(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明による部品実装ラインに係る制御装置(部品実装装置に係る制御装置)の一実施形態について説明する。
図1は、本発明が適用されるホストコンピュータ50(部品実装ラインに係る制御装置)を含む部品実装ライン10を備えた部品実装システムの全体配置を示す平面図である。
この部品実装システムは、部品実装ライン10と、この部品実装ライン10を制御するホストコンピュータ50(部品実装ラインに係る制御装置)から構成されている。部品実装ライン10は、直列に配置された基板供給装置11、印刷装置12,第一シフト装置13、第一部品実装装置14、第二部品実装装置15、第二シフト装置16、リフロー装置17および基板収納装置18により構成されている。第一および第二部品実装装置14,15は、2台に限らず、1台でもよいし、3台以上を直列に設けてもよい。
【0010】
基板供給装置11は多数の第一および第二基板S1,S2を上下方向に並べて収納するものであり、これらの第一および第二基板S1,S2は1枚ずつ印刷装置12に送り込まれる。印刷装置12は送り込まれた第一および第二基板S1,S2の電子部品実装部位にクリームはんだを印刷して、第一シフト装置13に送り出す。
【0011】
第一シフト装置13は第一および第二基板S1,S2に設けられたIDをID認識ユニット(図示省略)により読み取り、予め設定されたスケジュールに基づいて第一および第二ラインL1,L2に振り分けて、第一部品実装装置14に送り出すものである。第一シフト装置13はこのような制御を行うための制御装置13aを備えている。
【0012】
第一シフト装置13から送り出された第一および第二基板S1,S2は第一部品実装装置14において電子部品(部品に相当する)が実装され、引き続き第二部品実装装置15において電子部品が実装されて第二シフト装置16に送り出される。第一および第二部品実装装置14,15はそれぞれ制御部14a,15a(部品実装装置に係る制御装置)を備えた実質的に同一の構成よりなるもので、その詳細は後述する。
【0013】
第二シフト装置16は第二部品実装装置15の第一および第二ラインL1,L2から送り込まれた第一および第二基板S1,S2を第一ラインL1のリフロー装置17に送り込むものであり、このような制御を行うための制御装置16aを備えている。
【0014】
リフロー装置17は電子部品が実装された第一および第二基板S1,S2にはんだ付けを行って基板収納装置18に送り出し、基板収納装置18ははんだ付けがなされた第一および第二基板S1,S2を上下方向に並べて収納するものである。
【0015】
第一および第二部品実装装置14,15は実質的に同一の構成であるので、第一部品実装装置(以下単に部品実装装置という)14(20)について説明する。部品実装装置20は、基板S1,S2に電子部品を実装して製品を生産する。
図2に示すように、この実施形態の部品実装装置20はダブルトラックコンベア方式のものであり、部品実装装置20の基台21上には第一および第二基板S1,S2を図においてX軸右方向に搬送する基板搬送装置25が設けられている。
【0016】
基板搬送装置25は、基台21上に互いに平行に設けられた第一および第二基板搬送レーン26,27よりなる。第一基板搬送レーン26がラインL1の一部を構成し、第二基板搬送レーン27がラインL2の一部を構成している。第一および第二基板搬送レーン26,27は、第一および第二基板S1,S2を搬送方向(X軸方向)に沿ってそれぞれ搬送する。
【0017】
第一および第二基板搬送レーン26,27はX軸方向に互いに平行に延びる各1対の第一および第二ガイドレール26a,27aをそれぞれ備えており、その下側には各1対のエンドレスのコンベアベルト(図示省略)が互いに平行に設けられている。各第一および第二基板S1,S2は各コンベアベルトの上側の張り部上に支持され、各ガイドレール26a,27aにより支持されてX軸右向きに搬送される。なお、各コンベアベルトおよび各ガイドレール26a,27aは、搬送方向と直交する水平方向(Y軸方向)に位置調節可能であり、これにより異なる幅の第一および第二基板S1,S2に対応できるようになっている。
【0018】
基板搬送装置25には、所定の実装位置まで搬送されてきた基板S1を、多数のバックアップピンを介して押し上げて位置決め支持するバックアップ装置28が設けられている。
図2では第一基板搬送レーン26のバックアップ装置28だけが表示され、第二基板搬送レーン27のバックアップ装置は表示されていない。第一基板搬送レーン26は、電子部品を実装するために搬送方向に沿って設定された複数の第一側設定位置のうち一の設定位置に第一基板S1を停止させる。第二基板搬送レーン27は、電子部品を実装するために搬送方向に沿って設定された複数の第二側設定位置のうち一の設定位置に第二基板S2を停止させる。
【0019】
部品実装装置20には、基板搬送装置25を間に挟んで両側に第一および第二部品供給装置29a,29bが設けられている。各部品供給装置29a,29bは、部品実装装置20の基台21上に固定された部品供給ステージ41と、その上側に第一および第二基板S1,S2の搬送方向に沿って密着して並設された細長い多数のスロット(供給ユニット保持部)42と、各スロット42に離脱可能にセットされる幅の狭いカセット式フィーダ(部品供給デバイス)43よりなるものである。
