特許第6382858号(P6382858)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382858
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】噴流式流体流を用いた口腔ケア器具
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/02 20060101AFI20180820BHJP
   A61C 17/028 20060101ALI20180820BHJP
   A61C 17/022 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   A61C17/02 Z
   A61C17/028
   A61C17/022
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-562445(P2015-562445)
(86)(22)【出願日】2014年3月5日
(65)【公表番号】特表2016-509933(P2016-509933A)
(43)【公表日】2016年4月4日
(86)【国際出願番号】IB2014059441
(87)【国際公開番号】WO2014140997
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2017年3月1日
(31)【優先権主張番号】61/787,849
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ユー−ウェン
(72)【発明者】
【氏名】ゴッダード グレゴリー ラス
【審査官】 増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−157562(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/042445(WO,A1)
【文献】 特開2004−097776(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0255498(US,A1)
【文献】 特開平04−352956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/02
A61C 17/028
A61C 17/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体流ポンプアセンブリと、
液体の供給源と、
気体の供給源と、
マイクロコントローラと、
を含み、
前記流体流ポンプアセンブリは、気体注入流体スラグの噴流パターンがノズル出口アセンブリの少なくとも1つのオリフィスからユーザの歯に向けられる当該ノズル出口アセンブリの少なくとも1つのオリフィスに向けられる前記気体注入流体スラグの前記噴流パターンを生成するために、前記液体の供給源及び前記気体の供給源と動作的に連通し、前記マイクロコントローラは、前記ノズル出口アセンブリの1つのオリフィスにつき0.05ml〜0.5mlの範囲内の体積、0.1mm〜2mmの範囲内の直径、及び2Hz〜20Hzの範囲内の繰り返しレートを有する前記噴流パターンで、個々の気体注入流体スラグを生成するために、前記流体流ポンプアセンブリの動作を制御するようにプログラムされる、
口腔ケア器具。
【請求項2】
前記気体注入流体スラグは、液体に対し気体が40%〜95%の体積範囲である気体対液体の混合を含む、請求項1に記載の口腔ケア器具。
【請求項3】
前記ノズル出口アセンブリの前記オリフィスは、0°〜10°の範囲であるファン角度を有する、請求項1に記載の口腔ケア器具。
【請求項4】
前記ノズル出口アセンブリは2以上のオリフィスを含む、請求項1に記載の口腔ケア器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、所望の気体/流体の混合物を生成するために、気体の噴出と流体の噴出との組合せを用いる歯の清掃のための装置に関し、より詳細には、気体噴出及び流体噴出の両方を調整して生成するための単一のアセンブリ、並びに、別の実施形態では、気体及び流体の噴流パターンを生成するためのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
気体の噴出と水等の流体の噴出との組合せを用いて歯の清掃を生じさせるシステムでは、清掃の最大の効能をもたらす態様で、気体と流体とが混合されることが重要である。加えて、これら2つの機能のタイミングを調整しながら依然として構造及び動作において比較的単純であり、且つ、特定の装置設置面積内にフィットするのに十分小さいことが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
