特許第6383035号(P6383035)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6383035
(24)【登録日】2018年8月10日
(45)【発行日】2018年8月29日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20180820BHJP
【FI】
   G03G21/16 109
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-51268(P2017-51268)
(22)【出願日】2017年3月16日
(62)【分割の表示】特願2013-144713(P2013-144713)の分割
【原出願日】2013年7月10日
(65)【公開番号】特開2017-107248(P2017-107248A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2017年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】特許業務法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田口 典明
(72)【発明者】
【氏名】金子 英敏
(72)【発明者】
【氏名】森田 極
(72)【発明者】
【氏名】渥美 竜文
【審査官】 田代 憲司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−159694(JP,A)
【文献】 特開2001−071586(JP,A)
【文献】 特開2012−073491(JP,A)
【文献】 特開2010−231175(JP,A)
【文献】 特開昭62−087977(JP,A)
【文献】 特開昭61−097662(JP,A)
【文献】 特開2004−045793(JP,A)
【文献】 特開2011−189704(JP,A)
【文献】 特開2006−198772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
B41J 29/00
B41J 29/02
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の構成物が略直方体型の筐体内に収められ、装置を持ち運ぶための凹状の第1手掛持上げ部および凹状の第2手掛持上げ部が前記筐体の一側面および他側面にそれぞれ形成された画像形成装置であって、
前記筐体内で、前記構成物として高さ方向において上下に配置された転写装置および光走査装置の間の空間に、前記第1手掛持上げ部が配置されており、
前記第2手掛持上げ部は、高さ方向において前記第1手掛持上げ部よりも低い位置に配置されている、画像形成装置。
【請求項2】
前記筐体の前記他側面には、下端に設定された回動軸を支点に外側に開閉可能に設けられた開閉部が配設されている、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2手掛持上げ部は、前記筐体の底部に配設されている、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転写装置は、前記筐体の一側面および他側面に軸中心が平行に設置された複数のローラに張架されて前記筐体内に横臥姿勢に配設される無端状の中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトをクリーニングするクリーニング装置と、を備え、
前記第1手掛持上げ部は、前記クリーニング装置の下方に配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記構成物として、前記転写装置と前記光走査装置との間に、前記中間転写ベルトの周回方向に沿って並設される複数の現像装置を更に備え、各前記現像装置のケースの一側面および他側面は、高さ方向において上に向かうほど互いに近づくように傾斜している、請求項4に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置またはそれらの複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置を持ち上げるために凹状の取手を設けている。
【0003】
これまでの装置において、装置を把持する取手を配置する場合、指が入るだけの空間を確保する必要がありかなりのスペースを占有していた。また、取手の位置も給紙カセットの横に配置されることもあり、給紙カセットの側面や給紙カセットの下部に取手がくる場合、マシンサイズへのインパクトも大きいため、マシンを小型化する際に懸念事項の一つとなっていた。
