口部452,486の別個の導電性ピン458は、互いに物理的接触状態で当接する。更に、例えば、対向するスルー開口部452,486内にて延在する単一の導電性ピン458に代えて、単一の電気的ビアが基板432のスルー開口部452と基板476の対応するスルー開口部486との双方内にて延在していてよい。かかる電気的ビアとしては、制限されるわけではないが、めっきされた電気的ビア、充填された電気的ビア、および/またはそれに類するものを挙げることができる。
【0093】
放射パッチ434および438の各々はいずれの周波数でも作動し得る。ある態様では、放射パッチ434および438は、オーバーラップし得る又はオーバーラップし得ない周波数でも作動する。
【0094】
基板476のボディ480の厚さを通るように延在する“スルー”開口部486として示されて説明されているものの、別法では、開口部486は、基板ボディ480の厚さを全て通ように延在していないものであってもよい。具体的には、そのような代替的な態様では、対応する導電性ピン458の対応する端部(即ち、近位端部)が基板ボディ480の材料によってサイド482からサイド484の方へと離隔することになるように、開口部486は基板ボディ480のサイド482を通
るように延在していない。
【0095】
各々が2つとして示されているものの、パッチアンテナ418は、放射パッチの数が基板の数と同じであるかに拘わらず、いずれの数の誘電体基板およびいずれの数の放射パッチを有するものであってよい。
【0096】
図17は、パッチアンテナ518の別の例示態様の立体図である。かかるパッチアンテナ518は、
図15および
図16に示されるパッチアンテナ418と似ている。例えば、パッチアンテナ518は、2つの誘電体基板532,576、2つの放射パッチ534,538、および、略真直ぐの導電性ピン558を含んだ複数の給電プローブ536a,536b,536cを含んでいる。基板532はグランド面516に位置している。放射パッチ534は基板532に位置している。基板576は放射パッチ534に位置付けられており、放射パッチ578は基板576に位置している。しかしながら、パッチアンテナ518は、放射パッチ578に位置付けられている別の誘電体基板592を含んでいる。グランド面516は、パッチアンテナ518の要素とみなすことができ、あるいは、そのような要素とみなされない場合もある。本明細書では、基板532を“第1基板”と称する一方、基板576を“第2基板”と称する。また、放射パッチ534を“第1放射パッチ”と称す一方、放射パッチ578を“第2放射パッチ”と称す。
【0097】
基板592は、ボディ594のサイド596(
図9では示さず)からそれに対向するサイド598まで厚さを有するように延在するボディ594を含んでいる。基板ボディ594のサイド598が放射パッチ578と面するように基板592が放射パッチ578に位置付けられている。基板592のボディ594は、ボディ594の厚さを通るように延在するスルー開口部600を含んでいる。スルー開口部600は基板576の対向するスルー開口部486と整列している。本明細書では、基板ボディ594のサイド596を“第1サイド”と称す一方、その基板594のサイド598を“第2サイド”と称す。
【0098】
グランド面516は、その厚さを通るように延在する穴556を有している。グランド面516の各々の穴556は、グランド面516の各穴556は基板の対向するスルー開口部552と整列している。放射パッチ534は、その厚さを通るように延在する穴554を含んでいる。放射パッチ534の各穴554は基板532の対応するスルー開口部552と整列しており、また、基板576の対向するスルー開口部586と整列している。放射パッチ578は、その厚さを通るように延在する穴558を含んでいる。放射パッチの各穴588は基板576の対応するスルー開口部586と整列しており、また、基板ボディ594の対向するスルー開口部600と整列している。本明細書において穴554を“第1穴”と称す一方、穴588を“第2穴”と称す。また、グランド面516の穴556は“第3穴”と称す。
【0099】
給電プローブ536cの導電性ピン558は基板592の対応するスルー開口部600内に延在しており、また、放射パッチ578内にて基板576に位置付けられるオプションとしての導電性パッド590に電気的に接続されている。オプションとして、導電性パッド602は、対応する給電プローブ536cの導電性ピン558と電気的に接続された状態で基板ボディ594のサイド596に位置付けられている。
図17に示すように、例示的な態様のパッチアンテナ518は、放射パッチ534内にて基板532に位置付けられるオプションとしての導電性パッド564を含んでいる。パッチアンテナ518に含まれる給電プローブ536a,536bおよび536cの数はそれぞれいかなるものであってもよい。
【0100】
例示的な態様のパッチアンテナ518では、導電性ピン558および導電性パッド564,590および602は、パッチアンテナ518の高さの略全体に沿って延在する電気パスを規定する。他の態様では、パッチアンテナ518は、導電性パッド564、導電性パッド590および/または導電性パッド602を含んでおらず、パッチアンテナ518の高さの略全てに沿って延在する電気パスは、以下の(1)〜(4)のいずれかのみによって規定される。
(1)導電性ピン558、
(2)導電性ピン558および導電性パッド564、
(3)導電性ピン558および導電性パッド590、または
(4)導電性ピン558および導電性パッド602