別々の液体送達システム及び気体送達システムの使用は、典型的には、タイミング、及びスペースの制約や二重の電源の必要性に関するいくつかの問題点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
口腔ケア器具は、流体流のポンプアセンブリと、液体の供給源と、気体の供給源とを含み、ポンプアセンブリは、結果としてもたらされる気体注入流体スラグがノズルのアセンブリから歯に向けられる当該ノズルのアセンブリに向けられる気体注入流体スラグの噴流パターンを生成するために、液体の供給源及び気体の供給源と動作的に連通し、噴流内の個々の気体注入流体スラグは、1つのオリフィスにつき0.05ml〜0.5mlの範囲内の体積、0.1mm〜2mmの範囲内の直径、及び2Hz〜20Hzの範囲内の繰り返しレートを有する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本装置を示す斜視図である。
図2図1の装置の反対側の側面図である。
図3図1の装置の分解図である。
図4図1の部分的な断面図である。
図5図2と同様に装置の反対側を示す、装置の斜視図である。
図6図1乃至図5の装置を組み込む器具の斜視外観図である。
図7A図6のノズルアセンブリ部分の正面図である。
図7B図7Aのノズルアセンブリの断面図である。
図8】ノズルアセンブリの出口部分の別の断面図である。
図9図1乃至図6のアレンジメントに対する代替的なアレンジメントの簡略図である。
図10】電動歯ブラシを有する図1乃至図6又は図9の装置を用いた器具の簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1乃至図5は、歯、特に歯間領域を清掃し、「フロッシング」機能を達成するために用いられる気体と液滴との流れを生成するように混合する、気体及び水等の液体の連続的な噴出を生成するための装置の実施形態を、全体として10で示す。気体との用語は、空気又は他の気体及び混合物を含む。装置10は、外観が図6に示され、以下により詳細に説明される歯の清掃器具一式のうちの主要部分を形成する。
【0007】
次に、特に図1及び図2を参照すると、装置10は、示される実施形態では0.5インチ〜1.0インチの内径を有し、約2.5インチの長さである気体シリンダ12を含む。気体シリンダ12の遠位端14にノズル16があり、ノズル16を通って、水又は他の液体の噴出と典型的には気体である流体との混合物が、高速の液滴の流れの形式で出る。液滴は、清掃のためにユーザの歯、特に歯間領域に向けられる。
【0008】
装置は、示される実施形態ではDCモータである、典型的には例えば15ニュートンメートルといった高トルクを有するモータ20を含むが、この値は、典型的にはギヤ減速後に達成される。したがって、モータ自体はこうしたトルク自体の値を生成する必要はない。こうしたモータは広く市販で入手可能である。様々なモータが適切である。例えばミツミ社によって作られるモータは適切なモータの例である。モータ20は、モータ駆動歯車22(図4)が取り付けられる出力シャフト21を含む。示される実施形態では、モータ駆動歯車には8個の歯がある。歯車22の歯の数は、他の歯車の歯の数と同様に様々であってよい。モータ20は、気体シリンダ12の後方上面にある24に配置される。モータ駆動歯車22は、装置の第1の側に設置される第1の複合歯車28の第1の(外側の)歯車部26に係合する。示される実施形態における第1の複合歯車28は、他の歯車と同様にプラスチックで作られるが、他の材料で作られてもよい。示される実施形態における歯車28の第1の歯車部26は、53個の歯を有する。動作の際、モータ駆動歯車22は、歯車28の第1の歯車部26を時計回り方向に回転させる。また、第1の複合歯車28は、図3に示されるように、歯車軸30と、軸30の遠位端と一致する第2の(内側の)歯車部32とを含む。示される実施形態では、第1の複合歯車の第2の歯車部は8個の歯を有する。
【0009】
第1の複合歯車28の第2の歯車部32を有する軸30は、装置10を通って延び、装置の反対側に配置される第2の複合歯車36の第1の(外側の)歯車部34と組み合わさる。示される実施形態では、第2の複合歯車の第1の歯車部34は48個の歯を有するが、これは上述のとおり様々であってよい。第2の複合歯車36の第2の(内側の)歯車部38は、中央歯車軸37上に第1の歯車部34と隣接して配置される。第2の複合歯車の第2の歯車部は、第2の歯車部の外周の約2分の1の周りに離間される、39で参照される部分的な8個の歯のセットを含む第1の部分と、歯を有しない、すなわち第2の歯車部の歯の部分の基部において表面が平滑な第2の部分40と、の2つの部分を有する。必ずしもではないが、典型的には、2つの部分は第2の歯車部のそれぞれ2分の1ずつである。