【0004】
例えば、特許文献1〜3においては装置を持ち運ぶための安定性を確保するために、装置の下側に配置している給紙カセットの側面に凹状の取手を設けている。
【0005】
また特許文献4においては画像形成装置の上側であって胴内排紙トレイ空間の高さ位置と略同じ高さ位置に凹状の取手を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−197477
【特許文献2】特開2006−182365
【特許文献3】特開2005−301181
【特許文献4】特開2011−154219
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1〜3においては給紙カセットの側面に凹状の取手を設けるため、その分、装置の幅方向において装置が大きくなり小型化を進める上で課題が残る。
【0008】
特許文献4においては、腰をかがめることなく画像形成装置を容易に持ち運べるのはメリットであるが、画像形成装置の上側に設けているので装置を持ち運ぶための安定性に課題が残る。また、ただ単に画像形成装置の側面に凹状の取手を設けただけで空間の有効利用については考慮していない。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、筐体内の限られたスペースを有効利用して装置を持ち運ぶための凹状の手掛持上げ部を筐体に設けることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の画像形成装置は、装置の構成物が略直方体型の筐体内にコンパクトに収められ、装置を持ち運ぶための凹状の第1手掛持上げ部および凹状の第2手掛持上げ部が筐体の一側面および他側面にそれぞれ形成されている。筐体内で、構成物として高さ方向において上下に配置された転写装置および光走査装置の間の空間に、第1手掛持上げ部が配置されている。又、第2手掛持上げ部は、高さ方向において第1手掛持上げ部よりも低い位置に配置されている。
【0011】
この構成によると、転写装置および光走査装置の間の空間に第1取手を省スペースに配置することが可能である。
【0012】
上記画像形成装置において、筐体の他側面には、下端に設定された回動軸を支点に外側に開かれる開閉部が配設されていることが好ましい。
【0013】
この構成によると、画像形成装置を持ち運ぶ際に第1取手と第2取手を同じ高さにして筐体を支えたとき、開閉部が設けられた他側面が上になるように筐体が傾くので開閉部の自重が閉じる方向に作用し、開閉部が不意に開くことがない。たとえば、第2取手は筐体の底部に配置される。
【0014】
転写装置の構成として、筐体の一側面および他側面に軸中心が平行に設置された複数のローラに張架されて筐体内に横臥姿勢に配設される無端状の中間転写ベルトと、中間転写ベルトをクリーニングするクリーニング装置と、を備えた構成が挙げられる。このような転写装置を備えた画像形成装置では、第1手掛持上げ部は、クリーニング装置の下方に配置されていることが好ましい。凹状の第1手掛持上げ部をクリーニング装置の下方に配置することで、クリーニング装置からこぼれるトナーを第1手掛持上げ部で受けることができ、光走査装置を汚すことがない。
【0015】
画像形成装置は、構成物として、転写装置と光走査装置との間に、中間転写ベルトの周回方向に沿って並設される複数の現像装置を更に備えていてもよい。この構成において、現像装置のケースの一側面は、筐体の一側面から離間する傾斜を有することが好ましい。この構成によれば、筐体の幅方向がコンパクトでありながら筐体の一側面に形成される凹状の第1手掛持上げ部の深さを長く確保することができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によると、筐体内の限られたスペースを有効利用して装置を持ち運ぶための凹状の手掛持上げ部を筐体に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】上記画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
図2】本発明の実施形態に画像形成装置の外観をある方向から見て示す斜視図である。
図3】上記画像形成装置の外観を別の方向から見て示す斜視図である。
図4図1と同じ画像形成装置の概略構成断面図であり、持ち運び時の筐体の姿勢を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、この発明の第1の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0019】
