特許第6382947号(P6382947)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6382947前立腺癌を治療するためのジヒドロピラジノ−ピラジン化合物及びアンドロゲン受容体アンタゴニストを含む組合せ療法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6382947
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】前立腺癌を治療するためのジヒドロピラジノ−ピラジン化合物及びアンドロゲン受容体アンタゴニストを含む組合せ療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4985 20060101AFI20180820BHJP
   A61K 31/4166 20060101ALI20180820BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20180820BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20180820BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180820BHJP
【FI】
   A61K31/4985
   A61K31/4166
   A61P35/00
   A61P13/08
   A61P43/00 121
【請求項の数】5
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2016-509056(P2016-509056)
(86)(22)【出願日】2014年4月16日
(65)【公表番号】特表2016-516819(P2016-516819A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(86)【国際出願番号】US2014034316
(87)【国際公開番号】WO2014172431
(87)【国際公開日】20141023
【審査請求日】2017年3月31日
(31)【優先権主張番号】61/813,038
(32)【優先日】2013年4月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/815,509
(32)【優先日】2013年4月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504135550
【氏名又は名称】シグナル ファーマシューティカルズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ヘザー ライモン
(72)【発明者】
【氏名】トシヤ ツジ
(72)【発明者】
【氏名】ラマ ケー. ナーラ
(72)【発明者】
【氏名】クリステン マエ ヘゲ
【審査官】 今村 明子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−506875(JP,A)
【文献】 特表2013−508456(JP,A)
【文献】 特表2010−506934(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/016113(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/044893(WO,A1)
【文献】 Clinical Cancer Research,2013年 3月15日,Vol.19, No.6,p.1335-1339,DOI:10.1158/1078-0432.CCR-12-2910
【文献】 Schayowitz A, et al.,Prolonging hormone sensitivity in prostate cancer xenografts through dual inhibition of AR and mTOR,British Journal of Cancer,2010年,Vol.103, No.7,p.1001-1007
【文献】 Schiewer MJ, et al.,mTOR is a selective effector of the radiation therapy response in androgen receptor-positive prostat,Endocrine-Related Cancer,2012年 1月 9日,Vol.19, No.1,p.1-12
【文献】 Morgan TM, et al.,Targeted therapy for advanced prostate cancer: inhibition of the PI3K/Akt/mTOR pathway,Current Cancer Drug Targets,2009年,Vol.9, No.2,p.237-249
【文献】 Antonarakis ES, et al.,Novel targeted therapeutics for metastatic castration-resistant prostate cancer,Cancer Letters,2010年,Vol.291, No.1,p.1-13
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00− 9/72
A61K 31/00−31/80
A61K 33/00−33/44
A61K 47/00−47/69
A61P 1/00−43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1-エチル-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン、又はその医薬として許容し得る塩、立体異性体、互変異性体、もしくはアイソトポログを含む前立腺癌を治療するための医薬組成物であって、該医薬組成物が、MDV3100と組合せて投与される、前記医薬組成物。
【請求項2】
前記前立腺癌が、再発性又は不応性前立腺癌である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記前立腺癌が、去勢抵抗性前立腺癌である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記前立腺癌が、E-トゥエンティシックス(ETS)を過剰発現する前立腺癌である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記前立腺癌が、転移性去勢抵抗性前立腺癌である、請求項1記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その内容全体が引用により本明細書中に組み込まれる、2013年4月17日に出願された米国仮特許出願第61/813,038号、及び2013年4月24日に出願された米国仮特許出願第61/815,509号の利益を主張する。
【0002】
(1.分野)
本明細書に提供されるのは、癌を治療又は予防する方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物及び有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストを、癌を有する患者に投与することを含む、方法である。
【背景技術】
【0003】
(2.背景)
異常なタンパク質リン酸化と疾患の原因又は結果との関係は、20年以上にわたって知られている。したがって、タンパク質キナーゼは、非常に重要な薬物標的群となっている。Cohenの文献、Nature, 1:309-315(2002)を参照されたい。様々なタンパク質キナーゼ阻害剤が、癌並びに糖尿病及び脳卒中を含む慢性炎症性疾患などの多種多様な疾患の治療において臨床的に使用されている。Cohenの文献、Eur. J. Biochem., 268:5001-5010(2001)、疾患治療用のタンパク質キナーゼ阻害剤:有望性及び問題点(Protein Kinase Inhibitors for the Treatment of Disease: The Promise and the Problems)、実験薬理学の手引き(Handbook of Experimental Pharmacology)、Springer Berlin Heidelberg, 167(2005)を参照されたい。
【0004】
タンパク質キナーゼは、タンパク質リン酸化を触媒し、細胞シグナル伝達において重要な役割を果たす広くかつ多様な酵素ファミリーである。タンパク質キナーゼは、その標的タンパク質に応じて、正又は負の調節効果を及ぼし得る。タンパク質キナーゼは、限定されないが、代謝、細胞周期進行、細胞接着、血管機能、アポトーシス、及び血管新生などの細胞機能を調節する特定のシグナル伝達経路に関与する。細胞シグナル伝達の機能不全は多くの疾患と関連しており、そのうちの最も特徴付けられているものには、癌及び糖尿病が含まれる。サイトカインによるシグナル伝達の調節、並びにシグナル分子と癌原遺伝子及び腫瘍抑制遺伝子との関連は、十分に立証されている。同様に、糖尿病及び関連状態と脱調節されたタンパク質キナーゼレベルとの関連も実証されている。例えば、Sridharらの文献、Pharmaceutical Research, 17(11):1345-1353(2000)を参照されたい。ウイルス感染及びそれに関連する状態もまた、タンパク質キナーゼの調節と関連付けられている。Parkらの文献、Cell 101(7):777-787(2000)。
【0005】
タンパク質キナーゼは、代謝、細胞増殖、細胞分化、及び細胞生存を含むほとんど全ての細胞プロセスを調節するので、これらは、様々な疾患状態に対する治療的介入の魅力的な標的である。例えば、タンパク質キナーゼが中心的役割を果たす細胞周期制御及び血管新生は、限定されないが、癌、炎症性疾患、異常血管新生及びそれに関連する疾患、アテローム性動脈硬化症、黄斑変性症、糖尿病、肥満、並びに疼痛などの数多くの疾患状態と関連する細胞プロセスである。
【0006】
タンパク質キナーゼは、癌治療の魅力的な標的となっている。Fabbroらの文献、Pharmacology & Therapeutics 93:79-98(2002)。ヒト悪性腫瘍の発生におけるタンパク質キナーゼの関与は、以下のものによって生じ得ることが提唱されている:(1)ゲノム再配列(例えば、慢性骨髄性白血病におけるBCR-ABL)、(2)構成的に活性のあるキナーゼ活性を生じさせる突然変異、例えば、急性骨髄性白血病及び消化管腫瘍、(3)例えば、癌遺伝子RASを有する癌で見られるような、癌遺伝子の活性化又は腫瘍抑制機能の喪失によるキナーゼ活性の脱調節、(4)EGFRの場合に見られるような、過剰発現によるキナーゼ活性の脱調節、並びに(5)新生物表現型の発生及び維持の一因となり得る成長因子の異所発現。Fabbroらの文献、Pharmacology & Therapeutics 93:79-98(2002)。
【0007】
タンパク質キナーゼ経路の複雑さ、並びに様々なタンパク質キナーゼ及びキナーゼ経路の中での及びそれらの間の関係及び相互作用の複雑性の解明により、複数のキナーゼ又は複数のキナーゼ経路に対する有益な活性を有する、タンパク質キナーゼ修飾因子、調節因子、又は阻害因子として作用することができる医薬品を開発することの重要性が強調されている。したがって、新規のキナーゼ修飾因子に対する必要性が依然として存在している。
【0008】
mTOR(哺乳動物のラパマイシン標的)と命名されたタンパク質は、FRAP、RAFTI、又はRAPT1とも呼ばれ、これは、2549アミノ酸のSer/Thrタンパク質キナーゼであり、細胞の成長及び増殖を調節するmTOR/PI3K/Akt経路において最も重要なタンパク質の1つであることが示されている。Georgakis及びYounesの文献、Expert Rev. Anticancer Ther. 6(1):131-140(2006)。mTORは、mTORC1及びmTORC2という2つの複合体の中に存在する。mTORC1は、ラパマイシン類似体(例えば、テムシロリムス又はエベロリムス)に感受性があるが、mTORC2は、ほとんどラパマイシン非感受性である。留意すべきことに、ラパマイシンは、TORキナーゼ阻害剤ではない。いくつかのmTOR阻害剤は、癌治療の臨床試験で評価されたことがあるか又は評価されているところである。テムシロリムスは、2007年に、腎細胞癌での使用が承認され、シロリムスは、1999年に、腎移植片拒絶反応の予防のために承認された。エベロリムスは、2009年に、血管内皮成長因子受容体阻害剤で進行した腎細胞癌患者に対して、2010年に、治療を必要とするが、外科的切除の候補ではない患者における結節硬化症(TS)を伴う上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)に対して、及び2011年に、切除不能な局所進行性又は転移性疾患を有する患者における膵臓起源の進行性神経内分泌腫瘍(PNET)に対して承認された。mTORC1複合体とmTORC2複合体の両方を阻害するTORキナーゼ阻害剤に対する必要性が依然として存在している。
【0009】
DNA依存性タンパク質キナーゼ(DNA-PK)は、DNA二本鎖切断(DSB)の修復に関与するセリン/トレオニンキナーゼである。DSBは、最も致命的なDNA損傷と考えられており、内因性に又は電離放射線及び化学療法に応答して起こる(総説については、Jackson, S. P., Bartek, J.の文献、ヒト生物学及び疾患におけるDNA損傷応答(The DNA-damage response in human biology and disease.)、Nature Rev 2009; 461:1071-1078を参照されたい)。修復しないまま放置すると、DSBは、細胞周期停止及び/又は細胞死をもたらす(Hoeijmakers, J. H. J.の文献、癌を予防するためのゲノム維持機構(Genome maintenance mechanisms for preventing cancer.)、Nature 2001; 411: 366-374; van Gent, D. C., Hoeijmakers, J. H., Kanaar, R.の文献、染色体安定性とDNA二本鎖切断との関係(Chromosomal stability and the DNA double-stranded break connection.)、Nat Rev Genet 2001; 2: 196-206)。損傷に応答して、細胞は、そのような切断を修復するための複雑な機構を発達させてきたが、これらの機構は、治療抵抗性の基盤を形成する場合がある。非相同的末端結合(NHEJ)及び相同組換え(HR)という、DSBを修復するために使用される2つの主要な経路がある。NHEJは、DNAの切断末端を結び付け、第二の鋳型に関係なく、これらを再結合させる(Collis, S. J., DeWeese, T. L., Jeggo P. A., Parker, A.R.の文献、DNA-PKの生と死(The life and death of DNA-PK.)、Oncogene 2005; 24: 949-961)。対照的に、HRは、忠実な修復を媒介するための鋳型を提供する娘染色分体の近接性に依存する(Takata, M., Sasaki, M. S., Sonoda, E., Morrison, C., Hashimoto, M., Utsumi, H.