【0010】
第2の複合中央歯車軸37は、装置を通って装置の第1の側へ後ろに延び、ポンプ48を含む蠕動流体ポンプアセンブリ46に係合する。蠕動ポンプアセンブリ46は、流体リザーバ50まで延びる第1のチューブ区画48を含む。示される実施形態では、リザーバ50内の流体は水であるが、他の流体が用いられてもよい。これら他の流体は、例えばクロルヘキシジン、過酸化水素ベースのリンス、水、重曹、エッセンシャルオイルの混合物、又は口内洗浄液等の歯の清掃を助ける様々な製剤を含む。また、蠕動ポンプアセンブリ46は、ポンプからU字形の取り付け要素54において装置の本体の上部に、次いで気体シリンダの上面に沿って、気体シリンダの遠位端の混合チャンバ58まで延びる、第2のチューブ52を含む。
【0011】
第2の複合歯車36の第2の歯車部38は、気体シリンダ12の近位端61に配置される線状ラック部材62と組み合わさる。示される実施形態では、ラック部材62は約2インチの長さであり、ラック部材62の上面の8個の離間された歯のセットを含む。ラック部材62の遠位端は、気体シリンダ12の内面と流体密な関係で組み合わさる封止部材64を含む。封止体64におけるラック62の遠位端から延び、ラック62上の長さの大部分に沿ってラックを包囲するのは圧縮ばね66である。図4に示されるように、ばね66の近位端68は、本体部12内の止め具要素70に抗して配置される。
【0012】
図5図2と同様に、モータ20と、第2の複合歯車36、特に、第2の複合歯車36の第1の歯車部34とを示す。また、図5は、装置の全ての動作を制御し、装置の内部フレーム部分に取り付けられる、プリント回路基板の形式の装置のためのマイクロプロセッサコントローラ80を示す。また、図5は、示される実施形態ではリチウムポリマ電池であるバッテリ84をモータ20に接続することによって器具の動作を可能にする、器具のためのオン/オフ電源ボタン82を示す。オン/オフボタン82がオンであるとき、電源ライトが点灯する。また、器具は、ユーザによって動作されるときに、器具のノズル端16から液体/気体の混合物の単一の噴射(噴出)を生成する作動ボタン86を含む。
【0013】
動作の際、通常、モータ駆動歯車22が回るにつれ、ラック62は、第2の複合歯車36の第2の歯車部の部分的な歯のセット39の作用によって後方に動き、ラックは気体シリンダの近位端61から相対的に遠ざかって動き、ばね66を止め具70に抗して圧縮する。気体は気体シリンダの遠位端14にある開口を通って気体シリンダに入る。示される実施形態では、ばね66は30mmの圧縮を受ける。ばね66は、典型的な動作では、正確なモータの毎分回転数と制御アセンブリの作用とに依存して400ミリ秒〜900ミリ秒毎に連続して圧縮される。400ミリ秒毎よりも速く、100ミリ秒まで下げて動作させることさえ可能である。
【0014】
第2の複合歯車36が回転し、その結果、複合歯車36の第2の歯車部の歯のない歯車部分40がラックに隣接する状態になり、したがって第2の歯車部とラックとの間にもはや歯車接触がなく、ひいては当該位置においてラックを保持する歯車がないとき、ばね66は、ラックを前方に素早く動かすように動作し、ラックの封止端を気体シリンダ内で前方に動かし、ポンプ68の動作によって並行して生成される、すなわち幾分か前に第2の複合歯車の軸37によって駆動された液体(水)の噴出と併せて、気体の噴出を混合チャンバ内へと押し込む。典型的には、400ミリ秒〜900ミリ秒毎に(又はより速く)モータ軸の1回転につき1回の気体の噴射があり、更に、モータ軸の1回転につき約0.15mlの流体が混合チャンバに提供される。
【0015】
より詳細には、動作の開始シーケンスにおいて、電源ボタン82がオンの状態で、ユーザによって作動ボタン84が押される。これは、器具の吸入行程を開始させる。開始位置では、ラック部材62及び封止体64は完全に前方にあり、第2の複合歯車の第2の歯車部の部分的な歯のセット39は、ラック部材62の後端に係合しているだけである。モータ20は、上述のとおり、全体の歯車列の作用を始動させ、ラック部材62が後方に動き、封止体64が気体シリンダ内で後退することをもたらす。これは、ばね66の圧縮と、気体シリンダ内への気体の引込みをもたらす。モータ及び歯車列が動作すると同時に、蠕動ポンプアセンブリ46が動作し、ポンプ48が水等の流体を装置の混合チャンバ内へと動かすようにさせる。第2の複合歯車36の外側歯車部34は、外側歯車部34の外側表面に磁石88(図5)を含む。歯車34が回転するにつれ、装置の内部フレーム部分に配置されるホール効果センサ90は、磁石が動いてセンサを過ぎるときに磁石を検出し、これに応じてコントローラ80内に存在するソフトウェア実装遅延時間を開始させ、これは当該時間の終わりにモータ20を切る。ソフトウェア遅延のタイミングは、動作サイクルのうちの排出部分の開始後までモータ20が切られないように規定される。