【0020】
各カセット式フィーダ43は、本体43aと、その後部に設けられた供給リール43bよりなるもので、基板搬送装置25側となる本体43aの先端部には部品取出部43c(吸着位置に相当する)が設けられている。供給リール43bには電子部品が所定ピッチで封入された細長いテープ(図示省略)が巻回支持され、このテープはスプロケット(図示省略)により所定ピッチで部品取出部43cに送り込まれ、部品取出部43cでは封入状態が解除されて電子部品は取り出し可能となっている。なお部品供給デバイス43はこのようなカセット式のものに限らず、多数の電子部品をトレイ上に並べたトレイ式のものでもよく、その場合はスロット42もそれに応じた構造のものとする。
【0021】
基板搬送装置25の上方(図において紙面と直交方向上方側)には、各カセット式フィーダ43の部品取出部43cから電子部品を採取して第一および第二基板S1,S2の所定の実装位置にそれぞれ実装する第一および第二部品移載装置30a,30bが設けられている。
【0022】
第一部品移載装置30aはXYロボットタイプのものであり、基板搬送装置25および第一部品供給装置29aの上方に基台21に相対移動可能に配設され、Y軸モータ(図示省略)によりY軸方向に沿って移動される第一Y軸スライダ31aと、この第一Y軸スライダ31aに相対移動可能に支持され、X軸モータ(図示省略)によりX軸方向に沿って移動される第一X軸スライダ32aと、を備えている。
【0023】
第一X軸スライダ32aには、第一装着ヘッド33a(装着ヘッドに相当する)が着脱可能に設けられている。第一装着ヘッド33aは、Z軸モータ(図示省略)によりZ軸方向(X軸方向およびY軸方向に直交する方向)に沿って移動されるベース34aと、ベース34aに支持されて吸着ノズル36aを保持するノズル保持部35aと、ノズル保持部35aから下方に突出して設けられて下端に電子部品を吸着保持する細い円筒状の吸着ノズル36aと、を備えている。
【0024】
この第一部品移載装置30aは、第一装着ヘッド33aの下端の吸着ノズル36aによりカセット式フィーダ43の部品取出部43cから電子部品を吸着採取して上昇させ、第一Y軸スライダ31aおよび第一X軸スライダ32aによりY軸方向およびX軸方向に移動し、所定の位置において下降して第一基板S1上の実装位置に電子部品を実装する。このように、第一装着ヘッド33aは、第一側の一の設定位置(停止位置に相当する)に停止された第一基板S1に、第一部品供給装置29aの電子部品を実装する。
【0025】
また、第二部品移載装置30bは、第一部品移載装置30aと同様に、第二Y軸スライダ31b、第二X軸スライダ32bおよび第二装着ヘッド33bが設けられている。第二装着ヘッド33bは、第一装着ヘッド33aと同様に、ベース34b、ノズル保持部35bおよび吸着ノズル36bと、を備えている。第二装着ヘッド33bは、第二側の一の設定位置(停止位置に相当する)に停止された第二基板S2の実装位置に、第二部品供給装置29bの電子部品を実装する。
【0026】
本実施形態においては、各装着ヘッド33a(または33b)は、1個の吸着ノズル36a(または36b)を備えて電子部品を1個ずつ実装するものであるが、複数の吸着ノズル36a(または36b)を備えて複数の電子部品をそれぞれのカセット式フィーダ43から吸着してまとめて実装するものでもよい。
なお、装着ヘッド33a(33b)は、X軸スライダ32b(32a)に着脱可能であり、複数種ある。装着ヘッド33a,33bは、製造する製品に応じて変更される。
【0027】
第一撮像装置45aは、第一基板搬送レーン26と第一部品供給装置29aとの間に設けられている。第一撮像装置45aは、第一装着ヘッド33aに設けられた吸着ノズル36aに吸着された電子部品の吸着状態を下方から撮像して認識する。第二撮像装置45bは、第二基板搬送レーン27と第二部品供給装置29bとの間に設けられている。第二撮像装置45bは、第二装着ヘッド33bに設けられた吸着ノズル36bに吸着された電子部品の吸着状態を下方から撮像して認識する。
なお、撮像装置は、電子部品を垂直方向下方から撮像するものだけでなく、電子部品を水平方向側方から撮像するものを設置するようにしてもよい。
【0028】
制御部20a(上述した制御部14a,15aである)には、
図3に示すように、入力部20c、表示部20d、書き換え可能な記憶部20e、基板搬送レーン26,27、部品供給装置29a,29b、部品移載装置30a,30bおよび画像処理部20fが接続されている。入力部20cは、作業者が操作して基板の実装に必要な指令、データなどを入力するものである。表示部20dは、基板実装制御に関する種々の状態を表示するものである。記憶部20eは、装置全体を制御するシステムプログラム、システムプログラム上で装置の各要素をそれぞれ個別に制御する制御プログラム、基板の生産プログラム、キャリブレーションプログラム、その他各種アプリケーションプログラムやデータを記憶するものである。画像処理部20fは、撮像装置45a,45bにより撮像した移載途中の部品の画像データ、撮像した基板の画像データなどを処理するものである。
【0029】
またホストコンピュータ50は、主として各部品実装装置20の運転を統括して制御するとともに、第一基板搬送レーン26(または第二基板搬送レーン27)において電子部品を実装するために第一基板S1(または第二基板S2)を停止させる位置(以下、基板停止位置という。)を決定するものである。このホストコンピュータ50は、