らの文献、DNA二本鎖切断修復の相同組換え経路及び非相同末端結合経路は、脊椎動物細胞での染色体完全性の維持において重複する役割を有する(Homologous recombination and non-homologous end-joining pathways of DNA double-strand break repair have overlapping roles in the maintenance of chromosomal integrity in vertebrate cells.)、EMBO J 1998; 17: 5497-5508; Haber, J. E.の文献、二本鎖切断を修復するパートナー及び経路(Partners and pathways repairing a double-strand break.)、Trends Genet 2000; 16: 259-264)。NHEJは、DSBの大部分を修復する。NHEJにおいて、DSBは、DNA-PKの触媒サブユニットに結合し、その後、それを活性化するKuタンパク質によって認識される。これは、末端処理酵素であるポリメラーゼ及びDNAリガーゼIVの動員及び活性化をもたらす(Collis, S. J., DeWeese, T. L., Jeggo P. A., Parker, A.R.の文献、DNA-PKの生と死(The life and death of DNA-PK.)、Oncogene 2005; 24: 949-961)。NHEJは、DNA-PKによって主に制御されており、したがって、DNA-PKの阻害は、外因性に誘導されるDSBに対する修復応答を調節するための魅力的な手法である。NHEJ経路の構成要素が欠損している細胞は、DSB修復に欠陥があり、電離放射線及びトポイソメラーゼ毒物に対して感受性が高い(Smith, G. C. M., Jackson, S.P.による概説、DNA依存性タンパク質キナーゼ(The DNA-dependent protein kinase.)、Genes Dev 1999; 13: 916-934; Jeggo, P.A., Caldecott, K., Pidsley, S., Banks, G.R.の文献、DNA二本鎖切断修復に欠陥があるチャイニーズハムスター卵巣突然変異体のトポイソメラーゼII阻害剤に対する感受性(Sensitivity of Chinese hamster ovary mutants defective in DNA double strand break repair to topoisomerase II inhibitors.)、Cancer Res 1989; 49: 7057-7063)。DNA-PK阻害剤は、癌細胞を治療的に誘導されるDSBに対して敏感にするという同じ効果を有することが報告されている(Smith, G. C. M., Jackson, S.P.の文献、DNA依存性タンパク質キナーゼ(The DNA-dependent protein kinase.)、Genes Dev 1999; 13: 916-934)。
【0010】
本出願の第2節におけるどの参考文献の引用及び特定も、該参考文献が本出願の先行技術であるという承認として解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0011】
(3.概要)
本明細書に提供されるのは、癌を治療又は予防する方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物及び有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストを、癌を有する患者に投与することを含む、方法である。
【0012】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、固形腫瘍を有する患者における完全応答、部分応答、又は安定疾患の固形腫瘍の応答評価基準(例えば、RECIST 1.1)を達成する方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物をアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて該患者に投与することを含む、方法である。ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、前立腺癌を有する患者における完全応答、部分応答、又は安定疾患の前立腺癌ワーキンググループ2(PCWG2)基準を達成する方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物をアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて該患者に投与することを含む、方法である。
【0013】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、癌を有する患者の生存を腫瘍の進行なしに増加させる方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて該患者に投与することを含む、方法である。
【0014】
ある実施態様において、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、本明細書に記載の化合物である。ある実施態様において、該アンドロゲン受容体アンタゴニストは、MDV3100である。
【0015】
本実施態様は、非限定的な実施態様を例示することが意図される詳細な説明及び実施例を参照することにより、より完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
(4.図面の簡単な説明)
図1】ETS陽性前立腺癌異種移植モデルにおける化合物2単独療法及びMDV3100単独療法を示している。
【0017】
図2】ETS陽性前立腺癌異種移植モデルにおける化合物2単独療法、MDV3100単独療法、及び化合物2+MDV3100組合せ療法を示している。
【0018】
図3】アポトーシスの誘導における化合物2とMDV3100の組合せ処理の相乗効果を示している。図3Aでは、LNCaP細胞株(ETS+、アンドロゲン依存性)の化合物2又はMDV3100による単独処理のカスパーゼ活性が示されている。図3B、C、及びDは、カスパーゼ誘導によって測定される、化合物2とMDV3100による組合せ処理のカスパーゼ活性を測定した3つの実験を示している:化合物2処理のみ(△)、化合物2と、30、10、3.3、及び1.1μMのMDV3100との予想される相加効果(+)、並びに化合物2とMDV3100による処理の実際の組合せ効果(○)。図3Eは、カスパーゼ誘導によって測定される、化合物2とMDV3100によるVCaP細胞株(ETS+、アンドロゲン依存性)の処理のカスパーゼ活性を測定した実験を示している:化合物2処理のみ(△)、化合物2と、30、10、3.3、及び1.1μMのMDV3100との予想される相加効果(+)、並びに化合物2とMDV3100による処理の実際の組合せ効果(○)。
【0019】
図4】LNCap-HR前立腺癌異種移植モデルにおける化合物2単独療法、MDV3100単独療法、及び化合物2+MDV3100組合せ療法を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(5.詳細な説明)
(5.1 定義)
「アルキル」基は、1〜10個の炭素原子、典型的には、1〜8個の炭素、又はいくつかの実施態様においては、1〜6個、1〜4個、もしくは2〜6個の炭素原子を有する、飽和した、部分的に飽和した、又は不飽和の直鎖又は分岐状非環式炭化水素である。代表的なアルキル基としては、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル、及び-n-ヘキシルが挙げられ;一方、飽和分岐アルキルとしては、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチルなどが挙げられる。不飽和アルキル基の例としては、特に、ビニル、アリル、-CH=CH(CH3)、-CH=C(CH3)2、-C(CH3)=CH2、-C(CH3)=CH(CH3)、-C(CH2CH3)=CH2、-C≡CH、-C≡C(CH3)、-C≡C(CH2CH3)、-CH2C≡CH、-CH2C≡C(CH3)、及び-CH2C≡C(CH2CH3)が挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は、置換されていても、置換されていなくてもよい。ある実施態様において、本明細書に記載のアルキル基が「置換されている」と言われるとき、それらは、本明細書に開示される例示的な化合物及び実施態様に見られるもの、並びにハロゲン(クロロ、ヨード、ブロモ、もしくはフルオロ);ヒドロキシル;アルコキシ;アルコキシアルキル;アミノ;アルキルアミノ;カルボキシ;ニトロ;シアノ;チオール;チオエーテル;イミン;イミド;アミジン;グアニジン;エナミン;アミノカルボニル;アシルアミノ;ホスホナト;ホスフィン;チオカルボニル;スルホニル;スルホン;スルホンアミド;ケトン;アルデヒド;エステル;ウレア;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アラルコキシアミン;N-オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;イソシアネート;イソチオシアネート;シアネート;チオシアネート;B(OH)2、又はO(アルキル)アミノカルボニルのような、任意の置換基(単数)又は置換基(複数)で置換されていてもよい。
【0021】
「アルケニル」基は、2〜10個の炭素原子、典型的には、2〜8個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む、直鎖又は分岐状非環式炭化水素である。代表的な直鎖及び分岐状(C2-C8)アルケニルとしては、-ビニル、-アリル、-1-ブテニル、-2-ブテニル、-イソブチレニル、-1-ペンテニル、-2-ペンテニル、-3-メチル-1-ブテニル、-2-メチル-2-ブテニル、-2,3-ジメチル-2-ブテニル、-1-ヘキセニル、-2-ヘキセニル、-3-ヘキセニル、-1-ヘプテニル、-2-ヘプテニル、-3-ヘプテニル、-1-オクテニル、-2-オクテニル、-3-オクテニルなどが挙げられる。アルケニル基の二重結合は、共役していなくても、別の不飽和基と共役していてもよい。アルケニル基は、置換されていなくても、置換されていてもよい。
【0022】
「シクロアルキル」基は、任意に1〜3個のアルキル基で置換され得る単一の環式環又は複数の縮合もしくは架橋環を有する、炭素原子3〜10個の飽和又は部分飽和環状アルキル基である。いくつかの実施態様において、シクロアルキル基が3〜8個の環員を有するのに対し、他の実施態様においては、環炭素原子の数は、3〜5個、3〜6個、又は3〜7個の範囲である。そのようなシクロアルキル基には、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1-メチルシクロプロピル、2-メチルシクロペンチル、2-メチルシクロオクチルなどの単環構造、又はアダマンチルなどの複数のもしくは架橋された環構造が含まれる。不飽和シクロアルキル基の例としては、特に、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニルが挙げられる。シクロアルキル基は、置換されていても、置換されていなくてもよい。そのような置換シクロアルキル基には、例として、シクロヘキサノンなどが含まれる。
【0023】
「アリール」基は、単一の環を有する炭素原子6〜14個の芳香族炭素環基(例えば、フェニル)又は複数の縮合環を有する炭素原子6〜14個の芳香族炭素環基(例えば、ナフチルもしくはアントリル)である。いくつかの実施態様において、アリール基は、該基の環部分に6〜14個の炭素を含有し、他の実施態様においては、6〜12個の炭素原子又は6〜10個の炭素原子を含有する。特定のアリールとしては、フェニル、ビフェニル、ナフチルなどが挙げられる。アリール基は、置換されていても、置換されていなくてもよい。「アリール基」という語句は、縮合芳香族-脂肪族環系などの縮合環を含有する基(例えば、インダニル、テトラヒドロナフチルなど)も含む。
【0024】
「ヘテロアリール」基は、1〜4個のヘテロ原子をヘテロ芳香族環系の環原子として有し、該原子の残りが炭素原子であるアリール環系である。いくつかの実施態様において、ヘテロアリール基は、該基の環部分に5〜6個の環原子を含有し、他の実施態様においては、6〜9個の原子又は6〜10個の原子を含有する。好適なヘテロ原子としては、酸素、硫黄、及び窒素が挙げられる。ある実施態様において、ヘテロアリール環系は、単環式又は二環式である。非限定的な例としては、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピロリル(pyrolyl)、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、フラニル、ベンゾフラニル(例えば、イソベンゾフラン-1,3-ジイミン)、インドリル、アザインドリル(例えば、ピロロピリジル又は1H-ピロロ[2,3-b]ピリジル)、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル(例えば、1H-ベンゾ[d]イミダゾリル)、イミダゾピリジル(例えば、アザベンゾイミダゾリル、3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジル、又は1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジル)、ピラゾロピリジル、トリアゾロピリジル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イソオキサゾロピリジル、チアナフタレニル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノキサリニル、及びキナゾリニル基などの基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
