【課題を解決するための手段】
【0005】
本目的は、請求項において規定される、本発明による照明システムを制御する方法、照明装置、及び照明システムのそれぞれによって達成される。
【0006】
したがって、本発明の態様によると、
複数の照明装置を含む照明装置グループに動作状態変更命令を送信し、これにより照明装置が、遅延間隔内のランダム遅延を有して、当該照明装置の動作状態を変更することを促すステップと、
遅延間隔内に、照明装置グループに供給される総駆動電力における変化を検出し、総変化数をカウントするステップと、
総変化数を、照明装置グループ内の照明装置の数と対応する公称数と比較するステップと、
総変化数が、公称数に0<c≦1である所定の定数cを乗じた数よりも小さい場合に、照明装置エラー信号を生成するステップと、
を含む、照明システムを制御する方法が提供される。
【0007】
したがって、本方法により、照明装置をオン若しくはオフにするか、又は照明装置を調光する等の動作状態の変更に関連して、照明装置に欠陥があることを検出することが可能である。いかなる応答も生成することなく、あるいは個々の照明装置を特定するいかなる手順も実行することなく、グループ内の全ての照明装置に命令が単純に送信される単純な通信構造にも関わらず、方法は、欠陥のある照明装置を検出することができる。グループの照明装置の数は限定されているので、オペレータがグループ内のどの照明装置(又は複数の照明装置)に欠陥があるのかを調べる負担は、照明装置に欠陥が生じたことを自動的に検出するという利益と比較して小さい。照明装置エラー信号は、変化数が、公称数に0<c≦1である所定の定数cを乗じた数よりも小さい場合に生成されるので、方法は、欠陥のある照明装置の割合に関して様々な許容レベルに調整可能である。したがって、一部のアプリケーションでは、たった1つの欠陥のある照明装置でさえも許容可能ではない一方で、他のアプリケーションでは、一定数の照明装置に欠陥がある時点でエラー信号が生成されることで足りる。こうしたアプリケーションでは、c<1の値が適切であろう。
【0008】
このアプリケーションの目的のために、また、当業者によって容易に認識され得るように、「駆動電力」との用語は、消費電力量そのもの、又は駆動電流若しくは駆動電流に起因する駆動電圧等の電力消費に関連し得る任意の量を意味する。
【0009】
方法の実施形態によると、総駆動電力における変化を検出するステップは、単一の照明装置に起因する変化量に相当する単一の変化に関する知識を取得し、最初の動作状態変更命令の送信に関連して、総変化数、及び総変化数に起因する総変化量のうちの少なくとも1つによって公称数を決定するステップを含む。
【0010】
したがって、グループの照明装置の総数の値を入力することは可能であるが必要でなく、この総数は、動作状態の変更が実行される初回に決定される。これは、方法によると、全ての照明装置は最初から適切に作動することが仮定されることを意味し、これは合理的な仮定である。
【0011】
方法の実施形態によると、単一の変化に関する知識を取得するステップは、全ての変化の変化量の中央値を決定し、当該中央値の量を単一の変化として設定するステップを含む。
【0012】
方法の実施形態によると、総駆動電力における変化を検出するステップは、変化量を単一の変化と比較することによって、検出された変化の各々の対応する照明装置の数を決定するステップを含む。各照明装置は遅延間隔内のランダム遅延を独立して適用するので、2以上の照明装置が同一の遅延を適用することが起こり得る。これはこの実施形態によって検出され、これにより欠陥のある照明装置に関する誤った指標が防止される。
【0013】
方法の実施形態によると、動作状態変更命令は遅延間隔の値を含む。したがって、所望の場合、遅延間隔を遠隔から変更することが可能である。
【0014】
方法の実施形態によると、方法は、各照明装置において、遅延間隔内のランダム遅延を適用するステップと、それぞれの遅延の終了時に、各照明装置において、動作状態変更命令に従って動作状態を変更するステップとを更に含む。
【0015】
方法の実施形態によると、ランダム遅延を適用するステップは、遅延トリガを含む動作状態変更命令が受信される度に、新たな遅延をランダムに決定するステップを含む。これは高い柔軟性を提供する。
【0016】
方法の実施形態によると、ランダム遅延を適用するステップは、照明装置の最初の電源投入時に、固定のランダム遅延を決定するステップを含む。これは技術的単純性を提供する。
【0017】
本発明の別の態様によると、少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの光源と接続される駆動ユニットとを含む照明装置であって、駆動ユニットは、動作状態変更命令の受信の際に、所定の遅延間隔内のランダム遅延を適用し、遅延の終了時に、照明装置の動作状態を変更する照明装置が提供される。駆動ユニットは動作状態の変更をランダムに遅延することができるので、複数の照明装置は制御装置にいかなる情報も能動的に送信しないにも関わらず、当該複数の照明装置のための全く同一の電力線にわたる変化を検出することが可能である。
【0018】
照明装置の実施形態によると、駆動ユニットは、光源コントローラと、光源コントローラと接続される遅延ユニットと、光源コントローラと接続される駆動電圧発生器とを含む。
【0019】
また、本発明によると、複数の前述の種類の照明装置を含む少なくとも1つの照明装置グループと、グループと接続される制御装置とを含む照明システムが提供される。制御装置は、少なくとも1つの照明装置グループに動作状態変更命令を送信し、遅延間隔内に、照明装置グループに供給される総駆動電力における変化を検出し、総変化数をカウントし、総変化数を照明装置グループ内の照明装置の数と対応する公称数と比較し、総変化数が、公称数に0<c≦1である所定の定数cを乗じた数よりも小さい場合に、照明装置エラー信号を生成する。この照明システムは、上述の方法を実行する。