図4に示すように、制御部51(部品実装ラインに係る制御装置に相当する)を備えていて、制御部51に接続された通信部52はLAN60を介して各部品実装装置20に接続されている。制御部51はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、所定のプログラムを実行して、各部品実装装置20などの運転を統括する制御を実行するとともに、各基板搬送レーン26,27における基板停止位置を決定する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものである。
【0030】
制御部51には、入力部53、表示部(出力部)54および書き換え可能な記憶部55が接続されている。入力部53は、作業者が操作して必要な情報、データなどを入力するものである。表示部54は、基板実装制御に関する種々の状態を表示するものである。記憶部55は、各部品実装装置20から取り込んだ稼動状況に関する情報(例えば、部品の消費数、基板1枚あたりの部品使用数、基板1枚あたりの生産時間、生産予定枚数、生産した基板枚数など)を記憶するものである。なお、部品実装ライン10が複数あり、1台のホストコンピュータ50がそれらを総括的に管理するようにしてもよい。
【0031】
上述した制御部20aは、特許請求の範囲に記載の部品実装装置に係る制御装置である。上述した制御部51は、特許請求の範囲に記載の部品実装ラインに係る制御装置である。制御部20a、51は、種類が異なるまたは同一の複数の製品に関して、製品の生産に係る生産データのうち少なくとも何れか一のデータを比較し、その比較結果を表示部20d、54に表示する。なお、この制御部は、複数の部品実装ライン10を統括して制御する制御装置でもよい。
【0032】
記憶部55(60)は、
図5に示すように、ジョブA61a、ジョブB61b、・・・、およびパートデータライブラリ62が格納(記憶)されている。ジョブA61a、ジョブB61bは、部品実装装置20を使用して1つの基板(パネル)から製品の生産を行うために必要な全ての情報を含んだデータである。すなわち、各ジョブが製品の生産に係る生産データである。生産データは、実装関連設備が基板へ実施する一連の工程の集まりである。部品実装装置の場合、生産データは、基板への部品実装位置データ、部品の形状・画像認識用データ、部品の供給位置データ、部品の搬送関連データ等を含む。また、生産を行うための装置の並び、各装置自身の構成を定義するデータを含んでも良い。
【0033】
各ジョブは、基板種毎に設定されるデータである。例えば、ジョブA61aは、シーケンスデータ61a1と、BOMデータ61a2と、パートデータ61a3と、ライン構成データ61a4と、装着順データ61a5と、セットアップデータ61a6と、を備えている。
【0034】
シーケンスデータ61a1は、
図6に示すように、電子部品の装着座標(X軸座標(X1、X2、X3・・・)、Y軸座標(Y1、Y2、Y3・・・)、θ軸座標(θ1、θ2、θ3・・・))と、回路記号(Ref1、Ref2、Ref3・・・)と、を備えている。シーケンスデータ61a1は、基板へ部品を実装するために必要なデータである。
【0035】
BOMデータ61a2は、基板種ごとに設定されるBOM(Bills of Materials:部品表)に関するデータである。BOMデータ61a2は、複数のBOM1、BOM2、BOM3、・・・を有している。BOM1は、回路記号(Ref1、Ref2、Ref3、・・・)と、電子部品の部品種(Ra、Rb、Ca、・・・)と、を備えている。回路記号と部品種とは、例えばRef1−Raのように、互いに対応付けられている。
【0036】
複数のBOMは、例えば仕向け地や製品モデルによって異なっている。本実施形態では、BOM1は、第一仕向け地用(または第一製品モデル用)であり、各回路記号Ref1、Ref2、Ref3は、それぞれ部品種Ra、Rb、Caである。BOM2は、第二仕向け地用(または第二製品モデル用)であり、各回路記号Ref1、Ref3は、それぞれ部品種Ra、Caであるが、回路記号Ref2は部品なしである。BOM3は、第三仕向け地用(または第三製品モデル用)であり、各回路記号Ref1、Ref2は、それぞれ部品種Ra、Rbであるが、回路記号Ref3は部品なしである。
【0037】
パートデータ61a3は、電子部品のスペックに関するデータである。パートデータ61a3は、部品実装装置20で製品を生産するために必要なデータである。パートデータ61a3は、
図8に示すように、部品形状情報、部品実装動作情報、梱包情報、および部品識別情報が含まれる。これら情報は、部品種と関連付けられている。
【0038】
部品形状情報は、電子部品の寸法(X軸長、Y軸長)、リード形式など、部品形状に関するデータである。部品形状情報は、良否判定(形状不良、たとえばリードの欠けや曲がり等の認識)、位置補正(位置認識搭載位置を補正)に使用されるデータである、部品形状情報は、シェープデータの一部である。
【0039】
部品実装動作情報は、部品を基板に実装(装着)する際に必要となるデータである。部品実装動作情報は、搬送速度、使用する吸着ノズルやライティング等の選択、加圧力装着等の各種チェック等などのデータがある。部品実装動作情報は、シェープデータの一部である。
【0040】