「ヘテロシクリル」は、1〜4個の環炭素原子が独立に、O、S、及びNからなる群のヘテロ原子と置換されている、芳香族シクロアルキル(ヘテロアリールとも呼ばれる)又は非芳香族シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、ヘテロシクリル基が、3〜10個の環員を含有するのに対し、他のそのような基は、3〜5個、3〜6個、又は3〜8個の環員を有する。ヘテロシクリルはまた、任意の環原子(すなわち、ヘテロ環式環の任意の炭素原子又はヘテロ原子)において他の基に結合されていてもよい。ヘテロシクロアルキル基は、置換されていても、置換されていなくてもよい。ヘテロシクリル基は、例えば、イミダゾリル、イミダゾリニル、及びイミダゾリジニル基などの、不飽和、部分飽和、及び飽和環系を包含する。ヘテロシクリルという語句は、縮合環種を含み、これには、例えば、ベンゾトリアゾリル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル、及びベンゾ[1,3]ジオキソリルなどの縮合芳香族及び非芳香族基を含むものが含まれる。この語句は、限定されないが、キヌクリジルなどの、ヘテロ原子を含有する架橋多環式環系も含む。ヘテロシクリル基の代表的な例としては、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソリル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル(例えば、テトラヒドロ-2H-ピラニル)、テトラヒドロチオピラニル、オキサチアン、ジオキシル、ジチアニル、ピラニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロジチイニル、ジヒドロジチオニル、ホモピペラジニル、キヌクリジル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、アザインドリル(ピロロピリジル)、インダゾリル、インドリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル(benzthiazolyl)、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾジチイニル、ベンゾオキサチイニル、ベンゾチアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ピラゾロピリジル、イミダゾピリジル(アザベンゾイミダゾリル;例えば、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジル又は1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オニル)、トリアゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、キノリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、チアナフタレニル、ジヒドロベンゾチアジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、テトラヒドロベンゾトリアゾリル、テトラヒドロピロロピリジル、テトラヒドロピラゾロピリジル、テトラヒドロイミダゾピリジル、テトラヒドロトリアゾロピリジル、及びテトラヒドロキノリニル基が挙げられるが、これらに限定されない。代表的な置換ヘテロシクリル基は、一置換されたものであっても、複数回置換されたものであってもよく、例えば、限定されないが、ピリジル又はモルホリニル基があり、これらは、様々な置換基、例えば、以下に記載されているもので、2-、3-、4-、5-、もしくは6-置換されているか、又は二置換されている。
【0026】
「シクロアルキルアルキル」基は、式:-アルキル-シクロアルキルの基であり、式中、アルキル及びシクロアルキルは、上で定義されている。置換シクロアルキルアルキル基は、該基のアルキル部分、シクロアルキル部分、又はアルキル部分とシクロアルキル部分の両方で置換されていてもよい。代表的なシクロアルキルアルキル基としては、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、及びシクロヘキシルプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。代表的な置換シクロアルキルアルキル基は、一置換されたものであっても、複数回置換されたものであってもよい。
【0027】
「アラルキル」基は、式:-アルキル-アリールの基であり、式中、アルキル及びアリールは、上で定義されている。置換アラルキル基は、該基のアルキル部分、アリール部分、又はアルキル部分とアリール部分の両方で置換されていてもよい。代表的なアラルキル基としては、ベンジル及びフェネチル基、並びに縮合(シクロアルキルアリール)アルキル基、例えば、4-エチル-インダニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
「ヘテロシクリルアルキル」基は、式:-アルキル-ヘテロシクリルの基であり、式中、アルキル及びヘテロシクリルは、上で定義されている。置換ヘテロシクリルアルキル基は、該基のアルキル部分、ヘテロシクリル部分、又はアルキル部分とヘテロシクリル部分の両方で置換されていてもよい。代表的なヘテロシクリル(heterocylyl)アルキル基としては、4-エチル-モルホリニル、4-プロピルモルホリニル、フラン-2-イルメチル、フラン-3-イルメチル、ピリジン(pyrdine)-3-イルメチル、(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル、(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル、テトラヒドロフラン-2-イルメチル、テトラヒドロフラン-2-イルエチル、及びインドール-2-イルプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
「ハロゲン」は、クロロ、ヨード、ブロモ、又はフルオロである。
【0030】
「ヒドロキシアルキル」基は、1以上のヒドロキシ基で置換された上記のアルキル基である。
【0031】
「アルコキシ」基は、-O-(アルキル)であり、ここで、アルキルは、上で定義されている。
【0032】
「アルコキシアルキル」基は、-(アルキル)-O-(アルキル)であり、ここで、アルキルは、上で定義されている。
【0033】
「アミン」基は、式:-NH2の基である。
【0034】
「ヒドロキシルアミン」基は、式:-N(R#)OH又は-NHOHの基であり、式中、R#は、上で定義されているような、置換又は非置換アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキル基である。
【0035】
「アルコキシアミン」基は、式:-N(R#)O-アルキル又は-NHO-アルキルの基であり、式中、R#は、上で定義されている通りである。
【0036】
「アラルコキシアミン」基は、式:-N(R#)O-アリール又は-NHO-アリールの基であり、式中、R#は、上で定義されている通りである。
【0037】
「アルキルアミン」基は、式:-NH-アルキル又は-N(アルキル)2の基であり、式中、各々のアルキルは、独立に、上で定義されている通りである。
【0038】
「アミノカルボニル」基は、式:-C(=O)N(R#)2、-C(=O)NH(R#)、又は-C(=O)NH2の基であり、式中、各々のR#は、上で定義されている通りである。
【0039】
「アシルアミノ」基は、式:-NHC(=O)(R#)又は-N(アルキル)C(=O)(R#)の基であり、式中、各々のアルキル及びR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0040】
「O(アルキル)アミノカルボニル」基は、式:-O(アルキル)C(=O)N(R#)2、-O(アルキル)C(=O)NH(R#)、又は-O(アルキル)C(=O)NH2の基であり、式中、各々のR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0041】
「N-オキシド」基は、式:-N+-O-の基である。
【0042】
「カルボキシ」基は、式:-C(=O)OHの基である。
【0043】
「ケトン」基は、式:-C(=O)(R#)の基であり、式中、R#は、上で定義されている通りである。
【0044】
「アルデヒド」基は、式:-CH(=O)の基である。
【0045】
「エステル」基は、式:-C(=O)O(R#)又は-OC(=O)(R#)の基であり、式中、R#は、上で定義されている通りである。
【0046】
「ウレア」基は、式:-N(アルキル)C(=O)N(R#)2、-N(アルキル)C(=O)NH(R#)、-N(アルキル)C(=O)NH2、-NHC(=O)N(R#)2、-NHC(=O)NH(R#)、又は-NHC(=O)NH2#の基であり、式中、各々のアルキル及びR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0047】
「イミン」基は、式:-N=C(R#)2又は-C(R#)=N(R#)の基であり、式中、各々のR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0048】
「イミド」基は、式:-C(=O)N(R#)C(=O)(R#)又は-N((C=O)(R#))2の基であり、式中、各々のR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0049】
「ウレタン」基は、式:-OC(=O)N(R#)2、-OC(=O)NH(R#)、-N(R#)C(=O)O(R#)、又は-NHC(=O)O(R#)の基であり、式中、各々のR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0050】
「アミジン」基は、式:-C(=N(R#))N(R#)2、-C(=N(R#))NH(R#)、-C(=N(R#))NH2、-C(=NH)N(R#)2、-C(=NH)NH(R#)、-C(=NH)NH2、-N=C(R#)N(R#)2、-N=C(R#)NH(R#)、-N=C(R#)NH2、-N(R#)C(R#)=N(R#)、-NHC(R#)=N(R#)、-N(R#)C(R#)=NH、又は-NHC(R#)=NHの基であり、式中、各々のR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0051】
「グアニジン」基は、式:-N(R#)C(=N(R#))N(R#)2、-NHC(=N(R#))N(R#)2、-N(R#)C(=NH)N(R#)2、-N(R#)C(=N(R#))NH(R#)、-N(R#)C(=N(R#))NH2、-NHC(=NH)N(R#)2、-NHC(=N(R#))NH(R#)、-NHC(=N(R#))NH2、-NHC(=NH)NH(R#)、-NHC(=NH)NH2、-N=C(N(R#)2)2、-N=C(NH(R#))2、又は-N=C(NH2)2の基であり、式中、各々のR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0052】
「エナミン」基は、式:-N(R#)C(R#)=C(R#)2、-NHC(R#)=C(R#)2、-C(N(R#)2)=C(R#)2、-C(NH(R#))=C(R#)2、-C(NH2)=C(R#)2、-C(R#)=C(R#)(N(R#)2)、-C(R#)=C(R#)(NH(R#))、又は-C(R#)=C(R#)(NH2)の基であり、式中、各々のR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0053】
「オキシム」基は、式:-C(=NO(R#))(R#)、-C(=NOH)(R#)、-CH(=NO(R#))、又は-CH(=NOH)の基であり、式中、各々のR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0054】
「ヒドラジド」基は、式:-C(=O)N(R#)N(R#)2、-C(=O)NHN(R#)2、-C(=O)N(R#)NH(R#)、-C(=O)N(R#)NH2、-C(=O)NHNH(R#)2、又は-C(=O)NHNH2の基であり、式中、各々のR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0055】
「ヒドラジン」基は、式:-N(R#)N(R#)2、-NHN(R#)2、-N(R#)NH(R#)、-N(R#)NH2、-NHNH(R#)2、又は-NHNH2の基であり、式中、各々のR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0056】
「ヒドラゾン」基は、式:-C(=N-N(R#)2)(R#)2、-C(=N-NH(R#))(R#)2、-C(=N-NH2)(R#)2、-N(R#)(N=C(R#)2)、又は-NH(N=C(R#)2)の基であり、式中、各々のR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0057】
「アジド」基は、式:-N3の基である。
【0058】
「イソシアネート」基は、式:-N=C=Oの基である。
【0059】
「イソチオシアネート」基は、式:-N=C=Sの基である。
【0060】
「シアネート」基は、式:-OCNの基である。
【0061】
「チオシアネート」基は、式:-SCNの基である。
【0062】
「チオエーテル」基は、式;-S(R#)の基であり、式中、R#は、上で定義されている通りである。
【0063】
「チオカルボニル」基は、式:-C(=S)(R#)の基であり、式中、R#は、上で定義されている通りである。
【0064】
「スルフィニル」基は、式:-S(=O)(R#)の基であり、式中、R#は、上で定義されている通りである。
【0065】
「スルホン」基は、式:-S(=O)2(R#)の基であり、式中、R#は、上で定義されている通りである。
【0066】
「スルホニルアミノ」基は、式:-NHSO2(R#)又は-N(アルキル)SO2(R#)の基であり、式中、各々のアルキル及びR#は、上で定義されている。
【0067】
「スルホンアミド」基は、式:-S(=O)2N(R#)2、又は-S(=O)2NH(R#)、又は-S(=O)2NH2の基であり、式中、各々のR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0068】
「ホスホネート」基は、式:-P(=O)(O(R#))2、-P(=O)(OH)2、-OP(=O)(O(R#))(R#)、又は-OP(=O)(OH)(R#)の基であり、式中、各々のR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0069】
「ホスフィン」基は、式:-P(R#)2の基であり、式中、各々のR#は、独立に、上で定義されている通りである。
【0070】
アルキル基を除く本明細書に記載の基が「置換されている」と言われるとき、それらは、任意の適切な置換基(単数)又は置換基(複数)で置換されていてもよい。実例となる置換基の例は、本明細書に開示される例示的な化合物及び実施態様に見られるもの、並びにハロゲン(クロロ、ヨード、ブロモ、又はフルオロ);アルキル;ヒドロキシル;アルコキシ;アルコキシアルキル;アミノ;アルキルアミノ;カルボキシ;ニトロ;シアノ;チオール;チオエーテル;イミン;イミド;アミジン;グアニジン;エナミン;アミノカルボニル;アシルアミノ;ホスホネート;ホスフィン;チオカルボニル;スルフィニル;スルホン;スルホンアミド;ケトン;アルデヒド;エステル;ウレア;ウレタン;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アラルコキシアミン; N-オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;イソシアネート;イソチオシアネート;シアネート;チオシアネート;酸素(=O); B(OH)2、O(アルキル)アミノカルボニル;単環式又は縮合もしくは非縮合多環式であり得るシクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシル)、或いは単環式又は縮合もしくは非縮合多環式であり得るヘテロシクリル(例えば、ピロリジル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、又はチアジニル);単環式又は縮合もしくは非縮合多環式アリール又はヘテロアリール(例えば、フェニル、ナフチル、ピロリル、インドリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、又はベンゾフラニル) アリールオキシ;アラルキルオキシ;ヘテロシクリルオキシ;及びヘテロシクリルアルコキシである。
【0071】