【0016】
サイクルのうちの排出部分では、ラック62及び封止体64がこれらの最後尾の位置まで引かれ、部分的な歯のセット39の作用によってばね66が止め具70に抗して完全に圧縮されるとき、モータの作用による第2の複合歯車の更なる回転は、第2の歯車部38の歯のない部分40がラックに隣接する状態となり、その結果第2の歯車部38とラックとの間の離脱があることをもたらす。ラック62及び封止体64は、ばね66の解放作用によって駆動され、素早く前方に動く。気体シリンダ内の気体は、シリンダから混合チャンバ内へと素早く押し込まれ、ここで気体は混合チャンバ内に存在する液体と混合する。結果としてもたらされる液体/気体の混合物は、単一の噴出の形式で、次いでノズルから押し出される。
【0017】
ホール効果センサのソフトウェア遅延がタイムアウトし、モータは切れる。歯車列におけるモーメントは、第2の複合歯車36の第2の歯車部38が、部分的な歯のセット39が最初にラック62のおおむね第1の歯と係合するまで回転し続けることを可能にする。この少量の回転は、蠕動ポンプの継続する作用によって一部の水が混合チャンバ内へと動かされることをもたらす。各噴射に対して提供される水の総体積は、蠕動ポンプ48の完全な360°の回転によって提供される水の量である。
【0018】
この時点で、装置はこのとき次の噴射/噴出を始めるための状態にある。歯車列は、各動作シーケンスの最後に、モータを動作させるソフトウェアタイマの作用によって、各噴出の後に同一の位置で止まる。また、遅延タイマは、ユーザがユニットを急速に動作させすぎてモータを過熱させるのを防ぐ働きをする。遅延タイマは、たとえ作動ボタン84が押されても、別の動作シーケンスの開始を防ぐ。遅延時間の終わりに、作動ボタンを押すことは装置の動作を始動させ、液体/気体の混合物の連続した噴出を生成する。
【0019】
気体及び液体の連続した噴出は、適切な一定のタイミングで混合チャンバ58内に共に運ばれ、結果としてもたらされる混合物は、混合チャンバ58から出てポート16を通り、ノズルアセンブリを通ってユーザの歯の清掃のために当該ユーザの歯に向けられる。
【0020】
図6は、こうした器具70の外観を示す。これはハンドル/受け器部分72と、延びたノズル部分74とを含む。ハンドル/受け器部分72内には、上記の図1乃至図5に示されたように、液体/気体の混合物の噴出生成システムと、当該システムのための電源とが設置される。ノズル部分74は、ハンドルから遠ざかって延び、歯の全ての歯間及び歯肉領域に届くためにユーザの口内に好都合にフィットするように比較的細い。ノズル部分は、前方に延びる部分に小さな開口83を有するノズル出口部材81で終点となり、開口83を通って、液体/気体の混合物の連続した噴出が歯に向けられる。示される実施形態では、開口は直径約1mmであるが、これは様々であってよい。更に、出口部材81は、歯の歯間領域において出口部材の適切な接触及び配置を容易にするための表面構造を有する。ハンドル/受け器は、オン/オフスイッチ82と、ユーザによって動作されるときに液体/気体の混合物の噴出を生成する制御部材86とを含む。液体は多くの場合水であるが、口内洗浄液及び薬剤等の他の液体が利用されてもよいことが理解されるべきである。
【0021】
図7及び図8では、ノズル出口部材80で終点となる細長いノズル部分が、基部91と先端部92とを含んでより詳細に示される。先端部92の中心に出口開口94があり、器具がユーザによって口内に適切に配置されたときに、出口開口94を通って高速の液滴が清掃のためにユーザの歯に送達される。ノズル出口部材は、通常、歯間領域に対する誘導機能を提供する。先端部92は、取り囲む中間部96の上に約1mm〜3mmだけ延びる。いくつかの場合では、出口ノズル部材は、約2mmの外径でわずかにテーパされる。中間溝部96は、出口部材94から遠ざかってわずかにテーパされる。中間部分96は、先端部92のためのリップを規定する湾曲した上面を有する境界部分98で終点となる。こうした構造の更なる詳細及び利点は、本発明の譲受人によって所有される米国特許出願第61/289,589号に記載されており、この出願の内容はこれによって参照により組み込まれる。