梱包情報は、部品の梱包に関するデータである。梱包情報は、リール・トレイ・バンプ・ウエハ等の梱包種、リール幅・ピッチ等の梱包詳細、梱包時の部品の向き等のデータである。梱包情報は、パッケージデータである。
部品識別情報は、各部品種毎に設定されるデータである。部品識別情報は、どのシェープデータやパッケージデータを使うかのリンク情報である。なお、部品形状情報、部品実装動作情報は、同じ部品のデータでも部品実装装置20の種類ごとに微調整が必要な場合がある。また、部品形状情報、部品実装動作情報は、部品供給ベンダやロットの違いを吸収するために変更する場合がある。
【0041】
ライン構成データ61a4は、部品実装ラインの構成に関するデータである。ライン構成データ61a4は、
図9に示すように、ライン種とそのラインを構成する装置(特に部品実装装置)とを関連付けたデータである。例えば、第一ライン種Line1は、部品実装装置M−Aと部品実装装置M−Aとがこの順番に並べられている。第二ライン種Line2は、部品実装装置M−Aと部品実装装置M−Bとがこの順番に並べられている。第三ライン種Line3は、部品実装装置M−Bと部品実装装置M−Aとがこの順番に並べられている。
装着順データ61a5は、部品実装装置20毎の部品の装着順に関するデータである。装着順データ61a5は、
図10に示すように、装着順種と装着順とを関連付けたデータである。例えば、第一装着順は、Ref1、Ref2、Ref3、・・・の順番である。第二装着順は、Ref2、Ref3、・・・、Ref1の順番である。第三装着順は、Ref3、・・・、Ref1、Ref2の順番である。
【0042】
セットアップデータ61a6は、部品実装装置20の構成(例えば、使用する装着ヘッド、吸着ノズル、部品供給デバイス(例えばカセット式フィーダ)など)に関するデータである。装着ヘッドのセットアップデータは、
図11に示すように、ヘッド種とそのヘッド種の構成とを関連付けたデータである。例えば、第一ヘッド種HD_ST1は、2つのヘッドを備えており、一方が装着ヘッドHD−1であり、他方が装着ヘッドHD−1である。第二ヘッド種HD_ST2は、2つのヘッドを備えており、一方が装着ヘッドHD−1であり、他方が装着ヘッドHD−2である。第三ヘッド種HD_ST3は、2つのヘッドを備えており、一方が装着ヘッドHD−2であり、他方が装着ヘッドHD−1である。
【0043】
また、吸着ノズルのセットアップデータは、
図11に示すように、ノズル種とそのノズル種の構成とを関連付けたデータである。例えば、第一ノズル種NZ_ST1は、2つのノズルを備えており、一方が吸着ノズルNZ−1であり、他方が吸着ノズルNZ−1である。第二ノズル種NZ_ST2は、2つのノズルを備えており、一方が吸着ノズルNZ−1であり、他方が吸着ノズルNZ−2である。第三ノズル種NZ_ST3は、2つのノズルを備えており、一方が吸着ノズルNZ−2であり、他方が吸着ノズルNZ−1である。
【0044】
さらに、ジョブは、オーダを含んでいる。オーダは、ライン構成、装着順、セットアップデータ(ヘッド種、ノズル種など)の組み合わせを示すデータである。オーダは、ジョブの基板種に対して複数設定されている。例えば、第一オーダOrder1は、第一ライン種Line1,第一装着順、第一ヘッド種HD_ST1、第一ノズル種NZ_ST1である。第二オーダOrder2は、第一ライン種Line1,第二装着順、第一ヘッド種HD_ST1、第一ノズル種NZ_ST1である。第三オーダOrder3は、第二ライン種Line2,第一装着順、第一ヘッド種HD_ST1、第一ノズル種NZ_ST1である。第四オーダOrder4は、第一ライン種Line1,第一装着順、第二ヘッド種HD_ST2、第二ノズル種NZ_ST2である。
【0045】
さらに、ジョブは、リビジョンナンバが異なる場合にも、各リビジョンに応じたジョブが設定されている。例えば、ジョブAのリビジョンRev1とリビジョンRev2が設定されている。リビジョンは、ベースとなる基板が同一であり、細かな改訂や不具合の修正などの設計変更のことである。リビジョンナンバは、リビジョンの改訂数である。
【0046】
パートデータライブラリ62は、上述した各ジョブに係る全てのパートデータを格納している。なお、パートデータライブラリ62は、外部記憶装置の一種(例えば磁気ディスク等)として構成されるようにしてもよい。パートデータはパートデータライブラリ62に作成されており、各ジョブがパートデータライブラリに格納されているパートデータを参照する。この場合は、すべてのジョブで同じ部品には同じパートデータが使用される。しかし、パートデータは、1部品のデータでも部品実装装置の種類ごとに微調整が必要な場合や、部品供給ベンダやロットの違いを吸収するために変更したい場合がある。そのため、1つの部品のパートデータを、各ジョブにコピーしジョブごとに別々の設定値を持たせることができる。
【0047】
次に上記のように構成した部品実装システムにおいて、生産データを比較し、その比較結果を表示することについて
図12に示すフローチャートを参照して説明する。
【0048】
最初に、リビジョン(製品リビジョン)が異なる場合について説明する。ホストコンピュータ50の制御部51は、ステップS102において、比較項目が選択されたか否かを判定する。作業者がホストコンピュータ50の入力部53を操作して、比較項目のなかから調査したい項目を選択するまで、制御部51はステップS102にて「NO」の判定を繰り返す。作業者が調査したい項目を選択すると、制御部51は、ステップS102にて「YES」と判定し、プログラムをステップS104に進める。