本明細書で使用されるように、「医薬として許容し得る塩」という用語は、無機酸及び無機塩基並びに有機酸及び有機塩基を含む医薬として許容し得る無毒な酸又は塩基から製造される塩を指す。ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の好適な医薬として許容し得る塩基付加塩としては、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、及び亜鉛から製造される金属塩、又はリジン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、及びプロカインから製造される有機塩が挙げられるが、これらに限定されない。好適な無毒な酸としては、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、及びp-トルエンスルホン酸などの無機酸及び有機酸が挙げられるが、これらに限定されない。特定の無毒な酸としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及びメタンスルホン酸が挙げられる。したがって、特定の塩の例としては、塩酸塩及びメシル酸塩が挙げられる。他のものも当技術分野で周知である。例えば、レミントンの医薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)、第18版、Mack Publishing, Easton PA(1990)、又はレミントン:薬学の科学と実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)、第19版、Mack Publishing, Easton PA(1995)を参照されたい。
【0072】
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「包摂化合物」という用語は、ゲスト分子(例えば、溶媒もしくは水)が内部に捕捉されている空間(例えば、チャネル)を含む結晶格子又はジヒドロピラジノ-ピラジン化合物がゲスト分子である結晶格子の形態の、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物、又はその塩を意味する。
【0073】
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「溶媒和物」という用語は、非共有結合性分子間力によって結合した化学量論的又は非化学量論的量の溶媒をさらに含む、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物、又はその塩を意味する。一実施態様において、該溶媒和物は、水和物である。
【0074】
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「水和物」という用語は、非共有結合性分子間力によって結合した化学量論的又は非化学量論的量の水をさらに含む、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物、又はその塩を意味する。
【0075】
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「プロドラッグ」という用語は、生物学的条件下(インビトロ又はインビボ)で、加水分解し、酸化し、又は別の形で反応して、活性化合物、特に、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を提供することができる、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物誘導体を意味する。プロドラッグの例としては、生物加水分解性アミド、生物加水分解性エステル、生物加水分解性カルバメート、生物加水分解性カルボネート、生物加水分解性ウレイド、及び生物加水分解性ホスフェート類似体などの生物加水分解性部分を含む、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の誘導体及び代謝物が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、カルボキシル官能基を有する化合物のプロドラッグは、カルボン酸の低級アルキルエステルである。該カルボン酸エステルは、分子上に存在するカルボン酸部分のいずれかをエステル化することによって好都合に形成される。プロドラッグは、通常、周知の方法、例えば、「バーガーの医薬品化学と創薬(Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery)」、第6版(Donald J. Abraham編、2001, Wiley)、及び「プロドラッグの設計と応用(Design and Application of Prodrugs)」(H. Bundgaard編、1985, Harwood Academic Publishers Gmfh)に記載されている方法を用いて製造することができる。
【0076】
本明細書で使用されるように、及び別途示されない限り、「立体異性体」又は「ステレオマーとして純粋な」という用語は、その化合物の他の立体異性体を実質的に含まないジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の1つの立体異性体を意味する。例えば、1つのキラル中心を有するステレオマーとして純粋な化合物は、その化合物の反対のエナンチオマーを実質的に含まない。2つのキラル中心を有するステレオマーとして純粋な化合物は、その化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的なステレオマーとして純粋な化合物は、約80重量%超の該化合物の1つの立体異性体及び約20重量%未満の該化合物の他の立体異性体、約90重量%超の該化合物の1つの立体異性体及び約10重量%未満の該化合物の他の立体異性体、約95重量%超の該化合物の1つの立体異性体及び約5重量%未満の該化合物の他の立体異性体、又は約97重量%超の該化合物の1つの立体異性体及び約3重量%未満の該化合物の他の立体異性体を含む。ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、キラル中心を有することができ、かつラセミ化合物、個々のエナンチオマー又はジアステレオマー、及びこれらの混合物として生じることができる。全てのそのような異性体形態は、その混合物を含む、本明細書に開示される実施態様に含まれる。そのようなジヒドロピラジノ-ピラジン化合物のステレオマーとして純粋な形態の使用、及びそれらの形態の混合物の使用は、本明細書に開示される実施態様によって包含される。例えば、特定のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の等量又は不等量のエナンチオマーを含む混合物を、本明細書に開示される方法及び組成物で使用することができる。これらの異性体は、不斉合成するか、又はキラルカラムもしくはキラル分割剤などの標準的な技術を用いて分割することができる。例えば、Jacques, J.らの文献、エナンチオマー、ラセミ化合物、及び分割(Enantiomers, Racemates and Resolutions)(Wiley-Interscience, New York, 1981); Wilen, S. H.らの文献、Tetrahedron 33:2725(1977); Eliel, E. L.の文献、炭素化合物の立体化学(Stereochemistry of Carbon Compounds)(McGraw-Hill, NY, 1962);及びWilen, S. H.の文献、分割剤及び光学分割の表(Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions)、p. 268(E.L. Eliel編、Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, 1972年)を参照されたい。
【0077】
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、E及びZ異性体又はこれらの混合物、並びにシス及びトランス異性体又はこれらの混合物を含むことができることにも留意すべきである。ある実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、シス又はトランス異性体として単離される。他の実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、シス異性体とトランス異性体の混合物である。
【0078】
「互変異性体」は、互いに平衡状態にある化合物の異性体形態を指す。該異性体形態の濃度は、化合物が見出される環境によって決まり、例えば、該化合物が固体であるのか、それとも、有機溶液もしくは水溶液中にあるのかによって異なり得る。例えば、水溶液中では、ピラゾールは、以下の異性体形態を示すことができ、これらは、互いの互変異性体と呼ばれる:
【化1】
【0079】
当業者によって容易に理解されるように、多種多様な官能基及び他の構造が互変異性を示すことができ、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の全ての互変異性体が本発明の範囲内にある。
【0080】
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、非天然の割合の原子同位体を1以上の該原子において含有することができることにも留意すべきである。例えば、該化合物は、例えば、トリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)、硫黄-35(35S)、もしくは炭素-14(14C)などの放射性同位体で放射性標識されていてもよく、又は例えば、重水素(2H)、炭素-13(13C)、もしくは窒素-15(15N)で同位体濃縮されていてもよい。本明細書で使用されるように、「アイソトポログ」は、同位体濃縮された化合物である。「同位体濃縮された」という用語は、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する原子を指す。「同位体濃縮された」とは、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する少なくとも1つの原子を含有する化合物を指すこともできる。「同位体組成」という用語は、所与の原子についての各々の同位体の存在量を指す。放射性標識された及び同位体濃縮された化合物は、治療剤、例えば、癌及び炎症治療剤、研究用試薬、例えば、結合アッセイ試薬、並びに診断剤、例えば、インビボイメージング剤として有用である。本明細書に記載のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の全ての同位体変種は、放射性であるかどうかにかかわらず、本明細書に提供される実施態様の範囲内に包含されることが意図される。いくつかの実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物のアイソトポログが提供され、例えば、該アイソトポログは、重水素、炭素-13、又は窒素-15濃縮されたジヒドロピラジノ-ピラジン化合物である。
【0081】
図示された構造とその構造の名前との間に矛盾がある場合、図示された構造により重きが置かれることになることに留意すべきである。
【0082】
本明細書で使用される「治療する」とは、癌もしくは癌と関連する症状の全体的もしくは部分的な緩和、又はそれらの症状のさらなる進行もしくは悪化の抑制もしくは停止を意味する。
【0083】
本明細書で使用される「予防する」とは、癌又はその症状の発生、再発、又は拡大の全体的又は部分的な予防を意味する。
【0084】
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物又はアンドロゲン受容体アンタゴニストに関連する「有効量」という用語は、癌と関連する症状を全体的にもしくは部分的に緩和するか、又はそれらの症状のさらなる進行もしくは悪化を抑制しもしくは停止させるか、又は癌を有しもしくは癌を有するリスクのある対象の癌を治療もしくは予防することができる、単独の又は組み合わせた量を意味する。例えば、医薬組成物中のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物又はアンドロゲン受容体アンタゴニストの有効量は、所望の効果を発揮するであろうレベルとすることができ;例えば、経口投与と非経口投与の両方についての単位投薬量で対象の体重1kg当たり約0.005mgから患者の体重1kg当たり約100mgである。
【0085】
「癌」という用語は、周囲の組織に浸潤し、新しい身体部位に転移することができる細胞の増殖を特徴とする様々な悪性新生物のいずれかを指す。良性腫瘍と悪性腫瘍はどちらも、それらが発見される組織の種類に従って分類される。例えば、線維腫は、線維性結合組織の新生物であり、メラノーマは、色素(メラニン)細胞の異常増殖物である。例えば、皮膚、気管支、及び胃の上皮組織に由来する悪性腫瘍は、上皮性悪性腫瘍(carcinoma)と呼ばれる。乳房、前立腺、及び結腸に見られるような腺上皮組織の悪性腫瘍は、腺癌として知られる。結合組織、例えば、筋肉、軟骨、リンパ組織、及び骨の悪性増殖物は、肉腫と呼ばれる。リンパ腫及び白血病は、白血球の中で生じる悪性腫瘍である。転移のプロセスを通じて、身体の他の部位への腫瘍細胞の移動は、当初の出現部位から離れた部位に新生物を定着させる。骨組織は、全癌症例の約30%で生じる悪性腫瘍の転移の最好発部位の1つである。悪性腫瘍の中で、肺癌、乳癌、前立腺癌などは、骨に転移する可能性が高いことが特に知られている。
【0086】
新生物、癌、腫瘍成長、又は腫瘍細胞成長との関連において、阻害は、特に、原発性もしくは二次性腫瘍の出現の遅延、原発性もしくは二次性腫瘍の発達の抑制、原発性もしくは二次性腫瘍の発生の低下、疾患の二次的影響の重症度の抑制又は低下、腫瘍成長の停止、及び腫瘍の退行によって評価することができる。極端な場合、完全阻害は、本明細書において、予防又は化学予防と呼ばれる。これに関連して、「予防」という用語は、臨床的に明らかな新生物形成の開始を完全に予防すること、又はリスクのある個体において前臨床的に明らかなステージの新生物形成の開始を予防することのどちらかを含む。また、この定義によって包含されることが意図されるのは、悪性細胞への形質転換の予防、又は前悪性細胞から悪性細胞への進行の停止もしくは逆行である。これは、新生物形成を発症するリスクのある者の予防的治療を含む。
【0087】
本明細書で使用されるように、及び別途明記しない限り、「と組み合わせて」という用語は、2以上の治療剤を、同時に、並行して、又は別途示されない限り、不特定の時間制限内に順次投与することを含む。一実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。一実施態様において、該薬剤は、細胞内もしくは対象の体内に同時に存在するか、又はその生物学的もしくは治療的効果を同時に発揮する。一実施態様において、該治療剤は、同じ組成物又は単位剤形中にある。他の実施態様において、該治療剤は、別々の組成物又は単位剤形中にある。ある実施態様において、第一の薬剤を、第二の治療剤の投与の前に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、もしくは12週間前に)、該投与と本質的に同時に、又は該投与の後に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、もしくは12週間後に)、或いはそれらの任意の組合せで投与することができる。例えば、一実施態様において、該第一の薬剤を、該第二の治療剤の前に、例えば、1週間投与することができる。別の実施態様において、該第一の薬剤を、該第二の治療剤の前に(例えば、1日前に)、及びその後、該第二の治療剤と同時に投与することができる。
【0088】