図3に示すように、画像形成装置10は、筐体100、自動原稿搬送装置(ADF:Automatic Document Feeder)200、及び制御部300を備えている。筐体100は概略直方体型を呈する。
【0020】
筐体100は、第1画像読取部110、画像形成部120、及び給紙部130を備えている。第1画像読取部110は、筐体100の上部に配置され、第1画像読取部110の下に画像形成部120が配置され、画像形成部120の下に給紙部130が配置されている。第1画像読取部110とADF200とによって画像読取装置400が構成されている。
【0021】
画像形成部120は、第1画像読取部110との間に画像形成処理済みの用紙を収容する用紙排紙トレイ67を設けるための空間83(いわゆる胴内排紙部。)を有するように、一部の水平方向の断面積が第1画像読取部110より小さく形成されている。用紙として、普通紙、印画紙、OHPフィルム等の記録媒体が挙げられる。
【0022】
画像形成部120は、露光ユニット3、4個の画像生成部51,52,53,54、中間転写ベルトユニット6、二次転写ローラ66、定着装置7、用紙排紙トレイ67、及び用紙搬送路68,69を備え、用紙に画像形成処理を行う。
【0023】
中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、駆動ローラ62、従動ローラ63、及びテンションローラ(不図示。)を有している。中間転写ベルト61は、駆動ローラ62と従動ローラ63との間に張架されてループ状の周回経路を形成している。中間転写ベルトユニット6および二次転写ローラ66は本発明の転写装置の一例である。中間転写ベルト61は本発明の無端ベルトの一例である。
【0024】
画像形成部120は、ブラック、並びに、カラー画像を色分解して得られる減法混色の3原色であるシアン、マゼンタ及びイエローの4色の各色相に対応した画像データを用いて、画像生成部51,52、53,54において画像形成処理を行う。画像生成部51〜54は、中間転写ベルト61の周回方向に沿って一列に配置されている。画像生成部52〜54は、画像生成部51と実質的に同様に構成されている。
【0025】
ブラックの画像生成部51は、感光体ドラム1、帯電装置2、現像装置4、一次転写ローラ5、及びクリーニング装置64を備えている。
【0026】
帯電装置2は、感光体ドラム1の表面を所定の電位に均一に帯電させる。
【0027】
露光ユニット3は、図示しない半導体レーザ、ポリゴンミラー、第1fθレンズ及び第2fθレンズを備えており、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色相の画像データによって変調されたレーザビームのそれぞれを、画像生成部51〜54のそれぞれの感光体ドラム1に照射する。4個の感光体ドラム1のそれぞれの周面には、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色相の画像データによる静電潜像が形成される。露光ユニット3は本発明の光走査装置の一例である。
【0028】
現像装置4は、静電潜像が形成された感光体ドラム1の周面に、画像生成部51〜54のそれぞれの色相のトナー(現像剤)を供給し、静電潜像をトナー像に顕像化する。
【0029】
クリーニング装置64は、現像及び画像転写の後における感光体ドラム1の表面に残留したトナーを回収する。
【0030】
中間転写ベルト61の外周面は、4個の感光体ドラム1に順に対向する。中間転写ベルト61を挟んで各感光体ドラム1に対向する位置のそれぞれに、一次転写ローラ5が配置されている。中間転写ベルト61と感光体ドラム1とが互いに対向する位置のそれぞれが、一次転写位置である。
【0031】
一次転写ローラ5には、感光体ドラム1の周面に担持されたトナー像を中間転写ベルト61上に転写するために、トナーの帯電極性(マイナス)と逆極性(プラス)の一次転写バイアスが定電圧制御によって印加される。これによって、感光体ドラム1のそれぞれに形成された各色相のトナー像は中間転写ベルト61の外周面に順次重ねて転写(一次転写)され、中間転写ベルト61の外周面にフルカラーのトナー像が形成される。
【0032】
但し、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色相の一部のみの画像データが入力された場合は、4個の感光体ドラム1のうち、入力された画像データの色相に対応する一部のみにおいて静電潜像及びトナー像の形成が行われる。例えば、モノクロ印刷モード時には、ブラックの色相に対応した画像生成部51の感光体ドラム1のみにおいて静電潜像の形成及びトナー像の形成が行われ、中間転写ベルト61の外周面にはブラックのトナー像のみが転写(一次転写)される。