【0049】
例えば、ジョブAのリビジョンRev1とリビジョンRev2との違いを把握したい場合には、作業者は、ホストコンピュータ50の入力部53を操作して、比較項目のなかから「リビジョン(設計変更)」を選択する。制御部51は、ステップS102にて「YES」と判定し、比較項目に関係するデータを比較する(ステップS104)。具体的には、ジョブAのリビジョンRev1のシーケンスデータとジョブAのリビジョンRev2のシーケンスデータとを比較する。シーケンスデータにおいては、すべての回路記号について回路記号の装着座標を比較する。
【0050】
そして、制御部51は、比較結果である一致点および相違点を表示部54に表示する。シーケンスデータにおいて、装着座標が異なっている回路記号があれば、その相違点が、一致点と異なる表示方法にて表示部54に表示される。異なる表示方法は、一致点と相違点とは表示色を変えたり、相違点のみ点滅させたりして表示させる。
【0051】
例えば、
図13に示すように、回路記号Ref2のX軸座標が相違する場合には、両ジョブの回路記号Ref2のX軸座標の部分の背景色を濃く表示する。また、比較ジョブ2の回路記号Ref3がない場合には、両ジョブの回路記号Ref3の部分(X軸座標、Y軸座標およびθ軸座標の全ての項目)の背景色を濃く表示する。このように、リビジョンの違いによる、実装部品、その実装位置の相違点を表示させることができる。なお、一致点は、背景色は白色のままである。なお、一致点は表示させないで、相違点のみを表示するようにしてもよい。また、表形式でなく、基板イメージを表示するようにしてもよく、表形式と基板イメージとを同時に表示するようにしてもよい。
作業者は、この表示を見ることにより、リビジョンすなわち設計変更の内容が基板に反映されているか否かを容易かつ正確に確認することができる。
【0052】
また、仕向け地(製品モデル)が異なる場合について説明する。第一仕向け地用と第二仕向け地用との違いを把握したい場合には、作業者は、ホストコンピュータ50の入力部53を操作して、比較項目のなかから「仕向け地(製品モデル)」を選択する。制御部51は、同一ジョブ内のBOMデータのうちBOM1とBOM2とを比較する(ステップS104)。BOMデータにおいては、すべての回路記号について回路記号の部品種を比較する。そして、制御部51は、比較結果である一致点および相違点を表示部54に表示する。
【0053】
例えば、
図14に示すように、回路記号Ref2の部品種が相違する場合には、両ジョブの回路記号Ref2の部分の背景色を濃く表示する。このように、仕向け地の違いによる、実装部品の部品種の相違点を表示させることができる。
作業者は、この表示を見ることにより、仕向け地が異なる製品の相違点を容易かつ正確に確認することができる。
【0054】
次に、セットアップが異なる場合について説明する。同一ジョブ内において異なるオーダ間のセットアップの違いを把握したい場合には、作業者は、ホストコンピュータ50の入力部53を操作して、比較項目のなかから「セットアップ」を選択する。制御部51は、同一ジョブ内のオーダを比較する(ステップS104)。すなわち、制御部51は、オーダを構成するセットアップデータを比較する。なお、合わせて、装着順データ、ライン構成データを比較するようにしてもよい。
【0055】
上述した4つのオーダOrder1〜Order4を例に挙げて説明する。第一オーダOrder1〜第三オーダOrder3のヘッド種は第一ヘッド種HD_ST1であるとともに、ノズル種は第一ノズル種NZ_ST1である。一方、第四オーダOrder4のヘッド種は第二ヘッド種HD_ST2であるとともに、ノズル種は第二ノズル種NZ_ST2である。
【0056】
例えば、
図15に示すように、ヘッドの構成が相違する場合には、両ジョブの二番目の構成部分の背景色を濃く表示する。このように、オーダの違いによる、ヘッド構成の相違点を表示させることができる。また、ノズルの構成が相違する場合には、両ジョブの二番目の構成部分の背景色を濃く表示する。このように、オーダの違いによる、ノズル構成の相違点を表示させることができる。
【0057】
作業者は、この表示を見ることにより、異なるオーダ間のセットアップの相違点を容易かつ正確に確認することができる。すなわち、部品実装システムにおいては、同一ジョブ内に複数のライン構成を設定でき、オーダによって使用するラインが変更できる。これは次の理由による。同じ基板を生産するとしても前後や同時期に生産する別の基板の状況によって、その基板を生産するラインを変更(物理的に別のラインで生産する場合と、同じラインのライン構成を変更する場合とが考えられる)する場合がありえるからである。これら場合、それらオーダ間(ライン構成を含む)の差異を表示することができる。
【0058】
また、現生産と次生産との差、特にセットアップの差を表示することができる。その結果、作業者は段取り替えの作業内容を容易かつ確実に把握することができ、初品チェックにおける確認箇所を容易かつ確実に把握することができる。
【0059】
さらに、パートデータを比較する場合について説明する。最初に、パートデータライブラリ62の管理の効率を向上する場合について説明する。パートデータライブラリ62のパートデータと、各ジョブ61a,61bのパートデータとの関係について