本明細書で使用される「患者」及び「対象」という用語は、動物を含み、これには、限定されないが、ウシ、サル、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、又はモルモットなどの動物、一実施態様において、哺乳動物、別の実施態様において、ヒトが含まれる。一実施態様において、「患者」又は「対象」は、癌を有するヒトである。一実施態様において、「患者」又は「対象」は、過去にドセタキセルを受容したことがある転移性去勢抵抗性前立腺癌を有するヒトである。
【0089】
癌との関連において、阻害は、特に、疾患進行の阻害、腫瘍成長の阻害、原発性腫瘍の減少、腫瘍関連症状の緩和、腫瘍分泌因子(腫瘍分泌ホルモン、例えば、カルチノイド症候群の一因となるものを含む)の阻害、原発性又は二次性腫瘍の出現の遅延、原発性又は二次性腫瘍の発達の抑制、原発性又は二次性腫瘍の発生の低下、疾患の二次的影響の重症度の抑制又は低下、腫瘍成長の停止、及び腫瘍の退行、無進行期間(TTP)の増加、無進行生存(PFS)の増加、全生存(OS)の増加によって評価することができる。本明細書で使用されるOSは、無作為化から何らかの原因による死亡までの時間を意味し、包括解析集団(intent-to-treat population)で測定される。本明細書で使用されるTTPは、無作為化から客観的な腫瘍進行までの時間を意味し; TTPは、死亡を含まない。本明細書で使用されるように、PFSは、無作為化から客観的な腫瘍進行又は死亡までの時間を意味する。一実施態様において、PFS率は、カプラン-マイヤー推定値を用いて計算される。極端な場合、完全阻害は、本明細書において、予防又は化学予防と呼ばれる。これに関連して、「予防」という用語は、臨床的に明らかな進行癌の発生を完全に予防すること、又は前臨床的に明らかなステージの癌の発生を予防することのどちらかを含む。また、この定義によって包含されることが意図されるのは、悪性細胞への形質転換の予防、又は前悪性細胞から悪性細胞への進行の停止もしくは逆行である。これは、癌を発症するリスクのある者の予防的治療を含む。
【0090】
ある実施態様において、癌の治療は、固形腫瘍の応答評価基準(RECIST 1.1)によって評価することができる(Thereasse P.らの文献、固形腫瘍の治療に対する応答を評価するための新しいガイドライン(New Guidelines to Evaluate the Response to Treatment in Solid Tumors.)、J. of the National Cancer Institute; 2000;(92) 205-216及びEisenhauer E.A., Therasse P., Bogaerts J.らの文献、固形腫瘍の新たな応答評価基準:改訂されたRECISTガイドライン(バージョン1.1)(New response evaluation criteria in solid tumours: Revised RECIST guideline(version 1.1))、European J. Cancer; 2009;(45) 228-247を参照されたい)。新たな病変の出現を伴う又は伴わない標的及び非標的病変における腫瘍応答の全ての可能な組合せについての全体的な応答は、次の通りである:
【表1】
CR=完全応答; PR=完全応答; SD=安定疾患;及びPD=進行疾患。
【0091】
標的病変の評価に関して、完全応答(CR)は全ての標的病変の消失であり、部分応答(PR)は、ベースライン合計最大直径を基準とした、標的病変の最大直径の合計の少なくとも30%の減少であり、進行疾患(PD)は、治療開始以降の記録されている最小合計最大直径を基準とした、標的病変の最大直径の合計の少なくとも約20%の増加であるか、又は1以上の新たな病変の出現であり、安定疾患(SD)は、治療開始以降の最小合計最大直径を基準とした、部分応答に適するほど十分な縮小でもなく、進行疾患に適するほど十分な増加でもない。
【0092】
非標的病変の評価に関して、完全応答(CR)は、全ての非標的病変の消失及び腫瘍マーカーレベルの正常化であり;不完全応答/安定疾患(SD)は、1以上の非標的病変の持続及び/又は正常限度を上回る腫瘍マーカーレベルの維持であり、進行疾患(PD)は、1以上の新たな病変の出現及び/又は既存の非標的病変の明確な進行である。
【0093】
ある実施態様において、癌の治療は、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物による治療の前、その間、及び/又はその後の、循環血液及び/もしくは腫瘍細胞、並びに/又は皮膚生検もしくは腫瘍生検/吸引物におけるS6RP、4E-BP1、AKT、及び/又はDNA-PKのリン酸化の阻害によって評価することができる。例えば、S6RP、4E-BP1、AKT、及び/又はDNA-PKのリン酸化の阻害は、B細胞、T細胞、及び/又は単球で評価される。他の実施態様において、癌の治療は、例えば、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物治療の前、その間、及び/又はその後の、DNA損傷経路のバイオマーカーとしてのpDNA-PK S2056量の評価による、皮膚試料及び/又は腫瘍生検/吸引物におけるDNA依存性タンパク質キナーゼ(DNA-PK)活性の阻害によって評価することができる。一実施態様において、該皮膚試料は、UV光によって照射される。
【0094】
極端な場合、完全阻害は、本明細書において、予防又は化学予防と呼ばれる。これに関連して、「予防」という用語は、臨床的に明らかな癌の発症を完全に予防すること、又は前臨床的に明らかなステージの癌の発症を予防することのどちらかを含む。また、この定義によって包含されることが意図されるのは、悪性細胞への形質転換の予防、又は前悪性細胞から悪性細胞への進行の停止もしくは逆行である。これは、癌を発症するリスクのある者の予防的治療を含む。
【0095】
(5.2 ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物)
本明細書に提供される化合物は、「ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物」と総称される。
【0096】
一実施態様において、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物には、以下の式(I)を有する化合物、並びにその医薬として許容し得る塩、包摂化合物、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、代謝物、アイソトポログ、及びプロドラッグが含まれ:
【化2】
式中:
R1は、置換もしくは非置換C1-8アルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、又は置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキルであり;
R2は、H、置換もしくは非置換C1-8アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルアルキル、置換もしくは非置換アラルキル、又は置換もしくは非置換シクロアルキルアルキルであり;
R3は、H、又は置換もしくは非置換C1-8アルキルであり、
ここで、ある実施態様において、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物には、以下に示される7-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(3-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンが含まれない:
【化3】
【0097】
式(I)の化合物のいくつかの実施態様において、R1は、置換もしくは非置換アリール、又は置換もしくは非置換ヘテロアリールである。例えば、R1は、各々任意に置換された、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ベンゾイミダゾリル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジル、インダゾリル、インドリル、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジル、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オニル、3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジル、又はピラゾリルである。いくつかの実施態様において、R1は、置換又は非置換C1-8アルキル(例えば、メチル)、置換又は非置換ヘテロシクリル(例えば、置換又は非置換トリアゾリル又はピラゾリル)、アミノカルボニル、ハロゲン(例えば、フッ素)、シアノ、ヒドロキシアルキル、及びヒドロキシからなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されたフェニルである。他の実施態様において、R1は、置換又は非置換C1-8アルキル(例えば、メチル)、置換又は非置換ヘテロシクリル(例えば、置換又は非置換トリアゾリル)、ハロゲン、アミノカルボニル、シアノ、ヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシプロピル)、-OR、及び-NR2(ここで、各々のRは、独立に、H、又は置換もしくは非置換C1-4アルキルである)からなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されたピリジルである。いくつかの実施態様において、R1は、置換又は非置換C1-8アルキル、及び-NR2(ここで、Rは、独立に、H、又は置換もしくは非置換C1-4アルキルである)からなる群から独立に選択される1以上の置換基で任意に置換された、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジル又はベンゾイミダゾリルである。
【0098】
いくつかの実施態様において、R1は、下記のものであり;
【化4】
ここで、Rは、出現毎に独立に、H、又は置換もしくは非置換C1-4アルキル(例えば、メチル)であり; R'は、出現毎に独立に、置換もしくは非置換C1-4アルキル(例えば、メチル)、ハロゲン(例えば、フッ素)、シアノ、-OR、又は-NR2であり; mは、0〜3であり;かつnは、0〜3である。どの置換基R'も、縮合環系の環のいずれかの任意の好適な原子に結合し得ることが当業者によって理解されるであろう。
【0099】
式(I)の化合物のいくつかの実施態様において、R1は、下記のものであり;
【化5】
ここで、Rは、出現毎に独立に、H、又は置換もしくは非置換C1-4アルキルであり; R'は、出現毎に独立に、置換もしくは非置換C1-4アルキル、ハロゲン、シアノ、-OR、又は-NR2であり; mは、0〜3であり;かつnは、0〜3である。
【0100】
式(I)の化合物のいくつかの実施態様において、R2は、H、置換もしくは非置換C1-8アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換C1-4アルキル-ヘテロシクリル、置換もしくは非置換C1-4アルキル-アリール、又は置換もしくは非置換C1-4アルキル-シクロアルキルである。例えば、R2は、各々任意に置換された、H、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、(C1-4アルキル)-フェニル、(C1-4アルキル)-シクロプロピル、(C1-4アルキル)-シクロブチル、(C1-4アルキル)-シクロペンチル、(C1-4アルキル)-シクロヘキシル、(C1-4アルキル)-ピロリジル、(C1-4アルキル)-ピペリジル、(C1-4アルキル)-ピペラジニル、(C1-4アルキル)-モルホリニル、(C1-4アルキル)-テトラヒドロフラニル、又は(C1-4アルキル)-テトラヒドロピラニルである。
【0101】
他の実施態様において、R2は、H、C1-4アルキル、(C1-4アルキル)(OR)、
【化6】
であり;
ここで、Rは、出現毎に独立に、H、又は置換もしくは非置換C1-4アルキル(例えば、メチル)であり; R'は、出現毎に独立に、H、-OR、シアノ、又は置換もしくは非置換C1-4アルキル(例えば、メチル)であり;かつpは、0〜3である。
【0102】
式(I)の化合物の他の実施態様において、R2は、H、C1-4アルキル、(C1-4アルキル)(OR)、
【化7】
であり;
ここで、Rは、出現毎に独立に、H、又は置換もしくは非置換C1-2アルキルであり; R'は、出現毎に独立に、H、-OR、シアノ、又は置換もしくは非置換C1-2アルキルであり;かつpは、0〜1である。
【0103】
式(I)の化合物の他の実施態様において、R3はHである。
【0104】
本明細書に記載のいくつかのそのような実施態様において、R1は、置換もしくは非置換アリール、又は置換もしくは非置換ヘテロアリールである。例えば、R1は、各々任意に置換された、フェニル、ピリジル、ピリミジル、ベンゾイミダゾリル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジル、インダゾリル、インドリル、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン、ピリジル、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-2(3H)-オニル、3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジル、又はピラゾリルである。いくつかの実施態様において、R1は、置換又は非置換C1-8アルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、アミノカルボニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシアルキル、及びヒドロキシからなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されたフェニルである。他の実施態様において、R1は、C1-8アルキル、置換又は非置換ヘテロシクリル、ハロゲン、アミノカルボニル、シアノ、ヒドロキシアルキル、-OR、及び-NR2(ここで、各々のRは、独立に、H、又は置換もしくは非置換C1-4アルキルである)からなる群から独立に選択される1以上の置換基で置換されたピリジルである。さらに他の実施態様において、R1は、置換又は非置換C1-8アルキル、及び-NR2(ここで、各々のRは、独立に、H、又は置換もしくは非置換C1-4アルキルである)からなる群から独立に選択される1以上の置換基で任意に置換された、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジル又はベンゾイミダゾリルである。
【0105】
ある実施態様において、式(I)の化合物は、本明細書に示されるR1基及び本明細書に示されるR2基を有する。
【0106】
式(I)の化合物のいくつかの実施態様において、該化合物は、TORキナーゼを阻害する。式(I)の化合物の他の実施態様において、該化合物は、DNA-PKを阻害する。式(I)の化合物のある実施態様において、該化合物は、TORキナーゼとDNA-PKの両方を阻害する。
【0107】
式(I)の化合物のいくつかの実施態様において、10μMの濃度の該化合物は、TORキナーゼ、DNA-PK、PI3K、又はこれらの組合せを、少なくとも約50%阻害する。式(I)の化合物は、任意の好適なアッセイ系で、上記のキナーゼの阻害剤であることが示され得る。
【0108】
式(I)の代表的なジヒドロピラジノ-ピラジン化合物としては、表Aの化合物が挙げられる。
【0109】
表A.