例えば、単一の導電性ピン558は、基板432のスルー開口部552、基板476の対応する(即ち、整列する)スルー開口部586、および、基板592の対応するスルー開口部600にて延在し得る。対応するスルー開口部552,586および600内にて延在する単一の導電性ピン558に代えて、対応するスルー開口部552,586および600の別個の導電性ピン558は、互いに物理的接触状態で当接する。更に、例えば、単一の電気的ビアが基板532のスルー開口部552、基板576の対応するスルー開口部586、ならびに、基板592の対応するスルー開口部600内にて延在していてよい。かかる電気的ビアとしては、制限されるわけではないが、めっきされた電気的ビア、充填された電気的ビア、および/またはそれに類するものを挙げることができる。
【0101】
基板576のボディの厚さを通るように延在する“スルー”開口部586として示されて説明されているものの、別法では、開口部586は、基板576のボディの厚さを全て通ように延在していないものであってもよい。具体的には、そのような代替的な態様では、対応する給電プローブ536bの対応する導電性ピン558の対応する端部(即ち、近位端部)が、基板576のボディの材料によって、放射パッチ578が位置付けられているサイドから離隔することになるように、開口部586は放射パッチ578が位置付けられた基板576のサイドを通ようには延在していない。更に、開口部586が基板576のボディの厚さを通るように延在していないスルー開口部586となっている態様では、基板592のボディ594のスルー開口部600は、基板ボディ594の厚さを全て通ように延在していないものであってもよい。具体的には、対応する給電プローブ536cの対応する導電性ピン558の対応する端部(即ち、近位端部)が基板ボディ594の材料によって基板ボディ594のサイド596からサイド598の方へと離隔することになるように、開口部600は基板ボディ594のサイド596を通ように延在していない。
【0102】
3つの基板536,576,592および2つの放射パッチ534,578が示されているものの、放射パッチの数が基板の数と同一であるか否かに拘わらず、パッチアンテナ518は、いずれかの数の誘電体基板およびいずれの数の放射パッチを有するものであってよい。例えば、放射パッチ(図示せず)は、基板592のボディ594のサイド596に位置付けられるものであってよい。
【0103】
図18は、給電プローブ36(
図9〜11)の別の例示的な態様を示すパッチアンテナ618の更に別の例示的態様の断面図である。パッチアンテナ618は、誘電体基板632,誘電体基板632上に位置する放射パッチ634、および、複数の給電プローブ636を含んでいる。グランド面616は
図18に示されており、パッチアンテナ618の要素と考えら得るものであり、あるいは、そうでなかったりする。
【0104】
パッチアンテナ618の基板632はボディ638を有しており、かかる基板ボディ638は、そのサイド640からそれに対向するサイド642まで中央軸630に沿って厚さを有するように延在している。基板ボディ638は、そのボディの厚さを通るように延在するスルー開口部652を含んでいる。しかしながら、導電性ピン58(
図9〜
図11)に代えて、給電プローブ636は、スルー開口部652内に形成される電気的ビア658を含んでいる。具体的には、各々のスルー開口部652の1つ以上の内壁704はめっき処理されていたり、および/または、そうでない場合には導電性材料706で形成されていたりしており、それによって、対応する電気的ビア658が形成される。電気的ビア658はスルー開口部652内で延在する導電性パスを規定している。パッチアンテナ518は、いずれの数の給電プローブ636を含むものであってよい。本明細書では、各々の電気的ビア658は“導電性パス”とも称され得る。
【0105】
本明細書で説明される及び/または示される態様では、少なくとも幾つかの既知のパッチアンテナよりも広い周波数バンドで作動するパッチアンテナが供され得る。本明細書で説明される及び/または示される態様では、2つ以上の種々のGNSS衛星配置の種々の周波数バンドとオーバーラップする周波数バンドを有するパッチアンテナが供され得る。本明細書で説明される及び/または示される態様では、種々の周波数バンドにわたって作動する2つ以上の種々のGNSS衛星配置と通信できるパッチアンテナが供され得る。本明細書で説明される及び/または示される態様では、特定のGNSS衛星配置の周波数バンドの複数の種々の周波数サブバンドで作動するパッチアンテナが供され得る。換言すれば、本明細書で説明される及び/または示される態様では、単一の衛星配置のためのマルチプルな周波数バンドにわたって適用範囲を有するパッチアンテナが供され得る。
【0106】
本明細書で説明される及び/または示される態様では、少なくとも幾つかの既知のパッチアンテナよりも小さいパッチアンテナが供され得る。例えば、本明細書で説明される及び/または示される態様では、少なくとも幾つかの既知のパッチアンテナよりも小さい幅、長さ、直径、半径および/またはそれに類するものが挙げられる。本明細書で説明される及び/または示される態様では、少なくとも幾つかの既知のパッチアンテナよりも多くのパッチアンテナを含むことができるアレイが供されている。
【0107】
本出願は、米国仮出願第61/752,914号(2013年1月15日出願)、米国出願第13/839,976号(2013年3月15日出願)および米国出願第13/841,954号(2013年3月15日出願)に基づく優先権の利益を主張する、これらの内容は引用することによって本明細書に組み込まれる。