図16を参照して説明する。
【0060】
まず、パートデータライブラリ62とジョブ61a,61b間で同じ部品でも異なるパートデータができる理由について説明する。1.作業者は、パートデータライブラリ62にて部品種Aのパートデータを作成する。2.作業者は、パートデータライブラリ62の部品種Aのパートデータをコピーして、ジョブA61aのパートデータを作成する。3.作業者は、パートデータライブラリ62の部品種Aのパートデータをコピーして、ジョブB61bのパートデータを作成する。このとき、部品実装装置(機種B)で使用できる機能を使うため、ジョブB61bのパートデータを修正する。このような作業によって、パートデータライブラリ62とジョブ61a,61b間で同じ部品でも異なるパートデータが作成される。
【0061】
このような場合に、パートデータライブラリ62とジョブ61a,61b間で同じパートデータに異なる値が設定されている事実を簡単に見つけ出すことが必要であり、さらに、パートデータに設定されている値の相違点を簡単に見つけ出すことが必要である。さらに、その相違点に基づいて、ジョブB61bの修正をパートデータライブラリ62やジョブA61aにも反映すべきか簡単に判断し、反映が必要であれば反映することが要請されている。
【0062】
さらに、
図17に示すフローチャートを参照して説明する。ホストコンピュータ50の制御部51は、ステップS202において、作業者がパートデータライブラリ62またはジョブ61a,61bのパートデータを修正したか否か(パートデータが修正されたか否か)を判定する。作業者がパートデータを修正するまで、制御部51はステップS202にて「NO」の判定を繰り返す。作業者がパートデータを修正すると、制御部51は、ステップS202にて「YES」と判定し、プログラムをステップS204に進める。
【0063】
例えば、作業者がジョブB61bの部品種Aに係るパートデータの部品実装動作情報を機種Bの部品実装装置20に合わせて部品実装情報bに修正した場合、制御部51は、ステップS204において、関係するパートデータを全て表示部54に表示する。具体的には、制御部51は、修正した部品種(本実施形態では部品種A)のパートデータを含むパートデータを全て検索し、検索結果を一覧表にて表示部54に表示する。例えば、パートデータライブラリ62のパートデータ、ジョブA61aのパートデータ、ジョブB61bのパートデータ、・・・と表示される。
【0064】
作業者が、表示部54に表示された検索結果一覧表から内容の比較をしたいパートデータを選択する。このとき、制御部51は、ステップS206にて「YES」と判定し、パートデータを構成する各データを比較する(ステップS208)。なお、作業者がパートデータを選択するまでは、制御部51は、ステップS206にて「NO」の判定を繰り返す。
【0065】
例えば、作業者が、表示部54に表示された検索結果一覧表からパートデータライブラリ62のパートデータ、ジョブA61aのパートデータ、およびジョブB61bのパートデータを選択する。このとき、制御部51は、これら選択されたパートデータを構成する各データを比較する(ステップS208)。部品形状情報については、全てのパートデータが部品形状情報aである。部品実装動作情報ついては、ジョブB61bのパートデータのみが部品実装動作情報bであり、パートデータライブラリ62およびジョブA61aのパートデータは、部品実装動作情報aである。梱包情報については、全てのパートデータが梱包情報aである。部品識別情報については、全てのパートデータが部品識別情報aである。このように、パートデータライブラリ62のパートデータ、ジョブA61aのパートデータ、およびジョブB61bのパートデータの部品実装動作情報は相違しており、その他の情報は一致している。
【0066】
なお、比較対象が部品形状情報である場合には、部品実装装置20ごとに画像処理の違いによる差異を把握することができる。比較対象が部品実装動作情報である場合には、部品実装装置20ごとに持つ機能の違いによる差異を把握することができる。比較対象が梱包情報である場合には、部品実装装置20ごとに持つ部品供給デバイスの違いによる差異を把握することができる。
【0067】
そして、制御部51は、この比較結果を表示部54に表示する(ステップS210)。例えば、制御部51は、パートデータライブラリ62のパートデータ、ジョブA61aのパートデータ、およびジョブB61bのパートデータの相違点(部品実装動作情報)と一致点とを表示色を変えたり、相違点のみ点滅させたりして表示する。
【0068】
作業者は、この表示を見ることにより、内容を比較したいパートデータを表示させたり、内容の相違を表示させたりすることができる。その結果、作業者は、必要に応じてパートデータライブラリ62とジョブ61a,61bとの間でパートデータを相互にコピーすることにより、パートデータライブラリ62とジョブ61a,61bとの間のデータの整合性を確認・修正することができる。したがって、確認が必要なパートデータを簡単に把握することができる。また、パートデータの内容の違いを簡単に把握することができる。さらに、パートデータライブラリ62とジョブ61a,61bとの間のデータの整合性を確認・修正し易くなるため、パートデータライブラリ62の管理効率を向上することができる。
【0069】