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-((trans-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(cis-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-((cis-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-エチル-7-(1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-5-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-((cis-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-((trans-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-((trans-4-ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(cis-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(cis-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-エチル-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-((cis-4-ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-インドール-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-((trans-4-ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-((cis-4-ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(trans-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(trans-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-イソプロピル-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(trans-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(trans-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-イソプロピル-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-エチル-7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-ヒドロキシピリジン-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-イソプロピル-7-(4-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
5-(8-イソプロピル-7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2-イル)-4-メチルピコリンアミド;
7-(1H-インダゾール-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-アミノピリミジン-5-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-アミノピリジン-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(メチルアミノ)ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-ヒドロキシピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(4-(1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-インダゾール-4-イル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-インダゾール-6-イル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(ピリミジン-5-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-メトキシピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(2-メトキシエチル)-7-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-エチル-7-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-エチル-7-(1H-インダゾール-4-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(ピリジン-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-アミノピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-メチル-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-5-(8-(trans-4-メトキシシクロヘキシル)-7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2-イル)ピリジン 1-オキシド;
4-メチル-5-(7-オキソ-8-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2-イル)ピコリンアミド;
5-(8-((cis-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2-イル)-4-メチルピコリンアミド;
7-(1H-ピラゾール-4-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(trans-4-メトキシシクロヘキシル)-7-(4-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
3-((7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-2-オキソ-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-1(2H)-イル)メチル)ベンゾニトリル;
1-((trans-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-7-(4-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
3-(7-オキソ-8-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2-イル)ベンズアミド;
5-(8-((trans-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-7-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2-イル)-4-メチルピコリンアミド;
3-((7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-2-オキソ-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-1(2H)-イル)メチル)ベンゾニトリル;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((1S,3R)-3-メトキシシクロペンチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((1R,3S)-3-メトキシシクロペンチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-インダゾール-6-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(2-モルホリノエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(trans-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(cis-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(2-モルホリノエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-イソプロピル-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-((cis-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(trans-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(cis-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
4-(7-オキソ-8-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-5,6,7,8-テトラヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2-イル)ベンズアミド;
7-(1H-インダゾール-5-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-((1S,3R)-3-メトキシシクロペンチル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-((1R,3R)-3-メトキシシクロペンチル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-((1R,3S)-3-メトキシシクロペンチル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-((1S,3S)-3-メトキシシクロペンチル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-インドール-5-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-エチル-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(1H-インドール-6-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)フェニル)-1-(trans-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-((trans-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((cis-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(2-メトキシエチル)-7-(4-メチル-2-(メチルアミノ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(7-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-メチル-4-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(2-メトキシエチル)-7-(4-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-ベンジル-7-(2-メチル-4-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(3-フルオロ-4-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(3-フルオロ-4-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(3-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(trans-4-メトキシシクロヘキシル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(trans-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(5-フルオロ-2-メチル-4-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(3-フルオロ-2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(2-メトキシエチル)-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((trans-4-メトキシシクロヘキシル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(シクロペンチルメチル)-7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)フェニル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
(S)-7-(6-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
(R)-7-(6-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(4-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)フェニル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(3-(トリフルオロメチル)ベンジル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(3-メトキシプロピル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(4-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(2-メトキシエチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(4-メチル-2-(メチルアミノ)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-アミノ-4-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-1-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
(R)-7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-メチル-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
(S)-7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3-メチル-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3,3-ジメチル-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-アミノ-4-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
7-(4-(1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)フェニル)-1-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)エチル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;
1-(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン;及び
1-(2-ヒドロキシエチル)-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン、
並びにこれらの医薬として許容し得る塩、包摂化合物、溶媒和物、立体異性体、互変異性体、代謝物、アイソトポログ、及びプロドラッグ。
【0110】
(5.3 ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を製造する方法)
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、標準的な周知の合成法によって得ることができる。例えば、March. Jの文献、先端有機化学;反応、機序、及び構造(Advanced Organic Chemistry; Reactions Mechanisms, and Structure)、第4版、1992を参照されたい。したがって、式(III)の化合物及び中間体を製造するのに有用な出発材料は市販されているか、又は公知の合成法及び試薬を用いて市販の材料から製造することができる。
【0111】
式(I)の化合物を製造するための特定の方法は、各々引用により完全に本明細書中に組み込まれる、2012年2月7日に発行された米国特許第8,110,578号、及び2013年10月29日に発行された米国特許第8,569,494号に開示されている。
【0112】
(5.4 アンドロゲン受容体アンタゴニスト)
一実施態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストは、MDV3100としても知られ、かつ本明細書においてMDV3100と呼ばれる、エンザルタミド(Xtandi(登録商標)として市販されている、Astellas Pharma US社)であり、4-(3-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-5,5-ジメチル-4-オキソ-2-チオオキソイミダゾリジン-1-イル)-2-フルオロ-N-メチルベンズアミドという化学名及び以下の構造を有する:
【化8】
【0113】
(5.5 使用方法)
本明細書に提供されるのは、癌を治療又は予防する方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物及び有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストを、癌を有する患者に投与することを含む、方法である。
【0114】
ある実施態様において、該癌は、前立腺癌である。
【0115】
他の実施態様において、該癌は、固形腫瘍である。ある実施態様において、該固形腫瘍は、再発性又は不応性固形腫瘍である。一実施態様において、該癌は、転移性である。別の実施態様において、該癌は、ホルモン不応性である。また別の実施態様において、該癌は、E-トゥエンティシックス(ETS)を過剰発現する癌である。
【0116】
一実施態様において、該固形腫瘍は、進行性固形腫瘍である。
【0117】
別の実施態様において、該癌は、E-トゥエンティシックス(ETS)を過剰発現する去勢抵抗性前立腺癌である。
【0118】
他の実施態様において、該癌は、mTOR、PI3K、又はAktキナーゼ、及びこれらの突然変異体又はアイソフォームが関係する経路と関連する癌である。本明細書に提供される方法の範囲内の他の癌には、以下のキナーゼ: PI3Kα、PI3Kβ、PI3Kδ、KDR、GSK3α、GSK3β、ATM、ATX、ATR、cFMS、及び/又はDNA-PKキナーゼ、並びにこれらの突然変異体又はアイソフォームの経路と関連するものが含まれる。いくつかの実施態様において、mTOR/PI3K/Akt経路と関連する癌には、固形腫瘍、例えば、前立腺癌が含まれる。
【0119】
他の実施態様において、該癌は、転移性去勢抵抗性前立腺癌である。
【0120】
他の実施態様において、該癌は、乳癌である。
【0121】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、固形腫瘍を有する患者における完全応答、部分応答、又は安定疾患の固形腫瘍の応答評価基準(例えば、RECIST 1.1)を達成する方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物をアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて該患者に投与することを含む、方法である。ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、前立腺癌を有する患者における完全応答、部分応答、又は安定疾患の前立腺癌ワーキンググループ2(PCWG2)基準を達成する方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物をアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて該患者に投与することを含む、方法である。
【0122】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、癌を有する患者の腫瘍進行のない生存を増加させる方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて該患者に投与することを含む、方法である。
【0123】
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、患者における進行疾患の固形腫瘍応答評価基準(例えば、RECIST 1.1)を予防し又は遅延させる方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、癌を有する患者に投与することを含む、方法である。一実施態様において、進行疾患の予防又は遅延は、治療前と比較した、例えば、−30%〜+20%の、標的病変のサイズ全体の変化によって特徴付けられ、又は達成される。別の実施態様において、標的病変のサイズの変化は、治療前と比較した、サイズ全体の30%を超える低下、例えば、標的病変サイズの50%を超える低下である。別の実施態様において、該予防は、治療前と比較した、非標的病変のサイズの低下、又は非標的病変の進行の遅延によって特徴付けられ、又は達成される。一実施態様において、該予防は、治療前と比較した、標的病変の数の低下によって達成され、又は特徴付けられる。別の実施態様において、該予防は、治療前と比較した、非標的病変の数又は質の低下によって達成され、又は特徴付けられる。一実施態様において、該予防は、治療前と比較した、標的病変の不在又は消失によって達成され、又は特徴付けられる。別の実施態様において、該予防は、治療前と比較した、非標的病変の不在又は消失によって達成され、又は特徴付けられる。別の実施態様において、該予防は、治療前と比較した、新たな病変の予防によって達成され、又は特徴付けられる。また別の実施態様において、該予防は、治療前と比較した、疾患進行の臨床的兆候又は症状、例えば、癌関連悪液質又は疼痛増大の予防によって達成され、又は特徴付けられる。