【0033】
画像生成部51〜54の全てにおいて画像形成処理が行われるフルカラー画像形成時には、4個の一次転写ローラ5が中間転写ベルト61を全ての感光体ドラム1に圧接させる。一方、画像生成部51のみにおいて画像形成処理が行われるモノクロ画像形成時には、画像生成部51のみにおいて一次転写ローラ5が中間転写ベルト61を感光体ドラム1に圧接させる。
【0034】
各一次転写ローラ5は、ステンレス等の金属を素材とする軸の表面を導電性の弾性材によって被覆して構成されており、導電性の弾性材によって中間転写ベルト61に均一に高電圧を印加する。
【0035】
二次転写ローラ66は、中間転写ベルト61を挟んで駆動ローラ62に所定のニップ圧で圧接している。二次転写ローラ66は、導電性樹脂であって硬質材料で構成されている。二次転写ローラ66は、中間転写ベルト61の外周面に担持されたトナー像を、用紙に転写(二次転写)する。
【0036】
一次転写位置のそれぞれにおいて中間転写ベルト61の外周面に転写されたトナー像は、中間転写ベルト61の回転によって、中間転写ベルト61と二次転写ローラ66との対向位置である二次転写位置へ搬送される。
【0037】
給紙部130の給紙カセット81には、用紙が収容されている。用紙搬送路68には、複数の搬送ローラ12A,12Bが配置されている。用紙搬送路68は、給紙カセット81に収容されている用紙を、二次転写位置(本発明でいう転写部。)及び定着装置7を経由して用紙排紙トレイ67へ送るために、略垂直方向に配置されている。
【0038】
用紙搬送路69には、複数の搬送ローラ12C,12Dが配置されている。用紙搬送路69は、用紙の搬送方向において、定着装置7の下流側から二次転写位置の上流側まで設けられている。用紙搬送路69には、定着装置7を通過した後で用紙排紙トレイ67へ排出される用紙が、それまでの後端を前にして搬送される。これによって、用紙は表裏を反転した状態で、二次転写位置へ再送される。
【0039】
給紙部130は、給紙カセット81の他に、手差しトレイ82を備えている。給紙カセット81及び手差しトレイ82のそれぞれには、用紙が収容される。
【0040】
給紙部130は、給紙カセット81又は手差しトレイ82の何れかから1枚ずつ用紙を給紙する。給紙カセット81に収容された用紙は、ピックアップローラ11Aによって給紙され、用紙搬送路68を経由して二次転写位置へ搬送される。手差しトレイ82に収容された用紙は、ピックアップローラ11Bによって給紙され、用紙搬送路68を経由して二次転写位置へ搬送される。
【0041】
用紙搬送方向において二次転写位置の上流側に、レジストローラ13が配置されている。レジストローラ13は、給紙カセット81又は手差しトレイ82から給紙された用紙の先端を、中間転写ベルト61の表面に形成されたトナー像の先端と合わせるタイミングで回転を開始し、二次転写位置へ用紙を供給する。
【0042】
給紙部130から給紙された用紙が二次転写位置を通過する際に、駆動ローラ62に、トナーの帯電極性(マイナス)と同極性(マイナス)の高電圧の転写電圧が印加される。これによって、中間転写ベルト61の外周面から用紙の表面に、トナー像が二次転写される。
【0043】
トナー像が用紙に転写された後の中間転写ベルト61上に残留した現像剤は、中間転写ベルト用クリーニング装置65によって回収される。
【0044】
トナー像が転写された用紙は、定着装置7に導かれる。定着装置7は加熱ローラ71および加圧ローラ72を備える。加圧ローラ72は加熱ローラ71に圧接して定着部を形成し、トナー像が転写された用紙は定着部に通紙されることで加熱及び加圧される。これによって、トナー像が、用紙の表面に堅牢に定着する。トナー像が定着した用紙は、トナー像が定着した面を下にして用紙排紙トレイ67上へ排出される。
【0045】
以上のように構成される画像形成装置10は卓上で使用可能な可搬性を備えたカラー複合機である。したがって、図2図3に示すように、画像形成装置10を持ち上げるための凹状の第1取手103および第2取手104(これらは、特許請求の範囲に記載の「第1手掛持上げ部」および「第2手掛持上げ部」にそれぞれ相当するものである。)が筐体100の一側面101および他側面102にそれぞれ設けられる。尚、一側面101および他側面102は対向関係にある。
【0046】
図1に示すように、上記中間転写ベルトユニット6と上記露光ユニット3は筐体100内で高さ方向において上下に配置される。本実施形態では中間転写ベルトユニット6が上で、露光ユニット3が下となる関係であるが、両ユニットの上下関係は逆になっても良い。画像生成部51〜54の現像装置4は高さ方向において中間転写ベルトユニット6と露光ユニット3との間に配置されている。