次に、部品実装装置20の構成の違いに起因するパートデータの違いを確認する場合について説明する。同一の部品実装装置20であっても部品実装装置20の構成の違いによって実装可能な条件が変わる場合がある。例えば、作業者がカメラユニット(例えば撮像装置45a,45b)を変えるだけでも、装着可能や、部品サイズやリードの欠けや曲がり確認の実行可否などの条件が変わる。装着ヘッド33a,33b、吸着ノズル36a,36bなどの構成も同様である。これは次の理由による。本実施形態に係る部品実装システムにおいては、1つのパートデータは、部品実装装置20の種類ごとに異なる値を設定することができる。しかし、同一種類の部品実装装置20では、同一部品種のパートデータは、同じ内容にしか設定できず、部品実装装置20の構成の違いを加味して異なる値を設定することはできない。
【0070】
そのため、作業者が、部品実装ライン10ごとにジョブを作成し、その各ジョブで部品実装装置20の構成にあったパートデータに設定を変えることがある。その結果、ジョブごとに同じ部品種でもパートデータが異なることになり、管理が難しくなるという問題があった。
【0071】
これに対処するため、部品実装装置20の構成の違いに起因するパートデータの違いを簡単に把握し確認する必要があった。その具体的な方法は、上述したパートデータライブラリ62の管理の効率を向上する場合と同様であるため、その詳細は省略する。作業者は、表示部54に表示された比較結果を見ることにより、内容を比較したいパートデータを表示させたり、内容の相違を表示させたりすることができる。その結果、作業者は、パートデータライブラリ62とジョブ61a,61bとの間で異なるパートデータを簡単に把握することができる。また、パートデータの内容の違いを簡単に把握することができる。よって、パートデータライブラリ62の管理効率を向上することができる。
【0072】
さらに、同系統の部品の違いを確認する場合について説明する。同系統の部品(例えば、各チップ、タンタル、電界アルミコンデンサ、PLCC(Plastic leaded chip carrier)など)は、実施したい動作(例えば、リードのチェック方法やフラックス塗付の有無など)が同じになることが多い。そのため、新しくパートデータを作成した際、部品を思ったように装着できない(部品を正しく装着できない)場合がある。この場合、実績がある同系統のパートデータと比較し、どこが違うのか確認することで、いち早く思ったように装着できるようにすることが可能となる。このように、同系統の部品でもパートデータの詳細を比較できるようにしたいという要望がある。
【0073】
具体的には、
図18に示すフローチャートを参照して説明する。ホストコンピュータ50の制御部51は、ステップS302において、作業者がパートデータライブラリ62またはジョブ61a,61bのパートデータを新たに作成したか否かを判定する。作業者がパートデータを新しく作成するまで、制御部51はステップS302にて「NO」の判定を繰り返す。作業者がパートデータを新たに作成すると、制御部51は、ステップS302にて「YES」と判定し、プログラムをステップS304に進める。制御部51は、ステップS304において、新たに作成した部品種と同系統の部品種を全て表示部54に表示する。
【0074】
作業者が、表示部54に表示された部品種から内容の比較をしたい部品種を選択する。このとき、制御部51は、ステップS306にて「YES」と判定し、選択された部品種に係るパートデータを検索し、検索結果を一覧表にて表示する(ステップS308)。なお、作業者が部品種を選択するまでは、制御部51は、ステップS306にて「NO」の判定を繰り返す。
【0075】
作業者が、表示部54に表示された検索結果一覧表から内容の比較をしたいパートデータを選択する。このとき、制御部51は、ステップS206にて「YES」と判定し、パートデータを構成する各データを比較する(ステップS208)。制御部51は、この比較結果を表示部54に表示する(ステップS210)。作業者は、表示部54に表示された比較結果を見ることにより、内容を比較したいパートデータを表示させたり、内容の相違を表示させたりすることができる。その結果、作業者は、パートデータライブラリ62とジョブ61a,61bとの間で異なるパートデータを簡単に把握することができる。また、パートデータの内容の違いを簡単に把握することができる。よって、パートデータライブラリ62の管理効率を向上することができる。
【0076】
なお、新たにパートデータを作成する時以外のタイミングでも、同一部品種に係るパートデータを表示させるようにしてもよい。例えば、基板製造の不良率が高い場合、その理由を解析する際に、製造対象の基板に係るジョブに含まれるパートデータを表示させるようにすればよい。
また、異なるジョブ間または同一ジョブ内のパートデータの違いから、不良率や品質に差がある場合がある。この場合、作業者が、不良率や品質差の原因がパートデータの設定にあるかを確認する際に、上述したパートデータの違いによる表示方法によって表示された内容を利用することができる。
【0077】
また、上述したように、生産データを比較し、その比較結果を表示する制御は、ホストコンピュータ50の制御部51によって実施されていたが、部品実装装置20の制御部20aによって実施されるようにしてもよい。この場合、表示部は表示部20dである。
【0078】