【0124】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、治療前と比較した患者における標的病変のサイズを減少させる方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、癌を有する患者に投与することを含む、方法である。
【0125】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、治療前と比較した患者における非標的病変のサイズを減少させる方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、癌を有する患者に投与することを含む、方法である。
【0126】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、治療前と比較した患者における標的病変の数の低下を達成する方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、癌を有する患者に投与することを含む、方法である。
【0127】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、治療前と比較した患者における非標的病変の数の低下を達成する方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、癌を有する患者に投与することを含む、方法である。
【0128】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、患者における全ての標的病変の不在を達成する方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、癌を有する患者に投与することを含む、方法である。
【0129】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、患者における全ての非標的病変の不在を達成する方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、癌を有する患者に投与することを含む、方法である。
【0130】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、癌を治療する方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、癌を有する患者に投与することを含む、方法であり、ここで、該治療は、固形腫瘍の応答評価基準(例えば、RECIST 1.1)によって決定される、完全応答、部分応答、又は安定疾患をもたらす。
【0131】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、癌を治療する方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、癌を有する患者に投与することを含む、方法であり、ここで、該治療は、治療前と比較した、標的病変サイズの低下、非標的病変サイズの低下、並びに/又は新たな標的及び/もしくは非標的病変の不在をもたらす。
【0132】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、癌を治療する方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、癌を有する患者に投与することを含む、方法であり、ここで、該治療は、臨床的進行、例えば、癌関連悪液質又は疼痛増大の予防又は遅延をもたらす。
【0133】
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、癌を治療する方法であって、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、癌を有する患者に投与することを含む、方法であり、ここで、該治療は、特に、疾患進行の阻害、腫瘍成長の阻害、原発性腫瘍の減少、腫瘍関連症状の緩和、腫瘍分泌因子(腫瘍分泌ホルモン、例えば、カルチノイド症候群の一因となるものを含む)の阻害、原発性又は二次性腫瘍の出現の遅延、原発性又は二次性腫瘍の発生の抑制、原発性又は二次性腫瘍の発生の減少、疾患の二次的影響の重症度の抑制又は低下、腫瘍成長の停止、並びに腫瘍の退行、無進行期間(TTP)の増加、無進行生存(PFS)の増加、及び/又は全生存(OS)の増加のうちの1つ又は複数をもたらす。
【0134】
いくつかの実施態様において、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、本明細書に記載の化合物である。一実施態様において、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、式(I)の化合物である。一実施態様において、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、表Aの化合物である。一実施態様において、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、化合物1(分子式C21H27N5O3を有する本明細書に示されるジヒドロピラジノ-ピラジン化合物)である。一実施態様において、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、化合物2(分子式C16H16N8Oを有する本明細書に示されるジヒドロピラジノ-ピラジン化合物)である。一実施態様において、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、化合物3(分子式C20H25N5O3を有する本明細書に示されるジヒドロピラジノ-ピラジン化合物)である。一実施態様において、化合物1は、7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((1r,4r)-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ-[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン、別名、7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((trans)-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン、又は7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-1-((1R*,4R*)-4-メトキシシクロヘキシル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンである。別の実施態様において、化合物2は、1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン、又はその互変異性体、例えば、1-エチル-7-(2-メチル-6-(4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンもしくは1-エチル-7-(2-メチル-6-(1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンである。別の実施態様において、化合物3は、1-((trans)-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オン、別名、1-((1r,4r)-4-ヒドロキシシクロヘキシル)-7-(6-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロピラジノ[2,3-b]ピラジン-2(1H)-オンである。一実施態様において、化合物3は、化合物1の代謝物である。
【0135】
一実施態様において、該アンドロゲン受容体アンタゴニストは、MDV-3100である。
【0136】
アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与されるジヒドロピラジノ-ピラジン化合物はさらに、放射線療法又は手術と組み合わせることができる。ある実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、放射線療法を受けているか、放射線療法を以前に受けたことがあるか、又は放射線療法を受ける予定である患者に、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。ある実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、腫瘍摘出手術などの手術を受けたことがある患者に、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。
【0137】
さらに本明細書に提供されるのは、癌の治療を以前に受けたことがある患者、及び治療を以前に受けたことがない患者を治療する方法である。さらに本明細書に提供されるのは、癌を治療するために手術を受けたことがある患者、及び手術を受けたことがない患者を治療する方法である。癌患者は、不均一な臨床症状及び様々な臨床転帰を有するので、患者に施される治療は、その人の予後に応じて異なり得る。熟練した臨床医は、過度の実験をすることなく、個々の癌患者を治療するために効果的に使用することができる具体的な第二の薬剤、手術のタイプ、及び非薬物ベースの標準療法のタイプを容易に決定することができるであろう。
【0138】
ある実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、患者に周期的に投与される。周期的療法は、一定期間の活性剤の投与、その後の一定期間の休止、及びこの連続的投与の反復を含む。周期的療法は、抵抗性の発生を低下させ、副作用を回避もしくは軽減し、及び/又は治療の有効性を向上させることができる。
【0139】
一実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、毎日、単一又は分割用量で、約3日間、約5日間、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間(例えば、28日間)、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約10週間、約15週間、又は約20週間投与され、その後、約1日〜約10週間休止される。一実施態様において、本明細書に提供される方法は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約8週間、約10週間、約15週間、又は約20週間の周期的治療を企図している。いくつかの実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、単一又は分割用量で、約3日間、約5日間、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間(例えば、28日間)、約5週間、又は約6週間投与され、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、29、又は30日の休止期間が設けられる。いくつかの実施態様において、該休止期間は、1日である。いくつかの実施態様において、該休止期間は、3日である。いくつかの実施態様において、該休止期間は、7日である。いくつかの実施態様において、該休止期間は、14日である。いくつかの実施態様において、該休止期間は、28日である。投与サイクルの頻度、回数、及び長さは、増加又は減少させることができる。
【0140】
一実施態様において、本明細書に提供される方法は:i)対象に、第一の日用量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物をアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与すること;ii) アンドロゲン受容体アンタゴニストが該対象に投与されない場合、任意に、少なくとも1日間休止すること;iii)第二の用量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物をアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて該対象に投与すること;及びiv)工程ii)〜iii)を複数回繰り返すことを含む。
【0141】
一実施態様において、本明細書に提供される方法は、1日目に、対象に、ある用量のアンドロゲン受容体アンタゴニストを投与し、その後、2日目及び後日、該対象に、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与することを含む。
【0142】
ある実施態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせたジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、約1週間〜約52週間連続的に投与される。ある実施態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせたジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12カ月間連続的に投与される。ある実施態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせたジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、約7、約14、約21、約28、約35、約42、約84、又は約112日間連続的に投与される。
【0143】
ある実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物がアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される場合、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、1日当たり約2.5mg〜約50mg(例えば、1日当たり約0.5mg、1mg、2mg、4mg、8mg、10mg、15mg、16mg、20mg、25mg、30mg、45mg、60mg、90mg、120mg、又は128mg)の量で投与され、アンドロゲン受容体アンタゴニストは、1日当たり約50mg〜約200mg(例えば、1日当たり約80mg、約120mg、又は約160mg)の量で投与される。ある実施態様において、1日当たり約2.5mgのジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、1日当たり約80mg、約120mg、又は約160mgのアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。ある実施態様において、1日当たり約10mgのジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、1日当たり約80mg、約120mg、又は約160mgのアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。ある実施態様において、1日当たり約15mgのジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、1日当たり約80mg、約120mg、又は約160mgのアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。ある実施態様において、1日当たり約16mgのジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、1日当たり約80mg、約120mg、又は約160mgのアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。ある実施態様において、1日当たり約20mgのジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、1日当たり約80mg、約120mg、又は約160mgのアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。ある実施態様において、1日当たり約25mgのジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、1日当たり約80mg、約120mg、又は約160mgのアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。ある実施態様において、1日当たり約30mgのジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、1日当たり約80mg、約120mg、又は約160mgのアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。ある実施態様において、1日当たり約45mgのジヒドロピラジノ-ピラジン化合物が、1日当たり約80mg、約120mg、又は約160mgのアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。ある実施態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストがジヒドロピラジノ-ピラジン化合物と組み合わせて投与される場合、アンドロゲン受容体アンタゴニストは4つの別々のカプセルとして投与される。例えば、1日当たり160mgの用量のアンドロゲン受容体アンタゴニストがジヒドロピラジノ-ピラジン化合物と組み合わせて投与される場合、それは、4つの40mgカプセルとして投与することができる。ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物及びアンドロゲン受容体アンタゴニストは、各々独立に、1日に1回(QD)、1日に2回(BD)、1日に3回(TID)、又は1日に4回投与することができる。
【0144】
ある実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物がアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される場合、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物:アンドロゲン受容体アンタゴニスト比は、約1:1〜約1:10である。ある実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物がアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される場合、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物:アンドロゲン受容体アンタゴニスト比は、約1:1未満、約1:3未満、又は約1:10未満である。ある実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物がアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される場合、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物:アンドロゲン受容体アンタゴニスト比は、約1:1、約1:3、又は約1:10である。
【0145】
ある実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物がアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される場合、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物:アンドロゲン受容体アンタゴニスト比は、約1:1〜約1:30である。ある実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物がアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される場合、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物:アンドロゲン受容体アンタゴニスト比は、約1:1未満、約1:10未満、又は約1:30未満である。ある実施態様において、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物がアンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される場合、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物:アンドロゲン受容体アンタゴニスト比は、約1:1、約1:10、又は約1:30である。
【0146】
(5.6 医薬組成物及び投与経路)
本明細書に提供されるのは、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物及び有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニストを含む組成物、並びに有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物及びアンドロゲン受容体アンタゴニスト及び医薬として許容し得る担体又はビヒクルを含む組成物である。
【0147】
いくつかの実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、経口投与、非経口投与、粘膜投与、経皮投与、又は局所投与に好適である。
【0148】
該組成物は、患者に、経口又は非経口的に、カプセル剤、マイクロカプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、丸剤、坐剤、注射剤、懸濁剤、及びシロップ剤などの従来の製剤形態で投与することができる。好適な製剤は、従来の有機又は無機添加物、例えば、賦形剤(例えば、スクロース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム、又は炭酸カルシウム)、結合剤(例えば、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、スクロース、又はデンプン)、崩壊剤(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、重炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、又はクエン酸カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、又はラウリル硫酸ナトリウム)、香味剤(例えば、クエン酸、メントール、グリシン、又はオレンジパウダー)、防腐剤(例えば、安息香酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン、又はプロピルパラベン)、安定化剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、又は酢酸)、懸濁化剤(例えば、メチルセルロース、ポリビニルピロリクロン(polyvinyl pyrroliclone)、又はステアリン酸アルミニウム)、分散剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、希釈剤(例えば、水)、及びベースワックス(例えば、カカオバター、白色ワセリン、又はポリエチレングリコール)を用いて、一般に利用される方法によって製造することができる。医薬組成物中のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の有効量は、所望の効果を発揮するであろうレベル;例えば、経口投与と非経口投与の両方についての単位投薬量で患者の体重1kg当たり約0.005mgから患者の体重1kg当たり約10mgであることができる。