【0022】
ある実施形態では、ノズルアセンブリ80の先端部98は、本体12から延びるノズルアセンブリ80の基部94から分離可能である。これは図8に示される。先端部は交換可能である。交換可能なノズルの先端部は、多くの利点を有する。利点は、摩耗のためにノズルの先端を交換する性能を含む。また、材料の所望の硬さ(又は柔らかさ)に依存したノズルのバリエーションも可能にする。更に、先端部の出口オリフィスの直径は、液滴スプレーの特性を変えるために変更され得る。
【0023】
図9は、流体に基づく清掃器具を、全体として120で示す。図9は、マイクロプロセッサの制御の下、選択的な頻度で気体の噴出を生成する、スプレー出力、パルス出力、又は噴流出力を提供することのできる、より一般化されたシステムを示す。典型的には、流体は水であるが、薬剤又は口内洗浄液を含む他の液体であってもよい。器具12は、スプレー、噴出、及び噴流を含む気体/流体の混合物の離散的な噴出を生成するための流体送達システムを含む、器具本体122と、出口部材124の端に、単一のノズル又は複数のノズルを含む上述のノズルアセンブリ126がある出口部材124内の流体送達経路123を通って進む流体噴出のための出口とを含む。ノズル126からの離散的な流体噴出は、バイオフィルムの機械的な除去を通じてバイオフィルムを効果的に管理するのに十分であり、結果として口内の微生物の病原性の低減をもたらす。離散的な流体噴出は、毛が届かない歯の間や歯肉線に沿って届くことが可能なので、歯ブラシの毛だけよりも大きな洗浄便益を提供する。離散的なすなわち分離した流体の噴出の利用は、連続的な又はパルス状の流体の噴流とは対照的に、ブラッシングイベント1回につき大幅に少ない液体の総体積をもたらし、これは、効果を維持しながらユーザの快適性及び服薬コンプライアンスを強化するため有利である。清掃イベントは、典型的には2分である。
【0024】
送達システムは、タンク134からの上述のとおり通常は水である液体の離散的な噴出を提供するために、レギュレータ132との組合せでプログラムされる容積型ポンプ130を含む。液体は様々な薬剤又は口内洗浄液であってよい。レギュレータ132は、水のタンク134内の圧力を特定のレベルで維持する。典型的には、圧力は40psi〜120psiの範囲内、好ましくは70psi〜112psiの範囲内である。水のタンクは、0.2mlよりもわずかに少ない洗浄イベント1回量の液体を保持する。ユーザは標準の2分の洗浄イベントにおける液体のこの量を容易に容認することが分かった。また、器具はポンプ130を動作させるバッテリ136と、帯電部材(示されていない)と共に用いられる従来のチャージャコイル138とを含む。水のタンクからの液体の放出を制御するのは、例えば電磁弁であるバルブ140と、タイマ141とである。また、器具は電源ボタン144と発射ボタン146とを含むが、この2つの機能は単一の要素に兼備されてもよい。マイクロコントローラ148は、器具のための動作の自動モードを含み、器具の動作を制御する。マイクロコントローラは、以下により詳細に説明されるように、様々な流体力学パラメータを制御することができる。これは、図1のポンプ/コントローラシステムに対する代替である。
【0025】
離散的な流体噴出は、時間期間及び発射速度によって予め規定される。手動モードでは、噴出は発射ボタン146を動作させることによって生成される。タイマ141は、流体噴出の期間を制御する。ある実施形態では、噴出の時間期間範囲は0.02秒〜2秒、好ましくは0.05秒〜0.2秒の時間期間である。手動モードでの発射速度はユーザによって制御され、典型的には噴出期間よりも著しく長い。
【0026】
マイクロコントローラ148によって制御される自動モードでは、液体噴出の時間期間は手動モードにおけるのと同様である。自動モードは、オンオフスイッチを動作させるプログラムされたシーケンスによって、又はユーザが動作する別個のスイッチ部材/ボタンによって始動される。発射速度は自動的に制御されるか、又は事前にプログラムされ、典型的には0.1秒〜2秒、好ましくは0.5秒〜1.5秒の発射速度の範囲である。いくつかの場合には、噴出の時間期間及び発射速度は、オンオフスイッチを動作させる予め規定されたシーケンスによって、ユーザによって調節される。他の場合には、発射速度は製造の間に不変に設定される。
【0027】
本システムの利点は、図9のシステムによって生じる離散的な流体噴出は歯にとって効果的な清掃及び効果的な歯肉組織の処置を提供するが、通常の使用に対する奨励である2分の典型的な清浄イベントの時間での液体の総体積は、ユーザにとって快適であることである。