【0047】
図1図2に示すように、筐体100の一側面101の第1取手103は高さ方向において中間転写ベルトユニット6と露光ユニット3との間、つまり画像生成部51〜54の現像装置4が設置された高さに配置される。筐体100がコンパクトに設計された画像形成装置10では、筐体100の一側面101の底部は給紙カセット81がすぐそばに迫っているため筐体100内のデッドスペースを有効利用して省スペースに凹状の第1取手103を配置できる。
【0048】
図1に示すように、現像装置4のケースの一側面および他側面は高さ方向において上に向かうほど互いに近づくように傾斜している。本実施形態では現像装置4のケースの断面が台形である場合を示すが、必ずしも台形である必要はなく、傾斜は直線ではなく曲線でもよい。このような現像装置4のケースの形状は本来的には複数の現像装置4を近接させて配設したときでも隣り合う現像装置4の間に感光体ドラム1をコンパクトに配置することを可能にせしめるものである。その副次的な効果として、並びの端に位置する現像装置4のケースの一側面の筐体100の一側面101から離間する傾斜を利用すれば、筐体100が幅方向にコンパクトでありながら凹状の第1取手103の深さを長く確保することができる。尚、一側面101および他側面102は対向関係にある。
【0049】
図1図3に示すように、筐体100の他側面102の第2取手104は高さ方向において第1取手103よりも低い位置に配置される。本実施形態では図示の如く筐体100の底部に第2取手104が設置されているが、必ずしも筐体100の底部である必要はない。
【0050】
図2図3は第1取手103、第2取手104が2つずつ設けられている例を示すが、第1取手103、第2取手104の数は限定されない。
【0051】
筐体100の他側面102に設けられた手差しトレイ82は下端に設定された回動軸によって開閉可能であり、外側に開かれる。手差しトレイ82は本発明の開閉部の一例である。
【0052】
第2取手104が第1取手103よりも低い位置に設置されることにより、図4に示すように、第1取手103と第2取手104を用いて画像形成装置10を持ち上げるときに、第1取手103と第2取手104が同じ高さになるように筐体100を支えることにより、筐体100は一側面101側が低く、他側面102側が高くなるように傾く。そうすると、開閉部である手差しトレイ82の自重は閉じられる方向に作用するので画像形成装置10の搬送中に手差しトレイ82が不意に開いて作業の邪魔になることがない。
【0053】
中間転写ベルト61は筐体100の一側面101および他側面102に軸中心が平行に設置された、複数のローラに張架されて筐体100内に横臥姿勢に配設される。第1取手103は図1に示すように中間転写ベルト用クリーニング装置65の下方に配設される。したがって、クリーニング装置65から落下するトナーを第1取手103によって受けることができ、その下に配置される露光ユニット3を汚すことがない。
【0054】
凹状の第1取手103および凹状の第2取手104のサイズは、画像形成装置10を持ち上げやすくするためにたとえば人差し指から小指までの4本の指が第2関節までが挿入できる深さに設定される。逆手にして差し入れた指の先端を引っ掛けられるように凹状の第1取手103の奧部を直角、傾斜あるいは曲線で立ち上げた形状にしてもよい。
【0055】
図1ではクリーニング装置を中間転写ベルトの左側に設けているが、本発明の第2の実施形態として、クリーニング装置を中間転写ベルトの左側であって駆動ローラ62の上側に設けてもよい。これにより第1取手103の指をいれる深さを最低限確保した状態で装置をコンパクト化が可能となる。或は、中間転写ベルトのクリーニング装置として、2次転写ローラに設けてもよい。2次転写ローラに残トナーと異極のバイアスを引加することで中間転写ベルト上の残トナーを2次転写ローラに転写させることで中間転写ベルト上の残トナーをクリーニングすることができる。
【0056】
本発明の第3の実施形態として、第1取手103は中間転写ベルトユニット6の装着、脱着時のガイドレールを兼ねることも出来る。この場合、第1取手103を筐体100の長手方向に延びる1本の長い凹部に形成することが好ましい。
【0057】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0058】
3 露光ユニット(光走査装置)
6 中間転写ベルトユニット(転写装置)
10 画像形成装置
51,52,53,54 画像生成部
65 中間転写ベルト用クリーニング装置
100 筐体
101 一側面
102 他側面
103 第1取手(第1手掛持上げ部)
104 第2取手(第2手掛持上げ部)
図1
図2
図3
図4