【0149】
患者に投与されるべきジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の用量及びアンドロゲン受容体アンタゴニストの用量は、いくぶん広範に変動し、医療関係者の判断に従い得る。一般に、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物及びアンドロゲン受容体アンタゴニストは、1日に1〜4回、患者の体重1kg当たり約0.005mgから患者の体重1kg当たり約10mgの用量で患者に投与することができるが、上記の投薬量は、患者の年齢、体重、及び身体疾患、並びに投与のタイプに応じて適切に変化させることができる。一実施態様において、用量は、患者の体重1kg当たり約0.01mgから患者の体重1kg当たり約5mg、患者の体重1kg当たり約0.05mgから患者の体重1kg当たり約1mg、患者の体重1kg当たり約0.1mgから患者の体重1kg当たり約0.75mg、又は患者の体重1kg当たり約0.25mgから患者の体重1kg当たり約0.5mgである。一実施態様において、1日当たり1用量が投与される。いずれの所与の場合においても、投与されるジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の量は、活性成分の溶解度、使用される製剤、及び投与経路のような因子によって決まる。
【0150】
別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、約1mg〜約2000mg、約1mg〜約200mg、約35mg〜約1400mg、約125mg〜約1000mg、約250mg〜約1000mg、約500mg〜約1000mg、約1mg〜約30mg、約1mg〜約25mg、又は約2.5mg〜約20mgのジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、単独で又はアンドロゲン受容体アンタゴニストとの組合せで含む単位投薬製剤である。別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、1mg、2.5mg、5mg、7.5mg、8mg、10mg、15mg、20mg、30mg、35mg、45mg、50mg、70mg、100mg、125mg、140mg、175mg、200mg、250mg、280mg、350mg、500mg、560mg、700mg、750mg、1000mg、又は1400mgのジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、単独で又はアンドロゲン受容体アンタゴニストとの組合せで含む単位投薬製剤である。別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、約2.5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約30mg、又は約45mgのジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、単独で又はアンドロゲン受容体アンタゴニストとの組合せで含む単位投薬製剤である。特定の実施態様において、本明細書に提供されるのは、約5mg、約7.5mg、及び約10mgのジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、単独で又はアンドロゲン受容体アンタゴニストとの組合せで含む単位投薬製剤である。
【0151】
特定の実施態様において、本明細書に提供されるのは、約10mg、約15mg、約30mg、約45mg、約50mg、約75mg、約100mg、又は約400mgのジヒドロピラジノ-ピラジン化合物をアンドロゲン受容体アンタゴニストとの組合せで含む単位投薬製剤である。
【0152】
特定の実施態様において、本明細書に提供されるのは、約20mg〜約60mgのアンドロゲン受容体アンタゴニストをジヒドロピラジノ-ピラジン化合物との組合せで含む単位投薬製剤である。特定の実施態様において、本明細書に提供されるのは、約40mgのアンドロゲン受容体アンタゴニストをジヒドロピラジノ-ピラジン化合物との組合せで含む単位投薬製剤である。
【0153】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物:アンドロゲン受容体アンタゴニスト比が、約1:1〜約1:10である単位投薬製剤である。ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物:アンドロゲン受容体アンタゴニスト比が、約1:1未満、約1:3未満、又は約1:10未満である単位投薬製剤である。ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物:アンドロゲン受容体アンタゴニスト比が、約1:1、約1:3、又は約1:10である単位投薬製剤である。
【0154】
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、1日に1回、2回、3回、4回、又はそれより多くの回数投与することができる。
【0155】
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、便宜のために経口投与することができる。一実施態様において、経口投与される場合、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせたジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、食事及び水とともに投与される。別の実施態様において、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせたジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、水又はジュース(例えば、リンゴジュースもしくはオレンジジュース)に分散させられ、懸濁剤として経口投与される。別の実施態様において、経口投与される場合、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせたジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、絶食状態で投与される。
【0156】
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせて、静脈内投与(例えば、静脈内注入)、又は皮下投与(例えば、皮下注射)することもできる。投与様式は、医療関係者の裁量に任され、一部、身体疾患の部位によって決まり得る。
【0157】
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせたジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を含み、追加の担体、賦形剤、又はビヒクルを含まないカプセル剤である。
【0158】
別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、有効量のジヒドロピラジノ-ピラジン化合物、有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニスト、及び医薬として許容し得る担体又はビヒクルを含む組成物であり、ここで、医薬として許容し得る担体又はビヒクルは、賦形剤、希釈剤、又はこれらの混合物を含むことができる。一実施態様において、該組成物は、医薬組成物である。
【0159】
該組成物は、錠剤、咀嚼錠、カプセル剤、液剤、非経口液剤、トローチ剤、坐剤、及び懸濁剤などの形態とすることができる。組成物は、投薬単位中に、日用量又は日用量の好都合な分画を含むように製剤化することができ、該投薬単位は、単一の錠剤もしくはカプセル剤、又は好都合な容量の液体であることができる。一実施態様において、液剤は、塩酸塩などの水溶性塩から製造される。一般に、該組成物は全て、医薬品化学の公知の方法に従って製造される。カプセル剤は、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を好適な担体又は希釈剤と混合すること、及び適量の混合物をカプセルに充填することにより製造することができる。通常の担体及び希釈剤としては、不活性粉末状物質、例えば、多くの異なる種類のデンプン、粉末状セルロース、特に、結晶性及び微結晶性セルロース、糖類、例えば、フルクトース、マンニトール、及びスクロース、穀粉、並びに同様の食用粉末が挙げられるが、これらに限定されない。
【0160】
錠剤は、直接圧縮によるか、湿式造粒によるか、又は乾式造粒によって製造することができる。それらの製剤は、通常、希釈剤、結合剤、滑沢剤、及び崩壊剤、並びに該化合物を包含する。典型的な希釈剤としては、例えば、様々な種類のデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウム又は硫酸カルシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩、及び粉砂糖が挙げられる。粉末状セルロース誘導体も有用である。一実施態様において、該医薬組成物は、ラクトースを含まない。典型的な錠剤結合剤は、デンプン、ゼラチン、及びラクトース、フルクトース、グルコースなどの糖類などの物質である。天然及び合成ゴムも好都合であり、これには、アラビアゴム、アルギネート、メチルセルロース、ポリビニルピロリジンなどが含まれる。ポリエチレングリコール、エチルセルロース、及びワックスも結合剤としての役割を果たすことができる。化合物2を含む例示的な錠剤製剤が本明細書に提供される。
【0161】
滑沢剤は、錠剤及びパンチが型に付着するのを防止するために、錠剤製剤に必要となり得る。滑沢剤は、タルクのような滑りやすい固形物、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、並びに硬化植物油から選択することができる。錠剤崩壊剤は、湿潤したときに膨潤して錠剤を崩壊させ、化合物を放出する物質である。これらには、デンプン、クレイ、セルロース、アルギン、及びガムが含まれる。より具体的には、例えば、トウモロコシ及びジャガイモデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、木材セルロース、粉末状天然スポンジ、陽イオン交換樹脂、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、及びカルボキシメチルセルロースを、ラウリル硫酸ナトリウムと同様に使用することができる。錠剤を、香料及びシーラントとしての糖で、又は錠剤の溶解特性を修飾するための膜形成保護剤でコーティングすることができる。該組成物は、例えば、マンニトールなどの物質を製剤中で使用することにより、咀嚼錠として製剤化することもできる。
【0162】
アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせたジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を坐剤として投与することが望ましい場合、典型的な基剤を使用することができる。カカオバターは、従来的な坐剤基剤であり、ワックスの追加によって、その融点をわずかに上昇させるように修飾することができる。特に様々な分子量のポリエチレングリコールを含む水混和性の坐剤基剤が広く使用されている。
【0163】
アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせたジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の効果は、適切な製剤化によって遅延又は持続させることができる。例えば、アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせたジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の徐溶性ペレットを製造し、錠剤もしくはカプセル剤中に、又は徐放性埋め込み型デバイスとして組み込むことができる。この技術は、いくつかの異なる溶解速度のペレットを作製すること、及びカプセルに該ペレットの混合物を充填することを含む。錠剤又はカプセル剤は、予測可能な期間溶解に耐える膜でコーティングすることができる。アンドロゲン受容体アンタゴニストと組み合わせたジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を血清中に徐々に分散させる油性又は乳化ビヒクルに溶解又は懸濁させることにより、非経口製剤でさえも長時間作用性にすることができる。
【0164】
ある実施態様において、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、その全体が本明細書中に組み込まれる、2013年6月6日に公開された米国特許出願公開2013-0142873号(特に、段落[0323]〜段落[0424]及び段落[0636]〜段落[0655]を参照)に示された製剤に入れて投与される。他の実施態様において、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、その全体が本明細書中に組み込まれる、2013年5月29日に出願された米国仮特許出願第61/828,506号(特に、段落[0246]〜段落[0403]及び段落[0571]〜段落[0586]を参照)に示された製剤に入れて投与される。
【0165】
ある実施態様において、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、その全体が本明細書中に組み込まれる、2013年4月17日に出願された米国仮特許出願第61/813,064号(特に、段落[0168]〜段落[0189]及び段落[0262]〜段落[0294]を参照)に示された製剤に入れて投与される。他の実施態様において、該ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、その全体が本明細書中に組み込まれる、2013年12月3日に出願された米国仮特許出願第61/911,201号(特に、段落[0170]〜段落[0190]及び段落[0264]〜段落[0296]を参照)に示された製剤に入れて投与される。
【0166】
(5.7 キット)
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物及びアンドロゲン受容体アンタゴニストを含むキットである。
【0167】
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物の1以上の単位剤形、例えば、本明細書に記載されているもの、及びアンドロゲン受容体アンタゴニストの1以上の単位剤形、例えば、本明細書に記載されているものを含むキットである。
【0168】
ある実施態様において、本明細書に提供されるキットは、例えば、ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物及びアンドロゲン受容体アンタゴニストを投与するための使用説明書をさらに含む。
【実施例】
【0169】
(6.実施例)
(6.1 生化学アッセイ)
(mTOR HTR-FRETアッセイ)
以下は、試験化合物のTORキナーゼ阻害活性を決定するために使用することができるアッセイの一例である。ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物を、DMSOに溶解させ、10mMストックとして調製し、実験に合わせて適宜希釈した。試薬は、次のように調製した:
【0170】
「単純TORバッファー」(高グリセロールTOR画分を希釈するために使用): 10mM Tris pH 7.4、100mM NaCl、0.1%Tween-20、1mM DTT。Invitrogen mTOR(cat#PV4753)をこのバッファーに希釈して、0.200μg/mLのアッセイ濃度にした。
【0171】
ATP/基質溶液: 0.075mM ATP、12.5mM MnCl2、50mM Hepes、pH 7.4、50mM β-GOP、250nM Microcystin LR、0.25mM EDTA、5mM DTT、及び3.5μg/mL GST-p70S6。
【0172】
検出試薬溶液: 50mM HEPES、pH 7.4、0.01% Triton X-100、0.01% BSA、0.1mM EDTA、12.7μg/mL Cy5-αGST Amersham(Cat#PA92002V)、9ng/mL α-ホスホp70S6(Thr389)(Cell Signalingマウスモノクローナル#9206L)、627ng/mL α-マウスLance Eu(Perkin Elmer Cat#AD0077)。
【0173】
20μLの単純TORバッファーに、DMSO中の0.5μLの試験化合物を添加する。反応を開始させるために、5μLのATP/基質溶液を、20μLの単純TORバッファー溶液(対照)及び上で調製された化合物溶液に添加した。アッセイを、60分後に、5μLの60mM EDTA溶液を添加することにより停止させ;その後、10μLの検出試薬溶液を添加し、混合物を少なくとも2時間静置した後、LANCE Eu TR-FRETを検出するように設定された(320nmでの励起及び495/520nmでの放出)、Perkin-Elmer Envisionマイクロプレートリーダーで読み取った。
【0174】
ジヒドロピラジノ-ピラジン化合物をmTOR HTR-FRETアッセイで試験すると、その中に活性を有することが分かり、ある化合物は、このアッセイで10μM未満のIC50を有し、ある化合物は、0.005nM〜250nMのIC50を有し、あるものは、250nM及び500nMのIC50を有し、あるものは、500nM〜1μMのIC50を有し、また、あるものは、1μM〜10μMのIC50を有していた。
【0175】
(DNA-PKアッセイ)
DNA-PKアッセイは、Promega DNA-PKアッセイキット(カタログ# V7870)に供給されている手順を用いて実施される。DNA-PK酵素は、Promega(Promega cat#V5811)から購入することができる。
【0176】
本明細書に記載の選択されたジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、このアッセイで10μM未満のIC50を有するか、又は該IC50を有することが予想され、本明細書に記載のあるジヒドロピラジノ-ピラジン化合物は、1μM未満のIC50を有し、また、あるものは、0.10μM未満のIC50を有する。
【0177】
(6.2 細胞ベースのアッセイ)
(アポトーシスの誘導)
【0178】
増加濃度の化合物(化合物2及び/又はMDV3100: 30μM)を、音響ディスペンサー(EDC ATS-100)を介して、空の384ウェルプレートに、10点段階希釈様式(3倍希釈)で、2連で、プレート中にスポットした。その後、細胞(LNCaP、PC3、又はVCAP)を、化合物がスポットされた384ウェルプレートに、所望の密度で直接播種した。細胞を37℃/5%CO2で48時間培養し、カスパーゼ3/7-Glo(Promega)によって評価し、発光を読み取った。結果を、LNCAPについては、図3B、C、及びDに、VCAPについては、図3Eに示す。図中、化合物2とMDV3100の組合せ処理により、アポトーシスが相乗的に誘導されている。
【0179】
(6.3 インビボアッセイ)
(ETS陽性前立腺癌異種移植モデル)
結果を図1及び2に示す。
【0180】
(LNCap-HR腫瘍モデル)
異種移植研究を去勢抵抗性LNCaP(LNCaP-HR)腫瘍担持マウスで行った。去勢抵抗性LNCaP-HR腫瘍は、去勢されたSCID(重症複合免疫不全)マウスでの親LNCaP腫瘍細胞の数サイクルの連続移植及びインビボ継代により発生させた。異種移植研究のために、正確に決定された数の細胞又は正確なサイズの腫瘍断片を、去勢されたSCIDマウスの右後肢上部の側腹領域に皮下注射することにより、腫瘍担持動物を作製した。動物への接種の後、腫瘍を特定のサイズにまで成長させておき、その後、無作為に割り付けた。200〜600mm3の範囲のLNCaP-HR異種移植腫瘍を担持するマウスを1つに集め、様々な処置群に無作為に割り付けた。典型的な有効性研究設計は、様々な用量レベルの1以上の化合物を腫瘍担持マウスに投与することを含んでいた。さらに、参照化学療法剤(陽性対照)及び陰性対照を同様に投与し、維持した。投与経路としては、腹腔内(IP)又は経口(PO)を挙げることができる。腫瘍測定値及び体重を研究期間にわたって取得し、罹患及び死亡を記録した。剖検、組織病理学検査、ウェスタンブロット、MesoScale、免疫組織化学検査、及びPCRを行って、疾患及び薬物作用の理解を高めることもできる。典型的な異種移植研究のために、LNCaP-HR腫瘍を担持するSCIDマウスを無作為に割り付け、例えば、100mg/kg〜0.1mg/kgの範囲の化合物を、限定されないが、qd、q2d、q3d、q5d、q7d、及びbidを含む、異なる投与スケジュールで投与した。ある研究では、2以上の薬剤の組合せを同時に投与した。化合物は、様々なタイプの製剤に入れて製剤化した。該製剤のうちの一部は、CMC-Tween(0.5%CMC/0.25%Tween)、NPS(n-メチルピロリドン、PEG、生理食塩水)、DMSO-CMC-Tween(水中、1%CMC、0.1%Tween 80、及び5%ジメチルスルホキシド)を含み、経口的に又は腹腔内に送達された。マウスに、2〜4週間投与した。腫瘍を、カリパスを用いて週に2回測定し、腫瘍体積をW2×L/2という式を用いて計算した。統計解析を、ビヒクル処置対照群を用いる一元配置分散分析(ANOVA)、次いで、ダネットの事後比較を用いて実施した。
【0181】
異種移植研究を去勢抵抗性LNCaP-HR腫瘍担持マウスで行った。去勢された雄SCIDマウスの右後肢上部の側腹領域にLNCaP-HR細胞を皮下接種した。動物への接種の後、腫瘍を約325mm3にまで成長させておき、その後、無作為に割り付けた。腫瘍細胞の接種後26日目に、98〜530mm3の範囲のLNCaP-HR腫瘍を担持するマウスを1つに集め、様々な処置群に無作為に割り付けた。化合物2を、水中の0.5%CMC及び0.25%Tween 80に入れて(懸濁剤として)製剤化した。動物に、ビヒクル(CMC-Tween)又は化合物2を、1日に1回(QD)、最大15日間経口投与した。化合物2の用量は、1〜5mg/kgの範囲とした。陽性対照MDV-3100(50mg/kg、Q4D)を経口経路で投与した。MDV-3100を、水中の1%CMC、0.1%Tween 80、及び5%ジメチルスルホキシド(DMSO)に入れて(懸濁剤として)製剤化した。腫瘍を、カリパスを用いて週に2回測定し、腫瘍体積をW2×L/2という式を用いて計算した。統計解析を、ビヒクル処置対照群を用いる一元配置分散分析(ANOVA)、次いで、ダネットの事後比較を用いて実施した。結果を図4に示す。
【0182】
(6.4 化合物製剤)
本明細書に提供される方法において有用な化合物1の例示的な製剤を下の表1〜4に示す。
【0183】
表1
【表2】
【0184】
表2
【表3】
【0185】
表3
【表4】
【0186】
表4
【表5】
【0187】
本明細書に提供される方法において有用な化合物2の例示的な製剤を下の表5に示す。
【0188】
表5:例示的な錠剤製剤
【表6】
【0189】
その開示が引用により完全に本明細書中に組み込まれる多くの文献が引用されている。本明細書に開示される実施態様は、開示された実施態様のいくつかの態様の例示であることが意図される実施例に開示される具体的な実施態様によってその範囲が限定されるべきではなく、機能的に等価である任意の実施態様が本開示によって包含される。実際、本明細書に示され、記載されているものに追加される、本明細書に開示される実施態様の様々な変更が当業者には明らかであり、かつ添付の特許請求の範囲の範囲に含まれることが意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4