【0028】
図10は、図9の実施形態のバリエーションを示し、器具は図9の実施形態と同様の、又は図1乃至図6の特定のシステムと同様の流体送達アレンジメントを有するが、追加的に、前後に振動する作用等の所望の物理的動作で駆動される出口部材150を有し、出口部材の端部には毛のセット152が配置されている。ノズル154又は複数のノズルは、典型的には毛のセット152の中に配置されるが、中空の毛がノズル機能を提供してもよい。器具は、駆動トレインアセンブリ160を含み、駆動トレインアセンブリ160から駆動シャフト162が駆動出口部材まで延びている。駆動トレインアセンブリ160は、モータを含む様々なアレンジメントを含んでよい。駆動トレインは、マイクロコントローラ164によって制御される。駆動アレンジメントは、例えば230Hz〜260Hzの範囲内の周波数での共振歯ブラシ作用であってもよい。
【0029】
上述の流体送達、気体送達、流体/気体の混合、及びノズルは、以下のとおり様々であってよい。
【0030】
流体ポンプは、蠕動、ダイアフラム、回転、インペラ、電気浸透、歯車、マイクロアニュラ、サイクロン、又は、圧力気体/空気圧のシリンダ/容器を介して正又は負の圧力のいずれかで駆動されることを含む。流体はベンチュリを通って、又はベルヌイ効果を介してノズル内へと受動的に引き込まれる。
【0031】
気体ポンプは、蠕動、ダイアフラム、回転、インペラ、電気浸透、歯車、マイクロアニュラ、サイクロン、又は、気体が圧力気体「タンク」から直接移動されて正又は負のいずれかで駆動されることを含む。気体はベンチュリを通って、又はベルヌイ効果を介してオリフィスを越えて引き入れられる。
【0032】
気体と流体との混合は、蛇行経路のチャネル、アレイ若しくはオリフィス、一連の周期的/非周期的なオリフィス、動的要素、又は(流体若しくは気体)ポンプの直接的な位相制御駆動を通じて達成される。
【0033】
流体/気体/エアロゾルの経路内で部品の内寸及び外寸や方向が変化しながら、蛇行経路を通ってパルセーション又は気体/流体の混合を作り出すための任意の要素を含む、様々なノズルが用いられてよい。
【0034】
最適なプラーク除去のために、また、付随する口腔健康の便益のために、バイオフィルム上に提供されるせん断応力は、プラークの弾性変形点及び塑性変形点を超えなければならず、更に、バイオフィルムを歯の表面に保持するバイオフィルム自体の内部の粘着作用及び/又は粘着力を克服しなければならない。したがって、バイオフィルムのプラークは、以下の克服されるべき機械的特性及び粘弾性特性を有する。1Pa〜50kPaのヤング率、1.1Pa〜50Paのせん断弾性率、2Pa〜50Paの結合せん断強度、5Pa〜75Pa又は0.05J/m〜1J/mの粘着強度、0.1Pa〜6kPaの引張り強度、0.1J/m〜0.65J/mの結合せん断応力、1kPa〜10kPaの貯蔵弾性率、0.1nJ/μm〜3nJ/μmの損失弾性率、及び150%〜320%の破壊ひずみである。上記は、プラークの細菌コロニ及び寿命のタイプ、並びにバイオフィルムが配置されるプラークの他の機械的、化学的、及び生理化学的特性に依存して幅がある。
【0035】
図1乃至図6及び/又は図9の器具を用いた流体力学の1つのカテゴリは、より層流のタイプの流れである、液体スラグを有する噴流の流体流をもたらす。噴流内の液体の境界付けられたポケットであるスラグは、マイクロコントローラをプログラムすることによる液体の供給源及び気体の供給源の制御によって、並びに流体流のチャネルの物理的特性を調整することや、流れに影響する弾性部材の可撓性膜の利用によっても生成される。結果としてもたらされる噴流内のスラグのパラメータは、直径、体積、スラグからスラグまでの遅延、繰り返しレート、及び速度である。スラグの体積は1つのオリフィスにつき0.05ml〜0.5mlの範囲であり、0.1mm〜2mmのスラグ直径を有する。繰り返しレートは、2Hz〜20Hzの間で様々であり、気体/液体の混合は、液体に対し気体が40%〜95%の体積範囲の間で様々である。
【0036】
上述のとおり、この実施形態では、流体流は分離したスラグの形式である。また、この実施形態は、0°〜90°の入射角で用いられ、0°は歯の表面と平行である。更に、0°〜10°の間の範囲でのノズルのファン角度が可能である。
【0037】
本発明の好ましい実施形態が例示の目的で開示されたが、以下の請求項によって定義される本発明の趣旨を逸脱することなく、様々な変更、改良、及び代替が実施形態に組み込まれ得ることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10