【0020】
上述の方法の実施形態によって提供される利点に対応する利点を提示する照明システムの実施形態が提供される。
【0021】
本発明の実施形態によると、
複数の照明装置を含む照明装置グループに動作状態変更命令を送信し、これにより照明装置が、遅延間隔内の個別の所定遅延を有して、当該照明装置の動作状態を変更することを促すステップと、
遅延間隔内に、照明装置グループに供給される総駆動電力における変化を検出し、総変化数をカウントするステップと、
総変化数を、照明装置グループ内の照明装置の数と対応する公称数と比較するステップと、
総変化数が、公称数に0<c≦1である所定の定数cを乗じた数よりも小さい場合に、照明装置エラー信号を生成するステップと、
を含む、照明システムを制御する方法が提供される。
【0022】
したがって、本実施形態により、照明装置をオン若しくはオフにするか、又は照明装置を調光する等の動作状態の変更に関連して、欠陥のある照明装置の存在を検出することが可能である。いかなる応答も生成することなく、あるいは個々の照明装置を特定するいかなる手順も実行することなく、グループ内の全ての照明装置に命令が単純に送信される単純な通信構造にも関わらず、方法は、欠陥のある照明装置を検出することができる。グループの照明装置の数は限定されているので、オペレータがグループ内のどの照明装置(又は複数の照明装置)に欠陥があるのかを調べる負担は、照明装置に欠陥が生じたことを自動的に検出するという利益と比較して小さい。
【0023】
本実施形態におけるような個別の所定遅延、及び前述の実施形態におけるようなランダム遅延の利用は、それぞれ同一の技術的課題、すなわち照明装置に欠陥があることを検出するという課題に対する代替的な解決策を提供する。したがって、これら2つの解決策は、共通の発明のコンセプトを形成する。
【0024】
個別の所定遅延の利用に関する本実施形態は、オプションで前述の実施形態からの特徴と組み合わされてもよい。
【0025】
例えば、総駆動電力における変化を検出するステップは、単一の照明装置に起因する変化量に相当する単一の変化に関する知識を取得し、最初の動作状態変更命令の送信に関連して、総変化数、及び総変化数に起因する総変化量のうちの少なくとも1つによって公称数を決定するステップを含んでよい。
【0026】
本実施例では、単一の変化に関する知識を取得するステップは、例えば、全ての変化の変化量の中央値を決定し、当該中央値の量を単一の変化として設定するステップを含んでよい。
【0027】
追加的又は代替的に、総駆動電力における変化を検出するステップは、例えば、変化量を単一の変化と比較することによって、検出された変化の各々の対応する照明装置の数を決定するステップを含んでよい。2以上の個別の所定遅延が同一又は類似の期間を有する場合、対応する照明装置の動作状態の変更は、時間において互いに区別できない総駆動電力における変化を引き起こす恐れがある。これは総駆動電力における変化量を単一の変化と比較することによって検出され、これにより欠陥のある照明装置に関する誤った指標が防止される。
【0028】
実施形態によると、各照明装置の個別の所定遅延の期間は、いかなる他の照明装置の個別の所定遅延の期間とも異なる。本実施形態は、2以上の照明装置が同時に動作状態を変更するリスクを低減させ、照明装置グループに供給される総駆動電力における変化を介した個々の動作状態の変更の検出を容易にする。
【0029】
実施形態によると、照明装置は、それぞれの個別の所定遅延を事前設定される。
【0030】
実施形態によると、方法は、各照明装置において、遅延間隔内のそれぞれの個別の所定遅延を適用するステップと、それぞれの遅延の終了時に、各照明装置において、動作状態変更命令に従って動作状態を変更するステップとを更に含む。
【0031】
実施形態によると、総駆動電力における変化を検出するステップは、公称数を、照明装置グループに以前に送信された動作状態変更命令に関連するそれぞれの総変化数の平均値として決定するステップを含む。本実施形態では、公称数は、場合によっては数ヶ月/数年前に遡る幾分前の段階で照明装置グループ内に存在する照明装置の数に固定されるよりもむしろ、照明装置の動作中に更新され、変化する状況に対して自動的に調整され得る。例えば、平均値は、先月からの数に基づいて形成されてよい。
【0032】
本発明の実施形態によると、少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの光源と接続される駆動ユニットとを含む照明装置であって、駆動ユニットは、動作状態変更命令の受信の際に、所定の遅延間隔内の個別の所定遅延を適用し、適用された遅延の終了時に、照明装置の動作状態を変更する照明装置が提供される。駆動ユニットは動作状態の変更を個別の所定遅延によって遅延することができるので、複数の照明装置は制御装置にいかなる情報も能動的に送信しないにも関わらず、当該複数の照明装置のための全く同一の電力線にわたる変化を検出することが可能である。駆動ユニットは、オプションで、光源コントローラと、光源コントローラと接続される遅延ユニットと、光源コントローラと接続される駆動電圧発生器とを含んでもよい。
【0033】
本発明の実施形態によると、上述の照明システムは、各照明装置グループが、動作状態変更命令の受信の際に、(ランダム遅延を適用するのではなく)遅延間隔内の個別の所定遅延を適用する駆動ユニットを有する複数の照明装置を含む、少なくとも1つの当該照明装置グループを含む。
【0034】
照明システムの実施形態によると、各照明装置の個別の所定遅延の期間は、いかなる他の照明装置の個別の所定遅延の期間とも異なる。
【0035】
方法又は照明システムの実施形態によると、c=1である。
【0036】
上述の方法の実施形態によって提供される利点に対応する利点を提示する照明システムの実施形態が提供される。