上述した実施形態によれば、制御部51(制御装置:または制御部20a)は、基板S1,S2に電子部品を実装して製品を生産する複数の部品実装装置20により構成されている部品実装ライン10に係る制御部(部品実装ライン10に係る制御部)である。制御部51(または制御部20a)は、種類が異なるまたは同一の複数の製品に関して、製品の生産に係る生産データのうち少なくとも何れか一のデータを比較し、その比較結果を表示部54(または表示部20d)に表示する(
図13,14,15)。
これによれば、例えば異なる製品間、異なる部品実装装置20などに係る調査項目(例えば、リビジョン、仕向け地、パートデータなど)についてユーザが調査を希望する場合、ユーザは、制御部51(または制御部20a)を使用することにより、種類が異なるまたは同一の複数の製品に関して、製品の生産に係る生産データのうち少なくとも何れか一のデータを比較し、その比較結果を表示部54(または表示部20d)に表示することができる。よって、ユーザが調査を希望する調査項目、例えば異なる製品間、異なる部品実装装置20などについて容易かつ利便性よく調査することができる。
【0079】
また、部品実装ライン10に係る制御部51(または制御部20a)において、生産データは、基板S1,S2の種類、基板S1,S2に実装されるべき電子部品の種類、数量、形状および実装位置を、少なくとも含んでいる。
これによれば、ユーザが調査を希望する調査項目、特に異なるまたは同一の製品間に係る調査項目(例えば、リビジョン、仕向け地など、特にパートデータ)について容易かつ利便性を確保した上で、より詳細に調査することができる。
【0080】
また、部品実装装置20は、電子部品を供給する複数のカセット式フィーダ43(部品供給デバイス)と、カセット式フィーダ43の吸着位置にある電子部品を吸着し、停止位置に位置決めされた基板S1,S2の実装位置に実装する吸着ノズル36a,36bと、吸着ノズル36a,36bが脱着可能に取り付けられる装着ヘッド33a,33bと、を備え、制御部51(または制御部20a)は、製品の生産に係る生産データのうち吸着ノズル36a,36bの種類および装着ヘッド33a,33bの種類の少なくとも何れか一を比較し、その比較結果を表示部54(または表示部20d)に表示することである(
図15)。
これによれば、ユーザが調査を希望する調査項目、特に異なるまたは同一の部品実装装置20間に係る調査項目(例えば、セットアップ)について容易かつ利便性を確保した上で、より詳細に調査することができる。
【0081】
また、部品実装ライン10に係る制御部51は、基板S1,S2に電子部品を実装して製品を生産する複数の部品実装装置20により構成されている複数の部品実装ライン10に係る制御部51である。制御部51は、製品の生産に係る生産データのうち部品実装装置20のライン構成を比較し、その比較結果を表示部54(または表示部20d)に表示する。
これによれば、例えば異なる部品実装ライン10に係る調査項目(例えば、ライン構成、装着ヘッドや吸着ノズルのセットアップ)についてユーザが調査を希望する場合、ユーザは、制御部51,20aを使用することにより、種類が異なるまたは同一の複数の製品に関して、製品の生産に係る生産データのうち少なくとも何れか一のデータを比較し、その比較結果を表示部54(または表示部20d)に表示することができる。よって、ユーザが調査を希望する調査項目、例えば異なる部品実装ライン10に係る調査項目について容易かつ利便性よく調査することができる。
【0082】
また、部品実装ライン10に係る制御部51(または部品実装装置20に係る制御部20a)において、制御部51(または制御部20a)は、比較結果の相違点がある電子部品と関連性の高い電子部品に係るデータも表示する。
制御部51(または制御部20a)は、例えば、上述したように、比較結果を表示部54に表示する際(ステップS106,210)において、比較結果一覧に係る部品種だけでなく、その部品種と関連性の高い部品種に係るデータ(例えばパートデータ)も合わせて表示される。関連性が高い部品種は、互いに関連づけられて記憶部20e(または記憶部55)に記憶されている。なお、関連性が高いとは、部品が同一系統であるとか、リードのタイプが同じであるとか、部品供給ベンダが同一である。
これによれば、作業者が、不良率や品質の差の原因を調査する際に、関連するデータを漏れなく調査することができるため、より確実に原因を把握することができる。
【0083】
また、部品実装ライン10に係る制御部51(または部品実装装置20に係る制御部20a)において、制御部51(または制御部20a)は、比較結果の相違点がある基板と関連性の高い基板に係るデータも表示する。
【0084】
制御部51(または制御部20a)は、例えば、上述したように、比較結果を表示部54に表示する際(ステップS106,210)において、比較結果一覧に係る基板種だけでなく、その基板種と関連性の高い基板種に係るデータ(例えばシーケンスデータ)も合わせて表示される。関連性が高い基板種は、互いに関連づけられて記憶部20e(または記憶部55)に記憶されている。なお、関連性が高いとは、基板に形成されているパターンが所定比率(例えば、70%)以上同一である場合、構成部品は同じであるが装着座標が異なる場合などである。
これによれば、作業者が、不良率や品質の差の原因を調査する際に、関連するデータを漏れなく調査することができるため、より確実に原因を把握することができる。